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特開2016-223361コンバインドサイクルプラント、その制御装置及び起動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223361(P2016-223361A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】コンバインドサイクルプラント、その制御装置及び起動方法
(51)【国際特許分類】
   F01K 23/10 20060101AFI20161205BHJP
   F02C 7/26 20060101ALI20161205BHJP
   F01D 19/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   F01K23/10 C
   F01K23/10 E
   F01K23/10 H
   F02C7/26 D
   F01D19/00 E
   F01D19/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-110628(P2015-110628)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】栢原 正行
(72)【発明者】
【氏名】エルビオ ルビオ
(72)【発明者】
【氏名】パブロ ラティア
(72)【発明者】
【氏名】カルロス モラ ダニエル
【テーマコード(参考)】
3G071
3G081
【Fターム(参考)】
3G071AA01
3G071AB01
3G071BA10
3G071BA11
3G071CA01
3G071DA05
3G071FA06
3G081BA02
3G081BA11
3G081BB00
3G081BC07
3G081BD00
3G081DA04
3G081DA22
(57)【要約】
【課題】コンバインドサイクルプラント、コンバインドサイクルプラントの制御装置、コンバインドサイクルプラントの起動方法において、コンバインドサイクルプラントの起動時間の短縮を可能とする。
【解決手段】圧縮機21と燃焼器22とタービン23を有するガスタービン11と、ガスタービン11からの排気ガスの排熱により蒸気を生成する排熱回収ボイラ12と、排熱回収ボイラ12により生成された蒸気により駆動する蒸気タービン13と、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じてガスタービン11の起動時における待機負荷が連続して変化するように設定する制御装置50とを設ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と燃焼器とタービンを有するガスタービンと、
前記ガスタービンからの排気ガスの排熱により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、
前記排熱回収ボイラにより生成された蒸気により駆動する蒸気タービンと、
前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記ガスタービンの起動時における待機負荷が連続して変化するように設定する制御装置と、
を備えることを特徴とするコンバインドサイクルプラント。
【請求項2】
前記待機負荷は、前記メタル温度の関数であり、前記メタル温度の上昇に伴って増加することを特徴とする請求項1に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項3】
前記待機負荷は、前記メタル温度に対する低温領域と高温領域とを含む関数であり、前記低温領域及び前記高温領域における前記メタル温度に対する前記待機負荷の変化率を異ならせることを特徴とする請求項2に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項4】
前記高温領域における前記待機負荷の変化率は、前記低温領域における前記待機負荷の変化率より大きく設定されることを特徴とする請求項3に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項5】
前記待機負荷は、前記メタル温度が予め設定された下限温度以下の領域で、一定値に設定されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項6】
前記待機負荷は、前記メタル温度が予め設定された上限温度以上の領域で、一定値に設定されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項7】
圧縮機と燃焼器とタービンを有するガスタービンと、
前記ガスタービンからの排気ガスの排熱により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、
前記排熱回収ボイラにより生成された蒸気により駆動する蒸気タービンと、
前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記蒸気タービンの起動時における昇負荷レートが連続して変化するように設定する制御装置と、
を備えることを特徴とするコンバインドサイクルプラント。
【請求項8】
前記昇負荷レートは、前記メタル温度の関数であり、前記メタル温度の上昇に伴って増加することを特徴とする請求項7に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項9】
前記昇負荷レートは、前記メタル温度に対する低温領域と高温領域とを含む関数であり、前記低温領域及び前記高温領域における前記メタル温度に対する前記昇負荷レートの変化率を異ならせていることを特徴とする請求項8に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項10】
