特開2016-224388(P2016-224388A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2016224388-レンズユニットおよび車載カメラ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-224388(P2016-224388A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】レンズユニットおよび車載カメラ
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20060101AFI20161205BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   G02B7/02 F
   G03B15/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-113707(P2015-113707)
(22)【出願日】2015年6月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100097995
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 悦一
(72)【発明者】
【氏名】平田 弘之
(72)【発明者】
【氏名】牧野 由多可
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AH01
2H044AH05
2H044AH10
(57)【要約】
【課題】温度変化によって鏡筒に支持されたレンズが動くのを防止できるレンズユニットおよび車載カメラを提供する。
【解決手段】レンズユニット20は、複数のレンズ2,3,4,5,6,7が当該レンズ2,3,4,5,6,7の光軸に沿って並べられたレンズ群19と、レンズ群19を一体に支持する鏡筒1を備える。レンズユニット20は、レンズ群19の少なくとも一個所のレンズ2,3,4,5,6,7同士の間に配置される環状のスペーサ13を備える。スペーサ13がレンズ2,3,4,5,6,7の光軸方向に伸長可能な波ばねからなっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられたレンズ群と、前記レンズ群を一体に支持する鏡筒と、前記レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間、または、前記レンズ群の物体側もしくは結像側の端部に配置される環状のスペーサとを備え、
前記スペーサが前記レンズの光軸方向に伸長可能になっていることを特徴とするレンズユニット。
【請求項2】
前記スペーサが弾性体であることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記スペーサがばねであることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記スペーサが波ばねであることを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前記レンズユニットを備えることを特徴とする車載カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に搭載される車載カメラに適したレンズユニットおよび車載カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行われており、さらに自動運転への応用が試みられている。
このような車載カメラは、自動車が寒冷や暑熱の環境に曝されることにより同様に過酷な温度環境に曝され、さらに、自動車の外側に配置された車載カメラは、寒風や雪の影響を受けたり、太陽光により過熱状態とされたりする可能性がある。
【0003】
したがって、自動車使用時に使用される車載カメラは低温から高温まで安定して使用できることが望まれ、様々な温度対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
近年、携帯電話(スマートフォン)等にカメラが組み込まれることなどにより、高性能でかつ低コストのカメラの需要が多く、比較的安価な樹脂レンズが普及している。
