【解決手段】水平回転ユニット3は、水平角エンコーダ11、第1同期データ発生部13、第1記憶部14、水平角制御部12とを具備し、第1同期データ発生部13は水平角データ取得時のタイミングを示す第1同期データを出力し、水平角制御部12は水平角データと第1同期データとを関連付けて第1記憶部14に格納し、測定ユニット4は、距離測定部21による測距データと鉛直角エンコーダ26による鉛直角データに基づき2次元測定データを取得し、第2同期データ発生部32は測距データ、鉛直角データ取得時のタイミングを示す第2同期データを出力し、主制御部28は2次元測定データと第2同期データとを関連付けて第2記憶部33に格納し、水平角データ及び2次元測定データは、第1同期データと第2同期データとに基づき3次元データに変換可能である。
水平回転ユニットと該水平回転ユニットに搭載される測定ユニットとを具備し、前記水平回転ユニットは、前記測定ユニットを回転させる駆動部と、水平角データを測定する水平角検出器と、第1同期データ発生部と、第1記憶部と、第1制御部とを具備し、前記第1同期データ発生部は前記水平角検出器の水平角データの取得時のタイミングを示す第1同期データを出力し、前記第1制御部は前記水平角データと前記第1同期データとを関連付けて前記第1記憶部に格納し、前記測定ユニットは、測距を行う測距部と、測距時の鉛直角を検出する鉛直角検出器と、第2同期データ発生部と、第2記憶部と、第2制御部とを具備し、前記測定ユニットは、前記測距部による測距データと前記鉛直角検出器による鉛直角データに基づき2次元測定データを取得し、前記第2同期データ発生部は前記測距データ取得時、前記鉛直角データ取得時のタイミングを示す第2同期データを出力し、前記第2制御部は前記2次元測定データと前記第2同期データとを関連付けて前記第2記憶部に格納し、前記水平角データ及び前記2次元測定データは、前記第1同期データと前記第2同期データとに基づき3次元データに変換可能であることを特徴とする測量装置。
前記水平回転ユニット及び前記測定ユニットは、それぞれGPS装置を有し、前記第1同期データ発生部及び前記第2同期データ発生部は前記GPS装置から得られるタイミング信号に基づき前記第1同期データ及び前記第2同期データを出力する請求項1に記載の測量装置。
前記第1制御部及び前記第2制御部は、それぞれ制御信号用のタイミング信号を発する時計を有し、前記第1制御部及び前記第2制御部のいずれか一方が、前記第1制御部及び前記第2制御部のいずれか他方に制御信号を出力し、該制御信号に基づき前記第1同期データ及び前記第2同期データを同期させる様構成した請求項1に記載の測量装置。
前記水平回転ユニットは整準部を有し、前記測定ユニットは水平2方向の傾斜を検出するチルトセンサを有し、前記整準部により前記水平回転ユニットが水平に整準された状態で、前記チルトセンサが水平を検出する様、前記測定ユニットの前記水平回転ユニットに対する取付け状態が補正される請求項1に記載の測量装置。
前記測定ユニットは2次元スキャナユニットであり、該2次元スキャナユニットは、パルス測距光を発し、該パルス測距光毎に測距を行う距離測定部と、水平な軸心を有する鉛直回転軸に設けられ、前記パルス測距光を回転照射する走査鏡と、前記鉛直回転軸を回転するモータと、前記鉛直回転軸の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記測定ユニットは、距離測定部の測距結果と前記鉛直角検出器が検出する測距時の鉛直角に基づき2次元点群データを取得する様構成された請求項1〜請求項4の内いずれか1つに記載の測量装置。
前記測定ユニットは視準測距ユニットであり、該視準測距ユニットは、鉛直方向に回転可能な望遠鏡部と、該望遠鏡部を鉛直方向に回転するモータと、前記望遠鏡部の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記望遠鏡部は、視準望遠鏡と距離測定部とを有し、該距離測定部は前記視準望遠鏡により所定の測定点を視準した状態で該測定点の測距を行い、前記鉛直角検出器は視準した状態の視準望遠鏡の鉛直角を測定し、前記測定ユニットは測距結果と検出した鉛直角に基づき前記測定点の2次元座標を測定する様構成された請求項1〜請求項4の内いずれか1つに記載の測量装置。
前記測定ユニットに更に他の測定ユニットが搭載され、前記測定ユニットは請求項6に記載の視準測距ユニットであり、前記他の測定ユニットは請求項5に記載の2次元スキャナユニットである請求項1に記載の測量装置。
前記水平回転ユニットは、トータルステーションが具備する水平回転機構部であり、該水平回転機構部に請求項5に記載の2次元スキャナユニットが搭載された請求項1に記載の測量装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は斯かる実情に鑑み、測定対象点を測定する測量装置、或は測定対象物の点群データを取得する測定装置等に於いて、装置構成を簡略化し、コストの低減を図った測量装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水平回転ユニットと該水平回転ユニットに搭載される測定ユニットとを具備し、前記水平回転ユニットは、前記測定ユニットを回転させる駆動部と、水平角データを測定する水平角検出器と、第1同期データ発生部と、第1記憶部と、第1制御部とを具備し、前記第1同期データ発生部は前記水平角検出器の水平角データの取得時のタイミングを示す第1同期データを出力し、前記第1制御部は前記水平角データと前記第1同期データとを関連付けて前記第1記憶部に格納し、前記測定ユニットは、測距を行う測距部と、測距時の鉛直角を検出する鉛直角検出器と、第2同期データ発生部と、第2記憶部と、第2制御部とを具備し、前記測定ユニットは、前記測距部による測距データと前記鉛直角検出器による鉛直角データに基づき2次元測定データを取得し、前記第2同期データ発生部は前記測距データ取得時、前記鉛直角データ取得時のタイミングを示す第2同期データを出力し、前記第2制御部は前記2次元測定データと前記第2同期データとを関連付けて前記第2記憶部に格納し、前記水平角データ及び前記2次元測定データは、前記第1同期データと前記第2同期データとに基づき3次元データに変換可能である測量装置に係るものである。
