特開2016-223186(P2016-223186A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223186(P2016-223186A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】土砂搬出システム
(51)【国際特許分類】
   E21D 1/00 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   E21D1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-111396(P2015-111396)
(22)【出願日】2015年6月1日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テレスコ
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593099207
【氏名又は名称】株式会社クロダテック
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治
(72)【発明者】
【氏名】西田 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】河本 武士
(72)【発明者】
【氏名】諸石 毅之
(72)【発明者】
【氏名】武田 伸児
(72)【発明者】
【氏名】門脇 直樹
(72)【発明者】
【氏名】常見 昌朗
(72)【発明者】
【氏名】黒田 力
(57)【要約】

【課題】揚土された掘削土砂を仮置きする土砂ピットを不要としながら、掘削土砂を効率的にダンプ搬出することのできる土砂搬出システムを提供すること。
【解決手段】中空で第一の吊りリング1aを備えたバケツ本体1と、バケツ本体1の下方で観音開きするとともに第二の吊りリング2aを備えた二つの底板2と、吊天秤3と、重機Mから垂下されて第一の吊りフック5を下端に備えた第一のワイヤ4、および、第二の吊りフック8を下端に備えた第二のワイヤ7とからなり、第一、第二のワイヤ4,7のいずれか一方の上下動によって二つの底板2の観音開きと観音綴じが実行されるようになっている土砂搬出用バケツ10と、土砂搬出用バケツ10が載置され、下方にダンプトラックDTが停車する空間Kを備えたバケツ架台20と、バケツ架台20に装備された、吊天秤3が支持される昇降装置22とから構成された土砂搬出システム100である。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空で第一の吊りリングを備えたバケツ本体と、
前記バケツ本体の下方で観音開きするとともに第二の吊りリングを備えた二つの底板と、
吊天秤と、
重機から垂下されて第一の吊りフックを下端に備えた第一のワイヤ、および、重機から垂下されて第二の吊りフックを下端に備えた第二のワイヤと、からなり、
第一のワイヤが前記第一の吊りリングに掛けられ、第二のワイヤが前記吊天秤を介して第二の吊りリングに掛けられるようになっており、
重機による前記第一のワイヤもしくは前記第二のワイヤのいずれか一方の上下動によって二つの前記底板の観音開きと観音綴じが実行されるようになっている土砂搬出用バケツと、
前記土砂搬出用バケツが載置され、下方にダンプトラックが停車する空間を備えたバケツ架台と、
前記バケツ架台に装備された、前記吊天秤が支持される昇降装置と、から構成され、
前記バケツ架台に前記土砂搬出用バケツが載置され、前記昇降装置にて前記吊天秤が降下されて前記底板の観音開きが実行され、前記昇降装置にて前記吊天秤が上昇されて前記底板の観音綴じが実行されるようになっている、土砂搬出システム。
【請求項2】
前記第一の吊りフック、前記第二の吊りフックの一方が一台の前記重機のブームから垂下された親フックであり、他方が子フックである請求項1に記載の土砂搬出システム。
【請求項3】
前記バケツ架台が走行自在に構成され、その端部に配された土砂ピットにも排土自在となっている請求項1または2に記載の土砂搬出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削土砂を搬出するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでの立坑の掘削や掘削土砂の揚土に関し、立坑が20m程度以浅の場合は地上に配置されたバックホウやテレスコ式掘削機などで掘削と揚土を一度におこなう方法が適用され、20m程度よりも深い場合は立坑内にバックホウを載置し、このバックホウで土砂の掘削をおこない、クラムシェルやベッセルで掘削土砂を揚土する方法が一般におこなわれている。
