特開2016-223326(P2016-223326A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223326(P2016-223326A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】添加剤供給装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   F01N3/08 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-108645(P2015-108645)
(22)【出願日】2015年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】土屋 富久
(72)【発明者】
【氏名】星 作太郎
(72)【発明者】
【氏名】前田 昭一
(72)【発明者】
【氏名】八田 真範
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AB04
3G091BA07
3G091CA17
3G091CB00
3G091DA08
(57)【要約】
【課題】添加弁及び配管内に残った添加剤の凍結時の膨張により、添加弁及び配管が破損することを抑制できるようにする。
【解決手段】添加剤供給装置は、内燃機関の排気通路1に尿素水を噴射する添加弁2と、その添加弁2に接続されるコネクタ3が設けられた配管4と、タンク5内の尿素水を上記配管4に圧送するポンプ6と、を備える。添加弁2にはコネクタ3に接続されたときに同コネクタ3の内側と連通する接続口2aが形成される。コネクタ3については、添加弁2が接続されたときの上記接続口2aよりも高い位置に、コネクタ3の内側上端が位置するように形成される。コネクタ3の内側上部であって接続口2aよりも高い位置には、ポンプ6による尿素水の圧送を停止したとき、添加弁2及び配管4内に残った尿素水の凍結膨張体積以上に膨張する圧縮空気を蓄える畜圧部10が設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気通路に添加剤を噴射する添加弁と、その添加弁に接続されるコネクタが設けられた配管と、タンク内の添加剤を前記配管に圧送するポンプと、を備える添加剤供給装置において、
前記添加弁には、前記コネクタに接続されたときに同コネクタの内側と連通する接続口が形成されており、
前記コネクタの内側上端は同コネクタに前記添加弁が接続されたときの前記接続口よりも高い位置にあり、
前記コネクタの内側上部であって同コネクタに前記添加弁が接続されたときの前記接続口よりも高い位置には、前記ポンプによる添加剤の圧送が停止されたとき、その停止時に前記添加弁及び前記配管内にある添加剤の凍結膨張体積以上に膨張する圧縮空気を蓄える畜圧部が設けられている
ことを特徴とする添加剤供給装置。
【請求項2】
前記コネクタは、前記添加弁が水平方向に延びた状態で接続されるものであって、前記配管内の添加剤を下方から受け入れて前記接続口を介して前記添加弁内に流すよう構成されている
請求項1記載の添加剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添加剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気通路に添加剤を供給する添加剤供給装置として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。こうした添加剤供給装置は、排気通路に添加剤を噴射する添加弁と、その添加弁に接続されるコネクタが設けられた配管と、タンク内の添加剤を上記配管に圧送するポンプと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2011/096086号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
添加剤供給装置では、内燃機関の運転停止に伴ってポンプによる添加剤の圧送を停止した後、配管及び添加弁内に残った添加剤が気温の低下等により凍結して膨張すると、配管及び添加弁の破損を招くおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、添加弁及び配管内に残った添加剤の凍結時の膨張により、添加弁及び配管が破損することを抑制できる添加剤供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する添加剤供給装置は、排気通路に添加剤を噴射する添加弁と、その添加弁に接続されるコネクタが設けられた配管と、タンク内の添加剤を上記配管に圧送するポンプと、を備える。上記添加弁には、コネクタに接続されたときに同コネクタの内側と連通する接続口が形成される。また、コネクタの内側上端は、同コネクタに上記添加弁が接続されたときの接続口よりも高い位置にある。更に、コネクタの内側上部であって同コネクタに上記添加弁が接続されたときの上記接続口よりも高い位置には、ポンプによる添加剤の圧送が停止されたとき、その停止時に添加弁及び配管内にある添加剤の凍結膨張体積以上に膨張する圧縮空気を蓄える畜圧部が設けられる。
