【解決手段】十字軸継手10は、ヨーク部材20と、一対の軸受カップ40と、十字軸部材30と、を備え、ヨーク部材20の嵌合孔22a,23aは、係止溝22a1,23a1を有し、軸受カップ40の嵌合孔22a,23aへの嵌合前において、軸受カップ40xは、突起43を有さないとともに、底部41xは、突部44を有する。そして、軸受カップ40xの嵌合孔22a,23aへの嵌合時において、突部44は、軸線方向両側から押圧されて塑性変形し、底部41xの肉を底部41xの径方向外方に向かって順次押し出し底部41xの外周から突起43を突出させ、突起43が係止溝22a1,23a1と係合する。
前記軸受カップの前記各嵌合孔への嵌合時において、前記突部に対する前記軸線方向両側からの前記押圧により、前記第一冶具の径方向外側部分における前記塑性変形中である前記底部の前記肉の、前記軸線方向における前記第一冶具側への移動を規制するため、第二冶具が前記第一冶具の前記径方向外側に配置される、請求項1〜3の何れか1項に記載の十字軸継手。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1.十字軸継手の構成)
以下に、本発明に係る軸受カップ40の固定方法を適用して製造した十字軸継手10の実施形態について図面を参照し説明する。まず、
図1〜
図3を用いて、本発明に係る十字軸継手10の組付け完了後の状態(完成状態)について説明する。
図1、及び
図2に示すように、十字軸継手10は、ヨーク部材20、十字軸部材30、軸受カップ40、ニードルベアリング50、シールリング70等を備える。
【0012】
図1、
図2に示すように、ヨーク部材20は、図略の駆動シャフトの先端に固着されるヨーク本体部21と、ヨーク本体部21から二股に延びる一対のアーム22、23を備える。
図2に示すように、一対のアーム22、23には、それぞれ嵌合孔22a、23aを備える。嵌合孔22a、23aは、同軸に貫通して設けられる。また、
図2、
図3に示すように、嵌合孔22a,23aは、内周面に周方向に形成される係止溝22a1,23a1をそれぞれ有している。係止溝22a1,23a1は、後に詳述する各軸受カップ40が、嵌合孔22a、23aに、
図3に示す所定の位置まで嵌合(圧入)された状態で、軸受カップ40の底部41の外周面に突設された突起43が係合する位置に設けられる溝である。詳細については、後述する。
【0013】
図2に示すように、十字軸部材30は、ブロック状の胴体部31と、4つの軸部32とを備える。軸部32は、胴体部31の側周面から四方へ突出し略十字形状をなしている。軸部32は、軸線と直交する断面が円柱形状である。
【0014】
図2,
図3に示すように、組付け状態における一対の軸受カップ40は、円筒部42(筒状の側部に相当)と、円筒部42の軸線CL方向における一端を閉塞する前述した底部41と、底部41の外周面に設けた前述した突起43と、円筒部42の軸線CL方向における他端に開口を備える。なお、軸受カップ40が、後述するニードルベアリング50を内周面で保持するために、円筒部42の開口側では、先端部が円筒部42の内径方向に向かって屈曲されている。
【0015】
突起43は、軸受カップ40の径方向外方に、軸受カップ40の軸線CLと、ほぼ直交して鍔状に突設される。なお、後に詳述するが、突起43は、軸受カップ40が、各嵌合孔22a、23aに嵌合する前の状態においては、存在していない。つまり、突起43は、軸受カップ40を嵌合孔22a、23aに嵌合する際に形成される突出部である。また、一対の軸受カップ40は、底部41の開口側に底面45を備える。また、一対の軸受カップ40は、一対のアーム22、23の嵌合孔22a、23aに、各開口が対向するように嵌合(圧入)される(
図2参照)。
【0016】
図2,
図3に示すように、ニードルベアリング50は、軸受カップ40の円筒部42の内周面に沿って複数配設される。ニードルベアリング50は、円筒部42の内周面に複数配列された軸状のローラと、当該複数のローラを回転可能に保持するケージとを備える。
