特開2016-223093(P2016-223093A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223093(P2016-223093A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】後付開閉体駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/665 20150101AFI20161205BHJP
   E06B 9/68 20060101ALI20161205BHJP
   E05F 15/635 20150101ALI20161205BHJP
【FI】
   E05F15/665
   E06B9/68 Z
   E05F15/635
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-108499(P2015-108499)
(22)【出願日】2015年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信輔
(72)【発明者】
【氏名】野々山 昭紀
【テーマコード(参考)】
2E042
2E052
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
2E042CA02
2E052AA01
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA11
2E052EB01
2E052EC01
2E052KA15
(57)【要約】
【課題】開閉体を手動にて開閉動作させて開口部を開閉する既設の手動式開閉装置に対して、開閉体を電動にて開閉動作させる機能を比較的簡便に追加することができる後付開閉体駆動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】後付開閉体駆動装置1は、シャッタ2dのスライド方向に沿って延びるように形成され、開口部を形成する枠部3に固定された柱部材10と、柱部材10にスライド方向に沿って移動可能に配設された移動体40と、柱部材10側または移動体40に配設され、移動体40を移動させるモータ42を備えるとともに、モータ42の駆動力によって移動体40を柱部材10に対して相対的に移動させる相対移動機構部と、移動体40に固定され、シャッタ2dに形成された被係合部2d3と係合する係合部50と、モータ42を制御して、係合部50をスライド方向に移動させることにより、シャッタ2dをスライドさせる制御部60と、を備えている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体を手動にてスライドさせることにより開口部を開閉可能とする既設の手動式開閉装置に対して、前記開閉体を電動にてスライドさせる機能を追加する後付開閉体駆動装置であって、
前記開閉体のスライド方向に沿って延びるように形成され、前記開口部を形成する枠部に固定された柱部材と、
前記柱部材に前記スライド方向に沿って移動可能に配設された移動体と、
前記柱部材側または前記移動体に配設され、前記移動体を移動させる駆動源を備えるとともに、前記駆動源の駆動力によって前記移動体を前記柱部材に対して相対的に前記スライド方向に移動させる相対移動機構部と、
前記移動体に固定され、前記開閉体に形成された被係合部と係合する係合部と、
前記駆動源を制御して、前記係合部を前記スライド方向に移動させることにより、前記開閉体をスライドさせる制御部と、を備えている後付開閉体駆動装置。
【請求項2】
前記係合部は、前記移動体に対して着脱可能に固定され、
前記後付開閉体駆動装置は、形状の異なる前記係合部を複数備えている請求項1記載の後付開閉体駆動装置。
【請求項3】
前記駆動源は、前記移動体に固定され、
前記相対移動機構部は、
前記移動体に配設され、前記駆動源の駆動力によって回転するピニオンギアと、
前記柱部材に前記スライド方向に延びるように配設され、前記ピニオンギアと噛み合う被噛合部と、をさらに備えている請求項1または請求項2記載の後付開閉体駆動装置。
【請求項4】
前記移動体は、ベルト状に形成されるとともに、前記柱部材に対して長手方向を前記スライド方向に沿うように配設され、
前記駆動源は、前記柱部材側に固定され、
前記相対移動機構部は、
前記柱部材側に配設され、前記駆動源の駆動力によって回転するピニオンギアと、
前記移動体に前記長手方向に沿って形成され、前記ピニオンギアと噛み合う被噛合部と、をさらに備えている請求項1または請求項2記載の後付開閉体駆動装置。
【請求項5】
前記移動体は、前記駆動源に電力を供給する電源部をさらに備えている請求項3記載の後付開閉体駆動装置。
【請求項6】
前記移動体は、前記電源部を充電する充電部をさらに備えている請求項5記載の後付開閉体駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後付開閉体駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
