特開2016-222959IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

Al−Mg−Si系アルミニウム合金板に関するものである。本発明で言うアルミニウム合金板とは、熱間圧延板や冷間圧延板などの圧延板として、溶体化処理および焼入れ処理などの調質(T4)が施された後であって、使用される構造部材に成形される前のアルミニウム合金板を言う。また、以下の記載ではアルミニウムをアルミやAlとも言う。

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】高強度化させた6000系アルミニウム合金板を提供する。
【解決手段】遷移元素を含む特定の組成としたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板の組織として、平均結晶粒径を微細化させるとともに、ナノメートルレベルの微細な遷移元素系分散粒子を存在させて、構造部材への成形時の加工硬化による強度向上も合わせたBH性を向上させ、室温時効後でも、自動車構造部材用として、成形性を阻害せずに、BH後の高強度化を図る。
【選択図】なし

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

従来の6000系アルミニウム合金板における、遷移元素系分散粒子の大きさや個数密度の制御では、前記パネル材を用途としていることもあり、人工時効処理後の強度が、0.2%耐力で300MPa以上の高強度が要求される、前記骨格材あるいは補強材の用途には、強度が不足している。 これに対して、前記人工時効処理温度を例えば200℃程度に高温化して高強度化しようとしても、人工時効処理後の0.2%耐力で300MPa以上の高強度化はできない。 しかも、人工時効(硬化) 処理の温度には、処理効率や経費、焼き付けされた塗料の劣化、過時効による強度低下などからくる、限界や制約が当然あり、高温化できない事情もある。 本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、前記自動車などの構造部材用として、従来の6000系アルミニウム合金板の組成や製造条件を大きく変えることなく、高強度化できる、6000系アルミニウム合金板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

この目的を達成するために、本発明の高強度アルミニウム合金板の要旨は、質量%で、Mg:0.3〜1.5%、Si:0.3〜1.5%を各々含むとともに、遷移元素として、Mn:0.1〜0.8%、Zr:0.04〜0.20%、Cr:0.04〜0.20%、Sc:0.02〜0.1%ののうちの一種または二種以上を含み、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板であって、この板の板厚・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明では、従来のアルミニウム合金組成や製造条件を大きく変えないことを前提に、6000系アルミニウム合金板の組織中の遷移元素系分散粒子のBH性に与える影響につき、再検討した。
この結果、6000系アルミニウム合金板の組織中に、ナノメーターレベルの微細な遷移元素系分散粒子が実質量(実質個数)存在する場合に、BH性が格段に向上することを知見した。 これは、前記微細な遷移元素系分散粒子は、素材板を成形した構造部材の塗装焼付処理などの人工時効(硬化) 処理時の加熱による耐力(強度)を向上させるだけでなく、その前段における素材板の構造部材への成形時の加工硬化性も向上させるからである。
すなわち、前記微細な遷移元素系分散粒子は、素材板の成形時の加工硬化性(強度)の向上と、成形後の構造部材の人工時効処理による耐力(強度)向上との相乗効果により、BH性を向上させるという、特異な効果がある。
しかも、この微細な遷移元素系分散粒子は、素材板の構造部材への成形性を阻害しない。 このため、本発明は、6000系アルミニウム合金板の板厚中心部の平均結晶粒径を細かく(小さく)することを前提に、前記微細な遷移元素系分散粒子を実質量存在させ、その平均円相当径と平均数密度とを共に規定することで、従来のパネル材用途よりも高強度が要求される骨格材、補強材など、自動車構造部材用として、成形性を阻害せずに、高強度化できる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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