特開2016-223537(P2016-223537A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アドヴィックスの特許一覧
<>
  • 特開2016223537-キャリパ 図000003
  • 特開2016223537-キャリパ 図000004
  • 特開2016223537-キャリパ 図000005
  • 特開2016223537-キャリパ 図000006
  • 特開2016223537-キャリパ 図000007
  • 特開2016223537-キャリパ 図000008
  • 特開2016223537-キャリパ 図000009
  • 特開2016223537-キャリパ 図000010
  • 特開2016223537-キャリパ 図000011
  • 特開2016223537-キャリパ 図000012
  • 特開2016223537-キャリパ 図000013
  • 特開2016223537-キャリパ 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223537(P2016-223537A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】キャリパ
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/02 20060101AFI20161205BHJP
   F16D 55/228 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   F16D65/02 B
   F16D55/228
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-110732(P2015-110732)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】横山 智宏
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA66
3J058AA69
3J058AA73
3J058AA84
3J058AA87
3J058BA44
3J058BA46
3J058BA62
3J058BA68
3J058CC02
3J058CC25
3J058DE12
3J058FA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一例として、ボディの変形が抑制されやすいキャリパを得る。
【解決手段】キャリパのボディ20は、ディスクロータの軸方向に並べられディスクロータを間に置いた一対の側壁21a、22aと、ディスクロータの周縁部からディスクロータの径方向の外方に離れて設けられ、一対の側壁間21a、22aを接続した連結部23、24、26と、側壁のディスクロータの回転中心側の端部に設けられ、ディスクロータの側面に沿って延びたリブ22ma、22mbと、ディスクロータの軸方向に突出した突出部22qa1、22qb1と、を備えている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するディスクロータの周縁部を間隔をあけて部分的に覆うボディと、
前記ボディに支持され、前記ボディと前記ディスクロータとの間に位置されたブレーキパッドと、
前記ボディに支持され、シリンダと、前記シリンダに移動可能に支持され前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの側面に押し付けるピストンと、を有したアクチュエータと、
を備え、
前記ボディは、
前記ディスクロータの軸方向に並べられ前記ディスクロータを間に置いた一対の側壁と、
前記ディスクロータの前記周縁部から前記ディスクロータの径方向の外方に離れて設けられ、前記一対の側壁間を接続した連結部と、
前記側壁の前記ディスクロータの回転中心側の端部に設けられ、前記側面に沿って延びたリブと、
前記リブの当該リブの延び方向の両端部の間の部分から前記軸方向に突出した突出部と、
を備えた、キャリパ。
【請求項2】
前記突出部は、前記リブから前記ディスクロータとは反対側に突出した第一の突出部を含み、
前記ボディは、鋳造され、
前記第一の突出部には、成型された前記ボディを鋳型から押し出す押出部材を受ける受面が設けられた、請求項1に記載のキャリパ。
【請求項3】
前記突出部は、前記リブから前記ディスクロータ側に突出した第二の突出部を含み、
前記ボディには、前記側壁から前記ディスクロータ側に突出し前記第二の突出部と接続された第三の突出部が設けられ、
前記第三の突出部は、前記ディスクロータの周方向の前記ブレーキパッドの移動を制限する第一の制限部を含む、請求項1または2に記載のキャリパ。
【請求項4】
前記第三の突出部は、前記第一の制限部と接続され前記ディスクロータの径方向内側への前記ブレーキパッドの移動を制限する第二の制限部を含む、請求項3に記載のキャリパ。
【請求項5】
前記リブは、前記側壁の前記ディスクロータの周方向の端部から離れた、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のキャリパ。
【請求項6】
前記リブは、前記軸方向で前記ブレーキパッドを部分的に覆った、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のキャリパ。
【請求項7】
前記リブは、前記側壁における前記ブレーキパッドに前記軸方向で面する面に連続して設けられた、請求項1〜6のうちいずれか一つに記載のキャリパ。
【請求項8】
前記ディスクロータを間に置いた一対の前記ブレーキパッドと、
前記一対のブレーキパッドの前記軸方向の一方側に位置された第一の前記ピストンと、
前記一対のブレーキパッドの前記軸方向の他方側に位置された第二の前記ピストンと、
を備え、
前記一対の側壁は、前記第一のピストンを支持した第一の前記シリンダが設けられ前記一対のブレーキパッドの前記軸方向の一方側に位置された第一の側壁と、前記第二のピストンを支持した第二の前記シリンダが設けられ、前記一対のブレーキパッドの前記軸方向の他方側に位置された第二の側壁と、を含み、
前記第一の側壁は、前記ボディを支持する支持部材に固定され、
前記リブは、前記第二の側壁に設けられた、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のキャリパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスクブレーキ装置に設けられ、一対の側壁を有するボディと、一対の側壁間に位置されているブレーキパッドと、を備えるキャリパが知られている。このような構成では、ブレーキパッドのディスクブレーキの押しによって生じる反力が一対の側壁に作用してボディが変形する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許7,815,022号明細書