後付開閉体駆動装置は、開閉体を手動にてスライドさせて開口部を開閉可能する既設の手動式開閉装置に対して、開閉体を電動にてスライドさせる機能を追加するものである。後付開閉体駆動装置の一形態として、特許文献1に示されているものが知られている。後付開閉体駆動装置(開閉装置用後付け駆動ユニット)は、特許文献1の図1乃至図3に示すように、電動機である回転駆動体20、回転駆動体20の出力軸21に接続可能な駆動回転体11、駆動回転体11から回転力を伝達されて回転する従動回転体12、および、駆動回転体11および従動回転体12を回転可能に支持するベース部材13を備えている。従動回転体12は、既設の手動式の開閉装置1に対して、開閉装置1の開閉体の開閉動作に伴って回転する部位に連結されるように構成されている。また、ベース部材13は、開閉装置1における開閉動作に伴って動かない部位である不動部位に対して固定されている。このように、後付開閉体駆動装置を、既設の手動式の開閉装置1に組み込むことにより、回転駆動体20の駆動力によって開閉体を電動にて開閉動作させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−138399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の後付開閉体駆動装置を開閉装置1に組み込むためには、開閉装置1を分解する必要がある。また、開閉装置1を分解するには、専門的知識を有する専門業者等による工事が必要である。よって、開閉装置1に対する後付開閉体駆動装置の組み込みは、作業時間が比較的長くなるとともに、作業コストが比較的高くなる。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、開閉体を手動にて開閉動作させて開口部を開閉する既設の手動式開閉装置に対して、開閉体を電動にて開閉動作させる機能を比較的簡便に追加することができる後付開閉体駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る後付開閉体駆動装置は、開閉体を手動にてスライドさせることにより開口部を開閉可能とする既設の手動式開閉装置に対して、開閉体を電動にてスライドさせる機能を追加する後付開閉体駆動装置であって、開閉体のスライド方向に沿って延びるように形成され、開口部を形成する枠部に固定された柱部材と、柱部材にスライド方向に沿って移動可能に配設された移動体と、柱部材側または移動体に配設され、移動体を移動させる駆動源を備えるとともに、駆動源の駆動力によって移動体を柱部材に対して相対的にスライド方向に移動させる相対移動機構部と、移動体に固定され、開閉体に形成された被係合部と係合する係合部と、駆動源を制御して、係合部を前記スライド方向に移動させることにより、開閉体をスライドさせる制御部と、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
これによれば、後付開閉体駆動装置は、移動体を柱部材に配設し、柱部材を枠部に固定して、係合部を被係合部に係合させることにより、既設の手動式開閉装置に取り付けられる。よって、後付開閉体駆動装置は、手動式開閉装置を分解せずに取り付けられる。したがって、後付開閉体駆動装置は、既設の手動式開閉装置に対して、従来の後付開閉体駆動装置のように手動式開閉装置を分解して組み込む場合と比べて、開閉体を電動にてスライドさせる機能を簡便に追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明による第一実施形態に係る後付開閉体駆動装置が既設の手動式開閉装置に取り付けられた状態を示す斜視図である。なお、図1に示す開閉体は、開口部の下半分を開放した状態である。
図2図1に示す後付開閉体駆動装置の概要を示す斜視図である。
図3図1に示す後付開閉体駆動装置が既設の手動式開閉装置に取り付けられた状態において、開閉体が閉状態である場合における部分縦断面図である。
図4図3に示すIV−IV線に沿った後付開閉体駆動装置の部分断面図である。
図5】本発明の第二実施形態に係る後付開閉体駆動装置が既設の手動式開閉装置に取り付けられた状態を示す斜視図である。なお、図5に示す開閉体は、開口部の下半分を開放した状態である。
図6図5に示す後付開閉体駆動装置の概要を示す部分断面正面図である。
図7図5に示す後付開閉体駆動装置が既設の手動式開閉装置に取り付けられた状態において、開閉体が閉状態である場合における部分縦断面図である。
図8図7に示すVIII−VIII線に沿った後付開閉体駆動装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、本発明による後付開閉体駆動装置1の第一実施形態について説明する。後付開閉体駆動装置1は、開閉体2dを手動にてスライドさせることにより建築物の開口部を開閉可能とする既設の手動式開閉装置2に対して、開閉体2dを電動にてスライドさせる機能を追加するものである。建築物は、例えば家屋である。開口部は、建築部の外壁の一部が開放された部分である。開口部は、例えば方形状の枠部3にてよって形成されている。枠部3には、後述するサッシ4a,4bおよび網戸5が取り付けられている(図1および図3参照)。なお、本明細書においては説明の便宜上、図1における上側および下側をそれぞれ後付開閉体駆動装置1の上方および下方とし、同じく左下側および右上側をそれぞれ後付開閉体駆動装置1の左方および右方とし、同じく左上側および右下側を、それぞれ後方(屋内側)および前方(屋外側)として説明する。図1乃至図8には、各方向を示す矢印を示している。
【0009】
手動式開閉装置2は、開閉体2dを手動にて上下方向にスライドされることにより、開口部を開閉可能とするものである。開閉体2dは、シャッタである。手動式開閉装置2は、図1および図3に示すように、開口部を屋外側から開閉体2d(以下、シャッタ2dとする。)にて覆うことができるように、建築物の外壁に設置されている。手動式開閉装置2は、支持部材2a、一対の縦支柱2b、収納部材2cおよびシャッタ2dを備えている。
【0010】
支持部材2aは、枠部3周縁の下方に配設され、縦支柱2bを支持するものである。
縦支柱2bは、枠部3周縁の両側方それぞれに支持部材2aから上方に延びるように配設され、シャッタ2dをスライド方向(上下方向)に案内するものである。
収納部材2cは、枠部3周縁の上方に縦支柱2bに支持されて配設され、シャッタ2dが開口部を開状態とする場合、上方向にスライドされたシャッタ2dを巻き取ることによってシャッタ2dを収納するものである。
【0011】
シャッタ2dは、スラット2d1を上下方向に複数並べることにより形成されている。スラット2d1は、同一の断面形状(図3参照)にて左右方向に沿って延びるように形成され、上端および下端に他のスラット2d1が相対的に回動可能に連結されている。シャッタ2dの下端には、座板2d2が配設されている。座板2d2は、同一の断面形状(図3参照)にて左右方向に沿って延びるように形成されている。