前記高温領域における前記昇負荷レートの変化率は、前記低温領域における前記昇負荷レートの変化率より大きく設定されることを特徴とする請求項9に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項11】
前記昇負荷レートは、前記メタル温度が予め設定された下限温度以下の領域で、一定値に設定されることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか一項に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項12】
前記昇負荷レートは、前記メタル温度が予め設定された上限温度以上の領域で、一定値に設定されることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載のコンバインドサイクルプラント。
【請求項13】
ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、
前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記ガスタービンの起動時における待機負荷が連続して変化するように設定する、
ことを特徴とするコンバインドサイクルプラントの制御装置。
【請求項14】
ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、
前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記蒸気タービンの起動時における昇負荷レートが連続して変化するように設定する、
ことを特徴とするコンバインドサイクルプラントの制御装置。
【請求項15】
ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、
起動時、前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記ガスタービンの待機負荷が連続して変化するように設定する、
ことを特徴とするコンバインドサイクルプラントの起動方法。
【請求項16】
ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、
起動時、前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記蒸気タービンの昇負荷レートが連続して変化するように設定する、
ことを特徴とするコンバインドサイクルプラントの起動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンを備えるコンバインドサイクルプラント、コンバインドサイクルプラントの制御装置、このコンバインドサイクルプラントの起動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインドサイクル発電は、まず、天然ガスなどを燃料としてガスタービンを駆動して1回目の発電を行い、次に、排熱回収ボイラがガスタービンの排気ガスを回収して蒸気を生成し、この蒸気により蒸気タービンを駆動して2回目の発電を行うものであり、コンバインドサイクルプラントは、このコンバインドサイクル発電を実行するための発電プラントである。
【0003】
コンバインドサイクルプラントでは、起動時、蒸気タービンのメタル温度に応じてガスタービンの待機負荷が設定されている。例えば、蒸気タービンのメタル温度が200℃以下であれば、コールド起動となり、ガスタービンの待機負荷を10%に設定して起動する。一方、蒸気タービンのメタル温度が400℃以上であれば、ホット起動となり、ガスタービンの待機負荷を30%に設定して起動する。また、蒸気タービンのメタル温度が200℃〜400℃の範囲であれば、ガスタービンの待機負荷を20%に設定して起動する。そして、ガスタービンを起動し、設定された待機負荷で保持した後、排気ガスにより生成された蒸気が所定の温度及び圧力に到達したら、蒸気タービンに蒸気を供給すると共に、ガスタービンの負荷を上昇させる。より具体的には、排熱回収ボイラの出口側の蒸気の温度及び圧力から導き出せる蒸気タービン入口の蒸気温度と蒸気タービンのメタル温度とのミスマッチが小さくなり、かつ、過熱度が十分確保されている条件に到達したら蒸気タービンへの蒸気の供給を開始する。
【0004】
なお、このようなコンバインドサイクルプラントとしては、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−260911号公報
【特許文献2】特開2005−106738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、停止しているコンバインドサイクルプラントを早期に起動し、電力を供給したいという要望がある。ここで、ガスタービン単独では、比較的高い負荷上昇率で負荷を上昇させることができるが、蒸気タービンは、熱応力の制限から、ガスタービンに比べて低い負荷上昇率で負荷を上昇させる必要がある。つまり、コンバインドサイクルプラントにおいて、ガスタービンの待機負荷までは比較的素早く負荷を上昇させることができるが、蒸気タービンへの蒸気の供給を開始してからは、ガスタービンと蒸気タービンは共にゆっくりとした速度で負荷を上昇させる必要があり、ガスタービン単独の時と比べて、負荷上昇に時間がかかる。よって、ガスタービンの待機負荷が小さい程、ガスタービンと蒸気タービンとを同時に負荷上昇させる負荷帯が増加し、コンバインドプラント全体の負荷上昇時間がより長くなることになる。
【0007】
一方、上述した従来のコンバインドサイクルプラントでは、起動時、各起動モードにおいて、蒸気タービンのメタル温度範囲に対するガスタービンの待機負荷が固定されている。そのため、蒸気タービンのメタル温度範囲を境とし、ガスタービンの待機負荷が変化する。例えば、蒸気タービンのメタル温度が195℃であるときはコールド起動となり、ガスタービンの待機負荷が10%に設定され、蒸気タービンのメタル温度が205℃であるときはウォーム起動となり、ガスタービンの待機負荷が20%に設定される。このとき、蒸気タービンのメタル温度の差が10℃と微小であるにも拘らず、蒸気タービンのメタル温度が195℃であると、ガスタービンの待機負荷が10%に設定される。よって、僅かな蒸気タービンのメタル温度の差で、ガスタービンの待機負荷が大きく変化し、コンバインドサイクルプラントの起動時間が長くなってしてしまうという問題がある。
