【解決手段】設備管理装置1内の複数のソフトウェア100とデータの授受を行う入出力部11aと、入出力が行われたソフトウェア100と当該ソフトウェア100により入出力されたデータとを紐付けた運用データを作成して出力する運用データ作成部11bとを有する制御部11を備えた。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、
図1を用いて、施設管理システムを構成する個々の設備管理装置内部の一般的な設計のイメージの一例について説明する。なお、この実施の形態1において、設備管理装置とは、例えば、空調機などの設備機器を制御する汎用コントローラや、各種設備の情報をリモート装置から収集するとともに省エネなどの各種統合制御を行うサーバ等の、施設管理システムの構成要素となる各種製品のことをいう。
一般的な設備管理装置では、
図1に示すように、内部に保有する数値演算、イベントプログラム、AI(Analog Input)点処理、BO(Binary Output)点処理等のソフトウェアの明確な境界がなく、それぞれが、グローバル変数やファイル、内部通信を介して複雑に結合されていた。その結果、上述したように、装置内部の動きを把握し、記録するということが困難であった。
【0011】
そこで、この発明の実施の形態1に係る設備管理装置では、装置内部の各ソフトウェア間のデータ授受の経路を一元化することで、各ソフトウェア間で授受されるデータを全て記録できるようにしている。
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図2は、この発明の実施の形態1に係る設備管理装置1の構成図である。
図2に示すように、設備管理装置1は、制御部11と、運用データ記録部12と、解析データ作成部13とを備える。また、設備管理装置1内では、例えば、数値演算、AI点処理、イベントプログラム、BO点処理等の、設備管理装置1の機能を実現するためのソフトウェア100が動作する。なお、
図2においては、設備管理装置1の機能を実現するためのソフトウェア100として、数値演算、AI点処理、イベントプログラム、BO点処理をあげているが、これは一例にすぎず、ソフトウェア100はこれに限らない。
【0013】
制御部11は、設備管理装置1内の全てのソフトウェア100間のデータの流れを制御する。すなわち、設備管理装置1内の全てのソフトウェア100間の連携は、制御部11を介して実現する。
また、制御部11は、全てのソフトウェア100間の入力、出力動作による設備管理装置1内のデータの流れを記録する。この実施の形態1において、設備管理装置1内の全てのソフトウェア100間の動作で入出力されるデータの流れを示すデータを、この実施の形態1では運用データといい、制御部11は、当該運用データを作成して運用データ記録部12に出力し、記録させる。
具体的には、制御部11は、
図2に示すように、入出力部11aと運用データ作成部11bとを備え、入出力部11aが、設備管理装置1内の全てのソフトウェア100間の動作で入出力されるデータの授受を行い、運用データ作成部11bが、入出力部11aが各ソフトウェア100から授受を行ったデータに基づき、運用データの作成を行う。
なお、この実施の形態1でいう「全てのソフトウェア100」とは、例えば、ビル管理を行うソフトウェア100等、設備管理装置1の機能を実現するために制御が必要な、主に開発部で製造している複数のソフトウェア100全てのことをいう。したがって、ソフトウェア100であっても、設備管理装置1の機能を実現するために制御が必要でないもの、例えば、OS等、設備管理装置1の機能を実現するために制御が必要なソフトウェア100を動かすベースとなる部分のソフトウェア100であって、制御部11が介在する必要がないものについては、この実施の形態1でいう「全てのソフトウェア100」には含まれない。
【0014】
ここで、
図3は、実施の形態1において、制御部11が作成し、運用データ記録部12に記録させる運用データの内容の一例を説明する図である。
例えば、
図3のNO.1001の運用データは、数値演算のソフトウェア100が、AI点処理のソフトウェア100に対して現在値を要求する信号を制御部11の入出力部11aに入力し、入出力部11aは、AI点処理のソフトウェア100に当該要求信号を出力し、AI点処理のソフトウェア100は要求に応じて現在値=25.4を数値演算のソフトウェア100に返すように入出力部11aに対して信号を入力し、入出力部11aは、数値演算のソフトウェア100に現在値=25.4を出力したという一連のデータの流れに基づき、制御部11の運用データ作成部11bが、当該一連のデータの流れを入出力に係るソフトウェアとともに記録させた運用データである。