【特許文献2】特許第4932071号公報
【特許文献3】特開2010−255771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のディスクブレーキでは、例えば、ボディの変形が抑制されやすい構成が得られれば有意義である。そこで、本発明の課題の一つは、ボディの変形が抑制されやすいキャリパを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のキャリパは、例えば、回転するディスクロータの周縁部を間隔をあけて部分的に覆うボディと、前記ボディに支持され、前記ボディと前記ディスクロータとの間に位置されたブレーキパッドと、前記ボディに支持され、シリンダと、前記シリンダに移動可能に支持され前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの側面に押し付けるピストンと、を有したアクチュエータと、を備え、前記ボディは、前記ディスクロータの軸方向に並べられ前記ディスクロータを間に置いた一対の側壁と、前記ディスクロータの前記周縁部から前記ディスクロータの径方向の外方に離れて設けられ、前記一対の側壁間を接続した連結部と、前記側壁の前記ディスクロータの回転中心側の端部に設けられ、前記側面に沿って延びたリブと、前記リブの当該リブの延び方向の両端部の間の部分から前記軸方向に突出した突出部と、を備えている。よって、例えば、リブおよび突出部が設けられているので、一対の側壁がブレーキパッドのディスクロータの押しによって生じる反力を受けた場合、連結部を支点として一対の側壁が互いに離れる方向に変形すること(開き変形)が抑制されやすい。すなわち、ボディの変形が抑制されやすい。
【0006】
また、前記キャリパは、例えば、前記突出部は、前記リブから前記ディスクロータとは反対側に突出した第一の突出部を含み、前記ボディは、鋳造され、前記第一の突出部には、成型された前記ボディを鋳型から押し出す押出部材を受ける受面が設けられている。よって、例えば、第一の突出部と受面とが別個に設けられた場合に比べて、ボディが簡素化されやすい。
【0007】
また、前記キャリパでは、例えば、前記突出部は、前記リブから前記ディスクロータ側に突出した第二の突出部を含み、前記ボディには、前記側壁から前記ディスクロータ側に突出し前記第二の突出部と接続された第三の突出部が設けられ、前記第三の突出部は、前記ディスクロータの周方向の前記ブレーキパッドの移動を制限する第一の制限部を含む。よって、例えば、第二の突出部と第三の突出部とが接続されていない場合に比べて、ボディが高剛性化されやすい。
【0008】
また、前記キャリパでは、例えば、前記第三の突出部は、前記第一の制限部と接続され前記ディスクロータの径方向内側への前記ブレーキパッドの移動を制限する第二の制限部を含む。よって、例えば、第一の制限部と第二の制限部とが接続されていない場合に比べて、ボディが高剛性化されやすい。
【0009】
また、前記キャリパでは、例えば、前記リブは、前記側壁の前記ディスクロータの周方向の端部から離れている。よって、例えば、リブが側壁のディスクロータの周方向の端部に連続している場合に比べ、ボディが軽量化されやすい。
【0010】
また、前記キャリパでは、例えば、前記リブは、前記軸方向で前記ブレーキパッドを部分的に覆っている。よって、例えば、ブレーキパッドに雨水や飛び石等が当たるのが抑制されやすい。
【0011】
また、前記キャリパでは、例えば、前記リブは、前記側壁における前記ブレーキパッドに前記軸方向で面する面に連続して設けられている。よって、例えば、側壁におけるブレーキパッドとは反対側の端部にリブが設けられた場合に比べて、リブとブレーキパッドとの間の隙間が小さくなるので、ブレーキパッドに雨水や飛び石等が当たるのが抑制されやすい。
【0012】
また、前記キャリパは、例えば、前記ディスクロータを間に置いた一対の前記ブレーキパッドと、前記一対のブレーキパッドの前記軸方向の一方側に位置された第一の前記ピストンと、前記一対のブレーキパッドの前記軸方向の他方側に位置された第二の前記ピストンと、を備え、前記一対の側壁は、前記第一のピストンを支持した第一の前記シリンダが設けられ前記一対のブレーキパッドの前記軸方向の一方側に位置された第一の側壁と、前記第二のピストンを支持した第二の前記シリンダが設けられ、前記一対のブレーキパッドの前記軸方向の他方側に位置された第二の側壁と、を含み、前記第一の側壁は、前記ボディを支持する支持部材に固定され、前記リブは、前記第二の側壁に設けられている。よって、例えば、第一の側壁は、支持部材に固定されるので、変形が抑制されやすく、第二の側壁は、リブが設けられているので、変形が抑制されやすい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態のディスクブレーキ装置の側面図である。
図2図2は、実施形態のディスクブレーキ装置の平面図である。
図3図3は、実施形態のディスクブレーキ装置の正面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、図3のV-V線に沿った断面図である。
図6図6は、図3のVI-VI線に沿った断面図である。
図7図7は、実施形態のディスクブレーキ装置の一部の斜視図である。
図8図8は、実施形態のキャリパのボディを回入側かつアウター側からの視線で示す斜視図である。
図9図9は、実施形態のキャリパのボディを回出側かつアウター側からの視線で示す斜視図である。
図10図10は、実施形態のキャリパのボディを回出側かつインナー側からの視線で示す斜視図である。
図11図11は、実施形態のキャリパのボディを回入側かつインナー側からの視線で示す斜視図である。
図12図12は、実施形態のキャリパのボディの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。また、以下では、便宜上、X方向、Y方向、およびZ方向が規定される。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交する。
【0015】
本実施形態は、本発明のキャリパを車両用のピストン対向型(固定型)ディスクブレーキ装置に実施した例である。図1図7に示されるように、本実施形態のディスクブレーキ装置1は、車軸ハブ(図示省略の回転体)に組み付けられて車輪(図示省略)と一体に回転するディスクロータ10(図3,4)と、ディスクロータ10の周縁部10a(図4)を跨ぐようにして配置されるキャリパ11と、を備えている。また、キャリパ11は、ボディ20と、六個(複数)のピストン31〜36(図7)と、インナー側ブレーキパッド40と、アウター側ブレーキパッド50と、内側支軸61と、外側支軸71と、付勢部材81,82と、を備えている。なお、以下では、ディスクロータ10の軸方向をロータ軸方向、ディスクロータ10の径方向をロータ径方向、ディスクロータ10の周方向をロータ周方向とも称する。
