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特開2016-2238623Dモデル作成用計測装置およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223862(P2016-223862A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】3Dモデル作成用計測装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/20 20060101AFI20161205BHJP
   G01B 21/00 20060101ALI20161205BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20161205BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   G01B21/20 101
   G01B21/00 E
   G01B11/00 H
   G01B11/24 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-109250(P2015-109250)
(22)【出願日】2015年5月29日
【新規性喪失の例外の表示】申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100087826
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100168088
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100166327
【弁理士】
【氏名又は名称】舟瀬 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 隆
【テーマコード(参考)】
2F065
2F069
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA39
2F065AA53
2F065DD02
2F065FF04
2F065FF63
2F065GG04
2F065HH04
2F065JJ05
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065MM02
2F065MM25
2F065PP01
2F065QQ23
2F065QQ31
2F065UU03
2F069AA04
2F069AA66
2F069AA83
2F069DD27
2F069GG07
2F069GG41
2F069HH15
2F069JJ04
2F069JJ10
2F069MM04
(57)【要約】
【課題】カメラとスキャナに双方が映り込むことなく広範囲にデータを取得でき、かつ小型化を図った3Dモデル作成用計測装置およびそのシステムを提供する。
【解決手段】3Dモデル作成用計測装置(1)は、装置の慣性データを計測する慣性計測装置(30)と、上方および側方の空間の画像を取得する全方位カメラ(10)と、周方向に360度走査するスキャナ(20)と、を備え、前記慣性計測装置の上方に前記全方位カメラが配置され、前記全方位カメラの斜め上方に前記スキャナが配置された。これにより、全方位カメラとスキャナが双方の死角に位置するため、カメラとスキャナに双方が映り込むことなく広範囲にデータを取得でき、かつ小型化が図れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の慣性データを計測する慣性計測装置と、
上方および側方の空間の画像を取得する全方位カメラと、
周方向に360度走査するスキャナと、を備え、
前記慣性計測装置の上方に前記全方位カメラが配置され、前記全方位カメラの斜め上方に前記スキャナが配置されたことを特徴とする3Dモデル作成用計測装置。
【請求項2】
前記スキャナは、前記全方位カメラの上方カメラの視野角および側方カメラの視野角の外に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の3Dモデル作成用計測装置。
【請求項3】
前記スキャナは前記全方位カメラの頭部に固定されたことを特徴とする請求項2に記載の3Dモデル作成用計測装置。
【請求項4】
前記スキャナは、その回転軸が鉛直方向から約45度の傾斜で配置されたことを特徴とする請求項3に記載の3Dモデル作成用計測装置。
【請求項5】
装置の慣性データを計測する慣性計測装置と、前記慣性計測装置の上面に固定され、上方および側方の空間の画像を取得する全方位カメラと、前記全方位カメラの頭部後方に斜め上方に向けて固定された、周方向に360度走査する、一のスキャナと、を備える計測装置と、
前記計測装置をルーフ後方に固定した車両と、
を有することを特徴とする3Dモデル作成システム。
【請求項6】
前記計測装置は、側面に傾斜部を有する台座を有し、前記傾斜部を係合する爪状のアームを有する架台を使用して前記車両に固定されることを特徴とする請求項5に記載の3Dモデル作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測量、計測、またはモバイルマッピングシステムの分野において、地理空間の三次元モデルを作成するための計測装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
3Dモデル作成用計測装置は、カメラ、スキャナ、および自身の傾きや加速度等の慣性データを計測する慣性計測装置を備える。3Dモデル作成システムは、この計測装置を移動させながら、地理空間の画像データおよび点群データを取得し、点群データをカメラ画像に合成することで、地理空間の三次元モデルを作成する。
