特開2016-224287(P2016-224287A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-224287(P2016-224287A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20161205BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20161205BHJP
   G02B 27/18 20060101ALI20161205BHJP
   G02B 27/48 20060101ALI20161205BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   G02B27/01
   G02B26/10 C
   G02B27/18 Z
   G02B26/10 104Z
   G02B27/48
   B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-110962(P2015-110962)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(72)【発明者】
【氏名】川井 清幸
(72)【発明者】
【氏名】大西 道久
【テーマコード(参考)】
2H045
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H045AB13
2H045BA12
2H045BA24
2H199DA03
2H199DA12
2H199DA15
2H199DA43
3D344AA22
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD13
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でありながら、中間像が結像される複数のスクリーンの各々に焦点を合わせて光線を入射させることができる表示装置を提供する。
【解決手段】複数色の光成分からなる光線を出射する光源10と、光源10からの光線を2つのスクリーン(30a,30b)の一方に向けて選択的に反射し、当該反射した光線でスクリーン(30a,30b)を走査するスキャナ20と、スキャナ20の光線の走査によってスクリーン(30a,30b)に結像される中間像に応じた画像を投影する投影光学系40と、スキャナ20からスクリーン30bへ至る光路に配置され、スクリーン30bにおいてスキャナ20からの光線の焦点を合わせるレンズ50を備える。スクリーン30aにおいては、レンズ50を用いずに、スキャナ20からの光線の焦点が合わせられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスクリーンにそれぞれ結像される中間像に応じた画像を表示する表示装置であって、
複数色の光成分からなる光線を出射する光源と、
前記光源からの光線を前記複数のスクリーンの何れか1つに向けて選択的に反射し、当該反射した光線で前記スクリーンを走査するスキャナと、
前記スキャナの光線の走査によって前記スクリーンに結像される前記中間像に応じた画像を投影する投影光学系と、
前記スキャナから前記複数のスクリーンの各々へ至る光路の全て、又は、前記スキャナから1つの前記スクリーンを除く他のスクリーンの各々へ至る光路の全てに配置され、当該配置された光路上の前記スクリーンにおいて前記スキャナからの光線の焦点を合わせる少なくとも1つのレンズとを備え、
前記複数のスクリーンのそれぞれにおいて前記スキャナからの光線の焦点が合っており、
前記レンズは、
前記スキャナからの光線が垂直に入射する入射面と、
前記スクリーンへの光線が垂直に出射する出射面とを有する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記入射面及び前記出射面は、前記スキャナからの光線の出射位置を中心とする球面に沿った形状を持つ
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記スキャナは、前記光源から入射した光線を反射する反射面であって、姿勢が変化しても位置が変化しない静止点を持つように搖動自在に支持された反射面を有しており、
前記光源は、前記反射面の前記静止点に向けて光線を入射する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記スキャナから前記1つのスクリーンへ至る光路に前記レンズが配置されておらず、
前記光源は、前記1つのスクリーンにおいて前記スキャナからの光線の焦点が合うように、前記スキャナへ出射する光線を集束させる光源側光学系を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記レンズは負の屈折力を持ち、