【0008】
又本発明は、前記水平回転ユニット及び前記測定ユニットは、それぞれGPS装置を有し、前記第1同期データ発生部及び前記第2同期データ発生部は前記GPS装置から得られるタイミング信号に基づき前記第1同期データ及び前記第2同期データを出力する測量装置に係るものである。
【0009】
又本発明は、前記第1制御部及び前記第2制御部は、それぞれ制御信号用のタイミング信号を発する時計を有し、前記第1制御部及び前記第2制御部のいずれか一方が、前記第1制御部及び前記第2制御部のいずれか他方に制御信号を出力し、該制御信号に基づき前記第1同期データ及び前記第2同期データを同期させる様構成した測量装置に係るものである。
【0010】
又本発明は、前記水平回転ユニットは整準部を有し、前記測定ユニットは水平2方向の傾斜を検出するチルトセンサを有し、前記整準部により前記水平回転ユニットが水平に整準された状態で、前記チルトセンサが水平を検出する様、前記測定ユニットの前記水平回転ユニットに対する取付け状態が補正される測量装置に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記測定ユニットは2次元スキャナユニットであり、該2次元スキャナユニットは、パルス測距光を発し、該パルス測距光毎に測距を行う距離測定部と、水平な軸心を有する鉛直回転軸に設けられ、前記パルス測距光を回転照射する走査鏡と、前記鉛直回転軸を回転するモータと、前記鉛直回転軸の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記測定ユニットは、距離測定部の測距結果と前記鉛直角検出器が検出する測距時の鉛直角に基づき2次元点群データを取得する様構成された測量装置に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記測定ユニットは視準測距ユニットであり、該視準測距ユニットは、鉛直方向に回転可能な望遠鏡部と、該望遠鏡部を鉛直方向に回転するモータと、前記望遠鏡部の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記望遠鏡部は、視準望遠鏡と距離測定部とを有し、該距離測定部は前記視準望遠鏡により所定の測定点を視準した状態で該測定点の測距を行い、前記鉛直角検出器は視準した状態の視準望遠鏡の鉛直角を測定し、前記測定ユニットは測距結果と検出した鉛直角に基づき前記測定点の2次元座標を測定する様構成された測量装置に係るものである。
【0013】
又本発明は、前記測定ユニットに更に他の測定ユニットが搭載され、前記測定ユニットは前記視準測距ユニットであり、前記他の測定ユニットは前記2次元スキャナユニットである測量装置に係るものである。
【0014】
更に又本発明は、前記水平回転ユニットは、トータルステーションが具備する水平回転機構部であり、該水平回転機構部に前記2次元スキャナユニットが搭載された測量装置に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水平回転ユニットと該水平回転ユニットに搭載される測定ユニットとを具備し、前記水平回転ユニットは、前記測定ユニットを回転させる駆動部と、水平角データを測定する水平角検出器と、第1同期データ発生部と、第1記憶部と、第1制御部とを具備し、前記第1同期データ発生部は前記水平角検出器の水平角データの取得時のタイミングを示す第1同期データを出力し、前記第1制御部は前記水平角データと前記第1同期データとを関連付けて前記第1記憶部に格納し、前記測定ユニットは、測距を行う測距部と、測距時の鉛直角を検出する鉛直角検出器と、第2同期データ発生部と、第2記憶部と、第2制御部とを具備し、前記測定ユニットは、前記測距部による測距データと前記鉛直角検出器による鉛直角データに基づき2次元測定データを取得し、前記第2同期データ発生部は前記測距データ取得時、前記鉛直角データ取得時のタイミングを示す第2同期データを出力し、前記第2制御部は前記2次元測定データと前記第2同期データとを関連付けて前記第2記憶部に格納し、前記水平角データ及び前記2次元測定データは、前記第1同期データと前記第2同期データとに基づき3次元データに変換可能であるので、前記水平回転ユニットによる水平角データの取得と前記測定ユニットによる2次元測定データの取得とを個別に行え、前記水平回転ユニットと前記測定ユニット間でのデータの授受が省略でき回路構成が簡略化でき、更に前記水平回転ユニットと前記測定ユニットとの分離が容易となり、該測定ユニットの交換も可能となる。
【0016】
又本発明によれば、前記水平回転ユニット及び前記測定ユニットは、それぞれGPS装置を有し、前記第1同期データ発生部及び前記第2同期データ発生部は前記GPS装置から得られるタイミング信号に基づき前記第1同期データ及び前記第2同期データを出力するので、前記水平回転ユニットで取得した水平角データと前記測定ユニットで取得した2次元測定データとの関連付けが容易となり、両データに基づき3次元データへの変換が可能となる。
