【解決手段】衛星から受信した衛星信号に基づいて、車両2の現在位置を算出する絶対位置・方位検出部112と、自立航法に基づいて車両2の現在位置を算出する相対方位検出部120と、車両が直進しているか否かを判定する直進判定部203と、直進判定部203により車両2が直進していると判定される場合に、相対方位検出部120により算出された現在位置を、車両2の現在位置として選択する位置特定部204とを備える。
前記位置検出部は、前記第1算出部の算出する前記車両の現在位置と、前記第2算出部の算出する前記車両の現在位置とが、予め設定された距離以上離れている場合であって、前記直進判定部により前記車両が直進していると判定された場合に、前記第2算出部により算出された現在位置を、前記車両の現在位置として選択する、ことを特徴とする請求項1記載の位置算出装置。
前記位置検出部は、前記直進判定部により前記車両が直進していないと判定された場合に、前記第1算出部により算出された現在位置を、前記車両の現在位置として選択する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の位置算出装置。
前記直進判定部は、前記車両に搭載された撮影部により撮影された、前記車両の進行方向の撮影画像に基づいて、前記車両が直進しているか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の位置算出装置。
前記直進判定部は、前記車両に搭載された操舵角センサにより検出された、ステアリングの操舵角に基づいて、前記車両が直進しているか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の位置算出装置。
前記位置検出部は、前記第1算出部の算出する前記車両の現在位置と、前記第2算出部の算出する前記車両の現在位置とが、予め設定された距離以上離れている場合であって、前記直進判定部により前記車両が直進していると判定された場合に、前記第2算出部により算出された現在位置を、前記車両の現在位置として選択する、ことを特徴とする請求項7記載の位置算出システム。
前記選択ステップは、前記第1算出ステップで算出される前記車両の現在位置と、前記第2算出ステップで算出される前記車両の現在位置とが、予め設定された距離以上離れている場合であって、前記直進判定ステップにより前記車両が直進していると判定された場合に、前記第2算出ステップにより算出された現在位置を、前記車両の現在位置として選択する、ことを特徴とする請求項9記載の位置算出方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。
図1は、車載システム(位置算出システム)1のシステム構成図である。この車載システム1は、車両側装置と、位置算出装置としてのナビゲーション装置100とを備える。車両側装置は、カメラECU11及びカメラ(撮影部)21と、ステアリングECU12及び操舵角センサ22と、車速センサ13と、ヨーレートセンサ14とを備える。車両側装置のそれぞれと、ナビゲーション装置100とは通信バス10に接続され、通信バス10を介して相互に通信可能な構成である。通信バス10には、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)、Flex Ray、IEEE1394、車載Ethernet(登録商標)等の規格に対応したバスである。
【0010】
カメラECU11は、例えばCPU、ROM、RAM及びそれらを相互に接続するデータバスと入出力インターフェースとを備える。また、カメラECU11には、カメラ21が接続される。カメラ21は、例えば、車室内のフロントガラス上部から車外を見渡す位置に配置され、カメラECU11の制御によりフロントガラス越しに車外(車両2の前方)を撮影する。カメラECU11は、カメラ21の撮影画像を取得して、取得した撮影画像を、通信バス10を介してナビゲーション装置100に送信する。
【0011】
ステアリングECU12は、例えばCPU、ROM、RAM及びそれらを相互に接続するデータバスと入出力インターフェースとを備える。また、ステアリングECU12には、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ22が接続される。ステアリングECU12は、操舵角センサ22により検出された操舵角を表すセンサデータをナビゲーション装置100に送信する。
【0012】