【0003】
このため、3Dモデル作成用計測装置は、広範囲を撮像するために、カメラやスキャナを複数搭載するのが一般的であり、また、カメラとスキャナに他方が映り込まないレイアウトが求められる。例えば非特許文献1の3Dモデル作成用計測装置では、下方に一次元レーザスキャナが周方向に複数台配置され、その上に慣性計測装置が配置され、その上に複数のカメラを一体にした全方位カメラが配置されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"IP-S2 Standard+"、[online]、株式会社トプコン、[2015年5月8日検索]、インターネット[URL;http://www.topcon.co.jp/positioning/products/pdf/IP-S2_Standard-plus_J.pdf]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の理由から、3Dモデル作成用計測装置は、装置として大型化する傾向があった。また、3Dモデル作成用計測装置は移動しながら使用されるため、大型であると移動体への取り付け作業も困難であった。
【0006】
本発明は、前記問題を解決しようとするものであり、カメラとスキャナに双方が映り込むことなく広範囲にデータを取得でき、かつ小型化を図った3Dモデル作成用計測装置およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のある態様に係る3Dモデル作成用計測装置は、装置の慣性データを計測する慣性計測装置と、上方および側方の空間の画像を取得する全方位カメラと、周方向に360度走査するスキャナと、を備え、前記慣性計測装置の上方に前記全方位カメラが配置され、前記全方位カメラの斜め上方に前記スキャナが配置される。
【0008】
上記態様において、前記スキャナは、前記全方位カメラの上方カメラの視野角および側方カメラの視野角の外に配置されるのが好ましい。
【0009】
上記態様において、前記スキャナは前記全方位カメラの頭部に固定されるのが好ましい。
【0010】
上記態様において、前記スキャナは、その回転軸が鉛直方向から約45度の傾斜で配置されるのが好ましい。
【0011】
本発明のある態様に係る3Dモデル作成システムは、装置の慣性データを計測する慣性計測装置と、前記慣性計測装置の上面に固定され、上方および側方の空間の画像を取得する全方位カメラと、前記全方位カメラの頭部後方に斜め上方に向けて固定された、周方向に360度走査する、一のスキャナと、を備える計測装置と、前記計測装置をルーフ後方に固定した車両と、を有する。
【0012】
上記態様において、前記計測装置は、側面に傾斜部を有する台座を有し、前記傾斜部を係合する爪状のアームを有する架台を使用して前記車両に固定されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、カメラとスキャナに双方が映り込むことなく広範囲にデータを取得でき、かつ小型化を図った3Dモデル作成用計測装置およびそのシステム提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態に係る計測装置の斜視図である。
図2図1の計測装置の視野範囲を示す図である。
図3】実施の形態に係る3Dモデル作成システムの概略構成図である。
図4図3のシステムのブロック図である。
図5図3のシステムの固定具を含む斜視図である。
図6図5の固定具を延長した状態の斜視図である。
図7図5の固定具を縮めた状態の斜視図である。
図8図5の固定具の要部の斜視図である。
図9図5の固定具の要部の分解斜視図である。
図10図5の固定具の要部の右側面図である。
図11】計測装置の変形例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
(計測装置の実施形態)
図1において、符号1は、本形態に係る3Dモデル作成用計測装置(以下、単に計測装置とする)である。計測装置1は、全方位カメラ10と、スキャナ20と、慣性計測装置30とを有する。なお、図中において、矢印Fが前方向、矢印Bが後方向、矢印Lが左方向、矢印Rが右方向、矢印Uが上方向、矢印Dが下方向を示している。なお、図1において、符号32は計測装置1を持ち運ぶ際の取手である。符号52は、後述する、計測装置1を移動体に取り付けるための台座である。
【0017】
全方位カメラ10は、該カメラ10の側方全周(360度)の画像を取得するための側方カメラ11と、上方の画像を取得するための上方カメラ12を有する。本形態では、側方カメラ11が正五角形状に5つ、上方カメラ12が1つ備えられ、これらが一体のユニットとなっている。側方カメラ11および上方カメラ12は、デジタルカメラ等であり、撮像素子としてCCDやCMOSセンサ等のイメージセンサを備えており、取得した画像データはデジタル信号として出力され、撮像素子中の画素の座標を特定でき、動画像および静止画像として取得可能である。各側方カメラ11は上下方向視野角θ11を有し、上方カメラ12は前後方向視野角θ12を有している。なお、側方カメラ11および上方カメラ12の数は、カメラの視野角により変更されてよい。
【0018】
スキャナ20は、複数本のレーザビームを回転走査する回転式レーザスキャナ(例えばベロダイン社(Velodyne)のHDL―32eレーザスキャナ)であり、上下方向視野角θ20で周方向360度の点群データを取得する。
【0019】
慣性計測装置30は、いわゆるIMUユニットであり、キューブ31内に3軸ジャイロと3方向の加速度計を有し、3次元の角速度と加速度を取得する。