【0007】
この構成によれば、タンク内の添加剤をポンプにより配管に圧送するとき、配管内の空気がコネクタの内側上部に設けられた畜圧部に溜まり、その空気が配管内の添加剤の圧力により圧縮される。また、ポンプによる添加剤の圧送が停止されると、配管及び添加弁内の添加剤の圧力が低下するため、コネクタの内側に設けられた畜圧部内の圧縮空気が膨張する。そして、このように圧縮空気が膨張した分、配管内に存在する添加剤がタンク内に押し戻される。また、上述した圧縮空気の膨張は、ポンプによる添加剤の圧送の停止時に添加弁及び配管内にある添加剤の凍結膨張体積以上となるように行われる。このため、上記圧縮空気の膨張により、配管内には、添加弁及び配管内に存在する添加剤が気温の低下等により凍結して膨張したときに同膨張を許容するスペースが生じる。従って、添加弁及び配管内に存在する添加剤が凍結して膨張したとしても、それによって添加弁及び配管が破損することは抑制される。
【0008】
なお、上記コネクタは、添加弁が水平方向に延びた状態で接続されるものであって、配管内の添加剤を下方から受け入れて上記接続口を介して添加弁内に流すよう構成されていることが好ましい。この場合、配管、コネクタ、添加弁の順に流れる添加剤の流れ方向が、配管内で上方に向った後にコネクタ内にて水平方向に変化して添加弁に流れるため、添加剤に含まれる空気がコネクタ内から添加弁側に流されにくくなり、その空気がコネクタの内側上部に設けられた畜圧部に溜まりやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】添加剤供給装置全体を示す略図。
図2】(a)〜(c)はそれぞれ、配管内の圧力、圧縮空気の体積、並びに、添加弁及び配管内に残る尿素水の体積の時間経過に伴う変化を示すタイムチャート。
図3】ポンプの他の例を示す略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添加剤供給装置の一実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示す添加剤供給装置は、内燃機関の排気通路1に尿素水等の還元剤を添加剤として供給する。添加剤供給装置は、排気通路1に尿素水を噴射する添加弁2と、その添加弁2に接続されるコネクタ3が設けられた配管4と、タンク5内の尿素水を上記配管4に圧送するポンプ6と、を備えている。
【0011】
上記ポンプ6としては、循環式の定圧ポンプが用いられている。このポンプ6は、正回転時には、吸入口7からタンク5内の尿素水を吸い込んだ後、その尿素水を配管4に繋がる吐出口8から圧送する。また、吐出口8は絞り付きの逆止弁9を介してタンク5内と連通している。この逆止弁9は、タンク5側から吐出口8側への尿素水の流れ(逆流)を禁止する。また、逆止弁9は、吐出口8及び配管4内の尿素水の圧力が予め定められた設定圧以上になると、開弁して吐出口8側からタンク5側への尿素水の流れを許容する。
【0012】
従って、ポンプ6の正回転により吐出口8から配管4に尿素水が圧送されるときには、配管4内の尿素水の圧力が上記設定圧に調整される。なお、ポンプ6の回転を停止した場合には吐出口8から配管4内への尿素水の圧送が停止される。一方、ポンプ6を逆回転させると、配管4内の尿素水が吐出口8を介してポンプ6に吸い込まれた後に吸入口7からタンク5内に戻される。このときには、逆止弁9が閉弁状態に保持されることにより、タンク5内の尿素水が同逆止弁9を介して吐出口8に流れることは禁止される。
【0013】
配管4におけるポンプ6側の端部と反対側の端部には、添加弁2が水平方向に延びた状態で接続される上記コネクタ3が設けられている。添加弁2にはコネクタ3に接続されたときに同コネクタ3の内側と連通する接続口2aが形成されている。そして、コネクタ3は、配管4内の尿素水を下方から受け入れ、上記接続口2aを介して添加弁2内に流すよう構成されている。添加弁2内の尿素水の圧力は設定圧に調整されているため、その添加弁2を開くことによって尿素水が同添加弁2から排気通路1に噴射される。こうした添加弁2からの尿素水の噴射は、その添加弁2を閉じることによって停止される。
【0014】
上記コネクタ3については、添加弁2が接続されたときの上記接続口2aよりも高い位置に、コネクタ3の内側上端が位置するように形成されている。更に、コネクタ3の内側上部であって同コネクタ3に添加弁2が接続されたときの接続口2aよりも高い位置には、圧縮空気を蓄えるための畜圧部10が設けられている。
【0015】
