特開2016-223503(P2016-223503A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223503(P2016-223503A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】油圧供給システムの圧力調整機構
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/00 20060101AFI20161205BHJP
   F16H 61/662 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   F16H61/00
   F16H61/662
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-109239(P2015-109239)
(22)【出願日】2015年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁
(72)【発明者】
【氏名】宮島 俊希
【テーマコード(参考)】
3J552
【Fターム(参考)】
3J552MA07
3J552MA12
3J552NA01
3J552NB01
3J552PA20
3J552PA59
3J552QA14C
3J552QA26C
3J552SA36
3J552SA52
3J552TA01
3J552VA18W
3J552VA53W
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無段変速機用の油圧回路においてドライブプーリーへの供給圧力とドリブンプーリーへの供給圧力の範囲がそれぞれ異なり且つ、それぞれの大小関係が入れ替わる場合であっても、それぞれのプーリーコントロール圧範囲を最大限にとりつつ、2つのプーリーの指示圧の高いほうに合わせたリリーフ圧を作る事ができる油圧供給システムの圧力調整機構を提供する。
【解決手段】オイルポンプ101の圧力を調整する第1及び第2レギュレータバルブ102,103を直列に接続し、第1レギュレータバルブ102の低圧側を第2レギュレータバルブ103の高圧側に接続する。第1及び第2レギュレータバルブ102,103のフィードバック圧としてオイルポンプ101の吐出圧PHを別々に入力すると共に、パイロット圧としてDRC圧及びDNC圧の何れか一方を別々に入力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プーリー幅可変のドライブプーリーと、プーリー幅可変のドリブンプーリーと、前記ドライブプーリーおよびドリブンプーリー間に掛け渡された無端伝達部材と、前記ドライブプーリーのプーリー幅制御を行うドライブ側油圧アクチュエータと、前記ドリブンプーリーのプーリー幅制御を行うドリブン側油圧アクチュエータとを有する変速機において、
制御元圧となるライン圧を調圧設定するレギュレータバルブ手段と、前記ライン圧に基づいて調圧された油圧を元圧として調圧を行うドライブ側リニアソレノイドバルブ及びドリブン側リニアソレノイドバルブと、前記ドライブ側リニアソレノイドバルブの出力油圧を信号圧として、前記ライン圧から前記ドライブプーリーを駆動するドライブ油圧へ調圧するためのドライブ側レギュレータバルブと、前記ドリブン側リニアソレノイドバルブの出力油圧を信号圧として、前記ライン圧から前記ドリブンプーリーを駆動するドリブン油圧へ調圧するためのドリブン側レギュレータバルブとを備えた油圧供給システムの圧力調整機構であって、
前記レギュレータバルブ手段は、信号圧とフィードバック圧との力の釣り合いによって前記ライン圧を調圧する第1レギュレータバルブ及び第2レギュレータバルブを備え、
前記第1及び第2レギュレータバルブは直列に接続されると共に信号圧として前記ドリブン側又はドライブ側リニアソレノイドバルブの前記出力油圧の何れか一方が別々に入力され且つフィードバック圧として前記ライン圧が別々に入力されることを特徴とする油圧供給システムの圧力調整機構。
【請求項2】
前記第1レギュレータバルブは前記第2レギュレータバルブよりも上流側に配置され、信号圧として前記ドリブン側リニアソレノイドバルブの前記出力油圧を入力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の油圧供給システムの圧力調整機構。
【請求項3】
