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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223277(P2016-223277A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】鍵駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20161205BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   E05B47/00 J
   E05B49/00 K
   E05B47/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-136207(P2015-136207)
(22)【出願日】2015年7月7日
(31)【優先権主張番号】特願2015-112093(P2015-112093)
(32)【優先日】2015年6月2日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】田中 章愛
(72)【発明者】
【氏名】奈良 友寿
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250BB08
2E250FF27
2E250FF36
(57)【要約】
【課題】モーターの駆動によりサムターンを回転可能であり、かつ、手動操作によりサムターンを容易に回転させることが可能な、鍵駆動装置を提案する。
【解決手段】モーターからの駆動力を受けて回転するモーターギアと、サムターンを回転させる駆動力を前記サムターンに伝達する第1ギアと、前記モーターギアと前記第1ギアとの間に配置され、前記モーターが発生させた駆動力を前記第1ギアに伝達するクラッチギアと、を備え、前記クラッチギアは、前記モーターギアと前記第1ギアとの間の駆動力の伝達経路の遮断と形成を切り替える、鍵駆動装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターからの駆動力を受けて回転するモーターギアと、
サムターンを回転させる駆動力を前記サムターンに伝達する第1ギアと、
前記モーターギアと前記第1ギアとの間に配置され、前記モーターが発生させた駆動力を前記第1ギアに伝達するクラッチギアと、
を備え、
前記クラッチギアは、前記モーターギアと前記第1ギアとの間の駆動力の伝達経路の遮断と形成を切り替える、鍵駆動装置。
【請求項2】
前記クラッチギアは、前記モーターギアの遊星ギアであり、前記伝達経路を遮断する第1の位置と前記伝達経路を形成する第2の位置との間で移動する、請求項1に記載の鍵駆動装置。
【請求項3】
前記鍵駆動装置は、前記モーターの回転を制御するモーター制御部をさらに備え、
前記モーター制御部は、鍵駆動要求に応じて前記モーターを回転させ、鍵駆動の終了後、前記クラッチギアを前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させるように前記モーターの回転を制御する、請求項2に記載の鍵駆動装置。
【請求項4】
前記鍵駆動装置は、前記クラッチギアの位置を検出するための検出部をさらに備え、
前記モーター制御部は、前記鍵駆動の終了後、前記クラッチギアが前記第1の位置に存在することが前記検出部により検出されるように前記モーターの回転を制御する、請求項3に記載の鍵駆動装置。
【請求項5】
前記鍵駆動装置は、二つの前記クラッチギアを備え、
前記鍵駆動要求は、解錠要求および施錠要求を含み、
前記モーター制御部は、前記鍵駆動要求が前記解錠要求と前記施錠要求のいずれであるかによって、前記モーターの回転方向を決定し、
前記モーター制御部は、前記鍵駆動要求が前記解錠要求と前記施錠要求のいずれであるかに応じて、前記二つのクラッチギアのうちいずれか一方を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させるように前記モーターの回転を制御する、請求項3に記載の鍵駆動装置。
【請求項6】
前記モーターは、モーター出力軸を含み、
前記鍵駆動装置は、前記モーターギアと前記モーター出力軸との間に設置されたトルクリミッタをさらに備え、
前記トルクリミッタにかかるトルクが所定の閾値を超えた場合には、前記トルクリミッタは、前記モーター出力軸の周りを滑動する、請求項2に記載の鍵駆動装置。
【請求項7】
前記第1ギアには、前記サムターンを手動で回転させるためのつまみが設置されている、請求項2に記載の鍵駆動装置。
【請求項8】
前記鍵駆動装置は、前記サムターンに着脱可能な、前記第1ギアに連結されたアタッチメントをさらに備える、請求項7に記載の鍵駆動装置。
【請求項9】
前記つまみと前記アタッチメントとは、同軸上に設置されている、請求項8に記載の鍵駆動装置。
【請求項10】
前記鍵駆動装置は、前記第1ギアに連結された出力軸をさらに備え、
前記アタッチメントは、前記出力軸に連結されたオルダムカップリングを含む、請求項8に記載の鍵駆動装置。
【請求項11】
前記鍵駆動装置は、前記第1ギアの回転量を計測する回転計測部をさらに備える、請求項7に記載の鍵駆動装置。
【請求項12】
前記鍵駆動装置は、前記第1ギアと噛合っており、かつ、前記回転計測部が設置されている第2ギアをさらに備え、
前記第2ギアは、前記第1ギアと前記クラッチギアとの間に設置されており、
前記回転計測部は、前記第2ギアの回転の計測に基づいて前記第1ギアの回転量を計測する、請求項11に記載の鍵駆動装置。
【請求項13】
前記鍵駆動装置は、前記第1ギアの回転の開始を検出する操作検出部と、
前記操作検出部により前記第1ギアの回転の開始が検出された場合に、前記第1ギアの回転量の計測を前記回転計測部に開始させる計測制御部と、をさらに備える、請求項11に記載の鍵駆動装置。
【請求項14】
前記回転計測部による計測中で、かつ、前記第1ギアが所定の時間以上停止状態であることが前記操作検出部により検出された場合には、前記計測制御部は、前記第1ギアの回転量の計測を前記回転計測部に終了させる、請求項13に記載の鍵駆動装置。
【請求項15】
前記鍵駆動装置は、前記つまみの操作に関する操作ログを記憶する記憶部と、
前記回転計測部による計測結果を前記操作ログに記録するログ記録部と、をさらに備える、請求項11に記載の鍵駆動装置。
【請求項16】
前記鍵駆動装置は、前記回転計測部による計測結果に基づいて前記サムターンが施錠状態であるか否かを判定する施錠状態判定部をさらに備え、
前記ログ記録部は、前記施錠状態判定部による判定結果を前記操作ログにさらに記録する、請求項15に記載の鍵駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鍵駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドアの解錠および施錠を可能とするために、ドアの内側にサムターンが設置されている。
【0003】
また、ドアの解施錠を電気的に行うことが可能な電気錠も開発されている。例えば、特許文献1には、携帯機器が電気錠にかざされると、電気錠は携帯機器からキーデータを読み取ることにより解錠制御を行う技術が開示されている。
【0004】
また、モーター駆動によりサムターンを回転することにより、解錠または施錠を行うモーター式電気錠も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−239347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のモーター式電気錠では、サムターンを回転させるためのギアとモーターとの間において、モーターの駆動力の伝達経路が固定されていた。このため、例えば、モーター式電気錠に対する手動操作によりユーザがサムターンを回すことが困難であった。
【0007】
