特開2016-223498(P2016-223498A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223498(P2016-223498A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】流体制御装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 1/033 20060101AFI20161205BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20161205BHJP
   F16K 31/42 20060101ALI20161205BHJP
   F16H 61/00 20060101ALN20161205BHJP
【FI】
   F15B1/033
   F16K31/06 305L
   F16K31/42 A
   F16H61/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-108980(P2015-108980)
(22)【出願日】2015年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】藤川 透
【テーマコード(参考)】
3H056
3H086
3H106
3J552
【Fターム(参考)】
3H056AA03
3H056BB32
3H056CA02
3H056CB02
3H056CC02
3H056CC12
3H056CD02
3H056GG12
3H086AA25
3H086AA29
3H086AD04
3H086AD16
3H086AD58
3H106DA07
3H106DA13
3H106DA23
3H106DA35
3H106DA36
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC04
3H106DD05
3H106EE22
3H106EE34
3H106GB09
3H106GC14
3H106KK03
3J552NA01
3J552PA26
3J552PA59
3J552QA06A
3J552QA30A
3J552QA33A
3J552QA42A
3J552RC02
(57)【要約】
【課題】アキュムレータへ流体を貯留する際の無駄な電力消費がなく、小型化も可能な流体制御装置を構成する。
【解決手段】ポンプ流路10から分岐する第1流路11と開閉弁Vaと第2流路12とアキュムレータAとを直列に接続する。開閉弁Vaをパイロット圧により開閉作動させるように電磁弁として構成される切換弁Vbを備えている。ポンプ流路10と第2流路12とを連通させる連通路Lを開閉弁Vaの内部に形成し、この連通路Lに対してポンプ流路10の圧力上昇に伴い流体の流れを許容する逆止弁20を備えた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体圧ポンプの流体が送られるポンプ流路から分岐する第1流路を形成し、この第1流路と、開閉弁と、第2流路と、アキュムレータとを、この順序で直列に接続し、前記開閉弁をパイロット圧によって開閉制御する切換弁を備えることにより、前記ポンプ流路と前記アキュムレータとが連通する連通状態、及び、前記ポンプ流路と前記アキュムレータとが非連通になる遮断状態とに切換自在に構成されると共に、
前記開閉弁が、弁箱と、この弁箱の弁体収容室に収容される第1弁体と、前記第1弁体が収容されることにより前記弁体収容室に分割形成される第1室および第2室と、前記第1弁体を前記第1室の方向に付勢する第1付勢部材と、前記第1室と前記第2室とを結ぶリーク流路とを備え、前記第1室が、前記第1流路に連通し前記第1弁体により開閉される第1ポートと、前記第2流路に連通する第2ポートとを備えており、
前記切換弁が、前記第2室と外部とを結ぶパイロット流路を連通させる連通位置及び非連通状態に維持する閉塞位置に作動自在な第2弁体と、この第2弁体を前記連通位置又は前記閉塞位置に設定する電磁ソレノイドとを備えて構成され、
前記第1弁体が遮断位置にある状態で前記ポンプ流路と前記第2流路とを結ぶ連通路が前記第1弁体の内部に形成され、当該連通路に対して、前記第1流路から前記第2流路の方向への流体の流れを許容する逆止弁を備え、
前記逆止弁を閉じ状態に維持する力が、前記第1弁体を前記第1付勢部材により前記遮断位置に維持する付勢力より弱く設定されている流体制御装置。
