特開2016-223998(P2016-223998A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-223998(P2016-223998A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】電磁界計測装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/08 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   G01R29/08 D
   G01R29/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-113079(P2015-113079)
(22)【出願日】2015年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社日本自動車部品総合研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深川 康弘
(72)【発明者】
【氏名】秋山 清和
(72)【発明者】
【氏名】竹内 達人
(72)【発明者】
【氏名】河野 秀一
(72)【発明者】
【氏名】古賀 豊勝
(72)【発明者】
【氏名】増田 兼二
(72)【発明者】
【氏名】十河 健司
(57)【要約】
【課題】多軸のロボットや複雑な制御を必要とすることなく、複雑かつ傾斜した計測対象面における電界および磁界の計測が容易な電磁界測定装置を提供する。
【解決手段】プローブ21が固定されているプローブホルダ22は、アーム部23に対して相対的に移動する。プローブホルダ22とアーム部23との間は、可撓性の材料で形成されたシート部材24によって接続されている。これにより、シート部材24のアーム部23とは反対側の端部に設けられているプローブホルダ22は、シート部材24の変形によって複雑かつ傾斜している計測対象面12に沿って接する。プローブホルダ22は、可撓性のシート部材24によって変形の際に反力を受ける。そのため、プローブホルダ22は、安定した荷重によって計測対象面12に接する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の電界および磁界を計測する電磁界計測装置(10)であって、
前記対象物(11)の計測対象面(12)における電界および磁界を検出するプローブ(21)と、
前記プローブ(21)が固定されている円環形状のプローブホルダ(22)と、
移動可能なステージアームに接続され、前記プローブホルダ(22)に対して相対的に移動するアーム部(23)と、
可撓性の材料で形成され、前記アーム部(23)と前記プローブホルダ(22)との間を接続するシート部材(24)と、
を備える電磁界計測装置。
【請求項2】
前記プローブホルダ(22)は、シリコン系の樹脂で形成され、前記計測対象面(12)と対向する端部に径方向の中心から径方向へ放射状に形成されているスリット(31)を有する請求項1記載の電磁界計測装置。
【請求項3】
前記シート部材(24)は、一方の端部が前記プローブホルダ(22)と前記アーム部(23)とが相対的に移動する移動方向に対して平行に固定されるとともに、他方の端部が前記移動方向に対して垂直に固定されている請求項1または2記載の電磁界計測装置。
【請求項4】
前記アーム部(23)に設けられ、前記プローブホルダ(22)が前記計測対象面(12)に接しているか否かを検出する検出手段(40)をさらに備える請求項1から3のいずれか一項記載の電磁界計測装置。
【請求項5】
前記検出手段(40)は、前記プローブホルダ(22)に加わる荷重が予め設定した設定荷重であることを検出する請求項4記載の電磁界計測装置。
【請求項6】
前記検出手段(40)は、前記プローブホルダ(22)の移動量から前記プローブホルダ(22)に加わる荷重を検出する請求項5記載の電磁界計測装置。
【請求項7】
前記シート部材は、前記移動方向を軸とする周方向へ少なくとも3枚以上に分割されている請求項1から6のいずれか一項記載の電磁界計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁界計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁界計測装置は、電子機器から漏洩する電界および磁界、または電子機器の表面における電界および磁界を検出する。従来、電磁界計測装置は、ロボットのアームの先端に取り付けられている。電磁界計測装置は、ロボットのアームを駆動することにより、多様な形状の電子機器の表面に沿って電界および磁界を計測している。
【0003】
