特開2016-223418(P2016-223418A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223418(P2016-223418A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】内燃機関の排気構造
(51)【国際特許分類】
   F02F 1/42 20060101AFI20161205BHJP
   F02F 1/24 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   F02F1/42 L
   F02F1/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-113422(P2015-113422)
(22)【出願日】2015年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 尚稔
(72)【発明者】
【氏名】廣中 正樹
【テーマコード(参考)】
3G024
【Fターム(参考)】
3G024AA12
3G024BA25
3G024DA03
3G024DA06
3G024DA18
3G024EA01
3G024FA14
3G024HA01
(57)【要約】
【課題】 内燃機関の排気構造において、上流端が分岐した排気ポートへのライナーの装着を容易にする。
【解決手段】 内燃機関1の排気構造であって、シリンダヘッド2の排気側側面2Bに沿うように配置され、排気ポート10の主通路部11と対応する第1貫通孔33が形成された第1板状部30と、第1貫通孔の縁部から主通路部内に延びる第1基部31と、第1基部の先端から排気ポート10の分岐通路部12内に延びる第1先端部32とを有する第1部材21と、第1貫通孔と対応する第2貫通孔43が形成された第2板状部40と、第2貫通孔の縁部から第1貫通孔を通過して主通路部内に延びる第2基部41と、第2基部の先端から分岐通路部内13に延びる第2先端部42とを有する第2部材22と、排気側側面に締結され、排気側側面との間に第1板状部及び第2板状部を挟持する排気装置70とを有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室凹部と、排気側側面と、前記排気側側面に開口する主通路部及び前記主通路部から分岐してそれぞれ前記燃焼室凹部に開口する複数の分岐通路部を備えた排気ポートとを備えたシリンダヘッドと、
前記排気側側面に沿うように配置され、前記主通路部の開口端と対応する部分に第1貫通孔が形成された第1板状部と、前記第1板状部の前記第1貫通孔の縁部から前記主通路部内に延びる第1基部と、両端が開口した筒形をなし、前記第1基部の先端から1つの前記分岐通路部内に延びる第1先端部とを有する第1部材と、
前記第1板状部に沿うように配置され、前記第1貫通孔と対応する部分に第2貫通孔が形成された第2板状部と、前記第2板状部の前記第2貫通孔の縁部から前記第1貫通孔を通過して前記主通路部内に延びる第2基部と、両端が開口した筒形をなし、前記第2基部の先端から他の前記分岐通路部内に延びる第2先端部とを有する第2部材と、
前記排気側側面に締結され、前記排気側側面との間に前記第1板状部及び前記第2板状部を挟持すると共に、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を介して前記主通路部に接続される排気通路を備えた排気装置とを有することを特徴とする内燃機関の排気構造。
【請求項2】
前記第1基部及び前記第2基部は、互いに協働して、前記主通路部の延在方向に延びる1つの筒を形成することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気構造。
【請求項3】
前記主通路部は、前記排気側側面側よりも前記分岐通路部側の横断面積が大きく、
前記第1基部及び前記第2基部によって形成される筒は、前記排気側側面側よりも前記分岐通路部側の横断面積が大きいことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気構造。
【請求項4】
前記第1基部及び前記第2基部が形成する筒の外面は、前記主通路部の内壁と隙間を介して対向していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内燃機関の排気構造。
【請求項5】
前記第2基部及び前記第2先端部は、平面視において前記排気側側面と略直交する第1方向に延び、
前記第1基部及び前記第1先端部は、平面視において前記第1方向に傾斜した第2方向に延びることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の内燃機関の排気構造。
【請求項6】
前記分岐通路部の内壁には、燃焼室凹部側の部分に対して段違いに凹設され、前記主通路部に繋がる拡幅部が形成され、
前記第1先端部及び前記第2先端部は、隙間を介して前記拡幅部に受容されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つの項に記載の内燃機関の排気構造。
【請求項7】