【0012】
また、座板2d2には、図3に示すように、後付開閉体駆動装置1の係合部50(後述する)と係合する被係合部2d3が形成されている。被係合部2d3は、座板2d2の上端部にて、スラット2d1より後方に突出して、前方に向けて開放する断面コの字状に形成されている。
【0013】
さらに、枠部3には、図1および図3に示すように、サッシ4a,4bおよび網戸5が配設されている。
サッシ4a,4bは、シャッタ2dより屋内側に配置され、開口部を開放可能とするものである。サッシ4a,4bは、一対の引き違い式のサッシであり、枠部3に形成されたサッシレール部3a,3b(図3参照)に沿って左右方向にスライド移動するものである。各サッシ4a,4bは、開口部の左右方向約半分を塞ぐ大きさおよび形状となっている。サッシ4a,4bは、例えば、アルミ等で製作される窓枠にガラス等をはめ込んで構成されている。
【0014】
網戸5は、シャッタ2dとサッシ4a,4bとの間に配設され、枠部3に形成された網戸レール部3c(図3参照)に沿って左右方向にスライド移動するものである。網戸5は、開口部の左右方向約半分を塞ぐ大きさおよび形状となっている。網戸5は、例えば、アルミ等で製作される枠に網をはめ込んで構成されている。
【0015】
後付開閉体駆動装置1は、枠部3に、網戸5とシャッタ2dとの間にて取り付けられる(図1図3および図4参照)。後付開閉体駆動装置1は、図2乃至図4に示すように、柱部材10、ラック部20(本発明の被噛合部に相当)、固定部材30、移動体40、係合部50、制御部60および操作部(図示なし)を備えている。
【0016】
柱部材10は、シャッタ2dのスライド方向(上下方向)に沿って延びるように形成され、開口部を形成する枠部3に固定されている(図1図3および図4参照)。柱部材10は、図1に示すように、枠部3の左右方向における中央部に配設されている。柱部材10は、例えばアルミニウム等の金属材料を押出成形することにより形成されている。柱部材10は、前方に向けて開口する断面U字状(図4参照)に形成され、同一の断面形状にて上下方向に沿って延びるように形成されている。柱部材10は、移動体40が移動する場合、移動体40を上下方向に案内するものである。柱部材10は、案内部11および一対のレール部12を備えている。
【0017】
案内部11は、移動体40が移動する場合、移動体40の本体部41(後述する)をスライド方向に案内するものである。案内部11は、移動体40の本体部41の後側面41a(後述する)および傾斜面41b(後述する)に沿うように形成されている。案内部11は、後端部11aおよび一対の傾斜部11bを備えている。後端部11aは、本体部41の後側面41aに対向する面を有する部位である。傾斜部11bは、本体部41の傾斜面41bに対向する面を有する部位である。
【0018】
一対のレール部12は、図4に示すように、スライド方向に沿って延びる断面U字状の溝状に形成され、柱部材10の左右両端部に、それぞれの開放部が対向するように配設されている。レール部12には、移動体40に配設された後述する軸部材43の端部が溝の内側に位置している。レール部12は、移動体40が移動する場合、軸部材43の端部に配設された後述するローラ44を介して軸部材43をスライド方向に案内するものである(後述する)。
【0019】
ラック部20は、図2および図3に示すように、柱部材10にスライド方向に沿って延びるように配設され、後述するピニオンギア45に噛み合うものである。ラック部20は、例えばアルミニウム等の金属製であり、柱部材10に例えばボルトおよびナット(いずれも図示なし)によって固定されている。
【0020】
固定部材30は、柱部材10を枠部3に固定するものである。固定部材30は、L字状に形成された金属製のエルボである。固定部材30は、柱部材10の上下端にそれぞれ二つずつ配設されている。柱部材10の下端部に配設された固定部材30は、図3および図4に示すように、一辺が柱部材10の傾斜部11bに固定され、他辺が枠部3に固定されている。固定部材30は、柱部材10および枠部3に例えばボルトおよびナット(いずれも図示なし)にて、着脱可能に固定されている。これにより、柱部材10と枠部3とが着脱可能となっている。固定部材30は、柱部材10の上端部においても、下端部と同様に柱部材10と枠部3とを着脱可能に固定する(図示なし)。なお、後付開閉体駆動装置1は、既存の複数の枠部3それぞれの形状に合わせた固定部材30を複数備えている。
【0021】
移動体40は、柱部材10にスライド方向に沿って移動可能に配設されたものである。移動体40は、図2乃至図4に示すように、本体部41、モータ42(本発明の駆動源に相当)、軸部材43、ローラ44およびピニオンギア45を備えている。
【0022】
本体部41は、直方体状に形成されている。本体部41は、後側面41aの両側方に面取りされた傾斜面41b(図4参照)が形成されるとともに、前側下端部に後方に凹む凹部41c(図2および図3参照)が形成されている。後側面41aおよび傾斜面41bは、柱部材10の案内部11に対向して、スライド方向に摺動可能に形成されている。本体部41の内部には、減速部(図示なし)、電源部41dおよび制御部60が配設されている(図2参照)。
【0023】
減速部は、モータ42の出力軸の回転速度を減速させて軸部材43に出力するものである。電源部41dは、モータ42および制御部60に電力(直流電力)を供給するものである。電源部41dは、例えば二次電池である。電源部41dは、本体部41に対して着脱可能に取り付け可能となっている。