【0008】
また、上述した従来のコンバインドサイクルプランでは、起動時、各起動モードにおいて、蒸気タービンの起動時における昇負荷レートが固定されている。 そのため、蒸気タービンのメタル温度範囲を境とし、蒸気タービンの昇負荷レートが変化する。例えば、蒸気タービンのメタル温度が195℃であるときはコールド起動となり、昇負荷レートは相対的に低く設定され、蒸気タービンのメタル温度が205℃であるときはウォーム起動となり、昇負荷レートは相対的に高く設定される。このとき、蒸気タービンのメタル温度の差が10℃と微小であるにも拘らず、蒸気タービンのメタル温度が195℃であると、蒸気タービンの昇負荷レートが低い側に設定される。よって、僅かな蒸気タービンのメタル温度の差で、蒸気タービンの昇負荷レートが大きく変化し、コンバインドサイクルプラントの起動時間が長くなって時間を要してしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、コンバインドサイクルプラントの起動時間の短縮を可能とするコンバインドサイクルプラント、コンバインドサイクルプラントの制御装置、コンバインドサイクルプラントの起動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明のコンバインドサイクルプラントは、圧縮機と燃焼器とタービンを有するガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスの排熱により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラにより生成された蒸気により駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記ガスタービンの起動時における待機負荷が連続して変化するように設定する制御装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0011】
従って、ガスタービンの起動時における待機負荷が蒸気タービンのメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、ガスタービンが適正負荷により運転されることで、ガスタービンと蒸気タービンとを同時に負荷上昇させる負荷帯を可能な限り減少させることができ、コンバインドサイクルプラント全体の起動時間を短縮することができる。
【0012】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記待機負荷は、前記メタル温度の関数であり、前記メタル温度の上昇に伴って増加することを特徴としている。
【0013】
従って、待機負荷がメタル温度の上昇に伴って増加する関数であるため、蒸気タービンの温度が高いほどガスタービンの待機負荷が高くなり、ガスタービンを適正負荷で起動してガスタービンと蒸気タービンとを同時に負荷上昇させる負荷帯を減少させることができる。
【0014】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記待機負荷は、前記メタル温度に対する低温領域と高温領域とを含む関数であり、前記低温領域及び前記高温領域における前記メタル温度に対する前記待機負荷の変化率を異ならせていることを特徴としている。
【0015】
従って、低温領域における待機負荷の変化率と高温領域における待機負荷の変化率とが相違することとなり、プラント性能に応じた設計を可能とすることができる。
【0016】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記高温領域における前記待機負荷の変化率は、前記低温領域における前記待機負荷の変化率より大きく設定されることを特徴としている。
【0017】
従って、高温領域における待機負荷の変化率が低温領域における待機負荷の変化率より大きいため、高温領域では、蒸気タービンのメタル温度の変化に対して待機負荷を大きく変更することとなり、ガスタービンと蒸気タービンとを同時に負荷上昇させる負荷帯をより減少させることができる。
【0018】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記待機負荷は、前記メタル温度が予め設定された下限温度以下の領域で、一定値に設定されることを特徴としている。
【0019】
従って、メタル温度が下限温度以下の領域で待機負荷を一定値に設定することで、ガスタービンの起動制御を簡素化することができる。
【0020】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記待機負荷は、前記メタル温度が予め設定された上限温度以上の領域で、一定値に設定されることを特徴としている。
【0021】
従って、メタル温度が上限温度以上の領域で待機負荷を一定値に設定することで、ガスタービンにおける熱応力の発生を抑制することができる。
【0022】
また、本発明のコンバインドサイクルプラントは、圧縮機と燃焼器とタービンを有するガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスの排熱により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラにより生成された蒸気により駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記蒸気タービンの起動時における昇負荷レートが連続して変化するように設定する制御装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0023】