そこで、本開示では、モーターの駆動によりサムターンを回転可能であり、かつ、手動操作によりサムターンを容易に回転させることが可能な、新規かつ改良された鍵駆動装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、モーターからの駆動力を受けて回転するモーターギアと、サムターンを回転させる駆動力を前記サムターンに伝達する第1ギアと、前記モーターギアと前記第1ギアとの間に配置され、前記モーターが発生させた駆動力を前記第1ギアに伝達するクラッチギアと、を備え、前記クラッチギアは、前記モーターギアと前記第1ギアとの間の駆動力の伝達経路の遮断と形成を切り替える、鍵駆動装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本開示によれば、モーターの駆動によりサムターンを回転可能であり、かつ、手動操作によりサムターンを容易に回転させることができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の各実施形態に共通する情報処理システムの構成例を示した説明図である。
図2】第1の実施形態による錠前デバイス10‐1の外観を示した斜視図である。
図3】第1の実施形態による錠前デバイス10‐1の正面図である。
図4】第1の実施形態による錠前デバイス10‐1の左側面図である。
図5】第1の実施形態による錠前デバイス10‐1の筐体内部の外観を示した図である。
図6】第1の実施形態による錠前デバイス10‐1の左側面に平行な方向での断面を示した説明図である。
図7】第1の実施形態による手動検出スイッチ172による検出結果がOFFである場合における第1ギア100と手動検出スイッチ172との位置関係を示した説明図である。
図8】第1の実施形態による手動検出スイッチ172による検出結果がONになった場合における第1ギア100と手動検出スイッチ172との位置関係を示した説明図である。
図9図6に示した断面領域30の拡大図である。
図10】第1の実施形態による錠前デバイス10‐1の内部構成の例を示した機能ブロック図である。
図11】第1の実施形態によるモーター178の停止時における遊星ギア124と中央ギア110との位置関係を示した説明図である。
図12】第1の実施形態によるモーター178が一方向に回転した際の遊星ギア124の位置の変化を示した説明図である。
図13】第1の実施形態によるモーター178が別の方向に回転した際の遊星ギア124の位置の変化を示した説明図である。
図14】第1の実施形態による手動操作による解錠または施錠時における動作例を示したフローチャートである。
図15】第1の実施形態によるモーター178の駆動による解錠または施錠時における動作例を示したフローチャートである。
図16】本開示の第2の実施形態による錠前デバイス10‐2をサムターンに取り付ける様子を示した説明図である。
図17】第2の実施形態によるアタッチメント190‐2内部の外観を示した左側面図である。
図18】第2の実施形態によるオルダムカップリング192の構成を示す斜視図である。
図19】第2の実施形態によるオルダムカップリング192の構成を示す分解斜視図である。
図20】第2の実施形態による中間部材1922がスライドする様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてユーザ端末20aおよびユーザ端末20bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、ユーザ端末20aおよびユーザ端末20bを特に区別する必要が無い場合には、単にユーザ端末20と称する。
【0013】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.情報処理システムの基本構成
2.第1の実施形態
3.第2の実施形態
4.変形例
【0014】
なお、本明細書及び図面において、第1の実施形態による錠前デバイス10‐1、および第2の実施形態による錠前デバイス10‐2を総称して、錠前デバイス10と称する場合がある。
【0015】
<<1.情報処理システムの基本構成>>
<1−1.基本構成>
本開示は、一例として「2.第1の実施形態」〜「3.第2の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。まず、各実施形態に共通する情報処理システムの基本構成について、図1を参照して説明する。図1に示したように、各実施形態に共通する情報処理システムは、錠前デバイス10、および、ユーザ端末20を含む。
【0016】
[1−1−1.錠前デバイス10]
錠前デバイス10は、本開示における鍵駆動装置の一例である。錠前デバイス10は、例えば家のドアの内側に取り付けられ、ドアの解錠および施錠の制御を行うための装置である。例えば、錠前デバイス10は、解錠または施錠のために、ドアの内側に設置されているサムターン(図示省略)を回転させる制御を行う。
【0017】
また、錠前デバイス10は、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などのBluetooth、Wi‐Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などに沿った無線通信により、後述するユーザ端末20との間で情報の送受信を行うことが可能である。例えば、錠前デバイス10は、例えば解錠要求や施錠要求などの処理要求をユーザ端末20から受信する。
【0018】
[1−1−2.ユーザ端末20]
ユーザ端末20は、ユーザ2が所有する端末であり、基本的には携帯型の端末である。例えば、ユーザ端末20は、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末、腕時計型デバイス、眼鏡型デバイス、または、例えばBluetoothなどに沿った通信機能を有するヘッドホンなどであってもよい。
【0019】
また、ユーザ端末20は、錠前デバイス10に対して例えば解錠要求などの各種の処理要求を行うための専用のアプリケーションを実装することが可能である。
【0020】
<1−2.課題の整理>
[1−2−1.課題1]
以上、各実施形態に共通する情報処理システムの構成について説明した。ところで、従来、モーター駆動により解錠または施錠を行うモーター式電気錠が開発されている。しかしながら、公知のモーター式電気錠では、ユーザが手動により解錠または施錠を行おうとする場合に、モーターの負荷がユーザの手にかかるという問題がある。このため、手動操作が重くなり、例えば子どもや高齢者などのユーザには、手動により解錠または施錠を行うことが非常に困難であった。
【0021】
[1−2−2.課題2]
なお、上記のモーターの負荷を軽減する目的で、90度以内の遊びを設けた方式の電気錠も提案されている。例えば、モーターがつまみを一方向に180度回転させた後に、つまみを逆方向に90度回転させる電気錠が提案されている。このような構成によれば、90度だけ遊びが生じるので、90度以内であればユーザが手動で容易につまみを回すことが可能となる。
【0022】
しかしながら、解錠または施錠のための回転角度が90度よりも大きいサムターンが現在広く普及している。このような回転角度が90度よりも大きいサムターンについては、上記の電気錠では仮に遊びを生じさせたとしても、手動により解錠または施錠することが、やはり困難である。
【0023】
[1−2−3.課題3]
また、別の課題として以下が挙げられる。一般的に、例えば不動産管理などの用途で、電気錠に対する手動操作のログを記録することが望まれている。そして、手動操作のログを記録するためには、電気錠は、例えば回転計測センサを用いて手動操作を検出する必要がある。
【0024】
しかしながら、通常の回転計測センサは消費電力が大きい。その結果、電気錠に搭載される電池の電力量が短期間で不足してしまう恐れがある。
【0025】
そこで、上記事情を一着眼点にして、各実施形態による錠前デバイス10を創作するに至った。錠前デバイス10は、モーター178の駆動によりサムターンを回転可能であり、かつ、ユーザが手動操作によりサムターンを容易に回転させることが可能である。また、錠前デバイス10は、手動操作のログを記録する目的での消費電力を抑制することが可能である。
【0026】
<<2.第1の実施形態>>
<2−1.構成>
[2−1−1.外観構成]
次に、第1の実施形態による構成について詳細に説明する。まず、第1の実施形態による錠前デバイス10‐1の外観構成について、図2図4を参照して説明する。図2は、錠前デバイス10‐1の外観を示した斜視図である。また、図3は、錠前デバイス10‐1の正面図である。また、図4は、錠前デバイス10‐1の左側面図である。
【0027】
