特開2016-223306(P2016-223306A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223306(P2016-223306A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】可変容量型斜板式液圧回転機
(51)【国際特許分類】
   F04B 1/22 20060101AFI20161205BHJP
   F03C 1/253 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   F04B1/22
   F03C1/253
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-107680(P2015-107680)
(22)【出願日】2015年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松尾 力
(72)【発明者】
【氏名】横町 尚也
(72)【発明者】
【氏名】上田 祐規
(72)【発明者】
【氏名】宇野 峰志
【テーマコード(参考)】
3H070
3H084
【Fターム(参考)】
3H070AA01
3H070BB04
3H070BB06
3H070CC07
3H070CC31
3H070DD02
3H070DD13
3H070DD47
3H084AA08
3H084AA16
3H084BB09
3H084BB23
3H084CC02
3H084CC14
3H084CC33
3H084CC58
(57)【要約】
【課題】製造を容易なものとしつつも、斜板保持部の被摺動面の損傷を抑制すること。
【解決手段】摺動部32は鍛造によって形成され、摺動面32aは、摺動部32の表面を削って仕上げ加工を施すことで形成されている。摺動面32aに連続する溝40の開口縁には、鍛造によって形成された面取り部41が設けられている。これによれば、摺動部32の表面を削って仕上げ加工を施すことで摺動面32aを形成しても、摺動面32aに連続する溝40の開口縁に、鍛造によって形成された面取り部41が設けられているため、摺動部32を鍛造によって形成しても溝40の開口縁がピン角になっていない。よって、摺動面32aに溝加工を施す場合に比べて製造が比較的容易である鍛造によって、溝40を有する摺動部32が形成され、溝40の開口縁がピン角である場合に比べると、ブッシュの被摺動面が損傷してしまうことが抑制される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、
前記回転軸と一体的に回転するシリンダブロックと、
前記シリンダブロックに形成される複数のシリンダボアと、
各シリンダボア内に収納されるピストンと、
前記ピストンの端部に設けられるシューと、
前記ハウジング内に収容されるとともに前記回転軸の回転軸線に直交する方向に対する傾角の変更が可能な斜板と、
前記斜板の傾角の変更を許容しつつ、且つ前記斜板を保持する斜板保持部と、を備え、
前記斜板は、前記シューが摺接する摺接面と、前記シリンダブロックとは反対側に向けて膨出する弧状に湾曲した摺動面を有する摺動部と、を備え、
前記斜板保持部は、前記摺動面に沿って延びるとともに前記摺動面が摺動する被摺動面を備え、
前記摺動面には、内部に作動油が供給される溝が形成されており、
前記回転軸の回転に伴って前記シリンダブロックが回転して、各シューが前記摺接面に摺接しながら、各ピストンが前記回転軸の周囲を前記回転軸の周方向に移動することで、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式液圧回転機であって、
前記摺動部は鍛造によって形成され、
前記摺動面は、前記摺動部の表面を削って仕上げ加工を施すことで形成され、
前記摺動面に連続する前記溝の開口縁には、鍛造によって形成された面取り部が設けられていることを特徴とする可変容量型斜板式液圧回転機。
【請求項2】
前記摺動面の湾曲方向に位置する前記溝の両側面は、前記面取り部に連続する直線部を含み、
前記直線部と、前記直線部の延長線と前記摺動面との交点を通過する前記摺動面に対する接線とがなす前記溝側の角度が鋭角であることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
【請求項3】
前記斜板は、前記摺動部を一対備え、
一方の摺動部は、吐出行程中のピストンに対応する側に位置するとともに、他方の摺動部は、吸入行程中のピストンに対応する側に位置しており、
前記溝は、少なくとも前記一方の摺動部の摺動面に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
【請求項4】
前記斜板には、前記吐出行程中のピストンが収納された前記シリンダボア内の作動油を、前記一方の摺動部の摺動面に形成された前記溝内に供給する供給孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変容量型斜板式液圧回転機に関する。
【背景技術】
【0002】