従って、蒸気タービンの起動時における昇負荷レートが、蒸気タービンのメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、蒸気タービンによる発電を開始してから、この蒸気タービンが早期に発電量を増加することができ、コンバインドサイクルプラントの起動時間を短縮することができる。
【0024】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記昇負荷レートは、前記メタル温度の関数であり、前記メタル温度の上昇に伴って増加することを特徴としている。
【0025】
従って、昇負荷レートがメタル温度の上昇に伴って増加する関数であるため、蒸気タービンの温度が高いほど蒸気タービンの昇負荷レートが高くなり、蒸気タービンによる発電量を早期に増加することができる。
【0026】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記昇負荷レートは、前記メタル温度に対する低温領域と高温領域とを含む関数であり、前記低温領域及び前記高温領域における前記メタル温度に対する前記昇負荷レートの変化率を異ならせていることを特徴としている。
【0027】
従って、低温領域における昇負荷レートの変化率と高温領域における昇負荷レートの変化率とが相違することとなり、プラント性能に応じた設計を可能とすることができる。
【0028】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記高温領域における前記昇負荷レートの変化率は、前記低温領域における前記昇負荷レートの変化率より大きく設定されることを特徴としている。
【0029】
従って、高温領域における昇負荷レートの変化率が低温領域における昇負荷レートの変化率より大きいため、高温領域では、蒸気タービンのメタル温度の変化に対して昇負荷レートを大きく変更することとなり、蒸気タービンにより早期に発電量を増加することができる。
【0030】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記昇負荷レートは、前記メタル温度が予め設定された下限温度以下の領域で、一定値に設定されることを特徴としている。
【0031】
従って、メタル温度が下限温度以下の領域で昇負荷レートを一定値に設定することで、コンバインドサイクルプラントの運転制御を簡素化することができる。
【0032】
本発明のコンバインドサイクルプラントでは、前記昇負荷レートは、前記メタル温度が予め設定された上限温度以上の領域で、一定値に設定されることを特徴としている。
【0033】
従って、メタル温度が上限温度以上の領域で昇負荷レートを一定値に設定することで、蒸気温度とメタル温度との温度差による蒸気タービンにおける熱応力の発生を抑制することができる。
【0034】
また、本発明のコンバインドサイクルプラントの制御装置は、ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記ガスタービンの起動時における待機負荷が連続して変化するように設定する、ことを特徴とするものである。
【0035】
従って、ガスタービンの起動時における待機負荷が蒸気タービンのメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、コンバインドサイクルプラントの起動時間を短縮することができる。
【0036】
本発明のコンバインドサイクルプラントの制御装置は、ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記蒸気タービンの起動時における昇負荷レートが連続して変化するように設定する、ことを特徴とするものである。
【0037】
従って、蒸気タービンの起動時における昇負荷レートが、蒸気タービンのメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、コンバインドサイクルプラントの起動時間を短縮することができる。
【0038】
また、本発明のコンバインドサイクルプラントの起動方法は、ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、起動時、前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記ガスタービンの待機負荷が連続して変化するように設定する、ことを特徴とするものである。
【0039】
従って、ガスタービンの起動時における待機負荷が蒸気タービンのメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、ガスタービンが適正負荷により運転されることで、ガスタービンと蒸気タービンとを同時に負荷上昇させる負荷帯を可能な限り減少させることができ、コンバインドサイクルプラントの起動時間を短縮することができる。
【0040】
本発明のコンバインドサイクルプラントの起動方法は、ガスタービンと排熱回収ボイラと蒸気タービンとを備えるコンバインドサイクルプラントにおいて、起動時、前記蒸気タービンのメタル温度の変化に応じて前記蒸気タービンの昇負荷レートが連続して変化するように設定する、ことを特徴とするものである。
【0041】
従って、蒸気タービンの起動時における昇負荷レートが、蒸気タービンのメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、蒸気タービンによる発電を開始してから、この蒸気タービンが早期に発電量を増加することができ、コンバインドサイクルプラントの起動時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明のコンバインドサイクルプラント、コンバインドサイクルプラントの制御装置、コンバインドサイクルプラントの起動方法によれば、コンバインドサイクルプラントの起動時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、本実施形態のコンバインドサイクルプラントを表す概略構成図である。