タンク5内の尿素水をポンプ6により配管4に圧送するとき、配管4内の空気がコネクタ3の内側上部に設けられた畜圧部10に溜まり、その空気が配管4内の尿素水の圧力(設定圧)により圧縮される。また、ポンプ6による尿素水の圧送が停止されると、配管4及び添加弁2内の添加剤の圧力が上記設定圧未満に低下するため、コネクタ3の内側に設けられた畜圧部10内の圧縮空気が膨張する。
【0016】
畜圧部10は、ポンプ6による尿素水の圧送が停止されたとき、その停止時に添加弁2及び配管4内にある尿素水の凍結膨張体積以上に膨張する圧縮空気を蓄える。すなわち、そのように圧縮空気を蓄えることができるよう畜圧部10の容積、言い換えれば添加弁2がコネクタ3に接続されたときの接続口2aに対する同コネクタ3の内側上端の相対位置が定められている。
【0017】
次に、添加剤供給装置の作用について説明する。
図2は、ポンプ6による尿素水の圧送が停止されたときの畜圧部10に溜まった圧縮空気の体積の変化、及び、添加弁2及び配管4内に残る尿素水の体積の変化を示している。正回転するポンプ6により配管4に尿素水が圧送されているときには、その配管4(添加弁2)内の尿素水の圧力が図2(a)に示すように設定値に調整される。この状態のもとで、ポンプ6による尿素水の圧送が停止されると(タイミングT1)、配管4(添加弁2)内の尿素水の圧力が低下するため、コネクタ3の内側に設けられた畜圧部10内の圧縮空気が図2(b)に示すように膨張する。そして、このように圧縮空気が膨張した分、配管4内に存在する尿素水がタンク5内に押し戻される。その結果、添加弁2及び配管4内に残る尿素水の体積が図2(c)に示すように減少する。
【0018】
また、上述した圧縮空気の膨張は、ポンプ6による尿素水の圧送の停止時に添加弁2及び配管4内にある尿素水の凍結膨張体積以上となるように行われる。このため、上記圧縮空気の膨張により、配管4内には、添加弁2及び配管4内に存在する尿素水が気温の低下等により凍結して膨張したときに同膨張を許容するスペースが生じる。従って、添加弁2及び配管4内に存在する尿素水が凍結して膨張したとしても、それによって添加弁2及び配管4が破損することは抑制される。
【0019】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)添加弁2及び配管4内に残った尿素水の凍結時の膨張により、添加弁2及び配管4が破損することを抑制できる。
【0020】
(2)コネクタ3は、添加弁2が水平方向に延びた状態で接続されるものであって、配管4内の添加剤を下方から受け入れて接続口2aを介して添加弁2内に流すよう構成されている。このため、配管4、コネクタ3、添加弁2の順に流れる尿素水の流れ方向が、配管4内で上方に向った後にコネクタ3内にて水平方向に変化して添加弁2に流れるため、尿素水に含まれる空気がコネクタ3内から添加弁2側に流されにくくなり、その空気がコネクタ3の内側上部に設けられた畜圧部10に溜まりやすくなる。
【0021】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
図3に示すように、配管4に尿素水を圧送するポンプとして間欠駆動することが可能なポンプ11を設け、そのポンプ11の吐出口12に三方弁13を設ける。同三方弁13は、ポンプ11内部と配管4とを繋ぐ第1切替位置、もしくは配管4とタンク5内とを連通する第2切替位置に切り替え可能となっている。そして、ポンプ11を正回転させてタンク5内の尿素水を吸入口14から吸い込んで配管4に圧送する際には、三方弁13が第1切替位置に切り替えられることにより、ポンプ11から圧送された尿素水が矢印Y1で示すように流れる。このときには、配管4内の尿素水の圧力が設定圧となるようポンプ11が間欠駆動される。また、内燃機関の停止等に伴うポンプ11の停止時には、三方弁13が第2切替位置に切り替えられる。このときには、ポンプ11から配管4内への尿素水の圧送が停止されるため、コネクタ3の畜圧部10に溜められた圧縮空気が膨張して配管4内に残った尿素水がタンク5に向けて押される。そして、その尿素水は矢印Y2で示すように三方弁13を介してタンク5に戻されるようになる。
【0022】
・ポンプ11による尿素水の圧送の停止後であって、畜圧部10の圧縮空気が膨張し終えた後、添加弁2を開くとともにポンプ11を逆回転させることにより、添加弁2、配管4、及びポンプ11内の尿素水をタンク5内に回収するようにしてもよい。この場合、ポンプ11内の尿素水がタンク5内に吸い込まれて同ポンプ11内に尿素水が残らないため、ポンプ11内の尿素水が気温の低下等により凍結して膨張することによる同ポンプ11の破損を抑制することができる。
【0023】
・還元剤(尿素水等)以外の添加剤を排気通路1に供給する添加剤供給装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0024】
1…排気通路、2…添加弁、2a…接続口、3…コネクタ、4…配管、5…タンク、6…ポンプ、7…吸入口、8…吐出口、9…逆止弁、10…畜圧部、11…ポンプ、12…吐出口、13…三方弁、14…吸入口。
図1
図2
図3