【0017】
図2に示す、同軸で直線状に配置された十字軸部材30の一対の軸部32,32は、先端部が一対のアーム22,23の各嵌合孔22a、23a内にそれぞれ配置される。そして、軸部32,32は、ニードルベアリング50を介して軸受カップ40の内周面に揺動(回動)可能に取り付けられる。このような構造により、2個のヨーク部材20の互いの回転軸の角度が可変自在に回転連結される。
【0018】
シールリング70は、
図2,
図3に示すように軸受カップ40の開口側端面と、十字軸部材30の軸部32との間に配置される。シールリング70は、十字軸継手10の完成状態において、軸受カップ40内から軸受カップ40内に保持されるグリスが流出しないよう、又は軸受カップ40内に水が浸入しないよう設けられるシール部材である。シールリング70は、どのような部材及び構成によって形成されても良い。シールリング70は、本発明には、関係ないため詳細な説明については省略する。
【0019】
なお、一対のアーム22、23の各嵌合孔22a、23aと、各嵌合孔22a、23aに嵌合される各軸受カップ40との関係は、それぞれ同じである。このため、以降の説明においては、特別な事情がない限り、アーム22の嵌合孔22aと、嵌合孔22aに嵌合される軸受カップ40との関係のみに基づいて説明を進める。
【0020】
(2.十字軸継手の製造方法)
十字軸継手10の製造方法について説明する。しかしながら、本実施形態においては、ヨーク部材20の嵌合孔22aへ嵌合させる軸受カップは、嵌合前と嵌合後(嵌合時を含む)において形状が異なる。つまり、嵌合後の軸受カップ40は、製造工程の途中で一部形状が塑性変形される。そこで、製造方法の説明を行なう前に、軸受カップについて説明しておく。嵌合後における軸受カップ40は、上記で説明した通り、
図3に示す形状で形成される。しかし、嵌合孔22aに嵌合する前における軸受カップは、
図4A、
図4Bに示す形状を有している。そこで、以降における説明の都合上、嵌合孔22aに嵌合される前後の軸受カップを区別するため、嵌合孔22aに嵌合される前の軸受カップについては、軸受カップ40xと称す。また、同様に軸受カップ40xの円筒部は、円筒部42x(軸受カップ40の円筒部42に相当)と称し、底部は、底部41x(軸受カップ40の底部41に相当)と称す。
【0021】
まず、嵌合前の軸受カップ40xについて、
図4A、
図4Bに基づき説明する。
図4A、
図4Bに示すように、軸受カップ40xは、嵌合(完了)後の軸受カップ40とは異なり、底部41xの径方向外周面には、嵌合孔22aの内周面が備える係止溝22a1と係合するための突起43を有していない。
【0022】
また、
図4A、
図4Bに示すように、嵌合前の軸受カップ40xの底部41xは、軸受カップ40とは異なり、軸受カップ40xの軸線CL方向に向かって突設される突部44を有している。突部44は、底部41xの径方向外方の端部に形成される。具体的には、突部44は、底部41xの径方向外方の端部において、軸線CL方向における軸受カップ40xの外方に向かって、波形形状の一つの山が突設され、底部41xの軸線CL周りに円環状に形成される(
図4A参照)。底部41xにおいて、円環を形成する突部44の径方向内方の面は平面状に形成される。
【0023】
また、本実施形態においては、軸受カップ40xの底部41xの外縁の上面Cが、軸線CL方向における突部44のA点における高さと同じ高さになるよう形成される(
図4A参照)。このように、底部41xの
図4Aにおける上面は、全面で見た場合、非平面状に形成される。また、上面と背向する底部41xの開口側の底面45も、上面の形状に応じて非平面状に形成される。底面45においては、平面状の径方向中央部が、底面45のうち、最も下方(
図4Aにおいて)に位置するよう形成される。なお、以降の説明において、特別な説明がなく上下という場合、
図3又は
図4Aにおける上下方向に一致するものとする。
【0024】
次に、軸受カップ40の製造方法について
