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特開2016-224477車載装置、運転モード制御システム、及び運転モード制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-224477(P2016-224477A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】車載装置、運転モード制御システム、及び運転モード制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20161205BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20161205BHJP
   B60W 30/182 20120101ALI20161205BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   G08G1/00 X
   G08G1/09 H
   G08G1/00 D
   B60W30/182
   B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-106819(P2015-106819)
(22)【出願日】2015年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】奈良 和文
(72)【発明者】
【氏名】木村 慎也
【テーマコード(参考)】
3D241
3D344
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA01
3D241BA60
3D241CE03
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DC35Z
3D241DD08Z
3D344AA19
3D344AC25
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC24
5H181FF05
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】安全運転を支援する。
【解決手段】車載装置30は、車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報を通信網を経由してサーバ10に送信し、サーバ10からドライバの評価情報を取得する通信部321と、取得したドライバの評価情報に基づいて、車両の運転モードに関する制御を行う制御部324と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報を通信網を経由して外部サーバに送信する送信部と、
前記外部サーバから前記ドライバの評価情報を取得する取得部と、
取得した前記ドライバの評価情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行う制御部と、
を備える車載装置。
【請求項2】
車車間通信にて他の車両との通信が成立した場合に、該他の車両の情報と表示記号とを関連付ける関連付け部と、
前記他の車両の情報に関連付けられた前記表示記号を前記他の車両を示す表示記号として表示する表示部と、を備える請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記車両のフロントガラスに前記表示記号を表示することを特徴とする請求項2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記車両を運転するドライバの音声を収集するマイクと、
前記マイクが収集した音声に基づいて前記他のドライバの評価情報を特定する特定部と、を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載装置。
【請求項5】
前記送信部は、前記他のドライバの評価情報とともに、前記ドライバが評価を行った位置の情報を前記外部サーバに送信し、
前記取得部は、前記車両の位置の情報を前記通信網を経由して前記外部サーバに送信し、前記外部サーバから前記車両の位置において評価が行われた頻度に関する情報を取得し、
前記制御部は、取得した前記頻度に関する情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記車両の周辺に存在する周辺車両を運転するドライバの評価情報を前記外部サーバから取得し、
前記制御部は、取得した前記周辺車両を運転するドライバの評価情報に基づいて、前記車両を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載装置。
【請求項7】
ドライバの評価情報を蓄積する外部サーバと、
複数の車両に搭載され、通信網を介して前記外部サーバに接続された請求項1〜6のいずれか一項に記載の車載装置と、
を備える運転モード制御システム。
【請求項8】
車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報を通信網を経由して外部サーバに送信し、
前記外部サーバから前記ドライバの評価情報を取得し、
取得した前記ドライバの評価情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行う、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする運転モード制御方法。
【請求項9】
車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報を通信網を経由して外部サーバに送信する送信部と、
他の車両との間で車車間通信が成立した場合に、前記他の車両を運転するドライバの評価情報を前記外部サーバから取得する取得部と、
取得した前記他の車両を運転するドライバの評価情報に基づいて、前記車両を制御する制御部と、
を備える車載装置。
【請求項10】
車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報と、前記ドライバが評価を行った位置の情報と、を通信網を経由して外部サーバに送信する送信部と、
前記車両の位置の情報を前記通信網を経由して前記外部サーバに送信し、前記外部サーバから前記車両の位置において評価が行われた頻度に関する情報を取得する取得部と、
取得した前記頻度に関する情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行う制御部と、
を備える車載装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、運転モード制御システム、及び運転モード制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ドライバの運転行動を評価し、その評価結果をドライバにフィードバックすることで、ドライバの安全意識の向上を促し、安全運転につなげる取り組みがなされている。例えば、運転シミュレータを用いた模擬運転データから、ドライバの運転技術を診断し、診断結果に基づいて安全運転に関する助言や指導を行うサービスが提供されている(例えば、非特許文献1参照)。また、筆記試験、危険感受性テスト、適性診断専用の機械を用いた機械診断などにより、運転適正を診断するサービスが提供されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0003】
