【解決手段】この装置は、容器と;容器の外周で容器に接続され、電流を容器に供給するよう構成されたフランジ36とを備える。フランジ36は、均一な幅を有し、ニッケルを含有する最も外側の環40、および容器に接続された白金含有環38を備え、最も外側の環40が最も外側の環から延在する電極42を有する。さらに、電極近くにおける容器の壁と最も外側の環との間の白金含有環38の幅が、電極とは反対側の白金含有環38の幅よりも大きい。
前記白金含有環が、前記容器と前記最も外側の環との間に配置された、最も内側の環、および少なくとも1つの中間の環を備えたことを特徴とする請求項1記載のガラス製造装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、白金含有容器の壁に電流を導入するために使用されるフランジに関し、特に、溶融ガラスを変化させる、フランジおよび容器内の電流密度を確実に均一にすることに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
金属容器を流通する溶融材料を加熱する目的のためにその容器に電流を送達するように設計されたフランジを通る電流の密度の均一性を改善するために、その容器の周りの角度非対称の質量分布を提供する方法および装置が開示されている。すなわち、フランジ、またはその部分の幅が、ある角度位置から別の角度位置で異なる。例えば、0度の角度位置(0度の半径位置は、任意に選択されてもよいが、フランジに電流を供給する電極を通過する対称軸上に位置することが好ましい)でのフランジのある部分の幅は、0度の位置に対して180度の角度位置に位置する同様のフランジ部分の幅とは異なる。
【0009】
ここに開示された実施の形態によれば、フランジは、環が、容器から外側に移動するにつれて、次々に外側に配置されるような連続配置で接続された環に略分割される。これらの入れ子式の環の最も内側の環は、加熱すべき容器に接続されている。これらの環は、上述したフランジ部分を表す。
【0010】
いくつかの実施の形態において、材料が均質であるフランジの部分が参照される。ここに用いたように、材料が均質であるとは、1つ以上の環の組成構造を称する。例えば、以下に詳しく説明するように、1つ以上の環は、白金合金(例えば、白金・ロジウム合金)、または純粋な白金(例えば、99.8%より多い白金)のいずれかとして、白金を含むであろう。ある実施の形態において、2つ以上の環は実質的に組成が均一であろう(すなわち、意図せずに不純物が存在するために、組成にわずかしか差がなく、組成が均一である)が、それでも寸法が異なる(幅または厚さが異なる)。
【0011】
ここに開示された実施の形態よれば、容器の周りのフランジの質量分布を変えることによって、フランジを通る、また最終的には容器の壁の電流密度をより均一にすることができる。すなわち、ここに開示された実施の形態よれば、電流は、電極を通じてフランジに流れる。全電流は、フランジを流れるときに、最初にこの電極を通過するので、電極に隣接したところの従来のフランジ内の電流密度は、フランジの他の部分よりも大きい。電流密度のこのばらつきにより、フランジの耐用期間において過熱点が発生し、容器とこの容器の中を流れる溶融材料が不均一に加熱され得る。ここに記載された非対称の様々な質量分布は、電流をより均一に分布させるように働く。すなわち、容器を加熱するのに使用されるフランジの構造が非対称にされる。
【0012】
ある実施の形態において、溶融材料を加熱するための装置において、導電性の外壁部分を有する容器と、この容器の外周に亘り容器に接続された導電性フランジであって、少なくとも、第1の組成を有する第1の環および第1の組成とは異なる第2の組成を有する第2の環を含む複数の環を備えたフランジと、フランジから延在する電極とを有してなり、第1または第2の環の内の少なくとも一方の幅が、容器に対する角度位置の関数として変動するものである装置が開示されている。第1の環は、例えば、ニッケルを含んでよい。第2の環は、白金族の金属を含み、好ましくは白金または白金合金を含む。
【0013】
ある実施の形態において、第1の環は最も外側の環であり、電極を含まないこの最も外側の環の幅は、容器の周りの角度位置の関数として変動する。すなわち、環の周りを時計方向または反時計方向に進むにつれて、最も外側の環の幅は変動する。例えば、フランジを二等分し、電極に隣接した対称軸上の位置にある最も外側の環の幅は、電極から最も離れた対称軸上の位置での最も外側の環の幅よりも大きい。ある実施の形態において、第2の環は、容器に接続された最も内側の環であり、この最も内側の環の幅は、容器の周りの角度位置の関数として均一である。第2の環の幅は、容器の周りの角度位置の関数として変動してもよい。
【0014】
ある実施の形態において、第1の環は最も外側の環であり、第2の環の幅は、容器の周りの角度位置の関数として変動する。第2の環は、好ましくは均一な厚さの、複数の環または1つの環からなる。第2の環が複数の環からなる実施の形態において、第2の環を構成する複数の環の各々の幅は、容器の周りの角度位置の関数として変動する。
【0015】
