特開2016-225032(P2016-225032A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225032(P2016-225032A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20161205BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20161205BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20161205BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20161205BHJP
【FI】
   H01M2/10 M
   H01M2/10 E
   H01M2/10 S
   H01M2/30 A
   H01M2/34 B
   H01G11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-107495(P2015-107495)
(22)【出願日】2015年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇行
【テーマコード(参考)】
5E078
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AB02
5E078JA02
5E078JA04
5H040AA03
5H040AA18
5H040AA20
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC20
5H040CC25
5H040CC34
5H040DD02
5H040DD03
5H040JJ06
5H040NN03
5H043AA02
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA04
5H043DA27
5H043FA04
5H043GA25
5H043GA30
5H043JA29D
5H043JA29F
5H043KA22
5H043KA22D
5H043KA45
5H043KA45D
5H043LA21
5H043LA21D
(57)【要約】
【課題】所定の方向に並べられた配線部材間の短絡を防止できかつ配線部材が電池セルの配列方向に適切に伸縮できる電池モジュールを提案することを課題とする。
【解決手段】電池モジュール1において、先端の接続端子が電池セル2の電極端子2a,2bに接続され、電池セル2の配列方向D1に沿って延在する複数の配線部材21と、配列方向D1と交差する所定の方向D2に沿って並べられた複数の配線部材21を覆い、所定の間隔をあけて配置される複数の樹脂部22と、所定の間隔をあけて配置される一方の樹脂部22と他方の樹脂部22とに接続され、配列方向D1に伸縮可能な樹脂部間伸縮部23と、配線部材21に形成され、所定の箇所が変形することで配列方向D1に伸縮可能な配線部材内伸縮部26と、配線部材内伸縮部26の所定の箇所の変形を許容しつつ配線部材内伸縮部26の所定の方向D2の位置を規制する位置規制部24とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが配列される配列体と、前記配列体の配列方向における所定の位置に配置される弾性部材と、前記配列体及び前記弾性部材を前記配列方向に拘束する拘束部材と、を備える電池モジュールであって、
先端の接続端子が前記電池セルの電極端子に接続され、前記配列方向に沿って延在する複数の配線部材と、
前記配列方向に交差する所定の方向に沿って並べられた前記複数の配線部材を覆い、前記配列方向に所定の間隔をあけて配置される複数の樹脂部と、
前記所定の間隔をあけて配置される一方の前記樹脂部と他方の前記樹脂部とに接続され、前記配列方向に伸縮可能な樹脂部間伸縮部と、
前記配線部材における前記一方の樹脂部と前記他方の樹脂部との間に形成され、所定の箇所が変形することで前記配列方向に伸縮可能な配線部材内伸縮部と、
前記一方の樹脂部と前記他方の樹脂部との間に設けられ、前記配線部材内伸縮部の前記所定の箇所の変形を許容しつつ前記配線部材内伸縮部の前記所定の方向の位置を規制する位置規制部と、
を備える、電池モジュール。
【請求項2】
前記位置規制部は、前記一方の樹脂部と前記他方の樹脂部とに接続され、隣り合う一方の前記配線部材の前記配線部材内伸縮部と他方の前記配線部材の前記配線部材内伸縮部との間に設けられる、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記位置規制部は、前記配列方向に伸縮可能である、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記位置規制部は、前記一方の樹脂部と前記他方の樹脂部との間において前記所定の方向に沿って延在し、前記所定の方向に並べられた前記複数の配線部材の前記配線部材内伸縮部の前記所定の箇所以外の箇所を覆う、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記位置規制部は、前記配線部材内伸縮部に接続されている、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記位置規制部及び前記樹脂部間伸縮部は、前記樹脂部と同じ樹脂で形成されている、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、リチウムイオン二次電池等の電池セルが複数配列してなる電池モジュールが知られている。電池モジュールには、電池セルの膨張に対処するために、複数の電池セルからなる配列体の端部に弾性部材が配置され、配列体及び弾性部材が配列方向に拘束されているものがある。このように弾性部材を設けることにより、電池セルが膨張した場合に電池セルが弾性部材側に変位することができる。
【0003】