また、後付開閉体駆動装置1は、電源部41dへ充電可能な太陽光充電器といった充電部41eおよび電源部41dと充電部41eとを結ぶ図示しない配線を備えていても良く、これにより、電源部41dは太陽光や街路灯などによって充電され、電源部41d交換の手間を省くことが可能になる。特に、充電部41eは、後付開閉体駆動装置1の移動体40に備えられていると、電源部41dと直結されて充電部41eと電源部41dとの間の配線を省略可能にし、配線が後付開閉体駆動装置1の内部で移動体40の動作に干渉してその動作を邪魔すること、を防止できる。さらに、後付開閉体駆動装置1の外部の電源等との配線も省略可能にし、建築物の開口部あるいは外壁への配線通し穴の加工を不要とするため、簡便に取付けることができる。制御部60については、後述する。
【0024】
モータ42は、移動体40を移動させるものである。モータ42は、本体部41の上側にて移動体40に固定されている。モータ42は、例えば直流電力によって回転駆動する直流式電動機である。モータ42の出力軸(図示なし)は、本体部41の内部に位置する。
【0025】
軸部材43は、図3および図4に示すように、本体部41の下端部にて、左右方向に沿って延びるように、かつ、本体部41を左右方向に貫通するように配設されている。軸部材43は、減速部を介してモータ42の駆動力によって本体部41に対して相対的に回転する。また、軸部材43の回転数を検出する回転数検出部(図示なし)が本体部41内に配設されている。回転数検出部は、検出結果を制御部60に送信するようになっている。
【0026】
ローラ44は、円筒状に形成されている。ローラ44は、図4に示すように、軸部材43の両端部に配設されている。ローラ44は、具体的には、内周側に軸部材43を位置させて、軸部材43周りに軸部材43に対して相対的に回転可能とするように配設されている。また、ローラ44は、レール部12内側に位置するように配設され、軸部材43をスライド方向に沿って移動可能としている。
【0027】
ピニオンギア45は、本体部41と左側のローラ44との間に配設されている。ピニオンギア45は、軸部材43の左端部に軸部材43と一体的に形成されている。すなわち、ピニオンギア45は、軸部材43に対して回転不能に形成されている。よって、ピニオンギア45は、軸部材43を介して本体部41(移動体40)に配設され、軸部材43および減速部を介してモータ42の駆動力によって回転する。
【0028】
また、ピニオンギア45は、図3および図4に示すように、スライド方向に延びるラック部20と噛み合うように配設されている。よって、ピニオンギア45は、回転することにより、ラック部20に対して相対的にスライド方向に沿って移動する。本実施形態の場合、ラック部20が柱部材10に固定されているとともに、ピニオンギア45が移動体40に配設されている。よって、ピニオンギア45がモータ42の駆動力によって回転することにより、移動体40が柱部材10に対して相対的にスライド方向に沿って移動する。
なお、ピニオンギア45は、板材を二回折り曲げられるように形成された押え部材46と本体部41の左側面によって、本体部41に対する左右方向の位置が定められている(図2および図4参照)。
【0029】
モータ42、減速部、軸部材43、ピニオンギア45およびラック部20は、本発明の相対移動機構部を構成する。相対移動機構部は、上述したように、柱部材10側または移動体40に配設されている。具体的には、ラック部20が柱部材10に配設されている。モータ42、減速部、軸部材43およびピニオンギア45が移動体40に配設されている。また、相対移動機構部は、上述したように、モータ42の駆動力によって、移動体40を柱部材10に対して相対的にスライド方向に移動させる。
【0030】
係合部50は、図3に示すように、移動体40に固定され、シャッタ2dに形成された被係合部2d3と係合するものである。係合部50は、移動体40に対して着脱可能に固定されている(後述する)。係合部50は、上係合部51および下係合部52を備えている。
【0031】
上係合部51は、板材を左右方向に沿って延びる断面コの字状に折り曲げられて形成されている。上係合部51は、本体部41の凹部41cに着脱可能に取り付けられている。具体的には、上係合部51の上端部と凹部41cの上側部とが、例えばネジ(図示なし)によって着脱可能に取り付けられている。
【0032】
下係合部52は、板材を二回折り曲げられて形成されている。下係合部52は、本体部41の下端面に取り付けられた上端部52a、上端部52aより前方かつ下方に位置し、上端部52aに対しておよそ平行に形成された下端部52b、および、上端部52aから垂下して下端部52bと接続する接続部52cによって形成されている。下係合部52の上端部52aが、本体部41の下端部に例えばネジ(図示なし)によって取り付けられることにより、下係合部52と本体部41とが着脱可能に取り付けられている。
【0033】
また、係合部50は、上係合部51の下端部の下側面と下係合部52の下端部52bの上側面とが対向するように配設されている。後付開閉体駆動装置1が手動式開閉装置2に取り付けられたときに、被係合部2d3が、上係合部51の下端部と下係合部52の下端部52bとの間に隙間を有するように係合する(嵌る)ようになっている。なお、係合部50は、既存の座板2d2の形状に合わせて複数準備されている。すなわち、後付開閉体駆動装置1は、形状の異なる係合部50(上係合部51および下係合部52)を複数備えている。
【0034】
制御部60は、モータ42を制御して、係合部50をスライド方向に移動させることにより、シャッタ2dをスライドさせるものである。制御部60は、シャッタ2dをスライドさせて、開口部を開閉する開閉制御(後述する)を行う。
操作部(図示なし)は、後付開閉体駆動装置1を遠隔操作するものである。操作部は、例えばリモコンである。操作部は、後付開閉体駆動装置1を操作するための複数のスイッチ(図示なし)を備えている。操作部は、使用者によりスイッチを操作されることによって、制御部60に所定の制御信号を無線送信する。
【0035】