車速センサ13は、車両2の車速を検出して、検出した車速を表すセンサデータをナビゲーション装置100に送信する。ヨーレートセンサ14は、車両にかかるヨーレートを検出し、検出したヨーレートを表すセンサデータをナビゲーション装置100に送信する。
【0013】
ナビゲーション装置100は、ユーザの操作に従って、地図の表示、地図における車両2の現在位置の表示、目的地までの誘導経路の探索、及び探索した誘導経路の案内を行う経路案内等の機能を備える。ナビゲーション装置100は、車両のダッシュボード等に固定されてもよいし、車両に対し着脱可能なものであってもよい。
【0014】
図2は、ナビゲーション装置100の構成を示す機能ブロック図である。
ナビゲーション装置100は、GPSアンテナ111、絶対位置・方位検出部(第1算出部)112、相対方位検出部(第2算出部)120、バストランシーバ130、記憶部140、無線通信部151、操作部160、表示部170、音声出力部181及びスピーカ182を備える。
【0015】
絶対位置・方位検出部112は、GPSアンテナ111及び制御部200に接続される。絶対位置・方位検出部112は、GPS衛星から送信されるGPS電波をGPSアンテナ111により受信し、受信したGPS電波に重畳されたGPS信号(衛星信号)に基づいて、車両2の現在位置を示す位置座標及び進行方向を演算する。絶対位置・方位検出部112は、演算により求めた車両2の現在位置を示す情報(以下、第1自車位置情報という)を制御部200に出力する。
【0016】
相対方位検出部120は、ジャイロセンサ及び加速度センサ(ともに不図示)を備える。ジャイロセンサは、例えば、車両2の角度や角速度を検出する。加速度センサは、車両2に作用する加速度を検出する。相対方位検出部120は、ジャイロセンサ及び加速度センサの測定値や、車速センサ13により測定された車速を用いて、自立航法により車両2の現在位置を演算する。相対方位検出部120は、演算により求めた車両2の現在位置を示す情報(以下、第2自車位置情報という)を制御部200に出力する。
【0017】
バストランシーバ130は、通信バス10のインターフェース用IC(Integrated Circuit)である。
【0018】
記憶部140は、ハードディスクや、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性記憶装置を備え、データを書き換え可能に記憶する。記憶部140は、制御プログラムのほか、地図データ141を記憶する。地図データ141は、交差点やその他の道路網上の結線点を示すノードに関する情報や、ノードとノードとの道路区間を示すリンクに関する情報、地図上の行政区画や、道路、施設、交差点等の名称に関する情報を有する。
【0019】
無線通信部151は、制御部200の制御により、所定の通信規格に準拠して、インターネット等のネットワークにアクセスし、ネットワークに接続された外部機器と通信する。外部機器には、例えば、道路交通情報を提供するサーバが含まれ、無線通信部151は、ネットワークに接続して、サーバから道路交通情報を取得する。
【0020】
操作部160は、操作ボタン161に加え、表示パネル171に重ねて配設されたタッチパネル162を備える。ユーザが表示パネル171に表示された各種ボタン表示に指などで触れた場合、タッチパネル162の触れた箇所を示す信号が制御部200に入力される。なお、操作部160の操作と同一の操作を、ステアリングに設けられたステアリングコントローラによりできるようにしてもよい。
【0021】
表示部170は、表示パネル171を備える。表示パネル171には、例えば液晶ディスプレイパネルやEL(Electro Luminescent)ディスプレイパネル等が用いられる。表示部170は、制御部200によって生成されたグラフィックスデータに基づいて表示パネル171に画像表示用の信号を送り、表示パネル171の表示領域にグラフィックスデータに基づく画像を表示させる。すなわち、表示パネル171には、道路、文字及び背景等を含む地図画像に、車両2の現在位置を示すマークや、案内経路等の画像が重ねて表示された誘導画面が表示される。
【0022】
音声出力部181は、図示しないD/Aコンバータ、アンプ等を備え、制御部200から出力される経路案内用の音声データ信号をディジタル/アナログ変換してアンプにより増幅し、スピーカ182より車室内に音声出力する。
【0023】
制御部200は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に各種処理プログラムを記憶するROM、ワーキングメモリとしてのRAM、データを保持するNVRAM、データの入出力を行う入出力ポート等を備える。