可変容量型斜板式液圧回転機は、例えば、エンジン式のフォークリフトに搭載される油圧ポンプや、油圧モータとして使用されている。可変容量型斜板式液圧回転機は、油圧ポンプとして使用される場合には、作動油(作動流体)の吐出容量を可変とし、油圧モータとして使用される場合には、回転速度やトルクを可変とする。このような可変容量型斜板式液圧回転機のハウジング内には回転軸が回転可能に支持されている。回転軸には、回転軸と一体的に回転するシリンダブロックが設けられている。シリンダブロックには、複数のシリンダボアが回転軸の周囲に形成されている。各シリンダボア内にはピストンが収納されている。各ピストンの端部にはシューがそれぞれ設けられている。各シューは、リテーナプレートによって保持されている。
【0003】
ハウジング内には、回転軸の回転軸線に直交する方向に対する傾斜角度(傾角)の変更が可能な斜板が収容されている。斜板におけるシリンダブロック側の端面は、各シューが摺接する平坦面状の摺接面になっている。そして、回転軸が回転してシリンダブロックが回転軸と一体的に回転すると、各シューが斜板の摺接面を摺接しながら、各ピストンが回転軸の周囲を回転軸の周方向に沿って移動する。これにより、各ピストンは、シリンダブロックの回転に伴って斜板の傾角に応じたストロークでシリンダボア内を往復動する。
【0004】
斜板は、一対の摺動部を備えている。摺動部は、シリンダブロックとは反対側に向けて膨出する弧状に湾曲した摺動面を有する。また、ハウジングは、斜板の傾角の変更を許容しつつ、且つ斜板を保持する斜板保持部を備えている。斜板保持部は、一対の摺動部の摺動面に沿って延びるとともに摺動面が摺動する被摺動面を有する。そして、一対の摺動部の摺動面が斜板保持部の被摺動面を摺動することで、斜板の傾角が変更される。
【0005】
ところで、斜板の傾角の変更に伴って、摺動部の摺動面が斜板保持部の被摺動面を摺動するため、摺動面と被摺動面との間では摩擦が生じる。そこで、摺動部の摺動面に溝を形成し、溝内に作動油を供給しているものが、例えば特許文献1に開示されている。これによれば、溝(特許文献1では油ポケット)内に供給された作動油の圧力によって、斜板をピストンに向けて押し返す力が発生し、摺動面と被摺動面との間に油膜が形成されることで、摺動面と被摺動面との間の面圧が低減され、斜板の傾角の変更に伴う摺動面と被摺動面との間の摩擦が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平4−32272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の可変容量型ピストンポンプのように、摺動部の摺動面に溝を形成するために、摺動面に溝加工を施すと、溝加工を施す分だけ製造が煩雑なものとなる。そこで、摺動面に溝加工を施す場合に比べて製造が比較的容易である鍛造によって、溝を有する摺動部を形成することが考えられる。しかし、鍛造によって形成された摺動部の表面は粗いため、摺動部の表面を削って仕上げ加工を施す必要がある。このとき、仕上げ加工されることで形成された摺動面に連続する溝の開口縁がピン角になる場合がある。溝の開口縁がピン角になると、溝の開口縁が斜板保持部の被摺動面に摺動することで、斜板保持部の被摺動面が損傷してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、製造を容易なものとしつつも、斜板保持部の被摺動面の損傷を抑制することができる可変容量型斜板式液圧回転機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する可変容量型斜板式液圧回転機は、ハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、前記回転軸と一体的に回転するシリンダブロックと、前記シリンダブロックに形成される複数のシリンダボアと、各シリンダボア内に収納されるピストンと、前記ピストンの端部に設けられるシューと、前記ハウジング内に収容されるとともに前記回転軸の回転軸線に直交する方向に対する傾角の変更が可能な斜板と、前記斜板の傾角の変更を許容しつつ、且つ前記斜板を保持する斜板保持部と、を備え、前記斜板は、前記シューが摺接する摺接面と、前記シリンダブロックとは反対側に向けて膨出する弧状に湾曲した摺動面を有する摺動部と、を備え、前記斜板保持部は、前記摺動面に沿って延びるとともに前記摺動面が摺動する被摺動面を備え、前記摺動面には、内部に作動油が供給される溝が形成されており、前記回転軸の回転に伴って前記シリンダブロックが回転して、各シューが前記摺接面に摺接しながら、各ピストンが前記回転軸の周囲を前記回転軸の周方向に移動することで、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式液圧回転機であって、前記摺動部は鍛造によって形成され、前記摺動面は、前記摺動部の表面を削って仕上げ加工を施すことで形成され、前記摺動面に連続する前記溝の開口縁には、鍛造によって形成された面取り部が設けられている。
【0010】