【請求項2】
前記逆止弁が、逆止弁体と、この逆止弁体を閉じ位置に付勢する第2付勢部材とを備えて構成され、前記第2付勢部材が前記第1弁体の内部に備えられている請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項3】
前記第1弁体が軸芯を中心とする円柱状の外周面を備え、前記軸芯に沿って移動自在に前記弁箱に収容され、前記逆止弁体が前記軸芯に沿って移動自在に備えられている請求項2に記載の流体制御装置。
【請求項4】
前記第1流路の流路面積が、前記ポンプ流路の流路面積より大きく設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体制御装置。
【請求項5】
前記連通路の流路面積が、前記ポンプ流路の流路面積より小さく設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧ポンプからの流体を流体圧クラッチ等の流体圧装置に供給するポンプ流路を備え、ポンプ流路から分岐する流路にアキュムレータと開閉弁とを直列に備え、流体を必要とするタイミングで開閉弁を開放することにより、アキュムレータに貯留された流体をポンプ流路に供給可能な流体制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成された流体制御装置として特許文献1には、エンジンで駆動される流体圧ポンプからクラッチに流体が送られるポンプ流路に分岐する流路を形成し、この流路に対してアキュムレータと開閉弁(文献では切換弁)とが直列に接続する技術が示されている。
【0003】
この技術では、開閉弁(切換弁)が電磁弁として構成され、車両のエンジンの稼動時には開閉弁を開状態にしてアキュムレータに流体を貯留し、エンジンの停止時には開閉弁を閉状態にすることでアキュムレータの圧力を保持している。そして、エンジンの始動時には、開閉弁を開状態にしてクラッチへ流体を供給し、クラッチを作動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000‐313252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される構成では、エンジンの稼働時に開閉弁を制御するために電磁ソレノイドに電力を供給する必要があり、電力を消費するだけではなくエンジンの稼働状態を判定して電磁弁に電力を供給するための制御手段を必要とする。
【0006】
また、エンジンの稼働時に開閉弁を開放する構成では、開放に伴い一時的に多量の流体がアクチュエータに流れるため、流体圧クラッチ等の流体圧装置に供給される流体の圧力が低下することになる。
【0007】
更に、開閉弁としては、アキュムレータに貯留された流体をポンプ流路に供給する際の圧損を小さくするため、開口面積を大きくする必要からポペット弁を用いることが望ましい。しかしながら、ポペット弁は受圧面積が大きいため電磁ソレノイドの容量を大きくする必要があり、開閉弁の大型化を招き、コスト上昇を招くだけではなく、開閉弁を制御する際の電力上昇を招くことになる。
【0008】
即ち、このような流体制御装置では、アキュムレータへ流体を貯留する際の無駄な電力消費がなく、小型化も可能な流体制御装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の特徴は、流体圧ポンプの流体が送られるポンプ流路から分岐する第1流路を形成し、この第1流路と、開閉弁と、第2流路と、アキュムレータとを、この順序で直列に接続し、前記開閉弁をパイロット圧によって開閉制御する切換弁を備えることにより、前記ポンプ流路と前記アキュムレータとが連通する連通状態、及び、前記ポンプ流路と前記アキュムレータとが非連通になる遮断状態とに切換自在に構成されると共に、
前記開閉弁が、弁箱と、この弁箱の弁体収容室に収容される第1弁体と、前記第1弁体が収容されることにより前記弁体収容室に分割形成される第1室および第2室と、前記第1弁体を前記第1室の方向に付勢する第1付勢部材と、前記第1室と前記第2室とを結ぶリーク流路とを備え、前記第1室が、前記第1流路に連通し前記第1弁体により開閉される第1ポートと、前記第2流路に連通する第2ポートとを備えており、