【0020】
全方位カメラ10は、慣性計測装置30のキューブ31の上面にねじ留め固定されている。スキャナ20は、その回転軸21が鉛直方向から後方に45度傾斜(図2も参照)するように、全方位カメラ10の頭部13の後方にねじ留め固定されている。なお、全方位カメラ10およびスキャナ20の固定方法は、ネジ留め以外の他の方法であってもよい。
【0021】
次に、上記のレイアウトが好適である理由を説明する。図2に示すように、全方位カメラ10の側方カメラ11は上下方向視野角θ11、上方カメラ12は、前後方向視野角θ12で画像データを取得可能である。視野角θ11および視野角θ12は、90°〜110°程である。スキャナ20は上下方向視野角θ20で点群データを取得可能である。垂直視野角θ20は、40°〜50°程である。
【0022】
このように、第1に、スキャナ20を全方位カメラ10の斜め上方に配置したことで、スキャナ20の位置は側方カメラ11および上方カメラ12の死角となり、側方カメラ11の画像にも上方カメラ12の画像にもスキャナ20の像が映りこむのを回避できる。同時に、全方位カメラ10の位置もスキャナ20の死角となるので、スキャナ20の取得データにカメラ10の像が映りこむのを回避できる。また、慣性計測装置30は、全方位カメラ10の真下に配置したので、全方位カメラ10およびスキャナ20に慣性計測装置30の像が映りこむのも回避できる。
【0023】
第2に、スキャナ20は、上述のように全方位カメラ10の斜め上方のエリアであれば全方位カメラ10から所定距離離した位置に配置してもよいが、スキャナ20を全方位カメラ10に近づけて配置するほど、全方位カメラ10にスキャナ20の像が映りこむのを回避できる。このため、スキャナ20は全方位カメラ10の頭部13に直接固定し、スキャナ20の走査部と全方位カメラ10の距離を縮めて配置するのがより好ましい。
【0024】
第3に、スキャナ20は、上述のように全方位カメラ10の斜め上方に向けて固定すればよいが、その回転軸21を鉛直方向から45°±15°の傾斜とすると、画像合成後の結果物に、全方位カメラ10およびスキャナ20の像の映り込みが生じない(目視上生じない)ことが確認されたため、最も好ましい。
【0025】
このように、計測装置1は、上記のレイアウトを採ることで、全方位カメラ10とスキャナ20の双方で互いの映り込みによるデータの損失が免れ、効率の良いデータ収集をすることができる。かつ、従来(非特許文献の計測装置など)と比して、小型に構成することができる。
【0026】
(3Dモデル作成システムの実施形態)
本形態は、第1の実施形態で説明した計測装置1を、車両40に搭載した場合の3Dモデル作成システム100(以下、単にシステム100とする)の例である。第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を引用する。図3および図4に示すように、システム100は、計測装置1と、同期制御装置101と、演算装置102と、車両40を有する。
【0027】
本形態での計測装置1は、全方位カメラ10の頭部13の前方の斜め上方に、車両40の位置情報を取得するためのGNSSアンテナ41が固定されている。車両40には、ホイールエンコーダ42が設けられている。
【0028】
全方位カメラ10、スキャナ20、慣性計測装置30、およびGNSSアンテナ41を有する計測装置1は、ケーブル等を介して同期制御装置101に接続されている。同期制御装置101は、全方位カメラ10による画像データ取得時刻、スキャナ20による点群データ取得時刻、および慣性計測装置による慣性データ取得時刻を同期させる。同期制御装置101は、PC(パーソナルコンピュータ)などの演算装置102に有線/無線により接続されている。演算装置102は、同期制御装置101により時刻に基づき関連付けされたカメラ画像に点群データを合成して、3Dモデルを演算する。この演算は、例えば、全方位カメラ10で取得した画像について特徴点を抽出する画像処理、動画像データ中の特徴点を用いてトラッキングを行う処理、写真測量を行うための処理、画像中から既知の長さを抽出して寸法補正する処理、などを行う。GNSSアンテナ41およびホイールエンコーダ42での検出データは、ケーブル等を介して同期制御装置101に送られ、時刻を同期される、演算装置102は、GPS上の移動距離とホイールの回転速度から得られる移動距離との差異を常に比較して、正確な移動距離が計測し、3Dモデル演算に使用する。
【0029】
同期制御装置101と演算装置102は、車内の作業者の手元に置かれる。計測装置1は、車両40のルーフの後方に固定される。システム100のように、移動体として車両40を使用する場合は、計測装置1は、ルーフなど車両40の上方かつその後方に固定し、計測装置1の後方にスキャナ20が配置されるように固定することで、全方位カメラ10およびスキャナ20に車両40の像が映り込むのを回避でき、かつ広範囲にデータを取得できる。
【0030】
次に、計測装置1を車両40に固定するための好適な構成を、図5図10を参照して説明する。図5に示すように、計測装置1は、マウント51と、台座52と、架台53により車両40に固定される。
【0031】
図6図7に示すように、マウント51は、取付ベース部511、スライド部512、クランプ部513を有する。図6はスライドを延長させた状態、図7はスライドを縮めた状態である。取付ベース部511は、二本のベースバーと二本のスライドベースを有している。ベースバーは、ルーフ上の梯子等を挟持してネジ留めできるようになっている。スライドベースは、このベースバーに担持されており、略中央位置にクランプ部513を有している。スライド部512は、後方のレール端部に架台53が取り付けられており、クランプ部513のレバーによる締め/緩めにより、前後にスライド可能である。スライド部512には、前後二箇所の所要位置に位置決めリブ514が形成されており、取付ベース部511に設けられた位置決めピン515と係合して、前後方向の位置決めが成されるようになっている。