前記ライン圧を元圧として減圧して前記ドライブ側及びドリブン側リニアソレノイドバルブの元圧へ供給する減圧バルブを有することを特徴とする請求項2に記載の油圧供給システムの圧力調整機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧供給システムの圧力調整機構に関し、より詳細には無段変速機用の油圧回路においてドライブプーリーへの供給圧力とドリブンプーリーへの供給圧力の範囲がそれぞれ異なり且つ、それぞれの大小関係が入れ替わる場合であっても、それぞれのプーリーコントロール圧範囲を最大限にとりつつ、2つのプーリーの指示圧の高いほうに合わせたリリーフ圧を作ることができる油圧供給システムの圧力調整機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無段変速機の2つあるプーリーへの指示圧(ドライブプーリー圧、ドリブンプーリー圧)のうち、どちらか高い方の指示圧に合わせたリリーフ圧をつくり、これによりポンプ吐出圧(ライン圧)を高い方の指示圧に調圧することは、無段変速機のポンプ損失を減らすために必要なことである。従来は、ドライブプーリー圧の代替としてドライブプーリーコントロール圧を、ドリブンプーリー圧の代替としてドリブンプーリーコントロール圧を使用し、シャトルバルブを用いてドライブプーリーコントロール圧とドリブンプーリーコントロール圧の、どちらか高い方を選択してパイロット圧としてレギュレータバルブに導くと共にライン圧をフィードバック圧としてレギュレータバルブに導き、パイロット圧とフィードバック圧との力の釣り合いより、ライン圧を高い方の指示圧に調圧する方法が知られている。
【0003】
また、レギュレータバルブのパイロット圧を導く室を、2つに分けて、一方の室にドライブプーリーコントロール圧を導き、もう一方の室にドリブンプーリーコントロール圧を導き、いずれか高い方の圧力がパイロット圧となる方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
さらに、第1レギュレータバルブのパイロット圧を作り出す第2レギュレータバルブを設置し、第2レギュレータバルブにおいてドライブプーリー圧とドリブンプーリーコントロール圧をそれぞれ取り込んで、ドライブプーリー圧とドリブンプーリーコントロール圧との力の釣り合いによって別途取り込んだモジュレータ圧を第1レギュレータバルブのパイロット圧に調圧し、第1レギュレータバルブにおいてそのパイロット圧に基づいてライン圧を調圧する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願平11−247981号公報
【特許文献2】特許第4882928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ベルト式無段変速機(CVT)を自動車に用いる場合には、プーリーレシオLO端は発進時に、プーリーレシオHI端は巡行運転時に相当し、巡行運転は全体の走行時間に占める割合が大きい。従って巡行運転時つまりプーリーレシオHI端での損失を小さくすることは、自動車の燃料消費の抑制には、特に効果的である。
【0007】
また、CVTの損失のうちポンプ損失を小さくするためには、ポンプ駆動動力すなわちポンプの吐出圧力と吐出流量の積を小さくすることが有効である。ドライブプーリーとドリブンプーリーの、ピストン作用面積の比を極端に大きくした場合および変速途中を除けば、プーリーレシオHI端のポンプ吐出圧力を決めているのは、ドライブプーリー圧である。ドライブプーリーのピストン作用面積を大きくすると、同じ挟み込み力を小さな油圧で得られるから、巡行運転時のポンプ吐出圧力は小さくなり、ポンプ駆動動力は小さくなる。
【0008】
一方で、自動車用CVTにおいて変速時間の短縮が要求されるのは、巡行運転からの急加速または急停止であり、どちらもプーリーレシオHI側からLO側への変速だから、このときドリブンプーリーのピストンには、短時間でオイルを満たす必要がある。求められる変速時間を達成するよう、ポンプ吐出流量とドリブンプーリーのピストン作用面積の関係を決めるから、ドリブンプーリーのピストン作用面積の拡大には制限がある。
【0009】
以上2つの理由から、ドライブプーリーとドリブンプーリーの、ピストン作用面積の比は、大きくなる傾向にある。プーリーへの油圧が定常状態で最大となるプーリーレシオLO端での最大トルクにおいては、プーリーのピストン作用面積の比から、ドリブンプーリー圧のほうがドライブプーリー圧より高くなる。圧力範囲が互いに異なるドリブンプーリー圧またはドライブプーリー圧に対して、各プーリーコントロール圧を作り出す各リニアソレノイドバルブの圧力範囲(または電流範囲)を有効活用するためには、各プーリーコントロール圧から各プーリー圧へのゲインを独立に調整したいニーズが生まれる。
【0010】
しかしながら、ドライブプーリー側とドリブンプーリー側の各リニアソレノイドバルブは圧力・電流特性が同じソレノイドを使用しているため、上記特許文献1に記載の油圧制御装置は、ドライブプーリーコントロール圧からドライブプーリー圧へのゲインと、ドリブンプーリーコントロール圧からドリブンプーリー圧へのゲインは同一でないと正しく動作しない。詳細については後述するが、ドライブプーリー側とドリブンプーリー側の各リニアソレノイドバルブは同じソレノイドを使いながらドライブプーリー側は電流の範囲を制限しなくてはならないという問題がある。