【0016】
ディスクロータ10は、キャリパ11に対して回転する。ディスクロータ10は、インナー側ブレーキパッド40のライニング42とアウター側ブレーキパッド50のライニング52とによって挟持可能な環状の一対の側面10b,10c(図3)を有している。また、ディスクロータ10は、側面10b,10cが制動時にインナー側ブレーキパッド40のライニング42およびアウター側ブレーキパッド50のライニング52によって挟持されることにより、回転を制動されるようになっている。このディスクロータ10は、車輪の前進回転時には、車輪と一体に図4の時計方向に回転(正回転)し、図4の左方側が回入側(リーディング側)となり、図4の右方側が回出側(トレーリング側)となる。以下では、ロータ周方向の回出側をロータ周方向の一方側、ロータ周方向のうち回入側をロータ周方向の他方側とする。側面10b,10cは、被制動面とも称され得る。
【0017】
ボディ20は、図1図6に示されるように、ロータ軸方向並べられディスクロータ10を間に置いたインナー側壁21aとアウター側壁22aとを備えるとともに、これらインナー側壁21aとアウター側壁22aとを接続(連結)する四つ(複数)の連結部23,24,25,26を備えている。ボディ20は、インナー側壁21aとアウター側壁22aとの間にディスクロータ10の周縁部10aが位置した状態で、ディスクロータ10の周縁部10aを間隔をあけて部分的に覆っている。ボディ20は、例えば、鉄やアルミニウム等の金属材料によって構成されている。ボディ20は、一例として、鋳造されたものである。インナー側壁21aとアウター側壁22aとは、一対の側壁の一例である。また、インナー側壁21aは、第一の側壁の一例であり、アウター側壁22aは、第二の側壁の一例である。なお、ボディ20は、ハウジングとも称され得る。また、インナー側壁21aは、インナーハウジング部等とも称され得る。また、アウター側壁22aは、アウターハウジング部等とも称され得る。また、連結部23〜26は、接続部等とも称され得る。
【0018】
インナー側壁21aは、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50のインナー側(ロータ軸方向の一方側)に位置されている。インナー側壁21aは、図8,9に示されるように、三つ(複数)のシリンダ21g(図8,9では二つのシリンダ21gが図示されている)を有している。三つのシリンダ21gは、ロータ周方向に互いに間隔を空けて位置されている。各シリンダ21gは、ロータ軸方向に延びて形成されている。シリンダ21gには、ピストン31〜33(図7)が挿入されており、シリンダ21gは、ピストン31〜33を支持している。
【0019】
また、インナー側壁21aは、支持部21c,21dを有する。支持部21cは、内側支軸61を支持し、支持部21dは、外側支軸71を支持する。
【0020】
また、インナー側壁21aは、ロータ径内方端にてロータ径内方に向けて延びる一対の取付部21e,21fを有している。インナー側壁21aは、取付部21e,21fにてボルト(図示省略)を用いて支持部材100に固定される。支持部材100は、ボディ20を支持している。支持部材100は、ディスクロータ10を回転可能に支持した部材に一体化されている。
【0021】
また、インナー側壁21aは、図4,8,9に示されるように、面21hを有している。面21hは、インナー側ブレーキパッド40にロータ軸方向で面している。また、面21hは、ディスクロータ10の側面10bに略沿っている。面21hには、シリンダ21gの開口部が開口している。
【0022】
面21hのロータ周方向の両端部には、突出部21ia,21ibが接続されている。突出部21iaは、面21hのロータ周方向の他方側の端部に接続され、インナー側壁21aからディスクロータ10側に突出している。突出部21ibは、面21hのロータ周方向の一方側の端部に接続され、インナー側壁21aからディスクロータ10側に突出している。
【0023】
突出部21ia,21ibは、図4に示されるように、制限部21ja,21jbと、制限部21ka,21kbと、を含む。突出部21iaの制限部21jaは、インナー側ブレーキパッド40のロータ周方向の他方側の端部41cにロータ周方向に間隔を空けて面している。突出部21iaの制限部21kaは、インナー側ブレーキパッド40の端部41cのロータ径方向内側で、端部41cと間隔を空けて位置されている。制限部21kaは、制限部21jaと接続されている。一方、突出部21ibの制限部21jbは、インナー側ブレーキパッド40のロータ周方向の一方側の端部41eにロータ周方向に間隔を空けて面している。突出部21ibの制限部21kbは、インナー側ブレーキパッド40の端部41eのロータ径方向内側(Z方向と逆方向)で、端部41eと間隔を空けて位置されている。制限部21kbは、制限部21jbと接続されている。
【0024】
また、図12に示されるように、インナー側壁21aのディスクロータ10の回転中心Ax(図3)側の端部には、複数の受面21ra,21rb,21rcが設けられている。受面21ra,21rb,21rcは、ボディ20の鋳造の際、成型されたボディ20を鋳型から押し出す押出部材を受ける面である。
【0025】
アウター側壁22aは、図5に示されるように、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50のアウター側(ロータ軸方向の他方側)に位置されている。アウター側壁22aは、図10,11に示されるように、三つ(複数)のシリンダ22g(図10,11では二つのシリンダ22gが図示されている)を有している。三つのシリンダ22gは、ロータ周方向に互いに間隔を空けて位置されている。各シリンダ22gは、ロータ軸方向に延びて形成されている。シリンダ22gには、ピストン34〜36(図7)が挿入されており、シリンダ21gは、ピストン34〜36を支持している。
【0026】
また、アウター側壁22aは、インナー側壁21aの各支持部21c,21dと同様に、支持部22c,22dを有している。支持部22cは、内側支軸61を支持し、支持部22dは、外側支軸71を支持する。
【0027】
また、アウター側壁22aは、図5,6,10,11に示されるように、面22hを有している。面22hは、アウター側ブレーキパッド50にロータ軸方向で面している。また、面22hは、ディスクロータ10の側面10cに略沿っている。面22hには、シリンダ22gの開口部が開口している。