これによれば、摺動部の表面を削って仕上げ加工を施すことで摺動面を形成しても、摺動面に連続する溝の開口縁に、鍛造によって形成された面取り部が設けられているため、摺動部を鍛造によって形成しても溝の開口縁がピン角になっていない。よって、摺動面に溝加工を施す場合に比べて製造が比較的容易である鍛造によって、溝を有する摺動部を形成することができ、溝の開口縁がピン角である場合に比べると、斜板保持部の被摺動面が損傷してしまうことを抑制することができる。したがって、製造を容易なものとしつつも、斜板保持部の被摺動面の損傷を抑制することができる。
【0011】
上記可変容量型斜板式液圧回転機において、前記摺動面の湾曲方向に位置する前記溝の両側面は、前記面取り部に連続する直線部を含み、前記直線部と、前記直線部の延長線と前記摺動面との交点を通過する前記摺動面に対する接線とがなす前記溝側の角度が鋭角であることが好ましい。
【0012】
これによれば、直線部と接線とがなす溝側の角度が鈍角である場合に比べると、摺動部の摺動面と斜板保持部の被摺動面とが摺動する際に、溝の開口縁が被摺動面に摺動し難くなるため、斜板保持部の被摺動面の損傷をさらに抑制することができる。
【0013】
上記可変容量型斜板式液圧回転機において、前記斜板は、前記摺動部を一対備え、一方の摺動部は、吐出行程中のピストンに対応する側に位置するとともに、他方の摺動部は、吸入行程中のピストンに対応する側に位置しており、前記溝は、少なくとも前記一方の摺動部の摺動面に形成されていることが好ましい。
【0014】
可変容量型斜板式液圧回転機においては、ピストンの吐出行程によって作動油を吐出する際に作動油からピストンに作用する反力がピストン及びシューを介して斜板に作用し、摺動部の摺動面と斜板保持部の被摺動面との間の面圧が高くなる。よって、摺動面と被摺動面との間において、吐出行程中のピストンに対応する側の面圧は、吸入行程中のピストンに対応する側の面圧よりも高くなっており、被摺動面に局所的な負荷が作用することになるため、斜板の傾角の変更がスムーズに行われ難い。そこで、少なくとも一方の摺動部の摺動面に溝を形成することで、一方の摺動部の摺動面に形成された溝内に供給された作動油の圧力によって、斜板をピストンに向けて押し返す力が発生し、一方の摺動部の摺動面と被摺動面との間に油膜が形成されることで、一方の摺動部の摺動面と被摺動面との面圧が低減される。その結果、斜板保持部の被摺動面に局所的な負荷が作用し難くなり、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
【0015】
上記可変容量型斜板式液圧回転機において、前記斜板には、前記吐出行程中のピストンが収納された前記シリンダボア内の作動油を、前記一方の摺動部の摺動面に形成された前記溝内に供給する供給孔が形成されていることが好ましい。
【0016】
吐出行程中のピストンが収納されたシリンダボア内の作動油の圧力は、吸入行程中のピストンが収納されたシリンダボア内の作動油の圧力よりも高くなっている。よって、供給孔を介して一方の摺動部の摺動面に形成された溝内に供給された作動油の圧力によって、斜板をピストンに向けて押し返す力を発生させ易くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、製造を容易なものとしつつも、斜板保持部の被摺動面の損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態における可変容量型ピストンポンプを示す側断面図。
図2】斜板の斜視図。
図3】斜板の一部分を示す縦断面図。
図4図3における4−4線断面図。
図5】ブッシュと摺動部との関係を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、可変容量型斜板式液圧回転機を可変容量型ピストンポンプに具体化した一実施形態を図1図5にしたがって説明する。なお、可変容量型ピストンポンプは、エンジン式のフォークリフトに搭載される油圧ポンプとして使用される。
【0020】
図1に示すように、可変容量型ピストンポンプ10は、ハウジング11と、ハウジング11に回転可能に支持される回転軸12とを備えている。ハウジング11は、有底筒状の第1ハウジング13と、第1ハウジング13の開口側に連結される有底筒状の第2ハウジング14とを有する。
【0021】
第1ハウジング13の底壁13aには、回転軸12における第1ハウジング13側の部位が挿入される挿入孔13hが形成されている。そして、回転軸12における第1ハウジング13側の部位は、軸受15を介して第1ハウジング13の底壁13aに回転可能に支持されている。
【0022】
第2ハウジング14の底壁14aには、回転軸12における第2ハウジング14側の部位が挿入される挿入孔14hが形成されている。そして、回転軸12における第2ハウジング14側の部位は、軸受16を介して第2ハウジング14の底壁14aに回転可能に支持されている。
【0023】
回転軸12における第2ハウジング14側の端部は、第2ハウジング14から外部に突出している。そして。回転軸12における第2ハウジング14側の端部は、図示しない動力伝達機構を介して外部駆動源としてのエンジンに連結されている。回転軸12は、エンジンの駆動により回転する。
