特開2016-222298(P2016-222298A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222298(P2016-222298A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】蓋付カップ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/22 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   B65D51/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-110638(P2015-110638)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓太
(72)【発明者】
【氏名】早川 茂
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084BA01
3E084BA06
3E084BA08
3E084BA09
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB13
3E084FA09
3E084FC07
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB08
3E084GB11
3E084HA01
3E084HB08
3E084HC08
3E084HD01
3E084LA25
3E084LB02
3E084LB10
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】開封後の見栄えを向上すること。
【解決手段】開口部2aがシール材3で密封されたカップ体2と、シール材の上方に配設された天壁部23を有し、カップ体に装着された蓋体4と、天壁部に形成された貫通孔40内に配置され、シール材を開封する開封部材5とを備え、開封部材は、シール材を下方に向けて押下する押下部43が形成された主板部41と、主板部から後方に向けて延在し、回動部44を介して天壁部に連結された連結板部42とを備え、開封部材には、下方に向けて突出する被係止突部50が形成され、天壁部には、下方に向けて突出すると共に、押下部が下方に向かうように開封部材が回動部回りに回動したときに、被係止突部を係止する係止突部51が形成されている蓋付カップ容器1を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容し、開口部がシール材で密封された有底筒状のカップ体と、
前記シール材の上方に配設された天壁部を有し、前記カップ体に装着された蓋体と、
前記天壁部に形成された貫通孔内に配置され、前記シール材を開封する開封部材と、を備え、
前記開封部材は、
先端に前記シール材を下方に向けて押下する押下部が形成された主板部と、
前記主板部から後方に向けて延在し、回動部を介して前記天壁部に連結された連結板部と、を備え、
前記開封部材には、下方に向けて突出する被係止突部が形成され、
前記天壁部には、下方に向けて突出すると共に、前記押下部が下方に向かうように前記開封部材が前記回動部回りに回動したときに、前記被係止突部を係止する係止突部が形成されていることを特徴とする蓋付カップ容器。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋付カップ容器において、
前記被係止突部は、前記連結板部に形成され、
前記係止突部は、前記貫通孔の開口周縁部に形成されていると共に、前記被係止突部に対応して形成されていることを特徴とする蓋付カップ容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蓋付カップ容器において、
前記係止突部は、
前記天壁部から下方に向けて突出した突起本体と、
前記突起本体の下端部から前記被係止突部に向けて突出すると共に、上方を向いた係止面を有する爪部と、を備え、
前記天壁部には、前記係止面に対して上方から対向する部分に窓孔が形成されていることを特徴とする蓋付カップ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付カップ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
蓋付カップ容器として、例えば下記特許文献1に記載されているように、開口部がシール材で封止された有底筒状のカップ体と、カップ体に装着され、シール材を破断して開封する開封部材を有する蓋体と、を備えた蓋付カップ容器が知られている。