図5、
図6A〜
図6Dに基づき説明する。
図5のフローチャートに示すように、本実施形態における製造方法は、第一押圧工程S10、及び第二押圧工程S12を備える。
【0025】
(3.第一押圧工程S10)
図6Aに示すように、第一押圧工程S10では、軸受カップ40xを開口側から嵌合孔22a内に嵌合させ、
図6Bに示すように、第一押圧荷重F1で押圧し、所定の深さt1まで嵌合(圧入)する工程である。なお、このとき、ニードルベアリング50は、軸受カップ40xの円筒部42xの内周面に、グリスとともに配置され、グリス(図略)の粘着力によって保持されている。
【0026】
詳細には、第一押圧工程S10は、第一冶具61の端面61aによって、嵌合前における軸受カップ40xの底部41xの突部44の上面の頂点Aを軸線CL方向外方から突部44の方向に向かって第一押圧荷重F1で押圧する(
図6A,
図6B参照)。そして、軸受カップ40xを、嵌合孔22aに所定深さt1まで圧入する(
図6B参照)。なお、所定深さt1は、アーム22の上面Bから軸受カップ40xの底部41xの外縁の上面Cまでの距離をいうものとする。そして、
図6Bに示すように、底部41xの底面45の径方向中央部(本実施形態においては平面部)を、十字軸部材30の軸部32の端面32aに当接させる。このとき、軸部32の端面32aの外径φd2は、第一冶具61の端面61aの外径φd1以上であることが好ましい。
【0027】
なお、上記において、第一冶具61は、押圧冶具60の一部である。押圧冶具60は、第一冶具61及び第二冶具62を備えて構成される。第一冶具61は、円柱状に形成され、第二冶具62は円筒状に形成される。そして、第二冶具62は、第一冶具61の径方向外側に配置される。このような構成によって、第一冶具61は、第二冶具62の円筒内周部に、第二冶具62に対して軸線方向に相対移動可能に嵌合される。また、第二冶具62も、第一冶具61に対して軸線方向に相対移動が可能である。さらに、第一冶具61及び第二冶具62は、図略の制御装置によって、それぞれ独立して軸線方向における相対移動が制御される。第二冶具62の外径φd3は、軸受カップ40xの円筒部42xの円筒径より若干小さいか、又は同等であることが好ましい。本実施形態では、第二冶具62の外径φd3は、円筒部42xの円筒径より若干小さくなるよう形成されている。これにより、下記で説明する第二押圧工程S12において、第二冶具62と、嵌合孔22aを備えるヨーク部材20のアーム22との干渉が確実に防止できる。
【0028】
(4.第二押圧工程S12)
次に、第二押圧工程S12では、第一冶具61が、突部44の上方の頂点Aを第二押圧荷重F2で下方に押圧し、底面45の径方向中央部と当接する十字軸部材30の軸部32の端面32aが、第一冶具61の押圧の反作用によって底部41xの底面45を上方に押圧する。このように、底部41xを上下両面から押圧し、底部41xを塑性変形させる。第二押圧工程S12の開始状態は、
図6Bに示す状態と同様である。
【0029】
図6Cは、
図6Bに示す状態から、第一冶具61が、底部41xを第二押圧荷重F2で下方に押圧し、所定時間経過した時における、第二押圧工程の途中の状態を示している。
図6Cにおいて、破線は、軸受カップ40xの底部41xの変形前の状態を示している。第一冶具61は、図略の制御装置によって、第二押圧荷重F2で突部44を押圧するよう制御される。第二押圧荷重F2は、第一押圧荷重F1より大きい(F2>F1)。
【0030】
このような、底部41x(突部44)に対する軸線方向両側からの押圧により、突部44、及び突部44以外の底部41xに塑性変形が生じ始める(
図6C参照)。塑性変形は、流動した突部44の肉によって、底部41xを構成する肉が、径方向外方に向かって順次押し出され(
図6Cの矢印Ar1参照)、底部41xの外周から係止溝22a1と係合する突起43の元になる部位を突出させる。そして、その後、底部41xは、
図6Dに示す状態に至る。
図6Dに示す状態は、