前記第1板状部は、前記第1貫通孔を囲む第1ビードを有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つの項に記載の内燃機関の排気構造。
【請求項8】
前記第2板状部は、前記第2貫通孔を囲む第2ビードを有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つの項に記載の内燃機関の排気構造。
【請求項9】
前記シリンダヘッドは、吸気側側面と、前記排気側側面から前記吸気側側面に貫通するヘッド内EGR通路とを備え、
前記第1板状部は、前記ヘッド内EGR通路の排気側側面側の開口端と対応する部分に第1EGR孔が形成され、
前記第2板状部は、前記ヘッド内EGR通路の排気側側面側の開口端と対応する部分に第2EGR孔が形成され、
前記第1板状部又は前記第2板状部に沿うように配置され、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔と対応する部分に第3貫通孔が形成されると共に、前記ヘッド内EGR通路と対応する位置に第3EGR孔が形成された第3板状部と、前記第3板状部の前記第3EGR孔の縁部から前記ヘッド内EGR通路内に延びる筒部を有する第3部材を更に有し、
前記排気装置は、前記排気側側面との間に前記第1板状部、前記第2板状部、及び前記第3板状部を挟持することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つの項に記載の内燃機関の排気構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用の内燃機関の排気構造において、排気系に設けられた排気浄化装置に高温の排気を供給するために、シリンダヘッドの排気ポートに、その内壁を覆う筒状のライナーを装着したものがある(例えば、特許文献1、2)。ライナーは、排気と排気ポートの内壁との熱交換を抑制し、排気浄化装置に流入する排気ガスの温度を高温に維持する。
【0003】
特許文献1に記載の内燃機関では、ライナーは、両端が開口した筒部と、筒部の一端から径方向外向きに延びるフランジ部とを有する。排気ポートのシリンダヘッドの排気側側面における開口端から筒部が排気ポートに挿入され、フランジ部が排気側側面と、排気側側面に締結される排気マニホールドとの間に挟持されることによって、ライナーがシリンダヘッドに固定される。特許文献2に記載の内燃機関は、ライナーをセラミックスによって形成し、シリンダヘッドの鋳造時にライナーを鋳込むことによって、ライナーをシリンダヘッドに固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭59−85350号公報
【特許文献2】実開平3−89957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係るライナーは、シリンダヘッドへの取り付けが比較的容易であるが、簡単な形状の排気ポートにしか適用でないという問題がある。例えば、排気ポートの上流側部分(燃焼室側部分)が下流側部分(排気側側面側)に対して分岐し、それぞれが側方に広がっている場合、分岐した上流側部分のそれぞれにライナーを挿入することができない。一方、特許文献2に係るライナーは、様々な形状の排気ポートに装着することができるが、シリンダヘッドの鋳造時に鋳込む必要があり、製造が困難であると共にコストが増加するという問題がある。
【0006】
本発明は、以上の背景を鑑み、内燃機関の排気構造において、上流端が分岐した排気ポートへのライナーの装着を容易にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、内燃機関(1)の排気構造であって、燃焼室凹部(4)と、排気側側面(2B)と、前記排気側側面に開口する主通路部(11)及び前記主通路部から分岐してそれぞれ前記燃焼室凹部に開口する複数の分岐通路部(12、13)を備えた排気ポート(10)とを備えたシリンダヘッド(2)と、前記排気側側面に沿うように配置され、前記主通路部の開口端と対応する部分に第1貫通孔(33)が形成された第1板状部(30)と、前記第1板状部の前記第1貫通孔の縁部から前記主通路部内に延びる第1基部(31)と、両端が開口した筒形をなし、前記第1基部の先端から1つの前記分岐通路部内に延びる第1先端部(32)とを有する第1部材(21)と、前記第1板状部に沿うように配置され、前記第1貫通孔と対応する部分に第2貫通孔(43)が形成された第2板状部(40)と、前記第2板状部の前記第2貫通孔の縁部から前記第1貫通孔を通過して前記主通路部内に延びる第2基部(41)と、両端が開口した筒形をなし、前記第2基部の先端から他の前記分岐通路部内に延びる第2先端部(42)とを有する第2部材(22)と、前記排気側側面に締結され、前記排気側側面との間に前記第1板状部及び前記第2板状部を挟持すると共に、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を介して前記主通路部に接続される排気通路(70B)を備えた排気装置(70)とを有する。
【0008】
