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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222351(P2016-222351A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20161205BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20161205BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B65H5/06 M
   B65H7/02
   G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-107000(P2015-107000)
(22)【出願日】2015年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】宮口 拓己
【テーマコード(参考)】
2H270
3F048
3F049
【Fターム(参考)】
2H270LA37
2H270LA98
2H270LC07
2H270LC10
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD15
2H270MB25
2H270MB27
2H270MB36
2H270MC55
2H270MD10
2H270MH09
2H270ZC03
2H270ZC04
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA26
3F048BB03
3F048BB10
3F048BD07
3F048CA03
3F048CA06
3F048DA06
3F048DC14
3F048EB24
3F048EB29
3F049AA10
3F049DA12
3F049EA10
3F049EA27
3F049LA01
3F049LB03
(57)【要約】
【課題】安価な構成で、印刷後の用紙のカール量に基づいて排紙搬送速度をリアルタイムで制御することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】カール量計測部4aは、サーマルヘッド6で印刷された用紙21のカール量を計測する。搬送速度計測部4bは、排紙駆動部10の搬送速度を計測する。駆動制御部4cは、カール量計測部4aで計測したカール量と、搬送速度計測部4bで計測した搬送速度と、目標搬送速度とに基づいて、カール量及び搬送速度が計測された切り離された用紙21を搬送している際の排紙駆動部10の駆動を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に、画像と、前記用紙の幅方向にて前記画像と隣り合い、かつ前記用紙の長さ方向にて周期的に繰り返す排紙搬送速度計測パターンとを印刷するサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドで印刷された前記用紙における前記排紙搬送速度計測パターンの反射光量を検出する用紙センサと、
前記用紙センサで前記反射光量が検出された前記用紙を切断することによって、前記画像が印刷された第1部分用紙と、前記排紙搬送速度計測パターンが印刷された第2部分用紙とに切り離す切断部と、
前記切断部によって切り離された前記用紙を排紙口に搬送する駆動を行う排紙駆動部と、
前記排紙駆動部の駆動により搬送されている前記切り離された用紙に対して、前記排紙搬送速度計測パターンの反射光量を検出する用紙屑センサと、
前記用紙センサで検出された前記反射光量に基づいて、前記サーマルヘッドで印刷された前記用紙のカール量を計測するカール量計測部と、
前記用紙屑センサで検出された前記反射光量の波形の周期に基づいて、前記排紙駆動部の搬送速度を計測する搬送速度計測部と、
前記排紙駆動部の予め定められた目標の搬送速度である目標搬送速度を記憶する記憶部と、
前記カール量計測部で計測した前記カール量と、前記搬送速度計測部で計測した前記搬送速度と、前記目標搬送速度とに基づいて、前記カール量及び前記搬送速度が計測された前記切り離された用紙を搬送している際の前記排紙駆動部の駆動を制御する駆動制御部と
を備える、印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記目標搬送速度は、前記第1部分用紙の予め定められたサイズごとに規定され、
前記第1部分用紙の予め定められたサイズを取得する取得部をさらに備え、
前記駆動制御部は、
前記取得部で取得された前記予め定められたサイズに対応する前記目標搬送速度を、前記制御に用いる、印刷装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記カール量計測部は、
一の前記第2部分用紙について複数の前記カール量を計測し、
前記駆動制御部は、