しかしながら、計測対象面が例えば車両の外壁などのように複雑かつ傾斜した面である場合、プローブを計測対象面に沿わせるためには複雑な姿勢が要求される。そのため、6軸や7軸などの多軸のロボットが必要となり、ロボットの調整や制御が複雑化するという問題がある。また、複雑かつ傾斜した計測対象面の場合、プローブと計測対象面とを傾斜した面に沿って適切な距離に保持するための制御も複雑化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−083793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、多軸のロボットや複雑な制御を必要とすることなく、複雑かつ傾斜した計測対象面における電界および磁界の計測が容易な電磁界測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の電磁界測定装置は、プローブが固定されているプローブホルダは、ステージアームに接続されているアーム部に対して相対的に移動する。そして、このプローブホルダとアーム部との間は、可撓性の材料で形成されたシート部材によって接続されている。このように、シート部材は、可撓性を有しているため、アーム部が計測対象面に接することにより容易に変形する。そのため、シート部材のアーム部とは反対側の端部に設けられているプローブホルダは、シート部材の変形によって複雑かつ傾斜している計測対象面に沿って接する。さらに、プローブホルダは、可撓性のシート部材によって変形の際に反力を受ける。そのため、プローブホルダは、安定した荷重によって計測対象面に接する。したがって、多軸のロボットや複雑な制御を必要とすることなく、複雑かつ傾斜した計測対象面における電界および磁界を容易に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による電磁界計測装置の構成を示す模式的な断面図
図2図3の矢印II方向からホルダ本体を見た概略図
図3】一実施形態による電磁界計測装置のホルダ本体の外観を示す概略図
図4】一実施形態による電磁界計測装置のアーム部を図1のIV−IV線で切断した模式図
図5】一実施形態による電磁界計測装置のシート部材を固定する位置および方向を示す概略図
図6】一実施形態による電磁界計測装置を傾斜した計測対象面に載置した状態を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態による電磁界測定装置を図面に基づいて説明する。
図1に示す電磁界計測装置10は、対象物11の電界および磁界を計測する。対象物11は、図示しない各種の電子部品を収容している。電磁界計測装置10は、この図示しない電子部品から対象物11の外部へ漏洩する電界および磁界、ならびに対象物11の表面である計測対象面12における電界および磁界を計測する。また、対象物11は、電子機器を収容する一般的な電子装置に限らず、例えば車両などの運搬機器やロボットなどのように電子部品を収容する装置であれば任意に選択することができる。
【0009】
電磁界計測装置10は、プローブ21、プローブホルダ22、アーム部23およびシート部材24を備えている。プローブ21は、対象物11の計測対象面12における電界および磁界を検出する。プローブ21は、検出した電界および磁界を電気信号として外部へ出力する。本実施形態の場合、プローブ21は、ケーブル25を経由して電気信号を外部へ出力する。なお、プローブ21は、計測対象面12における電界および磁界の検出に限らず、計測対象面12から離れた位置でも電界および磁界を検出することができる。
【0010】
プローブホルダ22は、ホルダ本体26およびストッパ部材27を有している。ホルダ本体26は、プローブ21が固定されている。プローブホルダ22のうち少なくともホルダ本体26は、図2に示すように円環形状に形成されている。ホルダ本体26は、円環状の内側にプローブ21を保持している。プローブホルダ22のうち少なくともホルダ本体26は、シリコン系の樹脂で形成されている。ホルダ本体26は、図1に示すように軸方向の一方の端部に、対象物11の計測対象面12に接する接触面28を有している。ホルダ本体26をシリコン系の樹脂で形成することにより、ホルダ本体26の接触面28と対象物11の計測対象面12との間に働く摩擦力が大きくなる。これにより、ホルダ本体26は、対象物11の計測対象面12における滑りが低減される。ストッパ部材27は、ホルダ本体26の軸方向において接触面28とは反対側に設けられている。ホルダ本体26とストッパ部材27とは、締結部材であるビス29によって一体に組み付けられる。
【0011】
ホルダ本体26は、図1から図3に示すように計測対象面12と対向する端部にスリット31を有している。スリット31は、図2に示すようにホルダ本体26の軸中心から径方向へ放射状に形成されている。本実施形態の場合、ホルダ本体26は、放射状に周方向へ等間隔の8本のスリット31を有している。スリット31は、ホルダ本体26の接触面28から上方すなわちストッパ部材27側へ凹状に切り込まれている。ホルダ本体26にスリット31を形成することにより、シリコン系の樹脂で形成されたホルダ本体26は、スリット31を利用して容易に変形する。また、ホルダ本体26の接触面28が計測対象面12に接した状態でホルダ本体26が変形するとき、この変形はスリット31によって吸収される。その結果、ホルダ本体26は、計測対象面12に接しているときに力が加わっても、計測対象面12に対する滑りが低減される。
【0012】
アーム部23は、プローブ21が固定されているプローブホルダ22から離れて設けられ、プローブホルダ22に対して相対的に移動することができる。本実施形態の場合、アーム部23は、プローブホルダ22の軸方向において上方、すなわち対象物11とは反対側に、プローブホルダ22から離れて設けられている。このアーム部23は、図示しないステージアームに接続している。図示しないステージアームは、例えばロボットのアームである。これにより、電磁界計測装置10は、図示しないロボットなどによって任意の計測位置に運搬される。なお、ステージアームは、三次元の任意の姿勢で走査可能ないわゆる三次元走査ステージであればよく、ロボットのアームに限るものではない。