前記レンズが配置された光路上に位置する前記スクリーンは、前記1つのスクリーンに比べて前記反射面から離れた場所に位置する
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置などの表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用のヘッドアップディスプレイは、ダッシュボード側からフロントウィンドウのシールドガラスに向けて映像を投影し、運転者の視界の前方に虚像として各種の情報を表示させるものであり、近年、様々なタイプの製品が実用化されている。
【0003】
一般的なヘッドアップディスプレイでは、デフューザなどのスクリーンに結像された中間像を投影光学系(拡大ミラーなど)によってフロントウィンドウのガラス(フロントガラス)に投影する。従って、投影光学系の位置が固定されている場合でも、中間像が結像されるスクリーンの位置を変えることによって、運転者に見える虚像の前後方向の位置を変えることができる。
【0004】
下記の特許文献1に記載されるヘッドアップディスプレイ装置では、3つのスクリーン31〜33にそれぞれ映像が描画され、その映像がミラー4で反射されてフロントガラスに投影される(特許文献1の図3)。スクリーン31〜33は投影手段であるミラー4からの距離が異なるため、スクリーン31〜33の映像に対応する3つの虚像は、運転者から見て前後方向の位置が異なるように見える。
【0005】
また、下記の特許文献2に記載されるヘッドアップディスプレイ装置では、2つのスクリーン14,16にそれぞれ映像が描画され、その映像が光学部18の凹面鏡において反射されてフロントガラスに投影される(特許文献2の図1図5)。このヘッドアップディスプレイ装置においても、スクリーン14,16の映像に対応する2つの虚像は、運転者からみて前後方向の位置が異なるように見える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−150947号公報
【特許文献2】特開2015−34919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光線の走査によってスクリーンに中間像を結像させる場合、ビーム径が小さいほど解像度が向上するため、通常は、スクリーンに入射する光線を光学系によって集束させる。光学系により光線を集束させるため、ビーム径は光学系からの距離に応じて異なる。スクリーンが1つであれば、そのスクリーンで焦点が合うように(ビーム径が最小となるように)光学系を構成することで、良好な解像度が得られる。ところが、スクリーンが複数の場合、何れか1つのスクリーンに光線の焦点を合わせると、他のスクリーンにおいてビーム径が大きくなる。そのため、上述した特許文献1に記載されるヘッドアップディスプレイ装置では、1つのスクリーンに光線の焦点を合わせた場合、他の2つのスクリーンにおいて解像度が低下する。光線を平行光へ近づけるように光学系を構成すれば、スクリーンの位置によるビーム径の違いは小さくなるが、この方法ではビーム径を十分に絞ることができないため、各スクリーンの解像度が低下する。
【0008】
他方、上述した特許文献2に記載されるヘッドアップディスプレイ装置では、光線の走査を行う焦点変更部86として、凹面鏡88の曲率を変更可能なMEMSミラーが用いられており、2つのスクリーン14,16にそれぞれ焦点を合わせることができる(特許文献2の図5)。しかしながら、MEMSミラーによる凹面鏡の曲率の制御では、複雑な曲率の制御が必要になるため演算負荷が重くなるという問題や、スポット径の小さい光線の焦点を精度よくスクリーンに合わせることが困難であるという問題がある。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成でありながら、中間像が結像される複数のスクリーンの各々に焦点を合わせて光線を入射させることができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る表示装置は、複数のスクリーンにそれぞれ結像される中間像に応じた画像を表示する表示装置であって、複数色の光成分からなる光線を出射する光源と、前記光源からの光線を前記複数のスクリーンの何れか1つに向けて選択的に反射し、当該反射した光線で前記スクリーンを走査するスキャナと、前記スキャナの光線の走査によって前記スクリーンに結像される前記中間像に応じた画像を投影する投影光学系と、前記スキャナから前記複数のスクリーンの各々へ至る光路の全て、又は、前記スキャナから1つの前記スクリーンを除く他のスクリーンの各々へ至る光路の全てに配置され、当該配置された光路上の前記スクリーンにおいて前記スキャナからの光線の焦点を合わせる少なくとも1つのレンズとを備える。前記複数のスクリーンのそれぞれにおいて、前記スキャナからの光線の焦点が合っている。前記レンズは、前記スキャナからの光線が垂直に入射する入射面と、前記スクリーンへの光線が垂直に出射する出射面とを有する。
