特開2016-223652(P2016-223652A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コロナの特許一覧

<>
  • 特開2016223652-燃焼装置 図000003
  • 特開2016223652-燃焼装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223652(P2016-223652A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23L 1/00 20060101AFI20161205BHJP
   F23D 11/10 20060101ALI20161205BHJP
   F23D 11/24 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   F23L1/00 B
   F23D11/10 C
   F23D11/24 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-108220(P2015-108220)
(22)【出願日】2015年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】近藤 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】綿貫 順也
【テーマコード(参考)】
3K023
3K052
3K055
【Fターム(参考)】
3K023BA04
3K023BA11
3K023BA13
3K052GA03
3K052JA01
3K055AA03
3K055BB03
(57)【要約】
【課題】着火時の異常音や振動燃焼の発生を防止する燃焼装置を提供する。
【解決手段】石油ガス化バーナやガンタイプバーナやガスバーナ等の瞬間的に着火するバーナ11と、該バーナ11に給気管20から給気した燃焼空気を供給する燃焼ファン16と、前記バーナ11の燃焼後の燃焼ガスは燃焼ファン16の送風力で強制的に排気管28から排気されるもので、前記燃焼ファン16と給気管20とを連通する給気ホース21の内径Aを、給気管20及び排気管28の内径B、Cより小径としたものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油ガス化バーナやガンタイプバーナやガスバーナ等の瞬間的に着火するバーナと、該バーナに給気管から給気した燃焼空気を供給する燃焼ファンと、前記バーナの燃焼後の燃焼ガスは燃焼ファンの送風力で強制的に排気管から排気されるものに於いて、前記燃焼ファンと給気管とを連通する給気ホースの内径を、給気管及び排気管の内径より小径とした事を特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記給気ホースは、螺旋状に巻き回されて本体枠内の燃焼ファン近傍に収納されている事を特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、石油ガス化バーナやガンタイプバーナ、ガスバーナ等の瞬間的に着火するバーナを有した温風暖房機や給湯機などの燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものに於いては、バーナと燃焼空気を供給する燃焼ファンとを結ぶ送風経路途中に、入り口と出口を段違いにしたエアーチャンバーを備えたことで、着火時の異常音及び振動燃焼を防止するものであった。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−262331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、入り口と出口を段違いにしたエアーチャンバーの容積だけでは膨張圧力を吸収することは出来ず、結果的には出口から入った圧力上昇した空気は、全てが吸収されることなく、一部が入り口側から出て行くもので、異常音や振動燃焼が継続すると言う課題を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決するために、特に請求項1ではその構成を、石油ガス化バーナやガンタイプバーナやガスバーナ等の瞬間的に着火するバーナと、該バーナに給気管から給気した燃焼空気を供給する燃焼ファンと、前記バーナの燃焼後の燃焼ガスは燃焼ファンの送風力で強制的に排気管から排気されるものに於いて、前記燃焼ファンと給気管とを連通する給気ホースの内径を、給気管及び排気管の内径より小径としたものである。
