特開2016-224541(P2016-224541A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2016-224541プロセス制御コントローラ、プロセス制御システム、およびソフトウェアプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-224541(P2016-224541A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】プロセス制御コントローラ、プロセス制御システム、およびソフトウェアプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   G05B19/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-107702(P2015-107702)
(22)【出願日】2015年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】茂木 篤史
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA01
5H220BB07
5H220CC06
5H220CX01
5H220JJ12
5H220JJ27
5H220JJ34
(57)【要約】
【課題】コントローラを停止することなく、オンラインで制御モジュールを増設することができ、かつ制御の不具合を防止することができる制御システムを実現する。
【解決手段】プロセス制御機能を有する複数の制御モジュール4を管理するプロセス制御コントローラ3であって、各制御モジュール4の動作内容に基づき制御モジュール4の入出力スケジュールを生成するスケジュール生成機能を有し、、新たな制御モジュール4Aが接続されたことを検出した場合に、複数の制御モジュール4、4Aの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス制御機能を有する複数の制御モジュールを管理するプロセス制御コントローラであって、
各制御モジュールの動作内容に基づき前記制御モジュールの入出力スケジュールを生成するスケジュール生成機能を有し、
新たな制御モジュールが接続されたことを検出した場合に、前記複数の制御モジュールの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する、
プロセス制御コントローラ。
【請求項2】
前記新たな制御モジュールの動作内容と前記スケジュール生成機能により生成された前記新たな制御モジュールの制御サイクルの指定とに基づき、前記複数の制御モジュールの動作が前記所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する、
請求項1に記載のプロセス制御コントローラ。
【請求項3】
前記新たな制御モジュールの動作内容とユーザにより指示された前記新たな制御モジュールの制御サイクルの指定とに基づき、前記複数の制御モジュールの動作内容が前記所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する、
請求項1に記載のプロセス制御コントローラ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプロセス制御コントローラと、
前記プロセス制御コントローラにより管理される前記複数の入出力モジュールと、
を備えたプロセス制御システム。
【請求項5】
複数の制御モジュールの動作内容に基づき前記制御モジュールの入出力スケジュールを生成するスケジュール生成機能と、
新たな制御モジュールの接続を検出する機能と、
前記複数の制御モジュールの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する機能と、
をコンピュータに実行させるための、
プロセス制御コントローラ用のソフトウェアプログラム。
【請求項6】
前記複数の制御モジュールの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する機能は、
前記新たな制御モジュールの動作内容と前記スケジュール生成機能により生成された前記新たな制御モジュールの制御サイクルの指定とに基づき、前記複数の制御モジュールの動作が前記所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する、
請求項5に記載のプロセス制御コントローラ用のソフトウェアプログラム。
【請求項7】
前記複数の制御モジュールの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する手順は、
前記新たな制御モジュールの動作内容とユーザにより指示された前記新たな制御モジュールの制御サイクルの指定とに基づき、前記複数の制御モジュールの動作が前記所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する、
