(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-222583(P2016-222583A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】毛髪化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20161205BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q5/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-109884(P2015-109884)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】391066319
【氏名又は名称】高級アルコール工業株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】100195419
【弁理士】
【氏名又は名称】矢後 知美
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】花田 奈緒美
(72)【発明者】
【氏名】川合 清隆
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC342
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC482
4C083AC692
4C083AC902
4C083AD072
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD282
4C083CC32
4C083CC33
4C083DD27
4C083DD28
4C083EE06
4C083EE28
4C083EE29
(57)【要約】
【課題】
良好な使用感に加え、水分蒸散を抑制してしっとり感を与える毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】
特定のC18飽和脂肪酸エステルを含む水分蒸散抑制剤およびこれを含む毛髪化粧料。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを含有する、毛髪の水分蒸散抑制剤。
【請求項2】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルからなる、毛髪の水分蒸散抑制剤。
【請求項3】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを35重量%以上含有する、毛髪化粧料。
【請求項4】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを40重量%以上含有する、毛髪化粧料。
【請求項5】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを50重量%以上含有する、毛髪化粧料。
【請求項6】
非水系である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
【請求項7】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを、油剤の合計量に対して35重量%以上含有する、毛髪化粧料。
【請求項8】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを、油剤の合計量に対して40重量%以上含有する、毛髪化粧料。
【請求項9】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを、油剤の合計量に対して50重量%以上含有する、毛髪化粧料。
【請求項10】
水を主成分として含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
【請求項11】
油剤を主成分として含み、さらに水を含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
【請求項12】
非水系である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
【請求項13】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを塗布する工程を含む、ダメージを受けた毛髪の水分蒸散を抑制する方法。
【請求項14】
毛髪の乾燥工程の前に、塗布工程を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のC18飽和脂肪酸エステルを含む水分蒸散抑制剤およびこれを含む毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、特定のC18飽和脂肪酸エステルを含む、ダメージを受けた毛髪からの水分蒸散を抑制する、毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ダメージを受けた毛髪を改善するために、様々な油剤が毛髪化粧料において用いられている。例えば、毛髪に適度な油分を補い、なめらかさや柔軟性を与えるための、ツバキ油、アルガニアスピノサ核油などの植物油の使用や、使用感の向上のため、高分子量シリコーン、揮発性シリコーンなどのシリコーン油やその誘導体の併用が提案されている。
また、毛髪化粧料の使用感の向上のため、ジペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステル化合物などのエステル油なども提案されている(特許文献1)。
さらに、毛髪への水分保持の観点から、カチオン界面活性剤、高級アルコール、液状脂肪酸およびエステル油を含む毛髪化粧料が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/131848号
【特許文献2】特開2008−127337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
毛髪化粧料、とくにダメージを受けた毛髪用の化粧料においては、使用感に加え、しっとり感を与える化粧料が求められる。
しっとり感を与えるために、洗髪後の毛髪表面の水分をドライヤー乾燥させる際などに、毛髪内部の水分の蒸散を防ぐことで毛髪中の水分を保持することが求められる。また、良好な使用感を得るためには、ダメージを受けた毛髪へ化粧料を塗布する際のざらつき感を低減させるために、高いすべり性が求められる。
【0005】
しかし、ダメージを受けた毛髪のケアのための成分として植物油のみを用いると、毛髪へ塗布した際の不快なベタつき感を伴い、また重い仕上がりとなるため、十分に満足できる毛髪化粧料を得ることができなかった。また、シリコーン油などを併用しても、さっぱりとした感触で仕上がりも軽くなるものの、水分蒸散の抑制効果を提供するものではなく、十分に満足できる毛髪化粧料を得ることができなかった。
さらに、従来のエステル油やカチオン界面活性剤を使用しても、ダメージを受けた毛髪からの水分蒸散の抑制や、使用感の改善の観点から、必ずしも十分に満足できる毛髪化粧料を得ることができなかった。