【0024】
第1ハウジング13内には、シリンダブロック17及び斜板18が収容されている。シリンダブロック17は、斜板18よりも第1ハウジング13の底壁13a寄りに配置されている。シリンダブロック17には、回転軸12が貫通する貫通孔17aが形成されている。シリンダブロック17は、小径部171と、小径部171よりも孔径が大きい大径部172とを有する。小径部171は、大径部172よりも第2ハウジング14寄りに位置する。シリンダブロック17は、小径部171が回転軸12とスプライン嵌合されることにより回転軸12と一体的に回転する。小径部171と軸受15との間には付勢ばね19が介在されている。
【0025】
シリンダブロック17には、シリンダボア17hが回転軸12の周囲に複数形成されている。複数のシリンダボア17hは、同心円上に等間隔置きに配列されている。各シリンダボア17h内には、ピストン20が往復動可能にそれぞれ収納されている。ピストン20における斜板18側の端部には、シュー21が設けられている。ピストン20には、ピストン20の軸方向に貫通する貫通孔20hが形成されている。シュー21には、貫通孔20hに連通するとともにシュー21を貫通する貫通孔21hが形成されている。
【0026】
各シュー21は、円環状のリテーナプレート22に保持されている。リテーナプレート22の内側には、リテーナプレート22に固定されるピボット23が設けられている。付勢ばね19は、図示しないピンを介してピボット23を斜板18に向けて付勢している。これにより、リテーナプレート22が斜板18に向けて付勢され、各シュー21が斜板18におけるシリンダブロック17側の端面に密着している。
【0027】
図1及び図2に示すように、斜板18は、回転軸12が挿通される挿通孔18hが形成された板状の本体部31を備えている。そして、回転軸12が挿通孔18hに挿通されることにより、斜板18が回転軸12に取り付けられている。斜板18は、回転軸12の回転軸線Lに直交する方向に対する傾斜角度(傾角)の変更が可能である。
【0028】
回転軸12が回転してシリンダブロック17が回転軸12と一体的に回転すると、各シュー21が斜板18におけるシリンダブロック17側の端面を摺接しながら、各ピストン20が回転軸12の周囲を回転軸12の周方向に沿って移動する。これにより、各ピストン20は、シリンダブロック17の回転に伴って斜板18の傾角に応じたストロークでシリンダボア17h内を往復動する。よって、斜板18におけるシリンダブロック17側の端面は、シュー21が摺接する平坦面状の摺接面18aになっている。
【0029】
図2に示すように、斜板18は、本体部31を両側から挟む位置に一対の摺動部32を備えている。一対の摺動部32は本体部31と一体的に形成されている。一対の摺動部32は、その一部が本体部31におけるシリンダブロック17とは反対側の端面よりも突出し、シリンダブロック17とは反対側に向けて膨出する弧状に湾曲した摺動面32aを有する。一方の摺動部32は、吐出行程中のピストン20に対応する側に位置するとともに、他方の摺動部32は、吸入行程中のピストン20に対応する側に位置している。ここで、「吸入行程中のピストン20」とは上死点側から下死点側に向けて移動しているピストン20のことを言う。また、「吐出行程中のピストン20」とは、下死点側から上死点側に向けて移動しているピストン20のことを言う。
【0030】
図1に示すように、第2ハウジング14の内壁には、斜板18の傾角の変更を許容しつつ、且つ斜板18を保持する斜板保持部としてのブッシュ25が設けられている。ブッシュ25は弧状に湾曲した板状であり、摺動面32aに沿って延びるとともに摺動面32aが摺動する被摺動面25aを備えている。そして、一対の摺動部32の摺動面32aが被摺動面25aを摺動することで、斜板18の傾角が変更される。
【0031】
斜板18は、本体部31におけるピストン20の上死点に対応する側の縁部から外方に延設される被押圧部33を備えている。被押圧部33におけるシリンダブロック17側の端面には収容凹部33aが形成されている。収容凹部33aには円柱状の接触部材34aが収容されている。接触部材34aは、収容凹部33aに収容された状態において、その一部が被押圧部33におけるシリンダブロック17側の端面から突出している。また、被押圧部33におけるシリンダブロック17とは反対側の端面には収容凹部33bが形成されている。収容凹部33bには円柱状の接触部材34bが収容されている。接触部材34bは、収容凹部33bに収容された状態において、その一部が被押圧部33におけるシリンダブロック17とは反対側の端面から突出している。
【0032】
第1ハウジング13の底壁13aには、吸入ポート26及び吐出ポート27が形成されている。吸入ポート26及び吐出ポート27は、回転軸12の周方向に沿って延びる半円弧状に形成されている。吸入ポート26は、底壁13aにおいて、吸入行程中のピストン20が収納された各シリンダボア17hにそれぞれ連通可能な位置に設けられている。吐出ポート27は、底壁13aにおいて、吐出行程中のピストン20が収納された各シリンダボア17hにそれぞれ連通可能な位置に設けられている。