また、電池モジュールには、電池セルの状態を監視するために、電池セル毎に電圧等の状態量を検出するものがある。このような検出を行うために、例えば、特許文献1に開示の電池モジュールには、バスバーモジュールが設けられている。このバスバーモジュールは、隣り合う電池セル(単位電池)を直列に接続する複数のバスバー及び各バスバーと電池監視ICとをそれぞれ接続する複数の配線部材(ターミナル)がインサート成型によって複数の樹脂部と一体化されている。複数の配線部材は、電池セルの配列方向に延在すると共に配列方向と略直交する方向に並べられている。また、このバスバーモジュールは、電池セルの配列方向の変位を吸収するために、各配線部材にプレス成型によって折れ曲がり状の変位吸収部が形成されると共に、隣り合う樹脂部と樹脂部の相互間に逆U字板状の変位吸収部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−143272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のバスバーモジュールは、隣り合う配線部材の変位吸収部間の短絡を防止するために、変位吸収部全体が樹脂で覆われている。この覆う樹脂を厚くすると、電池セルが配列方向に変位した際に配線部材の変位吸収部が変形し難くなる虞がある。この場合、電池セルが膨張したときに、配線部材が電池セルの配列方向に伸び難くなる。また、覆う樹脂を薄くすると、電池セルが膨張したときに配線部材の変位吸収部が変形した箇所の樹脂が損傷する虞がある。この場合、隣り合う配線部材間で短絡する可能性がある。
【0006】
そこで、本発明においては、所定の方向に並べられた配線部材間の短絡を防止できかつ配線部材が電池セルの配列方向に適切に伸縮できる電池モジュールを提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る電池モジュールは、複数の電池セルが配列される配列体と、配列体の配列方向における所定の位置に配置される弾性部材と、配列体及び弾性部材を配列方向に拘束する拘束部材とを備える電池モジュールであって、先端の接続端子が電池セルの電極端子に接続され、配列方向に沿って延在する複数の配線部材と、配列方向に交差する所定の方向に沿って並べられた複数の配線部材を覆い、配列方向に所定の間隔をあけて配置される複数の樹脂部と、所定の間隔をあけて配置される一方の樹脂部と他方の樹脂部とに接続され、配列方向に伸縮可能な樹脂部間伸縮部と、配線部材における一方の樹脂部と他方の樹脂部との間に形成され、所定の箇所が変形することで配列方向に伸縮可能な配線部材内伸縮部と、一方の樹脂部と他方の樹脂部との間に設けられ、配線部材内伸縮部の所定の箇所の変形を許容しつつ配線部材内伸縮部の所定の方向の位置を規制する位置規制部とを備える。
【0008】
この電池モジュールでは、電池セルが膨張したときに、電池セル(ひいては、電池セルの電極端子)が弾性部材側に変位する場合がある。このように電池セルの電極端子が弾性部材側に変位した場合でも、電池モジュールでは、電池セルの配列方向に伸縮可能な樹脂部間伸縮部及び配線部材内伸縮部が設けられているので、電池セルの電極端子が変位した位置に応じて配線部材の接続端子の位置を移動させることができる。また、電池モジュールでは、位置規制部により配線部材内伸縮部の所定の方向の位置を規制するので、隣り合う配線部材間の短絡を防止できる。また、電池モジュールでは、位置規制部が配線部材内伸縮部の所定の箇所の変形を許容するように設けられているので、配線部材内伸縮部が電池セルの配列方向に適切に伸縮できる。
【0009】
一実施形態の電池モジュールでは、位置規制部は、一方の樹脂部と他方の樹脂部とに接続され、隣り合う一方の配線部材の配線部材内伸縮部と他方の配線部材の配線部材内伸縮部との間に設けられる構成としてもよい。この位置規制部は、配列方向に伸縮可能であるとよい。
【0010】
一実施形態の電池モジュールでは、位置規制部は、一方の樹脂部と他方の樹脂部との間において所定の方向に沿って延在し、所定の方向に並べられた複数の配線部材の配線部材内伸縮部の所定の箇所以外の箇所を覆う構成としてもよい。この位置規制部は、配線部材内伸縮部に接続されていてもよい。
【0011】
一実施形態の電池モジュールでは、位置規制部及び樹脂部間伸縮部が樹脂部と同じ樹脂で形成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、所定の方向に並べられた配線部材間の短絡を防止できかつ配線部材が電池セルの配列方向に適切に伸縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る電池モジュールの平面図である。
図2】第1実施形態に係る電圧検出用配線アッセンブリが組み付けられていない状態の電池モジュールの平面図である。
図3】第1実施形態に係る電圧検出用配線アッセンブリの斜視図である。
図4図3に示す電圧検出用配線アッセンブリの配線部材のみを示す斜視図である。
図5】第2実施形態に係る電池モジュールの平面図である。
図6】第2実施形態に係る電圧検出用配線アッセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る電池モジュールを説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
実施形態に係る電池モジュールは、電池セルの状態を監視するために、電池セル毎に電圧が検出される。そのために、この電池モジュールには、電圧検出用配線アッセンブリが組み付けられている。以下では、電圧検出用配線アッセンブリの構成が異なる2つの実施形態について説明する。なお、電池モジュールは、例えば、電池モジュール単体で用いられてもよいし、複数の電池モジュールが筐体内に収容された電池パックとして用いられてもよい。
【0016】
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る電池モジュール1について説明する。図1は、第1実施形態に係る電池モジュールの平面図である。図2は、第1実施形態に係る電圧検出用配線アッセンブリが組み付けられていない状態の電池モジュールの平面図である。
【0017】
電池モジュール1は、複数の電池セル2と、複数の電池ホルダ3と、弾性部材4と、ミドルプレート5と、一対のブラケット6と、複数の拘束ボルト7と、複数のナット8と、電圧検出用配線アッセンブリ20と、を備えている。複数の電池セル2は、電池ホルダ3に保持された状態で一方向(配列方向D1)に沿って配列され、配列体10が形成されている。弾性部材4及びミドルプレート5は、配列体10の配列方向D1の一方側の端部に配置されている。一対のブラケット6は、配列方向D1の両側の端部に配置されている。複数の拘束ボルト7及びナット8は、一対のブラケット6に挟まれた配列体10、弾性部材4及びミドルプレート5を拘束する。この実施形態では、電池セル2の個数を7個とする。