【0011】
上記の構成によれば、前記スキャナから前記複数のスクリーンの各々へ至る光路の全て、又は、前記スキャナから1つの前記スクリーンを除く他のスクリーンの各々へ至る光路の全てに前記レンズが配置される。前記レンズが配置された光路上の前記スクリーンでは、前記レンズにより、前記スキャナからの光線の焦点が合わせられる。また、前記光路上に前記レンズが配置されない前記1つのスクリーンが存在する場合、その1つのスクリーンにおいては、前記レンズを用いずに前記スキャナからの光線の焦点が合わせられ、その他のスクリーンでは、前記レンズにより前記スキャナからの光線の焦点が合わせられる。従って、レンズを用いる簡易な構成でありながら、前記中間像が結像される前記複数のスクリーンの各々に焦点を合わせて光線を入射させることが可能となる。
【0012】
また、上記の構成によれば、前記レンズの前記入射面において前記スキャナからの光線が垂直に入射し、前記レンズの前記出射面において、前記スクリーンへの光線が垂直に出射するため、異なる色の光成分における屈折率の違いに起因した色収差が生じ難くなる。
【0013】
好適に、前記入射面及び前記出射面は、前記スキャナからの光線の出射位置を中心とする球面に沿った形状を持ってよい。
上記の構成によれば、前記レンズが単純な形状を持つため、前記レンズの加工が容易となる。
【0014】
好適に、前記スキャナは、前記光源から入射した光線を反射する反射面であって、姿勢が変化しても位置が変化しない静止点を持つように搖動自在に支持された反射面を有してよい。前記光源は、前記反射面の前記静止点に向けて光線を入射してよい。
上記の構成によれば、前記スキャナからの光線の前記出射位置が前記反射面の前記静止点になるため、前記反射面の姿勢の変化に伴って前記スキャナから前記レンズへ向けて出射される光線の方向が様々に変化しても、前記スキャナからの光線が前記入射面へ精度よく垂直に入射し、前記スクリーンへの光線が前記出射面から精度よく垂直に出射する。
【0015】
好適に、前記スキャナから前記1つのスクリーンへ至る光路に前記レンズが配置されいなくてもよい。この場合、前記光源は、前記1つのスクリーンにおいて前記スキャナからの光線の焦点が合うように、前記スキャナへ出射する光線を集束させる光源側光学系を有してよい。
上記の構成によれば、前記光源側光学系によって前記スキャナへ出射する光線が集束させられるため、前記複数のスクリーンの各々における光線のビーム径を小さくなり、前記中間像の解像度が高くなる。
また、前記1つのスクリーンでは、前記光源側光学系により前記スキャナからの光線の焦点が合わせられるため、他のスクリーンの光路上に配置される前記レンズの光学特性とは独立に、前記1つのスクリーンにおいて光線の焦点を合わせることが可能となる。
【0016】
好適に、前記レンズは負の屈折力を持ってよい。この場合、前記レンズが配置された光路上に位置する前記スクリーンは、前記1つのスクリーンに比べて前記反射面から離れた場所に位置してよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡易な構成でありながら、中間像が結像される複数のスクリーンの各々に焦点を合わせて光線を入射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る表示装置の制御に関連する構成の一例を示す図である。
図3】レンズの形状を説明するための図である。
図4】光源から2つのスクリーンへ至る光路を直線的に表わした図である。図4Aはレンズを含まない光路を示し、図4Bはレンズを含む光路を示す。
図5】光源側光学系からの距離と光線のビーム径との関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る表示装置について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る表示装置は、複数のスクリーンに結像させた中間像を投影して画像を表示する装置であり、例えば、運転者から見て前方向の距離が異なる位置に虚像を表示する車両用のヘッドアップディスプレイ装置である。
【0020】
図1は、本実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図である。図2は、本実施形態に係る表示装置の制御に関連する構成の一例を示す図である。図1及び図2の例に示す表示装置は、光源10と、スキャナ20と、2つのスクリーン30a及び30bと、投影光学系40と、レンズ50と、制御部60と、記憶部70を有する。以下の説明では、2つのスクリーン(30a,30b)の各々を区別せずに「スクリーン30」と記す場合がある。
【0021】