さらに、不飽和のアルキルを持つ天然油脂の酸敗による品質の劣化の問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意研究を重ねる中で、不飽和脂肪酸のエステル化合物に着目したところ、C18飽和脂肪酸エステルが毛髪用、とくにダメージを受けた毛髪用の成分として様々に優れた特性を有するとの全く新たな知見を得たところ、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下[1]〜[14]に関する。
[1]
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを含有する、毛髪の水分蒸散抑制剤。
[2]
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルからなる、毛髪の水分蒸散抑制剤。
【0008】
[3]
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを35重量%以上含有する、毛髪化粧料。
[4]
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを40重量%以上含有する、毛髪化粧料。
[5]
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを50重量%以上含有する、毛髪化粧料。
[6]
非水系である、[3]〜[5]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
【0009】
[7]
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを、油剤の合計量に対して35重量%以上含有する、毛髪化粧料。
[8]
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを、油剤の合計量に対して40重量%以上含有する、毛髪化粧料。
[9]
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを、油剤の合計量に対して50重量%以上含有する、毛髪化粧料。
[10]
水を主成分として含む、[7]〜[9]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
[11]
油剤を主成分として含み、さらに水を含む、[7]〜[9]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
[12]
非水系である、[7]〜[9]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
【0010】
[13]
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルを塗布する工程を含む、ダメージを受けた毛髪の水分蒸散を抑制する方法。
[14]
毛髪の乾燥工程の前に、塗布工程を含む、[13]に記載の方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、特定のC18飽和脂肪酸エステルを用いることにより、ダメージ毛髪からの水分蒸散を抑制し、毛髪にしっとり感を与え、さらに、ダメージ毛髪のざらつき感を改善し、なめらかな使用感を有する化粧料を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】各油剤による、毛髪の水分蒸散抑制効果を示す図である。
【
図2】各油剤の粘度およびざらつき感を示す図である。
【
図3】各油剤の粘度およびざらつき感を示す図の拡大図である。
【
図4】各油剤による、毛髪のすべり性・水分蒸散抑制効果をまとめて示す図である。
【
図5】他の油剤との組み合わせによる、毛髪の水分蒸散抑制効果への影響を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のC18飽和脂肪酸エステルは、C18の直鎖または分岐鎖飽和脂肪酸と、特定の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステル化合物である。
本発明の一態様において、C18飽和脂肪酸エステルは、C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステルからなる群から選択される1種または2種以上のエステルであり、モノエステルおよび多価エステルを含む。
【0014】
本発明のC18飽和脂肪酸モノエステルは、C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステルである。
本発明の一態様において、C18飽和脂肪酸モノエステルは、C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の分岐鎖のアルコールとのモノエステルである。
本発明の他の態様において、C18飽和脂肪酸モノエステルは、C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC4〜C22の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステルである。
本発明の好ましい態様において、C18飽和脂肪酸モノエステルは、C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステルである。
【0015】
C18飽和脂肪酸モノエステルを構成するアルコールとしては、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール、およびセチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、イソセチルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの分岐鎖高級アルコール、グリセリル、ジグリセロールなどの多価アルコールが挙げられる。
本発明の好ましい態様においては、C18飽和脂肪酸モノエステルを構成するアルコールは分岐鎖のアルコールであり、好ましくは分岐鎖の一価のアルコールである。
本発明の一態様において、C18飽和脂肪酸モノエステルを構成するアルコールのOH基の全てが、C18飽和脂肪酸とエステル結合していることが好ましい。
【0016】
本発明のC18飽和脂肪酸エステルは、C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖の多価アルコールとのエステルも含む。
本発明の一態様において、C18飽和脂肪酸多価アルコールエステルは、C18飽和脂肪酸ジ−、トリ−またはテトラエステルであり、好ましくは、C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC3〜C22の直鎖または分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルである。
本発明の好ましい態様においては、C18飽和脂肪酸多価アルコールエステルは、C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸と全ての末端がOH基である、C3〜C22の直鎖または分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルである、ジ−、トリ−またはテトラエステルである。