【0011】
また、上記特許文献2記載の油圧制御装置は上記背景にもとづき発明されたもので、間接的に第2レギュレータバルブを介して第1レギュレータバルブを駆動しており、さらに第2レギュレータバルブへ取り込まれた2つのパイロット圧は、一方が指示圧(ドライブプーリー圧)であり他方が制御圧(ドリブンプーリーコントロール圧)であるため、第2レギュレータバルブにおいてドライブプーリー圧を受ける受圧面積とドリブンプーリーコントロール圧を受ける受圧面積との比を変えることにより、各プーリーコントロール圧から各プーリー圧へのゲインを独立に調整することが可能である。
【0012】
しかし、上記第2レギュレータバルブは、ドライブプーリー圧とドリブンプーリー圧のいずれか高い方を選択するというリリーフバルブとしての機能と、モジュレータ圧を第1レギュレータバルブのパイロット圧に調圧するというリデューシングバルブとしての機能とを併せ持つように構成されている。その結果、第2レギュレータバルブは第1リリーフバルブの弁体が動くたびにオイルを消費してしまうという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、無段変速機用の油圧回路においてドライブプーリーへの供給圧力とドリブンプーリーへの供給圧力の範囲がそれぞれ異なり且つ、それぞれの大小関係が入れ替わる場合に、それぞれのプーリーコントロール圧範囲を最大限にとりつつ、2つのプーリーの指示圧の高いほうに合わせたリリーフ圧を作る事ができる油圧供給システムの圧力調整機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明に係る油圧供給システムの圧力調整機構では、プーリー幅可変のドライブプーリー(31)と、プーリー幅可変のドリブンプーリー(35)と、前記ドライブプーリーおよびドリブンプーリー間に掛け渡された無端伝達部材(39)と、前記ドライブプーリー(31)のプーリー幅制御を行うドライブ側油圧アクチュエータ(34)と、前記ドリブンプーリー(35)のプーリー幅制御を行うドリブン側油圧アクチュエータ(38)とを有する変速機(3)において、制御元圧となるライン圧(PH圧)を調圧設定するレギュレータバルブ手段と、前記ライン圧に基づいて調圧された油圧を元圧として調圧を行うドライブ側リニアソレノイドバルブ(105)及びドリブン側リニアソレノイドバルブ(106)と、前記ドライブ側リニアソレノイドバルブ(105)の出力油圧(PDRC)を信号圧として、前記ライン圧(PH圧)から前記ドライブプーリーを駆動するドライブ油圧(PDR)へ調圧するためのドライブ側レギュレータバルブ(107)と、前記ドリブン側リニアソレノイドバルブ(106)の出力油圧(PDNC)を信号圧として、前記ライン圧(PH圧)から前記ドリブンプーリーを駆動するドリブン油圧(PDN)へ調圧するためのドリブン側レギュレータバルブ(108)とを備えた油圧供給システムの圧力調整機構であって、前記レギュレータバルブ手段は、信号圧とフィードバック圧との力の釣り合いによって前記ライン圧(PH圧)を調圧する第1レギュレータバルブ(102)及び第2レギュレータバルブ(103)を備え、前記第1及び第2レギュレータバルブ(102、103)は直列に接続されると共に信号圧として前記ドリブン側又はドライブ側リニアソレノイドバルブ(105、106)の前記出力油圧(PDRC、PDNC)の何れか一方が別々に入力され且つフィードバック圧として前記ライン圧(PH圧)が別々に入力されることを特徴とする。
【0015】
上記構成では、オイルポンプの吐出圧(ライン圧)を調圧する第1及び第2レギュレータバルブ(102,103)が直列に接続され、例えば第1レギュレータバルブ(102)の低圧側が第2レギュレータバルブ(103)の高圧側に接続される。更に、上記リニアソレノイドバルブ(105,106)の出力油圧(PDRC、PDNC)が第1又は第2レギュレータバルブ(102、103)の何れか一方に信号圧(パイロット圧)として別々に入力されると共にライン圧(PH圧)がフィードバック圧として別々に入力される。これにより、ドライブプーリーコントロール圧(PDRC)からドライブプーリー圧(PDR)へのゲイン(A)に合わせて、接続される一方のレギュレータバルブのゲイン(AA)を決めておき、ドリブンプーリーコントロール圧からドリブンプーリー圧へのゲイン(B)に合わせて、接続される他方のレギュレータバルブのゲイン(BB)を独立に決めることが可能となる。2つのゲイン(A、B)は同一である必要がなく、例えばドライブプーリー側はゲイン(A)を低く、ドリブンプーリー側はゲイン(B)を高くとることができるから、プーリー圧を調節するソレノイドは同じものを使い、ソレノイドの圧力範囲(PDRC、PDNC)を有効に利用しつつ、異なる圧力範囲のプーリー圧(PDR、PDN)を調節することが可能となる。
【0016】