請求項5に記載のプロセス制御コントローラ用のソフトウェアプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス制御機能を有する複数の制御モジュールを管理するプロセス制御コントローラ、プロセス制御システム、およびソフトウェアプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス制御システムには、各種センサや計測機器、制御弁などのプロセス機器が各々接続される制御モジュール(I/Oモジュール)が配置され、これらの制御モジュールは、上位のプロセス制御コントローラによって統括管理されていた。従来、複数の制御モジュールは、プロセス制御コントローラが生成した入出力スケジュールに基づいて管理されていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数のI/Oモジュールと、これらI/Oモジュールを介して、各種センサや計測機器との間で信号をやり取りすることにより、システム全体を制御する制御ユニットとが、通信ケーブルを介してバス接続されたプロセス制御コントローラが記載されている。通信ケーブルには、制御ユニットおよび既存のI/Oモジュールを接続するためのコネクタの他に、将来増設されるI/Oモジュールを接続するためのコネクタが収納ボックスに設けられている。I/Oモジュールを増設する場合は、ケーブル収納部に収納されている増設用コネクタを取り出して、I/Oモジュールのコネクタと接続するようになっている。
【0004】
ここで、特許文献1に記載したような従来のプロセス制御コントローラでは、計装エンジニアが、接続される複数のI/Oモジュール(制御モジュール)の各々が適切に制御されるように、制御モジュールの動作内容に応じて、予めどの順番(制御プロセス)でどの制御モジュールから入力するか、または、どの制御モジュールに出力するか、を規定する入出力スケジュールを設定し、その入出力スケジュールに沿って各制御モジュールを制御していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−315102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のプロセス制御コントローラでは、新たに制御モジュールを増設する場合は、一旦動作を停止させ、増設される制御モジュールを含めて各制御サイクルの演算負荷が均等になるように、制御モジュールの入出力スケジュールを組み替えて新たな入出力スケジュールを作成する必要があった。プロセス制御コントローラを停止させると、当該コントローラが実施している制御モジュールに対する制御も停止してしまう。このため、連続運転を実施している現場においては、定期修理などの年に数回しか存在しないシステム停止のタイミングでしか制御モジュールを増設できなかった。そして定期修理を行わない現場では、制御モジュールの増設のために止むを得ずコントローラを停止する必要があった。
【0007】
また、各制御モジュールの入出力スケジュールは厳密に設定されるものであるため、既に他の制御モジュールの処理のために満杯になっている制御サイクルに新たな制御モジュールを割り付けるとオーバーラン(処理時間不足)となる可能性があった。一方、増設する制御モジュールを特定の制御サイクルに入れて他の制御モジュールの制御サイクルを順次ずらすような管理を行うと、厳密に設計していた入出力スケジュールが崩され、制御応答が悪くなったり制御が停止したりしてしまうなどの不具合が生する可能性があった。
【0008】
具体的には、プロセス制御では、ある入力用制御モジュールから入力したデータに所定の制御処理(PID演算等)を実施し、他の出力用制御モジュールに出力するように設計されることが多い。関連する制御モジュールに対する入出力スケジュールは、正しい順番で、演算処理時間を考慮した適切な時間間隔となるように設定される。このように厳密に設計された入出力スケジュールに、増設に係る制御モジュールの制御を割り込ませることで、応答時間が不要に長くなったり演算時間が不足する結果、制御が停止したりするのである。
【0009】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みて創案されたものであり、制御を停止させることなく、制御モジュールを増設することができ、かつ制御の不具合を防止することができるプロセス制御コントローラ、プロセス制御システム、およびそのためのソフトウェアプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るプロセス制御コントローラは、プロセス制御機能を有する複数の制御モジュールを管理するプロセス制御コントローラであって、各制御モジュールの動作内容に基づき前記制御モジュールの入出力スケジュールを生成するスケジュール生成機能を有し、新たな制御モジュールが接続されたことを検出した場合に、前記複数の制御モジュールの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する。