前記切換弁が、前記第2室と外部とを結ぶパイロット流路を連通させる連通位置及び非連通状態に維持する閉塞位置に作動自在な第2弁体と、この第2弁体を前記連通位置又は前記閉塞位置に設定する電磁ソレノイドとを備えて構成され、
前記第1弁体が遮断位置にある状態で前記ポンプ流路と前記第2流路とを結ぶ連通路が前記第1弁体の内部に形成され、当該連通路に対して、前記第1流路から前記第2流路の方向への流体の流れを許容する逆止弁を備え、
前記逆止弁を閉じ状態に維持する力が、前記第1弁体を前記第1付勢部材により前記遮断閉塞位置に維持する付勢力より弱く設定されている点にある。
【0010】
この構成によると、ポンプ流路の流体の圧力が所定値を超えた場合には、開閉弁を遮断状態に維持したまま、逆止弁が開放してポンプ流路の流体をアキュムレータに貯留することが可能となる。特に、この構成では第1弁体の内部に逆止弁を備えるため、例えば、装置外部の連通路に逆止弁を備える構成と比較すると、装置の小型化が可能となる。また、アキュムレータの流体をポンプ流路に供給する場合には、切換弁を連通位置に設定して第2室の流体を排出することにより、アキュムレータから作用する流体圧で第1弁体が連通位置に作動し、アキュムレータに貯留されている流体をポンプ流路に送り出すことが可能となる。つまり、切換弁を介してパイロット圧を制御するため、第1弁体がポペット弁に構成されたものであっても、大容量の電磁ソレノイドを用いることなく第1弁体を連通位置に無理なく作動させることができる。
従って、アキュムレータへ流体を貯留する際には無駄な電力消費がなく、小型化も可能な流体制御装置が構成された。
【0011】
本発明は、前記逆止弁が、逆止弁体と、この逆止弁体を閉じ位置に付勢する第2付勢部材とを備えて構成され、前記第2付勢部材が前記第1弁体の内部に備えられても良い。
【0012】
このように、弁体の内部の空間に第2付勢部材を備えることで、第2付勢部材と第1付勢部材とを共通する空間に収容することが可能となり、弁体の内部空間を有効に利用できる。
【0013】
本発明は、前記第1弁体が軸芯を中心とする円柱状の外周面を備え、前記軸芯に沿って移動自在に前記弁箱に収容され、前記逆止弁体が前記軸芯に沿って移動自在に備えられても良い。
【0014】
このように、第1弁体が軸芯に沿って移動することで開閉弁が開閉作動し、逆止弁体が軸芯に沿って移動して連通路を開放するため、第1弁体と逆止弁体との作動方向が平行となり、各々の移動に必要な空間を共有することができる。よって、例えば、互いに直交する方向に移動する構成と比較すると、移動のための空間を小さくし、結果として、流体制御装置の小型化を可能とする。
【0015】
本発明は、前記第1流路の流路面積が、前記ポンプ流路の流路面積より大きく設定されても良い。
【0016】
これによると、アキュムレータに貯留されている流体をポンプ流路に供給する場合には、第2流路から作用する流路抵抗を小さくして、短時間のうちに必要とする流量を得ることが可能となる。
【0017】
本発明は、前記連通路の流路面積が、前記ポンプ流路の流路面積より小さく設定されても良い。
【0018】
この構成では、流体圧ポンプからポンプ流路に対して流体が供給される状況において、開閉弁を閉塞位置に維持したまま逆止弁を開くことになるので、アキュムレータに供給される流体の流量は少なくても良い。このような理由から、連通路の流路面積をポンプ流路の流路面積より小さくすることは合理的であり、油路構成の大型化を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】流体制御装置を模式的に示す油圧回路図である。
図2】流体制御装置の断面図である。
図3】逆止弁が開放する状態の開閉弁の拡大断面図である。
図4】開閉弁が開放する状態の開閉弁の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1に示すように、油圧ポンプPm(流体圧ポンプの一例)から作動油(流体の一例)を油圧機器Cに供給するポンプ流路10が形成され、このポンプ流路10の作動油を貯留するアキュムレータAを備えて流体制御装置が構成されている。
【0021】
流体制御装置は、油圧ポンプPmからの作動油が供給されるポンプ流路10に対して第1流路11が分岐して形成され、この第1流路11に対し、開閉弁Vaと、第2流路12と、アキュムレータAとが、この順序で直列に接続している。開閉弁Vaは、パイロット圧の制御により開閉作動し、この開閉作動によりポンプ流路10とアキュムレータAとが連通する連通状態と、非連通となる遮断状態とに切換自在に構成されている。また、このパイロット圧を制御する電磁弁としての切換弁Vbを備えている。切換弁Vbは、ECUとして機能する制御部Dによって制御される。