さらに他の実施の形態において、第1の環の厚さは、第1の環の周りの角度位置の関数として変動する。第1の環は、容器の周りに配置された複数の区画からなっていてもよく、この区画は、端と端を接して、並べられ、接続されており、これらの複数の区画の厚さは、容器の周りの角度位置の関数として変動する。すなわち、ある区画の厚さは、環の全厚が、環の周りで時計方向または反時計方向に動くときに変動するように、別の区画の厚さとは異なる。ある例において、複数の区画の各区画は均一な厚さを有する。第1の環は、電極の近くで最も厚く、電極から最も遠い環の地点で最も薄くなるように、この環は、容器に対する第1の角度位置から180度に配置された第2の角度位置よりも、第1の角度位置のほうが厚いことが好ましい。ある例において、第2の環は1つの環であり、第2の環の厚さは、容器に対する角度位置の関数として変動する。他の構成において、第2の環は複数の環からなり、第2の環を構成する複数の環の少なくとも1つの環について、この少なくとも1つの環の厚さは、容器に対する角度位置の関数として変動する。
【0016】
さらに別の実施の形態において、第2の環は1つ以上の環からなり、第2の環を構成する1つ以上の環の内の少なくとも1つの厚さは、容器に対する角度位置の関数として変動する。第1の環の厚さも、容器に対する角度位置の関数として変動してもよい。
【0017】
別の実施の形態において、溶融材料を加熱するための装置において、導電性の外壁部分を有する容器と、少なくとも、第1の組成を有する第1の環および第1の組成と異なる第2の組成を有する第2の環を含む複数の環を備えた導電性フランジであって、第2の環が容器の外周に亘り接続されているフランジとを有してなり、第1または第2の環の内の少なくとも一方の幅は、容器に対する角度位置の関数として変動するものである装置が開示されている。第1または第2の環の内の少なくとも一方の厚さは、容器に対する角度位置の関数として変動してもよい。
【0018】
さらに別の実施の形態において、溶融材料を加熱するための装置において、導電性の外壁部分を有する容器と、少なくとも、第1の組成を有する第1の環および第1の組成と異なる第2の組成を有する第2の環を含む複数の環を備えた導電性フランジであって、第2の環が容器の外周に亘り接続されているフランジとを有してなり、第1または第2の環の内の少なくとも一方の厚さは、容器に対する角度位置の関数として変動するものである装置が開示されている。第1または第2の環の内の少なくとも一方の幅は、容器に対する角度位置の関数として変動してもよい。
【0019】
さらにガラス製造装置の形態において、容器と;容器の外周で容器に接続され、電流を容器に供給するよう構成されたフランジであって、最も外側の環を備えたフランジとを備え、最も外側の環が容器と非同心であることを特徴とする。
【0020】
さらにガラス製造方法の形態において、溶融ガラスを容器に流通させるステップであって、容器が容器の外周に接続されたフランジを備え、フランジが最も外側の環を備え、最も外側の環が容器と非同心であるステップと;フランジを介して容器に電流を供給することにより、容器を加熱するステップと;溶融ガラスをガラス板に形成するステップとを有することを特徴とする。
【0021】
本発明の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者には容易に明白であるか、またはここに記載された発明を実施することによって認識されるであろう。添付の図面は、本発明をさらに理解するために含まれており、本明細書に包含され、その一部を構成する。本明細書および図面に開示された発明の様々な特徴は、任意の組合せと全ての組合せにおいて使用できることが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の詳細な説明において、限定ではなく説明の目的で、本発明を完全に理解するために、特定の詳細を開示した例示の実施の形態が述べられている。しかしながら、この開示の恩恵を受けた当業者には、本発明は、ここに開示された特定の詳細から逸脱した他の実施の形態において実施してもよいことが理解されよう。さらに、よく知られた装置、方法および材料の説明は、本発明の説明を分かりにくくしないように、省かれているであろう。最後に、適用できるところはどこでも、同様の参照番号は同様の要素を称する。
【0024】
図1の例示の装置10において、矢印11により表されるバッチ材料が炉または溶融装置12内で溶融されて、第1の温度T
1で溶融ガラス14を形成する。T
1は特定のガラス組成に依存するが、LCDに使用できるガラスについて、T
1は1500℃を超えて差し支えない。溶融ガラスは、溶融装置12から接続管16を通って清澄管(または「清澄装置」)18まで流動する。ガラスは、清澄装置18から接続管22を通って撹拌室20まで流動し、混合され、均質化され、撹拌室20から接続管23を通ってボウル24まで流動し、次いで、下降管26まで流動する。次いで、溶融ガラスは、入口30を通って成形体28に向けることができる。
図1に示されるようなフュージョン・ダウン・ドロー法の場合には、成形体28に供給された溶融ガラスは、成形体28の収束する成形面上を流れ、ここで、別個の流れが互いに接合し、または融着して、ガラスのリボン32を形成する。このリボンは、次いで、冷却され、分割されて、個々のガラス板が形成される。
【0025】
清澄装置18で溶融ガラスがT
1より高い第2の温度T
2に加熱される。例えば、T
