【解決手段】水平回転ユニット3と水平回転ユニット3に搭載される測定ユニット4と、水平回転ユニット3と測定ユニット4とを機械的に連結する連結器15と、水平回転ユニット3と測定ユニット4とを電気的に接続する接続器16とを具備し、水平回転ユニット3と測定ユニット4は分離可能であり、水平回転ユニット3は、測定ユニット4を回転させる駆動部9と、水平角を検出する水平角検出器11とを具備し、測定ユニットは、測距を行う距離測定部21と、測距時の鉛直角を検出する鉛直角検出器26とを具備し、測距時の水平角データを接続器16を介して座標演算部32に送信し、距離測定部21による測距データ、鉛直角データが座標演算部32に入力され、座標演算部32は、水平角データ、測距データ、鉛直角データに基づき3次元データを演算する様構成される。
水平回転ユニットと該水平回転ユニットに搭載される測定ユニットと、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを機械的に連結する連結器と、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを電気的に接続する接続器とを具備し、前記連結器は、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを連結すると共に分離可能であり、前記接続器は、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを電気的に接続すると共に分離可能であり、前記水平回転ユニットは、前記測定ユニットを回転させる駆動部と、水平角を検出する水平角検出器と、該水平角検出器からの信号に基づき水平角データを演算し、前記駆動部を制御する水平角制御部とを具備し、前記測定ユニットは、測距を行う距離測定部と、測距時の鉛直角を検出する鉛直角検出器と、該鉛直角検出器からの検出結果に基づき鉛直角データを演算する鉛直角制御部と、座標演算部と、主制御部とを具備し、前記水平角制御部は、前記主制御部からの制御信号に基づき測距時の水平角データを前記接続器を介して前記座標演算部に送信し、前記距離測定部による測距データ、前記鉛直角制御部からの前記鉛直角データが前記座標演算部に入力され、該座標演算部は、前記水平角データ、前記測距データ、前記鉛直角データに基づき3次元データを演算する様構成されたことを特徴とする測量装置。
前記水平回転ユニットは整準部を有し、前記測定ユニットは水平2方向の傾斜を検出するチルトセンサを有し、前記整準部により前記水平回転ユニットが水平に整準された状態で、前記チルトセンサが水平を検出する様、前記測定ユニットの前記水平回転ユニットに対する取付け状態が補正される請求項1に記載の測量装置。
前記測定ユニットは2次元スキャナユニットであり、該2次元スキャナユニットは、パルス測距光を発し、該パルス測距光毎に測距を行う距離測定部と、水平な軸心を有する鉛直回転軸に設けられ、前記パルス測距光を回転照射する走査鏡と、前記鉛直回転軸を回転するモータと、前記鉛直回転軸の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記測定ユニットは、前記距離測定部の測距結果と前記鉛直角検出器が検出する測距時の鉛直角に基づき2次元点群データを取得し、該2次元点群データが前記座標演算部に入力され、該座標演算部で3次元点群データが演算される様構成された請求項1又は請求項2に記載の測量装置。
前記測定ユニットは視準測距ユニットであり、該視準測距ユニットは、鉛直方向に回転可能な望遠鏡部と、該望遠鏡部を鉛直方向に回転するモータと、前記望遠鏡部の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記望遠鏡部は、視準望遠鏡と距離測定部とを有し、該距離測定部は前記視準望遠鏡により所定の測定点を視準した状態で該測定点の測距を行い、前記鉛直角制御部は視準した状態の前記視準望遠鏡の鉛直角データを演算し、該測定点の測距結果に基づく測距データ、前記鉛直角データが前記座標演算部に入力される請求項1又は請求項2に記載の測量装置。
