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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-224370(P2016-224370A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/167 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   G02F1/167
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-113198(P2015-113198)
(22)【出願日】2015年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉原 万吉
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 聡子
(72)【発明者】
【氏名】石井 由威
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 知明
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101BA02
2K101BC02
2K101BD02
2K101BD18
2K101BD19
2K101BD24
2K101BD28
2K101BE02
2K101BE07
2K101BE09
2K101BE32
2K101BE51
2K101BF42
2K101EA06
2K101EA16
2K101EC08
2K101EE02
2K101EJ14
2K101EJ23
2K101EK35
(57)【要約】
【課題】信頼性が高く、コントラストを向上させることが可能な表示装置および電子機器を提供する。
【解決手段】本技術の表示装置は第1基板と、第1基板と対向配置された第2基板と、第1基板および第2基板の間に設けられると共に、繊維状構造体により形成された多孔質層および多孔質層の間隙を移動する泳動粒子を含む表示素子と、第1基板および第2基板の積層方向に延在する隔壁と、隔壁の、第1基板および第2基板の少なくとも一方に面する端面に設けられた反射抑制層とを備えたものであり、反射抑制層は、高分子材料および着色粒子を含み、着色粒子の体積分率は、高分子材料に対して5%以上40%以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板と対向配置された第2基板と、
前記第1基板および前記第2基板の間に設けられると共に、繊維状構造体により形成された多孔質層および前記多孔質層の間隙を移動する泳動粒子を含む表示素子と、
前記第1基板および前記第2基板の積層方向に延在する隔壁と、
前記隔壁の、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方に面する端面に設けられた反射抑制層とを備え、
前記反射抑制層は、高分子材料および着色粒子を含み、前記着色粒子の体積分率は、前記高分子材料に対して5%以上40%以下である
表示装置。
【請求項2】
前記反射抑制層は、前記第2基板に面する前記隔壁の端面に設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記高分子材料は、前記繊維状構造体を構成する材料よりも軟化点が低い、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板と前記第2基板との間に前記表示素子を封止する封止層を有し、
前記封止層と前記反射抑制層とは、同一材料を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記高分子材料は、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記着色粒子は、有機顔料、無機顔料、染料、炭素材料、金属材料、金属酸化物、あるいはガラスのうちの少なくとも1種により構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
表示装置を備え、
前記表示装置は、
第1基板と、
前記第1基板と対向配置された第2基板と、
前記第1基板および前記第2基板の間に設けられると共に、繊維状構造体により形成された多孔質層および前記多孔質層の間隙を移動する泳動粒子を含む表示素子と、
前記第1基板および前記第2基板の積層方向に延在する隔壁と、
前記隔壁の、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方に面する端面に設けられた反射抑制層とを有し、
前記反射抑制層は、高分子材料および着色粒子を含み、前記着色粒子の体積分率は、前記高分子材料に対して5%以上40%以下である
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電気泳動素子を含む表示装置およびこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機または携帯情報端末等のモバイル機器の普及に伴い、低消費電力で高品位画質の表示装置(ディスプレイ)に関する需要が高まっている。特に最近では、電子書籍の配信事業が始まり、読書用途に適した表示品位のディスプレイが望まれている。
【0003】
このようなディスプレイとして、コレステリック液晶ディスプレイ,電気泳動型ディスプレイ,電気酸化還元型ディスプレイおよびツイストボール型ディスプレイ等の様々なディスプレイが提案されているが、読書用途には、反射型のディスプレイが有利である。反射型のディスプレイでは、紙と同様に、外光の反射(散乱)を利用して明表示を行うため、より紙に近い表示品位が得られる。
【0004】
反射型ディスプレイの中でも、電気泳動現象を利用した電気泳動型ディスプレイは、低消費電力であると共に応答速度が速く、有力候補として期待されている。例えば、特許文献1には、絶縁性液体中に荷電粒子を分散させると共に、多孔質層を配置した表示装置が開示されている。この表示装置では、電界に応じて、荷電粒子が多孔質層の細孔を経て移動する。多孔質層は、例えば、高分子材料からなる繊維状構造体と、この繊維状構造体に保持されると共に、荷電粒子とは光学的反射特性が異なる非泳動粒子とを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−4912号公報
【特許文献2】特開2007−017735号公報
【特許文献3】特開2012−78748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような表示装置では、対向配置された基板の間を複数のセルに仕切る隔壁を設けることで荷電粒子の偏り等を防いで表示ムラの発生を抑制している。しかしながら、隔壁が設けられた表示装置では、製造上、隔壁と基板との間に多孔質層が挟まれやすく、多孔質層が白色を呈している場合には、隔壁が常に白く表示され、コントラストが低下するという問題があった。また、多孔質層が挟み込まれていなくても、画素電極の反射によってコントラストが低下するという問題があった。
【0007】