1が1500℃であってよいのに対し、T
2はT
1より少なくとも100℃高くて差し支えない。T
2の温度が比較的高いために溶融ガラスの粘度が減少し、それによって、溶融ガラス中の気泡をより容易に除去することができる。さらに、このより高い温度により、バッチ材料を通じてガラスに入った清澄剤(例えば、多価酸化物材料)に含まれる酸素が放出される。放出された酸素は溶融ガラス中で気泡を形成し、この気泡は実質的に核形成剤として働く。すなわち、溶融ガラス中に溶解したガスは、酸素の気泡中に移動し、気泡を成長させる。気泡の成長から生じる増加した浮力により、自由表面を通じての溶融ガラスからの気泡の除去が加速する。
【0026】
溶融装置12は典型的に耐火材料(例えば、セラミックレンガ)から形成されるのに対し、接続管16,22,23、清澄装置18、撹拌室20、ボウル24および下降管26などの、溶融ガラスを搬送するための様々な容器を含むその下流のシステムのほとんどは、典型的に全て、導電性金属、通常は、白金または白金・ロジウム合金などの白金合金から形成される。上述したように、溶融ガラスは極めて熱く、したがって、長期間に亘り少なくとも1600℃を超える温度に耐えることのできる高温材料が必要とされる。さらに、その材料は、高温によって加速され得る酸化に対して耐性であるべきである。その上、溶融ガラスはかなり腐食性であり、よって、その材料は、容器の材料によるガラスの汚染をもたらし得るガラスからの攻撃に対して比較的耐性であるべきである。周期表の白金族(白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ルテニウムおよびオスミウム)を含む金属はこの目的にとって特に有用である。白金は、他の白金族の金属よりもより加工され易いので、多くの高温プロセスでは白金または白金合金製容器が利用される。しかしながら、白金は高価であるので、これらの容器のサイズを最小にするためにあらゆる努力が行われている。一例は、溶融装置から清澄装置への接続管16に関する。
【0027】
溶融装置と清澄装置との間の非加熱搬送において(すなわち、溶融装置12の後に溶融ガラス材料に熱エネルギーが加えられないところ)、溶融ガラスは、溶融装置12から接続管16に進入する際に直ちに冷め始める。しかしながら、清澄プロセスから最大の効率を引き出すために、溶融ガラスは、このガラスが清澄装置に入るときに清澄温度(T
2)にあるべきである。それゆえ、接続管16は、接続管内のガラスの冷却を防ぐため、実際には、ガラスが清澄装置に入る前に溶融ガラスの温度を清澄温度まで上昇させるために、加熱されることが好ましい。この加熱は通常、先に要約したような直接加熱法によって行われるが、外部熱源を使用しても差し支えない。溶融ガラスの流れが増加した場合、加熱の要件も増える。すなわち、清澄装置内に収容される溶融ガラスが、清澄操作のために適切な時間に亘り適切な温度であることを確実にするために、清澄装置の長さを増加させなければならないか、または溶融ガラスが、清澄装置に入る前に適切な温度であることを確実にするために、接続管16の長さを増加させなければならない。いずれの場合にも、使用される白金の量が増加するので、加工費が増加する。さらに、典型的な製造環境において、追加の床面積の利用可能性はしばしば限られ、材料費にかかわらず、構成部材を長くするという選択肢は問題になる。
【0028】
別の手法は、接続管に供給される熱エネルギーを増加させることである。直接加熱された接続管に関して、このことは、直接加熱される構成部材を流れる電流を増加させることを意味する。この電流は、交流(AC)であっても、直流(DC)であっても差し支えないが、AC電流であることが多い。しかしながら、電流が増加すると、容器に電流を給電する導電性フランジが容器の壁と出会う地点およびフランジ自体の内部の両方で過熱点が生じることが分かった。フランジと容器の接続部での過熱点は、溶融ガラスの不均一な加熱および不十分な清澄性能をもたらし得、フランジ内の過熱点は、酸化または溶融を加速させることなどにより、フランジの健全性を損ない、フランジの破損を早めたりさせ得る。さらに、電気フランジは、時期尚早の破損を防ぐために積極的に冷却されるかもしれないが、フランジの未冷却温度が、使用される材料のある閾値を超えた場合、冷却システムの破損が壊滅的となり得る。
【0029】
フランジに過熱点が生じる原因の1つは、フランジを電流源に接続する電極とのライン上のある位置でのフランジの高い電流密度から生じる。すなわち、フランジは典型的に、フランジから延在し、フランジに電流を給電するケーブルまたはバスバーに接続するタブまたは電極を備えている。その結果、電極がフランジに接続する位置に近い電流密度は、典型的に、フランジの他の位置でよりもずっと高い。フランジに供給される電流が、より大きい加熱需要に対処するために増加させられた場合、電極近くの領域(電流が電極からフランジに分配されるところ)におけるフランジの高い電流密度により、フランジを構成する材料の急激な酸化により、フランジの時期尚早の破損を生じるのに十分に高い温度をフランジに生じ得る。もしくは、いずれの場合にも、その電流の流れは、電極および/またはフランジを加熱し溶融するのに十分であろう。
【0030】