前記視準測距ユニットに請求項3の2次元スキャナユニットが第2の連結器を介して搭載され、前記2次元スキャナユニットと前記水平回転ユニットとは第2の接続器を介して電気的に接続され、前記水平角制御部からの前記水平角データは前記第2の接続器を介して前記2次元スキャナユニットの前記座標演算部に入力される様構成され、前記視準測距ユニットによる測定点の測距と前記2次元スキャナユニットによる2次元点群データの取得が選択的に行われる様構成された請求項4に記載の測量装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は斯かる実情に鑑み、測定対象点を測定する場合、或は測定対象物の点群データを取得する場合等、測定態様の異なる場合に対応可能な測量装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水平回転ユニットと該水平回転ユニットに搭載される測定ユニットと、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを機械的に連結する連結器と、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを電気的に接続する接続器とを具備し、前記連結器は、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを連結すると共に分離可能であり、前記接続器は、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを電気的に接続すると共に分離可能であり、前記水平回転ユニットは、前記測定ユニットを回転させる駆動部と、水平角を検出する水平角検出器と、該水平角検出器からの信号に基づき水平角データを演算し、前記駆動部を制御する水平角制御部とを具備し、前記測定ユニットは、測距を行う距離測定部と、測距時の鉛直角を検出する鉛直角検出器と、該鉛直角検出器からの検出結果に基づき鉛直角データを演算する鉛直角制御部と、座標演算部と、主制御部とを具備し、前記水平角制御部は、前記主制御部からの制御信号に基づき測距時の水平角データを前記接続器を介して前記座標演算部に送信し、前記距離測定部による測距データ、前記鉛直角制御部からの前記鉛直角データが前記座標演算部に入力され、該座標演算部は、前記水平角データ、前記測距データ、前記鉛直角データに基づき3次元データを演算する様構成された測量装置に係るものである。
【0008】
又本発明は、前記水平回転ユニットは整準部を有し、前記測定ユニットは水平2方向の傾斜を検出するチルトセンサを有し、前記整準部により前記水平回転ユニットが水平に整準された状態で、前記チルトセンサが水平を検出する様、前記測定ユニットの前記水平回転ユニットに対する取付け状態が補正される測量装置に係るものである。
【0009】
又本発明は、前記測定ユニットは2次元スキャナユニットであり、該2次元スキャナユニットは、パルス測距光を発し、該パルス測距光毎に測距を行う距離測定部と、水平な軸心を有する鉛直回転軸に設けられ、前記パルス測距光を回転照射する走査鏡と、前記鉛直回転軸を回転するモータと、前記鉛直回転軸の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記測定ユニットは、前記距離測定部の測距結果と前記鉛直角検出器が検出する測距時の鉛直角に基づき2次元点群データを取得し、該2次元点群データが前記座標演算部に入力され、該座標演算部で3次元点群データが演算される様構成された測量装置に係るものである。
【0010】
又本発明は、前記測定ユニットは視準測距ユニットであり、該視準測距ユニットは、鉛直方向に回転可能な望遠鏡部と、該望遠鏡部を鉛直方向に回転するモータと、前記望遠鏡部の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記望遠鏡部は、視準望遠鏡と距離測定部とを有し、該距離測定部は前記視準望遠鏡により所定の測定点を視準した状態で該測定点の測距を行い、前記鉛直角制御部は視準した状態の前記視準望遠鏡の鉛直角データを演算し、該測定点の測距結果に基づく測距データ、前記鉛直角データが前記座標演算部に入力される測量装置に係るものである。
【0011】