【0032】
図8図10に示すように、計測装置1は、マウント51に対し、台座52および架台53を利用して固定される。台座52は、予め計測装置1の下面に固定されている(図1も参照、図8図10では計測装置1の記載は省略している)。台座52の左右側面は、上面から下面にかけて側方に延出する傾斜部521が形成されており、架台53のアーム532と係合するようになっている。台座52の前側面には、後述する突出ピン534に対応する位置に、後方側に窪む凹部522が形成されている。
【0033】
架台53は、台530と、取手531と、アーム532と、アームクランプ533と、突出ピン534と、位置決めピン535を有する。
【0034】
取手531は、台530から斜め下後方に延び、固定具50のスライド操作に使用される。アーム532は、台530の左右側面から上方に突出しており、その内側面は、爪状、すなわち基端部から先端部にかけて内側に延出する傾斜が形成されており、台座52の傾斜部521と係合するようになっている。アームクランプ533は、本形態では右のアーム532に設けられているが、左または両側に設けられていてもよい。突出ピン534は、その上端が台530の上面から突出し、台530の下方にはバネ部5340が設けられている。突出ピン534は、台530の前後左右の4箇所に設けられており、台座52を前後左右に位置決めする。位置決めピン535は、台530の上面に、前方側の突出ピン534より前方の位置に設けられており、台座52の裏面に形成された位置決め部(図示略)と係合する。
【0035】
固定作業においては、まず、スライド部512上の架台53に、計量装置1を固定する。その際、架台53の位置決めピン535および突出ピン534をガイドにして計測装置1を架台53に載せると、計測装置1の自重によりバネ部5340が縮み突出ピン534が上方に延長するので、台座52が架台53に前後左右方向に確実に位置決めされる。アームクランプ533を手で締め込むことで、台座52が架台53に固定される。次に、スライド部512を取付ベース部511に嵌め、クランプ部513で固定する。このように、計測装置1は、全工程において手動で車両40に取り付けることができる。計測を行うときは、図6のようにスライドを延長した状態で計量装置1を固定し、計測を行わない時は、図7のようにスライドを縮めた状態で計量装置1を固定して使用するのが好適である。
【0036】
また、計測装置1を車両40から下ろす際は、スライド部512を取付ベース部511から外した後、アームクランプ533を緩めると、バネ部5340の付勢力で台座52が押し上げられ、計測装置1は架台53から容易に外れるので、計測装置1は、車両40からの取り外しも容易である。また、このようにして、システム100に関わるものは全て車両40から取り外すことができるので、システム100に関わるものは持ち運ぶことが可能であり、また、車両40はシステム100のための専用車とする必要はなく、システム100は汎用の車に後付けすることができる。
【0037】
(変形例)
次に、上記の実施形態の好適な変形例について示す。
【0038】
計測装置1で、スキャナ20を、図11に示すように、全方位カメラ10の頭部13の後方側に、斜め上方に向けて、左右一対に二つ設けるのも好ましい。これにより、上記した実施形態と同様に全方位カメラ10とスキャナ20の双方で互いの映り込みを回避した状態で、より広範囲のデータ収集が可能となる。
【0039】
また、計測装置1を移動させる移動体は、車両40に限らず、台車、飛行物、船舶、自転車、または無人搬送機などであってもよい。
【0040】
また、スキャナ20は、全方位カメラ10の頭部13の後方に固定されているが、頭部13の周方向のどの位置に取りつけられていても、上記と同様の効果を備える。すなわち、移動体の種類や、その移動方向に応じて、スキャナ20の固定位置は変更されてよい。例えば、計測装置1の移動体への取り付け位置が移動体の前方側であれば、スキャナ20を全方位カメラ10の頭部13の前方側にレイアウトすれば、移動体の像が全方位カメラ10とスキャナ20に映りこむことなく、システムを構築することができる。
【0041】
また、計測装置1は、全方位カメラ10にスキャナ20を固定する構成であり、慣性計測装置30にて常に自身の位置情報を取得できる構成であるため、組立にバラツキが生じても、装置組立後にキャリブレーション(校正)を行い、位置情報を元にソフトウェア上で組立誤差分を補正することができる。また、計測装置1は、移動体に固定して使用されるため振動耐久性が求められるが、慣性計測装置30にて自身の正確な位置情報を把握できるため、強度的にわざと撓む構造を採用して振動に備えてもよい。
【0042】
以上、好ましい実施の形態について述べたが、これら以外にも、各形態および各変形を当業者の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1 計測装置
10 全方位カメラ
11 側方カメラ
12 上方カメラ
13 カメラ頭部
θ11 θ12 カメラ視野角
20 スキャナ
21 スキャナ回転軸
θ20 スキャナ視野角
30 慣性計測装置
40 車両
41 GNSSアンテナ
42 ホイールエンコーダ
52 台座
521 傾斜部
53 架台
532 アーム
図1
図2
図3
図4
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図5