【0011】
上記発明において、前記新たな制御モジュールの動作内容と前記スケジュール生成機能により生成された前記新たな制御モジュールの制御サイクルの指定とに基づき、前記複数の制御モジュールの動作が前記所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断することが好ましい。
【0012】
上記発明において、前記新たな制御モジュールの動作内容とユーザにより指示された前記新たな制御モジュールの制御サイクルの指定とに基づき、前記複数の制御モジュールの動作内容が前記所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断することが好ましい。
【0013】
本発明は、上記のプロセス制御コントローラと、前記プロセス制御コントローラにより管理される前記複数の入出力モジュールと、を備えたプロセス制御システムでもある。
【0014】
また、本発明に係るプロセス制御コントローラ用のソフトウェアプログラムは、複数の制御モジュールの動作内容に基づき前記制御モジュールの入出力スケジュールを生成するスケジュール生成機能と、新たな制御モジュールの接続を検出する機能と、前記複数の制御モジュールの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する機能と、をコンピュータに実行させるためのものである。
【0015】
前記複数の制御モジュールの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する機能は、前記新たな制御モジュールの動作内容と前記スケジュール生成機能により生成された前記新たな制御モジュールの制御サイクルの指定とに基づき、前記複数の制御モジュールの動作が前記所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断することが好ましい。
【0016】
前記複数の制御モジュールの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する手順は、前記新たな制御モジュールの動作内容とユーザにより指示された前記新たな制御モジュールの制御サイクルの指定とに基づき、前記複数の制御モジュールの動作が前記所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、制御を停止させることなく、制御モジュールを増設することができ、かつ制御の不具合を防止することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係るプロセス制御システムのブロック図である。
図2】既存のルールによる入出力スケジュールの説明に供する図である。
図3】既存のルールでAO7を追加した場合の説明に供する図である。
図4】本発明の実施の形態に係るプロセス制御コントローラのスケジュール生成機能でサイクル8にAO7を追加した場合の説明に供する図である。
図5】本実施形態に係るプロセス制御コントローラにおいてユーザ指定でサイクル8にAO8を追加した場合の説明に供する図である。
図6】本実施の形態に係るモジュール制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0020】
[プロセス制御システム]
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係るプロセス制御システムについて説明する。図1は本発明の実施の形態に係るプロセス制御システム1のブロック図である。
【0021】
本実施の形態に係るプロセス制御システム1は、プロセス制御機能を有する複数の制御モジュール4と、これらの制御モジュール4を管理するプロセス制御コントローラ3とを備えている。
【0022】
制御モジュール(I/Oモジュール)4は、入力用のプロセス機器であったり出力用のプロセス機器であったりする。入力用のプロセス機器としては、温度、圧力、湿度等の各種センサであり、出力用のプロセス機器としては、制御弁やモータ等の駆動装置である。制御モジュール4は、上位機器としてのプロセス制御コントローラ3によって統括管理される。すなわち、プロセス制御コントローラ3と制御モジュール4は、相互に所定のプロトコルに従った通信を行っている。制御モジュール4には、同種類のモジュールのみならず、異なる種類のモジュールが含まれる。さらに、制御モジュール4には、同一ベンダーのモジュールのみならず、異なるベンダーのモジュールが含まれる。
【0023】