車載カメラにおいても樹脂レンズや樹脂製の鏡筒等の部材を使用可能であるが、車外に配置される車載カメラでは、上述のように低温や高温になったり、雨、雪、雹等に晒されたり、さらに跳ねた石や自動車からの落下物等が当たる可能性等があることから、耐久性を重視した場合に、ガラスレンズと金属製の鏡筒が採用されることも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】2008−298968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ある程度高性能のカメラの場合に、レンズとして例えば4枚以上のレンズからなるレンズ群を用い、このレンズ群の複数のレンズが鏡筒に光軸方向をそれぞれ揃えて一列に並べられた状態に保持されることになる。また、鏡筒内では、レンズの外周面が鏡筒の内周面に接触して沿った状態となるとともに、レンズ群の物体(被写体)側と撮像センサ側とが鏡筒の外側に出ないように挟まれた状態で鏡筒内に保持されている。したがって、レンズ群のレンズは、光軸方向に積み重ねられた状態であり、個々のレンズが鏡筒に固定された状態とはなっていない。
【0006】
このような複数のレンズからなるレンズ群を光軸方向に並べた状態に鏡筒が保持する場合に、鏡筒の光軸方向に沿った長さが長くなり、鏡筒を膨張率が比較的大きな金属とした場合に、温度変化による光軸方向に沿った長さの変化量が大きくなる。それに対してガラスレンズの線膨張率が一般的に金属より小さく、例えば、鏡筒の温度上昇による光軸方向の伸び量が、レンズ群全体の光軸方向の伸び量より大きくなる。
【0007】
この場合に、レンズ群のレンズ間に隙間が生じる可能性があり、これによりレンズが少しだけ倒れるように傾いた状態となり、鏡筒の軸方向に対してレンズの光軸方向が少しだけずれる可能性がある。このように鏡筒内のレンズが動いた場合に、例えば、車載カメラで撮影された映像をモニタ上に映した場合に、レンズが少し動くことにより、モニタ上の映像が少し動くことになる。すなわち、レンズ間の隙間によりレンズが動くことで、撮像範囲にずれが生じ、これにより撮像された映像の位置がずれることになる、
【0008】
単に映像を見ながら撮影し、撮影した映像を表示するだけなら、撮影時にカメラを動かすことにより撮像範囲を決められるので、このような映像の少しの動きは大きな問題とならないが、上述の駐車のアシストや画像認識による衝突防止に車載カメラを用いている場合に、問題となる場合がある。例えば、駐車のアシストでは、モニタ上に、車載カメラで撮影した映像とともに運転者の駐車操作を案内するためのガイドライン(太いラインの表示)が表示される場合が多いが、上述のようにモニタ上の映像が動くと、ガイドラインと映像との位置関係にずれが生じ、ガイドラインに沿って適切な位置に駐車することが困難になる虞がある。また、衝突防止においては、映像に基づいて、車両と外部の物体との位置関係を求めているので、映像がずれると問題が生じる虞がある。なお、鏡筒やレンズが樹脂製であっても、鏡筒とレンズとの材質の違いにより上述のような温度変化による問題が生じる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、温度変化によって鏡筒に支持されたレンズが動くのを防止できるレンズユニットおよび車載カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明のレンズユニットは、
複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられたレンズ群と、前記レンズ群を一体に支持する鏡筒と、前記レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間、または、前記レンズ群の物体側もしくは結像側の端部に配置される環状のスペーサとを備え、
前記スペーサが前記レンズの光軸方向に伸長可能になっていることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、温度上昇による鏡筒とレンズとの線膨張率の違いによりレンズ群のレンズ同士の間に光軸方向に沿った隙間が生じるような場合にスペーサが光軸方向に伸長し、レンズ間に隙間が生じるのを防止することができる。これによりレンズ間の隙間が生じた際に例えば一部のレンズが斜めになって、撮像範囲が変化するのを抑制することができる。これにより、車載カメラを用いた駐車のアシスト、衝突防止、自動運転等において、高温時の信頼性を向上することが可能になる。なお、光軸方向に伸長可能なスペーサは、例えば、ゴムやばね等の弾性部材からなり、光軸方向に圧縮された状態で配置されていることが好ましい。また、スペーサは、高分子アクチュエータのように光軸方向に伸縮可能な部材であってもよい。
【0012】
本発明の上記構成において、前記スペーサが弾性体であることが好ましい。