図2図4に示したように、錠前デバイス10‐1は、つまみ102、および、アタッチメント190‐1を備える。つまみ102は、例えばドアに設置されているサムターンをユーザが手動で回すための部分である。また、アタッチメント190‐1は、サムターンに着脱可能に連結される部分である。例えば、錠前デバイス10‐1は、後述するモーター178の駆動に基づいて、アタッチメント190‐1を介してサムターンを回すことが可能である。
【0028】
なお、通常、ユーザがつまみ102を回す際の手の力の大きさは推測できない。仮につまみ102とアタッチメント190‐1との間に何らかのギアが挟まれている場合には、ユーザが強くつまみ102を回すと、当該ギアに大きな力がかかり、その結果、当該ギアが壊れてしまう恐れがある。そこで、図2および図4に示したように、例えば、つまみ102と、アタッチメント190‐1とは同軸上に設置され得る。かかる構成によれば、ユーザがつまみ102を回す際における錠前デバイス10‐1の耐久性を向上させることができる。
【0029】
ここで、図5および図6を参照して、錠前デバイス10‐1の筐体内部の外観構成について説明する。図5は、錠前デバイス10‐1の筐体内部の外観を示した説明図(正面図)である。また、図6は、錠前デバイス10‐1の左側面に平行な方向での断面を示した説明図である。図5および図6に示したように、錠前デバイス10‐1は、第1ギア100、中央ギア110、クラッチ120、トルクリミッタ130、二個のストッパー140、手動検出スイッチ172、クラッチ位置検出スイッチ176、および、モーター178を備える。
【0030】
ところで、現在広く普及しているドアでは、通常、ドア端からサムターン中心までの距離が例えば30mm以上となるようにサムターンが設置されている場合が多い。このため、できるだけ多くの種類のドアに錠前デバイス10‐1を設置可能とするためには、錠前デバイス10‐1の本体幅(つまり図5に示したX軸方向の錠前デバイス10‐1の長さ)は、例えば60mm以下など、所定の長さ以下に設計されることが望ましい。そこで、図5に示したように、例えば、第1ギア100、中央ギア110、およびクラッチ120などの部品は、図5に示したY軸の方向に一列に並べて配置され得る。かかる構成によれば、錠前デバイス10‐1の本体幅をできるだけ狭くすることが可能となる。
【0031】
(2−1−1−1.第1ギア100)
第1ギア100は、後述するモーター178から伝達される、サムターンを回転させる駆動力をサムターンに伝達するためのギアである。また、第1ギア100には、つまみ102が連結される。図5に示したように、例えば、第1ギア100の中心位置に出力軸1020が設けられ、そして、出力軸1020につまみ102が連結される。また、第1ギア100は、アタッチメント190‐1と同軸上に設置され得る。
【0032】
なお、現在普及しているドアでは、サムターンの下方にはドアハンドルなどが配置されている場合が多い。このため、上述したようにつまみ102とアタッチメント190‐1とが同軸上に設置される場合、仮に第1ギア100よりも下方に例えば中央ギア110などの部品が配置されるとすると、錠前デバイス10‐1がドアに設置される際に、錠前デバイス10‐1の底部の位置が、配置される部品の長さ以上サムターンよりも低い位置になる。このため、錠前デバイス10‐1の底部が、ドアに設置されているドアハンドルなどと干渉してしまうことにより、錠前デバイス10‐1がドアに設置できない恐れがある。そこで、図5に示したように、第1ギア100は、中央ギア110よりも下方に設置され得る。かかる構成によれば、サムターンと錠前デバイス10‐1の底部との間の距離をより狭くすることができるので、錠前デバイス10‐1をより多くの種類のドアに設置可能となる。
【0033】
(2−1−1−2.中央ギア110)
中央ギア110は、図5に示したように、第1ギア100と噛合った状態で設置されるギアである。また、中央ギア110は、上述したように、第1ギア100と遊星ギア124との間に設置され得る。また、図5に示したように、中央ギア110上には、回転計測部174が設置される。
【0034】
(2−1−1−3.回転計測部174)
回転計測部174は、第1ギア100の回転量を計測するためのセンサである。例えば、回転計測部174は、中央ギア110の回転量を計測することにより、第1ギア100の回転量を計測する。
【0035】
また、回転計測部174は、第1ギア100の回転の角度および回転の方向を計測する。一例として、回転方向が時計回りである場合が正の値の角度で、また、反時計回りである場合が負の値の角度であるなど、予め回転方向に対応付けて符号が設定されている場合には、回転計測部174は、第1ギア100の回転量を、符号付きの角度として計測する。
【0036】
なお、回転計測部174が中央ギア110上に設置される理由としては、例えば、一般的に回転計測部174のサイズが大きく、配置スペースを節約するためや、第1ギア100の回転量を360度以上計測可能とするためなどが挙げられる。
【0037】
(2−1−1−4.クラッチ120)
クラッチ120は、モーター178からの駆動力を受けて回転する機構である。図5または図6に示したように、クラッチ120は、例えば、太陽ギア122、二個の遊星ギア124、および、キャリア1200を含む。ここで、太陽ギア122は、本開示におけるモーターギアの一例である。また、遊星ギア124は、本開示におけるクラッチギアの一例である。
【0038】
太陽ギア122は、モーター178からの駆動力を受けて回転するギアである。例えば、太陽ギア122は、モーター178に含まれるモーター出力軸1780と連結している。そして、モーター178によりモーター出力軸1780が回転されると、太陽ギア122は、例えばモーター出力軸1780を中心としてモーター出力軸1780の周りを回転する。
【0039】
遊星ギア124は、モーター178が発生させた駆動力を第1ギア100に伝達するためのギアである。この遊星ギア124は、太陽ギア122と第1ギア100との間に配置される。例えば、遊星ギア124は、太陽ギア122と噛合った状態で設置される。
【0040】
また、遊星ギア124は、太陽ギア122と第1ギア100との間の駆動力の伝達経路の遮断と形成を切り替える。かかる構成によれば、太陽ギア122と第1ギア100との間の駆動力の伝達経路が形成された場合には、モーター178からの駆動力を第1ギア100に伝達させることができる。また、太陽ギア122と第1ギア100との間の駆動力の伝達経路が遮断された場合には、モーター178の負荷がつまみ102にかからない。
【0041】
例えば、遊星ギア124は、モーター178の回転に基づいて、上記の伝達経路を遮断するニュートラル位置と、上記の伝達経路を形成する噛合い位置との間で移動する。ここで、ニュートラル位置は、本開示における第1の位置の一例であり、また、噛合い位置は、本開示における第2の位置の一例である。ニュートラル位置は、例えば図5に示したような、遊星ギア124が、中央ギア110と接触していない位置である。また、噛合い位置は、例えば、後述する図12に示したような、遊星ギア124が、中央ギア110と噛合っている位置である。
【0042】
ここで、上記の内容についてより詳細に説明すると、モーター178の回転により、まず、遊星ギア124は、例えばモーター出力軸1780を中心として公転することにより、キャリア1200がストッパー140に接触するまで移動する。これにより、遊星ギア124は、ニュートラル位置から噛合い位置に移動する。
【0043】
そして、キャリア1200がストッパー140に接触した際の遊星ギア124の位置において、モーター178の同じ方向の回転に基づいて、遊星ギア124は自転する。これにより、モーター178からの駆動力が、中央ギア110、および第1ギア100に伝達する。
【0044】
なお、現在普及しているサムターンでは、種類によって、解錠または施錠のための回転方向が異なっている。このため、できるだけ多くの種類のサムターンに対して解施錠可能とするためには、モーター178の駆動によって、時計回りおよび反時計回りの二種類の方向に第1ギア100を回転可能であることが望ましい。そこで、遊星ギア124は、図5に示したように、二個設置され得る。かかる構成によれば、二個の遊星ギア124がニュートラル位置に位置する状態において、例えば、モーター178が第1の方向に回転した場合には、二個の遊星ギア124のうち一方を噛合い位置に移動させることにより、第1ギア100を時計回りに回転させることができる。また、第1の方向と反対の方向にモーター178が回転した場合には、二個の遊星ギア124のうち他方を噛合い位置に移動させることにより、第1ギア100を反時計回りに回転させることができる。