また、制御部200は、機能部としてナビゲーション処理部201、表示制御部202、直進判定部203及び位置特定部(位置検出部)204を備える。これら各機能部は、記憶部140に記憶された制御プログラムをRAMにロードしてCPUが実行することで実現可能である。
【0024】
ナビゲーション処理部201は、操作部160により受け付けた経路探索の条件と、位置特定部204により判定された車両2の現在位置と、記憶部140が記憶する地図データ141とに基づき、最適な案内経路を探索する。具体的には、ナビゲーション処理部201は、出発地又は現在位置に対応する道路のノードから、目的地に対応するノードに至るまでのリンクをダイクストラ法等の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間を累積して、総リンク長(走行距離)又は総所要時間が最短となる経路を案内経路として探索する。
【0025】
表示制御部202は、表示部170の表示を制御する。
表示制御部202は、例えば、ナビゲーション処理部201から入力される地図データ141(道路データ)に、車両2の現在位置や経由地、目的地、案内経路、施設位置、文字及び背景等が重ねて表示されたグラフィックスデータを生成する。また、表示制御部202は、ユーザの指示を受け付けるためのメニュー画面や、操作ボタン等の画像を描画するためのグラフィックスデータを生成する。表示制御部202により生成されたグラフィックスデータは、図示しないメモリ等に一旦格納され、表示部170によって読み出されて表示パネル171に表示される。
【0026】
直進判定部203は、車両2が直進状態にあるか否かを判定する。
直進判定部203は、カメラ21の撮影画像に対して画像処理を施して、車両2が直進状態にあるか否かを判定する。この画像処理は、撮影画像から特定のオブジェクトを検出する処理である。直進判定部203は、複数の撮影画像から検出した同一のオブジェクトの撮影画像の中心からの距離の変化に基づいて車両2が直進状態にあるか否かを判定する。直進判定部203は、複数の撮影画像から、例えば、車両2の前方の車線(白線)をオブジェクトとして検出する。直進判定部203は、複数の撮影画像における、オブジェクトの撮影画像の中心からの距離の変化に基づいて、車両2が直進状態にあるか否かを判定する。
また、直進判定部203は、車両2に搭載された車速センサ13や、ヨーレートセンサ14によって測定されたセンサデータを取得して、取得したセンサデータに基づいて車両2が直進状態にあるか否かを判定してもよい。例えば、直進判定部203は、車速センサ13により測定される車速が0よりも大きく、ヨーレートが0又は0に近い値である場合に、車両2が直進状態にあると判定するとよい。さらに、直進判定部203は、ステアリングECU12から入力されたステアリングの操舵データに基づいて車両2が直進状態にあるか否かを判定してもよい。なお、直進判定部203は、舵角データに基づいて直進状態を判定する場合、車両2の進行方向の多少のブレは許容されるものとして判定するとよい。
また、直進判定部203は、上述した方法のいずれか1つにより直進判定を行ってもよいし、複数の方法を組み合わせて直進判定を行ってもよい。
【0027】
位置特定部204は、車両の現在位置を特定する。位置特定部204は、絶対位置・方位検出部112から入力される第1自車位置情報、相対方位検出部120から入力される第2自車位置情報、カメラECU11から入力される撮影画像等に基づいて、自車位置を特定する。位置特定部204の動作を、
図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0028】
図3は、直進判定部203及び位置特定部204の動作を示すフローチャートである。
位置特定部204は、まず、相対方位検出部120から第2自車位置情報が入力されたか否かを判定する(ステップS1)。
相対方位検出部120には、ジャイロセンサにより測定される車両2の角度や角速度、加速度センサにより測定される車両2の加速度が入力される。相対方位検出部120は、入力されたこれらの情報に基づいて、自立航法により第2自車位置を算出する。相対方位検出部120は、算出した第2自車位置を示す第2自車位置情報を制御部200に出力する。
【0029】
位置特定部204は、第2自車位置情報が入力されると(ステップS1/YES)、絶対位置・方位検出部112から第1自車位置情報が入力されたか否かを判定する(ステップS2)。