【0003】
前者の方法は効率的である一方で適用限界が最大でも20m程度に留まるという課題があり、後者の方法は20m以深の掘削および揚土が可能な一方で掘削機能と揚土機能が分離していることから揚土効率が自ずと低くなるといった課題がある。また、クラムシェルは土砂を掴み取る形態で掘削機能を兼ねることから、必ずしも揚土効率は大きくなく、揚土効率を向上させる場合には掘削機能を有しないベッセルを大型化した方が有効である。
【0004】
しかしながら、ベッセルの大型化によって揚土効率は向上するものの、その吊り荷姿勢が偏平で重心が高く、不安定であることから、土砂の落下災害の危険性があり、揚土後に地上へ排土する際にベッセルを回転させるなどの操作が必要となり、この操作自体は不安定で効率が悪い。さらに、上記する前者および後者ともにダンプ搬出の場合は別途土砂ホッパーや土砂ピットが必要となり、このことが工費の増大に繋がっている。
【0005】
ここで、特許文献1には、蛇腹状底蓋と、蛇腹状底蓋の開閉部に固着されたピン挿入用ブラケットにガイドパイプによって嵌合するロックピンと、を有する底開きバケットに関し、クレーンの補巻きのワイヤの巻上げや巻き下げによってロックピンの脱着および蛇腹状底蓋の開閉をおこない、主巻きのワイヤの巻き上げや巻き下げによってバケット本体を吊り上げて搬送する、底開きバケットが開示されている。
【0006】
ここで開示される底開きバケットによれば、人力にて実施していた安全ストッパの装着がクレーン操作のみの作業となり、省力が可能となるのみならず、ロックピン装着時の災害防止を図れることから安全であり、また、構造が簡単であることから故障も少なく、設備コストの増大を招かないとしている。
【0007】
確かに、大深度掘削の際にも効率的な揚土が実現でき、その吊り荷姿勢は安定であると考えられるが、揚土後の地上での搬出時の課題、すなわち、土砂ピットに揚土を仮置きした後にダンプ搬出する際の土砂ピットや積み込みのためのバックホウの確保が必須であるといった課題や、ダンプ搬出までの施工効率が悪いといった課題の解消には至らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−118948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、揚土された掘削土砂を仮置きする土砂ピットを不要としながら、掘削土砂を効率的にダンプ搬出することのできる土砂搬出システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成すべく、本発明による土砂搬出システムは、中空で第一の吊りリングを備えたバケツ本体と、前記バケツ本体の下方で観音開きするとともに第二の吊りリングを備えた二つの底板と、吊天秤と、重機から垂下されて第一の吊りフックを下端に備えた第一のワイヤ、および、重機から垂下されて第二の吊りフックを下端に備えた第二のワイヤと、からなり、第一のワイヤが前記第一の吊りリングに掛けられ、第二のワイヤが前記吊天秤を介して第二の吊りリングに掛けられるようになっており、重機による前記第一のワイヤもしくは前記第二のワイヤのいずれか一方の上下動によって二つの前記底板の観音開きと観音綴じが実行されるようになっている土砂搬出用バケツと、前記土砂搬出用バケツが載置され、下方にダンプトラックが停車する空間を備えたバケツ架台と、前記バケツ架台に装備された、前記吊天秤が支持される昇降装置と、から構成され、前記バケツ架台に前記土砂搬出用バケツが載置され、前記昇降装置にて前記吊天秤が降下されて前記底板の観音開きが実行され、前記昇降装置にて前記吊天秤が上昇されて前記底板の観音綴じが実行されるようになっているものである。
【0011】
本発明の土砂搬出システムは、浅深度から大深度までの土砂掘削と揚土が可能な土砂搬出用バケツを具備するとともに、土砂搬出用バケツの構成要素である吊天秤をバケツ架台に備えられた昇降装置にて昇降することで土砂搬出用バケツの底板が開き、土砂搬出用バケツから土砂をダンプトラックに搬出することを可能にしたシステムである。本発明の土砂搬出システムを適用することにより、土砂ピットを不要とでき、土砂搬出用バケツで揚土された土砂をバケツ架台上に載置させておき、所望のタイミングでバケツ架台の下方に位置決めされたダンプトラックに土砂を効率的に搬出することが可能になる。
【0012】