【0017】
本発明のさらに好ましい態様においては、C18飽和脂肪酸多価アルコールエステルは、C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸と全ての末端がOH基である、C3〜C22の直鎖または分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステルである。
C3〜C22の直鎖または分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールの例としては、グリセリン、ジグリコール、ペンタエリスリトール、などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0018】
本発明のC18飽和脂肪酸エステルとして、C18分岐鎖脂肪酸エステルが好ましく、例えば、イソステアリン酸エステルが挙げられる。
より具体的には、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソブチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸ポリグリセリル−2などのモノエステル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2などのジエステル、トリイソステアリン、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンなどのトリエステル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルなどのテトラエステルなどが挙げられる。
本発明の好ましいC18飽和脂肪酸エステルは、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソブチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸ポリグリセリル−2などのモノエステル、トリイソステアリン、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンなどのトリエステル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルなどのテトラエステルなどが挙げられる。
【0019】
本発明のC18飽和脂肪酸エステルとしては、水分蒸散抑制の観点から、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソブチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルなどがより好ましい。
本発明のC18飽和脂肪酸エステルとしては、水分蒸散抑制効果およびなめらかな使用感の両方を達成する観点から、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、トリイソステアリン、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルなどがとくに好ましい。
【0020】
本明細書において「水分蒸散抑制剤」とは、とくに限定されず、毛髪、とくに毛髪の内部からの水分の蒸発を抑制する効果を与えるために用いられる剤を意味し、それ自体を毛髪に塗布することや、毛髪用化粧料の原料として用いることができる。
本発明の水分蒸散抑制剤は、本発明のC18飽和脂肪酸エステルを含み、好ましくは本発明のC18飽和脂肪酸エステルから実質的になる剤であり、より好ましくは、本発明のC18飽和脂肪酸エステルのみからなる剤である。
【0021】
本明細書において「毛髪化粧料」とは、とくに限定されず、人の頭髪の整髪、洗浄、ケアなどのために用いられるあらゆる製品を意味する。本発明の好ましい態様において、毛髪化粧料の例としては、シャンプー、コンディショナー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアオイル、ヘアエッセンス、ヘアクリーム、ヘアスプレー、ヘアスタイリング剤などが挙げられるが、これらに限定されない。「毛髪化粧料」は毛髪のケアのための製品であり、例えば、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパックなどの洗い流して用いられるヘアケア製品、洗い流さずに用いられる、ヘアオイル、ヘアエッセンス、ヘアクリームなどのヘアケア製品が挙げられる。
【0022】
本発明の毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステルを35重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、よりさらに好ましくは70重量%以上含む。
本発明の好ましい態様において、毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステルを35〜100重量%、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜80重量%含む。
【0023】
本発明の「毛髪化粧料」には、水性毛髪化粧料および油性毛髪化粧料のいずれも含まれる。
本明細書において「水性毛髪化粧料」とは、とくに限定されることなく、水および/または水溶性物質を主成分とする、あらゆる毛髪化粧料を意味する。具体例としては、水が主成分として、例えば50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上配合された水系の毛髪化粧料が例示される。
水系毛髪化粧料の具体例としては、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアクリームなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の一態様において、水分蒸散抑制効果の観点から、水性毛髪化粧料は油剤を5重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上含む。
【0024】
本明細書において「油性毛髪化粧料」とは、とくに限定されず、油溶性の性質を有する物質、例えば油剤を主成分とする、あらゆる毛髪化粧料および毛髪化粧料を意味する。好ましい具体例としては、実質的に水が配合されていない非水系の油性毛髪化粧料が例示される。
油性毛髪化粧料の例としては、ヘアオイル、ヘアエッセンスなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書において「主成分」とは、各種成分を含有する組成のうちで最も含有割合が多い成分のことを意味する。典型的には、組成において当該成分が35重量%以上の割合で含まれることを意味し、好ましくは45重量%以上、より好ましくは75重量%以上、(例えば、90重量%以上であり得る)含まれることをいう。