蓋体は、環状の外周壁と、蓋材の上方に配置され、貫通孔が形成された天板部と、を備えている。開封部材は、貫通孔内に配置されると共にヒンジ部を介して天板部に連結され、シール材を破断する刃部を有する押し込み部と、押し込み部から上方に向けて突出した押し込み操作板と、を備えている。
【0003】
この蓋付カップ容器では、押し込み操作板を押しながらヒンジ部回りに押し込み部を下方に回動させることで、刃部によってシール材を破断して開封することができる。この際、外周壁の内周面に形成された凸状の係止突起に押し込み操作板を係止させることで、押し込み操作板の上方への回動を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−290717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の蓋付カップ容器では、係止突起が蓋体における外周壁の内周面に形成されているので、押し込み操作板を係止突起に係止させた際、係止突起が露出するので目立ち易い。従って、開封後の見栄えを向上させることに改善の余地があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、開封後の見栄えを向上することができる蓋付カップ容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る蓋付カップ容器は、内容物を収容し、開口部がシール材で密封された有底筒状のカップ体と、前記シール材の上方に配設された天壁部を有し、前記カップ体に装着された蓋体と、前記天壁部に形成された貫通孔内に配置され、前記シール材を開封する開封部材と、を備え、前記開封部材は、先端に前記シール材を下方に向けて押下する押下部が形成された主板部と、前記主板部から後方に向けて延在し、回動部を介して前記天壁部に連結された連結板部と、を備え、前記開封部材には、下方に向けて突出する被係止突部が形成され、前記天壁部には、下方に向けて突出すると共に、前記押下部が下方に向かうように前記開封部材が前記回動部回りに回動したときに、前記被係止突部を係止する係止突部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る蓋付カップ容器によれば、押下部が下方に向かうように開封部材を回動部回りに回動させることで、押下部によってシール材を押下して開封を行える。また、この開封時、開封部材に形成された被係止突部を、天壁部に形成された係止突部に係止することができる。これにより、開封部材が回動部回りの逆方向に回動することを規制した状態で、開封部材を保持することができる。そのため、シール材を開封することによって形成された開放部分が例えば狭くなることを防止することができ、開放部分を通じて内容物を安定してカップ体から外部に取り出すことができる。
【0009】
特に、被係止突部が開封部材から下方に向けて突出するように形成され、且つ係止突部も天壁部から下方に向けて突出するように形成されているので、開封時、係止突部及び被係止突部を外部から視認し難い天壁部の下方で互いに係止させ合うことができる。そのため、これら係止突部及び被係止突部が外部に露出し難くなるので、開封後の見栄えを向上することができる。
【0010】
(2)前記被係止突部は、前記連結板部に形成され、前記係止突部は、前記貫通孔の開口周縁部に形成されていると共に、前記被係止突部に対応して形成されていても良い。
【0011】
この場合には、被係止突部が連結板部に形成されているので、被係止突部を回動部(支点)に近い位置に配置することができる。従って、開封部材を回動部回りに回動した際、被係止突部に対して効率良く力を伝達することができ、係止突部に対して被係止突部をスムーズに係止させ易い。従って、開封操作をより安定且つ容易に行い易い。
さらに、被係止突部を連結板部に形成し、且つ係止突部を貫通孔の開口周縁部に形成しているので、被係止突部及び係止突部を互いに近い位置に配置できる。従って、被係止突部及び係止突部を直ちに係止させ易いうえ、係止し合うまでの間に被係止突部及び係止突部に対して他部品が干渉し難い。従って、他部品との干渉を考慮することなく、被係止突部及び係止突部を十分に係止し合うように設計することができ、開封部材をさらに安定して保持することができる。
【0012】
(3)前記係止突部は、前記天壁部から下方に向けて突出した突起本体と、前記突起本体の下端部から前記被係止突部に向けて突出すると共に、上方を向いた係止面を有する爪部と、を備え、前記天壁部には、前記係止面に対して上方から対向する部分に窓孔が形成されていても良い。
【0013】
この場合には、開封時、被係止突部を爪部の係止面に係止させることができるので、開封部材が回動部回りの逆方向に回動することを確実に規制した状態で、開封部材を保持することができる。従って、シール材を開封することによって形成された開放部分が狭くなることを効果的に防止し易い。