プロセス制御コントローラ3は、複数の制御モジュール4を統括管理するための上位機器である。プロセス制御コントローラ3は、例えば、FDT(Fieid Device Tool)グループを構築して複数の制御モジュール4を統括管理する。ここで、FDTグループとは、非営利組織(AISBL:Association International Sans But Lucratif )から提供される標準化技術であり、プロセス制御コントローラ3と各制御モジュールの通信インターフェイスを標準化したものである。FDTは、通信プロトコルに依存せずプロセス制御コントローラ3と制御モジュール4とのソフトウェア環境に左右されず、あらゆる通信プロトコルによる制御モジュール4とのアクセスを可能にする。
【0024】
プロセス制御コントローラ3は、各制御モジュール4の動作内容に基づき、各制御モジュール4の入出力スケジュールを生成するスケジュール生成機能を有する。プロセス制御コントローラ3のスケジュール生成機能は、例えば、新たな制御モジュール4Aを増設する場合、各制御サイクルの演算負荷が均等になるように、既存のスケジュールの適切な制御サイクルに増設の制御モジュール4Aを割り付ける。
【0025】
プロセス制御コントローラ3は、増設の制御モジュール4Aが接続されたことを検出した場合に、各制御モジュール4の全ての動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断するための判断部5を有する。具体的には、この判断部5は、増設される制御モジュール4Aの動作内容とプロセス制御コントローラ3の上記スケジュール生成機能により生成された当該新たな制御モジュール4Aの制御サイクルの指定とに基づき、各制御モジュール4,4Aの動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する。
【0026】
[モジュール制御方法]
次に、図1から図6を参照して、本実施の形態に係るプロセス制御システム1の作用とともに、本実施の形態に係るプロセス制御システム1のモジュール制御方法について説明する。
【0027】
図1に示すように、プラント等のプロセス制御システム1において、既存の制御モジュール4が属するシステムに新たに制御モジュール4Aを増設する場合を考える。制御モジュール4Aを増設する際は、ループ・チェック等の動作確認が必要であり、その分、制御再開が遅れる。これは増設に伴う制御停止期間に生産を実施できないことを意味し、ユーザの生産計画に影響を与えてしまう。そこで、プロセス制御コントローラ3の制御を停止することなく、オンラインで制御モジュール4Aを増設することが考えられるが、この場合、演算スケジュールの変更が問題となる。
【0028】
各制御モジュール4は、予めスケジュールされたタイミングで入出力に係るデータ処理やアラーム処理を行う。このスケジューリングは、例えば、1秒を10分割した制御サイクルに割り振ることにより行われる。その際、各制御サイクルの演算負荷(所要演算時間による重み付け)はなるべく均等になるようにスケジュールされる。また、スケジュールされる順序は、例えば、AI(Analog Input:センサの測定値に対応した電流・電圧値の%換算値)、DI(Diginal Input:制御モジュールのステータスを示すオン・オフ信号)、AO(Analog Output:制御モジュール(バルブ等)の制御値)、DO(Diginal Output:制御モジュールの制御出力であるオン・オフ信号)である。最適の制御応答となるように予め設定された既存の演算サイクルに対して、新たに制御モジュール4Aが追加されると、折角最適に設定した制御サイクルが狂ってしまう。
【0029】
図2に、既存のルールで制御モジュールの入出力スケジュールを割り付けた場合を例示する。図3に、既存のルールで新たな制御モジュールを増設した場合の割り付けを例示する。本実施形態では、制御モジュール4の演算負荷の最小単位を単位aとおき、全ての制御モジュールに対する制御サイクルを10サイクルで完了させるものとして説明する。例示的に、制御モジュールの処理時間がAI=AO=2a(a:10msec)、DI=DO=aとする。プロセス制御コントローラ3に接続される各制御モジュール4の演算負荷は、種類別に、AI6個、DI8個、AO6個、DO6個(演算周期は全て1秒)である。全体の演算負荷は、(AI6+AO6)×2a+(DI8+DI6)×a=38aである。したがって、制御サイクル単位の平均負荷は、38a÷10≒4aとなる。
【0030】
従来の機能を使って割り付けると、例えば、図2に示すようにスケジューリングされる。入出力スケジュールは最後の制御サイクル、例えば制御サイクル9側から埋めていくものとなっている。
【0031】
負荷aが例えば10msecだとすると、AI/AOモジュールの設定には処理時間20msec(=2a)が掛かり、DI/DOモジュールの設定には10msec(=a)が掛かる。図2から図5は、1制御サイクル100msec当たり60msec(=6a)まで割り当ててよいとした場合の例である。実際には各制御モジュールは異なる値の所要時間であってもよいし、異なる許容割合としてもよい。ここで、オンラインでAOの1モジュール(AO7)の増設をする場合に、負荷を均等に分散させることのみを考えて設定すると、既存のルールに従うと図3に示すように割り付けられる。
