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特開2016-222367エレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222367(P2016-222367A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】エレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/14 20060101AFI20161205BHJP
   B66B 5/02 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   B66B13/14 D
   B66B13/14 K
   B66B5/02 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-107638(P2015-107638)
(22)【出願日】2015年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 洋平
(72)【発明者】
【氏名】坂田 義喜
(72)【発明者】
【氏名】陳 棟
(72)【発明者】
【氏名】西江 聡
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 勇来
【テーマコード(参考)】
3F304
3F307
【Fターム(参考)】
3F304CA15
3F304EA30
3F304EB06
3F304EB22
3F304ED18
3F307AA02
3F307BA03
3F307DA32
3F307EA18
3F307EA35
3F307EA37
(57)【要約】
【課題】利用者に対して効率的なサービスを提供することができるエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法の提供。
【解決手段】本発明は、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されたとき、ドア9を開いて乗りかご3を待機させる戸開き待機状態に設定し、戸閉じ不能状態を確認するエレベータ装置1の戸閉じ不能状態確認装置において、戸開き待機状態に設定した後、ドア9を閉じて検出部15Bによる戸閉じ不能状態の検出を再度行うリトライ処理を実施して戸閉じ不能状態の診断を行う診断処理部15D2と、診断処理部15D2によって戸閉じ不能状態の診断が行われることにより、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されなかったとき、戸開き待機状態の設定を解除する解除部15D3とを備えた。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内を昇降する乗りかごと、前記乗りかごに開閉可能に設けられたドアと、前記乗りかご内に設けられ、前記乗りかごの行先階へのかご呼びの登録及び前記ドアの開閉動作の指令の操作を行う操作盤と、戸閉動作中に前記ドアが閉まらない状態になる戸閉じ不能状態を検出する検出部とを備えたエレベータ装置に設けられ、
前記検出部によって前記戸閉じ不能状態が検出されたとき、前記ドアを開いて前記乗りかごを待機させる戸開き待機状態に設定し、前記戸閉じ不能状態を確認するエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置において、
前記戸開き待機状態に設定した後、前記ドアを閉じて前記検出部による前記戸閉じ不能状態の検出を再度行うリトライ処理を実施して前記戸閉じ不能状態の診断を行う診断処理部と、
前記診断処理部によって前記戸閉じ不能状態の診断が行われることにより、前記検出部によって前記戸閉じ不能状態が検出されなかったとき、前記戸開き待機状態の設定を解除する解除部とを備えたことを特徴とするエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置において、
前記解除部は、前記戸閉じ不能状態の診断中に前記操作盤の操作が行われたとき、前記リトライ処理の実施を省略して前記戸開き待機状態の設定を解除することを特徴とするエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置。
【請求項3】
請求項1に記載のエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置において、
前記エレベータ装置は、前記乗りかご内に設けられ、前記戸閉じ不能状態の診断に関する所定の報知を行う報知部を備えたことを特徴とするエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置において、
前記解除部によって前記戸開き待機状態の設定が解除された後、前記かご呼びが登録されているかどうかを判断する判断部と、
前記判断部によって前記かご呼びが登録されていないと判断されたとき、前記乗りかごを現在の停止階から他の行先階へ昇降させる他階退避運転を実施する他階退避運転部と、
前記判断部によって前記かご呼びが登録されていると判断されたとき、前記かご呼びの登録に応答して前記乗りかごを昇降させるかご呼び応答部とを備えたことを特徴とするエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置。
【請求項5】
昇降路内を昇降する乗りかごと、前記乗りかごに開閉可能に設けられたドアと、前記乗りかご内に設けられ、前記乗りかごの行先階へのかご呼びの登録及び前記ドアの開閉動作の指令の操作を行う操作盤と、戸閉動作中に前記ドアが閉まらない状態になる戸閉じ不能状態を検出する検出部とを備えたエレベータ装置に適用され、