また、係止面に対して被係止突部が適切に係止されていることを、窓孔を通じて容易に確認することができるうえ、製造時に、窓部を通じて係止面を成型するための成型用金型を引き抜くことができるので、効率良く製造できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る蓋付カップ容器によれば、開封後の見栄えを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る蓋付カップ容器の実施形態を示す縦断面図である。
図2図1に示す蓋付カップ容器の上面図である。
図3図2に示すA−A線に沿った蓋付カップ容器の縦断面図である。
図4図3に示す状態から開封部材を回動操作し、刃部によりシール材を破断した状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る蓋付カップ容器の実施形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の蓋付カップ容器1は、内部に図示しない内容物が収容され、開口部2aがシール材3で密封された有底筒状のカップ体2と、シール材3の上方に配置された天壁部23を有し、カップ体2に装着された有頂筒状の蓋体4と、天壁部に形成された貫通孔40内に配置され、シール材3を開封する開封部材5と、を備えている。
【0017】
カップ体2及び蓋体4は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置した状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿った開口部2a側を上側、その反対側を下側という。
また、容器軸Oに沿って見た平面視で容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。さらに、径方向のうち一方向を前後方向L1といい、径方向のうち前後方向L1に直交する方向を左右方向L2という。
【0018】
カップ体2は、底部10及び胴部11を有し、横断面視円形状の有底円筒状に形成されている。胴部11は、上方から下方に向かうにしたがって漸次縮径している。但し、胴部11の形状はこの場合に限定されるものではない。底部10は、胴部11の下端開口縁よりも僅かに上方に位置している。これにより、カップ体2は上げ底状に形成されている。
【0019】
なお、胴部11の内周面には、カップ体2を上下方向に重ね合わせながら多段に積み上げる際に、胴部11の内側に差し込まれる別のカップ体2における胴部11の下端開口縁が上方から当接する支持突起12が形成されている。この支持突起12は、径方向内側に向かって突出すると共に周方向の全周に亘って環状に形成されている。但し、支持突起12は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
【0020】
胴部11の上端開口縁には、径方向外側に向かって突出するフランジ部13が全周に亘って形成されている。上記シール材3は、このフランジ部13の上面に一体的に固着されており、これにより開口部2aを封止している。
シール材3は、例えばアルミ蒸着シート等のバリア性シート材で構成され、その下面に熱溶着層が形成されているものが挙げられる。但し、この場合に限定されるものではなく、シール材3として、例えば合成樹脂の単層或いは積層シート、又は金属薄膜層と合成樹脂層とが積層された積層シート等で構成しても構わない。
【0021】
シール材3の固着方法としては、例えば貼着、圧着、熱溶着、高周波溶着や接着等が挙げられる。具体的には、シール材3としてバリア性シート材を適用した場合には、カップ体2内に飲料等の内容物を充填した後に、フランジ部13の上面に全周に亘ってシール材3を熱溶着して内容物を封止すれば良い。なお、内容物は液体に限定されるものではなく、固形或いは半固形状でも構わない。
また、シール材3として、バリア性シート材を適用した場合には、空気等がカップ体2内に侵入することを防止できるので例えば飲料の変質を効果的に防止することができる。
【0022】
蓋体4は、フランジ部13を径方向外側から囲む円筒状の装着筒部20と、装着筒部20の上端部から該上端部の全周に亘って径方向内側に向けて突出し、フランジ部13の上方に配設される円環状の連結板21と、連結板21の内周縁から上方に向かって延びた円筒状の周壁部22と、周壁部22の上端部に接続されると共にシール材3の上方に配設された天壁部23と、を備えている。
【0023】
装着筒部20の内周面には、径方向内側に向けて突出し、フランジ部13に対してアンダーカット嵌合する係合凸部25が形成されている。係合凸部25は、装着筒部20の内周面に全周に亘って環状に形成されていても構わないし、周方向に延びた円弧状に形成され、且つ周方向に間隔をあけて間欠配置されていても構わない。