【0028】
面22hのロータ周方向の両端部には、突出部22ia,22ibが接続されている。突出部22iaは、面22hのロータ周方向の他方側の端部に接続され、アウター側壁22aからディスクロータ10側に突出している。突出部22ibは、面22hのロータ周方向の一方側の端部に接続され、アウター側壁22aからディスクロータ10側に突出している。突出部22ia,22ibは、第三の突出部の一例である。
【0029】
突出部22ia,22ibは、図5,6に示されるように、制限部22ja,22jbと、制限部22ka,22kbと、を含む。突出部22iaの制限部22jaは、アウター側ブレーキパッド50のロータ周方向の他方側の端部51cにロータ周方向に間隔を空けて面している。突出部22iaの制限部22kaは、アウター側ブレーキパッド50の端部51cに設けられた引掛部51dのロータ径方向内側で、引掛部51dと間隔を空けて位置されている。制限部22kaは、制限部22jaと接続されている。一方、突出部22ibの制限部22jbは、アウター側ブレーキパッド50のロータ周方向の一方側の端部51eにロータ周方向に間隔を空けて面している。突出部22ibの制限部22kbは、アウター側ブレーキパッド50の端部51eに設けられた引掛部51fのロータ径方向内側(Z方向と逆方向)で、引掛部51dと間隔を空けて位置されている。制限部22kbは、制限部22jbと接続されている。制限部22ja,22jbは、第一の制限部の一例であり、制限部22ka,22kbは、第二の制限部の一例である。
【0030】
また、図1,8,9に示されるように、アウター側壁22aのディスクロータ10の回転中心Ax(図3、回転中心軸)側の端部22nには、二つ(複数)の角部22n1,22n2が設けられている。角部22n1,22n2は、ロータ軸方向およびロータ径方向と交差する方向(X方向)に互いに間隔を空けて位置されている。角部22n1,22n2は、アウター側壁22aの端部22nに設けられた一対の凹形状部のそれぞれに形成されている。
【0031】
また、アウター側壁22aの端部22nには、二つ(複数)のリブ22ma,22mbが設けられている。リブ22ma,22mbは、ロータ軸方向およびロータ径方向と交差する方向(X方向)に並べられている。リブ22ma,22mbは、角部22n1,22n2に設けられている。リブ22ma,22mbは、ディスクロータ10の側面10cに沿って延びている。詳細には、リブ22ma,22mbは、ロータ軸方向およびロータ径方向と交差する方向(X方向)に延びている。リブ22ma,22mbの厚さ(Y方向の幅)は、アウター側壁22aの厚さ(Y方向の幅)よりも薄い。また、リブ22ma,22mbは、図10,11に示されるように、アウター側壁22aの面22hに連続して設けられている。また、リブ22ma,22mbは、アウター側壁22aのロータ周方向の両端部22pa,22pbから離れている。また、リブ22ma,22mbは、ロータ軸方向でアウター側ブレーキパッド50を部分的に覆っている。リブ22ma,22mbは、突出部とも称され得る。
【0032】
また、リブ22ma,22mbには、図8〜12に示されるように、突出部22qa,22qbがそれぞれ接続されている。
【0033】
リブ22maに設けられた突出部22qaは、リブ22maの当該リブ22maの延び方向(X方向)の両端部22ma1,22ma2の間の部分22ma3からロータ軸方向に突出している。詳細には、突出部22qaは、リブ22maからディスクロータ10とは反対側に突出した突出部22qa1と、リブ22maからディスクロータ10側に突出した突出部22qa2と、を含む。突出部22qa1は、第一の突出部の一例であり、突出部22qa2は、第二の突出部の一例である。
【0034】
突出部22qa1は、図1,8,9に示されるように、アウター側壁22aの端部22nから、リブ22maのディスクロータ10の回転中心Ax(図3)側の端部22ma4に向かって延びている。図8,9,12に示されるように、突出部22qa1のロータ径方向内側の端部22qa11には、受面22raが設けられている。受面22raは、ボディ20の鋳造の際、成型されたボディ20を鋳型から押し出す押出部材200(図12)を受ける面である。受面22raは、突出部22qa1の端部22qa11とリブ22maの端部22ma4とに渡って連続している。受面22raの幅(Y方向の長さ、最大幅)は、リブ22maの幅(Y方向の長さ、最大幅、厚さ)よりも大きい。一例として、受面22raの幅は、8mmであり、リブ22maの幅は、6mmである。受面22raは、受座等とも称され得る。
【0035】
突出部22qa2は、図10,11に示されるように、突出部22iaと接続されている。また、突出部22qa2のロータ径方向内側の端部22qa21は、リブ22maの端部22ma4と連続している。突出部22qa2と突出部22iaとは、突出部22saを構成している。突出部22saのうちロータ径方向内側の部分には、凹部22sa1が設けられている。突出部22qa1は、凹部22sa1に面している。一例として、凹部22sa1は、ボディ20の鋳造における肉盗み部として設けられている。
【0036】
リブ22mbに設けられた突出部22qbは、リブ22mbの当該リブ22mbの延び方向(X方向)の両端部22mb1,22mb2の間の部分22mb3からロータ軸方向に突出している。詳細には、突出部22qbは、リブ22mbからディスクロータ10とは反対側に突出した突出部22qb1と、リブ22mbからディスクロータ10側に突出した突出部22qb2と、を含む。突出部22qb1は、第一の突出部の一例であり、突出部22qb2は、第二の突出部の一例である。
【0037】
突出部22qb1は、アウター側壁22aの端部22nから、リブ22mbのディスクロータ10の回転中心Ax(図3、回転中心線)側の端部22mb4に向かって延びている。突出部22qb1のロータ径方向内側の端部22qb11には、受面22rbが設けられている。受面22rbは、ボディ20の鋳造の際、成型されたボディ20を鋳型から押し出す押出部材200(図12)を受ける面である。受面22rbは、突出部22qb1の端部22qb11とリブ22mbの端部22mb4とに渡って連続している。受面22rbの幅(Y方向の長さ、最大幅)は、リブ22mbの幅(Y方向の長さ、最大幅、厚さ)よりも大きい。一例として、受面22rbの幅は、8mmであり、リブ22mbの幅は、6mmである。受面22rbは、受座等とも称され得る。
【0038】
突出部22qb2は、突出部22ibと接続されている。また、突出部22qb2のロータ径方向内側の端部22qb21は、リブ22mbの端部22mb4と連続している。突出部22qb2と突出部22ibとは、突出部22sbを構成している。突出部22sbのうちロータ径方向内側の部分には、凹部22sb1が設けられている。突出部22qb1は、凹部22sb1に面している。