【0045】
キャリア1200は、クラッチ120を例えば全体的に覆うカバーである。
【0046】
(2−1−1−5.手動検出スイッチ172)
手動検出スイッチ172は、本開示における操作検出部の一例である。手動検出スイッチ172は、ユーザがつまみ102を回す操作の開始を検出するためのスイッチである。例えば、手動検出スイッチ172は、検知部1720を含み、そして、検知部1720が第1ギア100と接触したか否かによって、第1ギア100の回転の開始を検出する。
【0047】
ここで、図7および図8を参照して、上記の内容についてより詳細に説明する。図7は、手動検出スイッチ172による検出結果がOFFである場合における、検知部1720と、第1ギア100に含まれる突起1000との位置関係を示した説明図である。なお、図7に示したように、第1ギア100は、例えば、隣接する突起1000の間隔が所定の角度(図7における‘α’)に定められている複数の突起1000を含む。ここで、所定の角度は、例えば45度であってもよい。この理由は、現在普及している多くのサムターンでは、解錠および施錠の角度が例えば45度、90度、または180度など、45度以上の一定間隔に定められているためである。
【0048】
例えば、手動検出スイッチ172による検出結果がOFFである場合には、図7に示したように、検知部1720は、いずれの突起1000とも接触していない。
【0049】
また、図8は、図7に示した状態においてユーザがつまみ102を図7における反時計回りに約「α/2」だけ回転した際の、検知部1720と突起1000との位置関係を示した説明図である。手動検出スイッチ172による検出結果がOFFであり、かつ、図8に示したように検知部1720と突起1000bとが接触した場合には、手動検出スイッチ172は、第1ギア100の回転の開始を検出する。例えば、上記の場合には、手動検出スイッチ172は、検出結果をOFFからONに切り替える。
【0050】
(2−1−1−6.クラッチ位置検出スイッチ176)
クラッチ位置検出スイッチ176は、本開示における検出部の一例である。クラッチ位置検出スイッチ176は、遊星ギア124の位置が噛合い位置にあるか否かを検出する。例えば、図5に示したように、クラッチ位置検出スイッチ176は、検知部1760を含み、そして、検知部1760がキャリア1200と接触しているか否かによって、遊星ギア124の位置が噛合い位置にあるか否かを検出する。一例として、図5に示した、キャリア1200に含まれる凹部の側面1202aまたは凹部の側面1202bと検知部1760とが接触している場合には、クラッチ位置検出スイッチ176は、遊星ギア124の位置が噛合い位置にあることを検出する。また、凹部の側面1202と検知部1760とが接触していない場合には、クラッチ位置検出スイッチ176は、遊星ギア124の位置がニュートラル位置にあることを検出する。
【0051】
(2−1−1−7.モーター178)
モーター178は、モーター出力軸1780を含む原動機である。このモーター178は、後述するモーター制御部152の制御に従って、例えばモーター出力軸1780を回転させる。
【0052】
(2−1−1−8.トルクリミッタ130)
トルクリミッタ130は、太陽ギア122とモーター出力軸1780との間に設置される。例えば、トルクリミッタ130にかかるトルクが所定の閾値を超えた場合には、トルクリミッタ130は、モーター出力軸1780の周りを滑動する。
【0053】
ここで、図9を参照して、上記の内容についてより詳細に説明する。図9は、図6に示した断面領域30を拡大した拡大図である。図9に示したように、例えば、トルクリミッタ130は、摩擦板1210上に設置される。また、摩擦板1210は、板ばね1212上に設置される。
【0054】
そして、トルクリミッタ130にかかるトルクが所定の閾値を超えた場合には、トルクリミッタ130は、摩擦板1210上で滑動するように設計される。また、トルクリミッタ130にかかるトルクが所定の閾値以下である場合には、トルクリミッタ130は、摩擦板1210上で滑動しない。
【0055】
‐効果1
かかる構成によれば、例えば、モーター178が停止し、かつ、二個の遊星ギア124のうちいずれかが噛合い位置に位置している場合において、ユーザがつまみ102を強い力で回転させた場合には、ユーザの手の力が中央ギア110、および、遊星ギア124を介してトルクリミッタ130に伝達されることにより、ユーザは、トルクリミッタ130を摩擦板1210上で滑動させることが可能となる。その結果、遊星ギア124が噛合い位置に位置している場合であっても、ユーザは、サムターンを手動で回転させることが可能となる。
【0056】
なお、上述したモーター178が停止し、かつ、遊星ギア124が噛合い位置に位置する場合の例としては、例えば、錠前デバイス10‐1に内蔵される電池(図示省略)の電力量が不足した場合や、モーター178が故障した場合などが挙げられる。
【0057】
‐効果2
また、通常時では、トルクリミッタ130と摩擦板1210との間で一定の大きさの摩擦力は働くので、トルクリミッタ130は、摩擦板1210上で滑動することがない。
【0058】
なお、摩擦板1210は、板ばね1212上に設置され得る。このため、トルクリミッタ130にかかるトルクが所定の閾値を超えた場合には、トルクリミッタ130は、(板ばね1212が設置されていない場合と比較して)より滑らかにモーター出力軸1780の周りを滑動し得る。
【0059】
[2−1−2.内部構成]
以上、錠前デバイス10‐1の外観構成について説明した。次に、錠前デバイス10‐1の内部構成について詳細に説明する。図10は、錠前デバイス10‐1の内部構成の例を示した機能ブロック図である。図10に示したように、錠前デバイス10‐1は、制御部150、通信部170、手動検出スイッチ172、回転計測部174、クラッチ位置検出スイッチ176、モーター178、および記憶部180を有する。なお、以下では、上記の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0060】
(2−1−2−1.制御部150)
制御部150は、錠前デバイス10‐1に内蔵される、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのハードウェアを用いて、錠前デバイス10‐1の動作を全般的に制御する。また、図10に示したように、制御部150は、モーター制御部152、計測制御部154、施錠状態判定部156、およびログ記録部158を有する。
【0061】
(2−1−2−2.モーター制御部152)
モーター制御部152は、モーター178の回転を制御する。例えば、鍵駆動要求が取得された場合に、モーター制御部152は、取得された鍵駆動要求に基づいてモーター178の回転を制御する。また、鍵駆動要求に基づく鍵駆動の終了後に、モーター制御部152は、クラッチ位置検出スイッチ176による検出結果に基づいて、モーター178の回転を制御する。ここで、鍵駆動要求は、例えばユーザ端末20から受信されてもよい。または、鍵駆動要求は、例えば錠前デバイス10‐1に実装されているオートロックシステムにより所定のタイミングで発生されるなど、制御部150により所定のタイミングで発生される要求であってもよい。
【0062】
‐制御例1
一例として、鍵駆動要求が取得された場合には、モーター制御部152は、二個の遊星ギア124のうち当該鍵駆動要求に応じた遊星ギア124の位置をニュートラル位置から噛み合い位置へ移動させるようにモーター178の回転を制御する。
【0063】
ここで、図11図13を参照して、上記の機能についてより詳細に説明する。図11は、鍵駆動要求が取得される前におけるクラッチ120と中央ギア110との位置関係を示した説明図である。図11に示した状態において、解錠させるための鍵駆動要求が取得された場合には、モーター制御部152は、図11における例えば時計回りに所定の回転量だけモーター出力軸1780が回転するようにモーター178の回転を制御する。これにより、図12に示したように、遊星ギア124bの位置が噛み合い位置に到達し、そして、モーター178が発生させた駆動力が、太陽ギア122、遊星ギア124b、中央ギア110、第1ギア100の順に伝達される。