図3に示す十字軸継手10の完成状態と同等の状態である。
【0031】
なお、このとき、第一冶具61が、第二押圧荷重F2で押圧される前には、第二冶具62が、図略の制御装置によって、第一冶具61に対して相対的に所定位置まで作動される。このとき、所定位置とは、
図6C,
図6Dに示すように、第二冶具62の下方の端面62aが、係止溝22a1の側面のうち、上側の側面Dと、ほぼ同じ高さとなる位置をいう。これにより、第二押圧荷重F2による押圧によって、底部41xを構成する肉が、径方向外方に向かって順次押し出され、流動した肉の一部が、軸線CL方向における第二冶具62側へ移動しようとしても、第二冶具62の端面62aによって移動を確実に規制される。そして、押し出された底部41xの肉は、全て底部41xの径方向外方に向かって流動し、突起43が底部41x(41)の外周に良好に形成される(
図6D参照)。これにより、
図3,
図6Dに示すように、嵌合孔22aへの嵌合完了時における軸受カップ40が形成される。このとき、突起43が、係止溝22a1と係合しているので、軸受カップ40は、軸線CL方向に抜ける虞はない。
【0032】
(5.実施形態による効果)
上述の説明から明らかなように、上記実施形態によれば、十字軸継手10は、ヨーク本体部21、及びヨーク本体部21から二股に延び且つ嵌合孔22a,23aがそれぞれ形成される一対のアーム22,23を備えたヨーク部材20と、底部41及び筒状の円筒部42(側部)を有して形成され、嵌合孔22a,23aのそれぞれに開口が対向して嵌合される一対の軸受カップ40と、一対の軸受カップ40に、揺動可能に支承される一対の軸部32を有する十字軸部材30と、を備える。また、ヨーク部材20の各嵌合孔22a,23aは、内周面に周方向に形成される係止溝22a1,23a1を有する。そして、軸受カップ40の各嵌合孔22a,23aへの嵌合前においては、軸受カップ40xは、底部41xの外周から軸受カップ40xの径方向外方に向かって突設し、係止溝22a1,23a1と係合する突起43を有さないとともに、底部41xは、軸受カップ40xの軸線方向に向かって突設する突部44を有する。また、軸受カップ40xの各嵌合孔22a,23aへの嵌合時においては、突部44は、嵌合前における軸受カップ40xの底部41xの軸線方向外方から底部41を押圧する第一冶具61、及び軸受カップ40の底部41の底面に当接する十字軸部材30の軸部32の端面32aによって、軸線方向両側から押圧されて塑性変形し、塑性変形により流動した突部44の肉が、底部41xの肉を底部41xの径方向外方に向かって順次押し出し底部41xの外周から突起43を突出させ、突起43が係止溝22a1,23a1と係合する。
【0033】
このように、十字軸継手10では、軸受カップ40xを各嵌合孔22a,23aへ嵌合する際に、底部41xの突部44を第一冶具61によって押圧し、これによって、突部44を塑性変形させて底部41xの外周から突起43を突設させる。そして、突設させた突起43を各嵌合孔22a,23aの係止溝22a1,23a1に係合させ軸受カップ40の軸線方向への抜け(変位)を抑制する。従って、軸受カップ40の抜けの抑制のために、従来技術における固定部材や、スナップリング等の別部材を使用する必要がなく、その分、低コストに製造できる。また、従来、広く行なわれていた、各嵌合孔の入口部のカシメによって軸受カップの抜け止めを行なう技術に対しても、本発明では、カシメ時に必要となる専用のカシメ設備に相当するような専用の押圧設備は必要としない点が異なる。これによっても、低コストに製作できるといえる。
【0034】
また、上記実施形態によれば、各嵌合孔22a,23aへの嵌合前における十字軸継手10の軸受カップ40xの底部41xの突部44は、底部41xの径方向外方の端部に形成される。このように、突部44が、底部41xの外周面と近い位置に配置されることとなるので、第一冶具61によって突部44が押圧されて塑性変形すると、突部44から流出する肉の多くは、近接する底部41xの外周面に向かって良好に流れ、外周面から突設する突起43を確実に形成できる。
