技術分野
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為のシール付ハブユニット軸受の改良に関する。具体的には、シールリングによる密封性能を向上させて軸受内部空間への異物侵入防止効果を良好にし、優れた耐久性を有するシール付ハブユニット軸受を提供するものである。
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】シールリングによる密封性能を向上させて異物侵入防止効果をより一層良好にし、優れた耐久性を有するシール付ハブユニット軸受を提供する。 【解決手段】回転フランジ12aの内側面に全周に亘り摺接するサイドリップ19と、サイドリップ19よりも径方向外方に設けられ、その先端部を回転フランジ12aの内側面に近接対向させた庇リップ26aとを備え、回転フランジ12aの内側面には、速乾性のシーラント、或いは紫外線硬化樹脂から成る環状凸部30が設けられており、環状凸部30は、庇リップ26aと径方向に重畳してラビリンスシールを形成している。 【選択図】図1
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
しかしながら、先行技術には、シール付ハブユニット軸受1の使用時に於いて、車輪によって路面から跳ね上げられた塵埃や泥水、或いは回転フランジ12やブレーキロータの回転により発生する風と共にタイヤハウス内を舞う水滴等の異物は、庇リップ26が構成するラビリンスシールのラビリンス隙間を通過して、サイドリップ19の摺接部にまで侵入する可能性がある。特に、同一の平面である平坦面27に対して、庇リップ26が近接し、サイドリップ19が摺接している構成の場合、庇リップ26により形成されるラビリンス隙間の延長線上にサイドリップ19の摺接部が配置されることになり、庇リップ26による密封効果が十分に得られないことがある。
この様な場合、特許文献1に記載されている様に、庇リップ26を径方向外方及び軸方向外側に延長して、回転フランジ12の軸方向内側面に形成された段部28(図7参照)と径方向に重畳し、段差面29に近接対向させればラビリンスシールの効果を高めることができる。しかし、ハブユニット軸受の軸方向寸法、或は径方向寸法の制約(小型軽量化要求、周辺部品との干渉防止)等により、図7に示す様に、シールリング14が回転フランジ12の段部28よりも径方向外方に突出させない構成とした場合、サイドリップ19の摺接面(平坦面27)と同一の平面に庇リップ19を対向させる必要がある。
本発明は、上述の様な事情に鑑み、シールリングによる密封性能を向上させて、転動体が設置された内部空間への異物侵入防止効果をより一層良好にし、優れた耐久性を有するシール付ハブユニット軸受を、回転抵抗を大きくする事なく提供すべく発明したものである。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明のシール付ハブユニット軸受は、外輪軌道を内周面に有する外輪と、内輪軌道と車輪を支持固定する為の回転フランジとを外周面に有するハブと、前記外輪軌道と前記内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記外輪の内周面と前記ハブの外周面との間に存在する内部空間の外端開口部を塞ぐシールリングとを備え、前記シールリングは、前記外輪の外端部に固定される芯金と、弾性材製のシール材とから成り、・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明によれば、シールリングによる密封性能を向上させて軸受内部空間への異物侵入防止効果をより一層良好にし、優れた耐久性を有するシール付ハブユニット軸受を、回転抵抗を大きくする事なく提供する事ができる。
即ち、本発明のシール付ハブユニット軸受によれば、回転ブランジの軸方向内側面には、軸方向内側に突出する環状凸部が設けられており、さらに、庇リップが回転フランジと軸方向に近接対向する構成に加えて、庇リップが環状凸部と径方向に近接対向することにより、断面が略L字状の複雑なラビリンスシールを形成している。この為、回転フランジの軸方向内側面に沿って舞う異物は、環状凸部により径方向内方への移動を阻止される。さらに、庇リップと環状凸部により形成される複雑なラビリンスシールにより、異物がサイドリップの周辺まで侵入することを防止している。これにより、軸受内部空間への異物侵入を防止すると共にシールの耐久性が向上する。
又、回転フランジ及び環状凸部と、庇リップ及び補助リップとが構成するラビリンスシールには摺動部が存在しないので、シールリングにより回転抵抗が増大することはない。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 第1実施形態に係わるシールリングを示す、拡大断面図。
【図2】 第1実施形態の変形例に係わるシールリングの拡大断面図。
【図3】 第2実施形態に係わるシールリングを示す、拡大断面図。
【図4】 第3実施形態に係わるシールリングを示す、拡大断面図。
【図5】 第3実施形態の変形例に係わるシールリングの部分拡大図。
【図6】 シール付ハブユニット軸受の従来構造の1例を示す断面図。
【図7】 シールリングの従来構造の1例を示す、図6のa部の拡大断面図。
1 シール付ハブユニット軸受
2 外輪
3 ハブ
4 転動体
5 静止フランジ
6 外輪軌道
7,7a,7b ハブ本体
8 内輪
9 加締め部
10 内輪軌道
11 保持器
12、12a、12b 回転フランジ
13 スタッド
14,14a〜14c シールリング
15 内部空間
16 カバー
17 芯金
18,18a シール材
19 サイドリップ
20 メインリップ
21 グリースリップ
22 嵌合筒部
23 外径円輪部
24 内径円輪部
25 折り返し部
26,26a 庇リップ
27 平坦面
28 段部
29 段差面
30,30a 環状凸部
31 環状溝
32,32a 補助リップ
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