【0017】
又本発明によれば、前記第1制御部及び前記第2制御部は、それぞれ制御信号用のタイミング信号を発する時計を有し、前記第1制御部及び前記第2制御部のいずれか一方が、前記第1制御部及び前記第2制御部のいずれか他方に制御信号を出力し、該制御信号に基づき前記第1同期データ及び前記第2同期データを同期させる様構成したので、前記水平回転ユニットで取得した水平角データと前記測定ユニットで取得した2次元測定データとの関連付けが容易となり、両データに基づき3次元データへの変換が可能となる。
【0018】
又本発明によれば、前記水平回転ユニットは整準部を有し、前記測定ユニットは水平2方向の傾斜を検出するチルトセンサを有し、前記整準部により前記水平回転ユニットが水平に整準された状態で、前記チルトセンサが水平を検出する様、前記測定ユニットの前記水平回転ユニットに対する取付け状態が補正されるので、前記測定ユニットで取得した2次元測定データの精度が保証される。
【0019】
又本発明によれば、前記測定ユニットは2次元スキャナユニットであり、該2次元スキャナユニットは、パルス測距光を発し、該パルス測距光毎に測距を行う距離測定部と、水平な軸心を有する鉛直回転軸に設けられ、前記パルス測距光を回転照射する走査鏡と、前記鉛直回転軸を回転するモータと、前記鉛直回転軸の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記測定ユニットは、距離測定部の測距結果と前記鉛直角検出器が検出する測距時の鉛直角に基づき2次元点群データを取得する様構成されたので、測量装置を3次元レーザスキャナとして使用することができる。
【0020】
又本発明によれば、前記測定ユニットは視準測距ユニットであり、該視準測距ユニットは、鉛直方向に回転可能な望遠鏡部と、該望遠鏡部を鉛直方向に回転するモータと、前記望遠鏡部の鉛直角を検出する鉛直角検出器とを具備し、前記望遠鏡部は、視準望遠鏡と距離測定部とを有し、該距離測定部は前記視準望遠鏡により所定の測定点を視準した状態で該測定点の測距を行い、前記鉛直角検出器は視準した状態の視準望遠鏡の鉛直角を測定し、前記測定ユニットは測距結果と検出した鉛直角に基づき前記測定点の2次元座標を測定する様構成されたので、測量装置をトータルステーションとして使用することができる。
【0021】
又本発明によれば、前記測定ユニットに更に他の測定ユニットが搭載され、前記測定ユニットは前記視準測距ユニットであり、前記他の測定ユニットは前記2次元スキャナユニットであるので、測定条件に応じてトータルステーションとして或は3次元レーザスキャナとして使用することができる。
【0022】
更に又本発明によれば、前記水平回転ユニットは、トータルステーションが具備する水平回転機構部であり、該水平回転機構部に前記2次元スキャナユニットが搭載されたので、既存のトータルステーションに3次元レーザスキャナの機能を追加することができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0025】
先ず、
図1に於いて、第1の実施例を説明する。
【0026】
第1の実施例は、レーザスキャナの機能を有する測量装置1として構成された場合を示している。
【0027】
該測量装置1は、主に図示しない3脚に取付けられた整準ユニット2、該整準ユニット2に設けられた、水平回転ユニット3、該水平回転ユニット3に着脱可能に設けられた測定ユニット4を有している。尚、第1の実施例では、該測定ユニット4が2次元スキャナユニット4aとなっている。
【0028】
前記水平回転ユニット3は、固定部5、水平回転体6、水平回転軸7、水平回転軸受8、水平回転モータ9、水平角検出器としての水平角エンコーダ11、水平角制御部12、第1同期データ発生部13、第1記憶部14、等を具備する。
【0029】
前記水平回転軸受8は前記固定部5に固定され、前記水平回転軸7は前記水平回転軸受8に回転自在に支持され、前記水平回転体6は前記水平回転軸7に支持され、前記水平回転体6は前記水平回転軸7と一体に回転する様になっている。
【0030】
前記水平回転軸受8と前記水平回転体6との間には前記水平回転モータ9が設けられ、該水平回転モータ9は前記水平角制御部12によって制御され、該水平角制御部12は前記水平回転モータ9により、前記水平回転体6を前記水平回転軸7を中心に回転させる様になっている。
【0031】
前記水平回転体6の前記固定部5に対する相対回転変位は、前記水平角エンコーダ11によって検出され、該水平角エンコーダ11からの検出信号は前記水平角制御部12に入力され、該水平角制御部12によって水平角検出データが演算され、該水平角検出データに基づき前記水平回転モータ9に対するフィードバック制御が前記水平角制御部12によって行われる。
【0032】
又、前記水平角検出データは前記第1同期データ発生部13が出力する第1同期データに関連付けられて前記第1記憶部14に保存される。該第1記憶部14は、HDD、CD、メモリカード等種々の記憶手段が用いられ、前記水平回転ユニット3に対して着脱可能であってもよく、或は所要の通信手段を介して外部記憶装置或は外部データ処理装置にデータを送出可能としてもよい。
【0033】
前記2次元スキャナユニット4aは、前記水平回転ユニット3の上面に、連結器15を介して着脱可能に設けられる。
【0034】
該連結器15は、前記水平回転ユニット3の上面に固着される下連結要素15aと前記2次元スキャナユニット4aの下面に固着される上連結要素15bから構成される。
【0035】