なお、シャッタ2dが開口部を閉状態とする下限位置(図3参照)に位置する場合、座板2d2の下端面に下ストッパ部(図示なし)が接触する。下ストッパ部は、縦支柱2bに取り付けられ、縦支柱2bから突出する凸状に形成されている。一方、シャッタ2dが開口部を開状態とする上限位置(図示なし)に位置する場合、座板2d2の上端面に上ストッパ部(図示なし)が接触する。上ストッパ部は、縦支柱2bに取り付けられ、縦支柱2bから突出する凸状に形成されている。各ストッパ部は、例えばボルトおよびナット(図示なし)によって縦支柱2bに着脱可能に取り付けられている。
【0036】
次に、上述した後付開閉体駆動装置1の制御部60が行う開閉制御について説明する。シャッタ2dが下限位置に位置して、開口部を閉状態としている状態(図3参照)から、シャッタ2dが上方向にスライドされて開口部を開状態とする場合について説明する。
【0037】
使用者によって操作部の開口部を開状態とするスイッチがオンされることにより、操作部から制御信号が制御部60に無線送信される。制御部60は、操作部から送信された制御信号に従って、モータ42を回転駆動させて、ピニオンギア45を図3に示す矢印Uの方向に回転させる。ラック部20が柱部材10に固定されているため、軸部材43がレール部12に案内され、ひいては、移動体40が案内部11に案内されてスライド方向に沿って上方向に移動する。これにより、係合部50がスライド方向に沿って上方に移動する。係合部50と被係合部2d3とが係合しているため、係合部50が被係合部2d3ひいては座板2d2を持ち上げる。これにより、シャッタ2dが上方向にスライドして、収納部材2cに巻き取られる。
【0038】
そして、座板2d2の上端面と上ストッパ部とが接触してシャッタ2dが上限位置に位置した場合、開口部が開状態となる。このとき、シャッタ2dの上方向へのスライドが上ストッパ部によって規制されるとともに、ピニオンギア45ひいては軸部材43の回転が規制されるため、回転数検出部によって検出される軸部材43の回転数がゼロになる。軸部材43の回転数がゼロである状態が所定時間(例えば1秒)継続した場合、制御部60は、回転数検出部の検出信号に基づいて、開口部が開状態であることを検出する。よって、この場合、制御部60は、モータ42の回転駆動を停止する。
【0039】
さらに、シャッタ2dが上限位置に位置して開口部を開状態としている状態から、シャッタ2dを下方向にスライドさせて開口部を閉状態とする場合について説明する。制御部60は、操作部から送信される開口部を閉状態とする制御信号に従って、モータ42を回転駆動させて、ピニオンギア45を図3に示す矢印Dの方向に回転させる。この場合、軸部材43ひいては移動体40がスライド方向に沿って下方向に移動して、移動体40が座板2d2を引き下げる。これにより、シャッタ2dが下方向にスライドして、収納部材2cから巻き下ろされる。
【0040】
そして、座板2d2の下端面と下ストッパ部とが接触してシャッタ2dが下限位置に位置した場合、開口部が閉状態となる。このとき、シャッタ2dの下方向へのスライドが下ストッパ部によって規制されるとともに、軸部材43の回転が規制される。これにより、軸部材43の回転数がゼロである状態が所定時間継続した場合、制御部60は、回転数検出部の検出信号に基づいて、開口部が閉状態であることを検出する。よって、この場合、制御部60は、モータ42の回転駆動を停止する。
【0041】
次に、本第一実施形態による後付開閉体駆動装置1を、既設の手動式開閉装置2に取り付ける方法について説明する。はじめに、準備されている複数の固定部材30および係合部50の中から、既設の枠部3に適合する固定部材30、および、既設の座板2d2の被係合部2d3に適合する係合部50を選択する。そして、ラック部20が取り付けられた柱部材10を枠部3の上下方向長さに合わせてカットする。枠部3およびカットされた柱部材10に対して、固定部材30を取り付けるためのボルトを通す穴を開ける加工を行う。
【0042】
さらに、移動体40に係合部50を取り付けて、その移動体40を柱部材10に、ローラ44がレール部12に嵌るように、かつ、ピニオンギア45がラック部20に噛み合うように取り付ける。移動体40が取り付けられた柱部材10を、固定部材30、ボルトおよびナットを用いて枠部3に取り付けて固定する。このとき、移動体40に取り付けられた係合部50に、座板2d2の被係合部2d3を係合させる。また、縦支柱2bに対して、各ストッパ部を取り付けるための穴開け加工を行った後、各ストッパ部をボルトおよびナットを用いて固定する。
【0043】
本第一実施形態によれば、後付開閉体駆動装置1は、シャッタ2dを手動にてスライドさせることにより開口部を開閉可能とする既設の手動式開閉装置2に対して、シャッタ2dを電動にてスライドさせる機能を追加する後付開閉体駆動装置1であって、シャッタ2dのスライド方向に沿って延びるように形成され、開口部を形成する枠部3に固定された柱部材10と、柱部材10にスライド方向に沿って移動可能に配設された移動体40と、柱部材10側または移動体40に配設され、移動体40を移動させるモータ42を備えるとともに、モータ42の駆動力によって移動体40を柱部材10に対して相対的にスライド方向に移動させる相対移動機構部と、移動体40に固定され、シャッタ2dに形成された被係合部2d3と係合する係合部50と、モータ42を制御して、係合部50をスライド方向に移動させることにより、シャッタ2dをスライドさせる制御部60と、を備えている。
これによれば、後付開閉体駆動装置1は、移動体40を柱部材10に配設し、柱部材10を枠部3に固定して、係合部50を被係合部2d3に係合させることにより、既設の手動式開閉装置2に取り付けられる。よって、後付開閉体駆動装置1は、手動式開閉装置2を分解せずに取り付けられる。したがって、後付開閉体駆動装置1は、既設の手動式開閉装置2に対して、従来の後付開閉体駆動装置のように手動式開閉装置2を分解して組み込む場合と比べて、シャッタ2dを電動にてスライドさせる機能を簡便に追加することができる。
【0044】