【0006】
又請求項2によれば、前記給気ホースは、螺旋状に巻き回されて本体枠内の燃焼ファン近傍に収納されているものである。
【発明の効果】
【0007】
以上のようにこの発明によれば、燃焼ファンと給気管を連通する給気ホースの内径を、給気管及び排気管の内径より小径としたことで、この給気ホース間は他の部分と比較して吸入空気の流速が早くなり、バーナの着火時の圧力上昇分が給気ホース内に流入しても、流速の早さと小径による圧力抵抗となって、圧力上昇分を十分に吸収することが出来、バーナの着火時に起こる異常音や振動燃焼を確実に防止出来、常に安心して使用出来るものである。
【0008】
又請求項2によれば、前記給気ホースは、螺旋状に巻き回されて本体枠内の燃焼ファン近傍に収納されるので、小径の給気ホース部分を長くすることで容積が広がり、膨張圧力を更に良好に吸収出来ると共に、長い給気ホースを螺旋状に巻き回して収納するので、コンパクトに場所を取らずに本体枠内にスッキリと収納出来、器具の大型化を防止出来ると言う効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の一実施形態の燃焼装置を備えた潜熱回収型気化式給湯機を示す概略構成図。
図2】同要部説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次にこの発明の一実施形態の燃焼装置を備えた給湯機を図1に基づき説明する。
1は本実施形態の潜熱回収型気化式石油給湯機の本体枠、2は石油等の燃油を気化するアルミダイキャスト製の気化器で、気化器2底部には気化ガスの流出口3を有しているものである。
【0011】
4は気化器2に備えられ燃油を気化可能な温度まで加熱する加熱用ヒータとしての気化器ヒータ、5は気化器2下部で流出口3と連通し気化器2で気化された気化ガスと一次空気とを予混合するアルミダイキャスト製の混合室、6は混合室5底部に設けられ混合室5を加熱して流出口3から流入してくる気化ガスの液化を防止し気化を促進する加熱用ヒータとしての混合室ヒータで、上述した気化器2と混合室5とで燃油を気化させる気化部7を形成するものである。
【0012】
8は気化器2の温度を検出する気化温度センサ、9は混合室5の温度を検出する混合室温度センサ、10は混合室5上部で気化器2の背面側に備えられ、混合室5で予混合された予混合ガスを燃焼させる燃焼部で、この燃焼部10と気化部7とでバーナ11を構成するものである。また、12は気化器2と一体的に形成され、気化器2背面で燃焼部10上に突出した複数個の吸熱フィンで、燃焼時には燃焼熱を気化熱として気化器2にフィードバックして、気化器ヒータ4の通電量を極力抑えるものである。
【0013】
13は気化器2に燃油を噴霧するノズル、14はノズル13に送油管15を介して燃油を圧送する電磁ポンプ、16は燃焼ファンで、送風路17を介して気化器2の入口及び燃焼部10とカバー枠18との間の空気室19とに連通し、給気管20より給気し給気ホース21を介して搬送された燃焼空気を、気化器2には予混合用の一次空気として供給し、空気室19には気化器2側方を通り混合室5の下方から燃焼部10で燃焼される二次空気として供給するものである。
【0014】
22は燃焼室23内に収容された熱交換器で、この熱交換器22は、バーナ11の燃焼により発生した燃焼ガスから顕熱を回収し一次受熱管24を流通する水を加熱するフィンチューブ式の一次熱交換器25と、一次熱交換器25を通過した後の燃焼ガスから潜熱を回収し二次受熱管26を流通する水を加熱する二次熱交換器27とから構成され、バーナ11の上方に一次熱交換器25が配置され、一次熱交換器25の上方に二次熱交換器27が配置されているものであり、一次熱交換器25、二次熱交換器27の順に通過した燃焼ガスは排気管28より器具外に排気されるものである。
【0015】
29は燃焼ガス中の水蒸気が二次熱交換器27の二次受熱管26を流通する水と熱交換して露点以下の温度となることにより生成されるドレンを回収するドレン受けで、ドレン受け29は、一次熱交換器25の上方且つ二次熱交換器27の下方に配置されているものであり、ここでは、二次熱交換器27を構成する耐食性を有する筐体(図示せず)の底板がドレン受け29となっているものであり、燃焼室23内は一次熱交換器25と二次熱交換器27とドレン受け29の3部品が配置され、排気管28までの排気経路の流通抵抗が一次熱交換器25のみの従来の給湯機より高くなっているものである。30はドレン受け29で回収されたドレンを中和装置31に導くドレン配管である。
