技術分野
自動車などに搭載される内燃機関の主運動系であるピストンやクランクシャフトなどを収納する構造
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】シリンダボア側からのオイルがクランクシャフトに衝突して飛散することを防止できるシリンダブロックにおけるオイルの飛散防止構造を提供する。 【解決手段】シリンダボア23とスカート部24とを備えるシリンダブロック20と、スカート部24の内部空間にクランクシャフト50の外周を覆うように配置されて、シリンダボア23側からのオイル90をオイルパン60側に案内するカバー部材10とを備える。カバー部材10は、シリンダボア23の下端開口部230との間に所定の間隔をあけて下端開口部230に向かい合って配置される上板部12と、上板部12からスカート部24の下方に延設され、スカート部24との間に所定の間隔をあけて配置されて、上板部12の対向面120で受けたオイル90をオイルパン60側に案内する側板部14とを備える。上板部12にはコネクティングロッド45が挿通される貫通孔122を備える。 【選択図】図1
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
上述の特許文献1では、オイル滴とクランクシャフトやコンロッドとの衝突を許容する。しかし、オイル滴がクランクシャフトやコンロッドに衝突すると、オイル滴が分断などされて飛沫化して、オイル滴がより飛散し易くなる。そのため、特許文献1の技術では、クランク室内に飛散するオイル飛沫の低減効果が十分とはいえない。
また、クランクシャフトなどとの衝突によるオイルの飛沫化を許容する従来の技術では、(a)オイル内に気泡を含んだり、(b)オイルが劣化したりし得る。
(a)について説明する。上述の(A)〜(D)のように、シリンダボア側からの落下オイル、軸受け部からの排出オイル、オイルパンに貯留されるオイル、更に油面から跳ね上がったオイル滴などが、高速回転するクランクシャフト(特にカウンタウェイト)やコンロッド(特に大端部)などに衝突して飛沫化する際に気泡を含み得る。この気泡を含んだままでオイルがオイルパンに貯留され得る。オイルが気泡を含むと、オイルポンプの性能の低下を招く恐れがある。また、クランクシャフトやカムシャフトなどの軸受け部などの回転部分に気泡を含むオイルが供給された場合、気泡によって潤滑性が不十分になり、回転部分に異常摩耗の発生を招く恐れがある。
(b)について説明する。潤滑用のオイルは、一般に、種々の機能を有する添加剤を含む。上述の飛沫化される際に、気泡を含み得る他、添加剤の少なくとも一部が高速回転するクランクシャフトやカムシャフトによって分断又はせん断されることで、オイル自体の性能の低下を招く恐れがある。例えば、粘度が低下するとオイルが流れ落ち易いため、潤滑性が不十分になり、オイルの供給対象の異常摩耗や焼付きなどが生じる恐れがある。
特に、上述の(A)で説明したシリンダボア側からの落下オイルは、シリンダボアの下方に配置されるクランクシャフトやコンロッドの大端部に直接接触し得るため、上述の分断などによって飛沫化し易い。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、シリンダボア側からのオイルがクランクシャフトなどに衝突して飛散することを防止できるシリンダブロックにおけるオイルの飛散防止構造を提供することにある。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明の一態様に係るシリンダブロックにおけるオイルの飛散防止構造は、シリンダボアが形成された本体と、クランクシャフトの回転空間を形成するスカート部とを備えるシリンダブロックと、前記スカート部の内部空間に前記クランクシャフトの外周を覆うように配置されて、前記シリンダボア側からのオイルをオイルパン側に案内するカバー部材とを備える。
前記カバー部材は、以下の上板部と、側板部と、貫通孔と、孔側阻・・・ 続きを
知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
のシリンダブロックにおけるオイルの飛散防止構造では、シリンダボアの下端開口部がカバー部材の上板部によって覆われる。そのため、シリンダボア側から落下するオイルを上板部の対向面で受けられる。上板部で受けたオイルは、対向面を伝って貫通孔から落下することを孔側阻止部によって抑制されると共に、対向面を伝って上板部の周縁から落下することを縁側阻止部によって抑制される。上板部は、シリンダボアとクランクシャフトとの間に介在されることから、これら上板部及び両阻止部によって、シリンダボア側からのオイルが上板部の下方に配置されるクランクシャフトなどに衝突することを効果的に低減できる。
かつ、上板部は、シリンダボアとの間に所定の間隔を有すると共に、側板部が延設される。この側板部は、スカート部との間に所定の間隔を有すると共に、スカート部の裾側に向かって配置される、即ち下向きに傾斜して配置される。そのため、上板部から側板部へのオイルの流通空間を十分に確保できて、上板部で受けたオイルを上板部から側板部に容易に流すことができる上に、側板部に沿ってオイルパン側に導入できる。
そして、側板部を流れてスカート部の裾側に導かれたオイルは、オイルパンに落下して戻される。このオイルパンへの落下位置は、スカート部の裾側であるため、クランクシャフトの回転軌跡よりもこの回転軌跡の径方向外方に離れた位置になる。そのため、側板部を経てオイルパンに向かうオイルがクランクシャフトなどに衝突することを効果的に低減できる。
のシリンダブロックにおけるオイルの飛散防止構造は、上述の特定のカバー部材を備えることで、シリンダボア側からのオイルをクランクシャフトやコンロッドの大端部などに実質的に接触せずにオイルパンに戻すことができる。従って、この構造は、オイル滴がクランクシャフトやコンロッドなどに衝突して飛沫化することを効果的に低減でき、オイルに気泡を含み難くしたり、オイルを劣化し難くしたりすることができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)
この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 実施形態1のシリンダブロックにおけるオイルの飛散防止構造に備えるカバー部材の概略斜視図である。
【図2】 実施形態1のシリンダブロックにおけるオイルの飛散防止構造において、シリンダブロックをクランクシャフトの軸方向に直交する平面で切断した横断面図である。
【図3】 実施形態1のシリンダブロックにおけるオイルの飛散防止構造において、シリンダブロックをクランクシャフトの軸方向に平行な平面で切断した縦断面図である。
1 シリンダブロックにおける潤滑油の飛散防止構造
10 カバー部材 12 上板部 14 側板部
120 対向面 122 貫通孔 124 孔側阻止部 126 縁側阻止部
128 ボス(取付部)
146 側堰部
160 取付片(取付部) 162 オイル落とし孔 168 ボルト孔
20 シリンダブロック 22 本体 23 シリンダボア 24 スカート部
230 下端開口部
240 内天面 242 湾曲面 244 平面
40 ピストン 45 コネクティングロッド 450 大端部 452 ロッド部
50 クランクシャフト
52 ジャーナル 54 カウンタウェイト 56 クランクピン 58 キャップ
60 オイルパン
70 オイルジェット
90 オイル
全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録