また、近年、自動車が、ドライバの安全運転を支援する技術も出現してきている。例えば、カーナビゲーション装置から取得される車両の挙動データを利用して、安全診断コンテンツを生成する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。また、所定基準に基づいてユーザが安全運転を行っているか判定し、判定結果に応じてポイント数を算出/累計する技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。さらに、車両に搭載された電子部品やセンサから車両の運行データを検出し、当該運行データの解析結果に基づいて、ドライバに喚起すべき運転行動を選択し、車両のドライバに提供する技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−243856号公報
【特許文献2】特開2007−293626号公報
【特許文献3】特開2012−248087号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】独立行政法人 自動車事故対策機構、ドライバ適正診断の流れ、[online]、[平成27年5月1日検索]、インターネット(URL:http://www.nasva.go.jp/fusegu/tekiseiflow.html)
【非特許文献2】ヤマト・スタッフ・サプライ株式会社、運転適正診断、[online]、[平成27年5月1日検索]、インターネット(URL: http://www.y-staff-supply.co.jp/reason/index.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、診断結果や評価結果を運転動作に反映するかどうかはドライバ次第であるため、安全運転を十分に支援できていない場合があった。また、最近では、自動車の自動運転技術や運転をアシストする機能の開発が進められているものの、ドライバの技術や技量等に応じた制御は十分に行われていない。
【0007】
1つの側面では、本発明は、安全運転を支援することが可能な車載装置、運転モード制御システム、及び運転モード制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの態様では、車載装置は、車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報を通信網を経由して外部サーバに送信する送信部と、前記外部サーバから前記ドライバの評価情報を取得する取得部と、取得した前記ドライバの評価情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行う制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面として、安全運転を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る運転モード制御システムの構成を概略的に示す図である。
図2】車載システムの構成を概略的に示す図である。
図3図3(a)は、車載装置の制御装置のハードウェア構成の一例を示す図であり、図3(b)は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】車載装置及びサーバの機能ブロック図である。
図5図5(a)〜図5(c)は、識別符号管理DBのデータ構造を示す図である。
図6】運転評価情報DBのデータ構造を示す図である。
図7】エリア別更新回数DBのデータ構造を示す図である。
図8】車載装置の他車両認識処理を示すフローチャートである。
図9図9(a)〜図9(c)は、フロントガラスに表示される画像について説明するための図である。
図10】車載装置の評価情報送信処理を示すフローチャートである。
図11】サーバの評価情報更新処理を示すフローチャートである。
図12】車載装置の運転モード制御処理を示すフローチャートである。
図13】車載装置のエリア別運転モード制御処理を示すフローチャートである。
図14】車載装置の離隔処理を示すフローチャートである。
図15図15(a)及び図15(b)は、運転評価情報DBのデータ構造の別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、運転モード制御システムの一実施形態について、図1図14に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1には、一実施形態にかかる運転モード制御システム100の構成が概略的に示されている。運転モード制御システム100は、1又は複数の車載システム20と、サーバ10と、を備える。車載システム20とサーバ10は、インターネットなどのネットワーク80に接続されている。
【0013】
図2には、車載システム20の構成が概略的に示されている。車載システム20は、自動車などの車両に設けられるシステムであり、図2に示すように、車載装置30と、自動運転装置40と、を備える。
【0014】
車載装置30は、GPS(Global Positioning System)モジュール32と、LTE(Long Term Evolution)モジュール33と、Wi−Fi(Wireless Fidelity)モジュール34と、車車間通信モジュール35と、アンテナ33A〜35Aと、表示部36と、マイク37と、カメラ38と、制御装置31と、を備える。
【0015】
GPSモジュール32は、車両の位置情報を検出し、制御装置31に出力する。
【0016】
LTEモジュール33及びWi−Fiモジュール34は、無線通信を行うためのハードウェアモジュールであり、それぞれアンテナ33A及び34Aと接続される。制御装置31は、電波の到達エリアに応じて、LTEモジュール33とWi−Fiモジュール34とを切り替えて使用することで、図1に示すネットワーク80に接続し、サーバ10との間でデータを送受信する。
【0017】
車車間通信モジュール35は、他の車両との間で車車間通信を行うためのハードウェアモジュールであり、指向性アンテナ35Aに接続される。指向性アンテナ35Aを用いることにより、車車間通信の電波到来方向を検知することができるため、制御装置31は、自車両の周りの車両(周辺車両)のうち、車車間通信を行った車両を特定することができる。
【0018】
表示部36は、例えば、ヘッドアップディスプレイ装置であり、後述する制御装置31からの制御に基づき、フロントガラスに所定の画像を表示する。本実施形態では、表示部36は、ドライバが他車両のドライバの運転行動(運転マナーや運転動作など)を評価しやすいよう、フロントガラスに車両アイコンと表示番号とを表示する(図9(c)参照)。図9(c)においては、表示部36は、車両を特定するための車両アイコン(ICN1〜ICN3)と、車両を一意に識別するための表示番号(DN1〜DN3)とを所定の画像としてフロントガラスに表示する。これにより、図9(a)に示すようにフロントガラスに何も表示されていない状態と比べて、ドライバは他車両C1〜C3を簡易に特定し、評価することが可能となる。なお、表示部36は、例えば、運転をアシストするために予め車両に設けられている表示部であってもよいし、後付けした表示部であってもよい。
【0019】