【0032】
計装エンジニアは、制御モジュールのスケジュール表に基づいて、PID演算のタイミングを設定する。例えば、図2では、AI2がサイクル1、AO2がサイクル6なのでAI2−PID演算−AO2という処理フローのうち、PID演算をサイクル6に設定する場合がある。この場合、新たな制御モジュール4Aの制御サイクルAO7を増設することにより、図3のようにAO2がサイクル5に移動してしまう。すると、サイクル6に設定したPID演算の結果は制御サイクルが一巡した900msec後のサイクル5で出力されることになり、制御応答が悪くなってしまう。すなわち、当初の割り付けでは、別途設定されるPID演算する制御ポイントが応答速度がよくなるように無駄がないように初期設定してあるが、新たな制御モジュールの割り付けによりこれが無駄になる。
【0033】
この問題を解消するためには、PID演算をサイクル5に移動する必要がある。制御演算は予め各制御サイクルに割り振られたスロットに設定することにより、サイクルを指定する。PID演算をサイクル5に移動するということはサイクル6のスロットからサイクル5のスロットに設定し直すことを意味する。この設定し直しは、サイクル6のスロットの制御を停止し、サイクル5のスロットを設定後に制御を再開させる手順となり、全体の制御停止が発生してしまう。すなわち、一旦PID演算を止めざるを得ないのである。
【0034】
そこで、本実施形態では、このような不具合を改善するために、オンラインで制御モジュール4Aを増設する場合は、既存スケジュールはそのままとし、増設の制御モジュール4Aはプロセス制御コントローラ3がスケジュール生成機能により適切に判断した制御サイクルに追加することにする。
【0035】
図4に、本発明の実施の形態に係るプロセス制御コントローラのスケジュール生成機能でサイクル8にAO7を追加した場合の割り付けを例示する。図4に示すように、プロセス制御コントローラ3は、新たな制御モジュール4Aの演算負荷AO7をサイクル8に挿入した場合に制御モジュールの動作が所定数の制御サイクル内に収まるかを判断する。当該入出力スケジュールでは、制御サイクルの合計数が10サイクルであり、1サイクルあたり6aまで割り当ててよいとしている。そこで、プロセス制御コントローラ3は、サイクル8に演算負荷AO7を挿入した場合の演算負荷の合計を演算する。サイクル8には、AO6、AO7、DO1、DO2が割り当てられているので、演算負荷の合計は、2a+2a+a+a≦演算負荷最大値6aを満たすこととなり、制御モジュール4Aの演算負荷をサイクル8へ追加することが可能であると判定できる。割り付け優先度が上位に割り付けられたサイクル8に新たな制御モジュールを割り付けられない場合には、優先度が下位の他のサイクルにおいて、新たな制御モジュールの演算負荷追加後の合計した演算負荷が演算負荷最大値を超えるかどうかの条件が判断され、演算負荷最大値を超えないサイクルが見つかった時点で割り付け動作を終了する。
【0036】
上記のように、プロセス制御コントローラ3がスケジュール生成機能により判断する場合は、追加してもオーバーランしない制御サイクルを自動的に選択する。全ての制御サイクルでオーバーランする場合は、プロセス制御コントローラ3はエラーを表示して追加しない。
【0037】
なお、全ての制御モジュールを設定し直した場合、既存のルールが適用され、再び図3のようなスケジューリングになってしまう。このように調整した入出力スケジュールがリセットされることを防止するため、プロセス制御コントローラ3に設定したスケジュール表は、別途設定ツールにアップロードして保存しておき、次回の制御モジュールに対する入出力スケジュールの指定時にプロセス制御コントローラ3にダウンロードするような機能を付加することが好ましい。
【0038】
次に、本実施の形態に係るプロセス制御システム1のモジュール制御方法について説明する。図6は本実施の形態に係るプロセス制御システム1のモジュール制御方法を示すフローチャートである。
【0039】
本実施形態に係るプロセス制御システム1のモジュール制御方法は、増設の制御モジュール4Aの接続を検出する手順と、各制御モジュール4,4Aの全ての動作内容が所定の制御サイクル内に収まるか否かを判断する手順と、を少なくとも有する。以下、本実施形態に係るプロセス制御システム1のモジュール制御方法を具体的に説明する。
【0040】