【0033】
シリンダブロック17と第1ハウジング13の底壁13aとの間には、バルブシート28が設けられている。バルブシート28には、吸入ポート26とシリンダボア17hとを連通する連通孔28aが形成されるとともに、吐出ポート27とシリンダボア17hとを連通する連通孔28bが形成されている。そして、ピストン20の往復動に伴って、作動油が吸入ポート26から連通孔28aを介して吸入行程中のピストン20が収納された各シリンダボア17hに吸入されるとともに、吐出行程中のピストン20が収納された各シリンダボア17h内の作動油が連通孔28bを介して吐出ポート27から吐出される。
【0034】
第1ハウジング13におけるシリンダブロック17よりも回転軸12の径方向外側には、ピストン収納凹部35が形成されている。ピストン収納凹部35には、コントロールピストン36が収納されている。そして、ピストン収納凹部35とコントロールピストン36とによって制御圧室35aが区画されている。制御圧室35aには、吐出ポート27から吐出された作動油の一部が供給される。制御圧室35aに供給される作動油の供給量は、図示しない制御弁によって制御される。コントロールピストン36における斜板18側の端面は、接触部材34aに当接している。
【0035】
第2ハウジング14の底壁14aには、有底筒状のバネ受け凹状部材37が螺子38によって取り付けられている。バネ受け凹状部材37は、斜板18に向けて開口している。バネ受け凹状部材37内には、中空ピストン39が挿入されている。中空ピストン39の内部には、傾角増大ばね39aが収容されている。中空ピストン39は、傾角増大ばね39aの付勢力によって、バネ受け凹状部材37の底部から離間する方向へ付勢されている。そして、中空ピストン39における斜板18側の端面は、接触部材34bに当接している。
【0036】
上記構成の可変容量型ピストンポンプ10において、制御圧室35aに供給される作動油の供給量が増大すると、制御圧室35aの圧力が高くなり、コントロールピストン36が斜板18に向けて移動する。すると、コントロールピストン36は、傾角増大ばね39aの付勢力に抗して、斜板18の傾角を減少させるように接触部材34aを介して斜板18を押圧する。これにより、斜板18の傾角が減少して、ピストン20のストロークが小さくなり、吐出容量が減少する。一方、制御圧室35aに供給される作動油の供給量が減少すると、制御圧室35aの圧力が低くなり、傾角増大ばね39aの付勢力によって、中空ピストン39が、斜板18の傾角を増大させるように接触部材34bを介して斜板18を押圧する。これにより、斜板18の傾角が増大して、ピストン20のストロークが大きくなり、吐出容量が増大する。
【0037】
図2に示すように、各摺動部32の摺動面32aには、内部に作動油が供給される溝40が形成されている。一方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40の大きさは、他方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40の大きさよりも大きい。
【0038】
図3に示すように、斜板18は鍛造によって形成されている。したがって、一対の摺動部32は鍛造によって形成されている。そして、摺動面32aは、摺動部32の表面を削って仕上げ加工を施すことで形成されている。本実施形態では、摺動部32の表面に対する仕上げ加工の加工代H1は、1mmである。また、摺動面32aに連続する溝40の開口縁全周には、鍛造によって形成された面取り部41が設けられている。面取り部41はアール形状になっている。本実施形態では、鍛造によって形成された面取り部41の半径r1は、3mmである。
【0039】
図4及び図5に示すように、摺動面32aの湾曲方向(図4及び図5に示す矢印R1の方向)において、溝40の底面40eは、摺動面32aに沿って延びるように弧状に湾曲している。また、図5において拡大して示すように、摺動面32aの湾曲方向に位置する溝40の両側面40aは、面取り部41に連続する直線部42を含む。直線部42と、直線部42の延長線L1と摺動面32aとの交点P1を通過する摺動面32aに対する接線L2とがなす溝40側の角度θ1が鋭角である。
【0040】
図3に示すように、斜板18には、吐出行程中のピストン20が収納されたシリンダボア17h内の作動油を、一方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40内に供給する供給孔43が形成されている。供給孔43の一端は溝40内に開口するとともに他端は摺接面18aに開口している。そして、供給孔43は、各シュー21の貫通孔21hに連通可能になっている。供給孔43の他端部にはオリフィス43aが設けられている。オリフィス43aは、吐出行程中のピストン20が収納されたシリンダボア17h内から溝40内に供給される作動油の供給量を調節する。
【0041】