マイク37は、音声入力装置であり、例えば、ハンドル、ダッシュボードの運転席付近、又は、バックミラー等、ドライバが車内で発する音声を入力(収音)しやすい場所に設置される。マイク37に入力された音声は、制御装置31に入力される。
【0020】
カメラ38は、例えば、車両の前側に設けられる。ただし、カメラ38の個数や配置は、車両の形状等に合わせて適宜変更してもよい。カメラ38は、ドライバがフロントガラスを介して見る範囲を撮影可能な広角カメラであるものとする。なお、カメラ38は、例えば、運転をアシストするために予め車両に設けられているカメラであってもよいし、後付けしたカメラであってもよい。
【0021】
制御装置31は、GPSモジュール32、マイク37、カメラ38、及びサーバ10から情報を取得し、処理する。また、制御装置31は、処理結果に基づいて、表示部36を制御したり、各種データをサーバ10に送信したり、各種指示を自動運転装置40に送信したりする。図3(a)には、制御装置31のハードウェア構成が示されている。図3(a)に示すように、制御装置31は、CPU(Central Processing Unit)311、ROM(Read Only Memory)312、RAM(Random Access Memory)313、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))314、及びネットワークインタフェース315等を備えている。これら制御装置31の各部は、バス316に接続されている。なお、図2に示されているGPSモジュール32、表示部36、マイク37、及びカメラ38は不図示のインタフェース部を介してバス316に接続されている。CPU311が、ROM312あるいはHDD314に格納されているプログラムを実行することにより、制御装置31を、図4に示す各部として機能させる。なお、図4の各部の詳細については後述する。
【0022】
図2に戻り、自動運転装置40は、スイッチ47、運転モード切替制御ECU(Electronic Control Unit)41、白線検知/障害物検知センサ43、GPSセンサ44、車速センサ45、アクチュエータ46、及び自動運転ECU42等を備える。
【0023】
スイッチ47は、ドライバが、車両の運転モードを、ドライバによる手動運転を行う手動運転モードと、自車両を自動的に走行させる自動走行制御を行う自動運転モードとの間で切り替えるためのスイッチである。スイッチ47は、例えば、ハンドル等、ドライバが運転中も操作しやすい位置に設けられる。ドライバがスイッチ47を操作すると、運転モード切替指示信号が運転モード切替制御ECU41に送信される。
【0024】
運転モード切替制御ECU41は、車両の運転モードを、手動運転モードと、自動運転モードとの間で切り替える。運転モード切替制御ECU41は、スイッチ47から受信する運転モード切替指示信号に基づいて、運転モードの切替を行う。また、運転モード切替制御ECU41は、CAN(Controller Area Network)−BUS27に接続されており、これにより制御装置31から送信されてくる運転モードの切替に関する制御指示を受信することができる。
【0025】
白線検知/障害物検知センサ43は、カメラや画像処理装置を備えており、一対の白線(車線)や、障害物を検知するセンサである。白線検知/障害物検知センサ43は、認識した一対の白線の情報を白線検知信号として自動運転ECU42に送信し、障害物の情報を障害物検知信号として自動運転ECU42に送信する。
【0026】
GPSセンサ44は、車両の位置情報を検出し、自動運転ECU42に出力する。
【0027】
車速センサ45は、車両の速度を検出するためのセンサである。車速センサ45は、車速を検出し、その検出した車速を車速信号として自動運転ECU42に送信する。
【0028】
アクチュエータ46は、例えば、操舵アクチュエータ、アクセルアクチュエータ、及びブレーキアクチュエータ等を含む。操舵アクチュエータは、ステアリング機構に操舵トルクを付与するためのアクチュエータであり、自動運転ECU42から操舵制御信号を受信すると、操舵制御信号に応じてモータが回転駆動して操舵トルクを発生させる。アクセルアクチュエータは、エンジンのスロットルバルブの開度を調整するアクチュエータであり、自動運転ECU42からエンジン制御信号を受信すると、エンジン制御信号に応じて作動し、スロットルバルブの開度を調整する。ブレーキアクチュエータは、各車輪のホイールシリンダのブレーキ油圧を調整するアクチュエータであり、自動運転ECU42からのブレーキ制御信号を受信すると、ブレーキ制御信号に応じて作動し、ホイールシリンダのブレーキ油圧を調整する。
【0029】
自動運転ECU42は、運転モード切替制御ECU41と接続されており、運転モード切替制御ECU41が運転モードを自動運転モードに切り替えると、自動運転制御を開始する。具体的には、自動運転ECU42は、一定時間毎に、各センサ43〜45から各信号を受信する。そして、自動運転ECU42は、受信した信号に基づいて、車内外の状況を判断し、その判断結果に応じて自車両が自動的に走行するようにアクチュエータ46を制御し、舵角や車速を制御する自動走行制御を行う。また、自動運転ECU42は、CAN−BUS27に接続され、制御装置31から送信されてくる自動運転に関する制御指示を受信する。
【0030】
図1に戻り、サーバ10は、各車載システム20から送信されてくる評価情報(詳細は後述する)から得られる情報を管理する装置である。サーバ10は、図3(b)に示すようなハードウェア構成を有する。具体的には、サーバ10は、図3(b)に示すように、CPU101、ROM102、RAM103、記憶装置(HDD)104、ネットワークインタフェース105、及び可搬型記憶媒体106に記憶されたデータを読み取り可能な可搬型記憶媒体用ドライブ107等を備えている。これらサーバ10の構成各部は、バス108に接続されている。CPU101は、ROM102あるいはHDD104に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ107が可搬型記憶媒体106から読み取ったプログラムを実行することで、サーバ10を図4の各部として機能させる。
【0031】
次に、図4に基づいて、車載装置30及びサーバ10の機能について説明する。
【0032】
図4に示すように、CPU311がプログラムを実行することにより、制御装置31は、送信部及び取得部としての通信部321、特定部322、関連付け部323、及び制御部324として機能する。また、CPU101がプログラムを実行することにより、サーバ10は、情報処理部13として機能する。
【0033】
制御装置31の関連付け部323は、車車間通信により車両情報を受信した他の車両の情報と、表示記号とを関連付けて、識別符号管理DB325を更新する。また、関連付け部323は、識別符号管理DB325に基づいて、フロントガラスに車両を示す車両アイコンと表示記号とを表示するよう表示部36を制御する。
【0034】