【0022】
油圧ポンプPmは、車両のエンジンで駆動され、油圧機器Cは専用の電磁弁等を介して作動油が給排されることで、変速を実現する変速用の油圧クラッチを想定している。尚、油圧機器Cとして、エンジンの吸気バルブのタイミングを調節するバルブタイミング制御装置等、車両に備えられる各種の機器を対象としても良い。
【0023】
この流体制御装置は、アイドリングストップ制御を行う車両においてエンジンの始動時のように、油圧ポンプPmからの作動油の油量や油圧が充分でない場合にアキュムレータAに貯留されている作動油を、ポンプ流路10に供給することで油圧機器Cを適正に作動させるために用いられる。このように作動油を供給するため、制御部Dは、エンジンの始動時に切換弁Vbを制御して開閉弁Vaを開放する制御を行う。
【0024】
また、流体制御装置は、エンジンの稼働時に開閉弁Vaの第1弁体15が遮断位置に維持されている状態で、開閉弁Vaに内蔵した逆止弁20が開放することでポンプ流路10に流れる作動油の一部をアキュムレータAに貯留するように構成されている。以下に、これらの作動を実現する構成を説明する。
【0025】
〔流体制御装置〕
流体制御装置は、図2〜4に示す如く単一のバルブハウジング1(弁箱の一例)に開閉弁Vaと、電磁弁として構成される切換弁Vbと、アキュムレータAとを備えている。
【0026】
〔開閉弁〕
バルブハウジング1には軸芯Xを中心とする弁体収容室Sを作り出す筒状部2が一体形成され、この弁体収容室Sに第1弁体15を収容し、第1付勢部材としての第1スプリング16を備えて開閉弁Vaが構成されている。第1弁体15は、軸芯Xを中心とする円柱状の外周面を備え、軸芯Xに沿う方向に移動自在に弁体収容室Sに収容されている。
【0027】
第1弁体15が収容されることにより、弁体収容室Sは第1室S1と第2室S2とに分割されている。第1室S1は、第1弁体15を基準に内部壁3の側に形成され、この内部壁3には軸芯Xと同軸芯で第1ポートP1が形成されている。また、筒状部2において内部壁3に隣接する位置には、軸芯Xと直交する姿勢で第2ポートP2が形成されている。
【0028】
第1ポートP1は、軸芯Xと同軸芯上に形成される第1流路11に連通し、第2ポートP2は、軸芯Xと直交する姿勢でバルブハウジング1に形成される第2流路12に連通している。第1スプリング16(第1付勢部材)は、第1弁体15を第1ポートP1に当接させる方向に付勢方向が設定され、この付勢力により第1弁体15は第1ポートP1を閉塞する遮断状態に維持される。
【0029】
第1弁体15は、第1室S1に面する端壁部15aを有するピストン状に形成され、端壁部15aの中央位置には、内部壁3に向けて突出する膨出部15Tが一体形成されている。この膨出部15Tの突出面には、軸芯Xと同軸となるセンター孔部15cが穿設され、膨出部15Tの側面には、軸芯Xと直交する姿勢となる複数のサイド孔部15sが穿設されている。
【0030】
この第1弁体15は、図2、3に示す遮断位置と、図4に示す連通位置とに切換自在に構成されている。遮断位置では、膨出部15Tが内部壁3に当接して第1ポートP1を閉塞し、連通位置では第1ポートP1を大きく開放する。また、第1弁体15が遮断位置にある状態でも、複数のサイド孔部15sは第1室S1に連通する状態を維持する。
【0031】
第1弁体15の膨出部15Tの突出端の外面位置には、濾過部材としてフィルターFを備えている。このフィルターFは金属等の線材でメッシュを形成したものであり、作動油に含まれる異物や不純物を除去する。
【0032】
この第1弁体15の膨出部15Tの内部には、逆止弁20を構成するチェックボール20a(逆止弁体の一例)が収容され、サイド孔部15sと、チェックボール20aの外周の空間とを介して第1室S1の圧力を第2室S2に作用させるリーク流路17が形成されている。つまり、サイド孔部15sと、チェックボール20aの外周の空間との間に流路面積が小さく作動油がリークするように流れるリーク流路17が構成されている。このリーク流路17は、第1弁体15が図2に示す遮断位置にある状態では、第1室S1から僅かな量の作動油を、時間を掛けて第2室S2に流すことで第1室S1の圧力と第2室S2の圧力とを等しくするように機能する。