【0064】
また、図11に示した状態において、施錠させるための鍵駆動要求が取得された場合には、モーター制御部152は、図11における例えば反時計回りに所定の回転量だけモーター出力軸1780が回転するようにモーター178の回転を制御する。これにより、図13に示したように、遊星ギア124aの位置が噛み合い位置に到達し、そして、モーター178が発生させた駆動力が、太陽ギア122、遊星ギア124a、中央ギア110、第1ギア100の順に伝達される。
【0065】
なお、上記の説明では、解錠要求時に、図11における時計回りに太陽ギア122を回転させ、かつ、施錠要求時に、図11における反時計回りに太陽ギア122を回転させる例について説明したが、かかる例に限定されず、回転方向はそれぞれ反対であってもよい。
【0066】
‐制御例2
また、取得された鍵駆動要求に応じた鍵駆動が終了した場合には、モーター制御部152は、二個の遊星ギア124のうち当該鍵駆動要求に応じた遊星ギア124の位置を噛み合い位置からニュートラル位置へ移動させるようにモーター178の回転を制御する。より具体的には、上記の場合には、モーター制御部152は、まず、鍵駆動要求の取得時における回転方向とは反対の方向にモーター出力軸1780が回転するようにモーター178に回転を開始させる。そして、モーター制御部152は、当該鍵駆動要求に応じた遊星ギア124の位置が噛合い位置からニュートラル位置に移動したことがクラッチ位置検出スイッチ176により検出された場合に、モーター178に回転を終了させる。
【0067】
(2−1−2−3.計測制御部154)
計測制御部154は、手動検出スイッチ172による検出結果に基づいて、回転計測部174による第1ギア100の回転量の計測を制御する。例えば、計測制御部154は、第1ギア100の回転の開始が手動検出スイッチ172により検出された場合には、第1ギア100の回転量の計測を回転計測部174に開始させる。また、計測制御部154は、回転計測部174による計測中で、かつ、第1ギア100が所定の時間以上回転していないことが手動検出スイッチ172により検出された場合には、第1ギア100の回転量の計測を回転計測部174に終了させる。
【0068】
(2−1−2−4.施錠状態判定部156)
施錠状態判定部156は、回転計測部174による計測結果に基づいてサムターンが施錠状態であるか否かを判定する。例えば、施錠状態判定部156は、回転計測部174による計測が終了した際の、回転計測部174による計測結果に基づいてサムターンが施錠状態であるか否かを判定する。
【0069】
(2−1−2−5.ログ記録部158)
ログ記録部158は、回転計測部174による計測結果、および、施錠状態判定部156による判定結果を、後述する操作ログDB182に記録する。
【0070】
‐操作ログDB182
操作ログDB182は、錠前デバイス10‐1に対する操作のログが格納されるデータベースである。例えば、操作ログDB182では、操作日時、計測された第1ギア100の回転量、および、操作後に判定されたサムターンの施錠状態が対応付けて格納される。なお、操作ログDB182には、計測された第1ギア100の回転方向がさらに対応付けて格納されてもよい。また、操作ログDB182には、さらに、ユーザ端末20の識別情報、および、当該ユーザ端末20から受信された鍵駆動要求の内容が対応付けて格納されることも可能である。
【0071】
(2−1−2−6.通信部170)
通信部170は、例えばBLEなどに沿った無線通信により、他の装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部170は、鍵駆動要求をユーザ端末20から受信する。
【0072】
(2−1−2−7.記憶部180)
記憶部180は、例えば操作ログDB182などの各種のデータや、各種のソフトウェアを記憶することが可能である。
【0073】
なお、その他の構成要素の機能については、上記の説明と概略同様である。
【0074】
<2−2.作用>
以上、第1の実施形態の構成について説明した。次に、第1の実施形態の構成による作用について説明する。
【0075】
上述したように、鍵駆動要求が取得された場合には、モーター制御部152は、モーター出力軸1780が一方向に回転するようにモーター178の回転を制御する。これにより、モーター出力軸1780と連結している太陽ギア122が一方向に回転することにより、太陽ギア122と連結している遊星ギア124の位置がニュートラル位置から噛み合い位置に移動する。そして、遊星ギア124と中央ギア110とが噛合うことにより、太陽ギア122と第1ギア100との間におけるモーター178の駆動力の伝達経路が形成される。その結果、モーター178の駆動力がサムターンに伝達されることにより、サムターンが回転し、解錠または施錠される。
【0076】
また、鍵駆動要求に基づく鍵駆動が終了した際には、モーター制御部152は、モーター出力軸1780が、鍵駆動要求の取得時の回転方向と反対の方向に回転するようにモーター178の回転を制御する。これにより、鍵駆動要求の取得時とは反対の方向に太陽ギア122が回転することにより、中央ギア110と噛合っている遊星ギア124の位置が噛み合い位置からニュートラル位置に移動する。これにより、遊星ギア124と中央ギア110とが接触しなくなることにより、太陽ギア122と第1ギア100との間での上記の伝達経路が遮断される。その結果、モーター178の負荷がつまみ102にかからなくなる。
【0077】
<2−3.動作>
以上、第1の実施形態の作用について説明した。次に、第1の実施形態の動作について、「2−3−1.手動操作による解施錠時の動作」〜「2−3−2.モーター駆動による解施錠時の動作」において説明する。
【0078】
[2−3−1.手動操作による解施錠時の動作]
まず、図14を参照して、第1の実施形態による手動操作による解施錠時の動作について説明する。図14に示したように、まず、ユーザは、解錠もしくは施錠するために、つまみ102を手動で回す(S101)。
【0079】
この際、錠前デバイス10‐1の制御部150は、手動検出スイッチ172による検出結果がOFFからONに変化するまで待機する(S103)。そして、手動検出スイッチ172がONに変化した場合には(S103:Yes)、制御部150は、外部入力割り込みをONに設定する(S105)。
【0080】
続いて、回転計測部174は、計測制御部154の制御に従って、中央ギア110の回転量の計測を開始することにより、第1ギア100の回転量の計測を開始する(S107)。
【0081】
その後、制御部150は、所定の時間が経過するまで待機する(S109)。なお、この際、つまみ102が所定の角度以上ユーザにより回転された場合には、解錠または施錠される。
【0082】
そして、所定の時間が経過した場合には(S109:Yes)、制御部150は、手動検出スイッチ172による現在の検出値がOFFになっているか否かを判定する(S111)。手動検出スイッチ172による現在の検出値がONである場合には(S111:No)、制御部150は、再びS109の動作を行う。
【0083】
一方、手動検出スイッチ172による現在の検出値がOFFである場合には(S111:Yes)、制御部150は、外部入力割り込みをOFFに設定する(S113)。
【0084】
続いて、回転計測部174は、計測制御部154の制御に従って、第1ギア100の回転量の計測を終了する(S115)。
【0085】
続いて、施錠状態判定部156は、S107〜S115における第1ギア100の回転量の計測結果に基づいてサムターンが施錠状態であるか否かを判定する(S117)。
【0086】
その後、ログ記録部158は、S107〜S115における第1ギア100の回転量の計測結果、および、S117における施錠状態の判定結果を操作ログDB182に記録する(S119)。
【0087】
[2−3−2.モーター駆動による解施錠時の動作]
以上、手動操作による解施錠時の動作について説明した。次に、図15を参照して、第1の実施形態によるモーター駆動による解施錠時の動作について説明する。図15に示したように、まず、錠前デバイス10‐1の制御部150は、例えば解錠要求もしくは施錠要求などの鍵駆動要求が例えばユーザ端末20から取得されたか否かを判定する(S201)。鍵駆動要求が取得されていない場合には(S201:No)、制御部150は、例えば一定時間待機し、そして、再びS201の動作を行う。