この問題を解決するために、例えば、特許文献2には、例えば、下部電極の全面に遮光膜を設けた画像表示装置が開示されている。しかしながら、この画像表示装置では、依然として隔壁と基板との間に白色の電気泳動粒子を噛み込む虞があり、コントラストを十分に改善することは困難であると推察される。また、特許文献3には、基板と、隔壁との間に絶縁性の有色層が設けられた情報表示用パネルが開示されているが、有色層と基板との密着性が十分に担保されない等の虞があり、機械的信頼性が低いという問題があった。
【0008】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、信頼性が高く、コントラストを向上させることが可能な表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の表示装置は、第1基板と、第1基板と対向配置された第2基板と、第1基板および第2基板の間に設けられると共に、繊維状構造体により形成された多孔質層および多孔質層の間隙を移動する泳動粒子を含む表示素子と、第1基板および第2基板の積層方向に延在する隔壁と、隔壁の、第1基板および第2基板の少なくとも一方に面する端面に設けられた反射抑制層とを備えたものであり、反射抑制層は、高分子材料および着色粒子を含み、着色粒子の体積分率は、高分子材料に対して5%以上40%以下である。
【0010】
本技術の電子機器は、上記本技術の表示装置を備えたものである。
【0011】
本技術の表示装置および電子機器では、対向配置された第1基板および第2基板の積層方向に延在する隔壁の、第1基板および第2基板の少なくとも一方に面する端面に反射抑制層を設けた。これにより、表示面から見た際の隔壁部分の反射が抑制される。また、
この反射抑制層を、高分子材料および着色粒子を含み、着色粒子の体積分率は、高分子材料に対して5%以上40%以下の構成とすることにより、隔壁部分の反射が抑制されると共に、反射抑制層と基板との密着性が保持される。
【発明の効果】
【0012】
本技術の表示装置および電子機器によれば、対向配置された第1基板および第2基板の積層方向に延在する隔壁の、第1基板および第2基板の少なくとも一方に面する端面に、高分子材料および着色粒子を含み、着色粒子の体積分率は、高分子材料に対して5%以上40%以下の構成を有する反射抑制層を設けるようにした。これにより、表示面から見た際の隔壁部分の反射が抑制されると共に、反射抑制層と基板との密着性が保持される。よって、信頼性が高く、コントラストが向上した表示装置およびこれを備えた電子機器を提供することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術の一実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。
図2図1に示した表示装置に用いた電気泳動素子の構成を表す平面模式図である。
図3A図1に示した表示装置の動作を説明するための断面図である。
図3B図1に示した表示装置の動作を説明するための断面図である。
図4A】適用例1の外観を表す斜視図である。
図4B図4Aに示した電子ブックの他の例を表す斜視図である。
図5】適用例2の外観を表す斜視図である。
図6】黒色層の有無および黒色層の組成と密着性との関係を表す特性図である。
図7】黒色層の組成と不良セル数との関係を表す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(隔壁の底面に黒色層を設けた表示装置)
1−1.表示装置の構成
1−2.製造方法
1−3.好ましい表示方法
1−4.作用・効果
2.適用例(電子機器)
3.実施例
【0015】
<1.実施の形態>
図1は、本開示の一実施の形態の表示装置(表示装置1)の断面構成を表したものである。表示装置1は、電気泳動現象を利用してコントラストを生じさせ、画像を表示する表示装置であり、例えば電子ペーパーディスプレイ等の多様な電子機器に適用されるものである。この表示装置1は、例えば、隔壁40を介して対向配置された駆動基板10と対向基板20との間に、表示層として電気泳動素子30を備えたものである。本実施の形態では、駆動基板10および対向基板20の積層方向に延在する隔壁40の少なくとも一方の端面に、反射抑制層として、例えば、黒色を呈する黒色層42が設けられた構成を有する。
【0016】
(1−1.表示装置の構成)
駆動基板10は、例えば、支持部材11の一面に、例えば、TFT(Thin Film Transistor)12、保護層13および画素電極14がこの順に積層されている。TFT12および画素電極14は、例えば画素配置に応じてマトリクス状またはセグメント状に配置されている。
【0017】
支持部材11は、例えば、無機材料、金属材料またはプラスチック材料等のいずれか1種類または2種類以上により形成されている。無機材料は、例えば、ケイ素(Si)、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)または酸化アルミニウム(AlOx)等であり、その酸化ケイ素には、例えば、ガラスまたはスピンオングラス(SOG)等が含まれる。金属材料は、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)またはステンレス等である。プラスチック材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチルエーテルケトン(PEEK)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリイミド(PI)またはポリエーテルサルフォン(PES)等である。
【0018】
この支持部材11は、光透過性であってもよいし、非光透過性であってもよい。また、支持部材11は、ウェハ等の剛性を有する基板であってもよいし、可撓性を有する薄層ガラスまたはフィルム等であってもよい。但し、フレキシブル(折り曲げ可能)な電子ペーパーディスプレイを実現できることから、可撓性を有する材料からなることが望ましい。
【0019】
TFT12は、画素を選択するためのスイッチング用素子である。TFT12は、チャネル層として無機半導体層を用いた無機TFTでもよいし、有機半導体層を用いた有機TFTでもよい。保護層13は、例えば、ポリイミド等の絶縁性樹脂材料により構成されている。
【0020】
画素電極14は、例えば、金(Au)、銀(Ag)または銅(Cu)等の金属材料により形成されている。画素電極14は、保護層13に設けられたコンタクトホール(図示せず)を通じてTFT12に接続されている。画素電極14上には、例えば、接着層15およびシール層(封止層)16が設けられている。接着層15は、駆動基板10とシール層16とを接着させるためのものであり、例えば、アクリル系樹脂またはウレタン系樹脂により構成されている。接着層15には、ゴム系の粘着シートなどを用いるようにしてもよい。シール層16は、電気泳動素子30内の絶縁性液体(後述の絶縁性液体31)を封止すると共に電気泳動素子30への水分等の浸入を防ぐためのものであり、例えば、熱可塑性あるいは光硬化性のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂またはゴム系の粘着シートなどにより構成されている。