なお、ここでは、運用データは、例えば、2つのソフトウェア100間の1処理、すなわち、1往復の一連のデータのやり取りで1レコード作成されるものとし、
図3においてNO.1001等で示す番号は、運用データ作成部11bが運用データを1レコード作成した際に適宜付番するものとするが、どのソフトウェア100間でどのデータがやり取りされたかを記録できるものであればよく、運用データ作成部11bが1レコードとして作成する運用データの作成条件は適宜設定可能である。
この実施の形態1において、制御部11が、
図3で説明したような運用データを作成し、運用データ記録部12に記録させるステップを、運用データ記録ステップとする。
【0015】
運用データ記録部12は、制御部11から出力された運用データを記録する。
なお、ここでは、運用データ記録部12は、設備管理装置1が備えるものとしたが、これに限らず、運用データ記録部12は、設備管理装置1の外部に備えるようにしてもよい。
【0016】
解析データ作成部13は、運用データ記録部12が記録している運用データを解析して、設備管理装置1の動作を評価する。解析データ作成部13は、運用データに基づき評価を行った結果を解析データとして作成し、作成した解析データを表示部20へ送信する。
解析データ作成部13により作成された解析データは、表示部20で表示され、施設管理者等は、当該表示を確認することで、施設内の設備管理装置1の内部動作を把握することができる。
なお、ここでは、解析データ作成部13は、設備管理装置1の外部の表示装置の表示部20に解析データを表示させることを想定しているが、これに限らず、設備管理装置1が、例えば、ディスプレイ等の表示部20を備え、解析データ作成部13は、当該設備管理装置1内に備えられた表示部20に解析データを表示させるようにしてもよい。
【0017】
図4は、この発明の実施の形態1に係る設備管理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
この発明の実施の形態1において、制御部11と、解析データ作成部13は、HDD42、メモリ41等に記憶されたプログラムを実行するCPU43、システムLSI等の処理回路により実現される。また、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。
運用データ記録部12は、例えば、HDD42によって構成される。なお、これは一例に過ぎず、運用データ記録部12は、DVD、メモリ41等によって構成されてもよいし、その他のハードウェアで構成されるものであってもよい。
【0018】
この実施の形態1に係る設備管理装置1は、
図2のように構成したので、制御部11を介して設備管理装置1内部の複数のソフトウェア100間の動きを運用データとして詳細に記録することが可能となる。
これにより、例えば、設備管理装置1の開発を行う場合に、当該開発を行っている設備管理装置1の、実運用中の装置の運用データを利用して、開発中の設備管理装置1の評価試験を行うことが可能となる。よって、開発中の設備管理装置1に対して、当該設備管理装置1が納入される現場の環境に特化した動作試験を行うことができ、特定条件でのみ発生する障害についても未然に防ぐことが可能となる。
【0019】
ここで、この実施の形態1に係る設備管理装置1の開発を行う場合の評価試験について具体的に説明する。なお、この実施の形態1において、設備管理装置1の開発を行う場合の評価試験のステップを、開発ステップとする。
例えば、現場で実運用中の設備管理装置1に関し、数値演算のソフトウェア100をバージョンアップして、機能を改善するための開発を行っており、
図5に示すように、当該開発を行っている開発環境の設備管理装置1aにおいて、数値演算のソフトウェア100の開発段階のテストモジュール100aを実行して、設備管理装置1aの評価試験を行うものとする。なお、
図5において、実運用中の設備管理装置1の構成については、説明の簡単のため、簡略化して記載している。
【0020】
図5に示すように、評価試験において、現場で実運用中の設備管理装置1の運用データ記録部12に記録されているNO.1001の運用データ(
図5の(a))を取出し、運用データ記録部12
a1に移して、運用データ記録部12
a1から制御部11を介して、当該取り出したNO.1001の運用データを、開発環境の設備管理装置1aの入力、出力として利用し、開発環境の設備管理装置1aで、AI点処理のソフトウェア100からデータを読み出す動作を実行する。この時、数値演算のソフトウェア100の代わりに、テストモジュール100aが使用される。