【0033】
〔逆止弁〕
逆止弁20は、チェックボール20aと、第2付勢部材としての第2スプリング20bと、ガイド部材18とを備えて構成されている。チェックボール20aは、膨出部15Tの内部に配置され第2スプリング20bの付勢力によりセンター孔部15cを閉塞する位置に配置される。ガイド部材18は、膨出部15Tの内部空間に連なる筒状に形成され、このガイド部材18の内部に第2スプリング20bが配置されている。
【0034】
この流体制御装置では、第1弁体15が遮断位置にある状態において、第1流路11から、第1ポートP1と、センター孔部15cと、サイド孔部15sと、第1室S1と、第2ポートP2とを介して第2流路12に至る領域に連通路Lが形成されている。この連通路Lのうち、センター孔部15cからサイド孔部15sに亘る領域が内部流路であり、連通路Lのうち内部流路を開閉するように逆止弁20を備えている。
【0035】
特に、第1スプリング16(第1付勢部材)の付勢力により、第1弁体15が遮断位置に維持される付勢力と比較して、第2スプリング20b(第2付勢部材)が、チェックボール20aを閉じ状態に維持される付勢力を弱くするように第1スプリング16と第2スプリング20bとの関係が設定されている。これにより、第1ポートP1に作用する作動油の圧力が上昇した場合には、第1弁体15が遮断位置に維持される状態でチェックボール20aが開放し、作動油がアキュムレータAに供給される作動が許容されるように、第1スプリング16の付勢力と第2スプリング20bとの付勢力の関係が設定されている。
【0036】
〔切換弁〕
切換弁Vbは、ホルダー24と、第2弁体25と、プランジャ26と、第3スプリング27と、電磁ソレノイド28とを備えて構成されている。
【0037】
ホルダー24は、筒状部2の外端部に内嵌固定され、このホルダー24には軸芯Xと同軸芯に弁孔部24aが形成されている。弁孔部24aは大径部分と小径部分とを有しており、小径部分が第2室S2に連通している。また、弁孔部24aの大径部分にボール状となる第2弁体25が軸芯Xに沿う方向に移動自在に嵌め込まれ、第3スプリング27により弁孔部24aの小径部分の開口部分に当接する方向に付勢されている。
【0038】
プランジャ26は、鉄等の磁性体が用いられ、第2弁体25に当接するように先細りの当接部が形成されている。このプランジャ26は、電磁ソレノイド28の内部空間において軸芯Xに沿う方向に移動自在に支持され、第3スプリング27の付勢力により、当接部を第2弁体25に当接する方向に付勢されている。
【0039】
この流体制御装置では、第2室S2とポンプ流路10(図面では第1流路11を介してポンプ流路10に接続する状態を示している)とを結ぶパイロット流路13が形成され、切換弁Vbは、パイロット流路13を連通させる連通位置と、パイロット流路13を非連通状態にすることで第2室S2を封じる閉塞位置とに切換自在に構成されている。
【0040】
パイロット流路13は、ポンプ流路10に連通する第1流路11から、弁孔部24aの大径部分と小径部分の境界位置を介して第2室S2に亘る領域に形成されている。このような領域に形成されるため、第2弁体25が図2,3に示す閉塞位置にある場合には、パイロット流路13が非連通状態となり第2室S2が封じた状態に維持される。また、第2弁体25が図4に示す連通位置にある場合には、パイロット流路13が連通状態となり第2室S2が第1流路11に連通する。
【0041】
この切換弁Vbでは、電磁ソレノイド28に電力を供給しない状態では、第3スプリング27の付勢力により、図2,3に示すように、プランジャ26が第2弁体25に当接して、パイロット流路13を非連通状態に維持する(切換弁Vbを非連通状態に維持する)。
【0042】
また、電磁ソレノイド28に電力を供給した場合には、図4に示すように第3スプリング27の付勢力に抗してプランジャ26が第2弁体25から離間する方向に変位するため、第1室S1の圧力を、パイロット流路13を介して第1流路11(ポンプ流路10)に逃がすことになる。このようにパイロット流路13が連通状態に達した場合には、アキュムレータAから作用する流体の圧力で第1弁体15を開放し、アキュムレータAに貯留された作動油を第2流路12と第1流路11とを介してポンプ流路10に送り出すことが可能となる。
【0043】
〔アキュムレータ〕