【0088】
一方、鍵駆動要求が取得された場合には(S201:Yes)、モーター制御部152は、取得された要求に応じた回転方向にモーター出力軸1780が回転するようにモーター178に回転を開始させる(S203)。
【0089】
その後、モーター178の回転に基づいて、二個の遊星ギア124のうち当該鍵駆動要求に応じた遊星ギア124aの位置がニュートラル位置から噛合い位置へ移動する(S205)。これにより、太陽ギア122と第1ギア100との間において、モーター178による駆動力の伝達経路が形成される。その結果、モーター178による駆動力が第1ギア100へ伝達される(S207)。
【0090】
その後、モーター制御部152は、モーター出力軸1780が所定の回転量回転するまでモーター178に回転を継続させる(S209)。これにより、解錠または施錠される。
【0091】
そして、モーター出力軸1780が所定の回転量回転した場合には(S209:Yes)、モーター制御部152は、モーター出力軸1780の回転方向を逆方向に切り替え、そして、モーター178に回転を再開させる(S211)。
【0092】
そして、遊星ギア124aの位置が噛合い位置からニュートラル位置へ移動したことがクラッチ位置検出スイッチ176により検出された場合には(S213:Yes)、モーター制御部152は、モーター178に回転を終了させる(S215)。
【0093】
<2−4.効果>
[2−4−1.効果1]
以上説明したように、第1の実施形態による錠前デバイス10‐1は、鍵駆動要求が取得された場合には、モーター178を一方向に回転させ、遊星ギア124の位置をニュートラル位置から噛み合い位置へ移動させる。これにより、太陽ギア122と第1ギア100との間でのモーター178の駆動力の伝達経路が形成される。このため、サムターンにモーター178の駆動力が伝達されるので、サムターンを自動的に回転させることができ、解錠または施錠することができる。
【0094】
[2−4−2.効果2]
また、鍵駆動要求に基づく鍵駆動の終了後には、錠前デバイス10‐1は、鍵駆動要求の取得時とは反対の方向にモーター178を回転させ、遊星ギア124の位置を噛み合い位置からニュートラル位置へ移動させる。これにより、太陽ギア122と第1ギア100との間での上記の伝達経路が遮断される。このため、モーター178の負荷がつまみ102にかからないので、ユーザは、手動でつまみ102を容易に回すことができ、サムターンを回すことができる。
【0095】
また、ユーザは手動でつまみ102を360度以上回すことができるので、サムターンを手動で360度以上回すことが可能となる。例えば、解錠または施錠のための回転角度が90度よりも大きい種類のサムターンであっても、ユーザは、手動で解錠または施錠することが可能となる。
【0096】
[2−4−3.効果3]
また、(鍵駆動要求に基づく鍵駆動の終了後には)モーター178の負荷がつまみ102にかからないので、整摩擦が大きな減速比の高いギアを例えば太陽ギア122や第1ギア100に使用することが可能である。従って、錠前デバイス10‐1は小型であっても、大きなトルクのサムターンを解施錠することができる。
【0097】
[2−4−4.効果4]
また、錠前デバイス10‐1は、ユーザによる手動操作が検出された場合に限り回転計測部174に第1ギア100の回転量を計測させる。このため、回転計測部174による消費電力を抑制しつつ、かつ、錠前デバイス10‐1に対する手動操作のログを記録することが可能となる。
【0098】
<<3.第2の実施形態>>
<3−1.背景>
以上、第1の実施形態について説明した。続いて、第2の実施形態について説明する。最初に、第2の実施形態を創作するに至った背景について、図16を参照して説明する。各実施形態による錠前デバイス10は、例えば図16に示した矢印Aのように、ユーザによりサムターンを覆うようにドアに取り付けられる。
【0099】
ところで、ユーザの取り付け方次第によっては、図16に示した二本の一点鎖線のように、取り付け対象のサムターンと、錠前デバイス10の出力軸との間で芯ずれ(ミスアライメント)が生じることも想定される。そして、芯ずれが生じた場合には、錠前デバイス10がサムターンを回転することができない、もしくは大きな負荷トルクが発生してしまい、消費電力が増加する恐れがある。
【0100】
なお、上記の芯ずれの発生を防止することを目的として、例えば位置目安カードや所定の工具など、位置決めガイドを使用して錠前デバイス10を取り付ける方法が考えられる。かかる方法によれば、錠前デバイス10をより適切な位置に取り付けることが可能となり得る。
【0101】
しかしながら、この方法でも、やはりユーザが目見当で取り付けを行う必要があるので、芯ずれが生じ得る。例えば、見た目が複雑な形状のサムターンでは、サムターンの回転中心を目見当で正確に発見することは難しく、見た目の回転中心と実際の回転中心との間で大きな誤差が生じ得る。また、この方法では、対象となるサムターンの種類が限定されるという問題もある。
【0102】
後述するように、第2の実施形態による錠前デバイス10‐2は、出力軸1020に連結されるオルダムカップリング192を備えることにより、サムターンの回転中心と出力軸1020の回転中心とのドア平面内でのずれを吸収することが可能である。
【0103】
<3−2.構成>
次に、第2の実施形態による構成について詳細に説明する。なお、以下では、第1の実施形態と同様の内容については説明を省略する。
【0104】
錠前デバイス10‐2は、アタッチメント190‐1の代わりに、アタッチメント190‐2を備える。図17は、第2の実施形態によるアタッチメント190‐2内部の外観を示した左側面図である。図17に示したように、アタッチメント190‐2は、オルダムカップリング192を備える。
【0105】
[3−2−1.オルダムカップリング192]
オルダムカップリング192は、例えば直交2軸スライド機構により構成される機構であり、出力軸1020に連結される。図18は、オルダムカップリング192の構成を示す斜視図である。図18に示したように、オルダムカップリング192は、第1の継手部材1920、中間部材1922、第2の継手部材1924、およびアタッチメント部材1926を含む。
【0106】
(3−2−1−1.第1の継手部材1920)
また、図19は、オルダムカップリング192の構成を示す分解斜視図である。図19に示したように、第1の継手部材1920は、第1の継手部材1920の第1の端面上に形成された例えば二個の凸部1930、第1開口部1932、および第2開口部1934を有する。ここで、第1の端面は、中間部材1922に対向する面である。また、凸部1930は、第1の端面から中間部材1922に向かって突出するように形成される。また、凸部1930には、後述する、ねじ300が締結可能なねじ溝(図示省略)が設けられている。また、第1開口部1932は、例えば、第1の継手部材1920の中心位置に設けられており、かつ、出力軸1020の先端部が貫通可能な大きさの開口部である。例えば、第1開口部1932は、出力軸1020の先端部における(出力軸1020の軸方向に垂直な)断面と略同一の大きさであってもよい。また、第2開口部1934は、ねじ304の軸が貫通可能な大きさの開口部である。例えば、第2開口部1934は、ねじ304の軸方向に垂直な当該軸の断面と略同一の大きさであってもよい。また、第2開口部1934は、第1開口部1932を貫通する。
【0107】
なお、第1開口部1932には、出力軸1020の先端部が貫入される。そして、第1開口部1932、および出力軸1020の開口部1022には、ねじ304の軸が貫入され、そして、ねじ304の軸の先端部は、締結部品306のねじ溝に締結される。これにより、出力軸1020は、第1の継手部材1920に対して固定される。
【0108】
(3−2−1−2.中間部材1922)