その結果、開発環境の設備管理装置1aの制御部11が作成し、運用データ記録部12
a2に記録させる運用データは、
図5の(b)に示す内容となる。
解析データ作成部13aは、
図5の(a),(b)に示す内容の運用データに基づき、
図5の(c)に示すような、設備管理装置1a、すなわち、テストモジュール100aの評価を行うための解析データを作成する。
具体的には、解析データ作成部13aは、
図5の(a)の内容と
図5(b)の内容とを比較し、開発環境の設備管理装置1aでは、入力に対して現場と同じ出力が得られること、その際に開発環境の設備管理装置1aにエラーや異常動作が発生しないことを確認するための解析データを作成する。
【0021】
解析データ作成部13aは、作成した解析データを表示部20に表示させる。そして、作業者は、表示部20に表示された内容を確認することで、開発環境の設備管理装置1aにエラーや異常動作が発生しないことを確認することができる。
ここでは、
図5の(c)に示すように、テストモジュール100aで実行することによって、AI点処理のソフトウェア100から制御部11への出力で+0.003秒、処理時間に差が出ていることが分かり、当該結果を、テストモジュール100aの不具合なのか、あるいは、誤差の範囲なのか等の判断に利用することができる。
【0022】
このように、設備管理装置1では、全てのソフトウェア100間の入力、出力動作によるデータの流れを制御し記録する制御部11を備えているため、設備管理装置1内部の運用データを詳細に記録しておくことができ、これにより、設備管理装置1の開発を行う際に、当該開発を行う設備管理装置1の、現場で実運用中の装置内に記録された運用データを利用して、開発中の設備管理装置1の評価試験を行うことが可能となる。また、開発中の設備管理装置1に対し、納入現場の環境に特化した動作試験を行うことができ、特定条件でのみ発生する障害についても未然に防ぐことが可能になる。
【0023】
また、この実施の形態1に係る設備管理装置1は、
図2のように構成したことにより、上述したように、開発中の設備管理装置1の評価試験を行うことが可能となる他、さらに、現場で実運用中の設備管理装置1の装置内部の診断を行うことが可能になり、例えば、装置内部で異常が発生した場合に、当該異常を特定し、障害が表面化する前に修正を行うことが可能となる。
【0024】
ここで、この実施の形態1に係る設備管理装置1において、装置内部の異常を診断する場合について具体的に説明する。
例えば、
図6に示すように、設備管理装置1の内部でタイムアウトが発生していないかを確認することで、装置内部の異常を診断する。
制御部11が運用データを運用データ記録部12に記録させると、解析データ作成部13は、当該運用データ記録部12に記録された運用データを参照し、タイムアウトが発生していないかを確認し、タイムアウトが発生した場合、当該運用データを異常とする情報を含む解析データを作成し、当該解析データの内容を表示部20に表示させる。当該表示部20の表示を確認することで、タイムアウトの発生、すなわち、異常発生を検知することができる。
ここでは、制御部11が運用データ記録部12に記録させたNO.5000の運用データにおいて、AI点処理のソフトウェア100からのデータ入力動作時にタイムアウトが発生している。よって、解析データ作成部13は、NO.5000の運用データにタイムアウトがあることを確認し、
図6に示すように、NO.5000の運用データに異常があった旨の情報を付与した解析データを作成する。
【0025】
なお、解析データ作成部13は、制御部11が運用データを運用データ記録部12に記録させる度、すなわち、運用データ記録部12が更新される度にタイムアウトが発生したかどうかを確認するようにしてもよいし、予め設定された時間毎に運用データ記録部12を参照して、タイムアウトが発生した運用データがあるかどうかを確認するようにしてもよい。
【0026】
また、ここでは、タイムアウトが1度でも発生すると、解析データ作成部13は装置内部に異常が発生したものと判断するようにしたが、これに限らず、解析データ作成部13は、タイムアウトが発生する頻度を算出し、当該算出した頻度が予め設定された閾値以上となった場合に、装置内部に異常が発生したものと判断するようにしてもよい。
【0027】
なお、解析データ作成部13による装置内部の異常の診断については、上述した例のように、タイムアウトが発生したかどうかによるものに限らない。
例えば、設備管理装置1内のソフトウェア100による処理時間が異常でないかどうかによって、装置内部の異常を検知するようにしてもよい。