この態様によれば、燃焼室凹部側が分岐した排気ポートに、排気側側面側の開口端から第1部材及び第2部材を挿入することによって、排気ポートの分岐通路部にもライナーを設けることができる。第1部材の第1基部及び第1先端部を排気ポートに挿入した後に、第2部材の第2基部及び第2先端部を排気ポートに挿入することによって、第1基部及び第1先端部と第2基部及び第2先端部とを排気ポート内で組み合わせて排気ポートの内壁を覆うライナーを形成することができる。第1板状部及び第2板状部がシリンダヘッドと排気装置との間に挟持されることによって、第1部材及び第2部材がシリンダヘッドに取り付けられるため、取付作業が容易である。また、第1板状部及び第2板状部は、排気側側面と排気装置との間をシールするガスケットとして機能する。
【0009】
上記の態様において、前記第1基部及び前記第2基部は、互いに協働して、前記主通路部の延在方向に延びる1つの筒を形成するとよい。
【0010】
この態様によれば、第1基部及び第2基部によって排気ポートの主筒路部の内壁が覆われ、排気と主通路部との熱交換が抑制される。
【0011】
上記の態様において、前記主通路部は、前記排気側側面側よりも前記分岐通路部側の横断面積が大きく、前記第1基部及び前記第2基部によって形成される前記筒は、前記排気側側面側よりも前記分岐通路部側の横断面積が大きいとよい。
【0012】
この態様によれば、各分岐通路部から主通路部に流れる排気を円滑に流すことができる。第1基部及び第2基部は互いに独立した部材であるため、作業者は、第1基部及び第2基部を片方ずつ順に排気ポートに挿入し、その後、排気ポート内でそれぞれを互いに組み合わせることによって、開口端に対して内側が広い通路にもライナーを適切に組み付けることができる。
【0013】
上記の態様において、前記第2基部及び前記第2先端部は、平面視において前記排気側側面と直交する第1方向(X)に延び、前記第1基部及び前記第1先端部は、平面視において前記第1方向に傾斜した第2方向(Y)に延びるとよい。
【0014】
この態様によれば、第1基部及び第1先端部を第2方向に沿って排気ポートに挿入した後、第2基部及び第2先端部を第1方向に沿って排気ポートに挿入することができ、第1基部及び第1先端部と第2基部及び第2先端部とを排気ポートの内部で組み合わせることができる。
【0015】
上記の態様において、前記第1基部及び前記第2基部が形成する筒の外面は、前記主通路部の内壁と隙間を介して対向しているとよい。
【0016】
この態様によれば、第1基部及び第2基部と主通路部の内壁との間の熱交換が抑制され、排気の温度低下が抑制される。
【0017】
上記の態様において、前記分岐通路部の内壁には、燃焼室凹部側の部分に対して段違いに凹設され、前記主通路部に繋がる拡幅部(12A、13A)が形成され、前記第1先端部及び前記第2先端部は、隙間を介して前記拡幅部に受容されているとよい。
【0018】
この態様によれば、隙間によって第1及び第2先端部と分岐通路部との接触が避けられるため、両者間の熱伝達が抑制される。また、第1及び第2先端部が拡幅部に受容されるため、第1及び第2先端部の端面の分岐通路内への突出が抑制され、分岐通路部から第1及び第2先端部内に排気が円滑に流れるようになる。また、第1及び第2先端部と分岐通路部との間に隙間が形成されているため、第1及び第2先端部が熱膨張するときに、第1先端部及び第2先端部と分岐通路部との干渉が避けられる。
【0019】
上記の態様において、前記第1板状部は、前記第1貫通孔を囲む第1ビード(36)を有するとよい。また、前記第2板状部は、前記第2貫通孔を囲む第2ビード(46)を有するとよい。
【0020】
この態様によれば、シリンダヘッドと排気装置との間が第1板状部及び第2板状部によって、一層確実にシールされる。
【0021】
上記の態様において、前記シリンダヘッドは、吸気側側面(2A)と、前記排気側側面から前記吸気側側面に貫通するヘッド内EGR通路(18)とを備え、前記第1板状部は、前記ヘッド内EGR通路の排気側側面側の開口端と対応する部分に第1EGR孔(35)が形成され、前記第2板状部は、前記ヘッド内EGR通路の排気側側面側の開口端と対応する部分に第2EGR孔(45)が形成され、前記第1板状部又は前記第2板状部に沿うように配置され、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔と対応する部分に第3貫通孔(53)が形成されると共に、前記ヘッド内EGR通路と対応する位置に第3EGR孔(55)が形成された第3板状部(50)と、前記第3板状部の前記第3EGR孔の縁部から前記ヘッド内EGR通路内に延びる筒部(51)を有する第3部材(23)を更に有し、前記排気装置は、前記排気側側面との間に前記第1板状部、前記第2板状部、及び前記第3板状部を挟持するとよい。
【0022】
この態様によれば、排気ポートのライナーに加えて、ヘッド内EGR通路にもライナーを装着することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上の態様によれば、内燃機関の排気構造において、上流端が分岐した排気ポートへのライナーの装着を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る内燃機関の分解斜視図