前記カール量計測部で計測された前記複数のカール量を、前記一の第2部分用紙を含む前記切り離された用紙に対する前記制御に用いる、印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置の排紙時の用紙搬送に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの普及に伴い、写真が得られるデジタル印刷の需要が高くなってきている。写真に必要なサイズは写真の用途により異なるため、印刷装置には様々なサイズの写真を印刷できることが求められる。また、デジタルカメラで撮影された写真を印刷するための印刷装置として、一般のユーザによる印刷の利便性を図るため、印刷料金を徴収するための課金器を備えたセルフタイプの印刷装置が、コンビニエンスストアなどの様々な業種の店舗内に設置されてきている。このような印刷装置には、特に小型化や低コスト化が求められている。
【0003】
さて、印刷される写真は、ユーザの撮影した順番、または、印刷後にフォトブックなどを作成する場合には製本する際のページの順番などに並べられることが求められている。このため、印刷装置には、指示された順番に用紙の印刷及び排紙を行うことだけでなく、排紙時に用紙をトレイ(排紙トレイ)の上にはみだしたり飛び出させたりせず整然と並べることが求められる。
【0004】
しかしながら、用紙のサイズやロール紙の巻き癖(以下「カール」と記す)、紙質によっては、印刷装置内にて用紙を排紙口に搬送する際の速度(以下「排紙搬送速度」と記す)が変化する。この排紙搬送速度が速すぎると、用紙がトレイの上に並ばずにトレイから飛び出することがある。一方、排紙搬送速度が遅すぎると、用紙がトレイ上の印刷物との摩擦等によって最適な位置まで届かずに途中で滞留してしまうことによりトレイ上に整然と並ばないことがある。
【0005】
このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、用紙のサイズを検知し、検知された用紙のサイズに基づいて、排紙搬送速度を変更する印刷装置が提案されている。また例えば特許文献2には、用紙の特性(例えば厚み)を検知し、検知された用紙の特性と、用紙のサイズとに基づいて、排紙搬送速度を変更する印刷装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−52850号公報
【特許文献2】特開平2−95663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2のような印刷装置では、排紙搬送速度が、用紙のサイズまたは特性に対応するように、用紙を排紙口に搬送する排紙駆動機構の駆動が、用紙のサイズまたは特性に予め対応するように構成されている。しかしながら、用紙の特性、または、排紙駆動機構の排紙搬送速度は、経時劣化や、印刷後の用紙のカール量などにより変化するため、同じ駆動を行っても、排紙搬送速度が、適切な排紙搬送速度から乖離してしまい、写真等をトレイに整然と積み重ねることができなくなってしまうという問題があった。
【0008】
なお、排紙搬送速度を制御するためには、印刷装置の排紙口近傍に設けられた排紙ローラをステッピングモータ等のパルスモータで駆動制御する構成が考えられる。しかしながら、この構成では、ステッピングモータだけでなく、その駆動を制御する制御回路が必要であり、比較的高価になってしまうという問題がある。そこで、より安価な直流(DC)モータを使用する構成が考えらえる。しかしながらこの構成では、直流モータの回転軸上にエンコーダを設け、そのパルス出力を計測することにより速度の検出を行う必要があり、結果として、エンコーダや計測のためのセンサなどの追加部品が多数発生して、装置が複雑化したり高コスト化したりするという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、安価な構成で、印刷後の用紙のカール量に基づいて排紙搬送速度をリアルタイムで制御することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る印刷装置は、用紙に、画像と、前記用紙の幅方向にて前記画像と隣り合い、かつ前記用紙の長さ方向にて周期的に繰り返す排紙搬送速度計測パターンとを印刷するサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドで印刷された前記用紙における前記排紙搬送速度計測パターンの反射光量を検出する用紙センサと、前記用紙センサで前記反射光量が検出された前記用紙を切断することによって、前記画像が印刷された第1部分用紙と、前記排紙搬送速度計測パターンが印刷された第2部分用紙とに切り離す切断部と、前記切断部によって切り離された前記用紙を排紙口に搬送する駆動を行う排紙駆動部と、前記排紙駆動部の駆動により搬送されている前記切り離された用紙に対して、前記排紙搬送速度計測パターンの反射光量を検出する用紙屑センサと、前記用紙センサで検出された前記反射光量に基づいて、前記サーマルヘッドで印刷された前記用紙のカール量を計測するカール量計測部と、前記用紙屑センサで検出された前記反射光量の波形の周期に基づいて、前記排紙駆動部の搬送速度を計測する搬送速度計測部と、前記排紙駆動部の予め定められた目標の搬送速度である目標搬送速度を記憶する記憶部と、前記カール量計測部で計測した前記カール量と、前記搬送速度計測部で計測した前記搬送速度と、前記目標搬送速度とに基づいて、前記カール量及び前記搬送速度が計測された前記切り離された用紙を搬送している際の前記排紙駆動部の駆動を制御する駆動制御部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カール量計測部で計測したカール量と、搬送速度計測部で計測した搬送速度と、目標搬送速度とに基づいて、カール量及び搬送速度が計測された切り離された用紙を搬送している際の排紙駆動部の駆動を制御する。