【0035】
また、上記実施形態によれば、底部41xに形成された突部44の形状は、波形である。このため、突起43を形成するための余肉を確保しやすい。これにより、底部41xの径方向外側に向かって多くの肉を流動させることができ、突起43を確実に形成することができる。
【0036】
また、上記実施形態によれば、軸受カップ40xの各嵌合孔22a,23aへの嵌合時における突部44に対する軸線方向両側からの押圧により、第一冶具61の径方向外側部分における塑性変形中である底部41xの肉の、軸線方向における第一冶具61側への移動を規制するため、第二冶具62が第一冶具61の径方向外側に配置される。これにより、第一冶具61によって押圧された突部44が塑性変形し、これにより流動した肉が底部41xの外縁において第二冶具62の方向に向かって流れても、第二冶具62が端面62aで流動する肉の流れを規制し且つ整え、底部41xの径方向外側に向かって流動させるので、突起43を良好に形成することができる。
【0037】
また、上記実施形態によれば、十字軸継手10は、ヨーク本体部21、及びヨーク本体部21から二股に延び且つ嵌合孔22a,23aがそれぞれ形成される一対のアーム22,23を備えたヨーク部材20と、底部41及び筒状の円筒部42(側部)を有して形成され、嵌合孔22a,23aのそれぞれに開口が対向して嵌合される一対の軸受カップ40と、一対の軸受カップ40に、揺動可能に支承される一対の軸部32を有する十字軸部材30と、を備える。また、ヨーク部材20の各嵌合孔22a,23aは、内周面に周方向に形成される係止溝22a1,23a1を有する。また、軸受カップ40xの各嵌合孔22a,23aへの嵌合前において、軸受カップ40xは、底部41xの外周から軸受カップ40xの径方向外方に向かって突設し係止溝22a1,23a1と係合する突起43を有さないとともに、底部41xは、軸受カップ40xの軸線方向に向かって突設する突部44を有する。そして、十字軸継手10の製造方法は、第一冶具61が、嵌合前における底部41xの突部44を軸線方向外方から突部44に向かって第一押圧荷重F1で押圧し、軸受カップ40xを各嵌合孔22a,23aに所定深さt1まで嵌合させ、底部41xの底面45を十字軸部材30の軸部32の端面32aと当接させる第一押圧工程S10と、突部44を第一冶具61と軸部32の端面32aとの間で挟持した状態で、第一冶具61が、軸線方向外方から突部44を第二押圧荷重F2で押圧し、突部44を塑性変形させ、塑性変形し流動した突部44の肉によって底部41xの肉を径方向外方に向かって順次押し出し、底部41xの外周から係止溝22a1,23a1と係合する突起43を突出させる、第二押圧工程S12と、を備える。これにより、上記実施形態で製造した十字軸継手10と同様の十字軸継手10が得られる。
【0038】
(6.変形態様)
なお、上記実施形態においては、突部44を底部41xの径方向外方の端部に設けた。しかし、この態様には限らない。突部44は、底部41xの中央部に設けてもよい。これによっても、相応の効果は得られる。
【0039】
また、上記実施形態においては、突部44の形状を波形形状とした。しかし、この態様には限らない。突部44は単に、底部41xの板厚を厚くするだけでも良い。また、これら以外にも、底部41xが、突起43を形成するための余肉を確保することが可能な構成であればどのような形状で形成されてもよい。
【0040】
また、上記実施形態においては、押圧冶具60を構成する第一冶具61、及び第二冶具62は、別体で構成された。しかし、この態様には限らない。第一冶具61、及び第二冶具62は、一体で形成されていても良い。この場合、第一冶具61の端面61aと第二冶具62の端面62aとの間の段差の大きさを、上記実施形態で説明したような大きさに予め設定しておけばよい。これにより、図略の制御装置を含む押圧冶具60を、低コストで製作できる。また、第二冶具62は、なくてもよい。これによっても相応の効果は期待できる。