本発明に係る油圧供給システムの圧力調整機構の第2の特徴は、前記第1レギュレータバルブ(102)は前記第2レギュレータバルブ(103)よりも上流側に配置され、信号圧として前記ドリブン側リニアソレノイドバルブ(106)の前記出力油圧(PDNC)を入力するように構成されていることである。
【0017】
上記構成では、ドリブンプーリーコントロール圧(PDNC)を入力する第1レギュレータバルブ(102)が第2レギュレータバルブ(103)よりも上流側に配置される。そのため、例えばドリブンプーリー圧(PDN)が高い(ドライブプーリー圧(PDR)が低い)LO端発進状態において、オイルポンプ(101)が駆動されると、第1レギュレータバルブ(102)が開く前に第2レギュレータバルブバルブ(103)が開くようになり、これにより第1−第2レギュレータ(102、103)間での油路長による消費(詰まり)を低減し、ライン圧(PH圧)を瞬時にドリブンプーリー圧(DN指示値)に調圧することが可能となる。
【0018】
本発明に係る油圧供給システムの圧力調整機構の第3の特徴は、前記ライン圧(PH圧)を元圧として減圧して前記ドライブ側及びドリブン側リニアソレノイドバルブ(105、106)の元圧へ供給する減圧バルブ(104)を有することである。
【0019】
上記構成では、一度減圧した油圧を各ドライブ側またはドリブン側リニアソレノイドバルブ(105、106)に入力することで、上記リニアソレノイドバルブ(105,106)に対する耐圧性を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の油圧供給システムの圧力調整機構によれば、無段変速機用の油圧回路においてドライブプーリーへの供給圧力とドリブンプーリーへの供給圧力の範囲がそれぞれ異なり且つ、それぞれの大小関係が入れ替わる場合に、それぞれのプーリーコントロール圧範囲を最大限にとりつつ、2つのプーリーの指示圧の高いほうに合わせたリリーフ圧を作る事ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の油圧供給システムの圧力調整機構が適用される車両の駆動系の概略構成図である。
図2】本実施形態に係る油圧供給システムの圧力調整機構を簡略化して示した等価説明図である。
図3】本実施形態に係るドライブプーリーソレノイドバルブ及びドリブンプーリーソレノイドバルブの電流に対する各プーリー圧(PDR、PDN)特性をそれぞれ示すグラフである。
図4】本油圧供給システムの圧力調整機構によるライン圧(PH)の調圧を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の油圧供給システムの圧力調整機構100が適用される車両の駆動系の概略構成図である。図1に示すように、車両は、エンジン(駆動源)1と、トルクコンバータ2と、無段変速機(以下、「CVT」ともいう)3と、前後進切替装置4と、ディファレンシャル機構6とを備える。
【0023】
エンジン1の駆動はクランクシャフト11に出力される。このクランクシャフト11の回転は、トルクコンバータ2を介してCVT3に入力される。トルクコンバータ2は流体(作動油)を介してトルクの伝達を行うものであり、フロントカバー21と、このフロントカバー21と一体に形成されたポンプ翼車(ポンプインペラ)22と、フロントカバー21とポンプ翼車22との間でポンプ翼車22に対向配置されたタービン翼車(タービンランナ)23と、ステータ24とを有する。図1に示すように、クランクシャフト11はトルクコンバータ2のポンプ翼車22に接続され、タービン翼車23はメインシャフト(CVT入力軸)12に接続される。
【0024】
なお、タービン翼車23とフロントカバー21との間には、ロックアップクラッチ25が設けられている。ロックアップクラッチ25は、後述する油圧供給システムの圧力調整機構100により、フロントカバー21の内面に向かって押圧されることによりフロントカバー21に係合し、押圧が解除されることによりフロントカバー21との係合が解除されるロックアップ制御を行う。フロントカバー21およびポンプ翼車22により形成される容器内には作動油(ATF:Automatic Transmission Fluid)が封入されている。
【0025】
無段変速機3は、トルクコンバータ2と同様に、後述する油圧供給システムの圧力調整機構100による油圧の制御により、その変速動作が制御されるものである。無段変速機3は、メインシャフト12上に配置されたドライブプーリー31と、メインシャフト12に平行なカウンタシャフト13上に配置されたドリブンプーリー35と、ドライブプーリー31およびドリブンプーリー35の間に掛け回される金属製のベルト(無端伝達部材)39とを有する。
【0026】