これにより、安価な構成で、印刷後の用紙のカール量に基づいて排紙搬送速度をリアルタイムで制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る印刷装置の印刷動作を説明するための図である。
図3】実施の形態1に係る印刷装置の排紙動作を説明するための図である。
図4】実施の形態1に係る印刷装置の目標搬送速度の一例を示す図である。
図5】実施の形態1に係る印刷装置の排紙搬送速度計測パターンの一例を示す図である。
図6】実施の形態1に係る印刷装置における、反射光量と用紙のカール量との関係を示す図である。
図7】実施の形態1に係る印刷装置における、反射光量と用紙のカール量との関係を示す図である。
図8】実施の形態1に係る印刷装置における、反射光量と用紙のカール量との関係を示す図である。
図9】実施の形態1に係る印刷装置における、反射光量と用紙の排紙搬送速度との関係を示す図である。
図10】実施の形態1に係る印刷装置における、反射光量と用紙の排紙搬送速度との関係を示す図である。
図11】実施の形態1に係る印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る印刷装置の主要な構成を示すブロック図である。本実施の形態1では、印刷装置1は、例えばパーソナルコンピュータなどの情報端末2と通信可能となっている。
【0014】
また、図1の印刷装置1は、インタフェース(I/F)3と、システム制御部4と、印刷制御部5と、サーマルヘッド6と、機構制御部7と、用紙・インクシート搬送部8と、用紙横方向カッター9aと、用紙縦方向カッター9bと、排紙駆動部10と、記憶部11と、用紙センサ12と、排紙センサ13と、用紙屑センサ14とを備えている。
【0015】
以下で詳細に説明するように、この印刷装置1は、ロール状に巻回してなるロール紙の解かれた用紙に印刷を行う。そして、印刷装置1は、当該印刷された用紙を用紙横方向カッター9aと用紙縦方向カッター9bとによって切断することによって、指定の用紙サイズに枚葉化された写真等の画像用紙(第1部分用紙)と、縦カット時に生じる用紙屑(第2部分用紙)とに切り離す。それから、印刷装置1は、切り離された用紙(画像用紙及び用紙屑)を排紙口に搬送することによって、それらを排出することが可能となっている。なお、以下の説明では、印刷される用紙は、ロール紙から解かれた用紙であるものとして説明するが、これに限ったものではなく、写真等の画像用紙よりも大きいサイズで枚葉化された用紙であってもよい。
【0016】
次に、印刷装置1の各構成要素について詳細に説明する。
【0017】
取得部であるI/F3は、情報端末2と通信可能に接続されており、情報端末2から、印刷すべき画像データ及び用紙サイズなどの情報を受信(取得)する。なお、用紙サイズは、画像用紙に対して予め定められたサイズ(例えば8×4インチなど)であり、印刷装置1内にて排出の際に搬送される画像用紙のサイズに対応している。
【0018】
システム制御部4は、I/F3で受信された画像データ及び用紙サイズなどの情報と、印刷制御部5、機構制御部7、記憶部11及び用紙センサ12などからの情報とに基づいて、印刷装置1の各構成要素を統括的に制御する。
【0019】
例えば、システム制御部4は、I/F3で受信された画像データ及び用紙サイズを処理して印刷データを生成し、印刷制御部5は、当該印刷データに基づいてサーマルヘッド6の駆動データを生成し、サーマルヘッド6は、当該駆動データに基づく画像をロール紙の解かれた用紙に印刷する。つまり、システム制御部4は、サーマルヘッド6の画像印刷などを制御する。
【0020】
また例えば、システム制御部4は、機構制御部7を介して、ロール紙の解かれた用紙の搬送及びインクシートの巻取りを行う用紙・インクシート搬送部8と、ロール紙の用紙をI/F3で受信された用紙サイズに基づいて切断する用紙横方向カッター9a及び用紙縦方向カッター9bと、当該切断により得られた画像用紙及び用紙屑を排紙口に搬送する駆動を行う排紙駆動部10とを制御する。
【0021】
記憶部11は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリと、例えばRAM(Random Access Memory)などの一時記憶メモリとを含む。不揮発性メモリには、印刷に係る制御プログラム、各種初期値などが記憶される。一時記憶メモリは、印刷に係る画像データの保存及びデータ処理を行うための作業用のメモリである。
【0022】