【0021】
対向基板20は、例えば支持部材21および対向電極22を有しており、支持部材21の全面(駆動基板10との対向面)に対向電極22が設けられている。
【0022】
支持部材21は、光透過性であることを除き、支持部材11と同様の材料により構成されている。対向基板20の上面(表示面S1)に画像が表示されるため、支持部材21は光透過性である必要があるからである。この支持部材21の厚みは、例えば1μm〜250μmである。
【0023】
対向電極22は、透光性を有する導電性材料(透明導電材料)のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。導電性材料としては、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、酸化アンチモン−酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)またはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の光透光性導電性材料(透明電極材料)を用いることができる。なお、対向電極22は、画素電極14と同様に、例えば、支持部材21の一面の、例えば、表示可能な領域の全面に形成されているが、例えば、画素電極14と同様に分割形成され、マトリクス状またはセグメント状に配置するようにしてもよい。
【0024】
対向基板20側に画像を表示する場合には、対向電極22を介して電気泳動素子30を見ることになるため、対向電極22の光透過性(透過率)は、できるだけ高いことが好ましく、例えば、80%以上である。また、対向電極22の電気抵抗は、できるだけ低いことが好ましく、例えば、100Ω/□(スクエア)以下である。
【0025】
駆動基板10と対向基板20との間には表示素子として、例えば、電圧制御される電気泳動素子30が設けられている。図2は、表示装置1の表示層の平面構成、即ち、電気泳動素子30の平面構成を表したものである。電気泳動素子30は、絶縁性液体31中に、泳動粒子32と、複数の細孔333を有する多孔質層33とを含んでいる。絶縁性液体31は、駆動基板10と対向基板20との間の空間に充填されており、多孔質層33は、例えば、隔壁40により支持されている。絶縁性液体31が充填されている空間は、例えば、多孔質層33を境界として、画素電極14に近い側の待避領域R1と、対向電極22に近い側の表示領域R2とに区分けされている(図3A図3B参照)。なお、図2は電気泳動素子30の構成を模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なる場合がある。
【0026】
絶縁性液体31は、例えば、有機溶媒等の非水溶媒のいずれか1種類または2種類以上であり、具体的には、パラフィンまたはイソパラフィン等を含んで構成されている。この絶縁性液体31の粘度および屈折率は、出来るだけ低いことが好ましい。泳動粒子32の移動性(応答速度)が向上すると共に、それに応じて泳動粒子32の移動に要するエネルギー(消費電力)が低くなるからである。また、絶縁性液体31の屈折率と多孔質層33の屈折率との差が大きくなるため、その多孔質層33の光反射率が高くなるからである。なお、絶縁性液体31の代わりに、微弱導電性液体を用いてもよい。
【0027】
なお、絶縁性液体31は、必要に応じて各種材料を含んでいてもよい。この材料は、例えば、着色剤、電荷制御剤、分散安定剤、粘度調整剤、界面活性剤または樹脂等である。
【0028】
泳動粒子32は、絶縁性液体31中に分散された電気的に移動可能な1または2以上の荷電粒子であり、電界に応じて多孔質層33の細孔333を経て画素電極14と対向電極22との間を移動する。泳動粒子32は、また、任意の光学的反射特性(光反射率)を有している。泳動粒子32の光反射率は、特に限定されないが、少なくとも泳動粒子32が多孔質層33を遮蔽可能となるように設定されることが好ましい。泳動粒子32の光反射率と多孔質層33の光反射率との違いを利用してコントラスト(CR)を生じさせるためである。
【0029】
泳動粒子32は、例えば、有機顔料、無機顔料、染料、炭素材料、金属材料、金属酸化物、ガラスまたは高分子材料(樹脂)等のいずれか1種類または2種類以上の粒子(粉末)である。なお、泳動粒子32は、上記した粒子を含む樹脂固形分の粉砕粒子またはカプセル粒子等でもよい。但し、炭素材料、金属材料、金属酸化物、ガラスまたは高分子材料に該当する材料は、有機顔料、無機顔料または染料に該当する材料から除かれることとする。
【0030】
有機顔料は、例えば、アゾ系顔料、メタルコンプレックスアゾ系顔料、ポリ縮合アゾ系顔料、フラバンスロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、アントラピリジン系顔料、ピランスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料またはインダンスレン系顔料等である。無機顔料は、例えば、亜鉛華、アンチモン白、カーボンブラック、鉄黒、硼化チタン、ベンガラ、マピコエロー、鉛丹、カドミウムエロー、硫化亜鉛、リトポン、硫化バリウム、セレン化カドミウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クロム酸鉛、硫酸鉛、炭酸バリウム、鉛白またはアルミナホワイト等である。染料は、例えば、ニグロシン系染料、アゾ系染料、フタロシアニン系染料、キノフタロン系染料、アントラキノン系染料またはメチン系染料等である。炭素材料は、例えば、カーボンブラック等である。金属材料は、例えば、金、銀または銅等である。金属酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、銅−クロム酸化物、銅−マンガン酸化物、銅−鉄−マンガン酸化物、銅−クロム−マンガン酸化物または銅−鉄−クロム酸化物等である。高分子材料は、例えば、可視光領域に光吸収域を有する官能基が導入された高分子化合物等である。このように可視光領域に光吸収域を有する高分子化合物であれば、その種類は特に限定されない。
【0031】
泳動粒子32の具体的な形成材料は、例えば、コントラストを生じさせるために泳動粒子32が担う役割に応じて選択される。例えば、泳動粒子32によって明表示(例えば、白表示)がなされる場合の材料は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウムまたはチタン酸カリウム等の金属酸化物であり、中でも、酸化チタンが好ましい。電気化学的安定性および分散性等に優れていると共に、高い反射率が得られるからである。一方、泳動粒子32により暗表示(例えば、黒表示)がなされる場合の材料は、例えば、炭素材料または金属酸化物等である。炭素材料は、例えば、カーボンブラック等であり、金属酸化物は、例えば、銅−クロム酸化物、銅−マンガン酸化物、銅−鉄−マンガン酸化物、銅−クロム−マンガン酸化物または銅−鉄−クロム酸化物等である。中でも、炭素材料が好ましい。優れた化学的安定性、移動性および光吸収性が得られるからである。
【0032】