【0018】
電池セル2は、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池といった蓄電池、あるいは、電気二重層キャパシタである。電池セル2は、箱状のケース内に電解液と電極組立体を収容してなる。電極組立体は、正極、負極及び正極と負極とを絶縁するセパレータを複数有している。この複数の正極、負極及びセパレータは、正極と負極との間にセパレータを挟んだ状態で積層されている。電池セル2は、電極端子である正極端子2aと負極端子2bを有している。複数の電池セル2は、極性が異なる正極端子2aと負極端子2bが隣り合うように配列されている。複数の電池セル2は、バスバー11によって電気的に直列に接続されている。
【0019】
電池ホルダ3は、電池セル2を保持する部材である。電池ホルダ3は、例えば、樹脂により電池セル2を取り囲む形状に形成されている。電池ホルダ3には、配列方向D1に貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。この貫通孔には、拘束ボルト7が挿通される。貫通孔の個数は、拘束ボルト7の本数と同数である。
【0020】
弾性部材4は、電池セル2の配列方向D1の膨張を吸収する部材である。弾性部材4は、弾性を有する材料からなる。弾性部材4は、例えば、ゴムにより平板状に形成されている。弾性部材4は、配列体10の配列方向D1の一方側の端部に配置されるミドルプレート5とブラケット6との間に配置されている。弾性部材4の配列方向D1から見た平面形状は、例えば、略矩形状であり、ミドルプレート5の外形よりも小さい。なお、電池モジュール1は、配列体10の配列方向D1の両側の各端部に弾性部材4をそれぞれ備えるものでもよい。また、電池モジュール1は、配列体10における電池セル2と電池セル2との間に弾性部材4を備えるものでもよい。
【0021】
ミドルプレート5は、弾性部材4から複数の電池セル2(配列体10)にかかる荷重のばらつきを抑制するための部材である。ミドルプレート5は、例えば、金属材料により平板状に形成されている。ミドルプレート5は、配列体10と弾性部材4との間に配置されている。ミドルプレート5の配列方向Dから見た平面形状は、例えば、略矩形状であり、弾性部材4の外形よりも大きい。ミドルプレート5には、貫通孔5aが形成されている。この貫通孔5aには、拘束ボルト7が挿通される。貫通孔5aの個数は、拘束ボルト7の本数と同数である。この貫通孔5aの個数は、拘束ボルト7の本数と同数でなくてもよい。ミドルプレート5なお、電池モジュール1は、ミドルプレート5を備えないものでもよい。
【0022】
一対のブラケット6は、配列体10、弾性部材4及びミドルプレート5を拘束して荷重を付加すると共に、電池モジュール1を所定の箇所に固定するための部材である。ブラケット6は、挟持部6aと、固定部6bと、リブ部6cとからなる。挟持部6aは、配列体10、弾性部材4及びミドルプレート5を挟み込む部分であり、エンドプレートとして機能する。挟持部6aは、略矩形の平板状である。挟持部6aには、貫通孔6dが形成されている。この貫通孔6dには、拘束ボルト7が挿通される。貫通孔6dの個数は、拘束ボルト7の本数と同数である。固定部6bは、例えば、電池パックの筐体の側壁Wの所定の箇所に固定される部分である。固定部6bは、挟持部6aの一端部に立設する平板状である。固定部6bには、貫通孔6eが形成されている。この実施形態では、貫通孔6eの個数は4個である。この貫通孔6eには、所定の箇所への固定用のボルトBが挿通される。リブ部6cは、挟持部6a及び固定部6bを補強する部材である。リブ部6cは、挟持部6a及び固定部6bの一面側に突出する略三角形の平板状である。
【0023】
拘束ボルト7及びナット8は、一対のブラケット6に挟まれた配列体10、弾性部材4及びミドルプレート5を拘束するための部材である。拘束ボルト7は、一対のブラケット6の挟持部6a間よりも長い長尺のボルトである。この実施形態では、拘束ボルト7の本数は4本である。複数の拘束ボルト7は、配列方向D1に延在し、一対のブラケット6同士を連結している。複数の拘束ボルト7は、一対のブラケット6の貫通孔6d、ミドルプレート5の貫通孔5a及び電池ホルダ3の貫通孔にそれぞれ挿通されている。複数の拘束ボルト7は、ブラケット6の挟持部6aの外側でナット8にそれぞれ螺合されている。この複数の拘束ボルト7及びナット8による拘束により、複数の電池セル2及び弾性部材4には拘束荷重が付加される。この実施形態では、一対のブラケット6、複数の拘束ボルト7及びナット8が拘束部材である。
【0024】
なお、電池セル2は、過充電等の異常によってケース内部にガスが発生した場合、経年劣化等により膨張する場合がある。電池モジュール1には弾性部材4が設けられているので、各電池セル2が膨張した場合には、弾性部材4が弾性変形して圧縮可能な範囲内で、各電池セル2が弾性部材4側に変位することができる。電池セル2が弾性部材4側に変位する量は、弾性部材4に近く配置される電池セル2ほど大きくなる。電池セル2が弾性部材4側に変位すると、電池セル2の電極端子2a,2bも弾性部材4側に変位する。
【0025】
図3及び図4を参照して、電圧検出用配線アッセンブリ20について説明する。図3は、第1実施形態に係る電圧検出用配線アッセンブリの斜視図である。図4は、電圧検出用配線アッセンブリの配線部材のみを示す斜視図である。
【0026】
電圧検出用配線アッセンブリ20は、電池セル2の電圧検出用の複数の配線部材と樹脂とを一体化したアッセンブリである。電圧検出用配線アッセンブリ20は、電池モジュール1の7個の電池セル2の正極端子2a及び負極端子2bにそれぞれ接続され、正極端子2a及び負極端子2bの各電位を出力する。この正極端子2aの電位と負極端子2bの電位との電位差により、電池セル2の電圧を得ることができる。電圧検出用配線アッセンブリ20は、電池セル2が膨張した場合に電池セル2の正極端子2a及び負極端子2bの弾性部材4側への変位に対処するために、アッセンブリ全体が配列方向D1に伸縮可能な構造である。
【0027】
電圧検出用配線アッセンブリ20は、複数の配線部材21と、複数の樹脂部22と、複数の樹脂部間伸縮部23と、複数の位置規制部24と、コネクタ25と、を備えている。一部の配線部材21には、配線部材内伸縮部26が設けられている。
【0028】
