特開2016-222301(P2016-222301A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222301(P2016-222301A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】二重容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   B65D1/02 221
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-110718(P2015-110718)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】栗原 誠明
(72)【発明者】
【氏名】桑原 和仁
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA15
3E033BA16
3E033BB08
3E033DA04
3E033DB01
3E033DC04
3E033DD02
3E033DD12
3E033DE05
3E033FA03
3E033GA02
(57)【要約】
【課題】内容物の熱充填後の冷却時にシャワー水が外気導入孔から侵入することを防止できる二重容器を提供する。
【解決手段】外気導入孔14を、外層体10の外側表面に貼着されるシール材40の少なくとも一部を剥離させることで外界と連通可能に構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部、胴部及び底部を有するボトル状をなすと共に容器の外殻を形成する外層体と、該外層体の内側に収められた内層体と、前記外層体を貫通する外気導入孔とを備え、前記内層体の減容変形に伴い前記外気導入孔から前記外層体と前記内層体との間に形成される内部空間に外気を導入可能な二重容器において、
前記外気導入孔は、前記外層体の外側表面に貼着されたシール材の少なくとも一部を剥離させることで外界と連通可能であることを特徴とする二重容器。
【請求項2】
前記外層体の胴部は、局所的に内側に向けて凹む凹部を備え、
前記外気導入孔は前記凹部に形成されており、
前記外気導入孔には、前記内部空間への外気の導入を許容する一方で前記内部空間からの空気の漏れを防止する逆止弁が設けられており、
前記シール材は、前記凹部を覆って貼着されている、請求項1に記載の二重容器。
【請求項3】
前記逆止弁は、前記外気導入孔から前記内部空間に突出する突出部を備える、請求項2に記載の二重容器。
【請求項4】
前記逆止弁は、前記外気導入孔の外周面との間に隙間を空けつつ前記外気導入孔を貫通する貫通部を備え、
前記貫通部の一端部は前記突出部に連結しており、
前記突出部は、前記外気導入孔の外周面における内側縁部に着座して前記内部空間からの空気の漏れを防止する着座部を備え、
前記貫通部の他端側部分には、前記凹部内において前記外層体の外側表面に当接する複数の弾性腕部が設けられている、請求項3に記載の二重容器。
【請求項5】
前記シール材は、前記外気導入孔を取り囲んで前記外層体の外側表面に剥離可能に貼着される貼着部と、該貼着部に一端が連結すると共に他端が前記外層体の外側表面から離間した把持用の突片とを備えるフィルム材である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項6】
前記外層体の口部に装着される注出栓及び該注出栓の開閉を行う蓋体を有する注出キャップと、
少なくとも前記注出キャップ及び前記外層体の胴部の上部に装着されるシュリンクラベルとを備え、
前記シュリンクラベルの少なくとも一部は前記注出キャップ及び前記外層体の胴部の上部から取り除くことができ、
前記シール材の前記少なくとも一部は、前記シュリンクラベルの前記少なくとも一部に接着されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項7】
前記シール材は、前記外層体の外側表面に剥離可能に貼着されると共に前記シュリンクラベルの前記少なくとも一部に接着された除去予定部と、該除去予定部に切断予定部を介して接続し、前記外層体の外側表面に貼着されて前記逆止弁を覆い隠す被覆部とを備えるフィルム材である、請求項6に記載の二重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の外殻を形成する外層体と、該外層体の内側に収められた内層体と、外層体を貫通する外気導入孔とを備える二重容器に関し、特に、内容物の熱充填後の冷却時にシャワー水が外気導入孔から侵入することを防止しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