絶縁性液体31中における泳動粒子32の含有量(濃度)は、特に限定されないが、例えば、0.1重量%〜10重量%である。泳動粒子32の遮蔽(隠蔽)性および移動性が確保されるからである。この場合には、0.1重量%よりも少ないと、泳動粒子32が多孔質層33を遮蔽しにくくなる可能性がある。一方、10重量%よりも多いと、泳動粒子32の分散性が低下するため、泳動粒子32が泳動しにくくなり、場合によっては凝集する可能性がある。
【0033】
泳動粒子32の平均粒径は、多孔質層33の平均孔径よりも小さければよく、例えば、0.1μm以上1μm以下の範囲であることが好ましい。
【0034】
なお、泳動粒子32は、絶縁性液体31中で長期間に渡って分散および帯電しやすいと共に、多孔質層33に吸着されにくいことが好ましい。このため、静電反発により泳動粒子32を分散させるために分散剤(または電荷調整剤)を用いたり、泳動粒子32に表面処理を施してもよく、両者を併用してもよい。
【0035】
分散剤は、例えばLubrizol社製のSolsperseシリーズ、BYK-Chemie社製のBYK シリーズまたはAnti-Terra シリーズ、あるいはICI Americas 社製Spanシリーズ等である。
【0036】
表面処理は、例えば、ロジン処理、界面活性剤処理、顔料誘導体処理、カップリング剤処理、グラフト重合処理またはマイクロカプセル化処理等である。中でも、グラフト重合処理、マイクロカプセル化処理またはそれらの組み合わせが好ましい。長期間の分散安定性等が得られるからである。
【0037】
表面処理用の材料は、例えば、泳動粒子32の表面に吸着可能な官能基と重合性官能基とを有する材料(吸着材料)等である。吸着可能な官能基の種類は、泳動粒子32の形成材料に応じて決定される。一例を挙げると、カーボンブラック等の炭素材料に対しては4−ビニルアニリン等のアニリン誘導体であり、金属酸化物に対してはメタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル等のオルガノシラン誘導体である。重合性官能基は、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基等である。
【0038】
また、表面処理用の材料は、例えば、重合性官能基が導入された泳動粒子32の表面にグラフト可能な材料(グラフト性材料)である。このグラフト性材料は、重合性官能基と、絶縁性液体31中に分散可能であると共に、立体障害により分散性を保持可能な分散用官能基とを有していることが好ましい。重合性官能基の種類は、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基等である。分散用官能基は、例えば、絶縁性液体31がパラフィンである場合には分岐状のアルキル基等である。グラフト性材料を重合およびグラフトさせるためには、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の重合開始剤を用いればよい。この他、泳動粒子32の表面に吸着可能な官能基と分散性を付与するためのアルキル鎖を有する材料を用いることができる。このような材料としては、例えばチタネート系カップリング剤(例えば、味の素ファインテクノ株式会社製KR-TTS)およびアルミネート系カップリング剤が挙げられる。
【0039】
参考までに、上記したように絶縁性液体31中に泳動粒子32を分散させる方法の詳細については、「超微粒子の分散技術とその評価〜表面処理・微粉砕と気中/液中/高分子中の分散安定化〜(サイエンス&テクノロジー社)」等の書籍に掲載されている。
【0040】
多孔質層33は、例えば、図1に示したように、繊維状構造体331により形成された3次元立体構造物(不織布のような不規則なネットワーク構造物)である。多孔質層33は、繊維状構造体331が存在していない箇所に、泳動粒子32が通過するための複数の隙間(細孔333)を有している。
【0041】
繊維状構造体331には、1または2以上の非泳動粒子332が含まれており、その非泳動粒子332は、繊維状構造体331により保持されている。3次元立体構造物である多孔質層33では、1本の繊維状構造体331がランダムに絡み合っていてもよいし、複数本の繊維状構造体331が集合してランダムに重なっていてもよいし、両者が混在していてもよい。繊維状構造体331が複数本である場合、各繊維状構造体331は、1または2以上の非泳動粒子332を保持していることが好ましい。なお、図2では、複数本の繊維状構造体331により多孔質層33が形成されている場合を示している。
【0042】
多孔質層33が3次元立体構造物であるのは、その不規則な立体構造により外光が乱反射(多重散乱)されやすいため、多孔質層33の光反射率が高くなると共に、その高い光反射率を得るために多孔質層33が薄くてすむからである。これにより、コントラストが高くなると共に、泳動粒子32を移動させるために必要なエネルギーが低くなる。また、細孔333の平均孔径が大きくなると共に、その数が多くなるため、泳動粒子32が細孔333を通過しやすくなるからである。これにより、泳動粒子32の移動に要する時間が短くなると共に、その泳動粒子32の移動に要するエネルギーも低くなる。
【0043】
繊維状構造体331に非泳動粒子332が含まれているのは、外光がより乱反射しやすくなるため、多孔質層33の光反射率がより高くなるからである。これにより、コントラストがより高くなる。
【0044】
繊維状構造体331の形状(外観)は、上記したように繊維径に対して長さが十分に大きい繊維状であれば、特に限定されない。具体的には、直線状でもよいし、縮れていたり、途中で折れ曲がっていてもよい。また、一方向に延在しているだけに限らず、途中で1または2以上の方向に分岐していてもよい。この繊維状構造体331の形成方法は、特に限定されないが、例えば、相分離法、相反転法、静電(電界)紡糸法、溶融紡糸法、湿式紡糸法、乾式紡糸法、ゲル紡糸法、ゾルゲル法またはスプレー塗布法等であることが好ましい。繊維径に対して長さが十分に大きい繊維状物質を容易且つ安定に形成しやすいからである。
【0045】
繊維状構造体331の平均繊維径は、特に限定されないが、できるだけ小さいことが好ましい。光が乱反射しやすくなると共に、細孔333の平均孔径が大きくなるからである。このため、繊維状構造体331の平均繊維径は、10μm以下であることが好ましい。なお、平均繊維径の下限は、特に限定されないが、例えば、0.1μmであり、それ以下でもよい。この平均繊維径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いた顕微鏡観察により測定される。なお、繊維状構造体331の平均長さは、任意でよい。
【0046】
細孔333は、複数の繊維状構造体331が重なりあい、または、1つの繊維状構造体331が絡まりあうことによって形成されたものである。細孔333の平均孔径は、特に限定されないが、中でも、できるだけ大きいことが好ましい。泳動粒子32が細孔333を通過しやすくなるからである。このため、細孔333の平均孔径は、0.1μm〜10μmであることが好ましい。
【0047】
多孔質層33の厚さは、特に限定されないが、例えば、5μm〜100μmである。多孔質層33の遮蔽性が高くなると共に、泳動粒子32が細孔333を通過しやすくなるからである。