ここで、識別符号管理DB325のデータ構造について、図5(a)に基づいて説明する。識別符号管理DB325は、図5(a)に示すように、表示番号、識別符号、及び評価ポイント等のフィールドを有する。表示番号のフィールドには、ドライバがフロントガラスを介して視認する車両を一意に識別するための番号が格納される。識別符号のフィールドには、車車間通信により他車両から受信した車両情報(本実施形態においては、各車両に予め付与されている識別符号)が格納される。評価ポイントのフィールドには、後述する運転評価情報DB12から取得される、識別符号の車両に対する評価ポイントが格納される。なお、評価ポイントは、識別符号の車両を運転するドライバの運転行動に対する他者からの評価を数値化したものであり、値が大きいほど、当該車両の運転行動に対する他者からの評価が高いことを示す。なお、本実施形態において、識別符号管理DB325内のデータは、エンジンが停止すると削除されるものとする。ただし、これに限られるものではなく、識別符号管理DB325において各車両のデータの最終更新日時が管理されている場合には、関連付け部323は、最終更新日時から所定時間(例えば、1時間)経過したデータを削除するようにしてもよい。
【0035】
図4に戻り、特定部322は、マイク37から入力された音声を解析し、自車両のドライバが行った他車両のドライバの運転行動に対する評価を特定し、他車両のドライバに対する評価情報(詳細は後述する)として通信部321に送信する。
【0036】
通信部321は、特定部322が特定した他車両のドライバに対する評価情報をサーバ10に送信する。サーバ10の情報処理部13は、受信した評価情報に基づいて、運転評価情報DB12と、エリア別更新回数DB11とを更新する。また、通信部321は、ネットワーク80を介して、サーバ10と通信し、サーバ10の運転評価情報DB12から、自車両のドライバの評価情報を取得し、制御部324に送信する。また、通信部321は、制御部324が取得した自車両の位置情報に基づいてサーバ10のエリア別更新回数DB11から、評価ポイント更新回数データを取得し、制御部324に送信する。更に、通信部321は、周辺車両を運転するドライバの評価情報を運転評価情報DB12から取得し、制御部324に送信する。
【0037】
ここで、運転評価情報DB12のデータ構造と、エリア別更新回数DB11のデータ構造とについて、図6及び図7に基づいて、それぞれ説明する。
【0038】
運転評価情報DB12は、各車両の評価ポイントを管理するデータベースであり、図6に示すように、識別符号及び評価ポイント等のフィールドを有する。識別符号のフィールドには、車両を一意に識別するための識別符号の情報が格納される。評価ポイントのフィールドには、情報処理部13が車載装置30から受信した評価情報に基づいて算出した、識別符号の車両の評価ポイントが格納される。
【0039】
エリア別更新回数DB11は、位置ごとの評価ポイントの更新回数を管理するデータベースであり、図7に示すように、丸め緯度、丸め経度、及び評価ポイント更新回数等のフィールドを有する。丸め緯度及び丸め経度のフィールドには、車載装置30から送信されてくる評価情報に含まれる位置情報(緯度、経度)を1/1000単位に切り上げた値(丸め緯度、丸め経度)が格納される。評価ポイント更新回数のフィールドには、丸め緯度及び丸め経度で表される位置(エリア)において、ドライバの運転行動について評価が行われた回数が格納される。
【0040】
図4に戻り、制御部324は、通信部321が取得した自車両のドライバに対する他者からの評価情報に基づいて、自車両の運転モードの切替に関する制御を行う。また、制御部324は、通信部321が取得した評価ポイント更新回数データに基づいて、自車両の運転モードの切替に関する制御を行う。さらに、制御部324は、周辺車両を運転するドライバの評価情報に基づいて、他車両と自車両との位置関係を変更するための制御を行う。
【0041】
以下、車載装置30やサーバ10において実行される処理について、図8図10図14のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ、詳細に説明する。
【0042】
(他車両認識処理:車載装置30)
図8には、車載装置30による他車両認識処理がフローチャートにて示されている。本処理は、自車両の近傍に存在する他車両を認識し、フロントガラスにおいて図9(c)に示すような表示を行うための処理である。なお、図8の処理は、エンジンが始動すると開始される。
【0043】
図8の処理では、まず、ステップS10において、通信部321が、車車間通信により他車両から車両情報(本実施形態では、車両の識別符号)を受信するまで待機している。本実施形態において、他車両は、所定の時間間隔で車両情報をブロードキャストしているものとする。通信部321が、他車両から車両情報を受信すると、ステップS12に移行する。
【0044】
ステップS12に移行すると、関連付け部323が、識別符号管理DB325を参照して、ステップS10で取得した識別符号が、識別符号管理DB325に存在しているか否かを判断する。ここで、例えば、図5(b)に示す識別符号管理DB325が記憶されている状態において、通信部321が、識別符号「0x8E1BB08E」を受信したとする。この場合、図5(b)に示す識別符号管理DB325に、識別符号「0x8E1BB08E」は存在していないため、ステップS14に移行する。
【0045】
ステップS14に移行すると、関連付け部323は、車両情報を受信した車両に対して付与する表示番号を採番する。例えば、関連付け部323は、識別符号「0x8E1BB08E」の車両に対し、表示番号「3」を採番する。
【0046】
次いで、ステップS16では、通信部321が、識別符号に紐づく評価ポイントをサーバ10の運転評価情報DB12から取得する。例えば、図6の運転評価情報DB12において、通信部321は、識別符号「0x8E1BB08E」に紐づく評価ポイント「0」を取得する。
【0047】
図8に戻り、続くステップS18において、関連付け部323は、ステップS10で取得した識別符号、ステップS14で採番した表示番号、及びステップS16で通信部321が取得した評価ポイントを用いて、識別符号管理DB325を更新し、ステップS20に移行する。例えば、図5(b)に示す識別符号管理DB325が、図5(c)に示すように更新される。
【0048】
ところで、図5(b)に示す識別符号管理DB325が記憶されている状態において、通信部321が、識別符号「0x7CF4A697」を受信したとする。この場合、受信した識別符号が識別符号管理DB325に存在するためステップS12の判断が肯定され、関連付け部323は、ステップS20に移行する。
【0049】
ステップS20に移行すると、関連付け部323は、カメラ38から入力した映像と、車車間通信において他車両から受信した電波の到来方向と強度から、カメラ38が撮影している他車両のうち、いずれの車両から車両情報を受信したのかを特定する。例えば、関連付け部323は、車車間通信における電波の到来方向とカメラ38の撮影画像とから、識別符号「08xE1BB08E」を受信した車両が、図9(a)における車両C3であると特定する。
【0050】
続くステップS22において、関連付け部323は、車両情報を受信した車両に対する画像を表示する表示部36上の表示位置を算出する。
【0051】
続くステップS24において、表示部36は、ステップS22で算出された表示位置に基づいて、表示番号と車両アイコンとをフロントガラスに表示する。例えば、表示部36が、図5(b)に示す識別符号管理DB325に基づいて、図9(b)に示すように、表示番号DN1,DN2と車両アイコンICN1,ICN2とをフロントガラスに表示しているとする。ここで、図9(a)における車両C3から、識別符号「08xE1BB08E」を受信し、識別符号管理DB325が図5(c)に示すように更新されたとする。この場合、表示部36は、図9(c)に示すように、表示番号DN3と車両アイコンICN3とを追加して、表示番号DN1〜DN3及び車両アイコンICN1〜ICN3をフロントガラスに表示する。なお、表示部36は、カメラ38が他車両を撮影している間は、当該他車両に表示番号及び車両アイコンが追従するように、フロントガラスに表示する。