【0016】
又前記給気ホース21の内径Aは、給気管20の内径Bと排気管28の内径Cと比較すると小径で、ここでは給気管20と排気管28の内径B、Cがともに50mmに対して、給気ホース21の内径Aは40mmと小径としたことで、この給気ホース21を通過する燃焼空気の流速が他の部分より早くなり、バーナ11の着火時に発生する爆発燃焼による圧力上昇が給気ホース21に伝わるが、この燃焼空気の早い流れと、螺旋状に巻き回された650mmの長さの容積確保で圧力上昇分を吸収して、着火時の異常音や脈動燃焼を防止するものであり、更に長い給気ホース21でも螺旋状に巻き回したので、コンパクトに収納出来、器具を大型にする必要がなく、良好に使用できるものである。
【0017】
32は給水源から供給される水を熱交換器22に流通させる給水管、33は熱交換器22で加熱された湯を流通させ、所定箇所に設けられた給湯栓(図示せず)に湯を供給する給湯管、34は給水管32から分岐した給水バイパス管であり、一次受熱管24と二次受熱管26と給水管32と給湯管33と給水バイパス管34とで水が流通する給湯回路を構成するものである。
35は給湯管33と給水バイパス管34との接続部に設けられ、給湯管33からの湯と給水バイパス管34からの水とを混合し、その混合比を可変できる混合弁である。
【0018】
次に、この一実施形態の潜熱回収型気化式石油給湯機の動作について説明する。
前記リモコン(図示せず)の運転スイッチ(図示せず)がオンされると、気化温度センサ8の検出する温度に基づき気化器ヒータ4を制御すると共に、混合室温度センサ9の検出する温度に基づき混合室ヒータ6を制御し、気化器2および混合室5の予熱を行い、気化器2が燃油を気化可能な温度、例えば気化器2の温度が220℃〜250℃に維持され、混合室5の温度が125℃〜130℃に維持されるスタンバイ状態となる。このスタンバイ状態では、燃焼要求が発生した場合には素早くバーナ11を着火出来、必要最低限の温度を維持することでスタンバイ時の消費電力を低減することが出来るものである。
【0019】
前記スタンバイ状態において、給湯栓が開栓され、給湯が開始されて燃焼要求が発生すると、気化器ヒータ4および混合室ヒータ6を強制的にオンして着火性を良くし、電磁ポンプ14および燃焼ファン16を駆動させて、気化器2で気化された気化ガスと一次空気とを混合室5で予混合し、予混合ガスを燃焼部10より噴出して燃焼を開始させるものである。
【0020】
そして、この燃焼開始の着火時に、気化した燃料が一気に燃焼する爆発的な着火となって、バーナ11での圧力上昇分が流通抵抗が高い排気側ではなく、燃焼空気経路を逆流することとなり、給気ホース21に伝わるが、この給気ホース21は小径で燃焼空気の流速が早くなっているのと、螺旋状に巻き回された650mmの長さの容積確保との効果で圧力上昇分を吸収して、着火時の異常音や脈動燃焼を防止するものであり、更に長い給気ホース21でも螺旋状に巻き回したので、コンパクトに収納出来、器具を大型にする必要がなく、良好に使用できると言う効果を有するものである。
【0021】
次にバーナ11の燃焼により発生した燃焼ガスは、一次熱交換器25を流通し、一次熱交換器25を通過した後、二次熱交換器27を流通し、二次熱交換器27を通過した後、排気管28から潜熱回収型気化式石油給湯機外へ排出されるものである。また、給水源から供給された水は、給水管32から二次受熱管26に導かれ、二次受熱管26から一次受熱管24へ順に流通して、ここで燃焼ガスとの熱交換により加熱され、そして、一次受熱管24から給湯管33へ導かれ、混合弁35の開度調整によって給湯設定温度に温調された湯が最終的に給湯栓から給湯されるものである。
【0022】
この時、二次熱交換器27において、二次受熱管26を流通する水と燃焼ガスとが熱交換され、燃焼ガス中の水蒸気が露点以下となることにより生成されたドレンはドレン受け29で回収され、ドレン配管30を介して、内部に中和剤が充填された中和装置31に流入し、中和装置31内で中和処理された後、中和装置31外に排出され、所定箇所の下水に排水されるものである。
【符号の説明】
【0023】
1 本体枠
2 気化器
4 気化器ヒータ
5 混合室
6 混合室ヒータ
7 気化部
10 燃焼部
11 バーナ
16 燃焼ファン
20 給気管
21 給気ホース
28 排気管
図1
図2