図2は、直接抵抗加熱システムの一部を例示しており、電流を外壁34に供給する2つのフランジ36が取り付けられた外壁34を有する例示の金属容器(例えば、管)、ここでは、溶融装置から清澄装置への接続管16を示している。管16は、直接加熱の例示の使用を表しており、フランジ36は、清澄装置18などの、溶融ガラスを保持または搬送するのに利用される任意の他の導電性金属容器に使用しても差し支えないことが理解されよう。
【0031】
2つしかフランジが示されていないが、実際には、容器の外壁の異なる区画に電流を供給するために、任意の特定の容器に、2つより多くのフランジを使用しても差し支えない。最後に、
図2の外壁は円形であるものと示されているが、この壁は、楕円形、卵形、正方形、矩形などの様々な他の形状を有しても差し支えない。次に、容器が延在するフランジの中央開口は相補的な形状を有する。
【0032】
図2によれば、電流は第1のフランジに供給される。この電流は、第1のフランジを通り、容器の壁に入り、第1のフランジから間隔がおかれた第2のフランジを通して出る。フランジ間の距離は、容器に与えられる加熱要件により決まり、当業者によって容易に決定される。管の壁を流れる電流により、管とその中を搬送される溶融ガラスが加熱される。
図2に示されていないが、使用中に、容器の壁とフランジは、通常、容器からの熱損失を制御するために断熱性耐火材料の厚い層によって取り囲まれている。
【0033】
図3は、
図2の1つのフランジ36の実施の形態の構造をより詳しく示している。図に示すように、フランジ36は2つの環38,40を備えており、ここで、最も内側の環38は、少なくとも80質量%の白金を含み、残りは、もしあれば、ロジウムまたはイリジウムの内の1つ以上である高温抵抗金属(すなわち、ここに用いたように、少なくとも1400℃、好ましくは少なくとも1500℃、より好ましくは少なくとも1600℃より高い温度で動作できる金属)から形成されている。一例として、最も内側の環38は90質量%の白金および10質量%のロジウムからなっていて差し支えない。
【0034】
フランジ36の温度は溶融ガラス搬送管から増加する半径位置の関数として減少するので、最も外側の環の材料に要求される温度抵抗は、最も内側の環の材料に要求されるものほど高くない。それゆえ、費用を節約するために、最も外側の環40は、一般に、高い溶融温度を有するが、フランジの内側環の白金含有材料よりも著しく安い材料から製造される。ある実施の形態によれば、フランジ36の最も外側の環40は、白金および白金合金と比較して低コストで容易に入手できる、ニッケル200またはニッケル201などの工業的に純粋なニッケル(例えば、少なくとも99.0質量%のニッケル)から形成される。電力フランジに使用される場合、ニッケルは、他の高温材料では対抗できない、電気抵抗、熱伝導性、酸化抵抗、白金とロジウムとの可溶性、加工性、価格、および多くの形状と形態での入手可能性の優れた組合せを提供する。
【0035】
図3のフランジの断面図を示す
図4に示されるように、環38と40は、それぞれ、異なる厚さt
38およびt
40を有する。これらの厚さは、半径方向位置の関数として電流密度を制御するように選択される。すなわち、フランジの厚さは、容器から外側への半径方向で動くにつれて変動する。これらの厚さの選択に数多くの検討事項が関与する。第1に、上述したように、直接抵抗加熱の主要目的は、管16内の溶融ガラスを加熱することであって、電流を容器の壁に供給するフランジを加熱することではない。したがって、フランジにおける電流密度は、エネルギー損失を最小にするために、容器の壁における電流密度よりも小さいべきである。第2に、電流密度は、フランジの部分が過熱されそれによって損傷しないように制御されるべきである。このことは、使用中により高い周囲温度を経験するフランジの部分にとって問題である。
【0036】
環の厚さを選択する出発地点として、一定の厚さを有する単一材料から構成された円形フランジは、減少する半径と線形に増加する電流密度を有する、すなわち、電流密度は、フランジの外縁で最小であり、内縁で最大であることに留意されよう。この影響を相殺するために、フランジの厚さは、半径が小さくなるにつれて、増加させるべきである。温度に関して、周囲温度は通常、管16から外側に動くにつれて、低下し、それゆえ、電流密度は、過熱による損傷の機会が少なくなるフランジの外部に向かって高くて差し支えない。これにより、半径が増加するにつれて、厚さが小さくなるフランジがもたらされる。フランジの外側領域において減少した厚さは、特に、高価な白金含有材料の場合、フランジを構成するために使用される材料の量を最小にする上でも望ましい。
【0037】
さらに別の要因としては、特に、2種類以上の材料が用いられる場合、フランジを構成する材料の抵抗が挙げられる。抵抗が高いほど、同じ電流密度の直接加熱の効果が大きくなる。また、フランジの最も外側の環が、外周の電流の流れに対する抵抗が低くなるように、その環が相当な厚さを有することが望ましいこともあり得る。より詳しくは、ある実施の形態において、最も外側の環の外周の計算された半径方向の電流密度における変動(すなわち、モデル化された電流密度の変動)は、50%未満である。
【0038】