【0052】
以上の処理が行われた後は、ステップS10に戻る。なお、図8の処理は、車両のエンジンが停止するまで繰り返される。
【0053】
(評価情報送信処理:車載装置30)
図10には、車載装置30による評価情報送信処理がフローチャートにて示されている。本処理は、ドライバが他車両のドライバの運転行動を評価した場合に、評価情報を取得し、サーバ10に対して送信する処理である。なお、図10の処理は、エンジンが駆動している間、図8の処理と並行して実行される。
【0054】
図10の処理では、ステップS40において、特定部322が、マイク37から音声データが入力されるまで待機する。そして、音声データが入力されると、ステップS40の判断が肯定され、ステップS42に移行する。
【0055】
ステップS42に移行すると、特定部322は、入力された音声データの解析処理を行い、当該音声データから、車両の表示番号と、評価とを取得する。例えば、図9(c)において、表示番号1の車両のドライバが評価の高い運転行動をとり、自車両のドライバが「1番、グッド」とマイク37に向かって発声したとする。この場合、特定部322は、当該音声データを解析して、表示番号「1」と、評価「グッド」とを取得する。また、例えば、図9(c)において、表示番号3の車両のドライバが評価の低い運転行動をとり、自車両のドライバが「3番、バッド」とマイク37に向かって発声したとする。この場合、特定部322は、当該音声データを解析して、表示番号「3」と、評価「バッド」とを取得する。また、特定部322は、音声データが入力されたときの位置情報(緯度、経度)を、GPSモジュール32から取得する。なお、評価が高い運転行動としては、例えば、信号待ちの車が長く連なり次の交差点まで到達している場合に、対向車線から右折車が来る場合を想定して、車間を十分にあけておくなど、周囲のドライバとの協調を図った行動が該当する。また、例えば、車線の合流地点で道を譲る場合の合図(例えば、アイコンタクト)や、路地から割り込みさせてもらった場合の挨拶や感謝の合図(お辞儀や、手を振る)等、望ましい運転マナーを行った場合なども、評価が高い運転行動に該当する。なお、ステップS40で入力された音声データが評価と無関係な音声データ(例えば、同乗者との通常の会話)の場合もある。この場合には、特定部322は、表示番号や評価を取得できないので、ステップS42〜S46を実行せずに、ステップS40に戻るようにすればよい。
【0056】
続くステップS44において、特定部322は、表示番号をキーに、識別符号管理DB325を検索し、評価された車両の識別符号を取得する。
【0057】
続くステップS46において、通信部321が、自車両の識別符号(自識別符号)、ドライバが評価を行った車両の識別符号(評価対象識別符号)、ドライバが評価を行ったときの位置情報(緯度、経度)、及び評価を含む評価情報を、ネットワーク80を介して、サーバ10に送信する。評価情報を送信した後は、ステップS40に戻る。図10の処理は、エンジンが停止するまで繰り返される。
【0058】
(評価情報更新処理:サーバ10)
図11には、サーバ10の情報処理部13により実行される評価情報更新処理がフローチャートにて示されている。本処理は、情報処理部13が車載装置30から受信した評価情報を用いて、運転評価情報DB12と、エリア別更新回数DB11とを更新する処理である。
【0059】
図11の処理では、ステップS60において、サーバ10の情報処理部13は、評価情報を車載装置30から受信するまで待機している。そして、評価情報を受信すると(図10のステップS46が実行されると)、ステップS60の判断が肯定され、ステップS62に移行する。
【0060】
ステップS62に移行すると、情報処理部13は、運転評価情報DB12を参照し、評価情報に含まれる自識別符号に紐づく評価ポイントを取得する。例えば、図6の運転評価情報DB12が記憶されている場合において、評価情報に含まれる自識別符号が「0x9F1BB08E」である場合、情報処理部13は、評価ポイント「10」を取得する。
【0061】
続くステップS64において、情報処理部13は、ステップS64で取得した評価ポイントに基づいて、係数rを決定する。本実施形態では、情報処理部13は、ステップS64で取得した評価ポイントが正値の場合、係数r=1.5とし、負値の場合、係数r=0.5とする。これにより、評価を行ったドライバの運転行動に対する他者からの評価に基づいて、他車両のドライバに対する評価に重み付けを行うことができる。例えば、評価ポイントが高い場合、自識別符号の車両のドライバは、運転技術が高い、又は、運転マナーが良い可能性が高い。したがって、そのようなドライバが行う評価に対しては、係数r=1.5を用いて評価ポイントを算出することによって、他のドライバの運転行動を高く評価することができる。一方、評価ポイントが低い場合、自識別符号の車両のドライバは、運転技術が低い、又は、運転マナーが悪い可能性が高い。そのようなドライバが行う評価に対しては、係数r=0.5を用いて評価ポイントを算出することによって、必要以上に他車両のドライバの評価を下げることのないようにすることができる。
【0062】
続いて、ステップS66において、情報処理部13は、運転評価情報DB12のデータを更新する。具体的には、評価情報に含まれる評価に対応するポイントに、ステップS64で決定した係数rを乗算した値を、評価対象識別符号に紐づく運転評価情報DB12内の評価ポイントに加算する。ここで、本実施形態では、評価「グッド」に対応するポイントは「1」、評価「バッド」に対応するポイントは「―1」とする。例えば、評価対象識別符号「0x7CF4A697」に対する評価が「グッド」で、ステップS64で決定した係数rが1.5であるとする。この場合、情報処理部13は、図6に示す運転評価情報DB12において、評価ポイントを「32」から「33.5」に書き換える。また、例えば、評価対象識別符号「0x8E1BB08E」に対する評価が「バッド」で、ステップS64で決定した係数rが1.5であるとする。この場合、情報処理部13は、図6に示す運転評価情報DB12において、評価ポイントを「0」から「―1.5」に書き換える。
【0063】
図11に戻り、続くステップS68において、情報処理部13は、エリア別更新回数DB11のデータを更新する。具体的には、情報処理部13は、評価情報に含まれる緯度・経度を1/1000単位に切り上げた値(丸め緯度、丸め経度)を算出し、算出した丸め緯度、丸め経度に対応する評価ポイント更新回数に、1を加算する。その後は、ステップS60に戻る。図11の処理は、サーバ10の電源がオフされるまで繰り返される。
【0064】
(運転モード制御処理:車載装置30)
図12には、車載装置30により実行される運転モード制御処理がフローチャートにて示されている。本処理は、エンジン始動とともに開始される。なお、本処理においては、他者からの評価に応じて、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えをドライバに自由に行わせるか、制限をかけるか等を制御する。
【0065】