【0039】
図4や12に示される連結部23〜26は、ディスクロータ10の周縁部10aからディスクロータ10の径方向の外方に離れて設けられている。図12に示されるように、連結部23〜26のうちロータ周方向の他方側の端部に位置された連結部23は、インナー側壁21aのロータ周方向の端部21paと、アウター側壁22aのロータ周方向の端部22paと、を接続している。一方、連結部23〜26のうちロータ周方向の一方側の端部に位置された連結部26は、インナー側壁21aのロータ周方向の端部21pbと、アウター側壁22aのロータ周方向の端部22pbと、を接続している。
【0040】
図7に示される各ピストン31〜36は、各シリンダ21g,22gに周知のように液密的かつロータ軸方向に摺動可能に組み付けられていて、ディスクロータ10を挟んで対向配置されている。詳細には、ピストン31〜33は、インナー側ブレーキパッド40のディスクロータ10とは反対側、すなわちインナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50のロータ軸方向の一方側(インナー側)に位置されている。ピストン31〜33は、互いにロータ周方向に間隔を空けて位置されている。ピストン31〜33は、ロータ軸方向に移動可能にシリンダ21gに支持されて、シリンダ21gからインナー側ブレーキパッド40に向けて突出している。
【0041】
ピストン34〜36は、アウター側ブレーキパッド50のディスクロータ10とは反対側、すなわちインナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50のロータ軸方向の他方側(アウター側)に位置されている。ピストン34〜36は、互いにロータ周方向に間隔を空けて位置されている。ピストン34〜36は、ロータ軸方向に移動可能にシリンダ22gに支持されて、シリンダ22gからアウター側ブレーキパッド50に向けて突出している。
【0042】
各ピストン31〜36は、ディスクロータ10の制動時に、各シリンダ21g,22gとの間に形成される油室にブレーキマスタシリンダ(図示省略)から供給される作動油によって押されて、インナー側ブレーキパッド40、アウター側ブレーキパッド50をディスクロータ10に向けてロータ軸方向に押す。ピストン31〜33は、インナー側ブレーキパッド40をディスクロータ10の側面10bに押し付け、ピストン34〜36は、アウター側ブレーキパッド50をディスクロータ10の側面10cに押し付ける。なお、各油室は、ボディ20に設けられた油路20aを通して互に連通している。ピストン31〜36とシリンダ21g,22gとは、ボディ20に支持されたアクチュエータ37を構成している。ピストン31〜33は、第一のピストンの一例であり、ピストン34〜36は、第二のピストンの一例である。
【0043】
図4,5,7等に示されるインナー側ブレーキパッド40とアウター側ブレーキパッド50とは、ディスクロータ10を間に置いて、ボディ20とディスクロータ10との間に位置されている。詳細には、インナー側ブレーキパッド40は、インナー側壁21aとディスクロータ10との間に位置され、アウター側ブレーキパッド50は、アウター側壁22aとディスクロータ10との間に位置されている。インナー側ブレーキパッド40とアウター側ブレーキパッド50とは、ディスクロータ10に対してロータ軸方向に移動可能に、内側支軸61および外側支軸71を介してボディ20に支持されている。インナー側ブレーキパッド40とアウター側ブレーキパッド50とは、一対のブレーキパッドの一例である。
【0044】
インナー側ブレーキパッド40は、図4,7に示されるように、裏板41と、この裏板41に固着したライニング42と、を有している。また、インナー側ブレーキパッド40は、ボディ20のインナー側壁21a側に配置されていて、裏板41にて内側支軸61と外側支軸71とに組み付けられていて、内側支軸61の軸心回りに所定量(僅かな量)回転可能、すなわち揺動可能に組み付けられている。
【0045】
裏板41は、図4に示されるように、平板状に形成されている。裏板41は、ライニング42よりロータ径方向内側に延在しV字状の内周側トルク受け面41aが形成された内側部41Aを有している。また、裏板41は、ライニング42よりロータ径方向外側に延在しV字状の外周側トルク受け面41bが形成された外側部41Bを有している。内周側トルク受け面41aは、裏板41のロータ径方向内側かつロータ周方向中央部に設けられている。内周側トルク受け面41aは、内側支軸61と係合する。外周側トルク受け面41bは、裏板41のロータ径方向外側かつロータ周方向中央部に設けられている。外周側トルク受け面41bは、外側支軸71と係合する。内周側トルク受け面41aは、ロータ径方向でのインナー側ブレーキパッド40の内側の部分に設けられた内側支持部の一例であり、外周側トルク受け面41bは、ロータ径方向でのインナー側ブレーキパッド40の外側の部分に設けられた外側支持部の一例である。
【0046】
また、裏板41のディスクロータ10側の面には、図7に示されるように、ライニング42が取り付けられ、裏板41のディスクロータ10とは反対側の面、すなわちピストン31,32,33側の面には、内シムISaおよび外シムISbが取り付けられている。
【0047】
ライニング42は、略扇形にてロータ周方向に延びるように形成されている。ライニング42は、ピストン31,32,33が内シムISaと外シムISbを介して裏板41を押圧することにより、ディスクロータ10の側面10bに摺動可能に圧接してディスクロータ10を制動可能である。なお、ディスクロータ10の正回転制動時(車両前進時のディスクロータ制動時)には、ディスクロータ10の側面10bに摺動可能に圧接するライニング42にロータ周方向での回入側から回出側へ摩擦力が作用する。
【0048】
アウター側ブレーキパッド50は、図5,6,7に示されるように、裏板51と、この裏板51に固着したライニング52と、を有している。また、アウター側ブレーキパッド50は、ボディ20のアウター側壁22a側に配置されていて、裏板51にて内側支軸61と外側支軸71に組み付けられていて、内側支軸61の軸心回りに所定量(僅かな量)回転可能、すなわち揺動可能に組み付けられている。
【0049】