更に又本発明は、前記視準測距ユニットに前記2次元スキャナユニットが第2の連結器を介して搭載され、前記2次元スキャナユニットと前記水平回転ユニットとは第2の接続器を介して電気的に接続され、前記水平角制御部からの前記水平角データは前記第2の接続器を介して前記2次元スキャナユニットの前記座標演算部に入力される様構成され、前記視準測距ユニットによる測定点の測距と前記2次元スキャナユニットによる2次元点群データの取得が選択的に行われる様構成された測量装置に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、水平回転ユニットと該水平回転ユニットに搭載される測定ユニットと、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを機械的に連結する連結器と、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを電気的に接続する接続器とを具備し、前記連結器は、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを連結すると共に分離可能であり、前記接続器は、前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとを電気的に接続すると共に分離可能であり、前記水平回転ユニットは、前記測定ユニットを回転させる駆動部と、水平角を検出する水平角検出器と、該水平角検出器からの信号に基づき水平角データを演算し、前記駆動部を制御する水平角制御部とを具備し、前記測定ユニットは、測距を行う距離測定部と、測距時の鉛直角を検出する鉛直角検出器と、該鉛直角検出器からの検出結果に基づき鉛直角データを演算する鉛直角制御部と、座標演算部と、主制御部とを具備し、前記水平角制御部は、前記主制御部からの制御信号に基づき測距時の水平角データを前記接続器を介して前記座標演算部に送信し、前記距離測定部による測距データ、前記鉛直角制御部からの前記鉛直角データが前記座標演算部に入力され、該座標演算部は、前記水平角データ、前記測距データ、前記鉛直角データに基づき3次元データを演算する様構成されたので、前記水平回転ユニットに対して前記測定ユニットが交換可能となり、測定態様に対応した測定ユニットを前記水平回転ユニットに搭載することができ、前記水平回転ユニットを共用できるので、設備コストの低減が図れる。
【0013】
又本発明によれば、前記水平回転ユニットは整準部を有し、前記測定ユニットは水平2方向の傾斜を検出するチルトセンサを有し、前記整準部により前記水平回転ユニットが水平に整準された状態で、前記チルトセンサが水平を検出する様、前記測定ユニットの前記水平回転ユニットに対する取付け状態が補正されるので、前記測定ユニットを交換した場合も高精度の測定が可能となる。
【0014】
又本発明によれば、前記測定ユニットは2次元スキャナユニットであり、該2次元スキャナユニットは、パルス測距光を発し、該パルス測距光毎に測距を行う距離測定部と、水平な軸心を有する鉛直回転軸に設けられ、前記パルス測距光を回転照射する走査鏡と、前記鉛直回転軸を回転するモータと、前記鉛直回転軸の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記測定ユニットは、前記距離測定部の測距結果と前記鉛直角検出器が検出する測距時の鉛直角に基づき2次元点群データを取得し、該2次元点群データが前記座標演算部に入力され、該座標演算部で3次元点群データが演算される様構成されたので、前記水平回転ユニットが共用でき従来の3次元レーザスキャナに比べ安価な構成とすることができ、又他の測定方法の測量装置にも変更可能であるので、汎用性が増大する。
【0015】
又本発明によれば、前記測定ユニットは視準測距ユニットであり、該視準測距ユニットは、鉛直方向に回転可能な望遠鏡部と、該望遠鏡部を鉛直方向に回転するモータと、前記望遠鏡部の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記望遠鏡部は、視準望遠鏡と距離測定部とを有し、該距離測定部は前記視準望遠鏡により所定の測定点を視準した状態で該測定点の測距を行い、前記鉛直角制御部は視準した状態の前記視準望遠鏡の鉛直角データを演算し、該測定点の測距結果に基づく測距データ、前記鉛直角データが前記座標演算部に入力されるので、前記水平回転ユニットが共用でき従来のトータルステーションに比べ安価な構成とすることができ、又他の測定方法の測量装置にも変更可能であるので、汎用性が増大する。