、口部、胴部及び底部を有するボトル状をなすと共に容器の外殻を形成する外層体と、該外層体の内側に収められた内層体と、外層体を貫通する外気導入孔とを備え、内層体の減容変形に伴い外気導入孔から外層体と内層体との間に形成される内部空間に外気を導入可能な二重容器(デラミ容器とも言う)が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、例えば、醤油、醤油含有調味料、食酢、料理酒等の液体食品等を内容物とする場合に、その内容物を容器に充填して製品化する要領として、高温状態の内容物を充填する熱充填工程と、該工程の後にシャワー水を用いて容器及び内容物を冷却する冷却工程とを設けたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−207860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記したような従来の二重容器について熱充填工程及び冷却工程を適用した場合には、熱充填後の冷却時にシャワー水が外気導入孔から容器の内部空間(外層体と内層体との間)に侵入してしまうという問題があった。また、このようにシャワー水が外気導入孔から侵入した場合には、内層体の材質等によっては内層体のバリア性が低下してしまう場合もあった。
【0006】
本発明は、前記の課題を解決するために開発されたもので、内容物の熱充填後の冷却時にシャワー水が外気導入孔から侵入することを防止できる二重容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
1.口部、胴部及び底部を有するボトル状をなすと共に容器の外殻を形成する外層体と、該外層体の内側に収められた内層体と、前記外層体を貫通する外気導入孔とを備え、前記内層体の減容変形に伴い前記外気導入孔から前記外層体と前記内層体との間に形成される内部空間に外気を導入可能な二重容器において、
前記外気導入孔は、前記外層体の外側表面に貼着されたシール材の少なくとも一部を剥離させることで外界と連通可能であることを特徴とする二重容器。
【0008】
2.前記外層体の胴部は、局所的に内側に向けて凹む凹部を備え、
前記外気導入孔は前記凹部に形成されており、
前記外気導入孔には、前記内部空間への外気の導入を許容する一方で前記内部空間からの空気の漏れを防止する逆止弁が設けられており、
前記シール材は、前記凹部を覆って貼着されている、前記1の二重容器。
【0009】
3.前記逆止弁は、前記外気導入孔から前記内部空間に突出する突出部を備える、前記2の二重容器。
【0010】
4.前記逆止弁は、前記外気導入孔の外周面との間に隙間を空けつつ前記外気導入孔を貫通する貫通部を備え、
前記貫通部の一端部は前記突出部に連結しており、
前記突出部は、前記外気導入孔の外周面における内側縁部に着座して前記内部空間からの空気の漏れを防止する着座部を備え、
前記貫通部の他端側部分には、前記凹部内において前記外層体の外側表面に当接する複数の弾性腕部が設けられている、前記3の二重容器。
【0011】
5.前記シール材は、前記外気導入孔を取り囲んで前記外層体の外側表面に剥離可能に貼着される貼着部と、該貼着部に一端が連結すると共に他端が前記外層体の外側表面から離間した把持用の突片とを備えるフィルム材である、前記1〜4のいずれかの二重容器。
【0012】
6.前記外層体の口部に装着される注出栓及び該注出栓の開閉を行う蓋体を有する注出キャップと、
少なくとも前記注出キャップ及び前記外層体の胴部の上部に装着されるシュリンクラベルとを備え、
前記シュリンクラベルの少なくとも一部は前記注出キャップ及び前記外層体の胴部の上部から取り除くことができ、
前記シール材の前記少なくとも一部は、前記シュリンクラベルの前記少なくとも一部に接着されている、前記2〜4のいずれかの二重容器。
【0013】
7.前記シール材は、前記外層体の外側表面に剥離可能に貼着されると共に前記シュリンクラベルの前記少なくとも一部に接着された除去予定部と、該除去予定部に切断予定部を介して接続し、前記外層体の外側表面に貼着されて前記逆止弁を覆い隠す被覆部とを備えるフィルム材である、前記6の二重容器。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、熱充填後の冷却工程においては、外気導入孔を外層体の外側表面に貼着されたシール材によって外界から遮断しておくことで、シャワー水が外気導入孔から侵入することを防止できる。また、その後、シール材の少なくとも一部を剥離させて外気導入孔を外界と連通させることで、容器の使用に際して外気の導入を可能にすることができる。
【0015】