まず、土砂搬出用バケツは、バケツ本体と、バケツ本体の下方で観音開きする二つの底板と、吊天秤とから大略構成されており、2つのワイヤのうちの一方のワイヤがバケツ本体を吊り持し、他方のワイヤが吊天秤を介して二つの底板を吊り持している。
【0013】
ここで、2つのワイヤは、二台の重機の具備するそれぞれのワイヤであってもよいし、一台の重機の具備する2本のワイヤであって、一方のワイヤに親フックが取り付けられ、他方のワイヤには子フックが取り付けられていて、たとえば親フックが二つの底板を吊り持し、子フックがバケツ本体を吊り持する形態であってもよい。
【0014】
親フック(の取り付けられたワイヤ)で二つの底板の観音綴じ状態を維持しながら、子フック(の取り付けられたワイヤ)を上方に引き上げることで親フックの位置が相対的に下方に移動し、このことによって観音綴じ状態の二つの底板を観音開きすることができる。一方、二つの底板を観音綴じする場合は、逆に子フック(の取り付けられたワイヤ)を下方に降下させることで底板の観音綴じが実行される。
【0015】
次に、バケツ架台について説明する。バケツ架台はその下方にダンプトラックが停車する空間を備えており、さらに、土砂搬出用バケツを構成する吊天秤が支持される(載置される)昇降装置を備えている。
【0016】
ここで、「昇降装置」には、油圧シリンダやエアシリンダ等のシリンダ機構等が適用できる。
【0017】
土砂搬出用バケツを2つのワイヤで吊り持した状態でバケツ架台を構成する昇降装置に吊天秤を載置し、バケツ架台の下方にダンプトラックを停車させた後、昇降装置を作動してたとえば上方に延びた状態の油圧シリンダ等の昇降ジャッキを下方に移動させる。このことにより、二つの底板を吊り持している親フックも同様に下方に移動し、親フックの下方移動によって二つの底板が観音開きされ、バケツ本体に収容されている土砂が下方に落とされてダンプトラックに土砂が搬出される。
【0018】
また、本発明による土砂搬出システムの他の実施の形態は、前記バケツ架台が走行自在に構成され、その端部に配された土砂ピットにも排土自在となっているものである。
【0019】
2基以上の土砂搬出システムを併設しておき、各バケツ架台がレール走行自在に構成され、システムの後方に土砂ピットを備え、レールが土砂ピットを跨いで延びていて、バケツ架台が土砂ピットまで走行し、土砂を土砂ピットに搬出できるようにすることで、土砂の搬出形態のバリエーションを増やすことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上の説明から理解できるように、本発明の土砂搬出システムによれば、大深度の掘削と揚土を効率的におこなえることに加えて、揚土された掘削土砂に関し、土砂ピットを現場ヤードに確保するのを不要とでき、さらには、所望のタイミングでダンプトラックに掘削土砂を効率的に搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の土砂搬出システムを構成する土砂搬出用バケツの二つの底板が観音綴じしている状態を示した側面図である。
図2図1のII方向の矢視図であって、二つの底板が観音綴じしている状態の土砂搬出用バケツの正面図である。
図3】土砂搬出用バケツの二つの底板が観音開きしている状態を示した側面図である。
図4図3のIV方向の矢視図であって、二つの底板が観音開きしている状態の土砂搬出用バケツの正面図である。
図5】本発明の土砂搬出システムの第一の実施の形態を示した正面図であって、ダンプトラックに掘削土砂を搬出する前の状態を示した図である。
図6図5のVI方向の矢視図である。
図7】本発明の土砂搬出システムの第一の実施の形態において、ダンプトラックに掘削土砂を搬出している状態を示した図である。
図8】本発明の土砂搬出システムの第二の実施の形態を示した正面図であって、ダンプトラックに掘削土砂が搬出されている状態を示した図である。
図9図8のIX方向の矢視図であって、土砂搬出システムの後方に土砂ピットが造成されていて、土砂ピットの上方にレールが延びて形成されている状態を示した図である。
図10】土砂搬出システムがレール上を走行して土砂ピットの上方に位置決めされ、土砂を排出している状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の土砂搬出システムの実施の形態を説明する。なお、図示するバケツ架構は、一台のダンプトラックが収容される形態であるが、図示する架構が横方向に複数連接し、各架構にダンプトラックが収容可能な複数の架構から構成された形態のバケツ架構であってもよい。
【0023】
(土砂搬出用バケツの実施の形態)