前記検出部によって前記戸閉じ不能状態が検出されたとき、前記ドアを開いて前記乗りかごを待機させる戸開き待機状態に設定し、前記戸閉じ不能状態を確認するエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認方法において、
前記戸開き待機状態に設定した後、前記ドアを閉じて前記検出部による前記戸閉じ不能状態の検出を再度行うリトライ処理を実施して前記戸閉じ不能状態の診断を行う診断処理ステップと、
前記診断処理ステップにおいて前記戸閉じ不能状態の診断が行われることにより、前記検出部によって前記戸閉じ不能状態が検出されなかったとき、前記戸開き待機状態の設定を解除する解除ステップとを備えたことを特徴とするエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認方法。
【請求項6】
請求項1に記載のエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認方法において、
前記診断処理ステップにおける前記戸閉じ不能状態の診断中に前記操作盤の操作が行われたとき、前記リトライ処理の実施を省略して前記戸開き待機状態の設定を解除する操作解除ステップを備えたことを特徴とするエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認方法において、
前記解除ステップにおいて前記戸開き待機状態の設定が解除された後、前記かご呼びが登録されているかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記かご呼びが登録されていないと判断されたとき、前記乗りかごを現在の停止階から他の行先階へ昇降させる他階退避運転を実施する他階退避運転ステップと、
前記判断ステップにおいて前記かご呼びが登録されていると判断されたとき、前記かご呼びの登録に応答して前記乗りかごを昇降させるかご呼び応答ステップとを備えたことを特徴とするエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物等によりドアが閉まらなくなった戸閉じ不能状態を確認するエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エレベータ装置では、戸閉じ不能状態が検出されると、戸閉じ不能状態を確認する処理を実施し、依然として戸閉じ不能状態が継続している場合に、ドアを開いて乗りかごを待機させる戸開き待機状態に設定した後、乗りかごの行先階へのかご呼びの登録を禁止することが行われている。
【0003】
戸閉じ不能状態の原因の1つには、掃除機の電源コードやペットのリード線のような異物がドアに挟まれること等が挙げられるので、ドアを閉じる際に予め異物を出入口から除去したり、あるいはドアに挟まった異物を検出可能な装置を設けるのが望ましい。このようなドアの異物に関する従来技術の1つとして、自動運転モードから清掃運転モードに切り替え可能なスイッチと、かご内操作盤内の各ボタンの操作により、戸の開放状態を自由にコントロールしながら、所望の清掃モードを実行するエレベータ制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、他の従来技術の1つとして、エレベータの乗りかごのドアの一方側の戸当たり側先端部に設けられると共に、戸閉時に当該ドアに異物が挟まった状態を検出する圧力センサを備えた異物検出装置を有し、当該異物検出装置で異物検出した検出信号に基づいて当該ドアに当該異物が挟まれた状態での当該乗りかごの走行を防止する機能を持つエレベータ用ドア制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−162347号公報
【特許文献2】特開2013−256344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1のエレベータ制御装置は、異物を自動で除去するものではないので、異物等により戸閉じ不能状態となって戸開き待機状態に設定されると、清掃作業を行う作業員が現場に到着するまでエレベータ装置を使用することができなくなる。このような状況は、エレベータ装置の利用者に対するサービスの効率性の観点から好ましくない。
【0007】
一方、特許文献2のエレベータ用ドア制御装置は、圧力センサ等の異物検出装置を備えているので、戸開き待機状態に設定された後に異物が除去された場合には、異物検出装置によって異物が検出されなくなり、エレベータ装置が復旧されることが考えられる。しかしながら、このような異物検出装置は、戸閉動作においてドアの閉じ端部に異物が挟まることで作動するものであるため、エレベータ装置に異物検出装置を適用しても、戸開き待機状態に設定された後の異物の有無については検出することができない。従って、特許文献2のエレベータ用ドア制御装置は、上述した特許文献1のエレベータ制御装置と同様に、エレベータ装置の利用者に対して効率的なサービスを提供できないことが問題になっている。