ここで、例えば印刷装置1の図示しないCPU(Central Processing Unit)などが、記憶部11に記憶された制御プログラムを実行することにより、上述のシステム制御部4、印刷制御部5及び機構制御部7が、当該CPUの機能として実現される。本実施の形態1では、このようなプログラムの実行によって、システム制御部4は、上述の制御機能と、カール量計測部(カール量算出部)4aの機能と、搬送速度計測部(搬送速度算出部)4bの機能と、駆動制御部4cの機能とを有している。なお、カール量計測部4a及び搬送速度計測部4b、及び、駆動制御部4cの詳細については後述する。
【0023】
本実施の形態1に係る印刷装置1は、後で詳細に説明する用紙センサ12、排紙センサ13及び用紙屑センサ14を備えている。ただしこれに限ったものではなく、印刷装置1には、用紙センサ12、排紙センサ13及び用紙屑センサ14以外にも、印刷に関わる各種センサ(図示せず)が備えられてもよい。
【0024】
図2は、本実施の形態1に係る印刷装置1の印刷動作を説明する図である。図3は、当該印刷装置1の排紙動作を説明する図である。図2及び図3に示すように、印刷装置1は、ピンチローラ15,17,18と、グリップローラ16と、排紙ローラ19と、用紙トレイ(排紙トレイ)24aと用紙屑トレイ(排紙屑トレイ)24bとを備えており、印刷装置1本体には排紙口23a,23bが設けられている。なお、図2及び図3には、印刷装置1に装着されたロール紙20及びインクシート22も図示されている。
【0025】
印刷装置1に装着されたロール紙20から解かれた用紙21は、ピンチローラ15及びグリップローラ16に挟持されて搬送される(グリップローラ16を回動する駆動力を生成する用紙搬送モータは図示せず)。用紙21はインクシート22とともに、サーマルヘッド6及びピンチローラ17によって圧着、加熱される。
【0026】
サーマルヘッド6は、インクシート22のインクを用いて、用紙21に、画像と、用紙21の幅方向にて画像と隣り合う排紙搬送速度計測パターンとを印刷する。なお、排紙搬送速度計測パターンは、用紙21の長さ方向にて複数の色(例えば白色及び黒色)が周期的に繰り返して印刷されたパターンである。排紙搬送速度計測パターンは、例えば用紙21の用紙幅における余白部分に印刷される。
【0027】
用紙センサ12は、印刷装置1のサーマルヘッド6よりも排紙口23a,23b側で、用紙屑側に設けられ、サーマルヘッド6近傍における用紙21の有無を検出可能に構成されている。用紙センサ12は、用紙21が無いと検出する状態から、用紙21が有ると検出する状態に切り替わった場合に、用紙21の先端がサーマルヘッド6近傍を通過したこと、つまり印刷を行う際に用紙21がサーマルヘッドへ搬送されたか否かを検出する。このように、用紙センサ12は、印刷された用紙21の搬送方向における先端の通過及び非通過を検出することが可能となっている。
【0028】
また、用紙センサ12は、サーマルヘッド6で印刷された用紙21における排紙搬送速度計測パターンの反射光量を検出する。用紙センサ12は、用紙21の先端がサーマルヘッド6近傍を通過したか否か、及び、上記反射光量についての検出結果をシステム制御部4に出力する。
【0029】
印刷された用紙21(用紙センサ12で反射光量が検出された用紙21)は、指定された用紙サイズの用紙幅で用紙縦方向カッター(切断部)9bによって切断され、画像用紙21a(画像が印刷された部分)と、用紙屑21b(排紙搬送速度計測パターンが印刷された部分)とに切り離される。さらに、画像用紙21a及び用紙屑21bは、用紙横方向カッター9aを超えて搬送され、指定された用紙サイズの長さで用紙横方向カッター9aによって切断される。これにより、画像が印刷された画像用紙21aと、排紙搬送速度計測パターンが印刷された用紙屑21bとがロール紙20から切り離される。
【0030】
ピンチローラ18及び排紙ローラ19は、印刷装置1の排紙口23a,23b近傍に設けられており、排紙ローラ19は、排紙駆動部10の駆動力により回動する。本実施の形態1では、排紙駆動部10は、例えば直流モータを備えているものとする。排紙駆動部10による直流モータの駆動制御には、例えば定電流制御方式やPWM(パルス幅変調)方式等を用いることができる。
【0031】
画像用紙21a及び用紙屑21bは、ピンチローラ18と、排紙駆動部10により駆動される排紙ローラ19とにより、それぞれ排紙口23a,23bから排出される。つまり、排紙駆動部10は、用紙縦方向カッター9bなどによって切り離された用紙21(画像用紙21a及び用紙屑21b)を排紙口23a,23bに搬送する駆動を行う。
【0032】
排紙センサ13は、印刷装置1の排紙口23a近傍に設けられており、排紙口23a近傍における画像用紙21aの有無を検出可能に構成されている。排紙センサ13は、画像用紙21aが有ると検出する状態から、画像用紙21aが無いと検出する状態に切り替わった場合に、画像用紙21aの後端が排紙口23a近傍を通過したこと、つまり画像用紙21aが印刷装置1の内部から外部に排出されたことを検出する。このように、排紙センサ13は、画像用紙21aの搬送方向における後端の通過及び非通過を検出することが可能となっている。排紙センサ13は、画像用紙21aの後端が排紙口23a近傍を通過したか否かについての検出結果をシステム制御部4に出力する。
【0033】