ドライブプーリー31は、メインシャフト12上に固定して配置された固定プーリー半体32と、この固定プーリー半体32に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリー半体33とからなる。可動プーリー半体33の側方には、ドライブ側シリンダ室(油室)34が形成されている。ドリブンプーリー35は、カウンタシャフト13に固定して配置された固定プーリー半体36と、この固定プーリー半体36に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリー半体37とからなる。可動プーリー半体37の側方には、ドリブン側シリンダ室(油室)38が形成されている。ドライブ側シリンダ室34およびドリブン側シリンダ室38に後述する油圧供給システムの圧力調整機構100により作動油を供給することにより、可動プーリー半体33および37をそれぞれ軸方向に移動させることができ、これにより、ベルト39のドライブ側圧およびドリブン側圧が発生される。なお、油圧供給システムの圧力調整機構100の詳細については図2を用いて後述する。ドライブプーリー31の固定プーリー半体32は、メインシャフト12上に配置される前後進切替装置4に接続される。
【0027】
前後進切替装置4は、前進クラッチ46と、後進ブレーキ47と、それらの間に配置されるプラネタリギヤ機構41とを備える。プラネタリギヤ機構41は、メインシャフト12に連結されたサンギヤ42と、ドライブプーリー31の固定プーリー半体32に連結されたリングギヤ45と、サンギヤ42とリングギヤ45との間に設けられ、それらと噛み合うピニオンギヤ43とを備える。ピニオンギヤ43は、プラネタリキャリヤ44を介して後進ブレーキ47に連結される。
【0028】
前後進切替装置4において前進クラッチ46が作動(係合)されると、プラネタリギヤ機構41のリングギヤ45はメインシャフト12と連結され、サンギヤ42およびリングギヤ45はメインシャフト12と一体に回転する。そのため、エンジン1の回転駆動により、ドライブプーリー31はメインシャフト12と同方向(前進方向)に回転駆動される。また、前後進切替装置4において後進ブレーキ47が作動(係合)されると、プラネタリキャリヤ44が固定保持されるので、リングギヤ45はサンギヤ42と逆の方向に回転駆動される。そのため、エンジン1の回転駆動により、ドライブプーリー31はメインシャフト12と逆方向(後進方向)に回転駆動される。
【0029】
無段変速機3では、ドライブプーリー31とドリブンプーリー35との間で変速制御が行われ、カウンタシャフト13が回転駆動される。カウンタシャフト13の回転は、減速ギヤ51、52を介してセカンダリシャフト14に伝達される。そして、セカンダリシャフト14の回転は、減速ギヤ53、54を介してディファレンシャル機構6に伝達され、ディファレンシャル機構6により分割されて左右のドライブシャフト15、16を介して左右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
【0030】
図2は、本実施形態に係る油圧供給システムの圧力調整機構100を簡略化して示した等価説明図である。なお、ここではドライブプーリー31及びドリブンプーリー35に対する油圧供給系統についてのみ図示することとし、クラッチ46,47及びトルクコンバータ2に対する各油圧供給系統については図示を省略することとする。
【0031】
この油圧供給システムの圧力調整機構100は、リザーバ内に貯留されている作動油を吸い上げてエネルギーを付与しながら吐出するオイルポンプ101と、オイルポンプ101から吐出された作動油の圧(PH圧)を所定の圧に調圧する第1レギュレータバルブ102及び第2レギュレータバルブ103と、上記PH圧を更にクラッチ圧(クラッチリデューシング圧またはCR圧)まで減圧するクラッチリデューシングバルブ104と、元圧としてCR圧を入力しドライブプーリーコントロール圧(DRC圧またはPDRC)を出力するドライブプーリーソレノイドバルブ105と、元圧としてCR圧を入力しドリブンプーリーコントロール圧(DNC圧またはPDNC)を出力するドリブンプーリーソレノイドバルブ106と、元圧としてPH圧を入力し且つパイロット圧(信号圧)としてDRC圧を入力し、PH圧をドライブプーリー圧(DR圧またはPDR)に調圧するドライブプーリーコントロールバルブ107と、元圧としてPH圧を入力し且つパイロット圧としてDNC圧を入力し、PH圧をドリブンプーリー圧(DN圧またはPDN)に調圧するドリブンプーリーコントロールバルブ108とを備えている。以下、各構成について更に詳細に説明する。
【0032】
オイルポンプ101は、例えばエンジン1によって回転駆動される容積型ポンプである。
【0033】
第1レギュレータバルブ102及び第2レギュレータバルブ103は、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによってオイルポンプ101の吐出圧PHを調圧する圧力調整弁である。第1及び第2レギュレータバルブ102,103は直列に接続され、第1レギュレータバルブ102の低圧側(流出側)が第2レギュレータバルブ103の高圧側(流入側)に接続されている。第1及び第2レギュレータバルブ102,103のフィードバック油路L15,L16とオイルポンプ101の吐出油路L1が接続され、ライン圧PHがフィードバック油路L15,L16を介して第1レギュレータバルブ102及び第2レギュレータバルブ103にそれぞれ入力される。