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、利用者に対して効率的なサービスを提供することができるエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明のエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置は、昇降路内を昇降する乗りかごと、前記乗りかごに開閉可能に設けられたドアと、前記乗りかご内に設けられ、前記乗りかごの行先階へのかご呼びの登録及び前記ドアの開閉動作の指令の操作を行う操作盤と、戸閉動作中に前記ドアが閉まらない状態になる戸閉じ不能状態を検出する検出部とを備えたエレベータ装置に設けられ、前記検出部によって前記戸閉じ不能状態が検出されたとき、前記ドアを開いて前記乗りかごを待機させる戸開き待機状態に設定し、前記戸閉じ不能状態を確認するエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置において、前記戸開き待機状態に設定した後、前記ドアを閉じて前記検出部による前記戸閉じ不能状態の検出を再度行うリトライ処理を実施して前記戸閉じ不能状態の診断を行う診断処理部と、前記診断処理部によって前記戸閉じ不能状態の診断が行われることにより、前記検出部によって前記戸閉じ不能状態が検出されなかったとき、前記戸開き待機状態の設定を解除する解除部とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法によれば、利用者に対して効率的なサービスを提供することができる。なお、上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法の第1実施形態が適用されるエレベータ装置の構成を示す全体図である。
図2a】本発明の第1実施形態に係る操作盤の構成を示す正面図である。
図2b】本発明の第1実施形態に係る乗り場釦の構成を示す正面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る戸駆動装置の構成を示す図である。
図4a】本発明の第1実施形態に係る戸閉じ完了検出装置の構成を説明する図であり、特にドアが完全に閉まっていないときの状態を示す模式図である。
図4b】本発明の第1実施形態に係る戸閉じ完了検出装置の構成を説明する図であり、特にドアが完全に閉まったときの状態を示す模式図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る制御盤の構成を示す機能ブロック図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る戸開閉制御部による戸閉じ不能状態の確認処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明の第1実施形態に係る診断処理部によるリトライ診断処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本発明の第2実施形態に係る制御盤の構成を示す機能ブロック図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る診断処理部によるリトライ診断処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本発明の第3実施形態に係る制御盤の構成を示す機能ブロック図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る運転制御部による他階退避運転の確認処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るエレベータ装置の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は本発明に係る戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法の第1実施形態が適用されるエレベータ装置の構成を示す全体図である。なお、図1はエレベータ装置が設置される建物の階のうち模式的に最下階と最上階のみを図示しているが、本発明の第1実施形態は2階床以上ある建物に対して適用可能である。
【0014】
本発明に係る戸閉じ不能状態確認装置の第1実施形態は、例えば、図1に示すエレベータ装置1に適用される。このエレベータ装置1は、建物の昇降路2内を昇降する乗りかご3と、一端が乗りかご3に取付けられた主ロープ4と、この主ロープ4の他端が取付けられ、昇降路2内に吊り下げられた釣合い錘5とを備えている。本発明の第1実施形態では、乗りかご3は複数台設置されているが、これらの乗りかご3の構成はそれぞれ同様であるので、重複する説明及び他の乗りかご3の図示を省略する。
【0015】
また、エレベータ装置1は、昇降路2の上方に位置する機械室6に設けられ、乗りかご3及び釣合い錘5を駆動する巻上機7と、この巻上機7の近傍に配置されたそらせ車8と、乗りかご3に開閉可能に設けられ、乗りかご3と建物の各階の乗り場1Aとを連絡する出入口を開閉するドア9A(図3参照)と、乗り場1A側に開閉可能に設けられ、乗りかご3のドア9Aと連動して出入口を開閉するドア9Bとを備えている。
【0016】
さらに、エレベータ装置1は、乗りかご3の内壁に設けられ、乗りかご3の行先階へのかご呼びの登録及びドア9Aの開閉動作の指令を出力する操作盤10と、乗り場1A側の出入口近傍の壁に設けられ、乗りかご3の乗り場呼びの登録を行う乗り場釦11(図2b参照)と、乗りかご3の上部に設けられ、ドア9Aを駆動する戸駆動装置12(図3参照)とを備えている。
【0017】
また、エレベータ装置1は、ドア9が完全に閉まったことを検出する戸閉じ完了検出装置13(図4a、図4b参照)と、乗りかご3内に設けられ、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置14と、機械室6に設けられ、乗りかご3の運転及びドア9Aの駆動を制御する制御盤15とを備えている。なお、以下の説明において、乗りかご3のドア9Aと乗り場1A側のドア9Bとを特に区別しないときは、便宜的にドア9と総称する。