なお、隣り合う一方の電池セル2の正極端子2aと他方の電池セル2の負極端子2bとは、バスバー11によって電気的に接続されて同電位である。したがって、電圧検出用配線アッセンブリ20では、同じバスバー11に接続されている正極端子2aと負極端子2bの何れか一方の電極端子に接続している。したがって、この実施形態では、配線部材21の本数は8本である。また、この実施形態では、樹脂部22の個数を3個とする。
【0029】
配線部材21は、電池セル2の電極端子2a,2bとコネクタ25との間で電気を伝導する部材である。配線部材21は、導電部材で形成され、例えば、銅等の金属材料で形成されている。配線部材21は、接続端子21aと、脚部21bと、第1接続部21cと、第2接続部21dと、第3接続部21eと、コネクタ端子21fとからなる。
【0030】
接続端子21aは、配線部材21の先端に設けられ、電池セル2の電極端子2a,2bに接続される部分である。接続端子21aは、例えば、丸型端子である。接続端子21aは、例えば、バスバー11が取り付けられた電極端子2a,2bに挿入された状態で固定される。接続端子21aと電極端子2a,2bとの固定方法としては、例えば、かしめ加工による固定、溶接による固定、ナットを用いた固定がある。ナットを用いた固定の場合、電極端子2a,2bに雄ねじを形成しておく必要がある。コネクタ端子21fは、配線部材21の末端に設けられ、コネクタ25の端子になる部分である。コネクタ端子21fは、コネクタ25の内部に配設されている。
【0031】
脚部21bは、接続端子21aと第1接続部21cとを接続する部分である。脚部21bは、接続端子21aから電極端子2a,2bの上方に延在している。第1接続部21cは、脚部21bと第2接続部21dとを接続する部分である。第1接続部21cは、脚部21bの一端から配列方向D1に沿って延在している。第2接続部21dは、第1接続部21cと第3接続部21eとを接続する部分である。第2接続部21dは、第1接続部21cの一端から電池セル2の幅方向D2に沿って(特に、電池セル2の幅方向D2の端部側から中央側に向けて)延在している。この幅方向D2は、配列方向D1に略直交する方向である。第3接続部21eは、第2接続部21dとコネクタ端子21fとを接続する部分である。第3接続部21eは、第2接続部21dの一端から配列方向D1に沿って延在している。第3接続部21eの長さは、配線部材21が接続される電池セル2の位置に応じて調整されている。
【0032】
配線部材21Aの接続端子21aは、弾性部材4から最も遠い位置に配置される電池セル2Aの正極端子2aに接続されている。配線部材21Bの接続端子21aは、弾性部材4から2番目に遠い位置に配置される電池セル2Bの正極端子2a(バスバー11を介して電池セル2Aの負極端子2b)に接続されている。配線部材21Cの接続端子21aは、弾性部材4から3番目に遠い位置に配置される電池セル2Cの正極端子2a(バスバー11を介して電池セル2Bの負極端子2b)に接続されている。配線部材21Dの接続端子21aは、弾性部材4から4番目に遠い位置に配置される電池セル2Dの正極端子2a(バスバー11を介して電池セル2Cの負極端子2b)に接続されている。配線部材21Eの接続端子21aは、弾性部材4から3番目に近い位置に配置される電池セル2Eの正極端子2a(バスバー11を介して電池セル2Dの負極端子2b)に接続されている。配線部材21Fの接続端子21aは、弾性部材4から2番目に近い位置に配置される電池セル2Fの正極端子2a(バスバー11を介して電池セル2Eの負極端子2b)に接続されている。配線部材21Gの接続端子21aは、弾性部材4から最も近い位置に配置される電池セル2Gの正極端子2aに接続されている。配線部材21Hの接続端子21aは、弾性部材4から最も近い位置に配置される電池セル2Gの負極端子2bに接続されている。
【0033】
配線部材21Aの接続端子21aと配線部材21Cの接続端子21aとの間隔、配線部材21Bの接続端子21aと配線部材21Dの接続端子21aとの間隔、配線部材21Cの接続端子21aと配線部材21Eの接続端子21aとの間隔、配線部材21Dの接続端子21aと配線部材21Fの接続端子21aとの間隔、配線部材21Eの接続端子21aと配線部材21Gの接続端子21aとの間隔は、電池セル2が膨張していない場合(電池セル2が弾性部材4側に変位していない通常時の位置の場合)の隣り合う一方の電池セル2の正極端子2aと他方の電池セル2の負極端子2bとの間隔の2倍の間隔になるように調整されている。また、配線部材21Fの接続端子21aと配線部材21Hの接続端子21aとの間隔は、電池セル2が膨張していない場合の隣り合う一方の電池セル2の正極端子2aと他方の電池セル2の負極端子2bとの間隔になるように調整されている。
【0034】
配線部材21A〜21Gの第3接続部21eは、幅方向D2に沿って並べられている。特に、配線部材21A,21Bの第2接続部21dと配線部材21C,21Dの第2接続部21dとの間の区間では、2本の配線部材21A,21Bの第3接続部21eが並べられている。また、配線部材21C,21Dの第2接続部21dと配線部材21E,21Fの第2接続部21dとの間の区間では、4本の配線部材21A〜21Dの第3接続部21eが並べられている。また、配線部材21E,21Fの第2接続部21dと配線部材21G,21Hの第2接続部21dとの間の区間では、6本の配線部材21A〜21Fの第3接続部21eが並べられている。配線部材21G,21Hの第2接続部21dからコネクタ端子21fまでの区間では、8本の配線部材21A〜21Hの第3接続部21eが並べられている。
【0035】
樹脂部22は、配線部材21(特に、第1接続部21c、第2接続部21d、第3接続部21e)を樹脂で覆う部材である。樹脂部22は、樹脂で形成され、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂で形成されている。樹脂部22は、本体部22aと、側端部22b,22cとからなる。
【0036】
本体部22aは、配線部材21の第2接続部21dの一部及び幅方向D2に沿って並べられる複数本の配線部材21の第3接続部21eの一部を覆う部分である。本体部22aは、例えば、所定の厚みを有する略矩形の平板状である。本体部22aには、略矩形状の貫通孔22dが形成されている。この貫通孔22dは、無くてもよい。本体部22aの幅方向D2の長さは、電池セル2の正極端子2aと負極端子2bとの間隔よりも短い長さである。
【0037】