光源10は、例えばレーザ光源であり、複数色(例えば赤,青,緑)の光成分からなる光線LB1を出射する。図1の例において、光源10は、それぞれ異なる色のレーザ光を発生する複数のレーザー発振器を含んだレーザー部11と、レーザー部11が発生した各色のレーザ光を合成して集束し、平行光に近い光線LB1をスキャナ20へ出射する光源側光学系12とを有する。
【0022】
レーザー部11は、後述する制御部60の制御に従って、スクリーン30に所望の中間像が得られるように各色のレーザー光の強度を調節する
光源側光学系12は、スキャナ20からスクリーン30aへ入射される光線の焦点がスクリーン30aにおいて合うように、スキャナ20へ出射する光線LB1を集束させる。光源側光学系12は、例えばコリメータレンズ等を含んで構成される。
【0023】
スキャナ20は、光源10からの光線LB1をスクリーン30a及びスクリーン30bの何れか一方に向けて選択的に反射し、この反射した光線でスクリーン30を走査する。スキャナ20の光線が1つのスクリーン30を走査しているとき、その光線は他のスクリーン30には入射されない。
【0024】
スキャナ20は、光源10から入射した光線LB1を反射する反射面21を有する。この反射面21は、姿勢が変化しても位置が変化しない静止点Oを持つように揺動自在に支持される。例えば反射面21は、静止点Oで直交する2つの軸のまわりにおいて回動自在に支持される。スキャナ20は、図示しないアクチュエータにより、各軸のまわりで反射面21を回動させ、これにより反射面21の姿勢を変化させる。
【0025】
光源10は、この反射面21の静止点Oに向かって光線LB1を入射する。これにより、スキャナ20からの光線の出射位置は、反射面21の静止点Oとなる。そのため、反射面21の姿勢の変化により光線の出射方向が変化しても、光線の出射位置は変化しない。
【0026】
スキャナ20は、例えばガルバノミラーやMEMSミラーなどを含んで構成されており、制御部60の制御に従って反射面21の姿勢を変化させる。
【0027】
スクリーン30a,30bは、それぞれ中間像を結像させるための面であり、例えばスペックル雑音を低減するための拡散板(ディフューザ)を用いて構成される。スクリーン30bは、スクリーン30aに比べて反射面21から離れた場所に位置するとともに、スクリーン30aに比べて投影光学系40の近くに位置する。
【0028】
投影光学系40は、スキャナ20の光線の走査によってスクリーン30に結像される中間像に応じた画像を投影する。図1の例において、投影光学系40は凹型の反射ミラーであり、フロントガラス等の投影面7に中間像の光を入射し、運転者5から見て投影面7の反対側に虚像IM1,IM2を投影する。投影光学系40から近い位置にあるスクリーン30bの中間像は、運転者5から近い位置に見える虚像IM1となり、投影光学系40から遠い位置にあるスクリーン30aの中間像は、運転者5から遠い位置に見える虚像IM2となる。
【0029】
レンズ50は、スキャナ20からスクリーン30bへ至る光路P2に配置されており、スクリーン30bにおいてスキャナ20からの光線の焦点を合わせる働きを持つ。スキャナ20からの光線の焦点は、上述した光源側光学系12により、スクリーン30bに比べてスキャナ20から近い位置にあるスクリーン30aに合わせられている。そのため、レンズ50は、焦点の位置がスキャナ20から遠ざかる方向へずれるように、光線を拡散させる働きを持つ。すなわちレンズ50は、負の屈折力を持つ。
【0030】
図3は、レンズ50の形状を説明するための図である。
本実施形態において、レンズ50は、スキャナ20からの光線が垂直に入射する入射面51と、スクリーン30bへの光線が垂直に出射する出射面52を有する。入射面51と出射面52は、図3において示すように、スキャナ20からの光線の出射位置である反射面21の静止点Oを中心とする球面に沿った形状を持つ。図3の例において、入射面51は、静止点Oを中心とする半径r1の球面に沿った形状を持つ。また、出射面52は、静止点Oを中心とする半径r2(r2>r1)の球面に沿った形状を持つ。レンズ50の厚みtは、「t=r2−r1」となる。このような同心球面凹レンズであるレンズ50は、光線を拡散させる負の屈折力を持っており、「r1」,「r2」を適宜設定することで焦点距離を所望の値にすることができる。
【0031】
制御部60は、表示装置の全体的な動作の制御を行う装置であり、例えば記憶部70に格納されるプログラムに基づいて処理を実行するコンピュータを含んで構成される。制御部60は、スクリーン30において所望の中間像が得られるように、光源10から出射される光線LB1の各色の光強度の制御と、スキャナ20における光線の走査の制御を行う。
【0032】
図4は、光源10からスクリーン30a,30bへ至る光路を直線的に表した図である。図4Aはスクリーン30aへの光路P1を示し、図4Bはスクリーン30bへの光路P2を示す。