【0018】
巻上機7は、主ロープ4が巻き掛けられた駆動シーブ7Aと、この駆動シーブ7Aを回転させる電動機7Bと、駆動シーブ7Aの回転を制動するブレーキ装置(図示せず)とを有し、これらの電動機7B及びブレーキ装置は、制御盤15に電気的に接続されている。従って、巻上機7は、制御盤15からの制御指令を受けて電動機7B及びブレーキ装置を作動させることにより、乗りかご3を釣合い錘5に対して相対的に昇降させるようにしている。
【0019】
ドア9は、例えば、各階の乗り場1A側(正面側)から見て乗りかご3の出入口の中央から左右の両側へ開閉する両開き構造になっている。また、ドア9は、閉じ端部に設置され、乗りかご3に乗降する利用者が戸閉動作中のドア9に挟まれることを防止するセフティシュー(図示せず)を有している。このセフティシューは、例えば、表面が受けた押圧力を検出する押圧センサを有しており、この押圧センサは後述のドアモータ制御部12Iに通信接続されている。なお、ドア9は、このような片開き構造の場合に限らず、例えば、各階の乗り場1A側から見て左右の一方向へ開閉する片開き構造であってもよい。
【0020】
図2aは本発明の第1実施形態に係る操作盤10の構成を示す正面図、図2bは本発明の第1実施形態に係る乗り場釦11の構成を示す正面図である。
【0021】
図2aに示すように、操作盤10は、例えば、上下方向に配置され、乗りかご3の行先階を指定する行先階釦(本実施例では、4つの行先階釦)10Aと、ドア9を戸開させる指令を出力する戸開釦10Bと、ドア9を戸閉させる指令を出力する戸閉釦10Cとを含んでおり、テールコード等(図示せず)を介して制御盤15に通信接続されている。
【0022】
図2bに示すように、乗り場釦11は、例えば、上側の位置に配置され、乗り場釦11の設置階よりも上方の階へ移動するために押下されるUP釦11Aと、下側の位置に配置され、乗り場釦11の設置階よりも下方の階へ移動するために押下されるDOWN釦11Bとを含んでおり、通信ケーブル等(図示せず)を介して制御盤15に通信接続されている。
【0023】
図3は本発明の第1実施形態に係る戸駆動装置12の構成を示す図である。
【0024】
図3に示すように、戸駆動装置12は、操作盤10の戸開釦10B又は戸閉釦10Cが操作されたことに応じて、トルクによってドア9Aを開閉させるドアモータ12Aと、このドアモータ12Aの出力軸に取付けられ、ドアモータ12Aのトルクを受けて回転する駆動プーリ12Bと、この駆動プーリ12Bと同等の高さ位置に取付けられ、駆動プーリ12Bに追従して回転する従動プーリ12Cとを含んでいる。
【0025】
また、戸駆動装置12は、駆動プーリ12B及び従動プーリ12Cに巻き掛けられ、駆動プーリ12B及び従動プーリ12Cに摺動する摺動ベルト12Dと、この摺動ベルト12Dとドア9Aとの間に配置され、摺動ベルト12Dに沿って延設されたドアレール12Eと、ドア9Aの上端部に固定され、ドア9Aからドアレール12Eよりも上方へ突出した一対のドアハンガ12Fとを含んでいる。
【0026】
さらに、戸駆動装置12は、ドアハンガ12Fに回転可能に取付けられ、ドアレール12Eを上下から挟持した状態で、このドアレール12Eを走行する複数のハンガローラ(本実施例では、8つのハンガローラ)12Gと、一端がドアハンガ12Fにそれぞれ固定され、他端が摺動ベルト12Dのうち駆動プーリ12Bと従動プーリ12Cとの間の上部側及び下部側の部分にそれぞれ係合する一対の係合部材12Hと、乗りかご3の上部に設置されると共に、テールコード等(図示せず)を介して制御盤15に通信接続され、ドアモータ12Aの駆動を制御する前述のドアモータ制御部12I(図1参照)とを含んでいる。なお、図4では、ドアモータ制御部12Iの図示を省略している。
【0027】
このように構成された戸駆動装置12では、ドアモータ12Aが駆動して駆動プーリ12Bを正転させると、この駆動プーリ12Bの回転に伴って摺動ベルト12Dが駆動プーリ12Bの回転方向と同じ方向へ回動し、摺動ベルト12Dに摺接する従動プーリ12Cが回転する。このとき、ドアハンガ12Fが係合部材12Hを介して摺動ベルト12Dから戸開方向の力を受けることにより、ハンガローラ12Gが回転しながらドアレール12Eを戸開方向へ走行する。そして、ドア9Aが互いに反対方向へ移動して離れることにより、ドア13が開く。
【0028】
一方、ドアモータ12Aが駆動して駆動プーリ12Bを逆転させると、この駆動プーリ12Bの回転に伴って摺動ベルト12Dが駆動プーリ12Bの回転方向と同じ方向へ回動し、摺動ベルト12Dに摺接する従動プーリ12Cが回転する。このとき、ドアハンガ12Fが係合部材12Hを介して摺動ベルト12Dから戸閉方向の力を受けることにより、ハンガローラ12Gが回転しながらドアレール12Eを戸閉方向へ走行する。そして、ドア9Aが互いに反対方向へ移動して接近することにより、ドア13が閉じる。なお、戸閉動作中にドアセフティシューが作動すると、制御盤15からの戸閉動作の制御指令の出力に拘わらず、ドアモータ制御部12Iがドアモータ12Aを駆動して駆動プーリ12Bを正転させることにより、ドア9を強制的に開くようにしている。
【0029】
図4aは本発明の第1実施形態に係る戸閉じ完了検出装置13の構成を説明する図であり、特にドア9が完全に閉まっていないときの状態を示す模式図、図4bは本発明の第1実施形態に係る戸閉じ完了検出装置13の構成を説明する図であり、特にドア9が完全に閉まったときの状態を示す模式図である。
【0030】