側端部22b,22cは、配線部材21の第1接続部21cの一部及び第2接続部21dの一部を覆う部分である。側端部22b,22cは、本体部22aの幅方向D2の各端部に設けられている。側端部22b,22cは、幅方向D2に沿って第2接続部21dの端部まで十分に覆うことが可能な位置まで延在している。側端部22b,22cは、例えば、本体部22aと同じ厚みを有する略矩形の平板状である。
【0038】
樹脂部22Aは、弾性部材4から最も遠い位置(電池セル2Bの辺り)に配置される樹脂部である。樹脂部22Aの本体部22aは、幅方向D2に並べられた2本の配線部材21A,21Bの第3接続部21eを覆う。また、樹脂部22Aの本体部22aは、配線部材21A,21Bの各第2接続部21dの一部を覆う。樹脂部22Aの側端部22bは、配線部材21Aの第1接続部21cの一部及び第2接続部21dの一部を覆う。樹脂部22Aの側端部22cは、配線部材21Bの第1接続部21cの一部及び第2接続部21dの一部を覆う。
【0039】
樹脂部22Bは、樹脂部22Aと樹脂部22Cとの間(電池セル2C,2Dの辺り)に配置される樹脂部である。樹脂部22Bの本体部22aは、弾性部材4から遠い側では幅方向D2に並べられた2本の配線部材21A,21Bの第3接続部21eを覆い、弾性部材4から近い側では幅方向D2に並べられた4本の配線部材21A〜21Dの第3接続部21eを覆う。また、樹脂部22Bの本体部22aは、配線部材21C,21Dの各第2接続部21dの一部を覆う。樹脂部22Bの側端部22bは、配線部材21Cの第1接続部21cの一部及び第2接続部21dの一部を覆う。樹脂部22Bの側端部22cは、配線部材21Dの第1接続部21cの一部及び第2接続部21dの一部を覆う。
【0040】
樹脂部22Cは、弾性部材4から最も近い位置(電池セル2E、2F,2Gに辺り)に配置される樹脂部である。樹脂部22Cの本体部22aは、弾性部材4から遠い側では幅方向D2に並べられた4本の配線部材21A〜21Dの第3接続部21eを覆い、中間部では幅方向D2に並べられた6本の配線部材21A〜21Fの第3接続部21eを覆い、弾性部材4から近い側では幅方向D2に並べられた8本の配線部材21A〜21Gの第3接続部21eを覆う。また、樹脂部22Cの本体部22aは、配線部材21E〜21Hの各第2接続部21dの一部を覆う。樹脂部22Cの弾性部材4から遠い側の側端部22bは、配線部材21Eの第1接続部21cの一部及び第2接続部21dの一部を覆う。樹脂部22Cの弾性部材4から遠い側の側端部22cは、配線部材21Fの第1接続部21cの一部及び第2接続部21dの一部を覆う。樹脂部22Cの弾性部材4から近い側の側端部22bは、配線部材21Gの第1接続部21cの一部及び第2接続部21dの一部を覆う。樹脂部22Cの弾性部材4から近い側の側端部22cは、配線部材21Hの第1接続部21cの一部及び第2接続部21dの一部を覆う。
【0041】
樹脂部22Aと樹脂部22Bとは、配列方向D1に所定の間隔あけて配置されている。また、樹脂部22Bと樹脂部22Cとは、配列方向D1に所定の間隔あけて配置されている。この所定の間隔は、樹脂部間伸縮部23及び配線部材内伸縮部26の配列方向D1の長さに応じて適宜設定される。
【0042】
樹脂部間伸縮部23は、配列方向D1に配置されている一方の樹脂部22と他方の樹脂部22との間隔を可変とするために、この一方の樹脂部22と他方の樹脂部22とに接続された状態で配列方向D1に伸縮可能な部材である。樹脂部間伸縮部23は、樹脂部22と同じ樹脂で形成されている。樹脂部間伸縮部23は、一方の樹脂部22と他方の樹脂部22との間の2箇所に設けられている。この2箇所は、樹脂部22の本体部22aの幅方向D2の一方側の端部と他方側の端部である。樹脂部間伸縮部23は、一方の樹脂部22の本体部22aの幅方向D2の端部に接続されるとともに、他方の樹脂部22の本体部22aの幅方向D2の端部に接続されている。この実施形態の場合、樹脂部間伸縮部23が樹脂部22Aと樹脂部22Bとの間の2箇所及び樹脂部22Bと樹脂部22Cとの間の2箇所に設けられるので、樹脂部間伸縮部23は4個である。
【0043】
樹脂部間伸縮部23は、配列方向D1に曲げ撓むことが可能(可撓)な形状であり、例えば、所定の幅を有する板状の樹脂を折り曲げた略凸形状である。この略凸形状の突き出ている側は、例えば、図3に示すように、幅方向D2における中央側である。この略凸形状の突き出ている側は、他の側でもよく、例えば、幅方向D2における外側でもよいし、上下方向における上側又は下側でもよい。樹脂部間伸縮部23は、4つの折れ曲がった箇所23a(以下では「折曲箇所23a」と記載)がそれぞれ変形することにより撓むことができ、板ばねとして機能する。この折曲箇所23aが通常時よりも開くことにより、樹脂部間伸縮部23が配列方向D1に伸びる。樹脂部22と樹脂部22との間隔が通常時よりも広くなった場合、その広くなった量に応じて樹脂部間伸縮部23が配列方向D1に伸びる。
【0044】
配線部材内伸縮部26は、配線部材21を配列方向D1に伸縮可能とするために、配線部材21の第3接続部21eにおいて配列方向D1に伸縮可能な部分である。配線部材内伸縮部26は、第3接続部21eにおける一方の樹脂部22と他方の樹脂部22との間に設けられている。この実施形態の場合、配線部材21A,21Bには樹脂部22Aと樹脂部22Bとの間及び樹脂部22Bと樹脂部22Cとの間の2箇所に配線部材内伸縮部26が設けられ、配線部材21C,21Dには樹脂部22Bと樹脂部22Cとの間の1箇所に配線部材内伸縮部26が設けられている。配線部材21E〜21Hには配線部材内伸縮部26が設けられない。
【0045】
配線部材内伸縮部26は、配列方向D1に曲げ撓むことが可能な形状であり、例えば、第3接続部21eの一部分を折り曲げた略凸形状である。配線部材内伸縮部26の略凸形状の突き出ている側は、例えば、図3に示すように、上下方向における上側である。この略凸形状の突き出ている側は、他の側でもよく、例えば、上下方向における下側でもよいし、幅方向D2における外側又は中央側でもよい。配線部材内伸縮部26は、4つの折れ曲がった箇所26a(以下では「折曲箇所26a」と記載)がそれぞれ変形することにより撓むことができ、板ばねとして機能する。この折曲箇所26aが通常時よりも開くことにより、配線部材内伸縮部26が配列方向D1に伸びる。樹脂部22と樹脂部22との間隔が通常時よりも広くなった場合に、その広くなった量に応じて配線部材内伸縮部26が配列方向D1に伸びる。なお、この実施形態では、小型化のために、幅方向D2に沿って隣り合う第3接続部21e同士を接近させて、隣り合う配線部材内伸縮部26同士を接近させて配置させているが、隣り合う第3接続部21e同士を所定間隔をあけて配置させ、所定間隔をあけて配置される第3接続部21eに配線部材内伸縮部26をそれぞれ設けてもよい。