また、柱部材10は、同一の断面形状にてスライド方向に沿って延びるように形成されているため、枠部3のスライド方向長さに応じて、柱部材10のスライド方向長さを調整することができる。よって、枠部3のスライド方向長さが異なる場合においても、後付開閉体駆動装置1を比較的簡便に取り付けすることができる。
また、固定部材30は、柱部材10に対して着脱可能に固定されている。よって、後付開閉体駆動装置1は、既存の複数の枠部3それぞれの形状に合わせた固定部材30を複数備えることにより、取り付けを行う枠部3の形状に合わせた固定部材30を選択することができる。よって、手動式開閉装置2が設置されている開口部の枠部3の大きさが異なる場合においても、後付開閉体駆動装置1を比較的簡便に取り付けすることができる。
【0045】
また、係合部50は、移動体40に対して着脱可能に固定され、後付開閉体駆動装置1は、形状の異なる係合部50を複数備えている。
これによれば、後付開閉体駆動装置1は、既存のシャッタ2dの座板2d2の被係合部2d3それぞれの形状に合わせた係合部50を複数備えることにより、取り付けを行う被係合部2d3の形状に合わせた係合部50を選択することができる。よって、既設の手動式開閉装置2のシャッタ2dの座板2d2の被係合部2d3の形状が異なる場合においても、後付開閉体駆動装置1を比較的簡便に取り付けすることができる。
【0046】
また、モータ42は、移動体40に固定され、相対移動機構部は、移動体40に配設され、駆動源の駆動力によって回転するピニオンギア45と、柱部材10(柱部材10側)にスライド方向に延びるように配設され、ピニオンギア45と噛み合うラック部20と、をさらに備えている。
これによれば、後付開閉体駆動装置1を比較的簡便に構成することができる。よって、後付開閉体駆動装置1を、既設の手動式開閉装置2に比較的簡便に取り付けすることができる。さらに、移動体40にモータ42およびピニオンギア45を配設することにより、後付開閉体駆動装置1を比較的小さく構成することができるため、後付開閉体駆動装置1の小型化を図ることができる。
【0047】
また、移動体40は、モータ42に電力を供給する電源部41dをさらに備えている。
これによれば、移動体40に配設されたモータ42と外部の電源等とを接続する電線が不要となるため、柱部材10、枠部3または建築物の開口部や外壁への電線を通す穴の加工が不要となる。よって、後付開閉体駆動装置1を比較的簡便に取り付けすることができる。さらに、この電線が無い場合、移動体40が動作しているときにおける、移動体40と干渉するものを排除することができる。
【0048】
また、移動体40は、電源部41dを充電する充電部41eをさらに備えている。
特に、充電部41eが太陽光充電器である場合、充電部41eは、太陽光や街路灯等によって電源部41dを充電することができるため、電源部41dを交換する回数を低減することができる。また、充電部41eと電源部41dとが直結されている場合、充電部41eと電源部41dとの接続する電線を省略することができるため、移動体40が動作しているときにおける、移動体40と干渉するものを排除することができる。
【0049】
(第二実施形態)
次に、本発明による後付開閉体駆動装置1の第二実施形態について、主として上述した第一実施形態と異なる部分について説明する。本第二実施形態における後付開閉体駆動装置1は、上述した第一実施形態と同様に、枠部3に、網戸5とシャッタ2dとの間にて取り付けられる(図5図7および図8参照)。また、本第二実施形態における後付開閉体駆動装置1は、図6乃至図8に示すように、ケース170、柱部材110、移動体駆動部180、移動体案内部190、移動体140、係合部150および制御部160を備えている。
【0050】
ケース170は、図6乃至図7に示すように、内部を空洞とする直方体状に形成されている。ケース170は、枠部3の上端部に、例えばボルトおよびナットによって固定されている。
柱部材110は、図6乃至図8に示すように、同一の断面形状(図8参照)にてスライド方向に沿って延びるように形成されている。また、柱部材110の内部には、第一移動体通路110a、第二移動体通路110bおよび係合部通路110cが形成されている。
【0051】
各移動体通路110a,110bは、スライド方向に沿って延びるように形成され、移動体140をスライド方向に案内する通路である(後述する)。
係合部通路110cは、スライド方向に沿って延びるように、前方に向けて開放する溝状(図8参照)に形成され、係合部150をスライド方向に案内する通路である(後述する)。
柱部材110は、図6および図7に示すように、枠部3およびケース170に固定されている。具体的には、柱部材110の下端部の左右両側壁と枠部3とが、例えばボルトおよびナット(図示なし)を用いて固定部材130によって着脱可能に固定されている(図6および図7参照)。さらに、柱部材110の上端部の左右両側壁とケース170の下側壁とが、例えばボルトおよびナット(図示なし)を用いて固定部材130によって着脱可能に固定されている(図6参照)。
【0052】
移動体駆動部180は、図6および図7に示すように、ケース170内部に収容されている。移動体駆動部180は、移動体140を移動させるものである。移動体駆動部180は、本体部181、モータ182、減速部(図示なし)、第一軸部材183、第二軸部材184およびピニオンギア185を備えている。本体部181、モータ182、減速部およびピニオンギア185は、上述した第一実施形態における本体部41、モータ42、減速部およびピニオンギア45にそれぞれ相当する。また、各軸部材183,184は、上述した第一実施形態における軸部材43に相当する。なお、モータ182、減速部、第一軸部材183、第二軸部材184およびピニオンギア185およびラック部120(後述する)は、本発明の相対移動機構部を構成する。
【0053】