図2図2は、本実施形態のコンバインドサイクルプラントの制御装置を表す概略構成図である。
図3図3は、蒸気タービンメタル温度に対するガスタービン待機負荷を表すグラフである。
図4図4は、蒸気タービンメタル温度に対する蒸気タービン昇負荷レートを表すグラフである。
図5図5は、コンバインドサイクルプラントの起動状態を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るコンバインドサイクルプラント、コンバインドサイクルプラントの制御装置、コンバインドサイクルプラントの起動方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0045】
図1は、本実施形態のコンバインドサイクルプラントを表す概略構成図である。本実施形態において、図1に示すように、コンバインドサイクルプラント10は、ガスタービン11と、排熱回収ボイラ(HRSG)12と、蒸気タービン13とを備えている。
【0046】
ガスタービン11は、圧縮機21と、燃焼器22と、タービン23とを有しており、圧縮機21とタービン23は、回転軸(ロータ)24により一体回転可能に連結されている。圧縮機21は、空気取り込みライン25から取り込んだ空気を圧縮する。燃焼器22は、圧縮機21から圧縮空気供給ライン26を通して供給された圧縮空気と、燃料ガス供給ライン27から供給された燃料ガスとを混合して燃焼する。タービン23は、燃焼器22から燃焼ガス供給ライン28を通して供給された燃焼ガスにより回転駆動する。発電機29は、圧縮機21及びタービン23と同軸上に設けられており、タービン23が回転することで発電することができる。
【0047】
排熱回収ボイラ12は、ガスタービン11(タービン23)から排気ガス排出ライン31を介して排出された排気ガスの排熱によって蒸気を発生させるものである。排熱回収ボイラ12は、過熱器32と、蒸発器33と、節炭器34とを有している。排熱回収ボイラ12は、火炉35の下部から導入されたガスタービン11からの排気ガスが内部を上昇することで、過熱器32、蒸発器33、節炭器34の順に熱回収を行うことで蒸気を生成する。
【0048】
そのため、節炭器34で加熱された給水は、給水ライン36により蒸気ドラム37に送られ、蒸気ドラム37内の給水は、ドラム降水ライン38及びドラム上昇ライン39を介して蒸発器33との間で循環することで加熱されて蒸気を生成する。蒸気ドラム37で生成された蒸気は、飽和蒸気ライン40を介して過熱器32に送られ、ここで過熱される。そして、給水ライン36に流量調節弁41が設けられている。
【0049】
蒸気タービン13は、排熱回収ボイラ12により生成された蒸気により駆動するものであり、タービン42を有し、このタービン42と同軸上に発電機43が連結されている。過熱器32で生成された蒸気は、蒸気供給ライン44を介してタービン42に供給され、発電機43は、このタービン42が回転することで発電することができる。そして、蒸気供給ライン44に流量調節弁45が設けられている。
【0050】
タービン42から排出された蒸気は、蒸気排出ライン46を介して復水器47に供給される。復水器47は、回収された蒸気を冷却水(海水)により冷却して復水とするものである。この復水器47は、生成した復水を復水供給ライン48を介して節炭器34に送る。そして、復水供給ライン48に復水ポンプ49が設けられている。
【0051】
そのため、コンバインドサイクルプラント10を運転するとき、ガスタービン11にて、圧縮機21は、空気を圧縮し、燃焼器22は、供給された圧縮空気と燃料ガスとを混合して燃焼する。すると、タービン23は、燃焼器22から供給された燃焼ガスにより回転駆動し、発電機29が発電を行う。また、ガスタービン11(タービン23)から排出された排気ガスは、排熱回収ボイラ12に送られる。節炭器34で加熱された給水は、蒸気ドラム37に送られ、蒸発器33との間で循環することで加熱されて蒸気を生成する。蒸気ドラム37で生成された蒸気は、過熱器32に送られて過熱され、過熱蒸気が蒸気タービン13に送られる。タービン42は、この過熱蒸気により回転駆動し、発電機43が発電を行う。タービン42で使用された蒸気は、冷却水により冷却されて復水となり、復水ポンプ49により節炭器34に戻される。
【0052】
ところで、このように構成されたコンバインドサイクルプラント10では、蒸気タービン13のメタル温度に応じてガスタービン11における起動時の待機負荷が設定されている。ガスタービン11が起動し、排熱回収ボイラ12がガスタービン11からの排気ガスにより蒸気を生成し、この蒸気を蒸気タービン13に供給して回転駆動するとき、蒸気の温度と蒸気タービン13のメタル温度に大きな温度差があると、蒸気タービン13の各構成部材に熱膨張差が発生し、熱応力が作用してしまう。そのため、コンバインドサイクルプラント10の起動時、蒸気タービン13のメタル温度が低いときには、ガスタービン11の待機負荷を低く設定し、蒸気タービン13のメタル温度が高いときには、ガスタービン11の待機負荷を高く設定している。
【0053】
即ち、コンバインドサイクルプラント10の起動時、蒸気タービン13のメタル温度に応じてガスタービン11の待機負荷が設定されていることから、ガスタービン11が起動すると、この待機負荷に保持される。そして、排熱回収ボイラ12は、ガスタービン11からの排気ガスの排熱により蒸気を生成する。そして、排熱回収ボイラ12で生成される蒸気の過熱度が予め設定された過熱度基準値より高くなると共に、蒸気の温度と蒸気タービン13のメタル温度との温度差が温度差基準値より小さくなると、流量調整弁45を開いて排熱回収ボイラ12で生成した蒸気を蒸気タービン13に供給して運転を開始する。その後、流量調整弁45の開度を制御すると共に、ガスタービン11の負荷を上昇させることで、蒸気タービン13の負荷を上昇させ、発電機43による発電量を増加させている。
【0054】