これらの電気的な検討事項に加え、フランジのニッケル含有構成部材への動作温度の影響も考慮する必要がある。一般論として、フランジのニッケル含有構成部材に適切な温度は:(1)水冷による通常動作において約600℃未満;(2)空冷では約800℃未満;および(3)冷却されないと約1000℃未満である。約600℃以下では、ニッケルは、フランジに3年以上の耐用期間が達成できるほど十分に低い酸化速度を有する。約1000℃では、未使用の耐用期間は30日未満である。約800℃での耐用期間は、これらの値の間であり、特に、これらの温度にニッケルが暴露されたときに、水冷よりも複雑ではないことが多い空冷を使用できる場合、いくつかの用途にとって許容されるであろう。
【0039】
より一般に、温度は、ガラス収容容器の軸からの半径方向の位置が増加するにつれて、耐火断熱において減少する。同様に、温度は、フランジの半径が増加するにつれて、減少する。フランジのある半径方向位置で、温度は約1000℃未満に降下する。この半径方向位置を超えると、ニッケルは、フランジ材料として安全に使用できる。ニッケルの温度限界、例えば、長い耐用期間については約600℃、中くらいの耐用期間については約800℃、または短い耐用期間については約1000℃が、任意の条件下で超えられた場合、フランジの内部に使用される高温金属とニッケルとの間の接合部を、より大きい半径まで移動させなければならない。もちろん、接合部の外側への移動は、高温、それゆえ、高コストの金属がより大きい半径まで延在しなければならないので、増加した材料費に対してバランスをとるべきである。
【0040】
実際には、フランジを構成する環の半径および厚さを選択する上で関与する様々な要因を考慮するために、典型的に、コンピュータモデリングが使用される。そのようなモデリングは、特定の導体特性および形状に関する電流の流れを計算する市販のまたはカスタマイズされたソフトウェアパッケージ、並びに特定の材料特性および熱源/ヒートシンクの位置について熱流量をモデル化し、温度分布を計算するパッケージを使用して、実施することができる。例えば、そのような分析を使用して、
図4の環の厚さ(t)に関する適切な関係が以下であることが分かった:t
40>t
38、ここで、内側の環38は90質量%の白金および10質量%のロジウムから製造され、外側の環40並びに電極42と冷却管44は、ニッケル200/201から製造された。もちろん、他の関係を使用しても差し支えなく、その特定の関係は、本開示から当業者により容易に決定される任意の特定の用途に適したものである。
【0041】
フランジを構成するために使用される環および電極は、典型的に、平らな金属板、例えば、電極42と外側の環40についてはニッケル200またはニッケル201、および内側の環38については白金・ロジウム合金板(例えば、90質量%の白金および10質量%のロジウム)から製造される。複数の環の間の接合部は典型的に溶接される。溶接は、接合部を過熱し破損させ得る局部的な高電流密度を生じ得る凹角部を避けるために隅肉を設けても差し支えない。最も内側の環38は、通常、溶接によって、管16の外壁34に接合される。重ねて、凹角部を避けるために、隅肉付けを使用して差し支えない。最も内側の環38の厚さは、典型的に、容器の壁34の厚さよりも大きいが、所望であれば、最も内側の環に他の厚さを使用しても差し支えなく、例えば、最も内側の環の厚さは、壁34の厚さと等しくても、またはそれより小さくても差し支えない。
【0042】
環38および40に加え、
図3および4のフランジは、好ましは外側の環40と同じ材料から製造された、管の形態にある冷却通路44を備えているが、この冷却管は、異なる材料から製造されても差し支えない。ある実施の形態において、冷却管44は、少なくとも99.0質量%のニッケルを含む。この冷却管は、電流源(図示せず)に電気的に接続されており、典型的に、最も外側の環40の外周で最も外側の環40に接合されている。しかしながら、いくつかの実施の形態において、冷却通路は、最も外側の環40内に形成されても差し支えなく、例えば、冷却通路は、最も外側の環に機械加工されても差し支えない。フランジが急激に酸化するおよび/または溶融する温度より低い温度に管(およびそれが接続されたフランジ)を維持するために、水などの液体または空気などの気体であって差し支えない冷却流体が、冷却通路を通じて循環される。管16内の溶融ガラスの温度は1600℃を超え得るので、フランジの急激な酸化を防ぐために、相当な冷却が要求されるであろう。
【0043】
冷却機能に加え、冷却管44は、最も外側の環40の周辺に電流を分布させるためのバスバーとしても機能するであろう。
【0044】
電力フランジの上述した構成部材にニッケルを使用すると、冷却水の流れにおける一時的な停止に耐えるフランジの能力が著しく改善されることが分かった。特に、フランジは、冷却流体の流れが中断された場合、フランジが数日間に亘り動作可能のままでいるほど高いレベルの酸化抵抗を示す。ニッケル含有フランジの優れた酸化抵抗は、白金部品を損失せずに、それゆえ、容器を通るガラスの流れを中断する必要なく、冷却流を復旧するための十分な時間を与える。
【0045】
冷却流の一時的な中断に耐える能力に加え、ニッケル含有フランジは、例えば、より低い温度のシステムに使用されることが多い銅含有フランジよりも、冷却を必要としない。したがって、一般に、ニッケル含有フランジを使用した場合、直接抵抗加熱がそれほど必要ない。直接抵抗加熱がこのように減少すると、転じて、電気の運転費および直接加熱システムに電力を与えるのに必要な電源の容量に関する資本コストが減少する。