図4a、図4bに示すように、戸閉じ完了検出装置13は、例えば、ドア9の一方の片側の閉じ端部の上側に取付けられた傾斜カム13Aと、ドア9の出入口の周囲部のうち上部の中央側に上下方向へ移動可能に取付けられ、ドア9が閉じる際に傾斜カム13Aの傾斜面に摺動する摺動部13Bと、一端が摺動部13Bに取付けられ、摺動部13Bの移動に伴って傾倒する接触片13Cと、テールコード等(図示せず)を介して制御盤15と通信接続され、ドア9の出入口の周囲部のうち接触片13Cの可動範囲内に固定された固定接点13D1を含む戸閉じ完了スイッチ13Dとから構成されている。
【0031】
このような構成の戸閉じ完了検出装置13では、図4aに示すように、ドア9が完全に閉まっていないときには、摺動部13Bが傾斜カム13Aの傾斜面に当接せず、接触片13Cの先端を戸閉じ完了スイッチ13Dの固定接点13D1から離れた位置へ片持ちすることにより、接触片13Cが固定接点13D1に接触しないので、戸閉じ完了スイッチ13DがOFF状態になる。
【0032】
一方、図4bに示すように、ドア9が完全に閉まったときには、摺動部13Bが傾斜カム13Aの傾斜面に摺動して上方へ押し上げられることにより、接触片13Cが傾倒して戸閉じ完了スイッチ13Dの固定接点13D1に接触するので、戸閉じ完了スイッチ13DがON状態になる。そして、戸閉じ完了スイッチ13DのON信号が制御盤15へ送信されることにより、ドア9が完全に閉まったことが検出される。
【0033】
図1に示す制御盤15は、例えば図示されないが、操作盤10及び戸駆動装置12等を含む外部の装置との間で各種の情報や信号の入出力を行う入出力インターフェースと、乗りかご3の昇降動作及びドア10の開閉動作を含むエレベータ装置1全体の動作を制御するための各種の演算を行うCPU(Central Processing Unit)と、CPUによる演算を実行するためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置と、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)と、時間を計測するタイマーとを含むハードウェアから構成されている。
【0034】
以下、本発明の第1実施形態に係る制御盤15の機能を示す具体的な構成について、図5を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
図5は本発明の第1実施形態に係る制御盤15の構成を示す機能ブロック図である。
【0036】
図5に示すように、制御盤15は、乗りかご3の行先階へのかご呼び及び乗りかご3の乗り場釦11の設置階への乗り場呼びの登録を行う呼び登録部15Aと、戸閉動作中にドア9が閉まらない状態になる戸閉じ不能状態を検出する検出部15Bと、呼び登録部15Aの登録結果及び戸閉じ完了スイッチ13DからのON信号に基づいて、乗りかご3の運転を制御するための制御指令を巻上機7へ出力する運転制御部15Cと、操作盤10の戸開釦10B、戸閉釦10C、及び検出部15の検出結果に基づいて、ドア9の開閉動作を制御するための制御指令を戸駆動装置12へ出力する戸開閉制御部15Dとを含んでいる。
【0037】
呼び登録部15Aは、操作盤10の行先階釦10Aの操作信号を入力すると、かご呼びを登録する。また、呼び登録部15Aは、乗り場釦11のUP釦11A及びDOWN釦11Bの操作信号を入力すると、乗り場呼びを登録する。そして、呼び登録部15Aは、かご呼び及び乗り場呼びの登録結果を運転制御部15Cへ送信する。
【0038】
検出部15Bは、例えば、戸閉動作が開始してから所定の時間(例えば、15秒)が経過するまでに、戸閉じ完了スイッチ13DからのON信号を入力すると、戸閉じ不能状態を検出していないとみなす。一方、検出部15Bは、戸閉動作が開始してから所定の時間が経過するまでに、戸閉じ完了スイッチ13DからのON信号を入力しなければ、戸閉じ不能状態を検出したとみなし、戸閉じ不能状態の検出結果を戸開閉制御部15Dへ送信する。
【0039】
このように、本発明の第1実施形態では、検出部15Bによる戸閉じ不能状態の検出に戸閉じ完了検出装置13を用いることにより、ドア9への異物の挟まりやセフティシューを作動させる悪戯等に起因する戸閉じ不能状態が検出可能となり、ドアモータ制御部12I等の検出系の故障に起因する戸閉じ不能状態と区別することができる。
【0040】
運転制御部15Cは、戸閉じ完了検出装置13によってドア9が完全に閉まったことが検出されるまで、呼び登録部15Aによるかご呼び及び乗り場呼びの登録に拘わらず、乗りかご3を現在の停止階で待機させる制御を行う。一方、運転制御部15Cは、戸閉じ完了検出装置13によってドア9が完全に閉まったことが検出されると、呼び登録部15Aによるかご呼び及び乗り場呼びの登録に応答して乗りかご3を該当する行先階及び乗り場釦11の設置階へ昇降させる制御を行う。
【0041】
戸開閉制御部15Dは、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されたとき、ドア9を開いて乗りかご3を待機させる戸開き待機状態(待機モード)に設定する設定部15D1を有し、この設定部15D1によって戸開き待機状態に設定されたとき、戸閉じ不能状態を確認する処理を行うようにしている。
【0042】
具体的には、戸開閉制御部15Dは、設定部15D1によって戸開き待機状態に設定された後、ドア9を閉じて検出部15Bによる戸閉じ不能状態の検出を再度行うリトライ処理を実施して戸閉じ不能状態の診断(以下、便宜的にリトライ診断処理と称する)を行う診断処理部15D2と、この診断処理部15D2によってリトライ診断処理が行われることにより、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されなかったとき、戸開き待機状態の設定を解除する解除部15D3とを有している。