したがって、本発明によれば、内容物の熱充填後の冷却時にシャワー水が外気導入孔から侵入することを防止できる二重容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る二重容器の縦断面図である。
図2図1の二重容器の側面図である。
図3図1の部分拡大図である。
図4】本発明の他の実施形態に係る二重容器の底面図である。
図5図4のA−A断面図である。
図6図4のB−B断面図である。
図7】本発明の更なる他の実施形態に係る二重容器の縦断面図である。
図8図7の二重容器の側面図である。
図9図7の二重容器の開封前後の状態を示す縦断面図であり、(a)は開封前、(b)は開封後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
なお、本明細書において、上下方向とは、二重容器の正立状態を基準とし、外層体の口部が位置する側を上方(例えば、図1の上方)、外層体の底部が位置する側を下方(例えば、図1の下方)とする。
【0018】
まず、図1図3を参照して、本発明の一実施形態に係る二重容器1について詳細に例示説明する。
図1図2に示すように、本実施形態に係る二重容器1は、容器の外殻を形成する外層体10と、外層体10の内側に収められる減容変形自在な内層体20とを備えている。なお、本実施形態では、外層体10と内層体20の間には、これら外層体10及び内層体20を互いに部分的に接合する接着帯(図示省略)が設けられているが、接着帯を設けない構成とすることも可能である。
【0019】
ここで、本実施形態における二重容器1は、合成樹脂製の外層体10と、外層体10に対して相溶性が低い合成樹脂にて形成される内層体20と、外層体10及び内層体20に対して接着性を有する合成樹脂にて形成される帯状の接着層、すなわち、接着帯とを積層させたものであり、これらの合成樹脂を積層して形成したパリソンを、ブロー成形することによって得られたものである。ここで、本実施形態の二重容器1においては、外層体10を外側の低密度ポリエチレン(LDPE)と内側のポリプロピレン樹脂(PP)の2層構造とし、内層体20を外側のエチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)と内側の変性ポリオレフィン樹脂(三井化学株式会社製「アドマー」(登録商標))の2層構造としている。また、接着帯を変性ポリオレフィン樹脂(「アドマー」(登録商標))で構成している。なお、本実施形態では、スクイズ性を付与するため、外層体10の外側の層を低密度ポリエチレン(LDPE)で構成しているが、ポリプロピレン樹脂(PP)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、又は高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)とすることも可能である。また、本実施形態の外層体10を構成するポリプロピレン樹脂(PP)の層は、内層体20の剥離性を向上するために設けたものであり、必ずしも必要なものではない。さらに、上記の層構成は一例であり、外層体10に対して内層体20が剥離可能であれば、外層体10、内層体20、及び接着帯の材料は特に限定されるものではなく、それぞれ単層構造としても良いし、多層構造としても良い。また、接着帯は必ずしも設ける必要はない。
【0020】
外層体10は、口部11、胴部12及び底部13を有するボトル状をなすと共に復元自在な可撓性を有するものである。なお、本実施形態において胴部12は、横断面が円形であり、口部11に向けて上部が縮径する筒形状としているが、これに限定されず、例えば、横断面が多角形や楕円形等の形状とすることができる。
【0021】
内層体20は、その内側に内容物(図示省略)を充填可能な充填空間Mを有しており、積層された外層体10から剥離させることで減容変形させることができる。すなわち、外層体10は外層体10を貫通する外気導入孔14を備えており、内容物の取り出しに伴う内層体20の減容変形に従い、外気導入孔14から外層体10と内層体20との間に形成される内部空間Nに外気が導入されるようになっている。
【0022】
図3に示すように、本実施形態では、外層体10の胴部12は局所的に内側に向けて凹む凹部15を備え、外気導入孔14は凹部15に形成されている。また、外気導入孔14には、内部空間Nへの外気の導入を許容する一方で内部空間Nからの空気の漏れを防止する逆止弁30が設けられている。
【0023】