なお、排紙センサ13は、排紙口23a近傍における画像用紙21aの有無を検出するのではなく、排紙口23aにおける画像用紙21aの有無を検出するように構成されてもよい。このように構成された場合には、排紙センサ13は、上述と同様に画像用紙21aの後端が排紙口23aを通過したか否かを検出することが可能になる。また、本実施の形態1では、排紙センサ13には透過型の光学式センサを用いるものとするが、これに限ったものではなく、反射光を利用する反射式の光学式センサやメカニカルなマイクロスイッチ等を用いてもよい。
【0034】
用紙屑センサ14は、印刷装置1の排紙口23b近傍に設けられており、排紙口23b近傍における用紙屑21bの有無を検出可能に構成されている。用紙屑センサ14は、用紙屑21bが有ると検出する状態から、用紙屑21bが無いと検出する状態に切り替わった場合に、用紙屑21bの後端が排紙口23b近傍を通過したこと、つまり用紙屑21bが印刷装置1の内部から外部に排出されたことを検出する。逆に、用紙屑センサ14は、用紙屑21bが無いと検出する状態から、用紙屑21bが有ると検出する状態に切り替わった場合に、用紙屑21bの先端が排紙口23b近傍を通過したことを検出する。このように、用紙屑センサ14は、用紙屑21bの搬送方向における先端及び後端の通過及び非通過を検出することが可能となっている。
【0035】
また、用紙屑センサ14は、排紙駆動部10の駆動により搬送されている切り離された用紙21(用紙屑21b)に対して、排紙搬送速度計測パターンの反射光量を検出する。用紙屑センサ14は、用紙屑21bの先端及び後端が排紙口23b近傍を通過したか否か、及び、上記反射光量についての検出結果をシステム制御部4に出力する。
【0036】
なお、用紙屑センサ14は、排紙口23b近傍における用紙屑21bの有無を検出するのではなく、排紙口23bにおける用紙屑21bの有無を検出するように構成されてもよい。このように構成された場合には、用紙屑センサ14は、上述と同様に用紙屑21bの先端及び後端が排紙口23bを通過したか否かを検出することが可能になる。また、本実施の形態1では、用紙屑センサ14には透過型の光学式センサを用いるものとするが、これに限ったものではなく、反射光を利用する反射式の光学式センサを用いてもよい。
【0037】
排紙口23aから排出された画像用紙21aは、印刷装置1の外部において排紙口23aよりも下側に配設された用紙トレイ24aに受容される。また、排紙口23bから排出された用紙屑21bは、印刷装置1の外部において排紙口23bよりも下側に配設された用紙屑トレイ24bに受容される。
【0038】
次に、本実施の形態1に係る印刷装置と関連する印刷装置(以下「関連印刷装置」と記す)の問題点について説明する。通常、用紙サイズに対する印画率(印刷率)によって画像用紙21aのカール量が変動する。例えば、画像用紙21aに対して黒色の印画率が高い場合、画像用紙21aのカール量が多くなる。逆に、画像用紙21aに対して黒色の印画率が低い場合、画像用紙21aのカール量は少なくなる。
【0039】
そして、画像用紙21aが排紙口23aから同じ排紙搬送速度で排紙されても、カール量に応じて、画像用紙21aは滑空したり、または用紙トレイ24aの途中で滞留したりしてしまう。また、環境温度の変化によってモータの駆動力のばらつき、及び、当該駆動力を伝達するギア等の負荷のばらつきが変化する。この問題に対して、関連印刷装置は、過去の排紙搬送速度(搬送が完了された用紙の排紙搬送速度)の履歴を参照して排紙搬送速度を制御する。このような構成によれば、駆動力のばらつき等の影響を抑制することが可能となるが、当該ばらつきを吸収し終えるのに時間が必要となる。この結果、その間に印刷された画像用紙が印刷装置の周辺に散らばってしまうことがある。
【0040】
そこで、本実施の形態1に係る印刷装置1は、この問題を解決するように以下のように構成されている。
【0041】
記憶部11の不揮発性メモリには、排紙駆動部10の予め定められた目標の排紙搬送速度(以下「目標搬送速度」と記す)が記憶されている。目標搬送速度は、排紙駆動部10における理想的な排紙搬送速度であり、画像用紙21a及び用紙屑21bがそれぞれ用紙トレイ24a及び用紙屑トレイ24b上に安定して落下する速度に対応している。
【0042】
図4は、本実施の形態1に係る記憶部11の不揮発性メモリに記憶されている、目標搬送速度の一例を示す図である。図4にて排紙搬送速度(目標値)として示されている目標搬送速度は、画像用紙21aの予め定められた用紙サイズごとに規定されている。概ね、用紙サイズ(印刷サイズ)の面積が大きくなるほど、目標搬送速度は大きくなるように規定されている。なお、記憶部11に記憶される目標搬送速度は、例えば、主に使用される画像用紙21aのサイズ及び特性、並びに、排紙ローラ19及び用紙トレイ24a及び用紙屑トレイ24bの構造などを考慮して構造的に計算されてもよいし、実際に実験的に計測されてもよい。
【0043】
図5に、用紙屑21bとなる部分(例えば用紙21の用紙幅における余白部分)に印刷される排紙搬送速度計測パターンの一例を示す。本実施の形態1では、排紙搬送速度計測パターンとして、n組の白色及び黒色からなるパターンが、用紙屑21bとなる部分に予め定められた等間隔Lで印刷される。