【0034】
また、ドライブプーリーソレノイドバルブ105及びドリブンプーリーソレノイドバルブ106の出力油路L8,L9と第1及び第2レギュレータバルブ102,103のパイロット油路L10,L11がそれぞれ接続されている。従って、DRC圧(PDRC)がパイロット油路L10を介して第2レギュレータバルブ103に入力され、DNC圧(PDNC)がパイロット油路L11を介して第1レギュレータバルブ102に入力される。
【0035】
従って、第2レギュレータバルブ103のパイロット圧作用面積に対するフィードバック圧作用面積の比(以下、「ゲイン」とも言う。)AAを用いて、第2レギュレータバルブ103が開きPH圧を調圧する条件は下記式(1)及び(2)となる。
(式1):PH>PDRC×AA+aa、但しaa=スプリング荷重/フィードバック圧作用面積。
(式2):PDRC×AA+aa>PDR。
【0036】
同様に、第1レギュレータバルブ102のパイロット圧作用面積に対するフィードバック圧作用面積の比BBを用いて、第2レギュレータバルブ103が開きPH圧を調圧する条件は下記式(3)及び(4)となる。
(式3):PH>PDNC×BB+bb、但しbb=スプリング荷重/フィードバック圧作用面積。
(式4):PDNC×BB+bb>PDN。
【0037】
従って、本油圧供給システムの圧力調整機構100では、DRC圧(PDRC)を基にしたPH圧に対する調圧と、DNC圧(PDNC)を基にしたPH圧に対する調圧が第2レギュレータバルブ103及び第1レギュレータバルブ102において独立にそれぞれ行われる。そのため、第2レギュレータバルブ103におけるDRC圧についてのパイロット圧作用面積に対するフィードバック圧作用面積の比AAと、第1レギュレータバルブ102におけるDNC圧についてのパイロット圧作用面積に対するフィードバック圧作用面積の比BBを独立に設定することが可能となる。なお、詳細については図3を参照しながら後述するが、PH圧は第1レギュレータバルブ102及び第2レギュレータバルブ103がともに開となる時にDN圧とDR圧の何れか高い方の圧に調圧される。
【0038】
また、第1レギュレータバルブ102及び第2レギュレータバルブ103がともに開となる時に、オイルポンプ101からの吐出量の一部が低圧回路(潤滑)に供給され、PH圧がDN圧とDR圧の何れか高い方の圧に調圧されることになる。
【0039】
クラッチリデューシングバルブ104は、PH圧を元圧として入力しCR圧を出力油圧及びフィードバック圧として、PH圧をCR圧に調圧する。CR圧(PCR)はドライブプーリーソレノイドバルブ105及びドリブンプーリーソレノイドバルブ6の元圧としてそれぞれ供給されると共に、クラッチ機構を駆動するクラッチ圧として供給される。
【0040】
ドライブプーリーソレノイドバルブ(ドライブ側リニアソレノイドバルブ)105はCR圧を元圧としDRC圧を出力する。このDRC圧(PDRC)はドライブプーリーコントロールバルブ107のパイロット圧となる。
【0041】
ドリブンプーリーソレノイドバルブ(ドリブン側リニアソレノイドバルブ)106はCR圧を元圧としDNC圧を出力する。このDNC圧(PDNC)はドリブンプーリーコントロールバルブ108のパイロット圧となる。
【0042】
ドライブプーリーコントロールバルブ(ドライブ側レギュレータバルブ)107はPH圧を元圧としDRC圧(PDRC)をパイロット圧(信号圧)としてドライブプーリー31を駆動するDR圧(PDR)をドライブ側シリンダ室34に出力する。なお、ドライブプーリーコントロールバルブ107のパイロット圧作用面積に対するフィードバック圧作用面積の比Aを用いて、PDRをPDRCにより表現すると下記式(5)となる。
(式5):PDR=PDRC×A+a、但しa=スプリング荷重/フィードバック圧作用面積。
【0043】
ドリブンプーリーコントロールバルブ(ドリブン側レギュレータバルブ)108はPH圧を元圧としDNC圧(PDNC)をパイロット圧(信号圧)としてドリブンプーリー35を駆動するDN圧(PDN)をドリブン側シリンダ室38に出力する。なお、ドリブンプーリーコントロールバルブ108のパイロット圧作用面積に対するフィードバック圧作用面積の比Bを用いて、PDNをPDNCにより表現すると下記式(6)となる。
(式6):PDN=PDNC×B+b、但しb=スプリング荷重/フィードバック圧作用面積。
【0044】