具体的には、例えば、解析データ作成部13は、運用データ記録部12に記録された運用データに基づき、制御部11および各ソフトウェア100間の入出力処理に要した時間を算出し、当該算出した時間が、予め設定されていた時間以上であった場合に異常と判断し、運用データに当該異常と判断した旨の情報を付与した解析データを作成するようにすることもできる。
【0028】
例えば、
図7に示すように、解析データ作成部13は、制御部11を介して複数のソフトウェア100がデータの入出力を行う時間、すなわち、
図7においては、数値演算のソフトウェア100とAI点処理のソフトウェア100間のデータの入出力の時間と、あるソフトウェア100が入出力を行う時間、すなわち、
図7においては、AI点処理のソフトウェア100のデータ入出力時間の、最小値、最大値、平均値を算出する。なお、
図7の(1)〜(4)は、
図6の(1)〜(4)を示している。
【0029】
そして、解析データ作成部13は、算出したデータ入出力の時間の最小値、最大値、平均値が、それぞれに、予め設定された値より大きいものがあるかどうかを判断し、予め設定された値より大きいものがあれば、問題が発生していると判断し、当該算出したデータ入出力の時間のデータに、問題が発生したと判断した旨の情報を付与した解析データを作成するようにすることもできる。
【0030】
ここでは、例えば、AI点処理のソフトウェア100のデータ入出力の最大時間について、予め設定された値が10msであったとすると、
図7では、最大時間150msとなっており、解析データ作成部13は、処理時間が異常に長いと判断し、今後ウォッチしておく必要がある要注意データであるとして、
図7に示すように、「注意」という分析結果の情報を付与した解析データを作成する。
【0031】
さらに、装置内部の異常の診断方法は、上述した例のほかにも、例えば、解析データ作成部13が、予め正常時のデータ送受信の内容を記憶しておき、当該記憶しているデータ送受信の内容と、運用データ記録部12に記録された運用データの送受信の内容とを比較することで装置内部の異常を判断するようにしてもよい。
【0032】
また、以上のように、例をあげて説明した設備管理装置1の異常の診断は、1つの設備管理装置1単体で、設備管理装置1内部の診断を実施するだけでなく、施設管理システムに対して、すなわち、施設管理システムを構成する複数の設備管理装置1に対して実施することもできる。
具体的には、
図8に示すように、診断用PC2が解析データ作成部13と同様の機能を備え、診断用PC2において、各設備管理装置1の運用データ記録部12に記録されている運用データを収集し、収集した運用データに基づき、例えば、各設備管理装置1のある運用データにおけるデータ入出力の時間の平均値をベンチマークとして、収集した各運用データとの比較を行い、特異な設備管理装置1がないかどうかを判断するようにすることができる。
なお、
図8においては、説明の簡単のため、設備管理装置1の構成については、簡略化して記載しているが、診断用PC2が各設備管理装置1から運用データを収集し、特異な設備管理装置1がないかどうかの判断を行うようにする場合、各設備管理装置1は、解析データ作成部13を備えることを必須としない。
【0033】
また、複数の施設管理システムに対して、すなわち、複数のビルをまたいで、設備を管理する設備管理装置1に対して異常の診断を実施することもできる。
具体的には、
図9に示すように、診断用PC2が解析データ作成部13と同様の機能を備え、診断用PC2において、複数ビルの各設備管理装置1の運用データ記録部12に記録されている運用データを収集し、収集した運用データに基づき、例えば、各設備管理装置1のある運用データにおけるデータ入出力の時間の平均値をベンチマークとして、収集した各運用データとの比較を行い、特異な設備管理装置1がないかどうかを判断するようにすることができる。
なお、
図9においても、
図8同様、説明の簡単のため、設備管理装置1の構成については、簡略化して記載しているが、診断用PC2が複数ビルの各設備管理装置1から運用データを収集し、特異な設備管理装置1がないかどうかの判断を行うようにする場合、各設備管理装置1は、解析データ作成部13を備えることを必須としない。
【0034】
上記で説明したように、1つの設備管理装置1単体で解析データ作成部13が設備管理装置1内部の診断を実施、あるいは、1つの施設管理システムや複数の施設管理システムに対して診断用PC2において各設備管理装置1の診断を実施し、障害を検知すると、当該障害を検知した設備管理装置1に対して、障害修正を行う。この実施の形態1においては、ある設備管理装置1において障害を検知し、当該障害を検知した該当の設備管理装置1に対して障害の修正を行うステップを障害修正ステップとする。