まず、システムを構成する土砂搬出用バケツの実施の形態を説明する。ここで、図1は本発明の土砂搬出システムを構成する土砂搬出用バケツの二つの底板が観音綴じしている状態を示した側面図であり、図2図1のII方向の矢視図であって、二つの底板が観音綴じしている状態の土砂搬出用バケツの正面図である。また、図3は土砂搬出用バケツの二つの底板が観音開きしている状態を示した側面図であり、図4図3のIV方向の矢視図であって、二つの底板が観音開きしている状態の土砂搬出用バケツの正面図である。
【0024】
図示する土砂搬出用バケツ10は、中空で第一の吊りリング1aを備えたバケツ本体1と、バケツ本体1の下方でヒンジ機構を介して観音開きするとともに第二の吊りリング2aを備えた二つの底板2と、吊天秤3とから大略構成されている。
【0025】
バケツ本体1は、C型鋼、L型鋼といった鋼材からなる直方体形状の箱型のフレーム架構と、その内側に取り付けられた鋼板から構成されており、底板2も掘削土砂の設計重量を支持して変形しない剛性を備えた鋼材(鋼板)から構成されている。
【0026】
クローラクレーン等の重機Mのクレーンブームから吊り下げられた二本のワイヤのうち、第一のワイヤ4の先端に子フック5(第一の吊りフック)が取り付けられ、子フック5から吊り下げられた吊りワイヤ6がバケツ本体1の第一の吊りリング1aに掛けられ、第一のワイヤ4にてバケツ本体1が吊り持される。
【0027】
一方、二本のワイヤのうち、第二のワイヤ7の先端に親フック8(第二の吊りフック)が取り付けられ、親フック8から吊り下げられた吊りワイヤ9aが吊天秤3の吊りリング3aに掛けられ、別途の吊りリング3bから吊り下げられた吊りワイヤ9bが二つ底板2のそれぞれの第二の吊りリング2aに掛けられ、吊天秤3を介して第二のワイヤ7にて二つの底板2が吊り持される。
【0028】
図1,2の状態から、図3,4の状態に移行することにより、すなわち親フック8による吊天秤3の保持位置を維持した状態で第一のワイヤ4のみを上方に引き上げることにより(X1方向)、親フック8の位置が相対的に下方に移動し、このことによって図1,2で示す観音綴じ状態の二つの底板2を、図3,4で示す観音開き状態にすることができる(底板2の開き方向はY方向)。なお、この操作とは逆に、子フック5の位置を保持した状態で第二のワイヤ7および親フック8を降下させることによっても、観音綴じ状態の二つの底板2を観音開き状態にすることができる。
【0029】
また、図示を省略するが、二つの底板2を観音綴じする場合は、逆に子フック5(に取り付けられた第一のワイヤ4)を下方に降下させることで底板2の観音綴じが実行される。
【0030】
図示する土砂搬出用バケツ10を重機Mから吊り持しながら使用することにより、浅深度の掘削〜大深度の掘削までを実行することが可能になり、さらには、掘削土砂の揚土を効率的に実行することが可能になる。
【0031】
(土砂搬出システムの第一の実施の形態)
次に、図5〜7を参照して、本発明の土砂搬出システムの第一の実施の形態を説明する。ここで、図5は本発明の土砂搬出システムの第一の実施の形態を示した正面図であって、ダンプトラックに掘削土砂を搬出する前の状態を示した図であり、図6図5のVI方向の矢視図であり、図7は本発明の土砂搬出システムの第一の実施の形態において、ダンプトラックに掘削土砂を搬出している状態を示した図である。
【0032】
本実施の形態にかかる土砂搬出システム100は、土砂搬出用バケツ10と、土砂搬出用バケツ10が載置されるバケツ架台20とから構成される。
【0033】
バケツ架台20は、H型鋼、角管、円管等からなる支柱と、支柱同士を繋ぐ鋼製の水平材と、支柱および水平材を繋いで架構を補強する斜材等から構成された架構21と、架構21にて支持された油圧シリンダユニット22(昇降装置)と、油圧シリンダユニット22にて上下に昇降自在な複数の昇降ジャッキ22aにて支持された支持竿23と、からその全体が構成されている。
【0034】
図示するように、バケツ架台20の下方にはダンプトラックDTが駐車される空間Kがあり、ダンプトラックDTの駐車位置の上方にバケツ架台20で支持された土砂搬出用バケツ10が位置決めされるようになっている。
【0035】
図5,6で示す土砂搬出用バケツ10がバケツ架台20に載置される際には、昇降ジャッキ22aは予め所定長だけ上方に延びた状態となっており、支持竿23に土砂搬出用バケツ10を構成する吊天秤3を載置した際に、吊りワイヤ9bが伸びた状態を維持し、底板2の観音綴じ状態が維持されるようになっている。なお、この状態において、バケツ本体1は架構21にて同位置に保持されている。
【0036】