裏板51は、図5,6に示されるように、平板状に形成されている。裏板51は、ライニング52よりロータ径方向内側に延在しV字状の内周側トルク受け面51aが形成された内側部51Aを有している。また、裏板51は、ライニング52よりロータ径方向外側に延在しV字状の外周側トルク受け面51bが形成された外側部51Bを有している。内周側トルク受け面51aは、裏板51のロータ径方向内側かつロータ周方向中央部に設けられている。内周側トルク受け面51aは、内側支軸61と係合する。外周側トルク受け面51bは、裏板51のロータ径方向外側かつロータ周方向中央部に設けられている。外周側トルク受け面51bは、外側支軸71と係合する。内周側トルク受け面51aは、ロータ径方向でのアウター側ブレーキパッド50の内側の部分に設けられた内側支持部の一例であり、外周側トルク受け面51bは、ロータ径方向でのアウター側ブレーキパッド50の外側の部分に設けられた外側支持部の一例である。
【0050】
また、裏板51のディスクロータ10側の面には、図7に示されるように、ライニング52が取り付けられ、裏板51のディスクロータ10とは反対側の面、すなわちピストン34,35,36側の面には、内シムOSaおよび外シムOSbが取り付けられている。
【0051】
ライニング52は、略扇形にてロータ周方向に延びるように形成されている。ライニング52は、ピストン34,35,36が内シムOSaと外シムOSbを介して裏板51を押圧することにより、ディスクロータ10の側面10cに摺動可能に圧接してディスクロータ10を制動可能である。なお、ディスクロータ10の正回転制動時(車両前進時のディスクロータ制動時)には、ディスクロータ10の側面10cに摺動可能に圧接するライニング52にロータ周方向での回入側から回出側へ摩擦力が作用する。
【0052】
内側支軸61は、図1,3〜7に示されるように、ロータ軸方向に延びて、ボディ20の各支持部21c,22cにそれぞれ螺着されている。内側支軸61は、ボディ20に支持され、インナー側ブレーキパッド40とアウター側ブレーキパッド50のそれぞれの内周側トルク受け面41a,51aを支持している。
【0053】
外側支軸71は、図1〜7に示されるように、ロータ軸方向に延びて、ボディ20の各支持部21d,22dにそれぞれ挿入されている。外側支軸71は、当該外側支軸71に設けられたフランジ71a(図2)と、抜け止め具91(図2)とによって、ボディ20からの抜け止めがなされている。外側支軸71は、ボディ20に支持され、内側支軸61回りのインナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50の揺動を可能に、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50のそれぞれの外周側トルク受け面41b,51bを支持している。外側支軸71は、軸部材の一例である。
【0054】
付勢部材81は、図4,5に示されるように、ボディ20と外側支軸71との間に介在し、外側支軸71をロータ径方向の内側に向けて押して、外側支軸71を拘束する。詳細には、付勢部材81は、図7に示されるように、ベース部81aと、一対のアーム部81b,81cと、を有し、板バネとして構成されている。ベース部81aは、外側支軸71のロータ径方向の外側の部分を覆う湾曲状に形成され、外側支軸71のロータ径方向の外側の部分に重ねられている。アーム部81bは、ベース部81aからロータ周方向の回出側に延びて、連結部25のうちロータ径方向の内側部分に凹状に設けられた制限部25aに引っ掛けられ、連結部25に支持されている。アーム部81bは、制限部25aによって、ロータ径方向およびロータ軸方向の移動を制限されている。アーム部81bは、その先端部に湾曲部81dを有し、この湾曲部81dが制限部25aと接触している。一方、アーム部81cは、ベース部81aからロータ周方向の回入側に延びて、連結部24のうちロータ径方向の内側部分に凹状に設けられた制限部24aに引っ掛けられ、連結部24に支持されている。アーム部81cは、制限部24aによって、ロータ径方向およびロータ軸方向の移動を制限されている。アーム部81cは、その先端部に湾曲部81eを有し、この湾曲部81eが制限部24aと接触している。以上の構成の付勢部材81は、外側支軸71をロータ径方向の内側に向けて押す押圧力を生じる。このときの反力は、連結部24,25に作用する。上記押圧力の方向は、図4中に矢印F1で示され、上記反力の方向は、図4中に矢印F2で示されている。付勢部材81は、第二の付勢部材の一例である。
【0055】
付勢部材82は、図4〜7に示されるように、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50のロータ径方向の外側に位置され、ボディ20とインナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50との間に介在している。付勢部材82は、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50をロータ径方向の内側に向けて押す。詳細には、付勢部材82は、図7に示されるように、ベース部82aと、一対の板バネ部82b,82cと、延部82dと、を有している。ベース部82aと、一対の板バネ部82b,82cと、延部82dとは、一体形成されている。一対の板バネ部82b,82cは、一対のバネ部の一例である。
【0056】
ベース部82aは、図4に示されるように、ボディ20の連結部25に取り付けられている。ベース部82aは、壁部82eと、四つ(複数の)の取付アーム82fを有している。壁部82eは、ロータ軸方向に延びて、連結部25におけるロータ径方向の内側の面に重ねられている(図4,5)。二つの取付アーム82fは、壁部82eのロータ周方向の一端部に設けられ、ロータ径方向の外側に延び、他の二つの取付アーム82fは、壁部82eのロータ周方向の他端部に設けられ、ロータ径方向の外側に延びている。各取付アーム82fは、湾曲形状の板バネとして構成されている。四つの取付アーム82fがそれらの弾性力によって連結部25をロータ周方向で挟むことにより、ベース部82aが連結部25に取り付けられている。
【0057】
一対の板バネ部82b,82cは、ロータ軸方向に互いに間隔を空けて位置されている。一対の板バネ部82b,82cは、ベース部82aから、ロータ周方向の回出側に延びるとともにインナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50に向けて延びている。一対の板バネ部82b,82c間に、二つの取付アーム82fが位置されている。板バネ部82bは、その先端部にインナー側ブレーキパッド40の裏板41と接触する湾曲部82gを有している。湾曲部82gは、ロータ径方向の内側に向けて凸状に形成されている。また、板バネ部82bは、ベース部82aと、インナー側ブレーキパッド40との当接部(湾曲部82g)と、の間に、曲部82hを有している。曲部82hは、ロータ径方向の外側に向けて凸状に形成されている。また、板バネ部82cは、その先端部にアウター側ブレーキパッド50の裏板51と接触する湾曲部82iを有している。湾曲部82iは、ロータ径方向の内側に向けて凸状に形成されている。また、板バネ部82cは、ベース部82aと、アウター側ブレーキパッド50との当接部(湾曲部82i)と、の間に、曲部82jを有している。曲部82jは、ロータ径方向の外側に向けて凸状に形成されている。以上の構成では、板バネ部82bは、インナー側ブレーキパッド40をロータ径方向の内側に向けて押し、板バネ部82cは、アウター側ブレーキパッド50をロータ径方向の内側に向けて押す。