【0035】
また、例えば製品の保守・開発を行う業者は、ある1つの現場における、設備管理装置1において障害が検知された場合に、当該設備管理装置1と同じ種類の設備管理装置1であって他の現場に設置されている設備管理装置1に対して、必要に応じて対策を講じることも可能である。例えば、診断用PC2は、他の現場に設置された設備管理装置1に記録された運用データを収集して作成した解析データを確認し、予め設定された条件と照らし合わせ、他の現場に設置された設備管理装置1のうち、どの現場の設備管理装置1で障害が発生する可能性があるのかを判断する。その結果、障害が発生する条件を満たしている他の現場の設備管理装置1があれば、当該現場の設備管理装置1に対して今すぐ対策を実施し、現時点では障害が発生する条件は満たしていないが、今後、条件を満たす可能性のある現場の設備管理装置1があれば、定期的に当該現場の設備管理装置1を定期的に点検するようにし、また、今後障害が発生する条件を満たす可能性がないと判断された設備管理装置1については、対策不要であるとする。この実施の形態1において、この、ある設備管理装置1において障害が検知されたことを受けて、他の現場に設置された設備管理装置1に対して対策が必要であるかどうかを判断した上で、現場毎に設備管理装置1の対策を行うステップを対策実施ステップとする。
【0036】
このように、実施の形態1の設備管理装置1では、各設備管理装置1で記録された運用データに基づき、障害対策の要否を判断することができるようになるため、ある現場において障害が発生した設備管理装置1と同じ種類の設備管理装置1が他の現場で使用されていた場合に、各現場に応じた対応をとることができる。これにより、例えば、ソフトウェアのバージョンアップ等の対策を講じるべき設備管理装置1をより的確に限定し、無駄な障害対策費用を抑えることができる。
【0037】
図10は、上述した各ステップの運用フローである。
図10において、Aが運用データ記録ステップであり、Bが開発ステップであり、Cが障害修正ステップであり、Dが対策実施ステップである。
この発明の実施の形態1では、上述のとおり、
図10においてAに示す運用データ記録ステップにおいて、制御部11が、全てのソフトウェア100間の入力、出力動作による設備管理装置1内のデータの流れを運用データとして記録し、当該Aに示す運用データ記録ステップで記録された運用データを用いて、
図10においてBで示す開発ステップや、Cで示す障害修正ステップや、Dで示す対策実施ステップを実施することが可能となる。
そして、この発明の実施の形態1では、
図10においてAで示す運用データ記録ステップを有することにより、
図10においてEで示す、不要なステップの実施を防ぐことができる。
なお、
図10のEは、従来からの一般的な設備管理装置1において、現場ごとの詳細な稼動データがないために、一律に同様のバージョンアップを行うことで、クレームが発生する可能性のない現場の設備管理装置1までバージョンアップしてしまっていたステップを指す。
この実施の形態1では、上述のとおり、設備管理装置1が、全てのソフトウェア100間の入力、出力動作によるデータの流れを記録する制御部11を備えたことにより、設備管理装置1内部の運用データを記録しておくことができ、当該運用データに基づき、各現場に応じた適切な対応をとることができるので、当該
図10のEで示すように、無駄な障害対策を行ってしまうことがない。これにより、無駄な障害対策コストがかかることを防ぐことができる。
【0038】
以上のように、実施の形態1によると、設備管理装置1は、設備管理装置1内の複数のソフトウェア100とデータの授受を行う入出力部11aと、入出力が行われたソフトウェア100と当該ソフトウェア100により入出力されたデータとを紐付けた運用データを作成して出力する運用データ作成部11bとを有する制御部11を備えるように構成した。これにより、設備管理装置1に関し、設備管理装置1内部の動きを詳細に記録できるようになるため、各現場に適した評価試験を実施でき、また、各現場での障害対策コストを低減できる。
【0039】
なお、この発明の実施の形態1において、設備管理装置1は、
図2で示すような構成としたが、設備管理装置1は、制御部11を備えることにより、上述したような効果が得られるものである。
【0040】
また、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。