前記連結器15は、連結機能と芯合せ機能を有しており、前記下連結要素15aと前記上連結要素15bが嵌合し、連結することで、前記水平回転軸7の軸心7aと前記2次元スキャナユニット4aの機械軸心とが合致し、更に前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとが一体に回転する様になっている。
【0036】
ここで、前記機械軸心は、鉛直方向に延出し、鉛直回転軸22(後述)の軸心と直交し、走査鏡24(後述)に測距光(後述)が入射する点を通過する。
【0037】
又前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとは、接続器16によって電気的に接続される。
【0038】
該接続器16は、分離可能な構造であり、前記2次元スキャナユニット4aが前記水平回転ユニット3に機械的に取付けられることで、前記2次元スキャナユニット4aと前記水平回転ユニット3とを電気的に接続する。
【0039】
ここで、電気的な接続としては、電気的接点、容量結合、誘導結合、無線等、接触、非接触の接続手段を用いることが可能である。
【0040】
前記2次元スキャナユニット4aは、中央に凹部18が形成された筐体19、該筐体19内に収納される以下の構成要素を具備する。
【0041】
構成要素として、距離測定部21、前記鉛直回転軸22、軸受23、前記走査鏡24、走査モータ25、鉛直角検出器としての鉛直角エンコーダ26、鉛直角制御部27、主制御部28、操作入力部29、表示部31、第2同期データ発生部32、第2記憶部33等である。
【0042】
前記鉛直回転軸22は前記軸受23を介して回転自在に支持されている。前記鉛直回転軸22は、水平な軸心22aを有し、一端部は前記凹部18内に延出し、該一端部には前記走査鏡24が固着されている。又、前記鉛直回転軸22の他端部には前記鉛直角エンコーダ26が設けられている。前記走査モータ25は前記鉛直回転軸22を回転し、該鉛直回転軸22の回転により前記走査鏡24は水平軸心を中心に回転する。
【0043】
又、前記軸心7aと前記軸心22aとは、前記走査鏡24の反射面上で直交する様になっている。
【0044】
該走査鏡24の回転変位は、前記鉛直角エンコーダ26によって検出され、検出結果は前記鉛直角制御部27に入力される。該鉛直角制御部27は、前記検出結果に基づき前記走査鏡24の鉛直角データを演算し、該鉛直角データに基づき前記走査モータ25をフィードバック制御する。
【0045】
前記距離測定部21について説明する。
【0046】
発光素子35からパルス光の測距光が射出され、測距光は投光光学系36、ビームスプリッタ37を介して射出される。該ビームスプリッタ37から射出される測距光の光軸は、前記軸心22aと合致しており、測距光は、前記走査鏡24によって直角に偏向される。該走査鏡24が回転することで測距光は、前記軸心22aと直交し且つ前記軸心7aを含む平面内を回転(走査)される。
【0047】
測定対象物で反射された測距光(以下、反射測距光)は、前記走査鏡24に入射し、該走査鏡24で偏向され、前記ビームスプリッタ37、受光光学系38を経て受光素子39で受光される。
【0048】
測距制御部41は、前記発光素子35の発光タイミングと前記受光素子39の受光タイミングの時間差(即ち、パルス光の往復時間)に基づき、測距光の1パルス毎に測距を実行する。
【0049】
尚、図中、42は内部参照光学系であり、該内部参照光学系42を経て受光した測距光の受光タイミングと、反射測距光の受光タイミングとの時間差により測距を行うことで高精度の測距が可能となる。
【0050】
前記走査鏡24を鉛直方向に回転しつつ、測距を行うことで鉛直角データと測距データが得られ、前記鉛直角データと前記測距データを基に2次元の点群データが取得できる。
【0051】
前記鉛直角制御部27により演算された鉛直角データと、前記距離測定部21で測定された測距データとは、前記主制御部28からの制御信号により前記第2記憶部33に送信される。該第2記憶部33では、前記鉛直角データと前記測距データと、前記第2同期データ発生部32からの第2同期データとを関連付けて保存する。
【0052】
前記鉛直角制御部27から出力される前記鉛直角データは、前記距離測定部21で測距する発光タイミングと同期して出力される様になっている。
【0053】
前記第2記憶部33は、前記第1記憶部14と同様、HDD、CD、メモリカード等種々の記憶手段が用いられ、前記2次元スキャナユニット4aに対して着脱可能であってもよく、或は所要の通信手段を介して外部記憶装置にデータを送出可能としてもよい。
【0054】
前記操作入力部29は入力キーを有し、該操作入力部29から測定に必要な情報、データが前記主制御部28に入力される。前記表示部31には、前記操作入力部29からの入力情報、或は測定状況等が表示される。尚、前記操作入力部29はタッチパネルとし、表示部を兼用してもよい。この場合、前記表示部31は省略される。前記主制御部28は、前記操作入力部29からの入力情報、データに対応し、前記鉛直角制御部27、前記距離測定部21に制御信号を送出し、又前記接続器16を介して前記水平角制御部12に制御信号を送出する。
【0055】
而して、前記主制御部28は、前記2次元スキャナユニット4aの点群データ取得の為の制御を行うと共に、前記水平回転ユニット3の制御も実行し、前記2次元スキャナユニット4aによる鉛直方向の走査と前記水平回転ユニット3の水平方向の回転との協働により、2次元(水平、鉛直2方向)のスキャンが実行される。2次元のスキャンにより、前記鉛直角データ、前記水平角データ、前記測距データが取得でき、測定対象物の面に対応する3次元の点群データが取得できる。