【0048】
繊維状構造体331を構成する材料としては、例えば、高分子材料または無機材料等のいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、他の材料を含んでいてもよい。高分子材料は、例えば、ナイロン、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルクロライド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリサルフォン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンフロリド、ポリヘキサフルオロプロピレン、セルロースアセテート、コラーゲン、ゼラチン、キトサンまたはそれらのコポリマー等である。無機材料は、例えば、酸化チタン等である。中でも、繊維状構造体331の形成材料としては、高分子材料が好ましい。反応性(光反応性等)が低い(化学的に安定である)ため、繊維状構造体331の意図しない分解反応が抑制されるからである。なお、繊維状構造体331が高反応性の材料により形成されている場合には、その繊維状構造体331の表面は任意の保護層により被覆されていることが好ましい。
【0049】
特に、繊維状構造体331は、ナノファイバーであることが好ましい。立体構造が複雑化して外光が乱反射しやすくなるため、多孔質層33の光反射率がより高くなると共に、多孔質層33の単位体積中に占める細孔333の体積の割合が大きくなるため、泳動粒子32が細孔333を通過しやすくなるからである。これにより、コントラストがより高くなると共に、泳動粒子32の移動に要するエネルギーがより低くなる。ナノファイバーとは、繊維径が0.001μm〜0.1μmであると共に、長さが繊維径の100倍以上である繊維状物質である。ナノファイバーである繊維状構造体331は、高分子材料を用いて静電紡糸法により形成されていることが好ましい。繊維径が小さい繊維状構造体331を容易且つ安定に形成しやすいからである。
【0050】
この繊維状構造体331は、泳動粒子32とは異なる光学的反射特性を有していることが好ましい。具体的には、繊維状構造体331の光反射率は、特に限定されないが、少なくとも多孔質層33が全体として泳動粒子32を遮蔽可能となるように設定されることが好ましい。上記したように、泳動粒子32の光反射率と多孔質層33の光反射率との違いを利用してコントラストを生じさせるためである。
【0051】
非泳動粒子332は、繊維状構造体331に固定されており、電気的に泳動しない粒子である。非泳動粒子332は、繊維状構造体331により保持されていれば、繊維状構造体331から部分的に露出していてもよいし、その内部に埋設されていてもよい。
【0052】
非泳動粒子332の具体的な形成材料は、例えば、コントラストを生じさせるために非泳動粒子332が担う役割に応じて選択される。具体的には、非泳動粒子332には、その光反射率が泳動粒子32の光反射率と異なるものを用いる。例えば、非泳動粒子332(多孔質層33)が明表示する場合には、上記泳動粒子32が明表示する場合の材料、非泳動粒子332が暗表示する場合には上記泳動粒子32が暗表示する場合の材料をそれぞれ用いることができる。多孔質層33により明表示を行う場合には、非泳動粒子332は金属酸化物が好ましく、酸化チタンがより好ましい。これにより、優れた化学的安定性、定着性および光反射性を得ることができる。なお、コントラストを生じさせることができれば、非泳動粒子332および泳動粒子32それぞれの構成材料は同じであってもよい。
【0053】
なお、多孔質層33は、画素電極14および対向電極22のうちのどちらか一方に接していてもよく、後述する待避領域R1と表示領域R2とが明確に区切られていなくてもよい(図3A図3B参照)。泳動粒子32は、電界に応じて画素電極14または対向電極22に向かって移動する。
【0054】
隔壁40は、駆動基板10および対向基板20の積層方向に延在するものであり、駆動基板10と対向基板20との間は、この隔壁40によって所定の間隔に調整されている。隔壁40は、例えば、駆動基板10(具体的には、シール層16)および対向基板20(具体的には、対向電極22)にそれぞれ接して設けられており、電気泳動素子30は、隔壁40によって複数のセル41に分割されている。換言すると、電気泳動素子30は、隔壁40によって泳動粒子32が各セル41に収容され、セル41間での泳動粒子32の移動が抑制されている。これにより、泳動粒子32の拡散、対流および凝集等による表示ムラの発生が抑制される。
【0055】
隔壁40は、例えば、絶縁性を有する高分子材料等によって構成されている。隔壁40の構成は特に限定されず、例えば、微粒子が混入されたシール材等を用いてもよい。
【0056】
隔壁40の高さ(Z方向)は、互いに揃っていることが好ましい。同じ高さの隔壁40を設けることにより、シール層16と対向電極22との間の距離(ギャップ)が面全体で均一に保たれ、電界強度を一定に維持することができる。これにより、応答速度のムラが解消される。隔壁40の高さは、例えば、1μm〜100μmであり、できるだけ薄くすることが好ましい。これにより、消費電力を抑えることができる。
【0057】
隔壁40の形状は、例えば、図1に示したように、対向基板20から駆動基板10に向かってその幅(X方向)が小さくなる形状、所謂逆テーパ形状であることが好ましい。隔壁40の幅のうち、最も大きな幅W1(対向基板20との対向面の幅)は、例えば、5μm〜50μmであることが好ましく、最も小さな幅W2(駆動基板10との対向面の幅)は、例えば、1μm〜30μmであることが好ましい。また、隔壁40の、駆動基板10と対向基板20との間の面内における配置形状は、特に限定されないが、例えば、セル41の形状が、例えば、矩形状あるいは正六角形(ハニカム構造)となるように設けられている。
【0058】
本実施の形態では、隔壁40の駆動基板10および対向基板20に面する端面には、反射抑制層として黒色層42が設けられている。黒色層42の形成場所は、隔壁40の駆動基板10および対向基板20に面する端面のどちらでもよいが、後述する製造工程上、図1に示したように、隔壁40の駆動基板10に面する端面、即ち、駆動基板10との対向面に設けることが好ましい。
【0059】
黒色層42は、例えば、高分子材料と着色粒子とを含んで構成されている。高分子材料としては、多孔質層33(具体的には、繊維状構造体332)よりも軟化点が低いものが好ましく、例えば、ナイロン,ポリ乳酸,ポリアミド,ポリイミド,ポリエチレンテレフタレート,ポリアクリロニトリル,ポリメタクリル酸メチル,ポリエチレンオキシド,ポリビニルカルバゾール,ポリビニルクロライド,ポリウレタン,ポリスチレン ,ポリビニルアルコール,ポリサルフォン,ポリビニルピロリドン,ポリビニリデンフロリド,ポリヘキサフルオロプロピレン,セルロースアセテート,コラーゲン,ゼラチン,キトサンまたはそれらのコポリマー等が挙げられる。着色粒子は、例えば、上記泳動粒子32を構成する材料として挙げた、有機顔料、無機顔料、染料、炭素材料、金属材料、金属酸化物、ガラス等が挙げられる。具体的には、黒色チタニア(酸化チタン),カーボンブラック,酸化銅,アニリンブラック等が挙げられる。なお、高分子材料は、上記シール層16を構成する材料と同系統の材料を用いることが好ましく、例えば、シール層16と同一の材料を用いることにより、黒色層42とシール層16との密着性が向上する。このため、高分子材料としては、例えば、熱可塑性あるいは光硬化性のアクリル系樹脂を用いることが好ましい。