そして蓋体4は、係合凸部25がフランジ部13に対してアンダーカット嵌合することによって、カップ体2に装着されている。但し、アンダーカット嵌合に限定されるものではない。
【0024】
連結板21の外周縁部には、周方向に延びる平面視円弧状のスリット部26が複数形成されている。これらスリット部26は、例えば周方向に間隔をあけて配置されている。図示の例では、3つのスリット部26が周方向に間隔をあけて配置されている。
これらスリット部26が形成されていることにより、装着筒部20を径方向に弾性変位させ易くすることができ、蓋体4をカップ体2に装着し易い。なお、係合凸部25を周方向に間隔をあけて配置した場合、係合凸部25に対して平面視で重なる位置にスリット部26を配置することがより好ましい。このようにすることで、蓋体4をカップ体2に対してさらに装着し易くなる。さらに、当該スリット部26を利用することにより、係合凸部25の成型が容易で賦形性に優れたものとなる。
【0025】
図1図3に示すように、天壁部23は、外周縁が周壁部22の上端部に接続されると共に、開口部30が形成された第1天壁部31と、開口部30内に配置されると共に第1天壁部31と一体的に形成された第2天壁部32と、を備えている。
【0026】
開口部30は、前後方向L1に沿った長さが左右方向L2に沿った長さよりも僅かに長く形成されていると共に、全体的に容器軸Oよりも径方向外側にずれた位置に形成されている。なお、前後方向L1のうち、開口部30が容器軸Oに対してずれた方向を前方といい、その反対側を後方という。
【0027】
この際、開口部30の前方部分は周壁部22の内周面に達している。これにより、開口部30の周縁部のうち前方周縁部は、周壁部22に沿った平面視円弧状に形成されている。また、開口部30の周縁部のうち後方周縁部は、容器軸Oよりも後方側に位置しており、平面視半円状に形成されている。さらに、開口部30の周縁部のうち左右両側に位置する一対の側方周縁部は、前後方向L1に沿って延びた平面視直線状に形成されている。
【0028】
そして、上述の開口部30の周縁部のうち前方周縁部を除いた部分、すなわち後方周縁部及び一対の側方周縁部には下方に向けて延びた内壁部がそれぞれ形成されている。
内壁部のうち後方周縁部に沿って形成された後方内壁部33は、後方周縁部に対応して平面視半円状に形成されている。内壁部のうち一対の側方周縁部にそれぞれ沿って形成された側方内壁部34は、側方周縁部に対応して平面視直線状に形成されている。
そのため、一対の側方内壁部34は、左右方向L2に間隔をあけて平行に対向していると共に、前方部分が周壁部22の内周面に対して一体的に接続され、且つ後方部分が後方内壁部33に対して一体的に接続されている。
【0029】
第2天壁部32は、上述した開口部30のうち、主に後方内壁部33によって囲まれる部分に配置されている。第2天壁部32は、左右方向L2の中央部に位置する下段壁35と、下段壁35よりも左右方向L2の外側に位置する一対の上段壁36と、を備えている。
【0030】
上段壁36は、後方内壁部33における上下方向のほぼ中間部分に配置されていると共に、後方内壁部33の内周面に一体的に接続されている。この上段壁36は上面がほぼ平坦とされ、前縁部が左右方向L2に沿って延びる直線状に形成され、且つ下段壁35側を向いた側縁部が前後方向L1に沿って延びる直線状に形成されている。そして、この上段壁36の側縁部には、下方に向けて延びる連結壁部37が形成されている。
【0031】
下段壁35は、後方内壁部33の下端部及び、連結壁部37の下端部に一体的に接続されている。また、下段壁35は上面がほぼ平坦とされ、前縁部が左右方向L2に沿って延びる直線状に形成されている。
【0032】
上述のように、開口部30の内側に高さの異なる上段壁36及び下段壁35を有する第2天壁部32が形成されているので、開口部30のうち主に後方内壁部33で囲まれる部分には、2段階の深さの窪み部が形成されている。特に、下段壁35によって形成される窪み部は、例えば指先を十分に差し込める程度の深さとされている。
なお、下段壁35は平坦に形成されている必要はなく、例えば下方に向けて半球状に凹むように形成されていても構わない。このようにすることで、深さをさらに確保することができ、指先をさらに差し込み易くなる。
【0033】
下段壁35の下面には、突起状の穿刺部38が下方に向けて突設されている。穿刺部38は、下段壁35のうち左右方向L2の中央部分に配置されており、先鋭化した下端部がシール材3の上方に若干の隙間をあけて対向している。この穿刺部38は、例えばカップ体2の開封前に蓋付カップ容器1を加熱する等してカップ体2の内圧が上昇し、シール材3が上方に膨出変形した場合、シール材3の一部を穿刺してカップ体2内の圧力を外部に逃がす役割を果たす。