【0056】
前記2次元スキャナユニット4aと前記水平回転ユニット3との協働により得られる測定データについて、水平回転に関する測定データ(以下、第1測定データ)は前記第1記憶部14に格納され、又前記2次元スキャナユニット4aで得られる測定データ(以下、第2測定データ)は前記第2記憶部33にそれぞれ個別に格納される。
【0057】
又、前記第1記憶部14に格納される前記第1測定データは、前記第1同期データ発生部13からの前記第1同期データと関連付けられており、前記第2記憶部33に格納される前記第2測定データは前記第2同期データ発生部32からの前記第2同期データと関連付けられている。
【0058】
前記第1測定データと前記第2測定データとの統合は、前記第1同期データと前記第2同期データに基づき行われる。
【0059】
次に、前記第1同期データ発生部13、前記第2同期データ発生部32について説明する。
【0060】
前記第1同期データ発生部13、前記第2同期データ発生部32は、前記水平回転ユニット3で取得した水平回転(水平角)のデータと、前記2次元スキャナユニット4aで取得した2次元の測定データとを時間的に一致させる為の同期データを作成するものである。
【0061】
同期データを作成する為の第1の方法としては、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aに、それぞれ図示しないGPS受信機を設置する。GPS受信機から得られるGPS週、GPS時間と1PPS信号を用いた時計を、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aそれぞれに具備させる。前記第1同期データ発生部13と前記第2同期データ発生部32は、それぞれGPS受信機からGPS週、GPS時間と1PPS信号を時刻信号(タイミング信号)として取得し、日付と時刻データ(タイミングデータ)とを含むタイミング信号を同期データとして出力する。
【0062】
又第2の方法としては、前記水平角制御部12、前記主制御部28は、それぞれ制御用の制御信号を発する為のクロック信号発生器を有している。従って、前記水平角制御部12と前記主制御部28それぞれは、前記クロック信号発生器が発するクロック信号に基づく時計を有している。
【0063】
前記第1同期データ発生部13、前記第2同期データ発生部32は、それぞれの時計から得られるタイミング信号に基づき同期信号を出力する。
【0064】
前記水平回転ユニット3の時計から前記接続器16を介し、同期信号が前記主制御部28に送られ、該主制御部28は前記2次元スキャナユニット4aの時計を前記水平回転ユニット3の時計に同期させる。前記第1同期データ発生部13、前記第2同期データ発生部32は、同期した日付とタイミングデータを同期データとして出力する。
【0065】
又、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aに、それぞれ時計を設け、該2次元スキャナユニット4aの時計から前記接続器16を介し、同期信号を前記水平角制御部12に送り、該水平角制御部12は、前記水平回転ユニット3の時計を前記2次元スキャナユニット4aの時計に同期し、前記第1同期データ発生部13と前記第2同期データ発生部32から同期した日付とタイミングデータが同期データとして出力される様にしてもよい。
【0066】
尚、同期データを日付と時刻(タイミング)と記したが、その他、前記第1記憶部14に保存される水平角データと、前記第2記憶部33に保存される鉛直角データ、測距データの同期照合ができればよく、専用の同期データ形式でもよい。
【0067】
以下、上記測量装置1の作動について説明する。
【0068】
該測量装置1をレーザスキャナとして使用する場合、前記水平回転ユニット3に前記2次元スキャナユニット4aを前記連結器15を介して取付ける。
【0069】
該連結器15は、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとを機械的に一体化すると共に前記2次元スキャナユニット4aの機械軸心と前記水平回転ユニット3の回転軸心とを合致させる。
【0070】
又、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとを組立てることで、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとは前記接続器16を介して電気的に接続される。
【0071】
前記水平回転ユニット3の回転に関する制御は、前記水平角制御部12が実行し、前記2次元スキャナユニット4aの制御、即ち前記距離測定部21による測距の制御、前記走査鏡24の回転の制御は、前記主制御部28が実行する。該主制御部28は、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aの統合制御を実行する。
【0072】
前記距離測定部21から測距光が発せられた状態で、前記走査モータ25により前記走査鏡24が前記鉛直回転軸22を中心に鉛直回転され、更に、前記水平回転ユニット3が前記水平回転モータ9により水平回転される。
【0073】
前記走査鏡24の鉛直回転と、前記水平回転ユニット3の水平回転の協働により、前記測距光は鉛直、水平の2方向に走査される。
【0074】
測距光の1パルス毎に、測距され、又1パルス毎に鉛直角と、測距光のパルス間隔、又は十分に補間できる間隔で水平角が検出される。1パルス毎の測距データ、鉛直角データ、水平角データを関連付けることで、各測定点の3次元データが取得される。更に、測距光が鉛直、水平の2次元に走査されることで、3次元の点群データが取得できる。