【0060】
黒色層42を構成する高分子材料および着色粒子の比率は、例えば、体積分率によって規定される。具体的には、高分子材料中に含まれる着色粒子の体積分率は、好ましくは、5%以上40%以下であり、より好ましくは、15%以上30%以下である。高分子材料中に含まれる着色粒子が40%よりも多くなると、黒色層42と駆動基板10(具体的には、シール層16)との密着性および封止性が低下する。また、高分子材料中に含まれる着色粒子が5%よりも少なくなると、画素電極12の反射や、製造時に黒色層42と駆動基板10との間に挟まった多孔質層33の残渣を十分に遮蔽することが難しくなる。
【0061】
封止材43は、電気泳動素子30を駆動基板10と対向基板20との間に封止するためのものであり、例えば、隔壁40と同様に、高分子材料等の絶縁性材料により構成されている。封止材43を設けることにより、外部から電気泳動素子30への水分等の浸入を抑制することが可能となる。封止材43には、隔壁40と同様に、微粒子を含むシール材を用いるようにしてもよい。封止材43の厚みは、隔壁40の高さ、即ち、間隙と略同じである。封止材43が駆動基板10または対向基板20の周縁からはみ出していてもよい。
【0062】
(1−2.製造方法)
本実施の形態の表示装置1は、例えば、以下の方法により形成することができる。支持部材21の一面に対向電極22を各種成膜法等の既存の方法を用いて設け、対向基板20を形成する。次に、対向電極22上に隔壁40を形成する。隔壁40は、例えば、以下のようなインプリント法により形成することができる。まず、隔壁40の構成材料(例えば、感光性樹脂材料)を含む溶液を対向電極22上に塗布する。次いで、塗布面に凹部を有する型を押し当て、感光させた後、型を外す。これにより、柱状の隔壁40が形成される。このとき、隔壁40は、幅が対向基板20側から駆動基板10側に徐々に狭くなる、いわゆる逆テーパとすることが好ましい。これにより、隔壁40から型を容易に外すことができる。
【0063】
続いて、隔壁40の端面に黒色層42を形成する。黒色層42は、例えば、アクリル樹脂と黒色チタニアから構成された黒色シートを隔壁40に熱転写することによって形成することができる。次に、隣り合う隔壁40の間、即ち、セル41内に繊維状構造体331を配設する。まず、例えば、N,N’−ジメチルホルムアミドに繊維状構造体331としてポリアクリロニトリルを分散または溶解させると共に、非泳動粒子33として、例えば、酸化チタンを加えて十分に攪拌し、高分子溶液(紡糸溶液)を調整する。続いて、この紡糸溶液を用いて、例えば、静電紡糸法によって、別の基板上で紡糸する。なお、繊維状構造体331は、静電紡糸法に代えて、相分離法、相反転法、溶融紡糸法、湿式紡糸法、乾式紡糸法、ゲル紡糸法、ゾルゲル法およびスプレー塗布法等によって形成してもよい。
【0064】
また、繊維状構造体331の形成方法としては、高分子フィルムにレーザ加工を用いて孔開けを行い、繊維状構造体を形成する方法も提案されているが(特開2005−107146号公報参照)、この方法では孔径50μm程度の大きな孔しか形成できず、繊維状構造体により泳動粒子を完全に遮蔽することができない虞がある。
【0065】
次いで、繊維状構造体331を適当な大きさに分断して各セル41内に載置する。具体的には、繊維状構造体331を上(支持部材21と反対の方向)から押圧することによって、隔壁40(具体的には、黒色層42)により繊維状構造体331は摺り切られる。この切断された繊維状構造体331を隔壁40間に収容する。このようにして、繊維状構造体331に非泳動粒子332が保持された多孔質層33をセル41毎に形成することができる。
【0066】
続いて、多孔質層33が配置された対向基板20に、泳動粒子32を分散させた絶縁性液体31を塗布したのち、これを、例えば、シール層16が配設された剥離部材を対向させる。最後に、剥離部材を剥がしたのち、シール層16上に接着層15を介してTFT12および画素電極14が形成された駆動基板10を固定する。以上の工程により、表示装置1が完成する。
【0067】
なお、ここでは、黒色層42を隔壁40上に形成したのち、シール層16を貼り合わせたが、これに限らず、例えば、黒色層42をシール層16上に配置し、その後、隔壁40に貼り合わせるようにしてもよい。黒色層42を隔壁40とシール層16との間に配置することができれば、その方法は特に限定されない。
【0068】
(1−3.好ましい表示方法)
初期状態の表示装置1では、泳動粒子32は待避領域R1に配置されている(図3A)。この場合には、全ての画素で泳動粒子32が多孔質層33により遮蔽されているため、対向基板20側から電気泳動素子30を見ると、コントラストが生じていない(画像が表示されていない)状態にある。
【0069】
一方、TFT12により画素が選択され、画素電極14と対向電極22との間に電界が印加されると、図3Bに示したように、画素毎に泳動粒子32が待避領域R1から多孔質層33(細孔333)を経由して表示領域R2に移動する。この場合には、泳動粒子32が多孔質層33により遮蔽されている画素と遮蔽されていない画素とが併存するため、対向基板20側から電気泳動素子30を見ると、コントラストが生じている状態になる。これにより、画像が表示される。
【0070】
この表示装置1によれば、高い応答速度を有する電気泳動素子30により、例えば、カラー化や動画表示にも適した高品位な画像を表示できる。
【0071】
(1−4.作用・効果)
表示素子として電気泳動素子を用いた表示装置では、電気泳動素子が配置されている表示領域を複数のセルに仕切る隔壁が設けられている。一般的な表示装置では、前述したように、製造時に隔壁と、基板との間に白色を呈する多孔質層が挟まれたり、画素電極の反射によって、表示面から見て隔壁部分が常に白く表示され、コントラストが低下するという問題があった。
【0072】
コントラストを向上させる方法としては、例えば、基板の一部(例えば、画素電極上)あるいは全面に、黒色粒子を分散させた樹脂膜や、クロム(Cr)等の金属を黒化した金属膜を設けることが考えられる。しかしながら、これら樹脂膜や金属膜が一部にパターニングされている場合、製造プロセス中に加えられる圧力や、熱による基板の伸縮によって位置ずれが生じやすく、かえって電極面の反射によってコントラストの低下につながる愚がある。一方、樹脂膜や金属膜が基板全面に形成されている場合には、樹脂膜や金属膜の抵抗がセル抵抗(粒子駆動域の抵抗)と同等以上であると樹脂膜や金属膜に電圧が分散される。このため、泳動粒子が駆動する領域に印加される電圧が小さくなってしまい、コントラストの向上につながらない虞がある。また、樹脂膜や金属膜の抵抗が小さすぎる場合には、画素電極がパターニングされていると横電界の影響によって精細な表示が難しくなる。更に、どちらの場合でも、上下の基板を貼り合わせる際に、隔壁と基板との間に白色の粒子や繊維を挟み込む可能性があるため、コントラストの低下を解消する有効な手段とは言い難い。なお、隔壁と基板との間に粒子や繊維を挟み込んだ場合には、その隙間から粒子の移動が起こるため、表示ムラや上下基板の密着性の低下という問題が生じる。