【0016】
更に又本発明によれば、前記視準測距ユニットに前記2次元スキャナユニットが第2の連結器を介して搭載され、前記2次元スキャナユニットと前記水平回転ユニットとは第2の接続器を介して電気的に接続され、前記水平角制御部からの前記水平角データは前記第2の接続器を介して前記2次元スキャナユニットの前記座標演算部に入力される様構成され、前記視準測距ユニットによる測定点の測距と前記2次元スキャナユニットによる2次元点群データの取得が選択的に行われる様構成されたので、1台の測量装置で異なる態様の測定が可能となり、設備コストの低減が図れるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0019】
本発明では、水平回転部と測定部等とを機能に対応したユニットとし、ユニットの組合わせで測量装置を構成し、且つユニット間は分離、合体可能とし、ユニットの組合わせの態様で、測定態様の異なる場合に対応可能としたものである。
【0020】
先ず、
図1に於いて、測量装置1が、3次元点群データを取得する3次元レーザスキャナとして構成された場合を説明する。
【0021】
前記測量装置1は、主に図示しない3脚に取付けられた整準ユニット2、該整準ユニット2に設けられた、水平回転ユニット3、該水平回転ユニット3に着脱可能に設けられた測定ユニット4を有している。尚、第1の実施例では、該測定ユニット4が2次元スキャナユニット4aとなっている。
【0022】
前記水平回転ユニット3は、固定部5、水平回転体6、水平回転軸7、水平回転軸受8、水平回転モータ9、水平角検出器としての水平角エンコーダ11、水平角制御部12等を具備する。
【0023】
前記水平回転軸受8は前記固定部5に固定され、前記水平回転軸7は前記水平回転軸受8に回転自在に支持され、前記水平回転体6は前記水平回転軸7に支持され、前記水平回転体6は前記水平回転軸7と一体に回転する様になっている。
【0024】
前記水平回転軸受8と前記水平回転体6との間には前記水平回転モータ9が設けられ、該水平回転モータ9は前記水平角制御部12によって制御され、該水平角制御部12は前記水平回転モータ9により、前記水平回転体6を前記水平回転軸7を中心に回転させる様になっている。
【0025】
前記水平回転体6の前記固定部5に対する相対回転変位は、前記水平角エンコーダ11によって検出され、該水平角エンコーダ11からの検出信号は前記水平角制御部12に入力され、該水平角制御部12によって水平角検出データが演算され、該水平角検出データに基づき前記水平回転モータ9に対するフィードバック制御が前記水平角制御部12によって行われる。
【0026】
又、前記水平角制御部12からの水平角データは接続器16を介して前記2次元スキャナユニット4aに送出される。
【0027】
該2次元スキャナユニット4aは、前記水平回転ユニット3の上面に、連結器15を介して機械的に着脱可能に設けられる。
【0028】
該連結器15は、前記水平回転ユニット3の上面に固着される下連結要素15aと前記2次元スキャナユニット4aの下面に固着される上連結要素15bから構成される。
【0029】
前記連結器15は、連結機能と芯合せ機能を有しており、前記下連結要素15aと前記上連結要素15bが嵌合し、連結することで、前記水平回転軸7の軸心7aと前記2次元スキャナユニット4aの機械軸心とが合致し、更に前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとが一体に回転する様になっている。
【0030】
ここで、前記機械軸心は、鉛直方向に延出し、鉛直回転軸22(後述)の軸心と直交し、走査鏡24(後述)に測距光(後述)が入射する点を通過する。
【0031】
又前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとは、前記接続器16によって電気的に接続される。
【0032】
該接続器16は、分離可能な構造であり、前記2次元スキャナユニット4aが前記水平回転ユニット3に機械的に取付けられることで、前記2次元スキャナユニット4aと前記水平回転ユニット3とを電気的に接続する。
【0033】