【0075】
上記した様に、前記水平回転ユニット3で取得した水平角データは前記第1記憶部14に格納され、前記2次元スキャナユニット4aで取得した、測距データ、鉛直角データは前記第2記憶部33に格納される。
【0076】
又、前記第1同期データ発生部13から出力された第1同期データと前記第2同期データ発生部32から出力される第2同期データとは、例えば同期した日付と時刻データ(タイミングデータ)であり、水平角データと、測距データ、鉛直角データとは、前記日付とタイミングデータに基づき関連付けられる。
【0077】
従って、前記第1記憶部14に格納されたデータと前記第2記憶部33に格納されたデータとを個別に取出し、他の外部データ処理装置、例えばPCに入力し、水平角データと測距データ、鉛直角データとで3次元データに変換することができる。
【0078】
尚、前記第1記憶部14に格納されたデータの測定が完了後、前記第2記憶部33に入力し、前記主制御部28によって3次元データに変換してもよい。
【0079】
上記した様に、前記水平回転ユニット3で取得した水平角データと前記2次元スキャナユニット4aで取得した2次元データはそれぞれ個別に前記第1記憶部14、前記第2記憶部33に格納される構成であり、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4a間の制御信号の授受は、前記接続器16を介して授受される同期信号のみであるので、前記水平回転ユニット3の制御系と前記2次元スキャナユニット4aの制御系を関連付ける必要がなく、回路構成を簡単にすることができる。
【0080】
上記した様に、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aとを連結する前記連結器15は、前記水平回転軸7の回転軸心と前記2次元スキャナユニット4aの機械軸心とを合致させる芯合せ機能も有するが、連結した状態の機械的精度を更に向上する為に以下の構成を追加することもできる。
【0081】
前記鉛直回転軸22の軸心と直交する方向及び平行な方向の2方向(即ち、水平2方向)の傾斜を検出するチルトセンサ(図示せず)を前記2次元スキャナユニット4aに設ける。前記水平回転ユニット3を前記整準ユニット2により整準し、該整準ユニット2が整準された状態、即ち前記水平回転軸7が鉛直の状態で、前記チルトセンサが水平を検出する様に、前記2次元スキャナユニット4aの取付け状態を補正する。該2次元スキャナユニット4aを水平に調整することで、該2次元スキャナユニット4aと前記水平回転ユニット3とは高精度に整準された状態を保持したまま連結される。
【0082】
前記2次元スキャナユニット4aは前記連結器15を介して切離すことができ、前記2次元スキャナユニット4a以外の測定ユニットを前記水平回転ユニット3に取付けることが可能である。
【0083】
第1の実施例では、前記表示部31、前記操作入力部29、前記主制御部28を前記2次元スキャナユニット4aに配設した構成としたが、前記表示部31、前記操作入力部29、前記主制御部28を前記水平回転ユニット3に設け、制御信号を前記水平角制御部12、前記接続器16を介し、前記鉛直角制御部27と前記距離測定部21へ送り制御する構成としてもよい。
【0084】
又、前記表示部31、前記操作入力部29、前記主制御部28を前記水平回転ユニット3に設けた場合、前記2次元スキャナユニット4aに加速度センサを具備し、前記水平回転ユニット3の水平角の動きを前記2次元スキャナユニット4aの前記加速度センサで検知し、該加速度センサの検知結果に基づき測定開始の制御を行う事により、前記接続器16を省略してもよい。
【0085】
尚、前記2次元スキャナユニット4aの前記筐体19にカメラを設け、或は、該筐体19内に前記走査鏡24を介して撮影するカメラを設け、カメラで取得した画像データと画像取得時の前記鉛直角データと、前記第2同期データ発生部32の第2同期データと関連付けて前記第2記憶部33に保存し、画像データ取得時の前記水平角データと前記第1同期データ発生部13の第1同期データとを関連付けて前記第1記憶部14に保存し、該第1記憶部14と前記第2記憶部33に保存されたデータを、図示しない記録媒体等を介し図示しない外部データ処理装置、例えばPCへ転送し、PCは前記第1同期データ、前記第2同期データを基に、前記水平角データと前記鉛直角データ、前記画像データを組合わせ、パノラマ画像を生成し、このパノラマ画像を基に、座標データの集合である点群データの各座標にRGBの色情報を付加することも可能である。
【0086】
図2に於いて、第2の実施例を説明する。
【0087】
第2の実施例は、トータルステーションの機能を有する測量装置1として構成された場合を示している。
【0088】
尚、
図2中、
図1中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
水平回転ユニット3には、連結器15を介し測定ユニット4として視準測距ユニット45が取付けられる。該視準測距ユニット45は、視準望遠鏡57を有し、所定の測定点を高精度に測距可能である。
【0090】
筐体47には凹部48が形成されている。前記筐体47に軸受49を介して鉛直回転軸51が回転自在に設けられる。
【0091】
前記鉛直回転軸51は、水平な軸心51aを有し、一端部は前記凹部48内に延出し、該一端部に望遠鏡部52が固着されている。又、前記鉛直回転軸51の他端部には鉛直角エンコーダ53が設けられている。