図6に示すように、まず、既存のプロセス制御システム1に対して、新たに制御モジュール(I/Oモジュール)4Aを増設すると、プロセス制御コントローラ3が当該増設の制御モジュール4Aが接続されたことを検出する(S101)。次に、プロセス制御コントローラ3の判断部5は、各制御モジュール4,4Aの全ての動作内容が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する(S102)。具体的には、判断部5は、増設する制御モジュール4Aの動作内容とプロセス制御コントローラ3のスケジュール生成機能により生成された当該増設の制御モジュール4Aの制御サイクルの指定とに基づき、各制御モジュール4,4Aの全ての動作が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する。
【0041】
各制御モジュール4,4Aの全ての動作内容が所定の制御サイクル内に収まると判断した場合(S102/YES)は、プロセス制御コントローラ3は、スケジュール生成機能により生成された制御サイクルの指定に当該増設の制御モジュール4Aを割り付ける(S103)。他方、各制御モジュール4,4Aの全ての動作内容が所定の制御サイクル内に収まらない判断した場合(S102/NO)は、プロセス制御コントローラ3はエラー表示を行って処理を終了する(S104)。或いは、後述するように、ユーザが制御サイクルの指定を行う(図4および図5参照)。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態に係るプロセス制御システム1およびそのモジュール制御方法において、プロセス制御コントローラ3は新たな制御モジュールが接続されたことを検出した場合に、新たな制御モジュール4Aの動作内容とプロセス制御コントローラ3のスケジュール生成機能により生成された当該新たな制御モジュール4Aの制御サイクルの指定とに基づき、各制御モジュール4,4Aの全ての動作が所定の制御サイクル内に収まるか否かを判断する。したがって、本実施の形態に係るプロセス制御システム1およびそのモジュール制御方法によれば、プロセス制御コントローラを停止することなく、オンラインで制御モジュールを増設することができ、かつ制御の不具合を防止することができる。
〔他の実施の形態〕
【0043】
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
【0044】
例えば、上記の実施の形態では、判断部5は、新たな制御モジュール4Aの動作内容とプロセス制御コントローラ3のスケジュール生成機能により生成された当該新たな制御モジュール4Aの制御サイクルの指定とに基づき、各制御モジュール4,4Aの全ての動作が所定の制御サイクル内に収まるか否かを判断していたが、これに限定されない。例えば、プロセス制御コントローラ3の判断部5は、新たな制御モジュール4Aの動作内容とユーザにより指示された当該新たな制御モジュール4Aの制御サイクルの指定とに基づき、各制御モジュール4,4Aの動作内容が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断するように構成してもよい。
【0045】
すなわち、他の実施の形態のプロセス制御システムのモジュール制御方法は、各制御モジュール4,4Aの動作内容が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断する手順は、新たな制御モジュール4Aの動作内容と当該ユーザにより指示された新たな制御モジュール4Aの制御サイクルの指定とに基づき、各制御モジュール4,4Aの動作内容が所定数の制御サイクル内に収まるか否かを判断することになる。
【0046】
具体的に、ユーザ指定によりサイクル8にAO7を追加した場合の割り付けは、プロセス制御コントローラのスケジュール生成機能により割り付けた場合と同じである。すなわち、図4に示すように、ユーザ指定により制御モジュール4Aを増設する場合は、プロセス制御コントローラ3は制御モジュール4Aを増設することによりユーザが指定した制御サイクル(図4ではサイクル8)がオーバーランする可能性がないかをチェックする。オーバーランする可能性がある場合は、エラーを表示して追加できない仕組みを有することが好ましい。
【0047】
図5に、本発明に係るプロセス制御コントローラにおいてユーザ指定でサイクル8にAO8を追加した場合の割り付けを例示する。図5に示すように、図4の状態において、さらにサイクル8にAO8をユーザ指定により追加した場合は、サイクル上限(6aとする)を越えてしまうので、プロセス制御コントローラ3はエラーを表示し、設定追加できない。この場合は、全ての制御モジュールの制御応答特性が良くなるように、ユーザが調整して割り付ける。プロセス制御コントローラ3が勝手に異なる制御サイクルに当てはめるよりも、エラーを返してユーザに再考を促す方よいからである。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
【符号の説明】
【0048】
1 プロセス制御システム
3 プロセス制御コントローラ
4 制御モジュール(I/Oモジュール)
4A 増設の制御モジュール
5 判断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6