アキュムレータAは、図2に示すように、バルブハウジング1に形成されたシリンダ状ケース5の内部に移動自在にピストン6を収容し、このピストン6を付勢する蓄圧スプリング7を備えて構成されている。
【0044】
このアキュムレータAでは、ピストン6の受圧面とバルブハウジング1との間の空間に対して第2流路12が連通しており、第2流路12に作動油が供給されることにより、蓄圧スプリング7の付勢力に抗してピストン6が移動し、シリンダ状ケース5の内部空間に作動油が貯留される。また、開閉弁Vaが開放した場合には、シリンダ状ケース5の内部に貯留された作動油を蓄圧スプリング7の付勢力により送り出すことが可能となる。
【0045】
〔流路構成〕
この流体制御装置では、第1流路11と第2流路12とのいずれの流路面積も、連通路Lの流路面積より大きく設定されている。また、第1流路11と第2流路12との何れの流路面積も、ポンプ流路10の流路面積より大きい、又は、等しく設定されている。更に、第1ポートP1とセンター孔部15cとサイド孔部15sと第1室S1と第2ポートP2とに亘って形成される連通路Lの流路面積が、第1弁体15が連通位置に達した場合に第1ポートP1から第1室S1を介して第2ポートP2に至る流路面積より小さく設定されている。
【0046】
〔作動形態〕
このような構成から、エンジンの稼働時には油圧ポンプPmからポンプ流路10に送られる作動油の圧力が所定値(第2スプリング20bの付勢力とアキュムレータAの内部からの圧力とからチェックボール20aに作用する圧力)を超えた場合には、図3に示すように、第2スプリング20bの付勢力に抗してチェックボール20aがセンター孔部15cから離間する方向に変位し、このセンター孔部15cを開放する。これにより、開閉弁Vaを遮断状態に維持したまま逆止弁20が開放し、連通路Lを連通状態にしてポンプ流路10から第1流路11を介して送られる作動油を、センター孔部15cからサイド孔部15sに送り、アキュムレータAでの貯留が可能となる。
【0047】
また、アキュムレータAに作動油を貯留する場合には、時間をかけて作動油を供給できるため、流路面積を大きくする必要がない。このような理由から、第1流路11の流路面積と、第2流路12の流路面積との何れの流路面積より、連通路Lの流路面積が小さく設定されている。これにより、開閉弁Vaが開放する状態で単位時間内に第1ポートP1に流れる作動油の流量と比較すると、逆止弁20が開放して連通路Lに単位時間内に流れる作動油の流量は少ない。このように流路構成に無理がなく流路構成の大型化の抑制も可能にしている。また、逆止弁20を介して作動油をアキュムレータAに供給する構成であるため、電磁ソレノイド28に電力を供給して開閉弁Vaを開放する制御形態と比較して電力の供給が不要であり、電力を無駄に消費することもない。
【0048】
特に、アキュムレータAに対して作動油を貯留する場合に、小さい流路面積の連通路Lを介して作動油が流れるため、アキュムレータAに作動油が流れる際の流路抵抗が大きくなり、ポンプ流路10から油圧機器Cに送られる作動油の油量を減ずることや、油圧を低下させる不都合を招くことがない。
【0049】
次に、エンジンが停止した状態では、図2に示すように、開閉弁Vaが閉塞状態に維持されるためアキュムレータAに作動油を貯留する状態を維持できる。そして、エンジンの始動時に油圧機器Cに作動油を供給する必要がある場合には、制御部Dが電磁ソレノイド28に電力を供給する制御を行うことにより、図4に示すように、切換弁Vbが連通位置に達し、開閉弁Vaが開放してアキュムレータAに貯留された作動油がポンプ流路10から油圧機器Cに供給される。
【0050】
つまり、開閉弁Vaには、閉塞状態において第1室S1に対してアキュムレータAに貯留されている作動油の圧力が作用しており、この圧力がリーク流路17を介して第2室S2に作用するため、第1室S1と第2室S2との圧力が等しい状態にある。このような理由から、電磁ソレノイド28に電力が供給され、プランジャ26が第2弁体25から離間する方向に変位した場合には、第2弁体25がプランジャ26の変位方向に移動する。この移動に伴い、パイロット流路13を介して第2室S2と第1流路11とを連通する。この連通により、第2室S2の圧力が第1室S1の圧力より低下し、アキュムレータAから第1室S1を介して第1弁体15の端壁部15aに作用する圧力により、第1弁体15は第1スプリング16の付勢力に抗して作動し連通位置に達する。
【0051】