【0092】
前記鉛直回転軸51に鉛直モータ54が設けられ、該鉛直モータ54により前記鉛直回転軸51を回転し、該鉛直回転軸51の回転により前記望遠鏡部52は水平軸心を中心に回転する。
【0093】
前記望遠鏡部52の高低角(鉛直角)は、前記鉛直角エンコーダ53によって検出され、検出結果は鉛直角制御部55に入力される。該鉛直角制御部55は、前記鉛直角エンコーダ53の検出結果に基づき前記望遠鏡部52の鉛直角データを演算し、該鉛直角データに基づき前記鉛直モータ54をフィードバック制御する。
【0095】
該望遠鏡部52は、前記視準望遠鏡57を具備し、又距離測定部(図示せず)を内蔵している。該距離測定部は、
図1中に示した距離測定部21と距離測定原理は同じであるので説明を省略する。
【0096】
前記視準望遠鏡57の測距光軸は、前記軸心51a、軸心7aと直交し、且つ該軸心7aと前記測距光軸とは同一平面内に存在する様に設定されている。
【0097】
前記筐体47には、表示部58、操作入力部59が設けられ、更に主制御部61、第3同期データ発生部62、第3記憶部63が内蔵されている。
【0098】
前記操作入力部59から測定に必要な情報、データが前記主制御部61に入力される。
前記表示部58には、前記操作入力部59からの入力情報、或は測定状況等が表示される。尚、前記操作入力部59はタッチパネルとしてもよい。
【0099】
前記主制御部61は、前記操作入力部59からの入力情報、データに対応し、前記鉛直角制御部55、前記望遠鏡部52に制御信号を送出し、又接続器16を介して水平角制御部12に制御信号を送出する。
【0100】
前記第3同期データ発生部62は、前記視準測距ユニット45で取得した測定データと前記水平回転ユニット3で取得した水平角データとを関連付ける為の第3同期データを出力する。
【0101】
前記鉛直角制御部55により演算された前記鉛直角データと、前記望遠鏡部52で測定された測距データとは、前記主制御部61からの制御信号により前記第3記憶部63に送信される。該第3記憶部63では、前記鉛直角データと前記測距データと、前記第3同期データ発生部62からの前記第3同期データとを関連付けて保存する。
【0102】
前記鉛直角制御部55から出力される前記鉛直角データは、前記視準望遠鏡57が測定点を視準した状態の該視準望遠鏡57の高低角を検出し、前記鉛直角制御部55を経て前記第3記憶部63に入力される。
【0103】
前記視準測距ユニット45は、前記視準望遠鏡57で所定の測定点を視準した状態で、該測定点の測距と鉛直角の測定を行う。従って、前記視準測距ユニット45では、測定点の2次元データ(即ち、2次元座標)が取得できる。
【0104】
以下、トータルステーションとして構成される第2の実施例の測量装置1の作動について説明する。
【0105】
前記水平回転ユニット3の水平回転、前記望遠鏡部52の鉛直回転の協働により、前記視準望遠鏡57が測定点に向けられ、該視準望遠鏡57により所定の測定点が視準される。該視準望遠鏡57を介して測距光が、測定点に照射され、測定点の測距が実行される。
測距データは前記第3記憶部63に入力され、該第3記憶部63に格納される。
【0106】
又、測定点を視準したときの、鉛直角が前記鉛直角エンコーダ53及び前記鉛直角制御部55によって検出され、該鉛直角制御部55は鉛直角データを前記第3同期データ発生部62から出力される第3同期データに関連付けて前記第3記憶部63に格納する。
【0107】
水平角が水平角エンコーダ11及び前記水平角制御部12により検出され、水平角データは、第1同期データ発生部13から出力される第1同期データに関連付けられて、第1記憶部14に格納される。
【0108】
尚、前記第1同期データと前記第3同期データとは、第1の実施例と同様、前記主制御部61によって同期が取られている。
【0109】
而して、測定後、前記第1記憶部14に格納された前記水平角データと前記第3記憶部63に格納された前記測定データとを、前記第1同期データと前記第3同期データとに基づき関連付けることで、測定点の3次元データ(即ち、3次元座標)を取得することができる。従って、前記測量装置1は、トータルステーションとして測定が行える。
【0111】
第3の実施例は、トータルステーションの機能、レーザスキャナの機能を有する測量装置1として構成された場合を示している。
【0112】
尚、
図3中、
図1及び
図2中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0113】
水平回転ユニット3の上面に連結器15を介して視準測距ユニット45を搭載する。前記水平回転ユニット3と前記視準測距ユニット45とは、接続器16によって電気的に接続される。
【0114】
更に、前記視準測距ユニット45の上面に連結器15′を介して2次元スキャナユニット4aが搭載される。前記連結器15′は前記連結器15と同等の構造となっており、前記連結器15′は前記視準測距ユニット45と前記2次元スキャナユニット4aとを連結すると共に前記視準測距ユニット45と前記2次元スキャナユニット4aとの芯合せも行う。又、前記視準測距ユニット45と前記2次元スキャナユニット4aとは接続器16′によって電気的にも接続される。
【0115】
第3の実施例では、測定の態様に応じて、前記視準測距ユニット45と前記2次元スキャナユニット4aとが選択されて使用される。
【0116】
トータルステーションとして所定の測定点を測定する場合は、前記水平回転ユニット3と前記視準測距ユニット45が使用される。
【0117】