図12の処理では、まず、ステップS80において、通信部321が、サーバ10から、自車両の識別符号(自識別符号)に紐づく評価ポイントを取得する。すなわち、本ステップでは、自車両のドライバの運転行動に対する他者からの評価(累積値)を取得している。例えば、図6に示す運転評価情報DB12が記憶されている場合において、自車両の識別符号が「0x7CF4A697」の場合、通信部321は、評価ポイント「32」を取得する。
【0066】
続くステップS82において、制御部324は、評価ポイントが閾値以上であるか否かを判断する。例えば、制御部324は、評価ポイントが20以上であるか否かを判断する。すなわち、本ステップでは、自車両のドライバの運転技術又は運転マナーが所定のレベル以上であるか否かを判断しているといえる。ここでの判断が肯定された場合、制御部324は、図12の処理を終了する。自車両のドライバの運転技術又は運転マナーが所定のレベル以上であるため、ドライバが運転モードを自由に選択し切り替えても問題ないためである。一方、ここでの判断が否定された場合、ステップS86に移行する。
【0067】
ステップS86に移行すると、制御部324は、ドライバによる運転モードの切替を制限する。具体的には、制御部324は、ドライバがスイッチ47を操作しても、運転モードが切り替わらないようにする。例えば、制御部324は、車両が完全に停止するまで運転モードの切替を許可しないよう、運転モード切替制御ECU41に指示する。当該指示を受信した運転モード切替制御ECU41は、運転モード切替指示信号をスイッチ47から受信しても、運転モードの切替を行わない。走行中に運転モードが切り替わると、運転技術が所定レベル未満のドライバは混乱してしまい、車両を安全に走行させることができない可能性がある。そこで、走行中の運転モードの切替を制限し、車両が完全に停止してから運転モードが切り替えられるようにすることで、ドライバの混乱等を防ぎ、ドライバの安全運転を支援することができる。
【0068】
ステップS86の実行後、制御部324は、図12の全処理を終了する。
【0069】
(エリア別運転モード制御処理:車載装置30)
図13には、車載装置30により実行されるエリア別運転モード制御処理がフローチャートにて示されている。本処理は、エンジン始動とともに開始され、図8図10の処理と同時並行的に実行される。なお、本処理においては、特定のエリアにおいて運転モードを自動運転モードに切り替える制御を実行する。
【0070】
図13の処理では、まず、ステップS100において、通信部321が、GPSモジュール32から、現在の車両の位置情報(緯度、経度)を取得する。
【0071】
続くステップS102において、通信部321は、ステップS100で取得した緯度・経度を1/1000単位に丸めた丸め緯度・丸め経度を算出する。
【0072】
続くステップS104において、通信部321は、丸め緯度及び丸め経度をキーに、サーバ10のエリア別更新回数DB11から、評価ポイント更新回数を取得する。
【0073】
続くステップS106において、制御部324は、更新回数が閾値(例えば、100)以上か否かを判断する。ここで、更新回数が閾値以上である場合、自車両が走行しているエリアが、運転行動の評価が多く行われているエリアであり、例えば、交通量が多い道路や、交差点等、事故が発生しやすいエリアである可能性が高い。このようなエリアでは、事故を防ぐためにも自動運転モードの使用が望ましい。
【0074】
そこで、更新回数が閾値以上である場合、ステップS108に移行し、制御部324は、自車両の運転モードが自動運転モードか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合、制御部324は、ステップS110において、自動運転モードを維持するよう、運転モード切替制御ECU41に指示し、ステップS100に戻る。
【0075】
一方、運転モードが手動運転モードであった場合、ステップS108の判断が否定され、制御部324は、ステップS112において、運転モードを自動運転モードへ切り替えるよう、運転モード切替制御ECU41に指示し、ステップS100に戻る。これにより、事故が発生しやすいエリアにおいて自動運転モードが使用され、事故が発生する可能性を低減することができる。なお、ドライバがスイッチ47を操作して、手動で運転モードを切り替える場合には、ドライバの運転技術が所定レベル未満であれば、図12のステップS86により、運転モードの切替が制限される。
【0076】
ところで、評価ポイントの更新回数が閾値以上でない場合には、ステップS106の判断が否定され、ステップS100に戻る。図13の処理は、エンジンが停止するまで繰り返される。
【0077】
(離隔処理:車載装置30)
図14には、車載装置30が実行する離隔処理がフローチャートにて示されている。本処理は、エンジン始動とともに開始され、図8図10図12図13の処理と同時並行的に実行される。なお、本処理においては、特定の車両が自車両の近くに存在する場合に、当該特定の車両と自車両との車間距離を大きくあけるための制御を実行する。
【0078】
図14の処理では、ステップS260において、制御部324が、識別符号管理DB325を参照し、評価ポイントが閾値未満(例えば、5未満)の車両が存在するか否かを判断する。本ステップは、運転技術又は運転マナーが所定のレベルに達していないドライバが運転する車両が自車両の周辺に存在しているか否かを判断しているといえる。ステップS260の処理は、評価ポイントが閾値未満の車両が検出されるまで、繰り返される。そして、評価ポイントが閾値未満の車両が存在した時点で、ステップS260での判断が肯定され、ステップS262へ移行する。
【0079】
ステップS262に移行すると、制御部324は、自車両の運転モードが自動運転モードか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合、ステップS264に移行する。
【0080】
ステップS264に移行すると、制御部324は、評価ポイントが閾値未満の車両から離れるよう、自動運転ECU42へ指示する。例えば、制御部324は、該当車両との車間距離を通常のN倍(Nは予め定めた任意の数)となるよう、自動運転ECU42へ指示する。これにより、予期しない運転行動をとる可能性が高い車両から離れることができ、自車両を安全に走行させることができる。
【0081】
一方、ステップS262の判断が否定された場合、ステップS266に移行し、制御部324は、ドライバに注意を促す処理(注意喚起処理)を行う。例えば、制御部324は、フロントガラスに表示されている、該当車両の表示番号を点滅させてもよいし、「表示番号Xの車両から離れてください」とのメッセージを表示させてもよい。また、制御部324は、不図示のスピーカから、当該メッセージを音声により出力してもよい。これにより、ドライバは、危険な車両を認識し、当該車両から離れる等の運転行動をとることができるため、自車両を安全に走行させることができる。
【0082】
ステップS264又はステップS266の処理が終了すると、ステップS260に戻る。図14の処理は、エンジンが停止するまで繰り返される。
【0083】