逆止弁30は、本実施形態では、外気導入孔14の外周面との間に隙間を空けつつ外気導入孔14を貫通する貫通部31と、貫通部31の一端部に連結すると共に外気導入孔14から内部空間Nに突出する突出部32と、貫通部31の他端部に連結した複数(本例では4本)の弾性腕部33とを備えている。突出部32は、外気導入孔14の外周面における内側縁部14aに着座して内部空間Nからの空気の漏れを防止する着座部32aを備えている。なお、突出部32は、先端に向けて開口する中空部を有する中空円柱状をなしている。また、複数の弾性腕部33は、凹部15内において外層体10の外側表面に当接して、内部空間Nへの逆止弁30の脱落を防止するように構成されている。
【0024】
なお、着座部32aは、二重容器1の不使用時には必ずしも外気導入孔14を封止する必要はないが、二重容器1の不使用時にも外気導入孔14を封止するように構成した場合には、不使用時において内部空間Nへの外部からの塵等の侵入をより確実に防止できるため好ましい。また、このように構成した場合には、スクイズの開始時点で外気導入孔14が封止されていることから、スクイズ開始時の内部空間Nからの空気の漏れをより確実に防止することができる。なお、複数の弾性腕部33を、凹部15内において外層体10の外側表面に圧接することで着座部32aを着座させる付勢力を与えるように構成することがより好ましく、このように構成することで、前記したような不使用時における塵等の侵入や、スクイズ開始時の空気の漏れをさらに確実に防止することができる。なお、逆止弁30は、例えば合成樹脂製とすることができる。
【0025】
また、外気導入孔14は、外層体10の外側表面に貼着されたシール材40によって外界から遮断されている。本実施形態では、シール材40は、外気導入孔14を取り囲んで外層体10の外側表面に剥離可能に貼着される貼着部41と、該貼着部41に一端が連結すると共に他端が外層体10の外側表面から離間した把持用の突片42とを備えるフィルム材である。シール材40は、凹部15を覆って貼着されている。
【0026】
また、図1図2に示したように、二重容器1は、注出キャップ50を備えている。注出キャップ50は、口部11に係合保持される注出栓51と、注出栓51にヒンジ52を介して連結され、当該注出栓51の開閉を行う蓋体53とを備えている。なお、ヒンジ52を設けずに、蓋体53を別体として形成し、注出栓51にねじ係合やアンダーカット係合させる構成としてもよい。
【0027】
注出栓51は、口部11の外周面に対してアンダーカット係合する装着筒54と、装着筒54の上部を覆う隔壁55と、隔壁55から上方に立設し、内側が充填空間Mに繋がる注出筒56とを備える。注出筒56の下方には、円筒壁57が連なっており、円筒壁57の内周面には、周方向に間隔をあけて設けられる複数の縦リブ58を設けている。縦リブ58の径方向内側には、球状体59が配置され、縦リブ58の上端に設けた膨出部によって抜け止め保持されている。円筒壁57の下部には、下方に向けて縮径する傾斜壁57aを設けている。ここで、球状体59は、縦リブ58に沿って自重にて移動するものであり、図1に示すように二重容器1が正立姿勢にあるときは傾斜壁57aと全周にわたって当接して、内層体20の充填空間Mを封止している。
【0028】
蓋体53は、注出栓51の上方を覆う頂壁60の外縁部に周壁61を連結したものであり、周壁61はヒンジ52によって装着筒54に連結されている。また、頂壁60の下面には、注出筒56と液密に当接するシール筒62を設けている。また、シール筒62の径方向内側には、下方に向けて延びるピン63を設けている。ピン63は、球状体59が上方へ変位する際、上限に至る手前で球状体59に当接するように設けられている。これにより、二重容器1の使用後に蓋体53を閉じることで球状体59を確実に落下させて、傾斜壁57aに当接させ、充填空間Mを封止することができる。
【0029】
かかる二重容器1について熱充填工程及び冷却工程を適用するに際しては、まず、液体食品等の内容物が高温状態のままで内層体20の充填空間Mに充填され、注出キャップ50が打栓される。そして、その後の冷却工程において、シャワー水を用いて二重容器1及びその内容物が冷却されるが、前述した逆止弁30及びシール材40は、少なくともこのシャワー水が適用される前に外層体10に取り付けられる。このように、シャワー水が適用されるまでに外気導入孔14をシール材40で外界から遮断しておくことで、冷却時の充填空間M内の減圧に伴う内層体20の減容変形により、シャワー水が外気導入孔14から内部空間N内に侵入することが防止される。
【0030】
このとき、外気導入孔14から内部空間N内に外気を導入することもできないため、内層体20の減容変形に伴い、外層体10も減容変形することになるが、このとき外層体10に歪な変形が生じて外観を損なうことのないように、外層体10の形状及び材質を適宜設定しておくことが好ましい。なお、シール材40は、二重容器1の使用開始時に外層体10から剥離、除去させればよいが、これに代え、冷却工程終了直後に、シール材40を剥離させて外気導入孔14を外界と連通させることで、外層体10を復元させるようにしてもよい。