図2】シリンダヘッドの断面図
図3】ライナーユニットの斜視図
図4】ライナーユニットの分解斜視図
図5】第1部材の正面図
図6】第1部材を正面に対して斜めから見た図
図7】第2部材の正面図
図8】第2部材を正面に対して斜めから見た図
図9図2のIX−IX断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明を自動車の内燃機関に適用した実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係る内燃機関は、直列4気筒DOHC型のエンジンであり、吸気バルブ及び排気バルブをそれぞれ2個ずつ備えている。以下の説明では、図1に示す座標軸に基づいて各方向を定める。
【0026】
図1及び図2に示すように、内燃機関1のシリンダヘッド2は、略長方形に形成されている。シリンダヘッド2の後側面を吸気側側面2Aとし、前側側面を排気側側面2Bとする。シリンダヘッド2の下面には、4つの燃焼室凹部4が凹設されている。4つの燃焼室凹部4は、左右方向に沿うシリンダ列方向に沿って配置されている。図示しないシリンダブロックには、燃焼室凹部4に対応して4つのシリンダが形成されている。各シリンダの軸線であるシリンダ軸線は上下に延び、各シリンダにはピストンがシリンダ軸線に沿って往復動可能に収容されている。燃焼室凹部4は、ピストンと協働して燃焼室を画定する。
【0027】
シリンダヘッド2の吸気側側面2Aには、左右方向に延びる集合溝5が凹設されている。シリンダヘッド2には、集合溝5と燃焼室凹部4とを接続する複数の吸気ポート6が形成されている。吸気ポート6は、1つの燃焼室凹部4に対して2つ設けられ、それぞれ前後に延在している。燃焼室凹部4と各吸気ポート6との境界部には、ポペット弁である吸気バルブが設けられている。吸気バルブは、バルブスプリングによって吸気ポート6を閉じる閉位置に付勢されており、動弁機構に駆動されたときに開位置に移動して吸気ポート6を開く。
【0028】
シリンダヘッド2には、燃焼室凹部4から排気側側面2Bに延びる複数の排気ポート10が形成されている。排気ポート10は、1つの燃焼室凹部4に対して1つ設けられ、それぞれ前後に延在している。
【0029】
排気ポート10は、排気側側面2Bに開口する前端を備えた主通路部11と、主通路部11の後端から分岐してそれぞれ後方に延び、燃焼室凹部4に開口する第1分岐通路部12及び第2分岐通路部13とを有する。
【0030】
図2に示すように、主通路部11の左半部11Aと右半部11Bとは形状が相違する。左半部11Aは、前後に延びる第1軸線Xを中心とした等径の半円筒形に形成されている。右半部11Bは、後方に向けて右方に傾斜した第2軸線Yを中心とした半円筒形に形成されている。左半部11Aと右半部11Bとを含む主通路部11は、後方に向かうにつれて左右方向における幅が漸増している。
【0031】
第1分岐通路部12は、主通路部11の右半部11Bの後端から第2軸線Yに沿って延びた後、後方に向けて屈曲し、後端において燃焼室凹部4に開口している。第1分岐通路部12の内壁の排気側部分(前側部分)には、吸気側部分(後側部分)に対して段違いに凹設された第1拡幅部12Aが形成されている。第1拡幅部12Aは、第1分岐通路部12の周方向に延在して環状をなし、主通路部11に繋がっている。第1分岐通路部12の吸気側部分と第1拡幅部12Aとの境界には、肩面が前方を向く第1段部12Bが形成されている。第1段部12Bは、第1分岐通路部12の屈曲部に形成されている。
【0032】
第2分岐通路部13は、主通路部11の左半部11Aの後端から第1軸線Xに沿って延び、後端において燃焼室凹部4に開口している。第2分岐通路部13の内壁の排気側部分(前側部分)には、吸気側部分(後側部分)に対して段違いに凹設された第2拡幅部13Aが形成されている。第2拡幅部13Aは、第2分岐通路部13の周方向に延在して環状をなし、主通路部11に繋がっている。第2分岐通路部13の吸気側部分と第2拡幅部13Aとの境界には、肩面が前方を向く第2段部13Bが形成されている。
【0033】
第1分岐通路部12及び第2分岐通路部13の後端部の上壁には、筒形のバルブガイドが挿入されるバルブガイド孔15が形成されている。第1分岐通路部12及び第2分岐通路部13の横断面はそれぞれ略円形に形成されている。
【0034】
主通路部11と第1及び第2分岐通路部13との境界には、肩面が前方を向く第3段部16が形成されている。
【0035】
シリンダヘッド2において、最も左側に配置された燃焼室凹部4の左側部分には、排気側側面2Bから吸気側側面2Aに前後に延びるヘッド内EGR通路18が形成されている。図9に示すように、ヘッド内EGR通路18の長手方向における中央部18Aは、ヘッド内EGR通路18の前端及び後端に対して上方に配置されている。ヘッド内EGR通路18の排気側部分18Bは前端から中央部18Aにかけて斜め上方に傾斜して直線状に延びている。ヘッド内EGR通路18の吸気側部分18Cは、後端から前方にかけて斜め上方に若干傾斜して直線状に延びた後、傾斜角度を大きくするように屈曲し、中央部18Aに向けて直線状に延びている。
【0036】