図2に示すように、制御装置50は、ガスタービン11の運転を制御するガスタービン制御部51と、排熱回収ボイラ12の運転を制御するボイラ制御部52と、蒸気タービン13の運転を制御する蒸気タービン制御部53が接続されており、各制御部51,52,53を制御する。また、制御装置50は、排熱回収ボイラ12から蒸気タービン13へ供給する蒸気の供給量を調整する流量調整弁45の開度を制御する。更に、蒸気タービン13のメタル温度を検出する温度検出器54と、排熱回収ボイラ12が生成した蒸気の温度及び圧力を検出する温度検出器55及び圧力検出器56とが設けられている。制御装置50は、温度検出器54が検出したメタル温度と、温度検出器55が検出した蒸気温度と、圧力検出器56が検出した蒸気圧力が入力される。
【0055】
なお、温度検出器54は、蒸気タービン13におけるロータの温度を検出するものであるが、例えば、熱電対により蒸気タービン13における静翼の温度を計測して蒸気タービン13のメタル温度としている。この場合、予め、蒸気タービン13のロータの温度と静翼の温度との相関関係を実験等により計測しておき、温度検出器54の計測結果をこの相関値により補正してもよい。また、温度検出器により蒸気タービン13のケーシングの温度や蒸気供給配管の温度などを計測してもよい。
【0056】
また、蒸気タービン13のメタル温度に応じてガスタービン11の起動時における待機負荷を設定する待機負荷設定部57と、蒸気タービン13のメタル温度に応じて蒸気タービン13の起動時における昇負荷レートを設定する昇負荷レート設定部58が設けられている。制御装置50は、この待機負荷設定部57と昇負荷レート設定部58が接続されている。
【0057】
そして、本実施形態にて、制御装置50は、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じてガスタービン11の起動時における待機負荷が連続して変化するように設定する。即ち、待機負荷設定部57は、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じてガスタービン11の待機負荷が連続して変化するように設定されたマップ(相関グラフ)を有している。
【0058】
図3は、蒸気タービンメタル温度に対するガスタービン待機負荷を表すグラフである。ここで、ガスタービン11の待機負荷とは、蒸気タービン13に蒸気を供給する前に、ガスタービン11の排気ガスにより排熱回収ボイラ12が蒸気を生成するとき、どのくらいの負荷にガスタービン11を保持して運転するかを表すものであり、ガスタービン待機負荷Pは、全負荷を100(%)としたときの割合(%)である。図3に示すように、ガスタービン11の起動時におけるガスタービン待機負荷Pは、蒸気タービン13のメタル温度Tの関数であり、メタル温度Tの上昇に伴って増加する。
【0059】
この場合、メタル温度Tが予め設定された下限温度T1(例えば0℃)以下の領域Aでは、ガスタービン待機負荷Pが一定値P1(例えば、10%)に設定される。また、メタル温度T1からメタル温度T2まで増加する低温領域Bでは、ガスタービン待機負荷(一定値)P1からガスタービン待機負荷P2(例えば、15%)に連続して増加するように設定される。更に、メタル温度T2からメタル温度T3まで増加する高温領域Cでは、ガスタービン待機負荷P2からガスタービン待機負荷(一定値)P3に連続して増加するように設定される。そして、上限温度としてのメタル温度T3以上の領域Dでは、ガスタービン待機負荷Pが一定値P3(例えば、30%)に設定される。
【0060】
そして、各領域A,B,C,Dの間で、点Q1,Q2,Q3が設定されており、領域B,Cにて、ガスタービン待機負荷Pは、メタル温度Tの直線的な関数であり、メタル温度T1〜T2の低温領域Bとメタル温度T2〜T3の高温領域Cの間に点Q2が設けられる。そして、高温領域Cにおけるガスタービン待機負荷Pの変化率は、低温領域Bにおけるガスタービン待機負荷Pの変化率より大きく設定されている。
【0061】
また、制御装置50は、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じて蒸気タービン13の起動時における昇負荷レートが連続して変化するように設定する。即ち、昇負荷レート設定部58は、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じて蒸気タービン13の昇負荷レートが連続して変化するように設定されたマップ(相関グラフ)を有している。
【0062】
図4は、蒸気タービンメタル温度に対する蒸気タービン昇負荷レートを表すグラフである。ここで、蒸気タービン13の昇負荷レートとは、排熱回収ボイラ12から蒸気タービン13に蒸気が供給されるとき、どのくらいの速度で蒸気タービン13の負荷を上昇させるかを表すものであり、単位時間当たりの蒸気タービン13の負荷上昇幅であり、コンバインドサイクル発電昇負荷(単位時間当たりの発電量)と相関関係にある。図4に示すように、蒸気タービン13の起動時における昇負荷レートRは、蒸気タービン13のメタル温度Tの関数であり、メタル温度Tの上昇に伴って増加する。
【0063】
この場合、メタル温度Tが予め設定された下限温度T1(例えば0℃)以下の領域Aでは、昇負荷レートRが一定値R1に設定される。また、メタル温度T1からメタル温度T2まで増加する低温領域Bでは、昇負荷レート(一定値)R1から昇負荷レートR2に連続して増加するように設定される。更に、メタル温度T2からメタル温度T3まで増加する高温領域Cでは、昇負荷レートR2から昇負荷レート(一定値)R3に連続して増加するように設定される。そして、上限温度としてのメタル温度T3以上の領域Dでは、昇負荷レートRが一定値R3に設定される。
【0064】
そして、各領域A,B,C,Dの間で、点Q11,Q12,Q13が設定されており、領域B,Cにて、昇負荷レートRは、メタル温度Tの直線的な関数であり、メタル温度T1〜T2の低温領域Bとメタル温度T2〜T3の高温領域Cの間に点Q12が設けられる。そして、高温領域Cにおける昇負荷レートRの変化率は、低温領域Bにおける昇負荷レートRの変化率より大きく設定されている。