【0058】
各板バネ部82b,82cは、少なくとも湾曲部82g,82iのロータ軸方向の幅が、裏板41,51のロータ軸方向の厚さと、新品の(摩耗していない)ライニング42,52のロータ軸方向の厚さと、を加えた値と略同等以上の幅に形成されている。これにより、ライニング42,52の摩耗によって裏板41,51の軸方向の位置がずれた場合でも、板バネ部82b,82cを裏板41,51に当接させて、板バネ部82b,82cによって裏板41,51を押すことが可能となっている。
【0059】
延部82dは、一対の板バネ部82b,82c間に位置されている。延部82dは、ベース部82aからロータ周方向の回出側に延びている。延部82dは、その先端部82kがロータ径方向の外側に折り曲げられている。先端部82kは、図4に示されるように、連結部26のうちロータ径方向の内側部分に凹状に設けられた制限部26aに引っ掛けられ、制限部26aにロータ径方向の外側から支持されている。先端部82kは、制限部26aによって、ロータ径方向およびロータ軸方向の移動を制限されている。
【0060】
上記構成の付勢部材82では、板バネ部82bは、インナー側ブレーキパッド40の回入側部位が回出側部位に比してロータ径方向外側となるように、裏板41の回出側部位外周をロータ径方向内側に向けて押す(付勢する)押圧力(弾性力)を生じる。一方、板バネ部82cは、アウター側ブレーキパッド50の回入側部位が回出側部位に比してロータ径方向外側となるように、裏板51の回出側部位外周をロータ径方向内側に向けて押す(付勢する)押圧力(弾性力)を生じる。このときの反力は、連結部25に作用する。上記押圧力の方向は、図4中に矢印F3で示され、上記反力の方向は、図4中に矢印F4で示されている。
【0061】
以上の構成では、インナー側ブレーキパッド40の裏板41が、内周側トルク受け面41aの図4における内側支軸61に対する1時から2時の位置と10時から11時の位置の二箇所にて、内側支軸61に隙間ゼロで係合するとともに、外周側トルク受け面41bの図4における外側支軸71に対する7時から8時の位置の一箇所にて、外側支軸71に隙間ゼロで係合している。
【0062】
一方、アウター側ブレーキパッド50の裏板51が、内周側トルク受け面51aの図5における内側支軸61に対する1時から2時の位置と10時から11時の位置の二箇所にて、内側支軸61に隙間ゼロで係合するとともに、外周側トルク受け面51bの図5における外側支軸71に対する4時から5時の位置の一箇所にて、外側支軸71に隙間ゼロで係合している。
【0063】
以上の構成のディスクブレーキ装置1では、ブレーキペダル(図示省略)の踏込みに伴って、ブレーキマスタシリンダ(図示省略)から各油室に向けて作動油が供給されると、各ピストン31〜36がディスクロータ10に向けて押動されてインナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50をディスクロータ10に向けて押圧する。これにより、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50のライニング42,52がディスクロータ10の側面10b,10cに摺動可能に圧接して、ディスクロータ10を制動する。なお、ブレーキペダル(図示省略)の踏込みが解除されて、各油室からブレーキマスタシリンダ(図示省略)に向けて作動油が排出されると、上述したディスクロータ10の制動は解除される。
【0064】
上記構成のディスクブレーキ装置1では、ディスクロータ10の制動時(正回転制動時)、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50におけるV字状の内周側トルク受け面41a,51aと内側支軸61との二箇所の係合部と、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50におけるV字状の外周側トルク受け面41b,51bと外側支軸71の一箇所の係合部の合計三箇所にて、制動時のトルクが受けられる。よって、制動時のトルクを不安定な平面で受ける場合に比して、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50の挙動が安定する。このため、制動時の不安定挙動に伴うブレーキ鳴きの発生を抑制することが可能である。また、制動時のトルクを受ける箇所の面積(加工面積)が、制動時のトルクを不安定な平面で受ける場合に比して、削減できて、加工コストを低減することが可能である。
【0065】
また、本実施形態においては、各裏板41,51が付勢部材82によって回出側部位外周をロータ径方向内側に向けて付勢されていて、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50の回入側部位が回出側部位に比してロータ径方向外側となるように設定されている。したがって、制動時のトルクを受ける三箇所が、付勢部材82の付勢力により制動前に予め係合(当接)している。このため、ディスクロータ10の非制動時に、ボディ20に組み付けた内側支軸61および外側支軸71と各ブレーキパッド40,50とのガタつきを抑制することが可能である。
【0066】
次に、上記構成のディスクブレーキ装置1において、内側支軸61および外側支軸71の破損等のために、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50が内側支軸61および外側支軸71によって支持されなくなった場合について説明する。この場合、インナー側ブレーキパッド40がロータ径方向内側に移動したとき、ボディ20の制限部21ka,21kbは、インナー側ブレーキパッド40の端部41c,41eをロータ径方向内側から支持して、ロータ径方向内側へのインナー側ブレーキパッド40の移動を制限する。また、制限部21ja,21jbは、周方向に移動するインナー側ブレーキパッド40の端部41c,41eに当接されることにより、当該インナー側ブレーキパッド40をロータ周方向に支持し、ロータ周方向のインナー側ブレーキパッド40の移動を制限する。同様に、アウター側ブレーキパッド50がロータ径方向内側に移動したとき、ボディ20の制限部22ka,22kbは、アウター側ブレーキパッド50の引掛部51d,51fをロータ径方向内側から支持して、ロータ径方向内側へのアウター側ブレーキパッド50の移動を制限する。また、制限部22ja,22jbは、周方向に移動するアウター側ブレーキパッド50の端部51c,51eに当接されることにより、当該アウター側ブレーキパッド50をロータ周方向に支持し、ロータ周方向のアウター側ブレーキパッド50の移動を制限する。