ここで、電気的な接続としては、電気的接点、容量結合、誘導結合、無線等、接触、非接触の接続手段を用いることが可能である。
【0034】
前記2次元スキャナユニット4aは、中央に凹部18が形成された筐体19、該筐体19内に収納される以下の構成要素を具備する。
【0035】
構成要素として、距離測定部21、前記鉛直回転軸22、軸受23、前記走査鏡24、走査モータ25、鉛直角検出器としての鉛直角エンコーダ26、鉛直角制御部27、主制御部28、操作入力部29、表示部31、座標演算部32、記憶部33等である。
【0036】
前記鉛直回転軸22は前記軸受23を介して回転自在に支持されている。前記鉛直回転軸22は、水平な軸心22aを有し、一端部は前記凹部18内に延出し、該一端部には前記走査鏡24が固着されている。又、前記鉛直回転軸22の他端部には前記鉛直角エンコーダ26が設けられている。前記走査モータ25は前記鉛直回転軸22を回転し、該鉛直回転軸22の回転により前記走査鏡24は水平軸心を中心に回転する。
【0037】
又、前記軸心7aと前記軸心22aとは、前記走査鏡24の反射面上で直交する様になっている。
【0038】
該走査鏡24の回転変位は、前記鉛直角エンコーダ26によって検出され、検出結果は前記鉛直角制御部27に入力される。該鉛直角制御部27は、前記検出結果に基づき前記走査鏡24の鉛直角データを演算し、該鉛直角データに基づき前記走査モータ25をフィードバック制御する。
【0039】
前記距離測定部21について説明する。
【0040】
発光素子35からパルス光の測距光が射出され、測距光は投光光学系36、ビームスプリッタ37を介して射出される。該ビームスプリッタ37から射出される測距光の光軸は、前記軸心22aと合致しており、測距光は、前記走査鏡24によって直角に偏向される。該走査鏡24が回転することで測距光は、前記軸心22aと直交し且つ前記軸心7aを含む平面内を回転(走査)される。
【0041】
測定対象物で反射された測距光(以下、反射測距光)は、前記走査鏡24に入射し、該走査鏡24で偏向され、前記ビームスプリッタ37、受光光学系38を経て受光素子39で受光される。
【0042】
測距制御部41は、前記発光素子35の発光タイミングと前記受光素子39の受光タイミングの時間差(即ち、パルス光の往復時間)に基づき、測距光の1パルス毎に測距を実行する。
【0043】
尚、図中、42は内部参照光学系であり、該内部参照光学系42を経て受光した測距光の受光タイミングと、反射測距光の受光タイミングとの時間差により測距を行うことで高精度の測距が可能となる。
【0044】
前記走査鏡24を鉛直方向に回転しつつ、測距を行うことで鉛直角データと測距データが得られ、前記鉛直角データと前記測距データを基に2次元の点群データが取得できる。ここで、鉛直角の取得タイミングは、測距する発光タイミングと同期される。
【0045】
前記鉛直角制御部27により演算された鉛直角データと、前記距離測定部21で測定された測距データとは、前記主制御部28からの制御信号により前記座標演算部32に送信される。
【0046】
又、前記接続器16を介して送出された前記水平角データは、直接前記座標演算部32に入力され、或は前記主制御部28からの制御信号により前記座標演算部32に入力される。ここで、前記水平角データの入力タイミングは、前記距離測定部21による測距する発光タイミングと同期する様に、前記主制御部28によって制御される。
【0047】
前記座標演算部32に入力される前記水平角データ、前記鉛直角データは、測距する発光タイミングと同期しており、前記座標演算部32に於いて前記水平角データ、前記鉛直角データ、前記測距データに基づき測定点のX,Y,Zの座標データ(3次元データ)が演算される。演算された3次元データは前記記憶部33に保存される。
【0048】
該記憶部33は、HDD、CD、メモリカード等種々の記憶手段が用いられ、前記2次元スキャナユニット4aに対して着脱可能であってもよく、或は所要の通信手段を介して外部記憶装置或は外部データ処理装置にデータを送出可能としてもよい。
【0049】