【0065】
以下、本実施形態のコンバインドサイクルプラント10の起動方法について説明する。本実施形態のコンバインドサイクルプラント10の起動方法は、起動時、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じてガスタービン11の待機負荷が連続して変化するように設定する。また、本実施形態のコンバインドサイクルプラント10の起動方法は、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じて蒸気タービン13の昇負荷レートが連続して変化するように設定する。
【0066】
図5は、コンバインドサイクルプラントの起動状態を表すグラフである。図2及び図5に示すように、コンバインドサイクルプラント10の起動時、蒸気タービン13のメタル温度に応じてガスタービン11の待機負荷が設定される。即ち、制御装置50は、温度検出器54から蒸気タービン13のメタル温度が入力されると、待機負荷設定部57によりメタル温度に応じたガスタービン待機負荷を設定し、ガスタービン制御部51によりガスタービン11を起動する。すると、時間の経過と共にガスタービン11の負荷Gが上昇し、時間t1にて、負荷Gがガスタービン待機負荷Pに到達し、負荷Gがこのガスタービン待機負荷Pに保持されるようにガスタービン11を運転する。このガスタービン制御部51によるガスタービン11の負荷制御は、例えば、燃料ガスの供給量である。
【0067】
すると、排熱回収ボイラ12は、ガスタービン11からの排気ガスの排熱により蒸気を生成する。このとき、制御装置50は、温度検出器55及び圧力検出器56から入力された排熱回収ボイラ12が生成した蒸気の温度の圧力から蒸気の過熱度を算出し、ここで算出された過熱度が、過熱度基準値より高くなったかどうかを判定している。また、制御装置50は、温度検出器55及び圧力検出器56から入力された排熱回収ボイラ12が生成した蒸気の温度と圧力から蒸気タービン入口の蒸気温度を推定し、ここで推定された蒸気温度と蒸気タービン13のメタル温度との温度差が温度差基準値より小さくなったかどうかを判定している。
【0068】
そして、時間t2にて、排熱回収ボイラ12で生成される蒸気の過熱度が過熱度基準値より高くなると共に、蒸気タービン入口の蒸気の温度と蒸気タービン13のメタル温度との温度差が温度差基準値より小さくなると、流量調整弁45を開いて排熱回収ボイラ12で生成した蒸気を蒸気タービン13に供給する。すると、蒸気タービン13は、排熱回収ボイラ12からの蒸気により運転を開始する。このとき、制御装置50は、昇負荷レート設定部58によりメタル温度に応じた蒸気タービン13の昇負荷レートを設定し、蒸気タービン制御部53により蒸気タービン13を運転する。すると、時間の経過と共に蒸気タービン13の負荷Sが上昇し、発電機43による発電量が増加する。この蒸気タービン制御部53による蒸気タービン13の負荷制御は、例えば、流量調整弁45の開度制御と、ガスタービン11での燃料ガスの供給量である。
【0069】
このように本実施形態のコンバインドサイクルプラントにあっては、圧縮機21と燃焼器22とタービン23を有するガスタービン11と、ガスタービン11からの排気ガスの排熱により蒸気を生成する排熱回収ボイラ12と、排熱回収ボイラ12により生成された蒸気により駆動する蒸気タービン13と、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じてガスタービン11の起動時における待機負荷が連続して変化するように設定する制御装置50とを設けている。
【0070】
従って、ガスタービン11の起動時における待機負荷が蒸気タービン13のメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、ガスタービン11が適正負荷により運転されることで、ガスタービン11と蒸気タービン13とを同時に負荷上昇させる負荷帯を可能な限り減少させることができ、コンバインドサイクルプラント10の起動時間を短縮することができる。
【0071】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、ガスタービン待機負荷をメタル温度の関数とし、メタル温度の上昇に伴って増加するように設定している。従って、蒸気タービン13の温度が高いほどガスタービン11の待機負荷が高くなり、ガスタービン11を適正負荷で起動してガスタービン11と蒸気タービン13とを同時に負荷上昇させる負荷帯を減少させることができる。
【0072】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、ガスタービン待機負荷をメタル温度に対する低温領域と高温領域とを含む関数とし、低温領域及び高温領域におけるメタル温度に対する待機負荷の変化率を異ならせている。従って、低温領域におけるガスタービン待機負荷の変化率と高温領域におけるガスタービン待機負荷の変化率とが相違することとなり、プラント性能に応じた設計を可能とすることができる。
【0073】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、高温領域におけるガスタービン待機負荷の変化率を低温領域におけるガスタービン待機負荷の変化率より大きく設定している。従って、高温領域では、蒸気タービン13のメタル温度の変化に対してガスタービン待機負荷を大きく変更することとなり、ガスタービン11と蒸気タービン13とを同時に負荷上昇させる負荷帯をより減少させることができる。
【0074】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、ガスタービン待機負荷をメタル温度が予め設定された下限温度以下の領域で一定値に設定している。従って、ガスタービン11の起動制御を簡素化することができる。