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、車載装置30の通信部321は、自車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報をネットワーク80を経由してサーバ10に送信する。また、通信部321は、サーバ10から自車両のドライバの評価情報を取得し、制御部324は、取得したドライバの評価情報に基づいて、車両の運転モードに関する制御を行う(図12のステップS86等参照)。例えば、制御部324は、ドライバの運転行動に対する他者からの評価が高い場合には、運転モードの自由な切替を許可し、ドライバの運転行動に対する他者からの評価が低い場合には、運転モードの切替を制限する。より具体的には、例えば、制御部324は、車両が完全に停止するまで、自動運転モードを手動運転モードに切り替えられないようにする。これにより、運転モード切替時においてドライバの混乱等が生じないように、ドライバの技量等に応じた制御を行うことができるので、ドライバの安全運転を適切に支援することができる。
【0084】
また、本実施形態において、車車間通信にて他の車両との通信が成立した場合に、関連付け部323は、該他の車両の情報と表示番号とを関連付け、表示部36は、当該表示番号を他の車両を示す表示記号として表示する。これにより、ドライバは他車両を簡易に特定し、他のドライバを評価することが可能となる。
【0085】
また、本実施形態において、表示部36は、車両のフロントガラスに表示番号を表示するので、ドライバは他車両と表示番号との関連付けを確認しやすくすることができる。
【0086】
また、本実施形態において、車載装置30は、車両を運転するドライバの音声を収集するマイク37と、マイク37が収集した音声に基づいて他のドライバの評価情報を特定する特定部322と、を備える。これにより、ドライバは、マイク37から容易に他のドライバに対する評価を入力することができる。
【0087】
また、本実施形態において、通信部321は、他のドライバに対する評価と、ドライバが評価を行ったときの位置情報(緯度、経度)とを含む評価情報をサーバ10に送信する。サーバ10は、ドライバが評価を行ったときの位置を含むエリアにおいて、評価が行われた回数(評価ポイント更新回数)を管理する(エリア別更新回数DB11)。また、通信部321は、車両の現在の位置情報をサーバ10に送信し、サーバ10のエリア別更新回数DBから、車両の現在の位置を含むエリアにおいて評価が行われた回数を取得する。制御部324は、車両の現在の位置を含むエリアにおいて、評価が行われた回数が閾値以上であるか否かに応じて、自車両の運転モードに関する制御を行う(図13のステップS110、ステップS112等)。具体的には、評価ポイント更新回数が閾値以上である場合、自動運転モードを使用するよう制御する。これにより、交通量が多い道路や、交差点等、事故が発生しやすいエリアにおいて、自動運転モードが使用されるため、ドライバの安全運転を支援でき、事故の発生を未然に防ぐことができる。
【0088】
また、本実施形態において、通信部321は、自車両の周辺に存在する周辺車両を運転するドライバの評価情報をサーバ10から取得し、制御部324は、取得した周辺車両を運転するドライバの評価情報に基づいて、車両を制御する。具体的には、制御部324は、評価ポイントが閾値未満の車両が自車両の周辺に存在する場合には、当該車両から離れるよう自車両を制御する。これにより、事故を起こす可能性が高い危険な車両から離れることができるため、自車両を安全に走行させることができる。
【0089】
(変形例)
上記実施形態では、車両毎に評価情報を管理していた。しかしながら、家族で1つの車両を共用したり、社用車など1つの車両を複数の従業員が運転したりする等、1車両を複数の人間が運転する場合がある。また、カーシェアリングなどにおいても、1車両を複数の人間が運転する。さらに、バス会社やタクシー会社においては、車両対ドライバの関係が多対多の関係になることも考えられる。このような場合、例えば、運転評価情報DB12において、ドライバを識別するためのフィールドを追加することで、車両・ドライバ毎に評価情報を管理することができる。
【0090】
例えば、図15(a)のように、運転評価情報DB12に運転免許証番号のフィールドを追加することで、1車両に対してドライバごとに評価ポイントを管理することができる。図15(a)の運転評価情報DB12では、識別符号「0x7CF4A697」の車両に対して、運転免許証番号が「309162780120」と「300723905640」とが登録されている。すなわち、1台の車両を二人のドライバが運転しており、当該二人のドライバごとに評価ポイント(32と20)が管理されている。
【0091】
運転免許証番号を取得するには、例えば、車載装置30にIC(Integrated Circuit)カードリーダを搭載する。そして、ICチップが搭載されたICカード運転免許証を、運転開始時にICカードリーダに読み込ませることで、ドライバが運転免許証番号を車載装置30に入力するようにすればよい。また、例えば、車載装置30に顔認識装置や指紋認証装置等を搭載し、ドライバの情報を車載装置30に登録するようにしてもよい。
【0092】
また、近年、車を持たず、必要なときにだけ車を借りる人も多いため、ドライバ毎に、評価ポイントを管理するようにしてもよい。これにより、毎回運転する車両が異なるようなドライバに対しても、評価ポイントを蓄積し管理することができる。この場合、運転評価情報DB12は、例えば、図15(b)に示すように、運転免許証番号と評価ポイントとをフィールドとして有すればよい。
【0093】
なお、上記実施形態において、エリア別更新回数DB11の評価ポイント更新回数は、運転モード制御システム100の稼動日数に応じて単調に増加する。そこで、評価ポイント更新回数を運転モード制御システム100の稼動期間で正規化する(例えば、運転モード制御システム100の稼動月数で評価ポイント更新回数を除算する)ことにより、より精度の高いデータを得ることができる。
【0094】
また、上記実施形態において、制御部324は、運転評価情報DB12の評価ポイントを、識別符号の車両に対する評価を行ったドライバの人数で除算した平均評価ポイントを使用して、運転モードの切替制御を行っても良い。この場合、運転評価情報DB12が、識別符号の車両に対する評価を行ったドライバの人数を格納するフィールドを有すればよい。
【0095】
また、上記実施形態において、サーバ10の情報処理部13は、評価情報更新処理(図11)のステップS64において、評価ポイントが正値か負値かにより係数rを変更していたが、係数rの決定方法はこれに限られるものではない。情報処理部13は、評価ポイントの値が、いずれの値の範囲に含まれるかによって、係数rを決定してもよい。例えば、評価ポイントが10以上の場合、係数r=1.5とし、評価ポイントが0以上10未満の場合、係数r=1とし、評価ポイントが0未満の場合、係数r=0.5としてもよい。
【0096】
また、情報処理部13は、係数rを用いずに、評価ポイントを算出してもよい。この場合、情報処理部13は、図11のステップS64の処理を省略し、ステップS66において、自車両のドライバの評価(「グッド」又は「バッド」)に基づいて、評価ポイントを算出すればよい。
【0097】
また、上記実施形態において、サーバ10が、評価ポイントを算出していたが(図11のステップS66)、車載装置30が当該処理を実行してもよい。この場合、車載装置30の特定部322が、自車両の評価ポイント(自識別符号に紐づく評価ポイント)に基づいて係数rを決定し、他車両のドライバに対する評価(「グッド」又は「バッド」)と、係数rとに基づいて評価ポイントを算出すればよい。
【0098】