【0046】
位置規制部24は、配線部材内伸縮部26の折曲箇所26aの変形を許容しつつ配線部材内伸縮部26の幅方向D2の位置を規制する部材である。位置規制部24は、絶縁材料で形成され、例えば、樹脂部22と同じ樹脂で形成されている。位置規制部24は、幅方向D2に隣り合う一方の配線部材21の配線部材内伸縮部26と他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26との間に設けられている。位置規制部24は、配列方向D1に配置されている一方の樹脂部22の本体部22aに接続されるとともに、他方の樹脂部22の本体部22aに接続されている。この実施形態の場合、位置規制部24が配線部材21Aと配線部材21Bとの間の2箇所(樹脂部22Aと樹脂部22Bとの間、樹脂部22Bと樹脂部22Cとの間)、配線部材21Aと配線部材21Cとの間の1箇所(樹脂部22Bと樹脂部22Cとの間)及び配線部材21Bと配線部材21Dとの間の1箇所(樹脂部22Bと樹脂部22Cとの間)に設けられるので、位置規制部24は4個である。
【0047】
位置規制部24は、配列方向D1に伸縮可能である。位置規制部24は、配列方向D1に曲げ撓むことが可能な形状であり、例えば、所定の幅を有する板状の樹脂を波状に曲げた形状である。位置規制部24は、波状に曲げられた箇所が変形することにより撓むことができ、板ばねとして機能する。この曲がった箇所が通常時よりも開くことにより、位置規制部24が配列方向D1に伸びる。樹脂部22と樹脂部22との間隔が通常時よりも広くなった場合に、その広くなった量に応じて位置規制部24が配列方向D1に伸びる。また、位置規制部24は、隣り合う一方の配線部材21の配線部材内伸縮部26と他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26との間に壁状に配置されている。この壁状の位置規制部24の上下方向の高さは、略凸形状である配線部材内伸縮部26の突出量よりも大きい高さである。これにより、一方の配線部材21の配線部材内伸縮部26が他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26側に倒れた場合でも、位置規制部24によって一方の配線部材21の配線部材内伸縮部26の幅方向D2の位置が規制され、一方の配線部材内伸縮部26が他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26に接触することを防止できる。
【0048】
コネクタ25は、電圧検出用配線アッセンブリ20の出力用のコネクタである。コネクタ25は、樹脂部22Cの本体部22aの端部に設けられている。コネクタ25の内部には、8個の配線部材21A〜21Hのコネクタ端子21fが配設されている。コネクタ25には、図示しないワイヤハーネスの一端部に設けられるコネクタが接続される。このワイヤハーネスの他端部に設けられるコネクタには、例えば、電池モジュール1の電池セル2の状態の監視等を行うECU[Electronic Control Unit]が接続されている。
【0049】
電圧検出用配線アッセンブリ20の製造方法について説明する。まず、8本の配線部材21が、プレス成型装置により、銅等の金属材料を用いてそれぞれ成型される。そして、8本の配線部材21が、図4に示すように配置された状態で、インサート成型装置の金型内にセットされる。この金型は、3個の樹脂部22、4個の樹脂部間伸縮部23及び4個の位置規制部24を形成するための形状を有している。そして、このインサート成型装置の金型内に、樹脂が注入される。これにより、8本の配線部材21と3個の樹脂部22、4個の樹脂部間伸縮部23及び4個の位置規制部24とが一体化され、電圧検出用配線アッセンブリ20が製造される。なお、樹脂部22、樹脂部間伸縮部23及び位置規制部24は同じ樹脂を用いているので、樹脂部22、樹脂部間伸縮部23及び位置規制部24を同じ金型により一体で形成できる。
【0050】
電池モジュール1における電圧検出用配線アッセンブリ20の作用について説明する。電池モジュール1は、配列体10における配列方向D1の一端側に弾性部材4が配置されており、この弾性部材4及び配列体10が一対のブラケット6間に拘束されている。このため、電池セル2に膨張が生じた場合、配列体10の各電池セル2は、弾性部材4が圧縮可能な範囲で膨張し、弾性部材4側に変位する。電池セル2が変位すると、電池セル2の電極端子2a,2bの位置も変位するので、隣り合う一方の電池セル2の正極端子2aと他方の電池セル2の負極端子2bとの間隔が変化する(少し広くなる)。但し、一方の電池セル2の正極端子2aと他方の電池セル2の負極端子2bとがバスバー11で接続されている側では間隔がバスバー11によって一定に保たれるので、バスバー11で接続されている側のみ間隔が変化する。なお、バスバー11には配列方向D1に伸縮可能なものもあり、例えば、屈曲形状のバスバー11により電池セル2の膨張に追従して伸縮することができる。この伸縮可能なバスバー11を用いた場合、バスバー11で接続されている側も一方の電池セル2の正極端子2aと他方の電池セル2の負極端子2bとの間隔が変化するので、バスバー11で接続されている側と接続されていない側との両側で略均等に間隔が変化する。
【0051】
この隣り合う電池セル2の電極端子2a,2b間の間隔の変化に追従して、各樹脂部間伸縮部23、各位置規制部24及び各配線部材21の配線部材内伸縮部26が配列方向D1にそれぞれ伸び、電圧検出用配線アッセンブリ20全体が配列方向D1の弾性部材4側に伸びる。この際、樹脂部間伸縮部23の各折曲箇所23aが、通常時よりもそれぞれ開く(変形する)。また、配線部材内伸縮部26の各折曲箇所26aが、通常時よりもそれぞれ開く。これにより、各配線部材21の接続端子21aの位置が、電池セル2の電極端子2a,2bの変位した位置に応じて弾性部材4側に移動する。そのため、電池セル2の電極端子2a,2bの位置が弾性部材4側に変位しても、電池セル2の電極端子2a,2bと配線部材21の接続端子21aとの接続箇所に過大な荷重(負荷)がかからない。なお、各配線部材21の脚部21bが所定の長さを有しているので、各配線部材21の接続端子21aの位置が変位すると、各配線部材21の脚部21bが傾くことができる。この脚部21bによる作用も、電極端子2a,2bと接続端子21aとの接続箇所にかかる荷重の軽減に寄与している。