次に、本実施形態の作用について説明する。
一方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40内には、吐出行程中のピストン20が収納されたシリンダボア17h内から貫通孔20h,21h及び供給孔43を介して作動油が供給される。そして、溝40内に供給された作動油の圧力によって、斜板18をピストン20に向けて押し返す力が発生し、一方の摺動部32の摺動面32aと被摺動面25aとの間に油膜が形成されることで、一方の摺動部32の摺動面32aと被摺動面25aとの間の面圧が低減される。これにより、斜板18の傾角の変更に伴う摺動面32aと被摺動面25aとの間の摩擦が低減される。
【0042】
他方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40内には、ハウジング11内に存在する作動油が供給される。そして、溝40内に供給された作動油の圧力によって、斜板18をピストン20に向けて押し返す力が発生し、他方の摺動部32の摺動面32aと被摺動面25aとの間に油膜が形成されることで、他方の摺動部32の摺動面32aと被摺動面25aとの間の面圧が低減される。これにより、斜板18の傾角の変更に伴う摺動面32aと被摺動面25aとの間の摩擦が低減される。
【0043】
上記構成の斜板18では、摺動部32の表面を削って仕上げ加工を施すことで摺動面32aを形成しても、摺動面32aに連続する溝40の開口縁全周に、鍛造によって形成された面取り部41が設けられているため、摺動部32を鍛造によって形成しても溝40の開口縁がピン角になっていない。よって、溝40の開口縁がピン角である場合に比べると、ブッシュ25の被摺動面25aが損傷してしまうことが抑制される。また、直線部42と接線L2とがなす溝40側の角度θ1が鈍角である場合に比べると、摺動面32aと被摺動面25aとが摺動する際に、溝40の開口縁が被摺動面25aに摺動し難くなる。
【0044】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)摺動部32は鍛造によって形成され、摺動面32aは、摺動部32の表面を削って仕上げ加工を施すことで形成されている。摺動面32aに連続する溝40の開口縁には、鍛造によって形成された面取り部41が設けられている。これによれば、摺動部32の表面を削って仕上げ加工を施すことで摺動面32aを形成しても、摺動面32aに連続する溝40の開口縁に、鍛造によって形成された面取り部41が設けられているため、摺動部32を鍛造によって形成しても溝40の開口縁がピン角になっていない。よって、摺動面32aに溝加工を施す場合に比べて製造が比較的容易である鍛造によって、溝40を有する摺動部32を形成することができ、溝40の開口縁がピン角である場合に比べると、ブッシュ25の被摺動面25aが損傷してしまうことを抑制することができる。したがって、製造を容易なものとしつつも、ブッシュ25の被摺動面25aの損傷を抑制することができる。
【0045】
(2)摺動面32aの湾曲方向に位置する溝40の両側面40aは、面取り部41に連続する直線部42を含み、直線部42と、直線部42の延長線L1と摺動面32aとの交点P1を通過する摺動面32aに対する接線L2とがなす溝40側の角度θ1が鋭角である。これによれば、直線部42と接線L2とがなす溝40側の角度θ1が鈍角である場合に比べると、摺動部32の摺動面32aとブッシュ25の被摺動面25aとが摺動する際に、溝40の開口縁が被摺動面25aに摺動し難くなるため、ブッシュ25の被摺動面25aの損傷をさらに抑制することができる。
【0046】
(3)可変容量型ピストンポンプ10においては、ピストン20の吐出行程によって作動油を吐出する際に作動油からピストン20に作用する反力がピストン20及びシュー21を介して斜板18に作用し、摺動部32の摺動面32aとブッシュ25の被摺動面25aとの間の面圧が高くなる。よって、摺動面32aと被摺動面25aとの間において、吐出行程中のピストン20に対応する側の面圧は、吸入行程中のピストン20に対応する側の面圧よりも高くなっており、被摺動面25aに局所的な負荷が作用することになるため、斜板18の傾角の変更がスムーズに行われ難い。そこで、少なくとも一方の摺動部32の摺動面32aに溝40を形成する。これによれば、一方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40内に供給された作動油の圧力によって、斜板18をピストン20に向けて押し返す力が発生し、一方の摺動部32の摺動面32aと被摺動面25aとの間に油膜が形成されることで、一方の摺動部32の摺動面32aと被摺動面25aとの面圧が低減される。その結果、ブッシュ25の被摺動面25aに局所的な負荷が作用し難くなり、斜板18の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
【0047】