前記操作入力部29は入力キーを有し、該操作入力部29から測定に必要な情報、データが前記主制御部28に入力される。前記表示部31には、前記操作入力部29からの入力情報、或は測定状況等が表示される。尚、前記操作入力部29はタッチパネルとし、表示部を兼用してもよい。この場合、前記表示部31は省略される。前記主制御部28は、前記操作入力部29からの入力情報、データに対応し、前記鉛直角制御部27、前記距離測定部21に制御信号を送出し、又前記接続器16を介して前記水平角制御部12に制御信号を送出する。
【0050】
而して、前記主制御部28は、前記2次元スキャナユニット4aの点群データ取得の為の制御を行うと共に、前記水平回転ユニット3の制御も実行し、前記2次元スキャナユニット4aによる鉛直方向の走査と前記水平回転ユニット3の水平方向の回転との協働により、2次元(水平、鉛直2方向)のスキャンが実行される。2次元のスキャンにより、前記鉛直角データ、前記水平角データ、前記測距データが取得できる。従って、測定対象物の面に対応する3次元の点群データが取得できる。
【0051】
以下、上記測量装置1の作動について説明する。
【0052】
該測量装置1をレーザスキャナとして使用する場合、前記水平回転ユニット3に前記2次元スキャナユニット4aを前記連結器15を介して取付ける。
【0053】
該連結器15は、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとを機械的に一体化すると共に前記2次元スキャナユニット4aの機械軸心と前記水平回転ユニット3の回転軸心とを合致させる。
【0054】
又、該水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとを組立てることで、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとは前記接続器16を介して電気的に接続される。
【0055】
前記水平回転ユニット3の回転に関する制御は、前記水平角制御部12が実行し、前記2次元スキャナユニット4aの制御、即ち前記距離測定部21による測距の制御、前記走査鏡24の回転の制御は、前記主制御部28が実行する。該主制御部28は、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aの統合制御を実行する。
【0056】
前記距離測定部21から測距光が発せられた状態で、前記走査モータ25により前記走査鏡24が前記鉛直回転軸22を中心に鉛直回転され、更に、前記水平回転ユニット3が前記水平回転モータ9により水平回転される。
【0057】
前記走査鏡24の鉛直回転と、前記水平回転ユニット3の水平回転の協働により、前記測距光は鉛直、水平の2方向に走査される。
【0058】
測距光の1パルス毎に、測距され、又1パルス毎に鉛直角、又水平角が検出される。1パルス毎の測距データに同期して、鉛直角データ、水平角データが取得されることで、各測定点の3次元データが取得される。更に、測距光が鉛直、水平の2次元に走査されることで、3次元の点群データが取得できる。
【0059】
上記した様に、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとを連結する前記連結器15は、前記水平回転軸7の回転軸心と前記2次元スキャナユニット4aの機械軸心とを合致させる芯合せ機能も有するが、連結した状態の機械的精度を更に向上する為に以下の構成を追加することもできる。
【0060】
前記鉛直回転軸22の軸心と直交する方向及び平行な方向の2方向(即ち、水平2方向)の傾斜を検出するチルトセンサ(図示せず)を前記2次元スキャナユニット4aに設ける。前記水平回転ユニット3を前記整準ユニット2により整準し、該整準ユニット2が整準された状態、即ち前記水平回転軸7が鉛直の状態で、前記チルトセンサが水平を検出する様に、前記2次元スキャナユニット4aの取付け状態を補正する。該2次元スキャナユニット4aを水平に調整することで、該2次元スキャナユニット4aと前記水平回転ユニット3とは高精度に整準された状態を保持したまま連結される。
【0061】
前記2次元スキャナユニット4aは前記連結器15を介して切離すことができ、前記2次元スキャナユニット4a以外の測定ユニットを前記水平回転ユニット3に取付けることが可能である。
【0062】