中間部材1922は、第1の継手部材1920と第2の継手部材1924との間に配置される。中間部材1922は、例えば二個の第1スライド開口部1940、二個の第2スライド開口部1942、および、開口部1944を有する。ここで、第1スライド開口部1940は、中間部材1922の端面における第1の方向の長さが、当該端面における第1の方向に直交する方向である第2の方向の長さよりも所定の長さ以上長い。また、第2スライド開口部1942は、当該端面における第2の方向の長さが、当該端面における第1の方向の長さよりも所定の長さ以上長い。例えば、第1スライド開口部1940および第2スライド開口部1942は、長穴である。
【0109】
また、第1スライド開口部1940の中心と中間部材1922の中心とを通る直線と、第2スライド開口部1942の中心と中間部材1922の中心とを通る直線とが直交するような位置関係で、第1スライド開口部1940および第2スライド開口部1942は、中間部材1922内に設けられる。さらに、第2スライド開口部1942の中心と中間部材1922の中心とを通る直線に対して、第1スライド開口部1940aと第1スライド開口部1940bとは、対称となる位置に位置する。同様に、第1スライド開口部1940の中心と中間部材1922の中心とを通る直線に対して、第2スライド開口部1942aと第2スライド開口部1942bとは、対称となる位置に位置する。
【0110】
なお、第1スライド開口部1940には、ねじ300の軸が貫入され、そして、ねじ300の軸の先端部は、(第1の継手部材1920の)凸部1930のねじ溝に締結される。これにより、中間部材1922は、第1の継手部材1920に対して上記第2の方向に関しては固定され、上記第1の方向にはスライド可能なように固定される。
【0111】
また、開口部1944は、中間部材1922の中心位置に設けられており、かつ、出力軸1020の先端部が貫通可能な大きさの開口部である。例えば、開口部1944は、上記第1の方向の長さが(第1の継手部材1920の)第1開口部1932よりも所定の長さだけ長い。ここで、所定の長さは、第1スライド開口部1940の上記第1の方向の長さと略同一であってもよい。
【0112】
(3−2−1−3.第2の継手部材1924)
第2の継手部材1924は、第2の継手部材1924の第1の端面上に形成された例えば二個の凸部1950、および開口部1952を有する。ここで、第1の端面は、中間部材1922に対向する面である。また、凸部1950は、第1の端面から中間部材1922に向かって突出するように形成されている。また、凸部1950には、ねじ302が締結可能なねじ溝(図示省略)が設けられている。
【0113】
なお、(中間部材1922の)第2スライド開口部1942には、ねじ302の軸が貫入され、そして、ねじ302の軸の先端部は、凸部1950のねじ溝に締結される。これにより、中間部材1922は、第2の継手部材1924に対して上記第1の方向に関しては固定され、上記第2の方向にはスライド可能なように固定される。
【0114】
また、開口部1952は、例えば、第2の継手部材1924の中心位置に設けられており、かつ、出力軸1020の先端部が貫通可能な大きさの開口部である。例えば、開口部1952は、第1の端面における上記第2の方向の長さが(中間部材1922の)開口部1944よりも所定の長さだけ長い。ここで、所定の長さは、第2スライド開口部1942の上記第2の方向の長さと略同一であってもよい。
【0115】
(3−2−1−4.アタッチメント部材1926)
アタッチメント部材1926は、アタッチメント部材1926の第1の端面上に、サムターンを挟むための溝部1960を有する。ここで、第1の端面は、第2の継手部材1924に対向する第2の端面の反対側の端面である。また、溝部1960の長さは、所定の長さを有する。例えば、溝部1960の長さは、アタッチメント部材1926の直径と略同一であってもよい。また、溝部1960は、第1の端面における中心位置を含むように設けられ得る。
【0116】
このアタッチメント部材1926は、第2の継手部材1924と結合可能である。例えば、アタッチメント部材1926は、第2の継手部材1924に対してユーザが着脱可能であってもよい。かかる構成によれば、ユーザは、取り付け対象のサムターンの大きさに応じて、溝部1960の幅の長さが適切なアタッチメント部材1926を第2の継手部材1924に結合させることができる。一例として、溝部1960の幅が例えばS、M、Lなどの、幅が異なる三種類のアタッチメント部材1926を予め用意しておいてもよい。そして、ユーザは、取り付け対象のサムターンの大きさに応じて、三種類のアタッチメント部材1926の中から溝部1960の幅の長さが適切な種類のアタッチメント部材1926を選択し、そして、選択したアタッチメント部材1926を第2の継手部材1924に結合させることが可能である。これにより、オルダムカップリング192のみでは吸収できない(ドア平面における)大きな誤差を予め吸収しておくことができる。
【0117】
なお、その他の構成要素の構成および機能については、第1の実施形態と同様である。
【0118】
<3−3.作用>
以上、第2の実施形態の構成について説明した。次に、第2の実施形態の構成による作用について、図20を参照して説明する。図20は、出力軸1020の回転中心とサムターンの回転中心とがドア平面(XY平面)上でずれている場合における、出力軸1020が回転する際のオルダムカップリング192の動きの様子を示した斜視図である。なお、例えば図16に示したように、サムターンの回転軸は、ドア平面(XY平面)に対して垂直な方向(Z軸方向)を向いている。
【0119】
上述したように、中間部材1922は、第1の継手部材1920に対して、ドア平面上でのX軸方向(上記第1の方向に対応する方向)にスライド可能なように固定される。また、中間部材1922は、第2の継手部材1924に対して、ドア平面上でのY軸方向(上記第2の方向に対応する方向)にスライド可能なように固定される。
【0120】
このため、出力軸1020の回転中心とサムターンの回転中心とがドア平面上でずれている状態において、出力軸1020が回転すると、出力軸1020に固定されている第1の継手部材1920が回転することにより、中間部材1922の回転中心が第1の継手部材1920に対してX軸方向に移動し、かつ、第2の継手部材1924に対してY軸方向に移動しながら、中間部材1922が回転する。例えば、中間部材1922の回転中心が、図20に示した矢印Pのように、第1の継手部材1920に対してX軸方向に移動し、かつ、図20に示した矢印Qのように、第2の継手部材1924に対してY軸方向に移動しながら、中間部材1922が回転する。
【0121】
このように、出力軸1020の回転中心とサムターンの回転中心とのドア平面上での位置関係(ずれ)に応じて、中間部材1922の回転中心がドア平面上で適切に移動しながら中間部材1922が回転する。これにより、出力軸1020の回転が、中間部材1922の回転を介して、そのままアタッチメント部材1926に伝達される。従って、出力軸1020の回転がそのままサムターンに伝達され、サムターンが回転する。
【0122】
なお、錠前デバイス10‐2(のアタッチメント部材1926)とサムターンとの間でZ方向の誤差が存在する場合には、ユーザは、ねじ304を緩め、(出力軸1020の)開口部1022に対するねじ304の固定位置を調整することにより、当該Z方向の誤差を予め吸収することができる。
【0123】
<3−4.動作>
第2の実施形態による動作は、第1の実施形態と同様である。
【0124】
<3−5.効果>
[3−5−1.効果1]
以上説明したように、第2の実施形態による錠前デバイス10‐2は、出力軸1020に連結されるオルダムカップリング192を有するので、仮に出力軸1020の回転中心とサムターンの回転中心とがドア平面内でずれた状態でドアに取り付けられたとしても、ドア平面内での回転中心のずれを吸収することができ、出力軸1020の回転をそのままサムターンに伝達することができる。
【0125】
このため、トルク負荷の増加なく、サムターンをスムーズに回転させることができる。その結果、消費電力を抑制することができ、電池寿命を向上させたり、電池の交換回数を低下させることができる。また、錠前デバイス10‐2が正常に動作しないといったトラブルの発生を防止することができる。
【0126】
特に、オルダムカップリング192として、薄型で部品数が少なく、かつドア平面における芯ずれの吸収量が大きな機構が採用されることにより、錠前デバイス10‐2のサイズの小型化、コストの減少、および、耐久性の向上を実現することができる。
【0127】