また、上記実施形態において、表示部36は、自車両のフロントガラスに車両アイコンと表示番号とを表示していたが、例えば、ドライバが装着している眼鏡型のウェアラブル端末や、バックミラー等に車両アイコンと表示番号とを表示してもよい。
【0099】
また、上記実施形態において、表示部36は、各車両を識別するために表示番号を表示していたが、例えば、丸や三角などの図形、色枠、ひらがななど、数字以外の記号を表示してもよい。
【0100】
また、上記実施形態において、特定部322は、マイク37が収集した音声データに基づいて、他車両に対する評価を特定していたが、例えば、ドライバのジェスチャに基づいて、評価を特定してもよい。例えば、車内のドライバを撮影できる位置にカメラを設置し、特定部322は、当該カメラが撮像した映像を解析して、ドライバが所定のジェスチャ(例えば、親指と人差し指で円を作るジェスチャ)をしたか否かに基づいて評価を特定してもよい。
【0101】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0102】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0103】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0104】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0105】
なお、以上実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報を通信網を経由して外部サーバに送信する送信部と、
前記外部サーバから前記ドライバの評価情報を取得する取得部と、
取得した前記ドライバの評価情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行う制御部と、
を備える車載装置。
(付記2) 車車間通信にて他の車両との通信が成立した場合に、該他の車両の情報と表示記号とを関連付ける関連付け部と、
前記他の車両の情報に関連付けられた前記表示記号を前記他の車両を示す表示記号として表示する表示部と、を備える付記1に記載の車載装置。
(付記3) 前記表示部は、前記車両のフロントガラスに前記表示記号を表示することを特徴とする付記2に記載の車載装置。
(付記4) 前記車両を運転するドライバの音声を収集するマイクと、
前記マイクが収集した音声に基づいて前記他のドライバの評価情報を特定する特定部と、を備える付記1〜3のいずれかに記載の車載装置。
(付記5) 前記送信部は、前記他のドライバの評価情報とともに、前記ドライバが評価を行った位置の情報を前記外部サーバに送信し、
前記取得部は、前記車両の位置の情報を前記通信網を経由して前記外部サーバに送信し、前記外部サーバから前記車両の位置において評価が行われた頻度に関する情報を取得し、
前記制御部は、取得した前記頻度に関する情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行うことを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の車載装置。
(付記6) 前記取得部は、前記車両の周辺に存在する周辺車両を運転するドライバの評価情報を前記外部サーバから取得し、
前記制御部は、取得した前記周辺車両を運転するドライバの評価情報に基づいて、前記車両を制御することを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の車載装置。
(付記7) ドライバの評価情報を蓄積する外部サーバと、
複数の車両に搭載され、通信網を介して前記外部サーバに接続された付記1〜6のいずれかに記載の車載装置と、
を備える運転モード制御システム。
(付記8) 車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報を通信網を経由して外部サーバに送信し、
前記外部サーバから前記ドライバの評価情報を取得し、
取得した前記ドライバの評価情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行う、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする運転モード制御方法。
(付記9) 車車間通信にて他の車両との通信が成立した場合に、該他の車両の情報と表示記号とを関連付け、
前記他の車両の情報に関連付けられた前記表示記号を前記他の車両を示す表示記号として表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする付記8に記載の運転モード制御方法。
(付記10) 前記表示する処理では、前記車両のフロントガラスに前記表示記号を表示することを特徴とする付記9に記載の運転モード制御方法。
(付記11) 前記車両を運転するドライバの音声を収集するマイクが収集した音声に基づいて前記他のドライバの評価情報を特定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする付記8〜10のいずれかに記載の運転モード制御方法。
(付記12) 前記送信する処理では、前記他のドライバの評価情報とともに、前記ドライバが評価を行った位置の情報を前記外部サーバに送信し、
前記取得する処理では、前記車両の位置の情報を前記通信網を経由して前記外部サーバに送信し、前記外部サーバから前記車両の位置において評価が行われた頻度に関する情報を取得し、
前記制御する処理では、取得した前記頻度に関する情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行うことを特徴とする付記8〜11のいずれかに記載の運転モード制御方法。
(付記13) 前記取得する処理では、前記車両の周辺に存在する周辺車両を運転するドライバの評価情報を前記外部サーバから取得し、
前記制御する処理では、取得した前記周辺車両を運転するドライバの評価情報に基づいて、前記車両を制御することを特徴とする付記8〜12のいずれかに記載の運転モード制御方法。
(付記14) 車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報を通信網を経由して外部サーバに送信する送信部と、
他の車両との間で車車間通信が成立した場合に、前記他の車両を運転するドライバの評価情報を前記外部サーバから取得する取得部と、
取得した前記他の車両を運転するドライバの評価情報に基づいて、前記車両を制御する制御部と、
を備える車載装置。
(付記15) 車両を運転するドライバが評価した他のドライバの評価情報と、前記ドライバが評価を行った位置の情報と、を通信網を経由して外部サーバに送信する送信部と、
前記車両の位置の情報を前記通信網を経由して前記外部サーバに送信し、前記外部サーバから前記車両の位置において評価が行われた頻度に関する情報を取得する取得部と、
取得した前記頻度に関する情報に基づいて、前記車両の運転モードに関する制御を行う制御部と、
を備える車載装置。
【符号の説明】
【0106】
10 サーバ
30 車載装置
36 表示部
37 マイク
100 運転モード制御システム
321 通信部(送信部、取得部)
322 特定部
323 関連付け部
324 制御部

図1
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