【0043】
診断処理部15D2は、リトライ診断処理において、例えば、予め設定されたリトライ処理を実施する旨の予告及び操作盤10を用いた戸開き待機状態の設定の解除方法等の情報を表示装置14に表示する。従って、この表示装置14がリトライ診断処理に関する所定の報知を行う報知部として機能する。解除部15D3は、例えば、リトライ診断処理中に操作盤10の戸閉釦10Cの操作が行われたとき、リトライ処理の実施を省略して戸開き待機状態の設定を解除するようにしている。
【0044】
一方、戸開閉制御部15Dは、設定部15D1によって戸開き待機状態に設定されなければ、操作盤10の戸開釦10B及び戸閉釦10Cからの指令を入力し、戸開釦10B及び戸閉釦10Cの操作に連動してドア9を開閉させる制御を行う。なお、診断処理部15D2は、リトライ処理におけるドア9の開閉速度を通常よりも遅い速度に設定する制御を行う。
【0045】
次に、戸開閉制御部15Dによって行われる戸閉じ不能状態の確認処理について、図6図7のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0046】
図6は本発明の第1実施形態に係る戸開閉制御部15Dによる戸閉じ不能状態の確認処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
図6に示すように、まず、戸開閉制御部15Dは、操作盤10の戸閉釦10Cからの指令を入力したかどうかを確認する(S1)。このとき、戸開閉制御部15Dは、操作盤10の戸閉釦10Cからの指令を入力していないことを確認すると(S1/NO)、戸閉じ不能状態の確認処理を終了する。
【0048】
一方、戸開閉制御部15Dは、操作盤10の戸閉釦10Cからの指令を入力したことを確認すると(S1/YES)、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されたかどうかを確認する(S2)。このとき、戸開閉制御部15Dは、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されていないと判断すると(S2/NO)、戸閉じ不能状態の確認処理を終了する。
【0049】
S2において、戸開閉制御部15Dは、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されたと判断すると(S2/YES)、戸閉じ不能状態が所定の時間(例えば、30秒)継続したかどうかを判断する(S3)。このとき、戸開閉制御部15Dは、戸閉じ不能状態が所定の時間継続しなかったと判断すると(S3/NO)、戸閉じ不能状態の確認処理を終了する。
【0050】
S3において、戸開閉制御部15Dは、戸閉じ不能状態が所定の時間継続したと判断すると(S3/YES)、ドア9を自動で強制的に開いてから閉じる強制開閉制御を行う(S4)。そして、戸開閉制御部15Dは、検出部15Bの検出結果を一定の時間確認し、戸閉じ不能状態が解消したかどうかを判断する(S5)。このとき、戸開閉制御部15Dは、戸閉じ不能状態が解消したと判断すると(S5/YES)、戸閉じ不能状態の確認処理を終了する。
【0051】
一方、戸開閉制御部15Dは、戸閉じ不能状態が解消していないと判断すると(S5/NO)、設定部15D1が戸開き待機状態に設定し(S6)、その旨を運転制御部15Cへ通知する。次に、運転制御部15Cは、複数台の乗りかご3のうち戸閉じ不能状態になった乗りかごが乗り場呼びの割り当てに組み込まれる群管理の編入を禁止し(S7)、呼び登録部15Aよる当該乗りかごに対する乗り場呼びの登録を禁止する(S8)。
【0052】
そして、診断処理部15D2は、図7に示すリトライ診断処理を実施し(S9,診断処理ステップ)、戸閉じ不能状態の確認処理を終了する。なお、運転制御部15Cは、このような場合であっても、呼び登録部15Aによるかご呼びの登録の応答については禁止せずに許可する制御を行う。
【0053】
図7は本発明の第1実施形態に係る診断処理部15D2によるリトライ診断処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
図7に示すように、まず、診断処理部15D2は、リトライ処理を実施した回数(以下、便宜的にリトライ回数と称する)を計数し、リトライ回数が所定の制限回数(例えば、5回)を超えているかどうかを判断する(S11)。このとき、診断処理部15D2は、リトライ回数が所定の制限回数を超えている場合には(S11/YES)、リトライ診断処理を終了する。
【0055】
S11において、診断処理部15D2は、リトライ回数が所定の制限回数を超えていない場合には(S11/NO)、操作盤10の戸閉釦10Cからの指令を入力したかどうかを確認する(S12)。このとき、診断処理部15D2は、操作盤10の戸閉釦10Cからの指令を入力したことを確認すると(S12/YES)、解除部15D3が戸開き待機状態の設定を解除する(S17,操作解除ステップ)。そして、戸開閉制御部15Dがドア9を閉じる制御を行い(S18)、リトライ診断処理を終了する。
【0056】
一方、S12において、診断処理部15D2は、操作盤10の戸閉釦10Cからの指令を入力していないことを確認すると(S12/NO)、設定部15D1によって戸開き待機状態に設定されてから所定の時間(以下、便宜的にリトライ開始時間と称する)が経過したかどうかを判断する(S13)。このとき、診断処理部15D2は、リトライ開始時間(例えば、2分)が経過していないと判断すると(S13/NO)、S13の処理を繰返してリトライ開始時間が経過するまで待機する。
【0057】