このような構成によれば、例えば、各種ゴムやゴム状の樹脂や、各種ばね(金属製の皿ばねや波ばね等)を用いることができ、比較的低コストで、温度上昇時にレンズ間に隙間が生じるのを防止することができる。なお、基本的にスペーサは圧縮された状態でレンズ間に配置されるので、レンズ等に弾性力が作用するが、特に問題が生じないレベルの弾性力で高温時に、レンズ間に隙間が生じるのを抑制できる。
【0013】
本発明上記構成において、前記スペーサがばねであることが好ましい。
このような構成によれば、前記伸縮可能なスペーサを金属製とすることが容易であり、耐久性を得易い構造とすることができる。すなわち、ばねの場合に金属製の製品が多く、伸長可能なスペーサを金属製とすることにより、耐久性の向上を図り易くなる。
【0014】
本発明の前記構成において前記スペーサが波ばねであることが好ましい。
このような構成によれば、伸長するスペーサとして波ばね用いることにより、圧縮時の光軸方向に沿った長さが短く、かつ、熱膨張によるレンズ間の隙間を埋めるのに十分な長さを伸長させることが可能であり、伸長するスペーサを配置するためにレンズ間の間隔が長くなるような設計をする必要がない。
【0015】
本発明の車載カメラは、前記構成の前記レンズユニットを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、上述のレンズユニットの作用効果を車載カメラで得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自動車等の車両に搭載される車載カメラのように高温や低温で使用される可能性があるレンズユニットにおいて、低温時に十分使用可能で、高温時に撮像範囲がずれるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態の車載カメラのレンズユニットを示す断面図である。
図2】本発明の第2の実施の形態の車載カメラのレンズユニットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
本実施の形態のレンズユニットは、車載カメラ用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。
【0019】
図1に示すように、この実施の形態の車載カメラのレンズユニット20は、円筒状の鏡筒1と、鏡筒1内に配置される複数(6枚)のレンズ2,3,4,5,6,7と、鏡筒1のレンズ2,3,4,5,6,7が像を結ぶ(結像)側(撮像センサ8が配置される側)の一方の端部に配置される光学フィルタ9と、撮影される物体側の他方の端部で鏡筒1内のレンズ2を押さえる押え部材18と、3つの絞り部材10,11,12と、3つのスペーサ(中間環)13,14,15とを備える。本実施の形態の車載カメラは、上述のレンズユニット20と、撮像センサ8を有する基板16と、撮像センサ8を備える基板16に対して鏡筒1を位置決めした状態に支持する支持部材(マウント)17と、当該基板16を自動車に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
【0020】
鏡筒1に固定されて支持されている複数のレンズ2.3.4.5.6.7は、それぞれの光軸を一致させた状態に配置されており、1つの光軸に沿って各レンズ2,3,4,5,6,7が並べられた状態となって、撮像に用いられる1群のレンズ群19を構成している。したがって、以下に単に光軸と記載した場合に、各レンズ2,3,4,5,6,7の光軸を示すとともにレンズ群19の光軸を示すものである。
【0021】
3つの絞り部材10,11,12のうちの物体側(鏡筒1の他方の端部)から1番目の絞り部材10は、物体側から1番目のレンズ2と2番目のレンズ3との間に配置されている。物体側から2番目の絞り部材11は、物体側から2番目のレンズ3と3番目のレンズ4との間で、これらレンズ3,4の間に光軸方向に沿って並んで配置されたスペーサ13とスペーサ14との間に配置されている。物体側から3番目の絞り部材12は、物体側から4番目のレンズ5と6番目のレンズ7との間に配置されたスペーサ15と、6番目のレンズ7との間に配置されている。
【0022】
中間環である環状のスペーサ13,14,15のうちの物体側から1番目のスペーサ13と2番目のスペーサ14は、上述のように2番目のレンズ3と3番目のレンズ4との間に配置されている。この二つスペーサ13.14のうちの物体側の1つのスペーサ13が弾性部材からなるとともに、圧縮された状態で、レンズ3とレンズ4との間に配置されている。詳細には、スペーサ13がレンズ3と、スペーサ14を介してレンズ4との間に配置されている。