図2に示すように、シリンダヘッド2には、燃焼室凹部4及び各排気ポート10の周囲にウォータジャケット8が形成されている。
【0037】
図2図4に示すように、シリンダヘッド2に装着されるライナーユニット20は、第1〜第4部材21、22、23、24を含む。第1〜第4部材21〜24は、金属から形成されている。
【0038】
図2図6に示すように、第1部材21は、第1板状部30と、第1板状部30に設けられた4つの第1基部31及び第1先端部32とを有する。第1板状部30は、鋼板から形成され、排気側側面2Bに沿うように配置されている。第1板状部30には、各排気ポート10の前端(排気側側面2B側の開口端)に対応して、厚み方向に貫通する複数の第1貫通孔33が形成されている。また、第1板状部30には、ヘッド内EGR通路18の前端に対応して厚み方向に貫通する第1EGR孔35が形成されている。第1板状部30の各第1貫通孔33及び第1EGR孔35の外周側には、それぞれ環状をなす第1ビード36が形成されている。第1ビード36は、フルビード及びハーフビードのいずれであってもよい。
【0039】
複数の第1基部31は、第1板状部30の後面における第1貫通孔33の縁部の右半部11Bから第2軸線Yに沿って延びている。第1基部31は、半筒形に形成され、その外周面は主通路部11の右半部11Bの内壁と隙間を介して対向している。第1基部31の後端部には、縁部から径方向内向きに延びる第1端壁部37が形成されている。第1端壁部37の外面(後面)は、第3段部16の肩面と隙間を介して対向している。
【0040】
第1端壁部37の内縁部には両端が開口した略円筒形に形成された第1先端部32の前端縁の右部が結合されている。第1先端部32は、第2軸線Yに沿って、第1分岐通路部12内に延びている。第1先端部32の外周面は、第1分岐通路部12の内壁と隙間を介して対向している。第1先端部32の後端面は、第1段部12Bの肩面と隙間を介して対向している。
【0041】
第1基部31及び第1先端部32の左端部は、上下かつ前後に延在する平面に沿う第1結合面38を形成している。第1先端部32の前端左部は、第1結合面38を形成するように切り欠かれている。
【0042】
図2図4図7及び図8に示すように、第2部材22は、第2板状部40と、第2板状部40に設けられた4つの第2基部41及び第2先端部42とを有する。第2板状部40は、鋼板から形成され、第1板状部30の前面に沿うように配置されている。第2板状部40には、第1貫通孔33(排気ポート10の前端)に対応して、厚み方向に貫通する複数の第2貫通孔43が形成されている。また、第2板状部40には、第1EGR孔35(ヘッド内EGR通路18の前端)に対応して厚み方向に貫通する第2EGR孔45が形成されている。第2板状部40の各第2貫通孔43及び第2EGR孔45の外周側には、それぞれ環状をなす第2ビード46が形成されている。第2ビード46は、フルビード及びハーフビードのいずれであってもよい。
【0043】
複数の第2基部41は、第2板状部40の後面における第2貫通孔43の縁部の左半部11Aから、第1軸線Xに沿って後方に延びている。第2基部41は、半筒形に形成され、対応する第1貫通孔33を通過し、主通路部11の左半部11Aの内壁と隙間を介して対向している。第2基部41の後端部には、縁部から径方向内向きに延びる第2端壁部47が形成されている。第2端壁部47の外面(後面)は、第3段部16の肩面と隙間を介して対向している。
【0044】
第2端壁部47の内縁部には両端が開口した略円筒形に形成された第2先端部42の前端縁の左部が結合されている。第2先端部42は、第1軸線Xに沿って、第2分岐通路部13内に延びている。第2先端部42の外周面は、第2分岐通路部13の内壁と隙間を介して対向している。第2先端部42の後端面は、第2段部13Bの肩面と隙間を介して対向している。
【0045】
第2基部41及び第2先端部42の右端部は、上下かつ前後に延在する平面に沿う第2結合面48を形成している。第2先端部42の前端右部は、第2結合面48を形成するように切り欠かれている。
【0046】
第1基部31、第1先端部32、第2基部41、及び第2先端部42は、第1結合面38及び第2結合面48において互いに当接し、協働して1つの連続した管(筒)を形成する。第1基部31と第2基部41とは、互いに協働して、主通路部11に配置された1つの筒を形成する。第1先端部32及び第2先端部42は、第1基部31及び第2基部41によって形成される筒の後端から互いに分岐して後方に延びる筒を形成する。これにより、第1基部31、第1先端部32、第2基部41、及び第2先端部42は、平面視において、略Y字形の管を形成する。
【0047】
図3図4及び図9に示すように、第3部材23は、第3板状部50と、第3板状部50に設けられた排気側筒部51とを有する。第3板状部50は、鋼板から形成され、第2板状部40の前面に沿うように配置されている。第3板状部50には、第2貫通孔43(排気ポート10の前端)に対応して、厚み方向に貫通する複数の第3貫通孔53が形成されている。また、第3板状部50には、第2EGR孔45(ヘッド内EGR通路18の前端)に対応して厚み方向に貫通する第3EGR孔55が形成されている。第3板状部50の各第3貫通孔53及び第3EGR孔55の外周側には、それぞれ環状をなす第3ビード56が形成されている。第3ビード56は、フルビード及びハーフビードのいずれであってもよい。