(4)斜板18には、吐出行程中のピストン20が収納されたシリンダボア17h内の作動油を、一方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40内に供給する供給孔43が形成されている。吐出行程中のピストン20が収納されたシリンダボア17h内の作動油の圧力は、吸入行程中のピストン20が収納されたシリンダボア17h内の作動油の圧力よりも高くなっている。よって、供給孔43を介して一方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40内に供給された作動油の圧力によって、斜板18をピストン20に向けて押し返す力を発生させ易くすることができる。
【0048】
(5)摺動面32aの湾曲方向において、溝40の底面40eを、摺動面32aに沿って延びるように弧状に湾曲させ、摺動面32aの湾曲方向に位置する溝40の両側面40aに、面取り部41に連続する直線部42を含むようにした。このような溝40の形状は、溝40の深さが極端に深くなる部分や、溝40の形状が急激に変化している部分が少ないため、鍛造によって溝40を容易に形成することができる。
【0049】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、第2ハウジング14の内壁に、ブッシュ25が設けられていなくてもよく、第2ハウジング14の内壁の一部に、斜板18を保持する斜板保持部が形成されていてもよい。
【0050】
○ 実施形態において、少なくとも吐出行程中のピストン20に対応する側に位置する一方の摺動部32の摺動面32aに溝40が形成されていればよく、吸入行程中のピストン20に対応する側に位置する他方の摺動部32の摺動面32aに溝40が形成されていなくてもよい。
【0051】
○ 実施形態において、溝40の底面40eが、例えば、平坦面状に形成されていてもよい。
○ 実施形態において、斜板18に供給孔43が形成されていなくてもよい。この場合、溝40内には、ハウジング11内に存在する作動油が供給される。
【0052】
○ 実施形態において、一方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40の大きさと、他方の摺動部32の摺動面32aに形成された溝40の大きさとが同じであってもよい。
【0053】
○ 実施形態において、直線部42と接線L2とがなす溝40側の角度θ1が90度、又は鈍角であってもよい。
○ 実施形態において、摺動面32aの湾曲方向に位置する溝40の両側面40aに、面取り部41に連続する直線部42が形成されておらず、両側面40a全体が、例えば、弧状に湾曲するように延びていてもよい。
【0054】
○ 実施形態において、加工代H1の寸法、及び面取り部41の半径は、特に限定されるものではない。要は、摺動部32の表面を削って仕上げ加工を施すことで摺動面32aが形成され、摺動面32aに連続する溝40の開口縁に、鍛造によって形成された面取り部41が設けられていれば、加工代H1の寸法、及び面取り部41の半径は、適宜変更してもよい。
【0055】
○ 実施形態において、面取り部41は、摺動面32aに対して斜交する方向に直線状に延びるテーパ形状(C面取り形状)であってもよい。
○ 実施形態において、本体部31と、一対の摺動部32とが別部材であってもよく、各摺動部32が本体部31に対してボルト等によって取り付けられていてもよい。
【0056】
○ 実施形態において、可変容量型斜板式液圧回転機を、シリンダボア17hへ供給される作動油によって、シリンダブロック17を介して回転軸12を回転させる油圧モータとして使用してもよい。可変容量型斜板式液圧回転機は、油圧モータとして使用される場合には、回転速度やトルクを可変とする。
【符号の説明】
【0057】
10…可変容量型ピストンポンプ(可変容量型斜板式液圧回転機)、11…ハウジング、12…回転軸、17…シリンダブロック、17h…シリンダボア、18…斜板、18a…摺接面、20…ピストン、21…シュー、25…斜板保持部としてのブッシュ、25a…被摺動面、32…摺動部、32a…摺動面、40…溝、40a…側面、41…面取り部、42…直線部、43…供給孔。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2016年9月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、
前記回転軸と一体的に回転するシリンダブロックと、
前記シリンダブロックに形成される複数のシリンダボアと、
各シリンダボア内に収納されるピストンと、
前記ピストンの端部に設けられるシューと、
前記ハウジング内に収容されるとともに前記回転軸の回転軸線に直交する方向に対する傾角の変更が可能な斜板と、
前記斜板の傾角の変更を許容しつつ、且つ前記斜板を保持する斜板保持部と、を備え、
前記斜板は、前記シューが摺接する摺接面と、前記シリンダブロックとは反対側に向けて膨出する弧状に湾曲した摺動面を有する摺動部と、を備え、
前記斜板保持部は、前記摺動面に沿って延びるとともに前記摺動面が摺動する被摺動面を備え、
前記摺動面には、内部に作動油が供給される溝が形成されており、