尚、本実施例では、前記表示部31、前記操作入力部29、前記主制御部28を前記2次元スキャナユニット4aに配設した構成としたが、前記表示部31、前記操作入力部29、前記主制御部28を前記水平回転ユニット3に設け、制御信号を前記水平角制御部12、前記接続器16を介し、前記鉛直角制御部27と前記距離測定部21へ送り制御する構成としてもよい。
【0063】
尚、前記2次元スキャナユニット4aの前記筐体19にカメラを設け、或は、該筐体19内に前記走査鏡24を介して撮影するカメラを設け、カメラで取得した画像データと画像取得時の前記鉛直角データ、前記水平角データ、前記測距データとを関連付けて前記記憶部33に保存し、保存したデータを、図示しない記録媒体等を介し図示しない外部データ処理装置、例えばPCへ転送し、PCは前記水平角データと前記鉛直角データ、前記画像データを組合わせ、パノラマ画像を生成し、このパノラマ画像を基に、前記座標データの集合である点群データの各座標にRGBの色情報を付加することも可能である。
【0064】
次に、
図2に於いて、測量装置1がトータルステーションとして構成された場合を説明する。
【0065】
尚、
図2中、
図1中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
水平回転ユニット3には、連結器15を介し測定ユニット4として視準測距ユニット45が取付けられる。該視準測距ユニット45は、視準望遠鏡57を有し、所定の測定点を高精度に測距可能である。
【0067】
尚、上述した様に、前記連結器15は前記水平回転ユニット3の上面に設けられた下連結要素15aと前記視準測距ユニット45の下面に設けられた上連結要素15bとによって構成され、前記視準測距ユニット45は前記連結器15を介して着脱可能である。
【0068】
筐体47には凹部48が形成されている。前記筐体47に軸受49を介して鉛直回転軸51が回転自在に設けられる。
【0069】
前記鉛直回転軸51は、水平な軸心51aを有し、一端部は前記凹部48内に延出し、該一端部に望遠鏡部52が固着されている。又、前記鉛直回転軸51の他端部には鉛直角エンコーダ53が設けられている。
【0070】
前記鉛直回転軸51に鉛直モータ54が設けられ、該鉛直モータ54により前記鉛直回転軸51を回転し、該鉛直回転軸51の回転により前記望遠鏡部52は水平軸心を中心に回転する。
【0071】
前記望遠鏡部52の高低角(鉛直角)は、前記鉛直角エンコーダ53によって検出され、検出結果は鉛直角制御部55に入力される。該鉛直角制御部55は、前記鉛直角エンコーダ53の検出結果に基づき前記望遠鏡部52の鉛直角データを演算し、該鉛直角データに基づき前記鉛直モータ54をフィードバック制御する。
【0073】
該望遠鏡部52は、前記視準望遠鏡57を具備し、又距離測定部(図示せず)を内蔵している。該距離測定部は、
図1中に示した距離測定部21と距離測定原理は同じであるので説明を省略する。
【0074】
前記視準望遠鏡57の測距光軸は、前記軸心51a、軸心7aと直交し、且つ該軸心7aと前記測距光軸とは同一平面内に存在する様に設定されている。
【0075】
前記筐体47には、表示部58、操作入力部59が設けられ、更に主制御部61、座標演算部62、記憶部63が内蔵されている。
【0076】
前記操作入力部59から測定に必要な情報、データが前記主制御部61に入力される。前記表示部58には、前記操作入力部59からの入力情報、或は測定状況等が表示される。尚、前記操作入力部59はタッチパネルとしてもよい。
【0077】
前記主制御部61は、前記操作入力部59からの入力情報、データに対応し、前記鉛直角制御部55、前記望遠鏡部52に制御信号を送出し、又接続器16を介して水平角制御部12に制御信号を送出する。
【0078】
該水平角制御部12は、該制御信号に基づき前記水平角制御部12で演算した水平角データを前記接続器16を介して前記座標演算部62に送出する。ここで、前記水平角制御部12から前記水平角データを取得するタイミングは、距離測定部により測距する発光タイミングと同期させる。
【0079】
前記鉛直角制御部55により演算された前記鉛直角データと、前記望遠鏡部52で測定された測距データとは、前記主制御部61からの制御信号により前記座標演算部62に送信される。前記鉛直角データを取得するタイミングは、距離測定部により測距する発光タイミングと同期させる。