【0075】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、ガスタービン11の待機負荷をメタル温度が予め設定された上限温度以上の領域で一定値に設定している。ガスタービン11における熱応力の発生を抑制することができる。
【0076】
また、本実施形態のコンバインドサイクルプラントにあっては、制御装置50は、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じて蒸気タービン13の起動時における昇負荷レートが連続して変化するように設定している。従って、蒸気タービン13の起動時における昇負荷レートが、蒸気タービン13のメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、蒸気タービン13による発電を開始してから、この蒸気タービン13が早期に発電量を増加することができ、コンバインドサイクルプラント10の起動時間を短縮することができる。
【0077】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、蒸気タービン13の昇負荷レートをメタル温度の関数とし、メタル温度の上昇に伴って増加するようにしている。従って、蒸気タービン13の温度が高いほど蒸気タービン13の昇負荷レートが高くなり、蒸気タービン13による発電量を早期に増加することができる。
【0078】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、昇負荷レートをメタル温度に対する低温領域と高温領域とを含む関数とし、低温領域及び高温領域におけるメタル温度に対する昇負荷レートの変化率を異ならせている。従って、低温領域における昇負荷レートの変化率と高温領域における昇負荷レートの変化率とが相違することとなり、プラント性能に応じた設計を可能とすることができる。
【0079】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、高温領域における昇負荷レートの変化率を低温領域における昇負荷レートの変化率より大きく設定している。従って、高温領域では、蒸気タービン13のメタル温度の変化に対して昇負荷レートを大きく変更することとなり、蒸気タービン13により早期に発電量を増加することができる。
【0080】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、昇負荷レートをメタル温度が予め設定された下限温度以下の領域で一定値に設定している。従って、コンバインドサイクルプラント10の運転制御を簡素化することができる。
【0081】
本実施形態のコンバインドサイクルプラントでは、昇負荷レートをメタル温度が予め設定された上限温度以上の領域で一定値に設定している。従って、蒸気温度とメタル温度との温度差による蒸気タービン13における熱応力の発生を抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態のコンバインドサイクルプラントの制御装置にあっては、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じてガスタービン11の起動時における待機負荷が連続して変化するように設定している。従って、ガスタービン11の起動時における待機負荷が蒸気タービンのメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、コンバインドサイクルプラント10の起動時間を短縮することができる。
【0083】
また、本実施形態のコンバインドサイクルプラントの制御装置にあっては、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じて蒸気タービン13の起動時における昇負荷レートが連続して変化するように設定している。従って、蒸気タービン13の起動時における昇負荷レートが、蒸気タービン13のメタル温度に対して最適値に設定されることとなり、コンバインドサイクルプラント10の起動時間を短縮することができる。
【0084】
また、本実施形態のコンバインドサイクルプラントの起動方法にあっては、起動時、蒸気タービンのメタル温度の変化に応じてガスタービンの待機負荷が連続して変化するように設定している。また、蒸気タービン13のメタル温度の変化に応じて蒸気タービン13の昇負荷レートが連続して変化するように設定している。従って、コンバインドサイクルプラント10の起動時間を短縮することができる。
【0085】
なお、上述した実施形態にて、ガスタービン11の待機負荷と蒸気タービン13の昇負荷レートを、蒸気タービン13のメタル温度の各領域において直線的な関数としたが、この関係に限定されるものではない。即ち、ガスタービン11の待機負荷や蒸気タービン13の昇負荷レートを、蒸気タービン13のメタル温度の二次関数以上の高次の関数としてもよい。
【0086】
また、上述した実施形態にて、ガスタービン11の待機負荷と蒸気タービン13の昇負荷レートを、メタル温度Tがら予め設定された下限温度以下の領域で一定値としたが、この領域もメタル温度Tの上昇に応じて増加するように設定してもよい。
【0087】
なお、上述した実施形態にて、コンバインドサイクルシステム10にて、1台のガスタービン11と1台の蒸気タービン13を組み合わせたが、回転軸(ロータ)を同軸としても、別軸としてもよい。また、複数台のガスタービン11と1台の蒸気タービン13を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0088】
10 コンバインドサイクルプラント
11 ガスタービン
12 排熱回収ボイラ
13 蒸気タービン
21 圧縮機
22 燃焼器
23 タービン
29,43 発電機
32 過熱器
33 蒸発器
34 節炭器
37 蒸気ドラム
42 タービン
45 流量調整弁
47 復水器
49 復水ポンプ
50 制御装置
51 ガスタービン制御部
52 ボイラ制御部
53 蒸気タービン制御部
54,55 温度検出器
56 圧力検出器
57 待機負荷設定部
58 昇負荷レート設定部
図1
図2
図3
図4
図5