絶対位置・方位検出部112は、GPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナ111により受信して、受信したGPS信号に基づいて車両2の第1自車位置を算出する。絶対位置・方位検出部112は、算出した第1自車位置を示す第1自車位置情報を制御部200に出力する。
【0030】
位置特定部204は、予め設定された時間を経過しても、絶対位置・方位検出部112から第1自車位置情報が入力されない場合(ステップS2/NO)、ステップS1で入力された第2自車位置情報が示す第2自車位置を、車両2の現在位置として選択する(ステップS3)。位置特定部204は、選択した現在位置の情報をナビゲーション処理部201に出力する。例えば、車両2がトンネル内を走行中である場合等、GPS衛星からGPS信号を受信することができない状況である場合、絶対位置・方位検出部112は、第1自車位置を算出することができず、位置特定部204に第1自車位置情報を出力することができない。このような場合、位置特定部204は、相対方位検出部120から入力された第2自車位置を、車両2の現在位置として選択する。
ナビゲーション処理部201は、位置特定部204から入力された現在位置の情報に基づいて、案内経路の探索を行う。また、ナビゲーション処理部201は、入力された現在位置の情報に基づいて、地図上に表示する車両2の現在位置を示すマークの表示位置を表示制御部202に指示する。
【0031】
位置特定部204は、絶対位置・方位検出部112から第1自車位置情報が入力されると(ステップS2/YES)絶対位置・方位検出部112の測位状態が良好であるか否かを判定する(ステップS4)。位置特定部204は、絶対位置・方位検出部112から入力される、GPS衛星の送信電波の受信電界強度や、DOP(Dilution of Precision)値に基づいて、測位状態を判定する。DOP値とは、衛星測位の精度劣化の指標値であり、値が小さいほど測位精度が高いことを意味する。位置特定部204は、測位状態が良好ではないと判定した場合(ステップS4/NO)、第2自車位置を車両2の現在位置として選択し(ステップS3)、ナビゲーション処理部201に出力する。
また、位置特定部204は、測位状態が良好であると判定した場合(ステップS4/YES)、第1自車位置と第2自車位置との横方向、すなわち道路幅方向における距離を求めて、求めた距離をしきい値(予め設定された距離)と比較する(ステップS5)。
【0032】
図4は、第1自車位置と、第2自車位置との履歴を図形表示により示した図である。四角形の図形は、第1自車位置を示し、三角形の図形は、第2自車位置を示す。また、第1自車位置と第2自車位置とのうち、位置特定部204により車両2の現在位置として選択された自車位置を網かけの図形により示す。
位置特定部204は、
図4に示すように第1自車位置と第2自車位置との道路幅方向における距離を算出して、算出した道路幅方向の距離をしきい値と比較する。位置特定部204は、求めた道路幅方向の距離がしきい値以下であると判定した場合(ステップS5/YES)、絶対位置・方位検出部112がGPS信号に基づいて算出した第1自車位置を車両2の現在位置として選択し(ステップS6)、ナビゲーション処理部201に出力する。
位置特定部204は、GPS信号に基づく測位状態が良好な状態にあり、第1自車位置が第2自車位置から大きく離れていない場合、GPS信号に基づいて算出した第1自車位置の信頼性が高いと判定して、第1自車位置を車両2の現在位置として選択する。また、位置特定部204は、相対方位検出部120に、絶対位置・方位検出部112が算出した第1自車位置情報を送信して、相対方位検出部120に、第2自車位置を第1自車位置に基づいて修正させる(ステップS7)。
【0033】
また、位置特定部204は、第1自車位置と第2自車位置との距離が、しきい値よりも大きいと判定した場合(ステップS5/NO)、相対方位検出部120から入力された第2自車位置の履歴に基づいて、車両2が直進しているか否かを判定する(ステップS8)。位置特定部204は、相対方位検出部120から入力された第2自車位置の履歴に基づいて車両2の走行軌跡を生成し、生成した走行軌跡に基づいて車両2が直進しているか否かを判定する(ステップS8)。