なお、上述した通り、DRC圧を基にしたPH圧に対する調圧と、DNC圧を基にしたPH圧に対する調圧が第2レギュレータバルブ103及び第1レギュレータバルブ102において独立にそれぞれ行われるため、DRC圧からDR圧へのゲインAと、DNC圧からDN圧へのゲインBについても独立に設定することが可能となる。その結果、図3において後述する通り、ドライブプーリーソレノイドバルブ105の使用電流範囲が拡大しこれによりDR圧の使用圧力範囲が拡大するようになる。
【0045】
図3は、本実施形態に係るドライブプーリーソレノイドバルブ105及びドリブンプーリーソレノイドバルブ106の電流に対する各プーリー圧(DR圧、DN圧)特性をそれぞれ示すグラフである。なお、図3(a)はドライブプーリーソレノイドバルブ105の電流に対するDR圧(PDR)の特性を、図3(b)はドリブンプーリーソレノイドバルブ106の電流に対するDN圧(PDN)の特性をそれぞれ示している。また、ドライブプーリーソレノイドバルブ105については比較例として従来の上記特性(点線)を図示した。
【0046】
DR圧(PDR)とDN圧(PDN)については、電気系統が故障(フェール)した場合、すなわちソレノイドに対する電流=0[A]の場合においても、各プーリーを駆動することが可能なプーリー圧を確保する必要がある。そのため、DN圧(PDN)については電流=0[A]の時P0に最大値Pmaxとなるように油圧回路が構成されている。一方、DR圧(PDR)については、ドライブ側のピストン面積がドリブン側に比べて大きいことと再発進可能な変速比(変速レシオ)、例えば2速段または3速段の変速レシオに設定する必要があることを考慮して、電流=0[A]の時P0に上記再発進可能な変速レシオに対応したPmin<P0<Pmaxとなるように油圧回路が構成されている。そのため、DR圧(PDR)の電流・圧力特性については必然的に段差が生じると共に、ドライブプーリーソレノイドバルブ105の使用電流範囲ΔI_PDRについては最大電流範囲ΔIより狭くなる。すなわち、DR圧は、0<PDR<Pminの圧力範囲については使用することは出来ず、ドライブプーリーソレノイドバルブ105の使用電流についても最大電流範囲ΔIの一部分の範囲ΔI_PDRしか使用することが出来なかった。他方、DN圧については全ての圧力範囲を使用することが可能であり、ドリブンプーリーソレノイドバルブ106の使用電流についても最大電流範囲ΔIの全てを使用することが可能である。
【0047】
また、従来の圧力調整機構は、1つのレギュレータバルブに対し、DR圧(PDR)の代わりにDRC圧(PDRC)を、DN圧(PDN)の代わりにDNC圧(PDNC)をそれぞれ取り込んで、DRC圧とDNC圧の何れか高い方の圧をPHコントロール圧(PHC圧)としてPHレギュレータバルブに供給していた。そのため、DRC圧(PDRC)からDR圧(PDR)へのゲイン(パイロット圧作用面積に対するフィードバック圧作用面積の比)と、DNC圧(PDNC)からDN圧(PDN)へのゲインは同じでなければならなかった。また、DRC圧及びDNC圧を作る各ソレノイドは同一仕様のものが使用されている。その結果、ドライブプーリーソレノイドバルブ105の電流に対するDR圧特性(傾き)とドリブンプーリーソレノイドバルブ106の電流に対するDN圧特性(傾き)は同じでなければならなかった。
【0048】
しかし、本実施形態に係る油圧供給システムの圧力調整機構100は、第1及び第2レギュレータバルブ102,103を備え、これら2つのレギュレータバルブが直列に接続され、DRC圧およびDNC圧が第1及び第2レギュレータバルブ102,103の何れか一方にパイロット圧として別々に入力されると共に、PH圧が第1及び第2レギュレータバルブ102,103の何れか一方にフィードバック圧として別々に入力される。そして、DRC圧を基にしたPH圧に対する調圧と、DNC圧を基にしたPH圧に対する調圧とが第1又は第2レギュレータ102,103において別個独立に行われる。その結果、DRC圧(PDRC)からDR圧(PDR)へのゲインと、DNC圧(PDNC)からDN圧(PDN)へのゲインについては別個独立に設定することが可能となる。その結果、各ソレノイドは同一仕様のものが使用されている場合であっても、ドライブプーリーソレノイドバルブ105の電流に対するDR圧特性(傾き)とドリブンプーリーソレノイドバルブ106の電流に対するDN圧特性(傾き)については別個独立に設定することが可能となる。
【0049】
従って、図3(a)に示されるように、ドライブプーリーソレノイドバルブ105の電流に対するDR圧特性(傾き)をaからa’(<a)へ小さく設定することが可能となり、この場合、DR圧の取り得る範囲がΔPDRからΔPDR’へ拡大すると共に、ドライブプーリーソレノイドバルブ105の使用電流範囲がΔI_PDRからΔI’_PDRへ拡大するようになる。このことは、各プーリー圧PDR,PDNを調節するソレノイドバルブは同じものを使い、ソレノイドバルブの圧力範囲PDRC,PDNCを有効に利用しつつ、異なる圧力範囲の各プーリー圧PDR,PDNを調節することが可能となることを意味している。