【0048】
排気側筒部51は、円筒形に形成され、第3板状部50の後面における第3EGR孔55の縁部から、第2EGR孔45及び第1EGR孔35を通過してヘッド内EGR通路18内を後方に延びている。排気側筒部51は、後端が前端よりも上方に位置するように、後方に向けて上方に傾斜し、直線状に延びている。排気側筒部51の外周面は、ヘッド内EGR通路18の排気側部分18Bの内壁と隙間を介して対向している。
【0049】
排気側筒部51の後端は、ヘッド内EGR通路18の中央部18Aよりも後方に配置されている。排気側筒部51の後端の下半部は切り欠かれており、排気側筒部51の後端の上半部51Aが後方に突出している。また、排気側筒部51の後端の上半部51Aは、後方に向けて下方に傾斜している。これにより、排気側筒部51の後端の開口は、下方に向けて開口している。
【0050】
第4部材24は、第4板状部60と、第4板状部60に設けられた吸気側筒部61とを有する。第4板状部60は、鋼板から形成され、吸気側側面2Aにおけるヘッド内EGR通路18の開口端の周囲に沿うように配置されている。第4板状部60には、ヘッド内EGR通路18の後端に対応して厚み方向に貫通する第4EGR孔62が形成されている。第3板状部50の第4EGR孔62の外周側には、それぞれ環状をなす第4ビード63が形成されている。第4ビード63は、フルビード及びハーフビードのいずれであってもよい。
【0051】
吸気側筒部61は、円筒形に形成され、第4板状部60の前面における第4EGR孔62の縁部からヘッド内EGR通路18内を前方に延びている。吸気側筒部61は、前端が後端端よりも若干上方に位置するように、前方に向けて上方に傾斜し、直線状に延びている。吸気側筒部61の外周面は、ヘッド内EGR通路18の吸気側部分18C(後側部分)の内壁と所定の隙間をおいて配置されている。
【0052】
吸気側筒部61の前端は、ヘッド内EGR通路18の中央部18Aよりも後方に配置されている。吸気側筒部61の前端の上半部は切り欠かれており、吸気側筒部61の前端の下半部61Aが前方に突出している。また、吸気側筒部61の前端の下半部61Aは、前方に向けて上方に傾斜している。これにより、吸気側筒部61の前端は、上方に向けて開口している。
【0053】
排気側筒部51の後端は、吸気側筒部61の前端の内側に受容されている。詳細には、排気側筒部51の上半部51Aの後縁(排気側筒部51の後端開口の後縁)は、吸気側筒部61の上半部の前縁(吸気側筒部61の前端開口の後縁部)の下方かつ後方に配置され、排気側筒部51の下半部61Aの後縁(排気側筒部51の後端開口の前縁)は、吸気側筒部61の下半部61Aの前縁(吸気側筒部61の前端開口の前縁)の上方かつ後方に配置されている。このようにして、排気側筒部51の後端部及び吸気側筒部61の前端部は、互いに接続されている。
【0054】
図1に示すように、第1板状部30、第2板状部40、及び第3板状部50は互いに積層され、排気側側面2Bにボルトによって締結される排気マニホールド70の結合面70Aと排気側側面2Bとの間に挟持される。第1〜第3板状部30、40、50の互いに対応する部分には、排気マニホールド70を排気側側面2Bに締結するためのボルトが通過するボルト孔67が複数形成されている。第1〜第3板状部30、40、50の各ボルト孔67にボルトが挿通されることによって、第1〜第3部材21〜23はシリンダヘッド2に対して位置決めされる。
【0055】
第4板状部60は、吸気側側面2Aにボルトによって締結されるEGR通路部材72の第1結合面72Aと吸気側側面2Aとの間に挟持される。第4板状部60には、EGR通路部材72を吸気側側面2Aに締結するためのボルトが通過するボルト孔68が複数形成されている。第4板状部60の各ボルト孔68にボルトが挿通されることによって、第4部材24はシリンダヘッド2に対して位置決めされる。
【0056】
これにより、シリンダヘッド2に対する第1〜第4部材21〜24の位置が定まり、第1及び第2基部31、41が主通路部11の内壁との間に隙間を介して配置され、第1及び第2先端部32、42が第1及び第2分岐通路部12、13の内壁との間に隙間を介して配置され、排気側筒部51及び吸気側筒部61がヘッド内EGR通路18の内壁との間に隙間を介して配置される。
【0057】
第1〜第3板状部30、40、50は、排気側側面2Bと排気マニホールド70の結合面70Aとの間をシールするガスケットとして機能する。第4板状部60は、吸気側側面2AとEGR通路部材72の第1結合面72Aとの間をシールするガスケットとして機能する。第1〜第3ビード36、46、56は、互いに対応する位置に配置され、排気側側面2B及び排気マニホールド70の結合面70Aとの接触圧を高め、シール性を高める。また、第4ビード63は、吸気側側面2A及びEGR通路部材72の第1結合面72Aとの接触圧を高め、シール性を高める。
【0058】