なお、シール材3が上方に膨出変形する場合、シール材3の中央部分が他の部分よりも先行して膨出し易いので、後述する刃部43よりも先に穿刺部38をシール材3に穿刺させることができる。
【0034】
上記開口部30のうち、上段壁36が配置されていない前方寄りの部分は、蓋体4を上下に貫く貫通孔40とされている。先に述べたように、この貫通孔40内に開封部材5が配置されている。
【0035】
開封部材5は、シール材3を下方に向けて押下して破断する刃部(押下部)43が前端部(先端)に形成された主板部41と、主板部41から後方に向けて延び、回動部44を介して天壁部23に連結された一対の連結板部42と、を備えている。
【0036】
主板部41は、貫通孔40内における前方寄りに配置されており、前端部が周壁部22の内周面に対応して平面視円弧状に形成されている。刃部43は、主板部41における前端部に沿って形成されていると共に、下方に向けて突出するように形成されている。刃部43の下端部は、先鋭化されており、シール材3の上方に対向して配置されている。
【0037】
一対の連結板部42は、左右方向L2に間隔をあけて配置され、主板部41の後端部から前後方向L1に沿って後方に向けて延び、上記回動部44を介して上段壁36の前縁部に連結されている。これにより、開封部材5は、貫通孔40内に配置された状態で上段壁36に片持ち支持されると共に上段壁36を介して天壁部23に連結されている。
回動部44は、一対の連結板部42の肉厚よりも薄肉とされたヒンジとされている。これにより、回動部44を中心として(回動部44回りに)開封部材5を滑らかに回動させることができ、回動に伴って主板部41の前端部に形成された刃部43を下方に向けて移動させることが可能とされている。
【0038】
さらに、主板部41の後端部には、開封部材5を回動操作するための操作板45が一体的に形成されている。操作板45は、主板部41の後端部のうち左右方向L2の中央部分から上方に向けて突出した後、斜め後方に向けて延びるように形成されている。その際、操作板45は、平面視で貫通孔40内に収まる程度、後方に向けて突出している。
【0039】
従って、下段壁35によって形成される窪み部に差し込んだ指先を操作板45の下方にさらに差し込み、操作板45に対して指先を引っ掛けることが可能とされている。
これにより、操作板45に指先を引っ掛けながら、刃部43を下方に向けて移動させるように開封部材5を回動部44回りに回動させることが可能とされている。また、操作板45に対して下方から人差し指を引っ掛け、且つ主板部41を親指で上方から押さえるようにして開封部材5を摘まんで安定的に把持し、その状態を維持したまま、開封部材5の全体を回動部44回りに下方に向けて回動させるといった操作等も可能である。
【0040】
なお、操作板45は、開口部30内に配置されるように主板部41からの上方への突出量が調整されている。これにより、操作板45が第1天壁部31の上面よりも上方に突出することが防止され、操作板45に不意に外力が加わることを防止できる。
また、図2に示すように、主板部41は破断可能なブリッジ部46を介して一対の側方内壁部34にそれぞれ連結されている。但し、ブリッジ部46の数や位置は、この場合に限定されるものではなく自由に設計して構わない。
【0041】
上述のように構成された開封部材5には、図1図3に示すように、係止板(被係止突部)50が形成されている。一方、天壁部23には、刃部43が下方に向かうように開封部材5が回動部44回りに回動したときに、係止板50を係止する係止爪(係止突部)51が形成されている。
【0042】
係止板50は、一対の連結板部42にそれぞれ形成されている。具体的には、係止板50は、連結板部42のうち回動部44に隣接する部分から下方に向けて突出するように形成されている。係止板50の下端部のうち後方側に位置する角部は、丸みを帯びた形状とされている。
【0043】
係止爪51は、貫通孔40の開口周縁部に配置されていると共に、係止板50に対応して一対形成されている。具体的には、係止爪51は、上段壁36の下面から下方に向けて突出するように形成された突起本体52と、突起本体52の下端部から前方に向けて(係止板50に向けて)突出した爪部53と、を備えている。
突起本体52は、上段壁36との接続部分を中心に前後方向L1に弾性変位可能とされている。爪部53は、前方側に位置する下面角部が丸みを帯びた形状に形成されていると共に、上方を向いた平坦な係止面53aを有している。
【0044】
これにより、刃部43が下方に向かうように開封部材5を回動部44回りに回動させたときに、図3に示す破線のように、係止板50の下端部を爪部53の係止面53a上に係止させることができる。そのため、それ以降、係止板50の下端部が下方に移動することを係止爪51によって規制することができる。