【0046】
これらの機能的利益に加え、ニッケルを含む1つ以上の環を使用すると、銅含有フランジにおいてそうでなければ白金または白金合金が使用されであろう位置でニッケルが使用されるので、フランジのコストが著しく減少する。すなわち、銅のより低い耐温度性は、銅にとって安全な動作環境を提供するために、白金−銅フランジでは、白金がさらに遠くまで延在する必要があることを意味する。ニッケルと白金の価格は時間で変動するが、経験上、白金は、ニッケルよりも少なくとも400倍高価であり、ときには、1800倍より高価になり得る。
【0047】
図3および4の実施の形態に示されるように、接続管(容器)16は、最も外側の環40、この例では、ニッケル含有環に対して同心に配置されていない。図示されるように、内側の白金含有環38は、接続管16の周りに同心に配置されており、その外周で接続されている。
図3によれば、点線46は、電極42を対称に通過し、フランジ36を二等分する軸を表す。典型的なフランジの取付方向において、対称軸46は垂直軸を表す。図示したように、電極42に隣接したところの最も外側の環40の全幅W1は、接続管16の反対側の最も外側の環40の全幅W2(すなわち、W2は幅W1から180度の角度だけ離れている幅である)よりも広い。すなわち、
図3および4に示されたW1はW2よりも広い。W1は電極42を含まないことに留意のこと。
図4は、電極42と反対側の(すなわち、180度の角度で配置されている)最も外側の環40の幅と比べた電極に隣接した最も外側の環40の部分の増加した幅を示す
図3のフランジの断面図を示している。
【0048】
最も外側の環40は、それ自体、ある実施の形態において、多数の環を備えてよいことに留意すべきである。例えば、最も外側の環40は、異なる厚さの複数のニッケル含有環からなるニッケル含有環であってよい。ニッケルは、例えば、白金などの他の金属との合金であってもよい。
【0049】
図5および6は、内側の白金含有環38が接続管16に対してずれており、対称軸46に沿って測定した電極42に隣接したところの白金含有環38の幅W3が、W3から180度に位置する白金含有環38の幅W4よりも広い別の実施の形態を示している。この実施の形態において、ニッケル含有環40は実質的な均一な幅を有する。
【0050】
図7および8に示された別の実施の形態において、接続管16は、白金含有環38内で同心に配置されていない。すなわち、白金含有環38の外周と接続管16の外壁の間の対称軸46に沿った幅W3は、壁34と環38の外周との間の白金含有環38の幅W4よりも広い。より簡単に言えば、白金含有環38の幅は、環の周りで移動するにつれて(すなわち、環の周りの異なる角度位置で)変動する。この実施の形態による最大幅は、フランジに電流を供給する電極に直接隣接している(すなわち、電極42に隣接した対称軸46上にある)。電極近くにあるフランジの白金含有部分の第1の幅を、第1の幅から180度に位置する白金含有フランジの第2の幅より大きくすると、接続管の壁を、電極から入る電流の流れからより遠くに移動させる。それゆえ、電流が横切る材料の量は、電流密度が最高である場所でより大きくなる。逆に、電流が横切る白金含有材料の量は、電流密度が最低の場所でより小さくなる。その結果、白金含有環38を通る、それゆえ、接続管16に入る電流の流れの均一性が増加する。
【0051】
白金含有環38のずれに加え、ニッケルを含有する最も外側の環40もずれている。すなわち、ニッケル含有環40と白金含有環38の両方が、接続管16の反対側よりも電極42に隣接する側のほうが広くなるように、ニッケル含有環40の幅W1は幅W2より広く、白金含有環38の幅W3は幅W4より広い。
【0052】
図9および10は、ニッケル含有環40を含むが、白金含有環38が、接続管16の周りに配置された2つの白金含有環38aおよび38bを備え、最も内側の白金含有環38aが、溶接などによって接続管16に接合されているさらに別の実施の形態を示している。しかしながら、最も外側の環40と接続管16の壁34との間の電極42を通る対称軸46に沿った白金含有環38の全幅W3は、W3から180度に配置された軸46に沿った全幅W4よりも広い。
【0053】
その上、最も内側の白金含有環38aの厚さt
38aは、第1の中間の白金含有環38bの厚さt
38bよりも広い。最も外側の環40(例えば、ニッケル含有環40)の厚さt
40は、t
40>t
38a>t
38bとなるように、最も内側の白金含有環38aの厚さt
38aよりも大きく、第1の中間の白金含有環38bの厚さt
38bよりも大きいことが好ましい。各白金含有環38aおよび/または38bは、ずれており、または最も内側の白金含有環38aは接続管16と同心であり、第1の中間の白金含有環38bのみがずれていることが好ましい。外側の環40は、前述したように、ずれていても、いなくてもよいことに留意すべきである。
【0054】