排気マニホールド70の内部には排気通路70Bが形成されている。排気通路70Bは、各主通路部11の前端に対応して分岐し、排気マニホールド70の結合面70Aに開口している。また、排気マニホールド70には、排気通路70Bから分岐して結合面70Aに開口し、ヘッド内EGR通路18の前端に接続される第1EGR通路74を有する。
【0059】
図9に示すように、EGR通路部材72は、内部に形成された第2EGR通路75と、第2EGR通路75を開閉するEGRバルブ75Aとを有する。第2EGR通路75の一端は、第1結合面72Aに開口し、第4板状部60を介してヘッド内EGR通路18の後端と連通している。第2EGR通路75の他端は、EGR通路部材72の他の側面である第2結合面72Bに開口している。
【0060】
図1に示すように、吸気側側面2Aには、吸気マニホールド77がボルトによって締結されている。吸気マニホールド77の内部に形成された吸気通路77Aの下流端は、吸気側側面2Aとの結合面77Bに開口し、集合溝5に接続されている。吸気マニホールド77の吸気通路77Aの上流端は、吸気管78に接続され、吸気管78の上流端はスロットルバルブ、エアクリーナ等を介して吸気入口に接続されている。また、吸気管78には、内部の吸気通路78Aに接続された第3EGR通路78Bが形成されている。第3EGR通路78Bは、吸気管78の側面に開口している。
【0061】
EGR通路部材72と吸気管78とは互いに結合され、第2EGR通路75の他端と第3EGR通路78Bの開口端とは互いに接続されている。燃焼室から各排気ポート10を通過して排気マニホールド70の排気通路70Bに排出された排気の一部は、第1EGR通路74、ヘッド内EGR通路18、第2EGR通路75、第3EGR通路78Bを順に通過してEGRガスとして吸気通路78Aに供給される。吸気通路78Aに供給されるEGRガスの流量は、EGRバルブ75Aによって制御される。
【0062】
次に、ライナーユニット20のシリンダヘッド2への取り付け方法について説明する。最初に、第1部材21の各第1先端部32及び各第1基部31を各排気ポート10の主通路部11及び第1分岐通路部12に挿入する。このとき、第1先端部32及び第1基部31は、前後方向に対して傾斜した第2軸線Yに沿った方向から排気ポート10に挿入する。次に、第2部材22の各第2先端部42及び各第2基部41を、第1部材21の第1貫通孔33を通して、各排気ポート10の主通路部11及び第2分岐通路部13に挿入する。このとき、第2先端部42及び第2基部41は、前後方向と平行な第1軸線Xに沿った方向から排気ポート10に挿入する。次に、第3部材23の排気側筒部51を、第2EGR孔45及び第1EGR孔35を通して、ヘッド内EGR通路18に挿入する。そして、排気マニホールド70を排気側側面2Bに締結し、互いに積層された第1〜第3板状部30、40、50を排気マニホールド70と排気側側面2Bとの間に挟持する。これにより、第1〜第3部材21〜23がシリンダヘッド2に固定される。第4部材24は、任意のタイミングでシリンダヘッド2に装着するとよい。また、上述した手順では、第2部材22をシリンダヘッド2に装着した後に、第3部材23をシリンダヘッド2に装着した例を示したが、第2部材22と第3部材23とを予め組み合わせておき、第1部材21をシリンダヘッド2に装着した後に、第2部材22及び第3部材23の組立体をシリンダヘッド2に装着してもよい。
【0063】
次に、本実施形態の効果について説明する。第1部材21の第1基部31及び第1先端部32を排気ポート10に挿入した後に、第2部材22の第2基部41及び第2先端部42を排気ポート10に挿入することができ、第1基部31及び第1先端部32と第2基部41及び第2先端部42とを排気ポート10内で組み合わせて排気ポート10の内壁を覆うライナーを形成することができる。第1板状部30、第2板状部40、及び第3板状部50がシリンダヘッド2と排気マニホールド70との間に挟持されることによって、第1部材21、第2部材22及び第3部材23がシリンダヘッド2に取り付けられるため、取付作業が容易である。また、第1板状部30、第2板状部40及び第3板状部50は、排気側側面2Bと排気マニホールド70との間をシールするガスケットとして機能する。
【0064】
第1基部31及び第2基部41は、互いに協働して主通路部11と同軸に延びる1つの筒を形成するため、排気と主通路部11との熱交換が抑制される。
【0065】
主通路部11と、第1基部31及び第2基部41によって形成される筒とは、排気側よりも吸気側の横断面積が大きいため、第1分岐通路部12及び第2分岐通路部13から主通路部11に流れる排気を円滑に流すことができる。第1基部31及び第2基部41は互いに独立した部材であるため、作業者は、第1基部31及び第2基部41を片方ずつ順に、主通路部11に挿入し、その後、主通路部11内でそれぞれを互いに組み合わせることによって、排気側よりも吸気側の横断面積が大きい主通路部11にもライナーを適切に組み付けることができる。
【0066】
第2基部41及び第2先端部42は、平面視において排気側側面2Bと直交する第1方向に延び、第1基部31及び第1先端部32は、平面視において第1方向に傾斜した第2方向に延びている。そのため、第1基部31及び第1先端部32を第2方向に沿って排気ポート10に挿入した後、第2基部41及び第2先端部42を第1方向に沿って排気ポート10に挿入することができ、第1基部31及び第1先端部32と第2基部41及び第2先端部42とを排気ポート10の内部で組み合わせることができる。