【0067】
以上、説明したように、本実施形態では、アウター側壁22aのディスクロータ10の回転中心Ax側の端部22nに、ディスクロータ10の側面10cに沿って延びたリブ22ma,22mbが設けられ、リブ22ma,22mbから突出部22qa1,22qb1が突出している。よって、インナー側壁21aおよびアウター側壁22aが、インナー側ブレーキパッド40およびアウター側ブレーキパッド50のディスクロータ10の押しによって生じる反力を受けた場合、連結部23〜26を支点として互いに離れる方向(図3,12中のD1方向、D2方向)に変形すること(開き変形)が抑制されやすい。すなわち、ボディ20の変形が抑制されやすい。また、リブ22ma,22mbによってボディ20の剛性の向上が図られているので、アウター側壁22aを延長(大きく)して剛性の向上が図られる場合に比べて、ボディ20の重量増加が抑制されやすい。すなわち、ボディ20の重量増加を抑制しつつボディ20の剛性の向上を図ることができる。
【0068】
また、本実施形態では、突出部22qa1,22qb1(第一の突出部)には、成型されたボディ20を鋳型から押し出す押出部材200を受ける受面22ra,22rbが設けられている。よって、突出部22qa1,22qb1と受面22ra,22rbとが別個に設けられた場合に比べて、ボディ20が簡素化されやすい。
【0069】
また、本実施形態では、突出部22qa2,22qb2(第二の突出部)と、突出部22ia,22ib(第三の突出部)とは、互いに接続されている。よって、突出部22qa2,22qb2(第二の突出部)と、突出部22ia,22ib(第三の突出部)とが接続されていない場合に比べて、ボディ20が高剛性化されやすい。
【0070】
また、本実施形態では、突出部22ia,22ib(第三の突出部)は、制限部22ka,22kb(第二の制限部)を含む。つまり、制限部22ja,22jb(第一の制限部)と、制限部22ka,22kb(第二の制限部)と、が接続されている。よって、例えば、制限部22ja,22jb(第一の制限部)と、制限部22ka,22kb(第二の制限部)とが接続されていない場合に比べて、ボディ20が高剛性化されやすい。
【0071】
また、本実施形態では、リブ22ma,22mbは、アウター側壁22aのロータ周方向の端部22pa,22pbから離れている。よって、リブ22ma,22mbがアウター側壁22aのロータ周方向の端部22pa,22pbまで延びて端部22pa,22pbと連続している場合に比べ、ボディ20が軽量化されやすい。
【0072】
また、本実施形態では、リブ22ma,22mbは、ロータ軸方向でアウター側ブレーキパッド50を部分的に覆っている。よって、アウター側ブレーキパッド50に雨水や飛び石等が当たるのが抑制されやすい。これにより、アウター側ブレーキパッド50に錆が発生するのが抑制されやすい。また、本実施形態では、軸方向の視線でアウター側ブレーキパッド50が隠れるので、見栄えが良くなりやすい。
【0073】
また、本実施形態では、リブ22ma,22mbは、アウター側壁22aにおけるアウター側ブレーキパッド50にロータ軸方向で面する面22hに連続して設けられている。よって、例えば、アウター側壁22aにおけるアウター側ブレーキパッド50とは反対側の端部にリブが設けられた場合に比べて、リブ22ma,22mbとアウター側ブレーキパッド50との間の隙間が小さくなるので、アウター側ブレーキパッド50に雨水や飛び石等が当たるのが抑制されやすい。
【0074】
また、本実施形態では、インナー側壁21a(第一の側壁)は、ボディ20を支持する支持部材100に固定され、リブ22ma,22mbは、アウター側壁22a(第二の側壁)に設けられている。よって、例えば、インナー側壁21aは、支持部材100に固定されるので、変形が抑制されやすく、アウター側壁22aは、リブ22ma,22mbが設けられているので、変形が抑制されやすい。したがって、ボディ20の変形が抑制されやすい。別の言い方をすると、支持部材100に固定されずに変形が生じやすいアウター側壁22aにリブ22ma,22mbが設けられているので、アウター側壁22aにリブ22ma,22mbの変形、ひいてはボディ20の変形が抑制されやすい。
【0075】
また、本実施形態では、リブ22ma,22mbは、角部22n1,22n2に設けられている。よって、角部22n1,22n2への応力集中が抑制されやすい。
【0076】
また、本実施形態では、ボディ20に凹部22sa1,22sb1が設けられている。よって、ボディ20の鋳造の際に、ボディ20に巣が発生するのが抑制されやすい。
【0077】
また、本実施形態では、受面22ra,22rbは、リブ22ma,22mbの端部22ma4,22mb4に設けられているので、受面22ra,22rbとシリンダ22gの内周面との間の距離を長くしやすい。よって、受面22ra,22rbとシリンダ22gの内周面との間の部分の強度が向上されやすいので、鋳造の際に、受面22ra,22rbが押出部材200によって押された場合のボディ20の変形が抑制されやすい。
【0078】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。例えば、ボディの各側壁に設けられるシリンダと、ピストンとは、三つ以外であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…ディスクロータ、10a…周縁部、10b,10c…側面、11…キャリパ、20…ボディ、21a…インナー側壁(側壁、第一の側壁)、21g…シリンダ(第一のシリンダ)、22a…アウター側壁(側壁、第二の側壁)、22g…シリンダ(第二のシリンダ)、22h…面、22ia,22ib…突出部(第三の突出部)、22ja,22jb…制限部(第一の制限部)、22ka,22kb…制限部(第二の制限部)、22ma,22mb…リブ、22n…端部、22pa,22pb…端部、22qa1,22qb1…突出部(第一の突出部)、22qa2,22qb2…突出部(第二の突出部)、22ra,22rb…受面、23〜26…連結部、31〜33…ピストン(第一のピストン)
34〜36…ピストン(第二のピストン)、37…アクチュエータ、40…インナー側ブレーキパッド(ブレーキパッド)、50…アウター側ブレーキパッド(ブレーキパッド)、100…支持部材、200…押出部材、Ax…回転中心。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12