本体部181は、直方体状に形成され、ケース170内に固定されている。モータ182は、本体部181の左側に固定されている(図6参照)。モータ182の出力軸は、本体部181の内部に位置する。減速部は、本体部181内部に収容されている。第一軸部材183は、本体部181から右方に向かって突出するように配設されている(図6参照)。第一軸部材183は、減速部を介してモータ182の駆動力によって本体部181に対して相対的に回転する。また、第一軸部材183の本体部181から突出した部位には、ウォームギア183aが配設されている。なお、第一軸部材183の回転数を検出する回転数検出部(図示なし)が、本体部181内部に配設されている。
【0054】
第二軸部材184は、前後方向に沿って延びるように、ケース170に対して回転可能にケース170に配設されている(図7参照)。第二軸部材184には、ウォームギア183aと噛み合うウォームホイール部184aが形成されている。
ピニオンギア185は、モータ182の駆動力によって回転するものである。ピニオンギア185は、第二軸部材184の後端部にて、第二軸部材184と一体的かつ同軸に形成されている。このように、モータ182、減速部、各軸部材183,184およびピニオンギア185は、上述した第一実施形態と異なり、移動体140ではなく、柱部材110に固定されたケース170の内部に、すなわち柱部材110側に配設されている。
【0055】
移動体案内部190は、ケース170内に収容されている。移動体案内部190は、図6に示すように、左方に向けて開放する正面視U字状に形成されている。移動体案内部190は、内部に移動体140を案内する通路である第三移動体通路190aが形成されている。第三移動体通路190aは、移動体案内部190の外形状に沿うように形成されている。第三移動体通路190aの一端は、第一移動体通路110aの上端と対向するように配設されている。また、第三移動体通路190aの他端は、第二移動体通路110bの上端と対向するように配設されている。
【0056】
移動体140は、両端を有し、屈曲性を備えたベルト状に形成されている。移動体140は、図6および図7に示すように、柱部材110に対して長手方向をスライド方向に沿うように配設されている。移動体140は、具体的には、左端部140aから右端部140bにかけて、第一移動体通路110a、第三移動体通路190aおよび第二移動体通路110bの順に通るように配設されている。移動体140は、各通路110a,190a,110b内を摺動可能に形成されている。これにより、移動体140は、各通路110a,190a,110b内を各通路110a,190a,110bの形状に沿って移動可能になっている。すなわち、移動体140は、柱部材110に形成された第一移動体通路110aおよび第二移動体通路110bにおいては、スライド方向に沿って移動する。また、移動体140が移動した場合、移動体140の左端部140aが第一移動体通路110a内を移動し、移動体140の右端部140bが第二移動体通路110b内を移動するように、移動体140の長さが設定されている。
【0057】
また、移動体140には、ピニオンギア185と噛み合うラック部120が形成されている。ラック部120は、移動体140の片側面に長手方向に沿って形成されている。ピニオンギア185とラック部120が噛み合うように、各移動体通路110a,110bおよび移動体駆動部180の位置が設定されている。
【0058】
係合部150は、図6および図7に示すように、移動体140の左端部140aに、例えばボルトおよびナット(図示なし)によって、フランジ部150a(図7参照)にて固定されている。係合部150は、図7に示すように、前方に向けて開放する断面U字状に形成されている。係合部150は、この開放された部位の内側に、座板2d2の被係合部2d3が係合する(嵌る)ように形成されている。また、係合部150の後端部には、係合部通路110cに嵌り、係合部通路110cによってスライド方向に案内される被案内部150bが形成されている(図8参照)。
制御部160は、図6に示すように、ケース170内に収納されている。また、ケース170内には、電源部200が、ケース170外部から着脱可能に収納されている。
【0059】
次に、本第二実施形態による後付開閉体駆動装置1の制御部160が行う開閉制御について説明する。シャッタ2dが下限位置に位置して、開口部を閉状態としている状態(図6および図7参照)から、シャッタ2dを上方向にスライドさせて開口部を開状態とする場合について説明する。
【0060】
制御部160は、操作部から送信される開口部を開状態とする制御信号に従って、モータ182を回転駆動させて、第一軸部材183を回転させる。そして、第一軸部材183のウォームギア183aと噛み合うウォームホイール部184aを有する第二軸部材184ひいてはピニオンギア185が、図6に示す矢印Uの方向に回転し、移動体140が各移動体通路110a,190a,110b内を移動する。このとき、移動体140は、左端部140aをスライド方向に沿って上方向にスライドさせるように移動する。このとき、移動体140の左端部140aに固定されている係合部150が、係合部通路110c内をスライド方向に沿って上方向に移動する。これにより、係合部150に係合している被係合部2d3ひいては座板2d2が持ち上げられるため、シャッタ2dが上方向にスライドして、収納部材2cに巻き取られる。座板2d2と上ストッパとが接触して、シャッタ2dが上限位置に到達した場合、開口部が開状態となる。
【0061】
さらに、シャッタ2dが上限位置に位置して開口部を開状態としている状態から、シャッタ2dを下方向にスライドさせて開口部を閉状態とする場合について説明する。制御部160は、開口部を閉状態とする制御信号に従って、モータ182を回転駆動させて、ピニオンギア185を図6に示す矢印Dの方向に回転させる。この場合、移動体140が、左端部140aをスライド方向に沿って下方向にスライドさせるように移動するため、座板2d2が引き下ろされる。これにより、シャッタ2dが下方向にスライドして、収納部材2cから巻き下ろされる。そして、座板2d2と下ストッパ部とが接触して、シャッタ2dが下限位置に位置した場合、開口部が閉状態となる。