【0023】
スペーサ13は、弾性部材としてばねからなっている。また、スペーサ13は、環状の波ばね(ウェーブワッシャ)からなっている。波ばねは、例えば、円板状で中央部に孔があいた環状となっているとともに、上述の円板に直交する軸方向に沿う位置が周方向の位置によって変化することで周方向に沿って波打った形状となっている。
【0024】
波バネは、板ばねの一種であり、上述の軸方向に圧縮した場合に軸方向に伸長可能となるので、温度上昇時に鏡筒1とレンズ2〜7との線膨張率の違いにより、レンズ2〜7間に隙間が生じた場合に、光軸方向に圧縮されてレンズ2〜7間に配置されたスペーサ13が伸長することにより、レンズ2〜7間に隙間が発生するのを防止するようになっている。
【0025】
鏡筒1は、物体側の他方の端部の外周に雄ねじ部が形成され、この雄ねじ部に環状の押え部材18の内周に形成された雌ねじ部が螺合して、押え部材18が鏡筒1の他方の端部に固定されている。この押え部材18の内径が小さくなった係止部18aと、鏡筒1の一方の端部の内周側に内径が小さくなるように内側に突出して形成された係止部1aとの間に挟まれた状態で、上述の6つのレンズ2,3,4,5,6,7と3つの絞り部材10.11.12と、3つのスペーサ13,14,15とが配置されている。
【0026】
鏡筒1は、支持部材17の内周面に接合されて支持部材17に支持されている。また、支持部材17は、概略円筒状に形成され、その内側に鏡筒1が配置され、鏡筒1の外周側と支持部材17の内周側が接合されている。また、支持部材17の撮像センサ8側の端部は、撮像センサ8が搭載された基板16に固定されている。これにより支持部材17は、鏡筒1を有するレンズユニット20を撮像センサ8に位置決めした状態で支持している。
【0027】
また、本実施の形態において、各レンズ2〜7は、ガラス製であり、例えば、所謂光学用ガラスからなっており、鏡筒1およびスペーサ14,15は、金属製であり、例えば、アルミ合金からなっている。
【0028】
このようなレンズユニット20および車載カメラにおいては、上述のように。押え部材18の係止部18aと、鏡筒1の一方の端部の係止部1aとの間に6つのレンズ2,3,4,5,6,7と3つの絞り部材10.11.12と、3つのスペーサ13,14,15とが挟まれた状態で配置されている。このような車載カメラでは、使用可能な温度範囲が広いことが好ましく。例えば、-40℃〜105℃までの範囲で使用できることが好ましい。この場合に、例えば、常温の範囲である25℃を基準にして設計を行った場合に、105℃までの範囲内であっても、温度が上昇すると、積み重ねるように配置されたレンズ2,3,4,5,6,7と3つの絞り部材10.11.12と、3つのスペーサ13,14,15との光軸方向に沿った長さの総和の熱膨張による変化量と、鏡筒1の光軸方向に沿った長さ(係止部18aから係止部1aまでの長さ)の熱膨張による変化量とに差が生じ、レンズ2〜7間に隙間が生じることになる。
【0029】
この場合に、レンズ群19のレンズ2,3,4,5,6,7間に隙間が生じ、各レンズ2,3,4,5,6,7または一部のレンズ2,3,4,5,6,7が、光軸方向が傾くように移動する虞がある。この場合に、撮像範囲が変化してしまう。車載カメラでなく、撮影者がカメラを動かしながら撮影範囲を確認して撮影する場合には、上述のようにレンズ2,3,4,5,6,7が移動することで撮影範囲が変わっても、撮影者がカメラを動かして撮影範囲を決めるので問題ない。しかし、車載カメラは、車両に位置決めして固定されており、例えば、車載カメラの映像を用いて駐車を案内する場合に、モニタに表示されるガイドラインの位置と表示される映像の位置とがずれることで、駐車の操作が難しくなる虞がある。
【0030】
また、衝突防止や自動運転の場合のように画像認識により外部の物体と車体との接触を防止するような場合に撮影方向がずれることで、精度が低下する虞がある。本実施の形態のレンズユニット20および車載カメラでは、レンズ2,3,4,5,6,7間に隙間が生じるような状態になると、光軸方向に圧縮して配置された波ばねからなるスペーサ13が光軸方向に伸長し、レンズ2,3,4,5,6,7間に隙間が生じるのを防止する。これにより、温度が上昇してもレンズ2,3,4,5,6,7が動くようなことがなく、上述のように車載カメラを用いた駐車の案内、衝突防止、自動運転等において、レンズ2,3,4,5,6,7が動くことによる問題の発生を防止することができる。
【0031】