S13において、診断処理部15D2は、リトライ開始時間が経過したと判断すると(S13/YES)、リトライ処理を実施する(S14)。なお、S14においてリトライ処理が実施されている間は、戸開き待機状態が一時的に解除された状態になる。
【0058】
次に、戸開閉制御部15Dは、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されたかどうかを確認する(S15)。このとき、戸開閉制御部15Dは、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されたことを確認すると(S15/YES)、S11からの処理が繰返される。
【0059】
S15において、戸開閉制御部15Dは、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出されていないことを確認すると(S15/NO)、解除部15D3が戸開き待機状態の設定を解除する(S16,解除ステップ)。これにより、図6に示すS7、S8において禁止された群管理の編入及び乗り場呼びの登録が許可される。そして、S16の処理が行われると、リトライ診断処理を終了する。
【0060】
このように構成した本発明の第1実施形態に係るエレベータ装置1の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法によれば、設定部15D1によって戸開き待機状態に設定された後、戸閉じ不能状態の確認処理において診断処理部15D2によるリトライ診断処理を行うようにしたので、戸閉じ不能状態が解消したことを検出するためのセンサを新たに追加しなくても、戸閉じ不能状態が解消した時点で解除部15D3によって戸開き待機状態の設定を解除することができる。これにより、エレベータ装置1を迅速に復旧できるので、利用者に対して効率的なサービスを提供することができる。
【0061】
また、本発明の第1実施形態では、リトライ診断処理中に操作盤10の戸閉釦10Cの操作が行われた場合には、利用者によってドア9に挟まれた異物が除去されたり、あるいはセフティシューを作動させる悪戯等が行われなくなったと判断することができる。このような状況を考慮し、解除部15D3がリトライ診断処理中における操作盤10の戸閉釦10Cの操作に応じて、リトライ処理の実施を省略して戸開き待機状態の設定を解除することにより、エレベータ装置1の自動的な復旧を効率良く実施することができる。
【0062】
また、本発明の第1実施形態では、リトライ診断処理において、リトライ処理を実施する旨の予告及び操作盤10を用いた戸開き待機状態の設定の解除方法等の情報が表示装置14に表示されるので、乗りかご3内の利用者が表示装置14に表示された情報を確認することにより、現在の乗りかご3の運転状況を容易に把握することができる。そして、利用者が表示装置14に表示された指示に従って操作盤10の戸閉釦10Cを操作することにより、乗りかご3内の利用者の待機時間を削減できるので、利用者に対する利便性を向上させることができる。
【0063】
[第2実施形態]
図8は本発明の第2実施形態に係る制御盤15の構成を示す機能ブロック図である。
【0064】
本発明の第2実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態に係る解除部15D3が、戸閉じ不能状態の診断中に操作盤10の戸閉釦10Cの操作が行われたとき、リトライ処理の実施を省略して戸開き待機状態の設定を解除した場合について説明したが、図8に示す第2実施形態に係る診断処理部15D4は、リトライ診断処理中に操作盤10の戸閉釦10Cの操作が行われたとき、リトライ開始時間の経過に拘わらず、リトライ処理を実施するようにしたことである。
【0065】
以下、本発明の第2実施形態に係る診断処理部15D4によって行われるリトライ診断処理について、図9を参照しながら詳細に説明する。
【0066】
図9は本発明の第2実施形態に係る診断処理部15D4によるリトライ診断処理の流れを示すフローチャートである。なお、図9に示すS11、S13〜S16の処理は、上述した図7に示すS11、S13〜S16の処理とそれぞれ同様であるので、重複する説明を省略し、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0067】
本発明の第2実施形態では、図9に示すS22において、診断処理部15D4は、操作盤10の戸閉釦10Cからの指令を入力したかどうかを確認する。このとき、診断処理部15D4は、操作盤10の戸閉釦10Cからの指令を入力したことを確認すると(S22/YES)、S14の処理におけるリトライ処理を実施する。一方、S22において、診断処理部15D2は、操作盤10の戸閉釦10Cからの指令を入力していないことを確認すると(S12/NO)、S13の処理を行う。その他の第2実施形態の構成は、上述した第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略している。
【0068】
このように構成した本発明の第2実施形態に係るエレベータ装置1の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法によれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる他、リトライ診断処理においてリトライ開始時間が経過していなくても、利用者が操作盤10の戸閉釦10Cを操作することにより、手動でリトライ処理を開始させることができるので、エレベータ装置1を円滑に復旧することができる。
【0069】