【0013】
シート部材24は、可撓性の材料で形成されている。シート部材24は、例えばポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの樹脂でシート状またはフィルム状に形成されている。シート部材24は、これら例示した樹脂に限らず、可撓性および適度な弾性力を有し、プローブ21による電界および磁界の計測に影響を与えない材料であれば任意に選択することができる。本実施形態の場合、シート部材24は、長方形のフィルム状に形成され、一方の端部がアーム部23に接続し、他方の端部がプローブホルダ22に接続している。これにより、プローブホルダ22は、シート部材24によってアーム部23に対して移動可能に支持されている。本実施形態の場合、図4に示すようにプローブホルダ22とアーム部23との間は、4枚のシート部材24によって接続されている。この場合、アーム部23は、シート部材24の取り付け位置において軸に垂直な断面が概ね正方形となるように形成されている。本実施形態の場合、4枚のシート部材24は、このアーム部23の側面に1枚ずつ取り付けられている。このように、プローブホルダ22とアーム部23とは、可撓性のシート部材24によって相対的な移動を許容する状態で接続されている。これにより、プローブホルダ22とアーム部23とは、図1の上下方向の距離が変化する。この図1の上下方向は、特許請求の範囲の移動方向に相当する。
【0014】
シート部材24は、一方の端部がアーム部23に接続され、他方の端部がプローブホルダ22に固定されている。シート部材24のアーム部23側の端部は、図5に示すようにアーム部23の径方向において外側から締結部材であるビス32によってアーム部23に固定されている。すなわち、シート部材24のアーム部23側の端部は、ビス32によって径方向に固定されている。このように、シート部材24のアーム部23側の端部は、移動方向に対して垂直な方向からビス32によって固定されている。
【0015】
これに対し、シート部材24のプローブホルダ22側の端部は、プローブホルダ22を構成するホルダ本体26とストッパ部材27との間に挟み込まれている。すなわち、シート部材24のプローブホルダ22側の端部は、径方向内側へ折り返された状態でホルダ本体26とストッパ部材27との間に挟み込まれている。そして、シート部材24のプローブホルダ22側の端部は、ビス29によって図1および図5の下方すなわちアーム部23とは反対側から固定されている。このように、シート部材24のプローブホルダ22側の端部は、移動方向に対して平行な方向からビス29によって固定されている。この場合、シート部材24のプローブホルダ22側の端部は、図1に示すようにビス29の外周側でホルダ本体26とストッパ部材27との間に挟み込んでもよく、ビス29の内周側まで伸ばして挟み込んでもよい。
【0016】
上記の構成により、図1および図6に示すようにプローブホルダ22は、計測対象面12に接する。このとき、シート部材24がたわむことにより、プローブホルダ22の接触面28は対象物11の計測対象面12に沿った状態で接する。すなわち、図6に示すように計測対象面12が傾斜している場合でも、シート部材24のたわみによってプローブホルダ22の姿勢は安定する。これにより、プローブホルダ22は、計測対象面12に沿った姿勢となり、プローブホルダ22に固定されているプローブ21と計測対象面12との間の距離も適正に保持される。また、シート部材24のたわみによる反力によって、プローブホルダ22は計測対象面12に押し付けられる。そのため、計測対象面12に接するプローブホルダ22は、位置のずれが低減される。
【0017】
電磁界計測装置10は、上記に加え図1に示すように検出部40を備えている。検出部40は、プローブホルダ22の接触面28が計測対象面12に接しているか否かを検出する。本実施形態の場合、検出部40は、プローブホルダ22の移動量に基づいて、プローブホルダ22に加わる荷重が予め設定した設定荷重であるか否かを検出する。具体的には、本実施形態の電磁界計測装置10の検出部40は、ストローク部材41および距離センサ42を有している。ストローク部材41は、筒状に形成されており、アーム部23に対して軸方向へ移動可能である。本実施形態の場合、ストローク部材41は、アーム部23の穴部43に挿入されており、穴部43を形成するアーム部23の内壁と摺動する。これにより、ストローク部材41は,アーム部23の穴部43によって軸方向の移動が案内される。ストローク部材41は、軸方向の端部がプローブホルダ22のストッパ部材27と接する。
【0018】
距離センサ42は、例えばレーザ光の照射などによって距離を検出する。本実施形態の場合、距離センサ42は、ストローク部材41の鍔部44までの距離を検出する。ストローク部材41は、アーム部23の上側に鍔部44を有している。鍔部44は、ストローク部材41の径方向に円板状に突出している。距離センサ42は、この鍔部44までの距離を検出する。上述のようにストローク部材41は、プローブホルダ22に接している。そのため、ストローク部材41は、プローブホルダ22の移動にともなって軸方向へ移動する。これにより、アーム部23と鍔部44との間の距離は、ストローク部材41の移動、つまりプローブホルダ22の移動によって変化する。距離センサ42は、このプローブホルダ22の移動にともなって変化する鍔部44までの距離を検出する。距離センサ42は、検出した鍔部44までの距離を電気信号として外部の演算部45へ出力する。距離センサ42は、アーム部23に設けられている孔46を経由して鍔部44へ光を照射する。