なお、スペーサ13としては、光軸方向に伸長させることが可能な高分子アクチュエータ等の使用も可能であるが、コストを考慮した場合に弾性体を用いることが好ましい。弾性対としては、例えば、ゴムやゴム状の樹脂を用いることができる。
【0032】
また、スペーサ13をばねとする場合に、波ばね以外に皿ばねやその他の板ばねを有効に利用可能である、また、ばねとしてコイルスプリングを用いてもよい。
【0033】
また、本実施の形態では、レンズ2,3,4,5,6,7をガラス製とし、鏡筒1を金属としたが、これらが樹脂であっても、材質の違い等による熱膨張率の違いによって、上述のようにレンズ群19の熱膨張による変位量と、鏡筒1の熱膨張による変位量との間に差が生じる場合には、本発明を適用することが可能である。
【0034】
光軸方向に伸長可能なスペーサ13の配置位置は、基本的に伸長した場細にレンズ2,3,4,5,6,7を光軸方向に押圧するようになっていればよいが、各レンズ2,3,4,5,6,7の間で最も面間感度が低くなる位置に配置することが好ましい。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態のレンズユニット20は、図2に示すように、第1の実施の形態の波ばねからなるスペーサ13に代えて、例えば、スペーサ14,15と同様の材質からなるスペーサ13aを備える。また、レンズ群19の物体側の端部に配置されるレンズ2と、鏡筒1の物体側端部に接合された押え部材18の係止部18aとの間に弾性体としての波ばねからなる環状のスペーサ13bが配置されている。すなわち、第2の実施の形態におけるレンズユニット20は、第1の実施の形態の波ばねからなるスペーサ13に代えて波ばねからなるスペーサ13bが備えられたものである。以下の説明において、第1の実施の形態と同様の構成要素は、図2図1の符号と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
スペーサ13bは、レンズ群19と押え部材18との間に圧縮した状態で配置されており、光軸方向に伸長可能な状態となっている。したがって、レンズ群19は、鏡筒1内で常時物体側から結像側(センサ側)に押された状態となっている。すなわち、レンズ群19は、スペーサ13bにより、全体が鏡筒1の係止部1aに向かって押し付けられた状態となっている。
【0037】
このようなレンズユニットによれば、温度上昇時に鏡筒1が熱膨張して光軸方向にレンズ群19より延びた場合に、レンズ群19を結像側の係止部1aに押し付けることで、レンズ群19の各レンズ2,3,4,5,6,7間に隙間が生じるのが防止され、第1の実施の形態と同様の優れた作用効果を奏することができる。
【0038】
また、第1の実施の形態では、弾性を有して伸長可能な波ばねからなるスペーサ13が
レンズ2とレンズ3との間、すなわち、レンズ群19のレンズ間に配置されていたのに対して、第2の実施の形態では、波ばねからなるスペーサ13bがレンズ群19の物体側と、レンズ群19の物体側を押さえてレンズ群19を鏡筒1内に保持する係止部18aとの間に配置されている。
【0039】
これにより、第1の実施の形態では、温度上昇時に鏡筒1が光軸方向に沿ってレンズ群19より伸びた場合にスペーサ13が光軸方向に伸長することにより、レンズ2とレンズ3との間の距離がレンズ群19の熱膨張による伸びに基づく変化量より大きく変化することになり、これがレンズ群19の結像に影響することになる。
【0040】
それに対して、第2の実施の形態では、例えば、温度上昇時に鏡筒1が光軸方向に沿ってレンズ群19より伸びた場合にスペーサ13bが光軸方向に伸長することにより、レンズ群19全体が鏡筒1の結像側の係止部1aに押し付けられるので、レンズ群19において、レンズ間の距離がスペーサ13の部分だけ大きく伸びるようなことがなく、レンズ群19へのスペーサ13bの伸長による影響が小さくなる。
【0041】
また、レンズ群19は、スペーサ13bにより結像側に押し付けられているので、レンズ群19と鏡筒1の係止部1aとに間にスペーサを配置して、このスペーサが伸長した場合に比較して、レンズ群19と撮像センサ8との間の距離の変化が少なく、スペーサ13bの伸長による影響を抑止できる。
【0042】
なお、上述のようにレンズ群19と撮像センサ8との距離が伸びる虞があるが、波バネ等の弾性体からなるスペーサをレンズ群19の撮像側の端部に配置するものとしてもよく、第1の実施の形態と略同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 鏡筒
2,3,4,5,6,7 レンズ
13 スペーサ(伸長可能なスペーサ)
19 レンズ群
20 レンズユニット
図1
図2