このように、掘削土砂を収容した土砂搬出用バケツ10をバケツ架台20に載置しておくことができるため、掘削土砂をダンプ搬送するまでの期間、施工ヤードに揚土された掘削土砂を仮置きしておくための土砂ピットやダンプに積み込むためのバックホウを確保する必要はない。
【0037】
バケツ架台20の下方の空間KにダンプトラックDTが駐車した後、図7で示すように延びた状態の昇降ジャッキ22aを所望のタイミングで下方に縮めることにより、吊りワイヤ9bが下方に降下し、これに呼応して二つの底板2が観音開きする。
【0038】
底板2の観音開きにより、バケツ本体1内に収容されていた掘削土砂が下方のダンプトラックDTに搬出されることになる。
【0039】
ここで、土砂搬出用バケツ10内部の土砂量は通常、ダンプ積載可能量の2〜3倍の量となるので、ダンプ1台分の量を下方のダンプに排出後、昇降ジャッキ22aを所望のタイミングで上方に伸ばせば、排出を停止でき、その後空ダンプと入れ替え同様の動作を繰り返せばよい。
【0040】
このように、図示する土砂搬出システム100によれば、揚土された掘削土砂を仮置きしておく土砂ピットを不要としながら、所望のタイミングでダンプトラックDTに掘削土砂を効率的に搬出することが可能になる。
【0041】
(土砂搬出システムの第二の実施の形態)
図8は本発明の土砂搬出システムの第二の実施の形態を示した正面図であって、ダンプトラックに掘削土砂が搬出されている状態を示した図であり、図9図8のIX方向の矢視図であって、土砂搬出システムの後方に土砂ピットが造成されていて、土砂ピットの上方にレールが延びて形成されている状態を示した図である。また、図10は土砂搬出システムがレール上を走行して土砂ピットの上方に位置決めされ、土砂を排出している状態を示した図である。
【0042】
重機Mによる土砂搬出用バケツ10のバケツ架台20への載置やダンプトラックDTへの排土時間や排土揚げ下し時間を短縮するべく、図8、9で示す土砂排出システム200は、2基の土砂排出システム100を併設したものであり、2列×2組のレールRを配設し、バケツ架台20を構成する架構21の下端に取り付けられた車輪WがレールR上を走行するように構成されている。
【0043】
土砂排出システム200の後方には土留めPにて画成された小規模の土砂ピットDPが造成されており、2列×2組の計4本のレールRのうち、外側の2本のレールRは土砂ピットDPの外側に配設され、内側の2本のレールRは土砂ピットDPの上方を該土砂ピットDPを跨ぐようにして配設されている。
【0044】
バケツ架台20の周囲には不図示の作業架台を設けておき、重機Mがバケツ架台20の上に土砂搬出用バケツ10を載置した後、作業架台上の作業員がたとえば親フック8から吊りワイヤ9aを取り外す。重機Mから吊持された親フック8には隣の空の土砂搬出用バケツ10の吊りワイヤ9aを取り付け、速やかに土砂ピットDP内に土砂搬出用バケツ10を吊り下げる。
【0045】
土砂Eで満たされた土砂搬出用バケツ10の底板2を開閉しながら、ダンプトラックDTに土砂Eを投下させる。1台のダンプトラックDTで入りきらなかった土砂搬出用バケツ10内の土砂Eは、バケツ架台20をレールR上で移動させることで、縦列する不図示の2台目のダンプトラックDTに投下する。
【0046】
さらに、不慮の土砂搬出用バケツ10の噛みこみ不良や故障が生じた場合は、土砂ピットDPに土砂Eを一旦排出することで対応する。これにより、地上に土砂Eが飛散するのを解消することができる。また、土砂ピットDP周りには、常時は不図示のバックホウが1台程度必要となるが、土砂搬出用バケツ10内の土砂Eを全て土砂ピットDPに排土する場合のような複数のバックホウは不要であり、地上部の施工規模の縮小を図ることができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0048】
1…バケツ本体、1a…第一の吊りリング、2…底板、2a…第二の吊りリング、3…吊天秤、4…第一のワイヤ、5…子フック(第一の吊りフック)、6…吊ワイヤ、7…第二のワイヤ、8…親フック(第二の吊りフック)、9a、9b…吊ワイヤ、10…土砂搬出用バケツ、20…バケツ架台、21…架構、22…油圧シリンダユニット(昇降装置)、22a…昇降ジャッキ、23…支持竿、100…土砂搬出システム(実施の形態1)、200…土砂排出システム(実施の形態2)、M…重機、K…空間、DT…ダンプトラック、R…レール、W…車輪、P…土留め、E…土砂、DP…土砂ピット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10