図11および12は、白金含有環38が、接続管16の周りに配置された3つの白金含有環38a,38bおよび38cを備え、最も内側の白金含有環38aが、溶接などにより接続管16に接合されているさらに別の実施の形態を示している。第1の中間の白金含有環38bは、最も内側の白金含有環38aの周りに配置され、その周囲に接合されており、第2の中間の白金含有環38cは、第1の中間の白金含有環38bの周りに配置され、その周囲に接合されている。最も外側の環40と接続管16の壁34との間の電極42を通る対称軸46に沿った白金含有環38の全幅W3は、W3から180度に位置する軸46に沿った白金含有環38の全幅W4よりも広い。その上、t
40>t
38a>t
38b>t
38cとなるように、最も外側の環40の厚さt
40は最も内側の白金含有環38aの厚さt
38aより大きく、厚さt
38aは第1の中間の白金含有環38bの厚さt
38bより大きく、第1の中間の白金含有環38bの厚さt
38bは第2の中間の白金含有環38cの厚さt
38cより大きい。各個別の環は、均一な厚さを有すると仮定する。各個別の白金含有環38a〜38cは、接続管16に対してずれていてもよい。あるいは、最も内側の白金含有環38aは、接続管16と同心であり(すなわち、均一な幅を有する)、第1と第2の中間の白金含有環38bおよび38cは接続管16に対してずれていてもよい。
【0055】
本開示の教示に基づいて、複数の個別の白金含有環を用いて、減少する半径の関数としてフランジの白金含有部分の半径方向に増加する厚さを提供してもよいことが明らかであろう。しかしながら、軸46に垂直な軸に沿ったフランジの白金含有部分の幅は、軸46の周りに対称であるフランジについて同一であってよいことを除いて、先の実施の形態の共通する特徴は、フランジがその周りに配置される容器(例えば、接続管)の周りの角度位置に対して最も外側の(例えば、ニッケル含有)環の可変全幅および/またはフランジの白金含有部分の可変全幅である。フランジの周りで角度方向に動くにつれて変動する白金含有環の幅を使用すると、接続管/フランジの接合部およびフランジ自体の内部で電流密度をより均一にするように働く白金含有材料の質量勾配が提供される。
【0056】
図13の実施の形態は、先の実施例に記載された実質的に円形の環外周以外のものを有するフランジのより一般的な実施の形態を示している。それでも、電極42を通る対称軸46はフランジを二等分し、電極42に隣接する白金含有環38の全幅および/または電極42に隣接する最も外側の環40の幅のいずれかは、接続管16の反対側に位置するそれぞれの環の部分の幅よりも広い。
【0057】
図14〜15に示されたさらに別の実施の形態において、白金含有環38の厚さは、接続管16の周りに角度位置の関数として変動する。例えば、
図14は、それぞれ、時計方向に移動して、12:00の時計位置、3:00の時計位置、6:00の時計位置、および9:00の時計位置に配置された4つの区画50,52,54および56に分割されて示された1つの白金含有環38を有するフランジ36を示している。この実施の形態によれば、12:00の時計位置にある区画50は、6:00の時計位置にある区画54よりも厚く作られている。それぞれ、3:00の時計位置と9:00の時計位置にある区画52および56は、12:00の時計位置の区画50と6:00の時計位置の区画54の間の中間の厚さを有する。例えば、区画52および56の厚さは同じであってもよい。それゆえ、12:00の時計位置から環38の周りを時計方向に移動すると、環の厚さt
38は薄くなり、6:00の時計位置で最小の厚さに到達し、次いで、12:00の時計位置に向かって再度厚くなる。もちろん、白金含有環38が複数の環(例えば、前述したように、環38a,38b・・・)を備える場合、それらは角度位置の関数として、厚さが変動してもよい。さらに、最も外側の環40も、複数の区画が異なる厚さを有するように、同様に区画化されていてもよい。角度位置の関数としての厚さの変動は、機械加工の能力に応じて、上述したように段階的(様々な厚さの区画−くさび形−を溶接することなどによる)であっても、または漸進的(連続的)であってもよい。厚さの段階的な変化は一般に製造が容易であり、ここで、個々の区画は一緒に配置され、溶接される。
【0058】
いくつかの実施の形態において、最も外側の環および白金含有環の内の一方または両方は、接続管16に対してずれていてもよく、また前述のように角度位置の関数として変動する厚さを有する環(最も外側の環、白金含有環、または最も外側の環と白金含有環の両方)を含んでもよい。
【0059】
前述したように、フランジ36は、接続管16に関連して記載してきたが、ここに記載されたフランジは、容器内を流動する材料を加熱するために直接抵抗加熱が適用される他の導電性容器に用いてもよい。
【0060】
先の実施の形態の各々において、冷却管および/または通路の様々な構造を利用できることに留意すべきである。例えば、電極42用の冷却管44は、フランジ(すなわち、最も外側の環40)用の冷却管44とは分離され、よって、電極を、フランジの残りの部分とは別々に冷却できるようにしてもよい。これが必要な程度は、フランジと容器の特定の要件、例えば、温度、電流などに依存する。ある例において、環の温度が十分に低く、電極のみに冷却管44が設けられている(または単に、冷却管の最も外側の環の部分を流動する冷却流体がない)場合、最も外側の環の冷却は必要ないであろう。いくつかの実施の形態において、最も外側のフランジまたは電極のいずれかの冷却は必要ないであろう。さらに他の実施の形態において、電極42および電極に電流を供給するバスバー58の間の接合部は、