この結果、アキュムレータAに貯留された作動油は、蓄圧スプリング7の付勢力により第2流路12、第2ポートP2、第1室S1、第1ポートP1の夫々を、この順序で流れ、ポンプ流路10に供給される。これによりエンジンの回転速度が低い状態でも油圧機器Cを適正に作動させることが可能となる。尚、この開閉弁Vaはパイロット圧により開閉作動を行うものであるため、例えば、開閉弁Vaを直接的に電磁式に開閉させるポペット型のものと比較して大容量の電磁弁を用いる必要がなく、小型化を実現している。
【0052】
また、第1流路11と第2流路12との何れの流路面積も、ポンプ流路10の流路面積より大きい、又は、等しく設定されているため、これらの流路を作動油が流れる場合の流路抵抗を小さくし、アキュムレータAに貯留された作動油をポンプ流路10に対して短時間のうちに供給できるのである。
【0053】
更に、この流体制御装置では、第1弁体15にフィルターFを備えているため、ポンプ流路10から連通路Lを介してアキュムレータAに作動油が流れる場合に、作動油に含まれるスラッジ等の異物や不純物をフィルターFで除去できる。特に、連通路LにおいてアキュムレータAの方向に作動油が流れる場合には、アキュムレータAの圧力に抗することになるため、流速は低く、フィルターFでの濾過を良好に行える。
【0054】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い。
【0055】
(a)逆止弁20の逆止弁体として、ボール型に代えてポペット型のものを用いても良い。このように、ポペット型に構成する場合に、ポペット型の断面形状は円形に限るものではなく多角形にすることも可能である。また、逆止弁20の逆止弁体として第1弁体15のセンター孔部15cを開閉する板状材で構成しても良い。このように板状材を用いる構成では板状材を、ヒンジを介して揺動可能に構成することや、板状材に可撓性の材料を用いることが可能である。
【0056】
(b)リーク流路17を、第1弁体15の端壁部15aに穿設される貫通孔で構成して良く、筒状部2の内壁に対し軸芯Xと平行に形成された溝で形成しても良い。また、このリーク流路17を、第1室S1と第2室S2とを連通させるために専用の管路によって構成しても良い。
【0057】
(c)実施形態では、パイロット流路13を、その一端を第2室S2に連通させ、他端をポンプ流路10(第1流路11でも良い)に接続しているが、これに代えて、例えば、パイロット流路13の他端側を作動油タンクに接続するように構成しても良い。このように構成することにより、切換弁Vbを連通状態に設定した場合の、第1室S1と第2室S2との圧力差を大きくして第1弁体15が開放する際の作動速度を高速化が可能となる。
【0058】
(d)逆止弁20を構成するに、チェックボール20aを閉じ方向に付勢する第2スプリング20bを備えずに構成する。つまり、チェックボール20aにはアキュムレータAから作動油の圧力が閉じ方向に作用する状態にあるため、この作動油の圧力を付勢力として閉じ状態に維持することが可能となる。また、第1弁体15にはアキュムレータAからの作動油の圧力と、第1スプリング16(第1付勢部材)との圧力が作用するため、ポンプ流路10の圧力が上昇した場合には、開閉弁Vaを閉塞状態に維持したまま逆止弁20を開放してアキュムレータAに作動油を供給することが可能となる。
【0059】
(e)濾過部材としてフィルターFを、第1弁体15の内部においてセンター孔部15cを覆う位置に配置する。このような構成でも作動油に含まれる異物や不純物を除去が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、アキュムレータに貯留した流体をポンプ流路に供給する流体制御装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 弁箱(バルブハウジング)
10 ポンプ流路
11 第1流路
12 第2流路
13 パイロット流路
15 第1弁体
16 第1付勢部材(第1スプリング)
17 リーク流路
20 逆止弁
20a 逆止弁体(チェックボール)
20b 第2付勢部材(第2スプリング)
25 第2弁体
28 電磁ソレノイド
A アキュムレータ
L 連通路
Pm 流体圧ポンプ(油圧ポンプ)
P1 第1ポート
P2 第2ポート
S 弁体収容室
S1 第1室
S2 第2室
Va 開閉弁
Vb 切換弁
図1
図2
図3
図4