【0031】
なお、二重容器1の使用に際しては、まず、蓋体53を開いて二重容器1を傾倒或いは倒立姿勢にすることで、球状体59が注出筒56側に変位する。そして、胴部12を両側から挟むようにして外層体10を押圧(スクイズ)すれば、外気導入孔14に逆止弁30が設けられていることで、内部空間Nからの空気の漏れが防止されるため、内容物をスムーズに吐出することができる。また、スクイズを解除すれば、内部空間Nには外気が十分に導入される。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る二重容器1は、口部11、胴部12及び底部13を有するボトル状をなすと共に容器の外殻を形成する外層体10と、該外層体10の内側に収められた内層体20と、外層体10を貫通する外気導入孔14とを備え、内層体20の減容変形に伴い外気導入孔14から外層体10と内層体20との間に形成される内部空間Nに外気を導入可能な二重容器1において、外気導入孔14は、外層体10の外側表面に貼着されたシール材40の少なくとも一部を剥離させることで外界と連通可能であるという構成になっている。
【0033】
したがって、二重容器1によれば、熱充填後の冷却工程においては、外気導入孔14を外層体10の外側表面に貼着されたシール材40によって外界から遮断しておくことで、シャワー水が外気導入孔14から侵入することを防止できる。また、その後、シール材40の少なくとも一部を剥離させて外気導入孔14を外界と連通させることで、容器の使用に際して外気の導入を可能にすることができる。
【0034】
また、本実施形態に係る二重容器1は、外層体10の胴部12は、局所的に内側に向けて凹む凹部15を備え、外気導入孔14は凹部15に形成されており、外気導入孔14には、内部空間Nへの外気の導入を許容する一方で内部空間Nからの空気の漏れを防止する逆止弁30が設けられており、シール材40は、凹部15を覆って貼着されているという構成になっている。
【0035】
したがって、二重容器1によれば、逆止弁30によってスクイズによる内容物の吐出をスムーズに行えると共に、逆止弁30が胴部12から突出して容器の外観を損なうことを防止することができる。
【0036】
また、本実施形態に係る二重容器1は、逆止弁30が、外気導入孔14から内部空間Nに突出する突出部32を備えるという構成になっている。
【0037】
したがって、二重容器1によれば、突出部32によって内層体20が押されて外層体10との間に隙間が形成されるため、外気導入孔14の近傍に外気の導入経路となる隙間を確実に確保することができる。
【0038】
また、本実施形態に係る二重容器1は、逆止弁30が、外気導入孔14の外周面との間に隙間を空けつつ外気導入孔14を貫通する貫通部31を備え、貫通部31の一端部は突出部32に連結しており、突出部32は、外気導入孔14の外周面における内側縁部14aに着座して内部空間Nからの空気の漏れを防止する着座部32aを備え、貫通部31の他端側部分には、凹部15内において外層体10の外側表面に当接する複数の弾性腕部33が設けられているという構成になっている。
【0039】
したがって、二重容器1によれば、胴部12のスクイズ時には、外気導入孔14の外周面における内側縁部14aに逆止弁30の着座部32aが着座することで空気の漏れを防止することができる。また、スクイズ解除時には、胴部12の復元に伴う内部空間Nの減圧により、複数の弾性腕部33が弾性変形して着座部32aが外気導入孔14の外周面における内側縁部14aから十分に離れ、外気を、複数の弾性腕部33の相互間、貫通部31と外気導入孔14の外周面との相互間を通じて内部空間Nへと導入することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る二重容器1は、シール材40は、外気導入孔14を取り囲んで外層体10の外側表面に剥離可能に貼着される貼着部41と、該貼着部41に一端が連結すると共に他端が外層体10の外側表面から離間した把持用の突片42とを備えるフィルム材であるという構成になっている。
【0041】
したがって、二重容器1によれば、二重容器1の使用開始時又は熱充填後のシャワー水による冷却工程が終了した後に、突片42を把持部としてシール材40を引き剥がすことで、容易に外気導入孔14を開封することができる。
【0042】
次に、図4図6を参照して、本発明の他の実施形態に係る二重容器2について詳細に例示説明する。
図4図6に示すように、本実施形態に係る二重容器2は、外気導入孔14’を胴部12に設ける代わりに底部13に設けた点、及び逆止弁30を備えていない点を除き、図1図3を用いて前述した実施形態の場合と同一の構成になっている。