【0052】
なお、電池セル2が膨張した状態から収縮した場合(電池セル2が通常の状態に戻った場合)、弾性部材4の弾性力により、各電池セル2が通常時の位置に戻る。これにより、隣り合う一方の電池セル2の正極端子2aと他方の電池セル2の負極端子2bとの間隔も通常の間隔に戻る。この電池セル2の電極端子2a,2b間の間隔の変化に追従して、各樹脂部間伸縮部23、各位置規制部24及び各配線部材21の配線部材内伸縮部26が配列方向D1にそれぞれ縮み、通常時の長さに戻る。
【0053】
配線部材内伸縮部26が伸びたりあるいは縮んだりしたときに、配線部材内伸縮部26が幅方向D2に倒れる場合がある。また、他の要因により、配線部材内伸縮部26が幅方向D2に倒れる場合がある。特に、幅方向D2に隣り合う一方の配線部材21の配線部材内伸縮部26が他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26側に倒れた場合でも、一方の配線部材21の配線部材内伸縮部26が、位置規制部24によりも他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26側に倒れないので、他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26に接触しない。これにより、隣り合う配線部材21,21間の短絡を防止できる。
【0054】
この電池モジュール1(特に、電圧検出用配線アッセンブリ20)によれば、位置規制部24により、幅方向D2に並べられた配線部材21,21間の短絡を防止できる。また、電池モジュール1によれば、位置規制部24が幅方向D2に隣り合う一方の配線部材21の配線部材内伸縮部26と他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26との間に設けられているので、位置規制部24が配線部材内伸縮部26の折曲箇所26aの変形を妨げるようなことない。そのため、電池セル2が膨張/圧縮した場合に、配線部材内伸縮部26の各折曲箇所26aが変形して、配線部材内伸縮部26が配列方向D1に適切に伸縮できる。
【0055】
また、電池モジュール1によれば、電圧検出用配線アッセンブリ20に樹脂部22と樹脂部22との間に樹脂部間伸縮部23を設けると共に各配線部材21に配線部材内伸縮部26を設けることにより、電圧検出用配線アッセンブリ20全体が配列方向D1に伸縮できる。これにより、電池セル2が膨張/収縮した場合でも、樹脂部間伸縮部23及び配線部材内伸縮部26の伸縮により、電池セル2の電極端子2a,2bが変位した位置に応じて配線部材21の接続端子21aの位置を移動させることができ、電池セル2の電極端子2a,2bの配列方向D1の変位を吸収できる。その結果、電池セル2の電極端子2a,2bと配線部材21の接続端子21aとの接続箇所にかかる荷重を軽減できる。なお、電池モジュール1では、位置規制部24も配列方向D1に伸縮可能であるので、電池セル2が膨張/収縮した場合に位置規制部24も伸縮できる。
【0056】
図5及び図6を参照して、第2実施形態に係る電池モジュール31について説明する。図5は、第2実施形態に係る電池モジュールの平面図である。図6は、第2実施形態に係る電圧検出用配線アッセンブリの斜視図である。
【0057】
電池モジュール31は、第1実施形態に係る電池モジュール1と比較すると、電圧検出用配線アッセンブリ40だけが異なる。そこで、電圧検出用配線アッセンブリ40についてのみ説明する。
【0058】
電圧検出用配線アッセンブリ40は、第1実施形態に係る電圧検出用配線アッセンブリ20と比較すると、樹脂部間伸縮部43と位置規制部44の構成が異なる。そこで、樹脂部間伸縮部43と位置規制部44についてのみ説明する。
【0059】
樹脂部間伸縮部43は、第1実施形態に係る樹脂部間伸縮部23と同様の機能を有する部材であるが、樹脂部間伸縮部23と形状が異なる。樹脂部間伸縮部43は、2つの湾曲部43a,43aと、湾曲部43aと湾曲部43aとの間の接続部43bとからなる。湾曲部43aは、板状の樹脂を略U字状に曲げた形状である。湾曲部43aの突き出ている側は、例えば、幅方向D2における外側である。この湾曲部43aの突き出ている側は、他の側でもよく、例えば、幅方向D2における中央側でもよいし、上下方向における上側又は下側でもよい。接続部43bは、平板状である。接続部43bの一端は一方の湾曲部43aの端部に繋がっており、接続部43bの他端は他方の湾曲部43aの端部に繋がっている。樹脂部間伸縮部43は、2つの湾曲部43a,43aがそれぞれ変形することにより撓むことができ、板ばねとして機能する。この湾曲部43aが通常時よりも開くことにより、樹脂部間伸縮部43が配列方向D1に伸びる。樹脂部22と樹脂部22との間隔が通常時よりも広くなった場合、その広くなった量に応じて樹脂部間伸縮部43が配列方向D1に伸びる。
【0060】
位置規制部44は、第1実施形態に係る位置規制部24と同様の機能を有する部材であるが、位置規制部24と形状、配置、個数等が異なる。位置規制部44は、配列方向D1に所定の間隔をあけて配置される樹脂部22と樹脂部22との間に設けられている。この実施形態の場合、位置規制部44は2個である。
【0061】
位置規制部44は、所定の幅を有する板状である。位置規制部44は、所定の間隔をあけて配置される樹脂部22と樹脂部22との間において幅方向D2に沿って延在している。位置規制部44の一端は幅方向D2における一方側の樹脂部間伸縮部43の接続部43bに接続され、位置規制部44の他端は幅方向D2における他方側の樹脂部間伸縮部43の接続部43bに接続されている。位置規制部44は、幅方向D2に並べられた複数の配線部材21の配線部材内伸縮部26の折曲箇所26aと折曲箇所26aとの間の直線状の部分26b(以下では「直線部26b」と記載)を覆っている。位置規制部44の厚みは、直線部26bを覆っている箇所が他の箇所よりも厚くなっている。位置規制部44の幅は、直線部26bの長さよりも短い幅である。このように、位置規制部44は、幅方向D2に並べられた複数の配線部材21の配線部材内伸縮部26を覆うことで、複数の配線部材21の配線部材内伸縮部26の幅方向D2における各位置を固定している。この実施形態では、弾性部材4から遠い側の位置規制部44Aが2本の配線部材21A,21Bの配線部材内伸縮部26の直線部26bを覆っており、弾性部材4に近い側の位置規制部44Bが4本の配線部材21A〜21Dの配線部材内伸縮部26の直線部26bを覆っている。