【0073】
これに対して、本実施の形態の表示装置1では、駆動基板10と対向基板20の積層方向に延在する隔壁40の少なくとも一方の端面(ここでは、駆動基板10と接する端面)に、高分子材料および着色粒子を含む黒色層42を設けるようにした。これにより、製造プロセス時に隔壁40と駆動基板10との間に白色の多孔質層33を挟んでも、隔壁40の端面に設けられた黒色層42によって多孔質層33の白色は遮蔽される。また、多孔質層33が挟まれていない場合でも、画素電極14による反射光は黒色層42によって遮蔽される。更に、この黒色層42は、高分子材料に対する着色粒子の体積分率が5%以上40%以下の構成を有するようにした。これにより、隔壁40部分の反射を抑制しつつ、駆動基板10と隔壁40(具体的には、黒色層42)との密着性が保持される。
【0074】
以上のように、本実施の形態の表示装置1では、隔壁40の少なくとも一方の端面(ここでは、駆動基板10と接する端面)に、高分子材料および着色粒子を含むと共に、高分子材料に対する着色粒子の体積分率が5%以上40%以下の構成を有する黒色層42を設けるようにした。これにより、表示面から見た際の隔壁40部分の反射を抑制しつつ、駆動基板10と隔壁40(具体的には、黒色層42)との密着性が保持される。具体的には、高分子材料に対する着色粒子の体積分率を5%以上とすることにより、例えば、対向基板20と駆動基板10とを貼り合わせる際に、隔壁40と駆動基板10との間に挟み込まれた多孔質層33や、画素電極14からの反射光が遮蔽される。よって、表示装置1のコントラストを向上させることが可能となる。また、高分子材料に対する着色粒子の体積分率を40%以下とすることにより、黒色層42と駆動基板10との密着性が保持される。よって、表示装置1における膜剥れの発生が抑えられ、信頼性を向上させることが可能となる。
【0075】
<2.適用例>
(電子機器)
次に、上記表示装置1の適用例について説明する。本技術の表示装置1は、各種用途の電子機器に適用可能であり、その電子機器の種類は特に限定されない。表示装置1は、例えば、以下の電子機器に搭載可能である。ただし、以下で説明する電子機器の構成はあくまで一例であるため、その構成は適宜変更可能である。
【0076】
図4A,4Bは、電子ブックの外観構成を表している。この電子ブックは、例えば、表示部110および非表示部120と、操作部130とを備えている。なお、操作部130は、図4Aに示したように非表示部120の前面に設けられていてもよいし、図4Bに示したように上面に設けられていてもよい。表示部110が表示装置1により構成される。なお、表示装置1は、図4A,4Bに示した電子ブックと同様の構成を有するPDA(Personal Digital Assistants)等に搭載されてもよい。
【0077】
図5は、タブレットパーソナルコンピュータの外観を表したものである。このタブレットパーソナルコンピュータは、例えば、タッチパネル部210および筐体220を有しており、タッチパネル部210が上記表示装置1により構成されている。
【0078】
<3.実施例>
次に、本技術の実施例について詳細に説明する。以下の手順により、黒色(暗表示)の泳動粒子および白色(明表示)の多孔質層(粒子含有繊維状構造体)を有する電気泳動素子を備えると共に、駆動基板と接する隔壁の底面に黒色層を有する表示装置を作製した。
【0079】
(泳動粒子の準備)
まず、テトラヒドロフラン400mlとメタノール400mlとの混合溶液を調製した後、この溶液に複合酸化物微粒子(銅−鉄−マンガンの酸化物:大日精化工業株式会社製ダイピロキサイドカラーTM9550)50gを加え、超音波浴槽にて超音波攪拌(25℃〜35℃で30分間)を行った。次いで、この複合酸化物微粒子の分散液に28%アンモニア水40mlを30分間かけて滴下したのち、テトラヒドロフラン80mlにプレンアクト KR−TTS(味の素ファインテクノ株式会社製)10gを溶解させた溶液を30分間かけて滴下した。続いて、超音波浴槽を60℃まで昇温させ3時間保持したのちこれを室温まで冷却して遠心分離(6000rpmで10分間)およびデカンテーションを行った。続いて、このデカンテーション後の沈殿物をテトラヒドロフランとメタノールとの混合溶媒(体積比1:1)に再分散させ、遠心分離(6000rpmで10分間)およびデカンテーションを行った。この洗浄作業を3回繰り返して得られた沈殿物を70℃の真空オーブンで一晩乾燥させた。これにより、分散基で被覆された黒色の泳動粒子が得られた。
【0080】
(絶縁性液体の準備)
泳動粒子を調製した後、分散剤および電荷調整剤(Chevron Chemicals製OLOA1200)16.7gを絶縁性液体83.3gに溶解させた。絶縁性液体はイソパラフィン(エクソンモービル社製IsoparG)を用いた。この絶縁性液体9gに上記泳動粒子1gを添加し、超音波分散を行った。続いて、遠心分離(6000rpmで90分間)を行い、デカンテーションを行った後、さらに絶縁性液体に再分散させた。この洗浄作業を3回繰り返し、得られた沈殿物を顔料成分が10重量%になるように絶縁性液体を加えた。続いて、この絶縁性液体76.7gに、OLOA1200 3.34gおよび上記泳動粒子分散液20g加えて撹拌することにより、添加剤および黒色顔料を含有した絶縁性液体を得た。
【0081】
(多孔質層の準備)
一方、多孔質層は以下のようにして形成した。まず、非泳動粒子として平均一次粒径450nmの酸化チタンを用意し、カルボン酸系陰イオン性界面活性剤を溶解させたテトラヒドロフラン中に4重量%になるように混合し、ペイントシェイカーを用いて1時間攪拌した。その後、遠心分離(5000rpmで10分)にかけ、デカンテーションにより溶媒を取り除き。3回洗浄した後、70℃で一晩乾燥させた。これにより、カルボン酸系陰イオン性界面活性剤でコーティングされた酸化チタンが得られた。
【0082】
次いで、繊維状構造体の構成材料としてポリメチルメタクリレートを準備した。このポリメチルメタクリレート13gをN,N’−ジメチルホルムアミド84gに溶解させた後、この溶液6.5gに、非泳動粒子として一次粒径が450nmの酸化チタン0.5gを加えてビーズミルで混合した。これにより繊維状構造体を形成するための紡糸溶液が得られた。この紡糸溶液をシリンジに入れ、基板上に電界紡糸装置(株式会社メック製NANON)を用いて坪量1.2mg/cm2の紡糸を行った。
【0083】
(表示装置の組み立て)
次に、対向電極(ITO)が全面形成されたPETフィルム(対向基板)の上に、インプリント法を用いて光硬化性樹脂(積水化学工業株式会社製感光性樹脂フォトレックA−400)で、例えば、高さ30μm、幅10μm、ピッチ200μmのピッチの隔壁およびPETフィルムの外周に沿って封止材を設けた。続いて、隔壁上(具体的には、駆動基板と接する端面)に、例えば、カーボンブラック(着色粒子)を含む熱可塑性ポリウレタンA(軟化点;102℃,熱可塑性ポリウレタンA中に含まれるカーボンブラックの体積分率15%)からなる厚み10μmの黒色シートを熱転写することで黒色層を形成した。続いて、適当な大きさに分断し多孔質層をPETフィルム上の隔壁によって区画されたセル内に載置したのち、泳動粒子を分散させた絶縁性液体を塗布した。こののち、PETフィルムにシール層として熱可塑性ポリウレタンA膜が形成された剥離部材を対向させ、PETフィルム上に設けられた電気泳動素子を封止した。最後に、TFTおよび画素電極が設けられたフィルム基板(駆動基板)を、接着層を介して貼り合わせ、表示装置を作製した(実験例1)。