スクリーン30aへの光路P1には、途中にレンズ50が含まれていないため、スクリーン30へ入射される光線は、光源側光学系12のみの作用によって集束する。そのため、光源側光学系12の特性は、光源側光学系12から距離z1だけ離れたスクリーン30aにおいて光線の焦点が合う(光線のビーム径が最少となる)ように設定される。
【0033】
図5は、光源側光学系12からの距離と光線のビーム径との関係を説明するための図であり、スポット径が1mmの光線が光源側光学系12(コリメータレンズ)へ入力した場合の計算例を示す。図5における4つの曲線は、ビーム径が最少となる光源側光学系12からの距離(焦点距離)がそれぞれ異なる。この図5から分かるように、ビーム径が最少となる位置から僅かにずれただけで、ビーム径は急激に大きくなる。特に、光源側光学系12から近い位置でビーム径が最少となるように光源側光学系12の特性を設定した場合、この傾向は顕著になる。
【0034】
そこで、図4に示すように、スクリーン30bへの光路P2では、焦点距離のずれによるビーム径の拡大を防ぐため、レンズ50によって焦点距離が更に調整される。すなわち、光源側光学系12によって距離z1の位置に調整された光線の焦点が、スクリーン30bの距離z2(z2>z1)まで遠方へシフトするように、レンズ50の特性が設定される。図4Bにおいて示すように、光源側光学系12の作用で集束する光線がレンズ50において拡散されることで、光線のビーム径はスクリーン30bにおいて最小となる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置によれば、途中にレンズ50が配置される光路P2上のスクリーン30bでは、そのレンズ50により、スキャナ20からの光線の焦点が合わせられる。また、途中にレンズ50が配置されない光路P1上のスクリーン30aでは、他の光学系、すなわち光源側光学系12により、スキャナ20からの光線の焦点が合わせられる。従って、レンズ50を用いる簡易な構成でありながら、2つのスクリーン30a,30bの各々に焦点を合わせて光線を入射させることができる。これにより、2つのスクリーン30a,30bにおいて結像される中間像の解像度を共に高めることができるため、画質を向上できる。
【0036】
また、本実施形態に係る表示装置によれば、レンズ50の入射面51においてスキャナ20からの光線が垂直に入射し、レンズ50の出射面においてスクリーン30bへの光線が垂直に出射することにより、スクリーン30bに結像される中間像に色収差を生じ難くすることができるため、画質を向上できる。
【0037】
更に、本実施形態に係る表示装置によれば、レンズ50の入射面51と出射面52が、スキャナ20からの光線の出射位置を中心とする球面に沿った形状に形成されており、形状が単純であるため、レンズ50を簡易な工程で精度よく加工することができる。
【0038】
しかも、本実施形態に係る表示装置によれば、光源10から反射面21の静止点Oに向けて光線が入射されることから、スキャナ20からの光線の出射位置は、反射面21の静止点Oになる。これにより、反射面21の姿勢の変化に伴ってスキャナ20からレンズ50に向けて出射される光線の方向が様々に変化しても、スキャナ20からの光線が入射面51へ精度よく垂直に入射し、スクリーン30bへの光線が入射面51から精度よく垂直に出射する。従って、スクリーン30bの広い範囲で色収差の影響を生じ難くすることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0040】
例えば、上述した実施形態ではスクリーン30が2つの場合を例に挙げているが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、中間像を結像させるスクリーンが3以上であってもよい。例えばN個(Nは3以上の整数を示す。)のスクリーンにおいて中間像を結像させる場合、スキャナからの距離が最も短い1つのスクリーンを除く他のスクリーン(N−1個のスクリーン)へ至る光路の全てに、スキャナからの光線の焦点を合わせるためのレンズを設けてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、複数のスクリーンにおける1つのスクリーンについてはレンズ50を設けていないが、本発明はこれに限定されない。本発明の他の実施形態では、スキャナから複数のスクリーンの各々へ至る光路の全て(図1の例では光路P1とP2の両方)に、各スクリーンで光線の焦点を合わせるためのレンズを配置してもよい。
【符号の説明】
【0042】
5…運転者、7…投影面、10…光源、11…レーザー部、12…光源側光学系、20…スキャナ、21…反射面、30,30a,30b…スクリーン、40…投影光学系、50…レンズ、51…入射面、52…出射面、60…制御部、70…記憶部、LB…光線、O…静止点、IM1,IM2…虚像。
図1
図2
図3
図4
図5