本発明の一態様においては、本発明の毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステルを主成分として含む。本発明の好ましい態様においては、本発明の毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステルのいずれか1種または複数種の合計が、他のいずれの成分よりも多く含まれることが好ましい。
【0026】
本発明の一態様において、本発明の毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステルを主要油剤として含む。「主要油剤」とは、各種油剤を含有する組成のうちで、最も含有割合が多い油剤のことを意味する。典型的には、本発明の毛髪化粧料は、その化粧料組成物中の油剤の合計重量に対して、本発明のC18飽和脂肪酸エステルを35重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上含む化粧料である。
本明細書において「油剤」とは、当該技術分野において通常用いられる油剤を意味し、油脂、ロウ類、炭化水素系油分、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油・フッ素油、細胞間脂質・類似物質を含む。
【0027】
本発明の水分蒸散抑制剤および毛髪化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、毛髪化粧料の分野で通常使用される他の成分を含有してもよい。
したがって、本発明の一態様において、本発明の水分蒸散抑制剤および毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステルに加えて、当該技術分野において通常用いられる他の油剤を含有してもよい。
他の油剤に加え、他の成分としては、水、アルコール類、多価アルコール類、増粘剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、植物抽出物、色素、顔料、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの成分の1種または2種以上を、適宜配合することが可能である。
【0028】
本発明において、本発明のC18飽和脂肪酸エステルと組み合わせて使用し得る他の油剤としては、限定されないが、本発明のC18飽和脂肪酸エステル以外のエステル油、油脂、ロウ類、炭化水素系油分、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油・フッ素油、細胞間脂質・類似物質が挙げられる。
【0029】
他のエステル油としては、例えば、モノエステルではイソノナン酸エステルであるイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシルなど、2−エチルヘキサン酸であるエチルヘキサン酸セチル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシルなど、ミリスチン酸エステルであるミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシルなど、イソステアリン酸エステルであるイソステアリン酸エチル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステリルなど、乳酸エステルである乳酸イソステアリル、乳酸オクチルドデシルなど、ヒドロキシステアリン酸エステルであるヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリルなど、オレイン酸エステルであるオレイン酸オレイル、オレイン酸フィトステリル、オレイン酸オクチルドデシルなど、ネオペンタン酸エステルであるネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリルなど、パルミチン酸エステルであるパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシルなど、その他にはネオデカン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、エルカ酸オレイル、エルカ酸オクチルドデシル、ラウロイルサルコシンイソプロピルなどが挙げられる。
【0030】
ジエステル油としては、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエチルヘキシル、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジリノール酸ジイソプロピル、ジオクタン酸エチレングリコール、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)などが挙げられる。
【0031】
トリエステル油としては、例えば、トリエチルヘキサノイン、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどが挙げられ、テトラエステル油としては、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチルなどが挙げられる。
【0032】
炭化水素油としては、例えば、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、イソパラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン(ミネラルオイル)、プリスタン、ポリイソブチレン、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ワセリンなどが挙げられる。
【0033】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。
【0034】
高級アルコールとしては、例えば、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、水添ナタネ油アルコールなどが挙げられる。
【0035】
動植物油脂または水添動植物油脂としては、例えば、アボガド油、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カヤ油、キョウニン油、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、胚芽油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシルなどが挙げられる。
【0036】
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、揮発性シリコーン、アルキルジメチコン、シクロペンタシロキサンなどのシリコーン化合物が挙げられる。
【0037】
本発明の一態様において、毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステル以外の油剤を、その化粧料組成物中の油剤全体の65重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、よりさらに好ましくは20重量%%以下で含む。
本発明の他の態様において、毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステル以外の油剤を、その化粧料組成物全体の65重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、よりさらに好ましくは20重量%以下で含む。