なお、上段壁36には、爪部53における係止面53aの上方に位置する部分に上段壁36を貫通する窓孔54が形成されている。そのため、窓孔54を通じて係止爪51に係止された係止板50の下端部を外部から視認することが可能とされている。
【0045】
(蓋付カップ容器の使用)
次に、上述したように構成された蓋付カップ容器1を使用する場合について説明する。
この場合には、図4に示すように、操作板45を利用して刃部43が下方に向かうように開封部材5の全体を回動部44回りに回動させる。これにより、ブリッジ部46を破断させることができると共に、刃部43をシール材3に押し付けて該シール材3を破断することができる。これにより、蓋付カップ容器1の開封作業を行うことができる。
【0046】
また、シール材3を破断した後、開封部材5を引き続き回動させることで、係止板50の下端部を係止爪51の爪部53に徐々に接近させることができる。そして、開封部材5のさらなる回動によって、開封部材5を初期状態から90度程度回動させると、係止板50の下端部が突起本体52を後方側に弾性変形させながら爪部53を乗り超える。その際、係止板50の丸みを帯びた角部と、爪部53の丸みを帯びた下面角部とが接するので、係止板50は引っ掛かりなくスムーズに爪部53を乗り越える。そして、係止板50が爪部53を乗り越えた瞬間、突起本体52が前方側に向けて復元変位するので、係止板50の下端部を爪部53の係止面53aに係止させることができる。これにより、係止板50は、ほぼ水平に配置された状態で係止爪51に係止される。
【0047】
従って、開封部材5が回動部44回りの逆方向に回動することを規制した状態で、開封部材5を保持することができ、シール材3を開封することによって形成された開放部分が狭くなることを防止することができる。従って、この開放部分を通じて内容物を安定してカップ体2から外部に取り出すことができる。
特に、開封時、係止板50及び係止爪51を、外部から視認し難い天壁部23の下方で互いに係止させ合うことができる。従って、これら係止板50及び係止爪51が外部に露出し難くなるので、開封後の見栄えを向上することができる。
【0048】
また、係止板50を一対の連結板部42に形成しているので、係止板50を回動部44(支点)に近い位置に配置できる。そのため、開封部材5の回動時、係止板50に力を効率良く伝え易く、係止爪51に対して係止板50をスムーズに係止させ易い。従って、開封操作を安定且つ容易に行い易い。また、係止板50及び係止爪51を左右方向L2に離れた2カ所で係止できるので、開封部材5にねじれやがたつき等が生じ難く、開封部材5をより安定して保持することができる。
【0049】
さらに、係止板50を一対の連結板部42から下方に向けて突設し、係止爪51を上段壁36から下方に向けて突設させているので、係止板50及び係止爪51を近い位置に配置することができる。従って、係止板50及び係止爪51を直ちに係止させ易いうえ、係止し合うまでの間に、係止板50及び係止爪51に対して他部品が干渉し難い。従って、他部品との干渉を考慮することなく、係止板50及び係止爪51を十分に係止し合うように設計することが可能である。そのため、十分な係止によって、開封時、開封部材5を安定に保持することができる。
【0050】
さらに、窓孔54を通じて係止爪51に係止された係止板50の下端部を視認できるので、適切に係止板50が係止されていることを容易に確認することができる。
【0051】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態では、押下部の一例として、刃部43を利用してシール材3を破断して開封を行ったが、刃部43に限定されるものではない。例えば、シール材3を下方に向けて押下することで、シール材3を押し破る等して開封を行えれば、押下部として種々の形状のものを採用することができる。
【0053】
また、被係止突部として係止板50を例に挙げると共に、係止突部として係止爪51を例に挙げて説明したが、これらの場合に限定されるものではない。例えば、爪部同士を係止し合う構成や、凸部と凹部とを係止し合う構成等を採用しても良い。
さらに、係止板50及び係止爪51の位置や数は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、開封部材5の下面から下方に向けて被係止突部を1つだけ突設し、天壁部23の下面から下方に向けて1つだけ係止突部を突設し、被係止突部及び係止突部を1カ所で係止させても構わない。さらに、3ヵ所以上で係止する構成としても構わない。
【符号の説明】
【0054】
1…蓋付カップ容器
2…カップ体
2a…カップ体の開口部
4…蓋体
5…開封部材
23…天壁部
40…貫通孔
41…主板部
42…連結板部
43…刃部(押下部)
44…回動部
50…係止板(被係止突部)
51…係止爪(係止突部)
52…突起本体
53…爪部
53a…係止面
54…窓孔
図1
図2
図3
図4