前記水平回転ユニット3で取得した水平角データは、第1同期データ発生部13が取得する第1同期データに関連付けられて第1記憶部14に格納される。又、前記視準測距ユニット45で取得された測定データ(測距データ、鉛直角データ)は、第3同期データ発生部62が出力する第3同期データに関連付けられて第3記憶部63に格納される。
【0118】
前記水平角データと前記測定データとは、前記第1同期データと前記第3同期データに基づき測定点の3次元データに変換される。
【0119】
次に、レーザスキャナとして、測定対象物の測定を行う場合は、前記水平回転ユニット3と前記2次元スキャナユニット4aが使用される。
【0120】
前記水平回転ユニット3で取得した前記水平角データは、前記第1同期データ発生部13が取得する前記第1同期データに関連付けられて前記第1記憶部14に格納される。又、前記2次元スキャナユニット4aで取得された2次元点群データは、第2同期データ発生部32が出力する第2同期データに関連付けられて第2記憶部33に格納される。
【0121】
前記水平角データと前記2次元点群データとは、前記第1同期データと前記第2同期データに基づき3次元点群データに変換される。
【0122】
而して、1台の測量装置1により、所定点の精密測定が行え、測定対象物の点群データの取得ができる。
【0123】
図4は第4の実施例を示している。
図4中、
図1中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0124】
第4の実施例では、既存のトータルステーション65に、2次元スキャナユニット4aを搭載した場合を示している。
【0125】
前記トータルステーション65は、鉛直軸心を中心に水平回転可能な托架部66、該托架部66に鉛直回転軸67を中心として鉛直方向に回転可能に設けられた望遠鏡部68を具備している。即ち、前記トータルステーション65は、水平回転機構部(水平回転ユニット)と鉛直回転機構部とを具備している。
【0126】
又、前記托架部66には、主制御部、記憶部、同期データ発生部(いずれも図示せず)等、制御系が内蔵され、前記望遠鏡部68には測距部(図示せず)が内蔵されている。
【0127】
前記トータルステーション65(即ち、前記托架部66)の上面に連結器15を設け、該連結器15を介して前記2次元スキャナユニット4aを搭載する。該2次元スキャナユニット4aを搭載した状態では、前記トータルステーション65の水平方向の回転軸心(鉛直軸心)と前記2次元スキャナユニット4aの機械軸心とは合致する。
【0128】
尚、前記托架部66は、
図1で示す水平回転ユニット3の水平回転体6に相当し、前記托架部66と、該托架部66を水平方向に回転する駆動部(図示せず)とは、水平回転ユニットを構成する。
【0129】
又、前記2次元スキャナユニット4aと前記トータルステーション65とは、接続器16によって電気的に接続される。
【0130】
前記2次元スキャナユニット4aと前記トータルステーション65とが電気的に接続されることで、前記トータルステーション65に内蔵される制御回路(図示せず)からの同期信号が主制御部28に入力される。
【0131】
前記トータルステーション65によって所定点の測定が実行されている状態では、前記2次元スキャナユニット4aは休止している。
【0132】
レーザスキャナとして測定を行う場合は、前記トータルステーション65の制御回路が発する制御信号に基づき第4同期データが作成され、該第4同期データと前記トータルステーション65が取得する水平角データとが関連付けられて、前記トータルステーション65の記憶部に格納される。
【0133】
前記2次元スキャナユニット4aは、2次元の点群データを取得し、該点群データは第2同期データ発生部32が出力する第2同期データに関連付けられて第2記憶部33に格納される。
【0134】
前記トータルステーション65からの制御信号は、前記接続器16を介して前記主制御部28に入力され、制御信号に基づき前記第4同期データと前記第2同期データとの同期が取られる。従って、前記トータルステーション65で取得した前記水平角データ、前記2次元スキャナユニット4aで取得した前記2次元点群データは、前記第4同期データと前記第2同期データに基づき3次元点群データに変換される。
【0135】
従って、前記トータルステーション65に前記2次元スキャナユニット4aを搭載することで、3次元スキャナとして測定が行える。
【0136】
第4の実施例では、既存のトータルステーションの水平駆動機構を利用し、2次元スキャナユニットにより、3次元スキャナとして構成できるので、別途3次元スキャナを設備する場合に比べ安価で、而もトータルステーションと3次元スキャナとが一体化され、個別に取扱う必要が無く、利便性が向上する。
【0137】
尚、前記2次元スキャナユニット4aの筐体19にカメラを設け、或は、該筐体19内に走査鏡24を介して撮影するカメラを設け、カメラで取得した画像データと画像取得時の前記鉛直角データと、前記第2同期データ発生部32の前記第2同期データとを関連付けて前記第2記憶部33に保存し、画像データ取得時の前記水平角データと前記第4同期データとを関連付けて前記トータルステーション65の図示しない記憶部に保存し、該トータルステーション65の記憶部と前記第2記憶部33に保存されたデータを、図示しない記録媒体等を介し図示しないPCへ転送し、PCは前記第4同期データ、前記第2同期データを基に、前記水平角データと前記鉛直角データ、画像データを組合わせ、パノラマ画像を生成し、このパノラマ画像を基に、座標データの集合である点群データの各座標にRGBの色情報を付加することも可能である。