特開2016-223508IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

本願発明は、内燃機関のシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介在させるガスケットに関するものである。

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】ガスケットを複層構造にすると共に、ヘッドジャケットをブロックジャケットに対して部分的に対向させている内燃機関において、シリンダヘッドの冷却性を向上させる。
【解決手段】ガスケット1は、上板3と下板5と中間板6との三層構造になっており、中間板6は、ブロックジャケット7よりも内側に位置している。ヘッドジャケットの一部は、ブロックジャケット7と対向した下向き開口部13になっている。下板5には、下向き開口部13の同じ形状の切除穴14が形成されており、上板3はブロックジャケット7の冷却水に接触している。ガスケット1のうち下向き開口部13の個所には空気層が存在せずに、上板3がブロックジャケット7の冷却水に接触しているため、下向き開口部13の冷却水からブロックジャケット7の冷却水への放熱性が高くなる。その結果、シリンダヘッド2の冷却性能が向上する。
【選択図】図2

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

のとおり、3枚構造のガスケットは、シリンダブロックのウォータジャケットの内周よりも外側の部位では上板と下板との2層になっているが、ヘッドボルトの締め付けにより、上板と下板とは、シリンダブロックのウォータジャケットより外側の部位において互いに密着する。従って、ヘッドボルトによる締結後には、シリンダヘッドの下面は平坦面ではなくて少し変形しており、この変形によって高いシール性が確保される。 さて、内燃機関において最も高温になるのは、シリンダヘッドのうち燃焼室の構成部であり、更に、シリンダヘッドは、排気ポートか開口している排気側の部分が吸気側の部分よりも高温になる。従って、シリンダヘッドのうち排気側の部分を集中的に冷却するのが合理的である。 このような観点から、シリンダヘッドに形成しているウォータジャケットのうち排気側の部位に、シリンダブロックのウォータジャケットに向けて開口した下向き開口部を設けて、シリンダヘッドの冷却水からシリンダブロックのウォータジャケットにガスケットを介して放熱することにより、シリンダヘッドのうち排気側の部分の冷却性を高めることが行われている。つまり、シリンダヘッドのウォータジャケットを流れる冷却水の温度はシリンダブロックのウォータジャケットを流れる冷却水の温度よりも低いため、シリンダヘッドのウォータジャケットに下向き開口部を設けることにより、シリンダヘッドの冷却水からシリンダブロックの冷却水に放熱しているのである。 他方、3枚構造のガスケットの場合は、のとおり、上板と下板とはシリンダブロックのウォータジャケットよりも外側では密着しているが、シリンダブロックのウォータジャケットと重なる個所では間隔が空いている。このため、シリンダブロックのウォータジャケットの個所では上板と下板との間に空気層が形成されており、この空気層が断熱層になって、シリンダヘッドの冷却水からシリンダブロックの冷却水への吸熱作用が必ずしも十分でないおそれがあった。 本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本願発明は、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介在させるガスケットに関し、このガスケットは、重なるように配置された複数枚の板材から成っている。そして、ガスケットは、シリンダブロックに形成されたウォータジャケットとシリンダヘッドに形成されたウォータジャケットとが相対向している個所に位置している部分を、空気層が存在しないように板材の枚数を減らしている。
【発明の効果】
本願発明では、シリンダヘッドのウォータジャケットとシリンダブロックのウォータジャケットとが対向している個所ではガスケットに空気層が存在しないため、シリンダヘッドの冷却水からシリンダブロックの冷却水への放熱性が向上する。その結果、燃焼室の内面温度を低下させてノッキングの発生を抑制できる。これにより、点火タイミングや吸排気タイミングの制御の自由性を高めて、燃費の向上に貢献できる。 また、充填効率の向上を通じて燃費の向上にも貢献可能である。更に、シリンダヘッドからの放熱によってシリンダブロックの冷却水を昇温させることができることにより、ピストンの昇温に対するシリンダブロックの昇温の追従性を向上できるため、ピストンの熱膨張に対するシリンダブロックの熱膨張の追従性も向上可能であり、これにより、ピストンと気筒との間のフリクションを低減して燃費のより一層の向上に貢献可能になる。更に、ガスケットの重量の低減による燃費改善効果も発揮される。 また、シリンダヘッドに重なっている上板を残す構造を採用すると、上板を通じてシリンダヘッドの熱がシリンダブロックの冷却水に直接的に放熱されるため、シリンダヘッドの冷却性は一層高くなる利点がある(水よりも金属の方が熱伝導率は高いため、放熱性に優れている。)。シリンダヘッドのウォータジャケットとシリンダブロックのウォータジャケットとが対向している個所を排気側に設けていると、シリンダヘッドのうち高温になる部分を集中的に冷却できるため、特に好適である。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】第1実施形態のガスケットの一部破断平面図である。

【図2】図1のII-II 視側面図で、(A)はシリンダブロックとシリンダヘッドとを分離して表示した状態の図、(B)は締結状態での概略図である。

【図3】それぞれ他の実施形態の断面図である。

選択図 図2出願人が指定した本件の代表的な図

1 ガスケット   2 シリンダヘッド   3 上板   4 シリンダブロック   5 下板   6 中間板   7 ブロックジャケット   8 シリンダボア   9 気筒穴   10 ボルト穴   11 ビード(リブ)   12 連通穴   13 ヘッドジャケットの下向き開口部   14 切除穴

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