【0080】
前記鉛直角制御部55から出力される前記鉛直角データは、前記視準望遠鏡57が測定点を視準した状態の該視準望遠鏡57の高低角を検出し、前記視準測距ユニット45は、前記視準望遠鏡57で所定の測定点を視準した状態で、該測定点の測距と鉛直角の測定を行う。従って、前記視準測距ユニット45では、測定点の2次元データ(即ち、2次元座標)が取得できる。
【0081】
前記座標演算部62は、前記水平角データと、前記鉛直角データと、前記測距データとに基づき測定点の3次元データ(即ち、3次元座標)を演算する。得られた該3次元データは、前記記憶部63に保存される。
【0082】
以下、トータルステーションとして構成される測量装置1の作動について説明する。
【0083】
前記水平回転ユニット3の水平回転、前記望遠鏡部52の鉛直回転の協働により、前記視準望遠鏡57が測定点に向けられ、該視準望遠鏡57により所定の測定点が視準される。
【0084】
該視準望遠鏡57を介して測距光が、測定点に照射され、測定点の測距が実行される。
【0085】
又、測定点を視準したときの、鉛直角が前記鉛直角エンコーダ53及び前記鉛直角制御部55によって検出され、該鉛直角制御部55は鉛直角データを前記座標演算部62に送信する。
【0086】
測距時の水平角データが前記水平角制御部12により演算され、前記水平角データは、前記接続器16を経て前記座標演算部62に送信される。
【0087】
而して、前記座標演算部62は、測距結果、前記鉛直角データ、前記水平角データに基づき3次元データを演算する。演算結果は、前記記憶部63に保存される。従って、前記測量装置1は、トータルステーションとして測定が行える。
【0088】
更に、
図3に於いて、測量装置1がレーザスキャナの機能、トータルステーションの機能を有する複合測定機71として構成された場合を説明する。
【0089】
尚、
図3中、
図1、
図2中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0090】
水平回転ユニット3の上面に連結器15を介して視準測距ユニット45を搭載する。前記水平回転ユニット3と前記視準測距ユニット45とは、接続器16によって電気的に接続される。
【0091】
更に、前記視準測距ユニット45の上面に連結器15′を介して2次元スキャナユニット4aが搭載される。前記連結器15′は前記連結器15と同等の構造となっており、前記連結器15′は前記視準測距ユニット45と前記2次元スキャナユニット4aとを連結すると共に前記視準測距ユニット45と前記2次元スキャナユニット4aとの芯合せも行う。又、前記視準測距ユニット45と前記2次元スキャナユニット4aとは前記接続器16′によって電気的にも接続される。
【0092】
前記複合測定機71では、測定の態様に応じて、前記視準測距ユニット45と前記2次元スキャナユニット4aとが選択されて使用される。
【0093】
トータルステーションとして所定の測定点を測定する場合は、前記水平回転ユニット3と前記視準測距ユニット45が使用される。
【0094】
前記水平回転ユニット3で取得した水平角データは、座標演算部62に送信される。又、前記視準測距ユニット45で取得された測定データ(測距データ、鉛直角データ)は、前記座標演算部62に入力され、該座標演算部62では前記水平角データと前記測定データに基づき3次元データが演算され、3次元データは記憶部63に格納される。
【0095】
次に、レーザスキャナとして、測定対象物の測定を行う場合は、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aが使用される。
【0096】
前記水平回転ユニット3で取得した前記水平角データは、前記接続器16、前記接続器16′を経て主制御部28、座標演算部32に送信される。
【0097】
該座標演算部32には、前記2次元スキャナユニット4aで取得された2次元点群データが入力される。
【0098】
前記座標演算部32は、前記水平角データと前記2次元点群データに基づき3次元点群データを演算し、前記記憶部33に保存する。
【0099】
而して、1台の測量装置1により、トータルステーションとして所定点の精密測定が行え、更にレーザスキャナとして測定対象物の3次元点群データが取得できる。