【0019】
演算部45は、距離センサ42で検出した鍔部44までの距離、すなわちストローク部材41の移動量に基づいてプローブホルダ22が設定荷重で計測対象面12に接しているか否かを判断する。具体的には、ストローク部材41の移動量は、プローブホルダ22とアーム部23との間の距離、すなわち移動方向における移動量に相関する。そして、このストローク部材41の移動量は、シート部材24の変形量にも相関する。シート部材24は可撓性を有している。そのため、例えば弾性係数などのシート部材24の変形特性を予め取得しておくことにより、ストローク部材41の移動量から、シート部材24の変形にともなう反力によってプローブホルダ22を計測対象面12に押し付ける荷重を算出することができる。このように、演算部45は、プローブホルダ22を押し付ける荷重を、シート部材24の変形量に相関する値として、ストローク部材41の移動量に変換して取得する。そして、演算部45は、この距離センサ42で検出したストローク部材41の移動量に基づいて、プローブホルダ22が設定荷重で計測対象面12に押し付けられているか否かを判断する。演算部45は、プローブホルダ22が設定荷重で計測対象面12に押し付けられるように、図示しないステージアームを駆動し、アーム部23の位置を制御する。
【0020】
一実施形態では、プローブ21が固定されているプローブホルダ22は、アーム部23に対して相対的に移動する。そして、このプローブホルダ22とアーム部23との間は、可撓性の材料で形成されたシート部材24によって接続されている。シート部材24は、可撓性を有しているため、アーム部23が計測対象面12に接することにより容易に変形する。そのため、シート部材24のアーム部23とは反対側の端部に設けられているプローブホルダ22は、シート部材24の変形によって複雑かつ傾斜している計測対象面12に沿って接する。さらに、プローブホルダ22は、可撓性のシート部材24によって変形の際に反力を受ける。そのため、プローブホルダ22は、安定した荷重によって計測対象面12に接する。したがって、多軸のロボットや複雑な制御を必要とすることなく、複雑かつ傾斜した計測対象面12における電界および磁界を容易に計測することができる。
【0021】
また、一実施形態では、シリコン系の樹脂で形成されたプローブホルダ22のホルダ本体26は、計測対象面12と対向する面側にスリット31を有している。スリット31を形成することにより、計測対象面12に接するプローブホルダ22に力が加わっても、プローブホルダ22の変形はこのスリット31に逃がされる。したがって、計測対象面12におけるプローブホルダ22の滑りが低減され、精度の高い電界および磁界の計測を行なうことができる。
【0022】
一実施形態では、シート部材24は、アーム部23側が移動方向に対して垂直にビス32で固定され、プローブホルダ22側が移動方向に対して平行にビス29で固定されている。これにより、シート部材24の無用な変形やねじれなどが低減される。したがって、シート部材24に支持されているプローブホルダ22の姿勢を安定させることができる。
【0023】
一実施形態では、ストローク部材41の移動量を検出することにより、シート部材24の変形量を検出し、シート部材24によってプローブホルダ22が計測対象面12に押し付けられる荷重を算出している。したがって、ストローク部材41の移動量を検出するという簡単な処理でプローブホルダ22を計測対象面12に押し付ける荷重を制御することができる。
【0024】
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
一実施形態では、シート部材24は、アーム部23側を移動方向と垂直にビス32で固定し、プローブホルダ22側を移動方向と平行にビス29で固定する例について説明した。しかし、この関係は逆でもよい。すなわち、シート部材24は、アーム部23側を移動方向に対して平行に固定し、プローブホルダ22側を移動方向に対して垂直に固定してもよい。また、シート部材24とアーム部23またはプローブホルダ22とを固定する締結部材は、ビスに限らず、互いに固定可能であれば任意の締結部材を用いることができる。
【0025】
一実施形態では、検出部40は、距離センサ42でストローク部材41の鍔部44までの距離を検出する例を説明した。しかし、この構成は一例である。すなわち、検出部40は、シート部材24の変形量を直接検出する構成でもよく、プローブホルダ22が計測対象面12に接する荷重を直接検出する構成でもよい。また、ストローク部材41に設けられている鍔部44の位置、鍔部44までの距離の検出手法などは、ストローク部材41の移動量を検出するという目的が達成できるのであれば任意の構成とすることができる。
【0026】
一実施形態では、4枚のシート部材24でアーム部23とプローブホルダ22とを接続する例について説明した。しかし、シート部材24は、3枚以上であれば任意の枚数としてもよい。
【符号の説明】
【0027】
図面中、10は電磁界計測装置、11は対象物、12は計測対象面、21はプローブ、22はプローブホルダ、23はアーム部、24はシート部材、31はスリット、40は検出部(検出手段)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6