【0062】
次に、本第二実施形態による後付開閉体駆動装置1を、既設の手動式開閉装置2に取り付ける方法について説明する。はじめに、準備されている複数の固定部材130および係合部150の中から、既設の枠部3に適合する固定部材130、および、既設の座板2d2の被係合部2d3に適合する係合部150を選択する。そして、柱部材110を、ケース170の上下方向長さを考慮して、枠部3の上下方向長さに応じてカットする。カットされた柱部材110に対して、固定部材130を介して枠部3に取り付けるためのボルトを通す穴を開ける加工を行う。さらに、枠部3に対して、固定部材130を介してケース170および柱部材110に取り付けるためのボルトを通す穴を開ける加工を行う。そして、ケース170と柱部材110とを、固定部材130を介して取り付ける。ケース170には、移動体駆動部180、第二軸部材184ピニオンギア185、制御部160および電源部200が収納されている。
【0063】
さらに、移動体140を枠部3の上下方向長さに応じてカットし、移動体140の左端部140aに係合部150を取り付ける。その移動体140の右端部140bを、第一移動体通路110aへ柱部材110の下端側から挿し入れる。そして、移動体140は、右端部140bから順に、第一移動体通路110aを通り、柱部材110の上端側から導出されて、第三移動体通路190aに差し入れられる。さらに移動体140は、右端部140bから順に第三移動体通路190aを通り、第二移動体通路110bに柱部材110の上端側から差し入れられる。移動体140の左端部140aが第一移動体通路110aに位置し、移動体140の右端部140bが第二移動体通路110bに位置した状態にて、ラック部120とピニオンギア185とを噛み合わせて、移動体140の取り付けが完了する。そして、この移動体140の取り付けが完了した柱部材110およびケース170を、枠部3に固定部材130を介して取り付けて、係合部150を被係合部2d3に係合させる。
【0064】
本第二実施形態によれば、移動体140は、ベルト状に形成されるとともに、柱部材110に対して長手方向をスライド方向に沿うように配設され、モータ182は、ケース170(柱部材110側)に固定され、相対移動機構部は、ケース170(柱部材110側)に配設され、モータ182の駆動力によって回転するピニオンギア185と、移動体140に長手方向に沿って形成され、ピニオンギア185と噛み合うラック部120と、をさらに備えている。
これによれば、上述した第一実施形態と同様に、本第二実施形態における後付開閉体駆動装置1は、手動式開閉装置2を分解することなく、手動式開閉装置2に取り付けられる。よって、既設の手動式開閉装置2に対して、シャッタ2dを電動にてスライドさせる機能を簡便に追加することができる。
また、本第二実施形態によれば、後付開閉体駆動装置1を比較的簡便に構成することができる。よって、後付開閉体駆動装置1を、既設の手動式開閉装置2に比較的簡便に取り付けすることができる。さらに、モータ182およびピニオンギア185は、柱部材110側に固定されているため移動しない。よって、後付開閉体駆動装置1の耐久性を向上させることができる。
【0065】
なお、上述した各実施形態において、後付開閉体駆動装置1の一例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を採用することもできる。例えば、上述した第二実施形態において、電源部200は二次電池であるが、これに代えて、商用電源を用いるようにしても良い。
また、既存の手動式開閉装置2においては、座板2d2に被係合部2d3が形成されていない場合も考えられる。この場合、係合部150に係合するように形成された被係合部2d3を既存の手動式開閉装置2の座板2d2に後付にて取り付けるようにすると良い。
また、上述した各実施形態において、シャッタ2dの上限位置および下限位置の検出は、回転数検出部の検出信号に基づいて行われているが、これに代えて、リミットスイッチの検出信号に基づいて行うようにしても良い。具体的には、シャッタ2dの上限位置および下限位置にて、座板2d2がリミットスイッチをオンするように、リミットスイッチを上ストッパおよび下ストッパに配設すると良い。
【0066】
また、上述した各実施形態において、本体部41(本体部181)内に、クラッチ機構を配設するようにしても良い。クラッチ機構は、解放時にモータ42(モータ182)と軸部材43(第一軸部材183)との間の動力伝達を遮断し、係合時に動力伝達を可能とするものである。クラッチ機構の操作は、本体部41(本体部181)に設けられたスイッチ(図示なし)またはレバー(図示なし)によって行われる。上述した第二実施形態においては、このスイッチまたはレバーがケース170外部から操作可能に設けられている。これによれば、クラッチ機構が操作されて、モータ42(モータ182)と軸部材43(第一軸部材183)との間の動力伝達が遮断された場合、シャッタ2dを手動にて容易にスライドさせることができる。
また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、移動体40,140、柱部材10,110、相対移動機構部、係合部50,150の形状や配置位置等を変更しても良い。
【符号の説明】
【0067】
1…後付開閉体駆動装置、2…手動式開閉装置、2d…シャッタ(開閉体)、2d3…被係合部、3…枠部、10…柱部材、11…案内部、12…レール部、20…ラック部、30…固定部材、40…移動体、41d…電源部、41e…充電部、42…モータ、43…軸部材、44…ローラ、45…ピニオンギア、50…係合部、60…制御部、200…電源部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8