技術分野
Al−Mg−Si系アルミニウム合金板に関するものである。本発明で言うアルミニウム合金板とは、熱間圧延板や冷間圧延板などの圧延板であって、溶体化処理および焼入れ処理などの調質(T4)が施された後の、使用される構造部材に成形される前のアルミニウム合金板を言う。また、以下の記載ではアルミニウムをアルミやAlとも言う。
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】曲げ加工性を阻害せずに高強度化させた、骨格材あるいはパ補強材などの構造材用途の6000系アルミニウム合金板を提供する。 【解決手段】従来のアルミニウム合金組成や製造条件を大きく変えないことを前提に、Mn、Cr、Zrの1種または2種以上を含み、かつ、0.6≦Mg/[Si−0.15Mn−0.3Cr−0.1Zr]≦1.8のバランス式を満たす組成の、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板の結晶粒のアスペクト比を大きくするという、簡便な方法で、曲げ加工性を低下させずに、塗装焼付処理など人工時効処理後(BH後)の強度を著しく高くし、自動車構造部材用としての要求強度を満たす。 【選択図】なし
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
ただ、これら従来のアスペクト比の制御は、前記パネル材を用途として、成形性を高くすることを目的としたものであり、前記骨格材あるいは補強材としては、強度が不足している。
これに対して、前記人工時効処理温度をより高温化して高強度化しようとしても、人工時効(硬化) 処理の温度には、処理効率や経費、焼き付けされた塗料の劣化、過時効による強度低下などからくる、限界や制約が当然あり、高温化できない事情もあり、BH後の強度には限界がある。
また、前記骨格材あるいは補強材としては、前記パネル材のような高いプレス成形性は不要ではあるものの、素材板を前記自動車用構造部材に成形する際の成形性、例えば、V曲げ加工にて割れない程度の曲げ加工性が要求される。したがって、このような成形性を阻害しないで高強度化することも要求される。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、前記骨格材あるいは補強材などの自動車構造部材用として、従来の6000系アルミニウム合金板の組成や製造条件を大きく変えることなく、高強度化でき、部材へも成形できる、6000系アルミニウム合金板を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
この目的を達成するために、本発明の高強度アルミニウム合金板の要旨は、
質量%で、Mg:0.6〜2.0%、Si:0.6〜2.0%を含むとともに、Mn、Cr、Zrの1種または2種以上を合計で0.2〜1.0%含み、かつ、Mg、SiおよびMn、Cr、Zrの各含有量が0.6≦Mg/[Si−0.15Mn−0.3Cr−0.1Zr]≦1.8のバランス式を満たし、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl−・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明では、従来のアルミニウム合金組成や製造条件を大きく変えないことを前提に、6000系アルミニウム合金板の結晶粒のアスペクト比とBH性の関係とを見直した。この結果、結晶粒のアスペクト比を大きくした方が、BH性が向上し、室温時効後でも、曲げ加工性を低下させずに、2%ストレッチ後185℃×20分のBH処理後の0.2%耐力を300MPa以上に高強度化できることを知見した。
因みに、6000系アルミニウム合金板の結晶粒のアスペクト比は、前記した通り公知であるものの、BH性との関係については未だ良く知られていない。
本発明では、6000系アルミニウム合金板の結晶粒のアスペクト比を大きくするという、簡便な方法で、曲げ加工性を低下させずに、塗装焼付処理など人工時効処理後(BH後)の強度を著しく高くできるため、自動車パネル材よりも高強度な、自動車構造部材用としての要求強度を、満たすことができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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