[3−5−2.効果2]
また、第2の実施形態によれば、ユーザが錠前デバイス10‐2をドアに取り付ける際に、例えば特別な工具などを使用して錠前デバイス10‐2をできるだけ正確な位置に取り付ける作業が不要になる。従って、錠前デバイス10‐2の取り付け作業が容易になるので、ユーザの利便性が向上する。
【0128】
<<4.変形例>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0129】
<4−1.変形例1>
例えば、上述した各実施形態では、本開示におけるモーターギアが太陽ギア122である例について説明したが、かかる例に限定されない。太陽ギア122と遊星ギア124との間に一以上のギアが配置される場合には、当該モーターギアは、この一以上のギアのうちのいずれかであってもよい。
【0130】
<4−2.変形例2>
また、上述した各実施形態では、クラッチ120が遊星ギア124を二個有する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、クラッチ120は、遊星ギア124を一個だけしか有しなくてもよい。そして、この変形例による錠前デバイス10は、遊星ギア124を例えばモーター出力軸1780を中心として、中央ギア110に接近させる方向に公転させるだけでなく、中央ギア110から遠ざける方向に180度よりも大きく公転可能とする。これにより、遊星ギア124が二個設置される場合と同様に、時計回りおよび反時計回りの二種類の回転方向に第1ギア100を回転させることができる。
【0131】
<4−3.変形例3>
また、上述した各実施形態では、手動検出スイッチ172は、第1ギア100の回転を検出することにより、つまみ102に対するユーザの手動操作の開始を検出する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、手動検出スイッチ172は、中央ギア110の近辺に設置され、そして、中央ギア110の回転を検出することにより、つまみ102に対するユーザの手動操作の開始を検出してもよい。
【0132】
<4−4.変形例4>
また、上述した各実施形態では、錠前デバイス10が家の玄関や部屋のドアに設置される例を中心として説明したが、かかる例に限定されない。錠前デバイス10は、例えば、空港や駅などに設置されるロッカーのドア、自動車のドアなどの各種のドアに設置され得る。また、自転車などの施錠機構に適用されてもよい。
【0133】
<4−5.変形例5>
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0134】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
モーターからの駆動力を受けて回転するモーターギアと、
サムターンを回転させる駆動力を前記サムターンに伝達する第1ギアと、
前記モーターギアと前記第1ギアとの間に配置され、前記モーターが発生させた駆動力を前記第1ギアに伝達するクラッチギアと、
を備え、
前記クラッチギアは、前記モーターギアと前記第1ギアとの間の駆動力の伝達経路の遮断と形成を切り替える、鍵駆動装置。
(2)
前記クラッチギアは、前記モーターギアの遊星ギアであり、前記伝達経路を遮断する第1の位置と前記伝達経路を形成する第2の位置との間で移動する、前記(1)に記載の鍵駆動装置。
(3)
前記鍵駆動装置は、前記モーターの回転を制御するモーター制御部をさらに備え、
前記モーター制御部は、鍵駆動要求に応じて前記モーターを回転させ、鍵駆動の終了後、前記クラッチギアを前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させるように前記モーターの回転を制御する、前記(2)に記載の鍵駆動装置。
(4)
前記鍵駆動装置は、前記クラッチギアの位置を検出するための検出部をさらに備え、
前記モーター制御部は、前記鍵駆動の終了後、前記クラッチギアが前記第1の位置に存在することが前記検出部により検出されるように前記モーターの回転を制御する、前記(3)に記載の鍵駆動装置。
(5)
前記鍵駆動装置は、二つの前記クラッチギアを備え、
前記鍵駆動要求は、解錠要求および施錠要求を含み、
前記モーター制御部は、前記鍵駆動要求が前記解錠要求と前記施錠要求のいずれであるかによって、前記モーターの回転方向を決定し、
前記モーター制御部は、前記鍵駆動要求が前記解錠要求と前記施錠要求のいずれであるかに応じて、前記二つのクラッチギアのうちいずれか一方を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させるように前記モーターの回転を制御する、前記(3)または(4)に記載の鍵駆動装置。
(6)
前記モーターは、モーター出力軸を含み、
前記鍵駆動装置は、前記モーターギアと前記モーター出力軸との間に設置されたトルクリミッタをさらに備え、
前記トルクリミッタにかかるトルクが所定の閾値を超えた場合には、前記トルクリミッタは、前記モーター出力軸の周りを滑動する、前記(2)〜(5)のいずれか一項に記載の鍵駆動装置。
(7)
前記第1ギアには、前記サムターンを手動で回転させるためのつまみが設置されている、前記(2)〜(6)のいずれか一項に記載の鍵駆動装置。
(8)
前記鍵駆動装置は、前記サムターンに着脱可能な、前記第1ギアに連結されたアタッチメントをさらに備える、前記(7)に記載の鍵駆動装置。
(9)
前記つまみと前記アタッチメントとは、同軸上に設置されている、前記(8)に記載の鍵駆動装置。
(10)
前記鍵駆動装置は、前記第1ギアに連結された出力軸をさらに備え、
前記アタッチメントは、前記出力軸に連結されたオルダムカップリングを含む、前記(8)または(9)に記載の鍵駆動装置。
(11)
前記鍵駆動装置は、前記第1ギアの回転量を計測する回転計測部をさらに備える、前記(7)〜(10)のいずれか一項に記載の鍵駆動装置。
(12)
前記鍵駆動装置は、前記第1ギアと噛合っており、かつ、前記回転計測部が設置されている第2ギアをさらに備え、
前記第2ギアは、前記第1ギアと前記クラッチギアとの間に設置されており、
前記回転計測部は、前記第2ギアの回転の計測に基づいて前記第1ギアの回転量を計測する、前記(11)に記載の鍵駆動装置。
(13)
前記鍵駆動装置は、前記第1ギアの回転の開始を検出する操作検出部と、
前記操作検出部により前記第1ギアの回転の開始が検出された場合に、前記第1ギアの回転量の計測を前記回転計測部に開始させる計測制御部と、をさらに備える、前記(11)または(12)に記載の鍵駆動装置。
(14)
前記回転計測部による計測中で、かつ、前記第1ギアが所定の時間以上停止状態であることが前記操作検出部により検出された場合には、前記計測制御部は、前記第1ギアの回転量の計測を前記回転計測部に終了させる、前記(13)に記載の鍵駆動装置。
(15)
前記鍵駆動装置は、前記つまみの操作に関する操作ログを記憶する記憶部と、
前記回転計測部による計測結果を前記操作ログに記録するログ記録部と、をさらに備える、前記(11)〜(14)のいずれか一項に記載の鍵駆動装置。
(16)
前記鍵駆動装置は、前記回転計測部による計測結果に基づいて前記サムターンが施錠状態であるか否かを判定する施錠状態判定部をさらに備え、
前記ログ記録部は、前記施錠状態判定部による判定結果を前記操作ログにさらに記録する、前記(15)に記載の鍵駆動装置。
【符号の説明】
【0135】
10‐1、10‐2 錠前デバイス
20 ユーザ端末
100 第1ギア
102 つまみ
110 中央ギア
120 クラッチ
122 太陽ギア
124 遊星ギア
130 トルクリミッタ
140 ストッパー
150 制御部
152 モーター制御部
154 計測制御部
156 施錠状態判定部
158 ログ記録部
170 通信部
172 手動検出スイッチ
174 回転計測部
176 クラッチ位置検出スイッチ
178 モーター
180 記憶部
182 操作ログDB
190‐1、190‐2 アタッチメント
192 オルダムカップリング
1000 突起
1020 出力軸
1200 キャリア
1210 摩擦板
1212 板ばね
1780 モーター出力軸
1920 第1の継手部材
1922 中間部材
1924 第2の継手部材
1926 アタッチメント部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20