【0043】
すなわち、本実施形態では、ブロー成形の割り金型によって外層体10と内層体20とを挟み込んで押し潰すとともに、その先端を食い切ることによって形成されるピンチオフ部16において、内層体20を外層体10から剥離させて外層体10を底割れさせることにより形成される開口を外気導入孔14’として用いる。具体的には、例えば、ブロー成形後にピンチオフ部16を口部11側に向けて押圧することにより、外気導入孔14’が形成される。なお、図中、14b’が外気導入孔14’の一端部、14c’が外気導入孔14’の他端部を示す。
【0044】
ピンチオフ部16(外気導入孔14’)は、底部13の接地面となる円環状の外縁部13aの内側で口部11側に凹となる凹部13b内に形成されている。本実施形態では、シール材40は、この円環状の外縁部13aに全周に亘って貼着される貼着部41と、該貼着部41に一端が連結すると共に他端が外層体10の外側表面から離間した把持用の突片42とを備えるフィルム材として構成されている。
【0045】
かかる二重容器2について熱充填後に冷却工程を行う際は、シャワー水を用いて二重容器2及びその内容物が冷却されるが、シール材40は、少なくともこのシャワー水が適用される前に外層体10に取り付けられる。このように、シャワー水が適用されるまでに外気導入孔14’をシール材40で外界から遮断しておくことで、冷却時の充填空間M内の減圧に伴う内層体20の減容変形により、シャワー水が外気導入孔14’から内部空間N内に侵入することが防止される。
【0046】
このとき、外気導入孔14’から内部空間N内に外気を導入することもできないため、内層体20の減容変形に伴い、外層体10も減容変形することになるが、このとき外層体10に歪な変形が生じて外観を損なうことのないように、外層体10の形状及び材質を適宜設定しておくことが好ましい。なお、シール材40は、二重容器2の使用開始時に外層体10から剥離、除去させればよいが、これに代え、冷却工程終了直後に、シール材40を剥離させて外気導入孔14’を外界に連通させることで、外層体10を復元させるようにしてもよい。
【0047】
なお、二重容器2の使用に際しては、蓋体53(前掲図1参照)を開いて二重容器2を傾倒或いは倒立姿勢にすることで、球状体59が注出筒56側に変位し、内容物を自重により注出筒56から注出することができる。また、その際、胴部12をスクイズして、内容物の注出を促すこともできる。この場合、外気導入孔14’を通じて内部空間Nから空気が漏れることになるが、ピンチオフ部16の形状等を適宜設定することで外気導入孔14’の大きさを最適化しておき、内容物のスムーズな吐出を可能にすることができる。
【0048】
次に、図7図9を参照して、本発明の更なる他の実施形態に係る二重容器3について詳細に例示説明する。
本実施形態に係る二重容器3は、外気導入孔14の位置、シール材40’の構成、及び外気導入孔14の開封をシュリンクラベル70の開封と一体化させた点を除いては、図1図3を用いて前述した実施形態の場合と同一の構成になっている。
【0049】
すなわち、本実施形態では、図7図8に示すように、外気導入孔14が、胴部12の上部に形成された局所的に内側に向けて凹む凹部15内に設けられている。そして、外気導入孔14には、逆止弁30が設けられている。また、シール材40’は、本実施形態では、外層体10の外側表面に剥離可能に貼着された除去予定部43と、該除去予定部43に切断予定部44を介して接続し、前記外層体10の外側表面に貼着されて逆止弁30を覆い隠す被覆部45とを備えている。
【0050】
また、二重容器3は、少なくとも注出キャップ50及び外層体10の胴部12の上部に装着されるシュリンクラベル70を備えている。本実施形態では、シュリンクラベル70は、注出キャップ50の上面における外周縁から底部13における外周縁にわたる領域に装着されている。また、シュリンクラベル70における、注出キャップ50及び外層体10の胴部12の上部に対応する部分70aは、残りの部分70bから切り離して取り除くことができるようになっている。この注出キャップ50及び外層体10の胴部12の上部に対応する部分70aには、シール材40’の除去予定部43が接着されている。本実施形態では、除去予定部43は、外側表面が全面にわたってシュリンクラベル70に接着されている。
【0051】
かかる二重容器3について熱充填後に冷却工程を行う際は、シャワー水を用いて二重容器3及びその内容物が冷却されるが、シール材40’は、少なくともこのシャワー水が適用される前に外層体10に取り付けられる。このように、シャワー水が適用されるまでに外気導入孔14をシール材40’で外界から遮断しておくことで、冷却時の充填空間M内の減圧に伴う内層体20の減容変形により、シャワー水が外気導入孔14から内部空間N内に侵入することが防止される。