【0044】
<カール量の計測>
用紙屑21b側に配設された用紙センサ12は、用紙屑21bの先端から数えてi(1≦i≦n)番目の排紙搬送速度計測パターンが印刷された位置(以下「印刷位置Pi」と記す)における反射光量を順に読み取り、当該反射光量に応じたセンサ電圧変動量をカール量計測部4aに出力する。なお、用紙センサ12が反射光量を読み取る時点では、用紙屑21bはまだ切り離されていないので、用紙屑21bの反射光量(センサ電圧変動量)と、印刷後の用紙21の反射光量(センサ電圧変動量)とは実質的に同じである。
【0045】
図6図8は、用紙センサ12で検出された反射光量(センサ電圧変動量)と、用紙21のカール量との関係を示す図である。反射光量(図6図8に示す用紙センサ出力)は、光を吸収しやすい黒色の排紙搬送速度計測パターンでは小さく、光を反射しやすい白色の排紙搬送速度計測パターンでは大きくなる。なお、図6図8には、白色の反射光量に基準値(破線)が付されており、図6では基準値は反射光量と重なっている。
【0046】
図6に示すように、用紙21のうちカール量が通常である部分では、反射光量は基準値と一致してセンサ電圧変動量が0となる。図7に示すように、用紙21のうちカール量が通常よりも大きい部分では、反射光量は基準値よりも大きくなり、センサ電圧変動量が正の値となる。一方、図8に示すように、用紙21のうちカール量が通常よりも小さい部分では、反射光量は基準値よりも小さくなり、センサ電圧変動量が負の値となる。
【0047】
この性質を利用して、本実施の形態1に係るカール量計測部4aは、用紙センサ12で検出された印刷位置Piの反射光量(センサ電圧変動量)に基づいて、サーマルヘッド6で印刷された用紙21のうち印刷位置Piのカール量VRiを計測する。例えば、カール量計測部4aは、用紙センサ12で検出されたセンサ電圧変動量が正の値である場合には、その絶対値が大きくなるほど、印刷位置Piのカール量VRiとして大きな値を計測し、用紙センサ12で検出されたセンサ電圧変動量が負の値である場合には、その絶対値が大きくなるほど、印刷位置Piのカール量VRiとして小さな値を計測する。
【0048】
カール量計測部4aは、計測した印刷位置Piのカール量VRi(i=1、2、…、n)のそれぞれを、駆動制御部4cに出力する。なお、以下の説明では、カール量計測部4aで計測されたカール量VRiを、「計測カール量VRi」と記すこともある。
【0049】
<排紙搬送速度の計測>
用紙屑21b側に配設された用紙屑センサ14は、排紙駆動部10の駆動により搬送されている用紙屑21bの印刷位置Piにおける反射光量を読み取り、排紙搬送速度計測パターンによって変動するセンサ電圧変動(反射光量の波形)の周期を読み取り、当該周期を搬送速度計測部4bに出力する。
【0050】
本実施の形態1では、用紙屑21bに印刷されたn組の排紙搬送速度計測パターンは、等間隔としているため、1つの排紙搬送速度計測パターンの距離は、設計的に取得することができる。このため、センサ電圧変動の周期(例えば反射光量の波形において立ち上がる周期)を計測することにより、排紙駆動部10により画像用紙21a及び用紙屑21bが搬送される速度(排紙搬送速度)を算出することができる。
【0051】
図9及び図10は、用紙屑センサ14で検出された反射光量と、切り離された用紙21(画像用紙21a及び用紙屑21b)が排紙口23a,23bから排出される際の排紙搬送速度との関係を示す図である。反射光量(図9及び図10に示す用紙屑センサ出力)は、図6図8に示す用紙センサ出力と同様に、光を吸収しやすい黒色の排紙搬送速度計測パターンでは小さく、光を反射しやすい白色の排紙搬送速度計測パターンでは大きくなる。
【0052】
ここで、図10のセンサ電圧変動が計測された際の排紙搬送速度は、図9のセンサ電圧変動が計測された際の排紙搬送速度よりも大きい。このことに対応して、図10のセンサ電圧変動の周期t1は図9のセンサ電圧変動の周期t1よりも小さくなっている。この性質を利用して、本実施の形態1に係る搬送速度計測部4bは、用紙屑センサ14で検出された印刷位置Piのセンサ電圧変動の周期tiに基づいて、排紙駆動部10の排紙搬送速度を計測する。例えば、搬送速度計測部4bは、周期tiが小さくなるほど、印刷位置Piの排紙搬送速度Vtiとして大きな値を計測する。
【0053】
搬送速度計測部4bは、計測した印刷位置Piの排紙搬送速度Vti(i=1、2、…、n)のそれぞれを、駆動制御部4cに出力する。なお、以下の説明では、搬送速度計測部4bで計測された排紙搬送速度Vtiを、「計測搬送速度Vti」と記すこともある。
【0054】
<駆動制御>
図1に示されるシステム制御部4の駆動制御部4cは、I/F3で受信された用紙サイズと同じ用紙サイズを記憶部11から検索し、当該用紙サイズに対応する目標搬送速度を記憶部11から読み取る。そして、駆動制御部4cは、記憶部11から読み取った目標搬送速度と、搬送速度計測部4bで求めた計測搬送速度Vtiとの差または比率に基づいて、駆動制御量(例えば排紙駆動部10の駆動量または駆動力などを制御するための駆動電流などの量)を、テーブルまたは演算式を用いて補正する。さらに、駆動制御部4cは、カール量計測部4aで求めた計測カール量VRiに基づいて、当該駆動制御量を、テーブルまたは演算式を用いて補正する。