【0062】
電圧検出用配線アッセンブリ40の製造方法について説明する。まず、第1実施形態に係る電圧検出用配線アッセンブリ20と同様に、8本の配線部材21がプレス成型装置により成型され、この8本の配線部材21がインサート成型装置の金型内にセットされる。この金型は、3個の樹脂部22、4個の樹脂部間伸縮部43及び2個の位置規制部44を形成するための形状を有している。そして、このインサート成型装置の金型内に、樹脂が注入される。これにより、8本の配線部材21と3個の樹脂部22、4個の樹脂部間伸縮部43及び2個の位置規制部44とが一体化され、電圧検出用配線アッセンブリ40が製造される。
【0063】
電池モジュール31における電圧検出用配線アッセンブリ40の作用について説明する。第1実施形態で説明したように隣り合う電池セル2の電極端子2a,2b間の間隔が変化すると、この変化に追従して、樹脂部間伸縮部43及び各配線部材21の配線部材内伸縮部26が配列方向D1にそれぞれ伸び、電圧検出用配線アッセンブリ40全体が配列方向D1の弾性部材4側に伸びる。この際、樹脂部間伸縮部43の各湾曲部43aが、通常時よりもそれぞれ開く(変形する)。また、配線部材内伸縮部26の各折曲箇所26aが、通常時よりもそれぞれ開く。これにより、第1実施形態で説明したように、電池セル2の電極端子2a,2bの位置が弾性部材4側に変位しても、電池セル2の電極端子2a,2bと配線部材21の接続端子21aとの接続箇所に過大な荷重がかからない。
【0064】
また、電圧検出用配線アッセンブリ40では、幅方向D2に並べられた複数の配線部材21の配線部材内伸縮部26の直線部26bを位置規制部44が覆っているので、複数の配線部材21の配線部材内伸縮部26の幅方向D2における各位置が固定されている。そのため、隣り合う一方の配線部材21の配線部材内伸縮部26が、他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26側に倒れるようなことはない。これにより、一方の配線部材内伸縮部26が他方の配線部材21の配線部材内伸縮部26に接触することはなく、隣り合う配線部材21,21間の短絡を防止できる。また、配線部材内伸縮部26が伸縮した場合、直線部26bが上下方向に変位するが、位置規制部44は、その直線部26bの変位に追従して上下方向に変位する。
【0065】
この電池モジュール31(特に、電圧検出用配線アッセンブリ40)によれば、位置規制部44により、幅方向D2に並べられた配線部材21,21間の短絡を防止できる。また、電池モジュール31によれば、位置規制部44が配線部材内伸縮部26における折曲箇所26a以外の直線部26bを覆っているので、位置規制部24が折曲箇所26aの変形を妨げるようなことない。そのため、電池セル2が膨張/圧縮した場合に、配線部材内伸縮部26の各折曲箇所26aが変形して、配線部材内伸縮部26が配列方向D1に適切に伸縮できる。また、電池モジュール31によれば、配線部材内伸縮部26が伸縮した場合に、位置規制部44が直線部26bの上下方向の変位を許容できる。また、電池モジュール31では、第1実施形態に係る電池モジュール1と同様に、電池セル2が膨張/収縮した場合でも電池セル2の電極端子2a,2bと配線部材21の接続端子21aとの接続箇所にかかる荷重を軽減できる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0067】
例えば、上記実施形態では各電池セルの電圧を検出するための複数の配線部材が樹脂部と一体化された電圧検出用配線アッセンブリとしたが、温度等の電池セルの他の状態量を検出するための配線部材、電池モジュールの電力を取り出すための配線部材等も合わせて一体化したアッセンブリとしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では樹脂部を3個とし、樹脂部と樹脂部との間の配列方向に伸縮可能な部分を2箇所有する電圧検出用配線アッセンブリとしたが、樹脂部と樹脂部との間の配列方向に伸縮可能な部分を少なくとも1箇所有する電圧検出用配線アッセンブリであればよい。
【0069】
また、上記実施形態では樹脂部間伸縮部を樹脂部と同じ樹脂を用いて板ばね状に形成したが、樹脂部間伸縮部を他の材料や他の形状で形成してもよく、例えば、金属製のコイル状のばねとしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では配線部材内伸縮部を配線部材の一部を折り曲げた略凸形状としたが、配線部材内伸縮部を他の形状で形成してもよく、例えば、波状、ノコギリ歯状に形成してもよい。
【0071】
また、第1実施形態では位置規制部を樹脂部と同じ樹脂を用いて波状に形成したが、他の材料や他の形状で形成してもよく、例えば、樹脂以外の絶縁材料で形成してもよいし、ノコギリ歯状に形成してもよい。
【0072】
また、第2実施形態では位置規制部を幅方向の一方側の樹脂部間伸縮部と他方側の樹脂部間伸縮部とにそれぞれ接続する構成としたが、位置規制部を樹脂部間伸縮部に接続しない構成としてもよい。この場合、位置規制部としては、幅方向に並べられた複数の配線部材の配線部材内伸縮部の直線部を少なくとも覆うものであればよい。
【符号の説明】
【0073】
1,31…電池モジュール、2…電池セル、3…電池ホルダ、4…弾性部材、5…ミドルプレート、5a…貫通孔、6…ブラケット、6a…挟持部、6b…固定部、6c…リブ部、6d,6e…貫通孔、7…拘束ボルト、8…ナット、10…配列体、11…バスバー、20,40…電圧検出用配線アッセンブリ、21…配線部材、21a…接続端子、21b…脚部、21c…第1接続部、21d…第2接続部、21e…第3接続部、21f…コネクタ端子、22…樹脂部、22a…本体部、22b…側端部、22c…側端部、23,43…樹脂部間伸縮部、23a…折曲箇所、43a…湾曲部、43b…接続部、24,44…位置規制部、25…コネクタ、26…配線部材内伸縮部、26a…折曲箇所、26b…直線部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6