前記回転軸の回転に伴って前記シリンダブロックが回転して、各シューが前記摺接面に摺接しながら、各ピストンが前記回転軸の周囲を前記回転軸の周方向に移動することで、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式液圧回転機であって、
前記摺動面に形成されている溝の側面及び底面は鍛造部によって構成されており
前記摺動面は研削面で構成されており
前記摺動面に連続する前記溝の開口縁には、鍛造によって構成された面取り部が設けられていることを特徴とする可変容量型斜板式液圧回転機。
【請求項2】
前記面取り部は、前記開口縁の全周に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
【請求項3】
前記摺動面の湾曲方向に位置する前記溝の両側面は、前記面取り部に連続する直線部を含み、
前記直線部と、前記直線部の延長線と前記摺動面との交点を通過する前記摺動面に対する接線とがなす前記溝側の角度が鋭角であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
【請求項4】
前記斜板は、前記摺動部を一対備え、
一方の摺動部は、吐出行程中のピストンに対応する側に位置するとともに、他方の摺動部は、吸入行程中のピストンに対応する側に位置しており、
前記溝は、少なくとも前記一方の摺動部の摺動面に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
【請求項5】
前記斜板には、前記吐出行程中のピストンが収納された前記シリンダボア内の作動油を、前記一方の摺動部の摺動面に形成された前記溝内に供給する供給孔が形成されていることを特徴とする請求項に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題を解決する可変容量型斜板式液圧回転機は、ハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、前記回転軸と一体的に回転するシリンダブロックと、前記シリンダブロックに形成される複数のシリンダボアと、各シリンダボア内に収納されるピストンと、前記ピストンの端部に設けられるシューと、前記ハウジング内に収容されるとともに前記回転軸の回転軸線に直交する方向に対する傾角の変更が可能な斜板と、前記斜板の傾角の変更を許容しつつ、且つ前記斜板を保持する斜板保持部と、を備え、前記斜板は、前記シューが摺接する摺接面と、前記シリンダブロックとは反対側に向けて膨出する弧状に湾曲した摺動面を有する摺動部と、を備え、前記斜板保持部は、前記摺動面に沿って延びるとともに前記摺動面が摺動する被摺動面を備え、前記摺動面には、内部に作動油が供給される溝が形成されており、前記回転軸の回転に伴って前記シリンダブロックが回転して、各シューが前記摺接面に摺接しながら、各ピストンが前記回転軸の周囲を前記回転軸の周方向に移動することで、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式液圧回転機であって、前記摺動面に形成されている溝の側面及び底面は鍛造部によって構成されており、前記摺動面は研削面で構成されており、前記摺動面に連続する前記溝の開口縁には、鍛造によって構成された面取り部が設けられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
これによれば、摺動部の表面を削って仕上げ加工を施すことで摺動面を形成しても、摺動面に連続する溝の開口縁に、鍛造によって形成された面取り部が設けられているため、摺動部を鍛造によって形成しても溝の開口縁がピン角になっていない。よって、摺動面に溝加工を施す場合に比べて製造が比較的容易である鍛造によって、溝を有する摺動部を形成することができ、溝の開口縁がピン角である場合に比べると、斜板保持部の被摺動面が損傷してしまうことを抑制することができる。したがって、製造を容易なものとしつつも、斜板保持部の被摺動面の損傷を抑制することができる。
上記可変容量型斜板式液圧回転機において、前記面取り部は、前記開口縁の全周に設けられていることが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)摺動面に形成されている溝の側面及び底面は鍛造部によって構成されており、摺動面32aは研削面で構成されている。摺動面32aに連続する溝40の開口縁には、鍛造によって構成された面取り部41が設けられている。これによれば、摺動部32の表面を削って仕上げ加工を施すことで摺動面32aを形成しても、摺動面32aに連続する溝40の開口縁に、鍛造によって形成された面取り部41が設けられているため、摺動部32を鍛造によって形成しても溝40の開口縁がピン角になっていない。よって、摺動面32aに溝加工を施す場合に比べて製造が比較的容易である鍛造によって、溝40を有する摺動部32を形成することができ、溝40の開口縁がピン角である場合に比べると、ブッシュ25の被摺動面25aが損傷してしまうことを抑制することができる。したがって、製造を容易なものとしつつも、ブッシュ25の被摺動面25aの損傷を抑制することができる。