GPS電波に基づく測位は、理想的な環境下では、高精度の測位が可能であるが、マルチパスが多く発生する環境や、建物によってGPS電波の遮蔽が起きる環境では測位精度が大きく劣化する。このため、位置特定部204は、GPS信号に基づく測位状態が良好な状態にあるが、第1自車位置と第2自車位置との道路幅方向における距離がしきい値よりも大きい場合、マルチパス等の影響により第1自車位置の測位精度が低下していると判定する。さらに、位置特定部204は、車両2が直進状態にある場合、表示パネル171の誘導画面に表示される、車両2の現在位置を示すマークに位置飛びが発生する可能性があると判定して、第2自車位置を車両2の現在位置として選択する。これにより、車両2の現在位置を示すマークが位置飛びするのを抑制することができる。
【0034】
位置特定部204は、車両2が直進していないと判定した場合(ステップS9/NO)、上述したステップS6及びS7の処理に移行し、第1自車位置を車両2の現在位置として選択する。
また、位置特定部204は、走行軌跡に基づいて車両2が直進していると判定した場合(ステップS9/YES)、直進判定部203から、直進判定の判定結果を入力する(ステップS10)。直進判定部203は、カメラECU11から入力された撮影画像に基づいて車両2が直進しているか否かを判定する。位置特定部204は、撮影画像から車線(白線)を検出して、検出した車線が直線であるか否かを判定して直進判定を行う。
【0035】
位置特定部204は、直進判定部203から入力された直進判定の判定結果が否定判定、すなわち、直進判定部203により車両2が直進状態にはないと判定された場合(ステップS11/NO)、上述したステップS6及びS7の処理に移行する。
また、位置特定部204は、直進判定部203から入力された直進判定の判定結果が肯定判定、すなわち、直進判定部203により車両2が直進状態にあると判定された場合(ステップS11/YES)、相対方位検出部120が演算により求めた第2自車位置を、車両2の現在位置として選択する(ステップS12)。
【0036】
ステップS12又はステップS7の処理を行った制御部200は、車両2のIGスイッチがオフされたか否かを判定する(ステップS13)。制御部200は、IGスイッチがオフされていないと判定した場合(ステップS13/NO)、ステップS1に戻り、S1からの処理を繰り返し行う。また、制御部200は、IGスイッチがオフされたと判定した場合(ステップS13/YES)、制御部200は、ナビゲーション装置100の電源がオフされた後も保存しておく必要があるデータを記憶部140に記憶させ、処理を終了させる。
【0037】
図3に示すフローチャートでは、道路幅を考慮に入れた処理を行っていないが、例えば、ステップS5の判定が肯定判定の場合に、マップマッチング処理によって第1自車位置と道路の道路幅とを照合して、第1自車位置が道路上にはないと判定される場合に、ステップS8の判定処理に移行してもよい。また、位置特定部204は、第1自車位置が走行中の道路上にあると判定した場合には、第1自車位置を車両2の現在位置として選択する。
【0038】
また、
図3に示すフローチャートでは、ナビゲーション装置100の制御部200により車両の直進判定を行っているが、ステアリングECU12が操舵角センサ22の検出した操舵角に基づいて車両2の直進判定を行い、判定結果をナビゲーション装置100に送信する構成であってもよい。また、カメラECU11がカメラ21の撮影画像に基づいて直進判定を行い、判定結果をナビゲーション装置100に送信する構成であってもよい。
【0039】
図5は、カメラECU11により直進判定を行う場合のカメラECU11の動作を示すフローチャートである。
カメラECU11は、所定時間ごとに、カメラ21に撮影を指示し、カメラ21により撮影された撮影画像を入力する(ステップS21)。
カメラECU11は、撮影画像が入力されると(ステップS21/YES)、撮影画像を画像処理し(ステップS22)、上述した直進判定部203と同様の処理により直進判定を行う(ステップS23)。カメラECU11は、車両2が直進状態であると判定した場合(ステップS24/YES)、直進状態である旨のメッセージをナビゲーション装置100に送信する(ステップS25)。また、カメラECU11は、車両2が直進状態ではないと判定した場合には(ステップS24/NO)、ナビゲーション装置100へのメッセージの送信を行わない。この後、カメラECU11は、IGスイッチがオフされたか否かを判定し(ステップS26)、IGスイッチがオフされたと判定した場合(ステップS26/YES)、処理を終了する。また、カメラECU11は、IGスイッチがオフされていないと判定した場合(ステップS26/NO)、ステップS21からの処理を繰り返す。