【0084】
この実験例1のほか、黒色層を構成する高分子材料として、熱可塑性ポリウレタンB(軟化点;150℃以上,実験例2;熱可塑性ポリウレタンBに対するカーボンブラックの体積分率15%)および熱可塑性ポリウレタンC(軟化点;52℃,実験例3;熱可塑性ポリウレタンCに対するカーボンブラックの体積分率15%)を用いた実験例2,実験例3を作製した。また、比較例として、黒色層が形成されていない実験例4を作製した。これら、実験例1〜4を用いて、対向基板(具体的には、黒色層)と駆動基板との面密着力を比較した。
【0085】
図6は、実験例1〜4の面密着力を比較したものである。図6から、黒色層を設けることによって、対向基板と駆動基板との間の密着強度が向上することがわかった。また、実験例2よりも実験例1の表示装置の方が、面密着力が高かったことから、即ち、黒色層として用いる高分子材料としては、シール層を構成する材料と同じ高分子材料を用いることが好ましいといえる。図7は、実験例1および実験例3における10回押圧後に生じた不良セル数を比較したものである。図7からわかるように、実験例1では10回押圧後に不良セルが生じたのに対して、実験例3では不良セルは生じなかった。これは、熱可塑性ポリウレタンCが、熱可塑性ポリウレタンAよりも軟化点が低く流動しやすいため、シール層との接触面積が大きくなり、セル間の粒子の移動をより防ぐことができたものと推察される。また、熱可塑性ポリウレタンAのような高い軟化点を持つものでも、高い温度をかけて封止することで同様の効果が得られると考えられるが、多孔質層を構成するポリメチルメタクリレートの軟化点が80℃であるため、それよりも高い温度をかけると多孔質層の構造が崩れる等の虞があり、好ましくない。即ち、黒色層を構成する高分子材料としては、シール層を構成する材料と同一の材料、もしくはそれに近い材質のものであり、且つ、多孔質層(具体的には、繊維状構造体)の軟化点よりも低いものが好ましいといえる。
【0086】
更に、黒色層を構成する高分子材料として熱可塑性ポリウレタンCを、着色粒子としてカーボンブラックを用いると共に、熱可塑性ポリウレタンCに対するカーボンブラックの体積分率が0%(実験例5−1)、3%(実験例5−2)、5%(実験例5−3)、8%(実験例5−4)、16%(実験例5−5)、25パーセント(実験例5−6)、30%(実験例5−7)、40%(実験例5−8)、45%(実験例5−9)、50%(実験例5−10)の実験例5−1〜5−10を作製し、コントラスト(CR)および密着強度の可否を調べた。この結果を表1に示した。なお、コントラストの可否の判定は、コントタストが10以上であった場合を○、10未満であった場合を×とした。密着強度の可否の判定は、ピール強度が0.5N/cm以上の場合を○、0.5N/cm未満の場合を×とした。
【0087】
【表1】
【0088】
表1から、高分子材料に対する着色粒子の体積分率を多くすることによって、黒反射率が低下し、コントラストが向上することがわかった。なお、高分子材料に対する着色粒子の体積分率が40%以上となると、対向基板と駆動基板との密着性が低下し、膜剥れが生じやすくなる。よって、黒色層を構成する高分子材料に対する着色粒子の体積分率は、5%以上40%以下が好ましいことがわかる。また、より好ましくは、15%以上30%以下である。
【0089】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0090】
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0091】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)第1基板と、前記第1基板と対向配置された第2基板と、前記第1基板および前記第2基板の間に設けられると共に、繊維状構造体により形成された多孔質層および前記多孔質層の間隙を移動する泳動粒子を含む表示素子と、前記第1基板および前記第2基板の積層方向に延在する隔壁と、前記隔壁の、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方に面する端面に設けられた反射抑制層とを備え、前記反射抑制層は、高分子材料および着色粒子を含み、前記着色粒子の体積分率は、前記高分子材料に対して5%以上40%以下である表示装置。
(2)前記反射抑制層は、前記第2基板に面する前記隔壁の端面に設けられている、前記(1)に記載の表示装置。
(3)前記高分子材料は、前記繊維状構造体を構成する材料よりも軟化点が低い、前記(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)前記第1基板と前記第2基板との間に前記表示素子を封止する封止層を有し、前記封止層と前記反射抑制層とは、同一材料を含む、前記(1)乃至(3)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(5)前記高分子材料は、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂である、前記(1)乃至(4)のうちに記載の表示装置。
(6)前記着色粒子は、有機顔料、無機顔料、染料、炭素材料、金属材料、金属酸化物、あるいはガラスのうちの少なくとも1種により構成されている、前記(1)乃至(5)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(7)表示装置を備え、前記表示装置は、第1基板と、前記第1基板と対向配置された第2基板と、前記第1基板および前記第2基板の間に設けられると共に、繊維状構造体により形成された多孔質層および前記多孔質層の間隙を移動する泳動粒子を含む表示素子と、前記第1基板および前記第2基板の積層方向に延在する隔壁と、前記隔壁の、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方に面する端面に設けられた反射抑制層とを有し、前記反射抑制層は、高分子材料および着色粒子を含み、前記着色粒子の体積分率は、前記高分子材料に対して5%以上40%以下である電子機器。
【符号の説明】
【0092】
1…絶縁性液体、3…表示装置、10…駆動基板、11…支持部材、12…TFT、13…保護層、14…画素電極、15…接着層、16…シール層、20…対向基板、21…支持部材、22…対向電極、30…電気泳動素子、31…絶縁性液体、32…泳動粒子、33…多孔質層、40…隔壁、41…セル、42…黒色層、43…封止材、331…繊維状構造体、332…非泳動粒子、333…細孔。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7