【0067】
第1基部31及び第2基部41が形成する筒の外面は、主通路部11の内壁と隙間を介して対向しているため、第1基部31及び第2基部41と主通路部11の内壁との間の熱交換が抑制され、排気の温度低下が抑制される。
【0068】
各ビードが形成された第1板状部30、第2板状部40及び第3板状部50は、ガスケットとして機能し、排気側側面2Bと排気マニホールド70との間を一層確実にシールする。
【0069】
第1先端部32及び第2先端部42が、第1分岐通路部12及び第2分岐通路部13の内壁に形成された拡幅部12A、13Aに受容され、第1先端部32及び第2先端部42の内面が各分岐通路部12、13の内面を外挿した仮想面上に配置されているため、各分岐通路部12、13を流れる排気が第1及び第2先端部32、42の内側に円滑に流れるようになる。また、第1及び第2先端部32、42と拡幅部12A、13Aの内壁及び段部12B、13Bとの間に隙間が形成されているため、第1及び第2先端部32、42が熱膨張するときに、第1及び第2先端部32、42と各分岐通路部12、13との干渉が避けられる。
【0070】
第3部材23と第4部材24とは、ヘッド内EGR通路18の内壁を覆うライナーを形成する。第3部材23は、ヘッド内EGR通路18に挿入される排気側筒部51と、第1板状部30及び第2板状部40と共に排気側側面2B及び排気マニホールド70の間に挟持される第3板状部50とを有する構成であるため、取付作業が容易である。同様に、第4部材24は、ヘッド内EGR通路18に挿入される吸気側筒部61と、吸気側側面2A及びEGR通路部材72の間に挟持される第4板状部60とを有する構成であるため、取付作業が容易である。排気側筒部51及び吸気側筒部61の接続部では、排気側筒部51が吸気側筒部61内に遊嵌しているため、排気側から吸気側への流体の流れが円滑になる。また、排気側筒部51及び吸気側筒部61が熱膨張するときに、両者の干渉が避けられる。
【0071】
排気側筒部51及び吸気側筒部61によって形成される通路は、中央部が両端部に対して上方に位置するように傾斜しているため、排気側筒部51内及び吸気側筒部61内に発生したEGRガスの凝縮水は、排気側筒部51内及び吸気側筒部61内に滞留せず、排気側又は吸気側の端部から排出される。これにより、EGRガスの凝縮水に起因する排気側筒部51及び吸気側筒部61の腐食が防止される。
【0072】
吸気側筒部61の排気側の端部は、下半部61Aが排気側に突出すると共に上方に向けて傾斜しているため、開口が上方を向く。一方、排気側筒部51の吸気側の端部は、上半部51Aが排気側に突出すると共に下方に向けて傾斜しているため、開口が下方を向く。これにより、排気側筒部51の吸気側の開口及び吸気側筒部61の排気側の開口は、互いに対向し、接続される。
【0073】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記の実施形態では、上流側(燃焼室凹部4側)が2つに分岐した排気ポート10の例について説明したが、上流側が3以上に分岐している場合にも本発明を適用することができる。この場合、第1及び第2部材21、22に対応する部材の数を分岐通路部の数に応じて増加させるとよい。
【0074】
上記の実施形態では、第1〜第4板状部30、40、50、60に、第1〜第4ビード36、46、56、63を形成したが、第1〜第4ビード36、46、56、63は省略してもよい。この場合、排気側側面2Bと第1板状部30との間、第1板状部30と第2板状部40との間、第2板状部40と第3板状部50との間、第3板状部50と結合面70Aとの間、吸気側側面2Aと第4板状部60との間、及び第4板状部60と第1結合面72Aとの間に、ビードを備えたガスケットを介装するとよい。また、上記実施形態の各構成は、全てが必須の構成ではなく、適宜取捨選択することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 :内燃機関
2 :シリンダヘッド
2A :吸気側側面
2B :排気側側面
4 :燃焼室凹部
10 :排気ポート
11 :主通路部
12 :第1分岐通路部
12A :第1拡幅部
12B :第1段部
13 :第2分岐通路部
13A :第2拡幅部
13B :第2段部
16 :第3段部
18 :ヘッド内EGR通路
20 :ライナーユニット
21 :第1部材
22 :第2部材
23 :第3部材
24 :第4部材
30、40、50、60 :第1〜第4板状部
31、41 :第1、第2基部
32、42 :第1、第2先端部
33、43、53 :第1、第2、第3貫通孔
35、45、55、62 :第1、第2、第3、第4EGR孔
36、46、56、63 :第1、第2、第3、第4ビード
51 :排気側筒部
51A :上半部
61 :吸気側筒部
61A :下半部
70 :排気マニホールド
72 :EGR通路部材
77 :吸気マニホールド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9