図16に示されるような冷却ブロック60を含んでもよい。
図16は、電極42の一部、バスバー58および冷却ブロック60を描き、冷却ブロック60の内部の通路に冷却流体を供給するための入口62および出口64を示している。もちろん、代わりとして、冷却ブロック60の外部に冷却管を取り付けても差し支えない。
【0061】
したがって、本発明の非限定的実施の形態として以下を挙げる:
C1. 溶融材料を加熱するための装置において、導電性外壁部分を有する容器と;前記容器の外周で該容器に接続された導電性フランジであって、少なくとも、第1の組成を有する第1の環および該第1の組成とは異なる第2の組成を有する第2の環を含む複数の環を備えたフランジと;前記フランジから延在する電極と;を有してなり、前記第1または第2の環の内の少なくとも一方の幅が、前記容器に対する角度位置の関数として変動することを特徴とする装置。
C2. 前記第1の環がニッケルを含むことを特徴とするC1記載の装置。
C3. 前記第2の環が白金を含むことを特徴とするC1またはC2記載の装置。
C4. 前記第1の環が最も外側の環であり、前記電極を含まない該最も外側の環の幅が、前記容器の周りの角度位置の関数として変動することを特徴とするC1からC3いずれか1つに記載の装置。
C5. 前記フランジを二等分する対称軸上の、前記電極に隣接する位置での前記最も外側の環の幅が、前記電極から最も遠い前記対称軸上の位置での該最も外側の環の幅よりも大きいことを特徴とするC4記載の装置。
C6. 前記第2の環が最も内側の環であり、該最も内側の環の幅が、前記容器の周りの角度位置の関数として均一であることを特徴とするC4またはC5記載の装置。
C7. 前記第2の環の幅が、前記容器の周りの角度位置の関数として変動することを特徴とするC4またはC5記載の装置。
C8. 前記第1の環が最も外側の環であり、前記第2の環の幅が角度位置の関数として変動することを特徴とするC1記載の装置。
C9. 前記第2の環が複数の環を含むことを特徴とするC8記載の装置。
C10. 前記第2の環を構成する複数の環の各々の幅が、前記容器の周りの角度位置の関数として変動することを特徴とするC9記載の装置。
C11. 前記第1の環の厚さが、該第1の環の周りの角度位置の関数として変動することを特徴とするC1記載の装置。
C12. 前記第1の環が複数の区画からなり、該複数の区画の厚さが前記容器の周りの角度位置の関数として変動することを特徴とするC11記載の装置。
C13. 前記複数の区画の各区画が均一な厚さを有することを特徴とするC12記載の装置。
C14. 前記第1の環が、前記容器に対する第1の角度位置で、該第1の角度位置から180度に配置された第2の角度位置でよりも厚いことを特徴とするC11記載の装置。
C15. 前記第2の環が単一の環であり、該第2の環の厚さが、前記容器に対する角度位置の関数として変動することを特徴とするC11記載の装置。
C16. 前記第2の環が複数の環を含み、該第2の環を構成する該複数の環の内の少なくとも1つの環について、該少なくとも1つの環の厚さが、前記容器に対する角度位置の関数として変動することを特徴とするC11記載の装置。
C17. 前記第2の環が1つ以上の環を含み、該第2の環を構成する該1つ以上の環の内の少なくとも1つの環の厚さが、前記容器に対する角度位置の関数として変動することを特徴とするC1記載の装置。
C18. 前記第1の環の厚さが、前記容器に対する角度位置の関数として変動することを特徴とするC17記載の装置。
C19. 溶融材料を加熱するための装置において、導電性外壁部分を有する容器と;少なくとも、第1の組成を有する第1の環および該第1の組成とは異なる第2の組成を有する第2の環を含む複数の環を備えた導電性フランジであって、前記第2の環が前記容器の外周で該容器に接続されているフランジと;を有してなり、前記第1または第2の環の内の少なくとも一方の幅が、前記容器に対する角度位置の関数として変動することを特徴とする装置。
C20. 前記第1または第2の環の内の少なくとも一方の厚さが、前記容器に対する角度位置の関数として変動することを特徴とするC19記載の装置。
C21. 溶融材料を加熱するための装置において、導電性外壁部分を有する容器と;少なくとも、第1の組成を有する第1の環および該第1の組成とは異なる第2の組成を有する第2の環を含む複数の環を備えた導電性フランジであって、前記第2の環が前記容器の外周で該容器に接続されているフランジと;を有してなり、前記第1または第2の環の内の少なくとも一方の厚さが、前記容器に対する角度位置の関数として変動することを特徴とする装置。
C22. 前記第1または第2の環の内の少なくとも一方の幅が、前記容器に対する角度位置の関数として変動することを特徴とするC21記載の装置。
【0062】
本発明の上述した実施の形態、特に、任意の「好ましい」実施の形態は、実施の単なる可能な例であり、本発明の原理を明白に理解するために単に述べられていることを強調しておく。本発明の精神および原理から実質的に逸脱せずに、様々な変更および改変を本発明の上述した実施の形態に行ってよい。そのような変更および改変の全てが、この開示および本発明の範囲内でここに含まれ、以下の特許請求の範囲により保護されることが意図されている。