【0050】
図4は、本油圧供給システムの圧力調整機構100によるライン圧PHの調圧を示す説明図である。なお縦軸は圧力を横軸はプーリーレシオをそれぞれ示している。
【0051】
図4(a)に示されるように、ドライブプーリー圧PDRとしてのDR指示圧と、ドリブンプーリー圧PDNとしてのDN指示圧はトレードオフの関係にあり且つ、DR指示圧(PDR)=DN指示圧(PDN)を境にそれぞれの大小関係が入れ替わる。
【0052】
図4(b)に示されるように、式(5)からドライブプーリーコントロール圧PDRCからドライブプーリー圧PDRへのゲインAが決まると、第2レギュレータバルブ103のパイロット圧としてのドライブプーリーコントロール圧PDRCが決定される。同様に、式(6)からドリブンプーリーコントロール圧PDNCからドリブンプーリー圧PDNへのゲインBが決まると、第1レギュレータバルブ102のパイロット圧としてのドリブンプーリーコントロール圧PDNCが決定される。
【0053】
式(2)から第2レギュレータバルブ103におけるゲインAA並びに式(4)から第1レギュレータバルブ102におけるゲインBBが決まると、図4(c)に示されるように、DR指示圧およびDN指示圧の何れか高い方になるようにPH圧が調圧される。すなわち、DR指示圧(PDR)≧DN指示圧(PDN)の間は、PH圧がDR指示圧(PDR)を超える場合(第1レギュレータバルブ102は全開状態)、第2レギュレータバルブ103が式(1)(2)を満足するように開き、超過分が潤滑圧(リリーフ圧)として低圧回路に供給される。これによりPH圧がDR指示圧となるように調圧される。一方、DR指示圧(PDR)≦DN指示圧(PDN)の間は、PH圧がDN指示圧(PDN)を超える場合(第2レギュレータバルブ103は全開状態)、第1レギュレータバルブ102が式(3)(4)を満足するように開き、超過分が潤滑圧(リリーフ圧)として低圧回路に供給される。これによりPH圧がDN指示圧となるように調圧される。
【0054】
また、第1レギュレータバルブ102と第2レギュレータバルブ103との間のライン圧PH’(図1)については、DR指示圧≧DN指示圧の間は第1レギュレータバルブ102が全開となり、第2レギュレータバルブ103によってDR指示値になるように調圧される。一方、DR指示圧≦DN指示圧の間は第2レギュレータバルブ103が全開となり、ライン圧PH’は低圧値を常に指示する。
【0055】
以上の通り、本実施形態に係る油圧供給システムの圧力調整機構100によれば、第1及び第2レギュレータバルブ102,103を備え、これら2つのレギュレータバルブが直列に接続され、DRC圧およびDNC圧が第1及び第2レギュレータバルブ102,103の何れか一方にパイロット圧として別々に入力されると共に、オイルポンプ101の吐出圧(PH圧)が第1及び第2レギュレータバルブ102,103の何れか一方にフィードバック圧として別々に入力される。そして、DRC圧を基にしたPH圧に対する調圧と、DNC圧を基にしたPH圧に対する調圧とが第1又は第2レギュレータ102,103において別個独立に行われる。その結果、DRC圧からDR圧へのゲインAと、DNC圧からDN圧へのゲインBについては別個独立に設定することが可能となると共に、第1レギュレータバルブ102及び第2レギュレータバルブ103における各ゲインAA,BBについても別個独立に設定することが可能となる。その結果、同一仕様のソレノイドが使用される場合であっても、ドライブプーリーソレノイドバルブ105の電流に対するDR圧特性(傾き)とドリブンプーリーソレノイドバルブ106の電流に対するDN圧特性(傾き)については別個独立に設定することが可能となる。これにより、各プーリー圧PDR,PDNを調節するリニアソレノイドバルブ105,106は同じものを使い、各リニアソレノイドバルブ105,106の圧力範囲PDRC,PDNCを有効に利用しつつ、異なる圧力範囲の各プーリー圧PDR,PDNを調節することが可能となる。
また、本油圧供給システムの圧力調整機構100では、DR圧またはDN圧の何れか高い方に合わせてPH圧を調圧することが可能となる。
【符号の説明】
【0056】
1 エンジン
3 無段変速機(CVT)
11 クランクシャフト(エンジンの出力軸)
31 ドライブプーリー
32、36 固定プーリー半体
33、37 可動プーリー半体
34 ドライブ側シリンダ室
35 ドリブンプーリー
38 ドリブン側シリンダ室
39 ベルト
4 前後進切替装置
46 前進クラッチ
47 後進ブレーキ
101 オイルポンプ
102 第1レギュレータバルブ
103 第2レギュレータバルブ
104 クラッチリデューシングバルブ
105 ドライブプーリーソレノイドバルブ
106 ドリブンプーリーソレノイドバルブ
107 ドライブプーリーコントロールバルブ
108 ドリブンプーリーコントロールバルブ
100 油圧供給システムの圧力調整機構
図1
図2
図3
図4