【0055】
駆動制御部4cは、以上のように補正された駆動制御量に基づいて、計測カール量VRi及び計測搬送速度Vtiが計測された切り離された用紙21(画像用紙21a及び用紙屑21b)を搬送している際の排紙駆動部10の駆動を制御する。これにより、画像用紙21a及び用紙屑21bの排紙搬送速度を、目標搬送速度などの適切な速度に制御することが可能となっている。
【0056】
以上のように、本実施の形態1に係る駆動制御部4cは、カール量計測部4aで求めた計測カール量VRiと、搬送速度計測部4bで求めた計測搬送速度Vtiと、記憶部11に記憶された目標搬送速度とに基づいて、計測カール量VRi及び計測搬送速度Vtiが計測された切り離された用紙21が搬送される際の排紙駆動部10の駆動を制御する。このような構成によれば、印画率によってカール量が変化したり、環境温度が変化したりしても、排紙搬送速度を、目標搬送速度などの適切な速度となるようにリアルタイムで制御することができる。
【0057】
<動作>
図11は、本実施の形態1に係る印刷装置1の動作を示すフローチャートである。具体的には、図11には、計測カール量VRiと計測搬送速度Vtiと目標搬送速度とから、排紙駆動部10に対する駆動制御量の補正量を演算する動作、及び、補正後の駆動制御量を用いて排紙駆動部10の駆動を制御する動作などが示されている。
【0058】
まず、ステップS1にて、駆動制御部4cは、I/F3で受信された用紙サイズに対応する目標搬送速度V0(図4)を記憶部11から読み込む。
【0059】
ステップS2にて、サーマルヘッド6は、用紙21に画像を印刷するとともに、用紙21の用紙幅における余白部分にn組の排紙搬送速度計測パターン(図5)を等間隔Lで印刷する。
【0060】
ステップS3にて、カール量計測部4aは、用紙21が排紙口23a,23bまで搬送さている際に、用紙センサ12を用いて検出された印刷位置Piのセンサ電圧変動量に基づいて、印刷位置Piにおけるカール量VRiを計測し、記憶部11に記憶する。なお、最初にステップS3を行う場合には、カール量計測部4aは、印刷位置P1のカール量VR1を計測することになる。
【0061】
ステップS4にて、印刷装置1は、ステップS3で計測された印刷位置Piが印刷位置Pn(用紙21後端部分)であるか否かを判定する。印刷位置Pnであると判定した場合にはステップS6に進み、そうでない場合には、ステップS5に進んで印刷位置Piのiに1を加算した後にステップS3に戻る。これにより、ステップS6に進む際には、印刷位置Pi(i=1、2、…、n)全てについて計測カール量VRiが記憶部11に記憶されることになる。
【0062】
ステップS6にて、駆動制御部4cは、計測カール量VRi(i=1、2、…、n)に基づいて用紙21のカール補正量Rを算出(演算)する。演算式は下記(1)に示す通りであり、K1は計測カール量を駆動制御量の補正量に換算するための係数である。本実施の形態1では、用紙21の先端の印刷位置P1における計測カール量VR1が用紙21全体の計測カール量VRiの平均値より大きい場合は正の補正量となり、用紙21の先端の印刷位置P1における計測カール量VR1が用紙21全体の計測カール量VRiの平均値より小さい場合は負の補正量となる。
【0063】
【数1】
【0064】
ステップS7にて、次ステップ以降で排紙搬送速度を計測するために、着目すべき印刷位置Piのiを1に戻す。
【0065】
ステップS8にて、用紙屑センサ14は、切り離された用紙21(画像用紙21a及び用紙屑21b)がそれぞれ排紙口23a,23bから排出されている際に、印刷位置Piにおけるセンサ電圧変動の周期tiを計測し、記憶部11に記憶する。また、搬送速度計測部4bは、計測した周期tiに基づいて、印刷位置Piにおける排紙駆動部10の計測搬送速度Vtiを計測する。
【0066】
ステップS9にて、駆動制御部4cは、これまでに得られたカール補正量R、計測搬送速度Vti、及び、目標搬送速度V0を、下記の演算式(2)に適用することにより、印刷位置Piにおける排紙駆動部10の駆動制御量の補正量Tiを算出(演算)する。なお、演算式(2)において、K2は目標搬送速度V0と計測搬送速度Vtiとの差を駆動制御量の補正量に換算する係数である。K2の値は正の値でもよいし負の値でもよい。ここでは、補正の対象となる駆動制御量の値にはデフォルト値を用い、当該デフォルト値に補正量Tiを加算(減算)することによって補正が行われる。
【0067】
【数2】
【0068】
ステップS10にて、駆動制御部4cは、補正量Tiにより補正された駆動制御量を用いて、排紙駆動部10の駆動を制御することにより、印刷位置Piに係る画像用紙21a及び用紙屑21bを搬送する。以上のように、駆動制御部4cは、カール量計測部4aで求めた計測カール量VRiと、搬送速度計測部4bで求めた計測搬送速度Vtiと、記憶部11に記憶された目標搬送速度とに基づいて、画像用紙21a及び用紙屑21bを搬送している際の排紙駆動部10の駆動を制御する。この際に、駆動制御部4cは、記憶部11に記憶された目標搬送速度として、I/F3で受信された画像用紙21aの用紙サイズに対応する目標搬送速度V0を上記制御に用いる。