本発明の他の態様において、毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステル以外のエステル油を、その化粧料組成物全体の30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下で含み、C18飽和脂肪酸エステル以外のエステル油を含まないことも好ましい。
【0038】
本明細書において「ダメージを受けた毛髪」とは、ヘアカラーやパーマネントウェーブなどによる化学処理、ブローなどによる物理処理の影響によるによりダメージを受けた毛髪を意味する。
本明細書において「毛髪からの水分蒸散」とは、洗髪後のドライヤーなどでの乾燥時、洗髪後の自然乾燥時、ドライヤーやヘアアイロンなどでの、スタイリング時などに、毛髪内部から水分が蒸発することを意味する。
【0039】
本明細書において「毛髪への塗布」とは、典型的には、本発明の水分蒸散抑制剤または毛髪化粧料を指にとって、毛髪へ塗布することを意味するが、均質な塗布のために、
本発明の一態様において、本発明の水分蒸散抑制剤または毛髪化粧料は、洗髪後に毛髪に直接塗布することが好ましい。
本発明に一態様において、本発明の水分蒸散抑制剤または毛髪化粧料は、ドライヤーやヘアアイロンなどでのスタイリングの前に、軽く湿らせた毛髪または乾燥した毛髪に直接塗布することも好ましい。
【0040】
ドライヤーなどでの毛髪の乾燥時に発煙する問題を避ける観点から、このような態様においては、汎用に使用されるエステルとして、エチルヘキサン酸セチルは好ましくない。
【0041】
以下、本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的な思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。なお、本明細書において、とくに明示しない場合には、%は重量%を意味する。
【実施例】
【0042】
[実施例1]
毛髪の水分蒸散抑制効果の評価
【表1-1】
【表1-2】
【0043】
[試験および評価方法]
(a)評価毛束の作製
長さ18cm、幅4cm、重さ2gの黒100%根元揃えの人毛毛髪((株)ビューラックス製、製品名:BS-B3N)に、ダメージ処理(6%過酸化水素水:2%アンモニア水の1:1混合溶液に30分間浸漬、洗髪、ドライヤー乾燥)を5回繰り返しダメージを与えて評価毛束を作製した。
(b)水分蒸散抑制効果の評価
表1に示した各油剤1mLを、評価毛束の各1束に均一に塗布した。
電子式水分計 MOC−120H((株)島津製作所)を用いて油剤を塗布した毛髪を0.5g秤量し、65℃40分加熱させた時の毛髪の重量変化を割合で評価した。
【0044】
[評価結果]
毛髪へ油剤を塗布することで、加熱による毛髪からの水分蒸散を抑制することが確認された。結果を
図1に示す。
図1の結果から、油剤の種類によって毛髪からの水分蒸散抑制効果に違いがあること理解される。「IBIS」「ISIS」「ICIS」「TISG」「KAK PTI」のイソステアリン酸エステルおよび「CEH」にその効果が高いことが示された。
【0045】
[実施例2]
粘度とスベリ性の関係の評価
[試験方法]
粘度:B型粘度計を用いて、25℃で測定した。
スベリ性:実施例1と同様の方法でダメージ処理した毛髪上に、一定量の油剤を滴下、均一に塗り広げ、弊社規定の方法にてサンプルを作成し、摩擦感テスター KES−SE (カトーテック(株))を用いて、25℃にて摩擦係数の変動値(MMD、ざらつき感の指標)を測定。
[評価結果]
結果を
図2および
図3に示す。
【0046】
ダメージを受けた毛髪におけるすべり性および水分蒸散抑制効果を
図4にまとめた。
C18飽和脂肪酸の中でも「ISIS」「ICIS」「TISG」「KAK PTI」のイソステアリン酸エステルは、とくにダメージを受けた毛髪のざらつき感を軽減し、さらに水分蒸散抑制効果も高いことが理解される。
【0047】
[処方例1〜3]
以下に、本発明のC18飽和脂肪酸エステルを用いた、非水系毛髪化粧料(ヘアオイル)の処方例を示す。
【0048】
【表2】
【0049】
[処方例4〜6]
以下に、本発明のC18飽和脂肪酸エステルを用いた、水系毛髪化粧料(ヘアトリートメント)の処方例を示す。
【0050】
【表3】
【0051】
これらの毛髪化粧料は、本発明のC18飽和脂肪酸エステルが多く配合されていることから、毛髪からの水分蒸散抑制効果によるしっとり感、およびなめらかな使用感を与える。また、不飽和アルキルのエステルや油剤における酸化劣化による異臭や着色などの経時変化が起こりやすいが、C18飽和脂肪酸エステルを配合する化粧料においてはこのような問題も生じない。
【0052】
[実施例3]
他の油剤との組み合わせにおける評価
ダメージを受けた毛髪からの水分蒸散抑制効果が劣る他の油剤との組み合わせた場合の、水分蒸散抑制効果を評価するために、
ICISのみ
ICIS:1000A=7:3の混合物
ICIS:1000A=3:7の混合物
1000Aのみ
を用いて、実施例1と同様に、ダメージ処理した毛髪からの水分蒸散抑制効果を測定した。結果を
図5に示す。
【0053】
本発明のC18飽和脂肪酸エステルであるICISが主成分となっているICIS:1000A=7:3の混合物は、良好な水分蒸散抑制効果を示したが、1000A(ジメチコン)が主成分となっているICIS:1000A=3:7の混合物は、1000Aのみとほぼ同等の水分蒸散抑制効果を示した。
このことから、本発明のC18飽和脂肪酸エステルを主要な油剤として用いることが、水分蒸散抑制の観点から好ましいことがわかる。
【手続補正書】
【提出日】2015年11月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステル、および
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の直鎖または分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを含有する、毛髪の水分蒸散抑制剤。
【請求項2】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステル、および
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の直鎖または分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルからなる、毛髪の水分蒸散抑制剤。
【請求項3】
エステルが、
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、および
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル
からなる群から選択される、請求項1または2に記載の毛髪の水分蒸散抑制剤。
【請求項4】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステル、および