【0040】
なお、ステップS25において、カメラECU11は、直進状態である旨のメッセージをナビゲーション装置100に送信しているが、ナビゲーション装置100からの問い合わせを受けた場合に、車両2が直進状態にあるか否かを表すメッセージをナビゲーション装置100に送信するように構成してもよい。この場合、ナビゲーション装置100は、
図3に示すステップS10において、ポーリングによりカメラECU11に、直進判定の結果を問い合わせる。
【0041】
以上、詳細に説明したように本実施形態の位置特定部204は、直進判定部203により車両2が直進状態にあると判定された場合に、相対方位検出部120が演算により求めた第2自車位置を、車両2の現在位置として選択して、経路探索や、自車位置の表示を行う。特に、位置特定部204は、絶対位置・方位検出部112が演算により求めた第1自車位置と、相対方位検出部120が演算により求めた第2自車位置との距離の差が、しきい値よりも大きい場合であって、直進判定部203により車両2が直進状態にあると判定された場合に第2自車位置を、車両2の現在位置として選択する。従って、マルチパスによる影響を低減して、車両2の現在位置の特定精度を高めることができる。このため、自車位置を示すマークの位置飛びの発生を抑制することができる。
【0042】
また、直進判定部203は、車両2に搭載されたカメラの撮影画像、又は操舵角センサ22により測定された操舵角の情報に基づいて車両2が直進しているか否かを判定するため、車両2が直進状態にあるか否かを高精度に判定することができる。
【0043】
上述した実施形態は、本発明の好適な実施の形態である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
例えば、上述したナビゲーション処理部201の処理を、ネットワークに接続したサーバ装置により行うように構成してもよい。ナビゲーション装置100の制御部200は、位置特定部204により選択された車両2の現在位置の情報や、操作部160により入力された目的地の設定情報を、無線通信部151による無線通信によりサーバ装置に送信する。そして、制御部200は、サーバ装置により探索された案内経路の情報を、無線通信によりサーバ装置から取得する。制御部200は、地図データ141に基づいて生成した地図画像に、取得した案内経路を重ねて表示した誘導画面を表示部170に表示させる。
また、ナビゲーション装置100は、サーバ装置から案内経路を含む地図データを取得して、取得した地図データに基づいて地図画像に、案内経路を重ねて表示した誘導画面を表示部170に表示させてもよい。
【0044】
また、ナビゲーション装置100の制御部200は、地図データに基づいて、車両2が高層ビルの並ぶ都市部や山間部等、マルチパスが発生しやすい環境下を走行中であると判定した場合に、
図3に示す処理フローに従って、車両2の現在位置を特定するように構成してもよい。
また、
図3に示すフローチャートのステップS3、S6、S12において車両2の現在位置を特定する際に、マップマッチングにより、第1自車位置又は第2自車位置を道路データに照合して、車両2の現在位置を特定してもよい。
【0045】
また、
図2に示すナビゲーション装置100の機能ブロックは、ナビゲーション装置100の備える機能を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くのブロックに分割することもできる。また、機能ブロックは、
図2に示す1つのブロックによりさらに多くの処理を実行するように構成してもよい。また、各ブロックの処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各ブロックの処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0046】
また、ナビゲーション装置100の記憶部140や、制御部200の備えるROM等に記憶させた制御プログラムは、例えば、ネットワーク上のサーバ装置からダウンロードされ、RAM上にロードされてCPUにより実行されるようにしてもよい。
【0047】
また、
図3に示すフローチャートの処理単位は、ナビゲーション装置100の制御部200の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の制御部200の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。