【0069】
ステップS11にて、ステップS4と同様に、印刷装置1は、ステップS10で制御された印刷位置Piが印刷位置Pn(画像用紙21a及び用紙屑21b後端部分)であるか否かを判定する。印刷位置Pnであると判定した場合には図11の動作を終了し、そうでない場合には、ステップS12に進んで印刷位置Piのiに1を加算した後にステップS8に戻る。これにより、ステップS8〜S10にて印刷位置P1〜Pnの排紙搬送速度Vt1〜Vtnの1つを計測するごとに、それに応じた排紙駆動部10の駆動制御が行われる。
【0070】
<まとめ>
以上のような本実施の形態1に係る印刷装置1によれば、計測搬送速度と、印刷後の計測カール量と、目標搬送速度とに基づいて、画像用紙21a及び用紙屑21bを搬送している際の排紙駆動部10の駆動を制御する。これにより、印画率によってカール量が変化したり、環境温度が変化したりしても、排紙搬送速度を目標搬送速度などの適切な速度となるようにリアルタイムで制御することができる。したがって、画像用紙21aが飛び出したり滞留したりすることを抑制することができるので、画像用紙21aを用紙トレイ24aに整然と安定して積み重ねることができる。また、本実施の形態1では、用紙センサ12及び用紙屑センサ14を利用して用紙21のカール量及び排紙搬送速度を求めることから、高価なモータや部品を使用しなくて済む。このため、安価な構成で上述の効果を得ることができる。
【0071】
なお、用紙搬送にかかる時間を計測し、計測した時間に基づいて排紙搬送速度を算出し、次の印刷時の排紙搬送速度を制御する関連印刷装置によれば、排紙駆動機構の経時劣化によらず排紙搬送速度を一定に保つことはできる。しかしながら、あくまでも過去の搬送で計測した排紙搬送速度の履歴に基づいて排紙駆動機構の制御量を決定するため、環境温度の変化や排紙駆動機構のばらつきに対応するのに時間がかかっていた。また、用紙への印画率によってカール量は変化するにも関わらず、リアルタイムで対応できなかった。これに対して、本実施の形態1に係る印刷装置1によれば、これらの問題を解決することができる。
【0072】
また、本実施の形態1によれば、駆動制御部4cは、I/F3で受信された画像用紙21aの用紙サイズに対応する目標搬送速度V0を上記制御に用いる。したがって、画像用紙21aが飛び出したり滞留したりすることをより抑制することができる。
【0073】
また、本実施の形態1によれば、カール量計測部4aは、一の用紙屑21bについて複数の計測カール量VRi(i=1、2、…、n)を計測し、駆動制御部4cは、当該複数の計測カール量VRiを、一の用紙屑21bを含む切り離された用紙21に対する制御に用いた。このような構成によれば、長さ方向における用紙21全体の計測カール量を考慮して、上述の制御を行うことができるので、画像用紙21aが飛び出したり滞留したりすることをより抑制することができる。ただしこれに限ったものではなく、駆動制御部4cは、一の用紙屑21bについて計測された複数の計測カール量VRiのうちのいずれか一つを、当該一の用紙屑21bを含む切り離された用紙21に対する制御に用いてもよい。
【0074】
<変形例>
実施の形態1では、排紙搬送速度計測パターンの間隔Lは予め定められていた。しかしこれに限ったものではなく、排紙搬送速度計測パターンの間隔Lは適宜変更されてもよい。この場合、搬送速度計測部4bは、用紙屑センサ14で検出された印刷位置Piのセンサ電圧変動の周期tiと、間隔Lとに基づいて、印刷位置Piの排紙搬送速度Vtiを計測するように構成されればよい。
【0075】
また、実施の形態1では、ステップS9にて、駆動制御部4cは、カール補正量Rと、計測搬送速度Vtiと、目標搬送速度V0とを、演算式(2)に適用することにより、印刷位置Piにおける排紙駆動部10の駆動制御量の補正量Tiを算出(演算)した。しかしこれに限ったものではなく、駆動制御部4cは、上述の算出したカール補正量Rと、計測搬送速度Vtiと、目標搬送速度V0とを、テーブルまたは演算式に適用することにより、印刷位置Piにおける排紙駆動部10の駆動制御量の補正量Tiを算出(演算)代わりに、当該駆動制御量を算出(演算)してもよい。
【0076】
なお、上述の構成では、排紙搬送速度が計測される対象は、用紙屑21bであって画像用紙21aではない。そのことに鑑みて、目標搬送速度を、画像用紙21aの用紙サイズと、用紙屑21bのサイズとの各組に予め対応付けておいて、印刷時の画像用紙21aの用紙サイズ及び用紙屑21bのサイズに対応する目標搬送速度を、上記制御に用いるように構成されてもよい。
【0077】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 印刷装置、4a カール量計測部、4b 搬送速度計測部、4c 駆動制御部、6 サーマルヘッド、9b 用紙縦方向カッター、10 排紙駆動部、11 記憶部、12 用紙センサ、14 用紙屑センサ、21 用紙、21a 画像用紙、21b 用紙屑。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11