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の直鎖または分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを35重量%以上含有する、毛髪化粧料。
【請求項5】
エステルが、
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、および
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル
からなる群から選択される、請求項4に記載の毛髪化粧料。
【請求項6】
非水系である、請求項4または5に記載の毛髪化粧料。
【請求項7】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステル、および
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の直鎖または分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを、油剤の合計量に対して35重量%以上含有する、毛髪化粧料。
【請求項8】
エステルが、
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、および
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル
からなる群から選択される、請求項7に記載の毛髪化粧料。
【請求項9】
水を主成分として含む、請求項7または8に記載の毛髪化粧料。
【請求項10】
油剤を主成分として含み、さらに水を含む、請求項7または8に記載の毛髪化粧料。
【請求項11】
非水系である、請求項7または8に記載の毛髪化粧料。
【請求項12】
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステル、および
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の直鎖または分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを塗布する工程を含む、ダメージを受けた毛髪の水分蒸散を抑制する方法。
【請求項13】
エステルが、
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の直鎖または分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、および
C18の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル
からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
毛髪の乾燥工程の前に、塗布工程を含む、請求項12または13に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2016年5月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、および
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを最も含有割合が多い油剤として含有する、毛髪の水分蒸散抑制剤。
【請求項2】
エステルが、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、および
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル
からなる群から選択される、請求項1に記載の毛髪の水分蒸散抑制剤。
【請求項3】
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを最も含有割合が多い油剤として含有する、毛髪の水分蒸散抑制剤。
【請求項4】
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、および
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを35重量%以上含有する、毛髪化粧料。
【請求項5】
エステルが、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、および
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル
からなる群から選択される、請求項4に記載の毛髪化粧料。
【請求項6】
非水系である、請求項4または5に記載の毛髪化粧料。
【請求項7】
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、および
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを、最も含有割合が多い油剤として含有し、シリコーン油を含有しない、毛髪化粧料。
【請求項8】
エステルが、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、および
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル
からなる群から選択される、請求項7に記載の毛髪化粧料。
【請求項9】
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを最も含有割合が多い油剤として含有する、毛髪化粧料。
【請求項10】
水を主成分として含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
【請求項11】
油剤を主成分として含み、さらに水を含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
【請求項12】
非水系である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
【請求項13】
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、および
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸と、全ての末端がOH基であるC3〜C22の分岐鎖の二価、三価または四価のアルコールとのエステルであって、アルコールの全てのOH基がC18飽和脂肪酸とエステル結合された、ジ−、トリ−またはテトラエステル
からなる群から選択される1種または2種以上のエステルを最も含有割合が多い油剤として含有する剤を塗布する工程を含む、ダメージを受けた毛髪の水分蒸散を抑制する方法。
【請求項14】
エステルが、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とC16〜C18の分岐鎖のアルコールとのモノエステル、
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、および
C18の分岐鎖の飽和脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル
からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
毛髪の乾燥工程の前に、塗布工程を含む、請求項13または14に記載の方法。