【0052】
このとき、外気導入孔14から内部空間N内に外気を導入することもできないため、内層体20の減容変形に伴い、外層体10も減容変形することになるが、このとき外層体10に歪な変形が生じて外観を損なうことのないように、外層体10の形状及び材質を適宜設定しておくことが好ましい。このような冷却工程の後に、シュリンクラベル70の装着、及びシュリンクラベル70に対するシール材40’の除去予定部43の接着を行うことができる。
【0053】
そして、二重容器3の使用に際しては、図9に示すように、シュリンクラベル70における、注出キャップ50及び外層体10の胴部12の上部に対応する部分70aを剥ぎ取ることで、この部分70aに接着されたシール材40’の除去予定部43も当該部分70aと共に剥ぎ取ることができる(図9(b)参照)。その結果、外気導入孔14は外界と連通し、また、逆止弁30はシール材40’の被覆部45によって覆い隠された状態を維持できる。その後の内容物の吐出要領は、図1図3を用いて説明した実施形態の場合と同様である。
【0054】
以上説明したように、本実施形態に係る二重容器3は、外層体10の口部11に装着される注出栓51及び該注出栓51の開閉を行う蓋体53を有する注出キャップ50と、少なくとも注出キャップ50及び外層体10の胴部12の上部に装着されるシュリンクラベル70とを備え、シュリンクラベル70の少なくとも一部は注出キャップ50及び外層体10の胴部12の上部から取り除くことができ、シール材40’の少なくとも一部は、シュリンクラベル70の前記少なくとも一部に接着されているという構成になっている。
【0055】
したがって、二重容器3によれば、シュリンクラベル70の少なくとも一部を剥ぎ取ることで、シール材40’の少なくとも一部も剥ぎ取られるため、外気導入孔14を外界と連通させる操作を容易化することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る二重容器3は、シール材40’が、外層体10の外側表面に剥離可能に貼着されると共にシュリンクラベル70の前記少なくとも一部に接着された除去予定部43と、該除去予定部43に切断予定部44を介して接続し、外層体10の外側表面に貼着されて逆止弁30を覆い隠す被覆部45とを備えるフィルム材であるという構成になっている。
【0057】
したがって、二重容器3によれば、シュリンクラベル70の前記少なくとも一部を剥ぎ取ることで、シール材40’の除去予定部43も一緒に剥ぎ取り、外気導入孔14を外界と連通させることができる。また、逆止弁30をシール材40’の被覆部45によって覆い隠した状態を維持することができる。
【0058】
前述したところは本発明の一実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、注出キャップ50は、口部11にアンダーカット係合するものとして説明したが、例えば、ねじ係合するものとしてもよい。また、逆止弁30としては、ダックビル弁やその他の種々の構成のものを適用することができる。あるいは、逆止弁30を設けることなく、外気導入孔14をスリット状に形成することで、スクイズ時の空気の漏れの量を制限するようにしてもよい。また、二重容器1〜3を、内層体20が外層体10の内側に剥離可能に積層されたいわゆるデラミ容器であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、内層体20と外層体10とが個別に形成され、形成後に組み合わされた二重容器であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1,2,3 二重容器
10 外層体
11 口部
12 胴部
13 底部
13a 底部の外縁部
13b 底部の凹部
14,14’ 外気導入孔
14a 内側縁部
14b’ 外気導入孔14’の一端部
14c’ 外気導入孔14’の他端部
15 凹部
16 ピンチオフ部
20 内層体
30 逆止弁
31 貫通部
32 突出部
32a 着座部
33 弾性腕部
40,40’ シール材
41 貼着部
42 突片
43 除去予定部
44 切断予定部
45 被覆部
50 注出キャップ
51 注出栓
52 ヒンジ
53 蓋体
54 装着筒
55 隔壁
56 注出筒
57 円筒壁
57a 傾斜壁
58 縦リブ
59 球状体
60 頂壁
61 周壁
62 シール筒
63 ピン
70 シュリンクラベル
70a 注出キャップ及び外層体の胴部の上部に対応する部分
70b 残りの部分
M 充填空間
N 内部空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9