特に、本発明の第2実施形態では、利用者によってドア9に挟まれた異物が除去されたり、あるいはセフティシューを作動させる悪戯等が行われなくなった状況であっても、リトライ処理を実施して戸閉じ不能状態が解消したことを確認してから戸開き待機状態を解除するようにしているので、仮に解除部15D3によって戸開き待機状態の設定が解除されてから直ぐに戸閉じ不能状態が検出され、再び戸閉じ不能状態の確認処理を行うことになる頻度を減少させることができる。これにより、エレベータ装置1の復旧確率を高めることができる。
【0070】
[第3実施形態]
図10は本発明の第3実施形態に係る制御盤15の構成を示す機能ブロック図である。
【0071】
本発明の第3実施形態は、上述した第1実施形態の構成に加え、解除部15D3によって戸開き待機状態の設定が解除された後、かご呼びが登録されているかどうかを判断する判断部15E1を備えている。この判断部15E1は、例えば、本発明の第3実施形態に係る運転制御部15Eに格納されている。
【0072】
そして、この運転制御部15Eは、判断部15E1によってかご呼びが登録されていないと判断されたとき、乗りかご3を現在の停止階から他の行先階へ昇降させる他階退避運転を実施する他階退避運転部15E2と、判断部15E1によってかご呼びが登録されていると判断されたとき、かご呼びの登録に応答して乗りかご3を昇降させるかご呼び応答部15E3とを含んでいる。このような構成の運転制御部15Eは、診断処理部15D2によるリトライ診断処理が終了した後、他階退避運転の実施の有無を確認する処理を行う。
【0073】
以下、本発明の第3実施形態に係る運転制御部15Eによって行われる他階退避運転の確認処理について、図11を参照しながら詳細に説明する。
【0074】
図11は本発明の第3実施形態に係る運転制御部15Eによる他階退避運転の確認処理の流れを示すフローチャートである。
【0075】
図11に示すように、まず、運転制御部15Eは、検出部15Bによって戸閉じ不能状態が検出された履歴があるかどうかを確認する(S31)。このとき、運転制御部15Eは、戸閉じ不能状態が検出された履歴がないことを確認すると(S31/NO)、他階退避運転の確認処理を終了する。
【0076】
S31において、運転制御部15Eは、戸閉じ不能状態が検出された履歴があることを確認すると(S31/YES)、判断部15E1は、呼び登録部15Aの登録結果を参照し、かご呼びが登録されているかどうかを判断する(S32,判断ステップ)。このとき、判断部15E1は、かご呼びが登録されていると判断すると(S32/YES)、かご呼び応答部15E3は、かご呼びの登録に応答して乗りかご3を指定された行先階へ昇降させ(S34,かご呼び応答ステップ)、他階退避運転の確認処理を終了する。
【0077】
一方、S32において、判断部15E1は、かご呼びが登録されていないと判断すると(S32/NO)、他階退避運転部15E2は、乗りかご3の現在の停止階以外の階、例えば乗りかご3の現在の停止階に近接する1つ上又は下の階へのかご呼びを作成し、当該階へ乗りかご3を昇降させ(S33,他階退避運転ステップ)、他階退避運転の確認処理を終了する。その他の第3実施形態の構成は、上述した第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略している。
【0078】
このように構成した本発明の第3実施形態に係るエレベータ装置1の戸閉じ不能状態確認装置及び戸閉じ不能状態確認方法によれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる他、運転制御部15Eは、診断処理部15D2によるリトライ診断処理が終了した後、他階退避運転の確認処理を行うようにしているので、例えば、乗りかご3の停止階の乗り場1A側のドア9Bが閉まり難い状態のときに、乗りかご3を他の階へ昇降させておくことにより、乗りかご3のドア9Aの開閉動作が乗り場1A側のドア9Bの影響を受けるのを回避することができる。しかも、呼び登録部15Aによってかご呼びが登録されている場合には、他階退避運転が省略される代わりに、かご呼び応答部15E3が、かご呼びの登録に応答して乗りかご3を指定された行先階へ昇降させることにより、利用者を目的の階へ円滑に運ぶことができるので、利用者に対するサービス性を十分に向上させることができる。
【0079】
なお、上述した本実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
【0080】
また、本発明の第1実施形態では、解除部15D3は、リトライ診断処理中に操作盤10の戸閉釦10Cの操作が行われたとき、リトライ処理の実施を省略して戸開き待機状態の設定を解除した場合について説明したが、この場合に限らず、リトライ診断処理中に操作盤10の戸閉釦10C以外の釦10A,10Bの操作が行われたとき、リトライ処理の実施を省略して戸開き待機状態の設定を解除するようにしても良い。
【0081】
さらに、本発明の第1実施形態では、診断処理部15D2は、リトライ処理を実施する旨の予告及び操作盤10を用いた戸開き待機状態の設定の解除方法等の情報を表示装置14に表示した場合について説明したが、この場合に限らず、例えば、これらの情報を伝える音声アナウンスをスピーカ等の音声出力装置から流すようにしても良い。
【符号の説明】
【0082】
1 エレベータ装置
2 昇降路
3 乗りかご
9 ドア
9A,9B ドア
10 操作盤
14 表示装置(報知部)
15B 検出部
15D2,15D4 診断処理部
15D3 解除部
15E1 判断部
15E2 他階退避運転部
15E3 かご呼び応答部
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11