特開2016-225055(P2016-225055A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2016-225055ゴム栓付きカバーユニット及びコネクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225055(P2016-225055A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】ゴム栓付きカバーユニット及びコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/44 20060101AFI20161205BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   H01R13/44 Z
   H01R13/52 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-108322(P2015-108322)
(22)【出願日】2015年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏田 知一
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE07
5E087LL02
5E087LL17
5E087MM08
5E087MM12
5E087QQ04
5E087RR12
5E087RR17
5E087RR22
5E087RR25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ゴム栓の引掛け強度を確保しつつ、ゴム栓の装着性も確保する。
【解決手段】機器Cの開口部30に押し込まれるゴム栓80を備えて開口部30を覆い、ゴム栓80とゴム栓80が装着されるゴム栓ホルダ60とゴム栓ホルダ60に重ねた状態で機器Cに固定されるカバー51とを備えたゴム栓付きカバーユニット50であり、ゴム栓80は、開口部30に嵌合される略円柱状のゴム栓本体部81と、ゴム栓本体部81の基部から連結部85を介して延設され係止孔89を有する取付け舌片部87とを備え、ゴム栓ホルダ60は、ゴム栓80の取付け舌片部87をゴム栓本体部81とは反対側に挿通させる挿通孔75と、挿通孔75を挿通した取付け舌片部87の係止孔89に係合する引掛け突部67と、引掛け突部67と同じ側に向かって突出してカバー51に係合する係合爪71とを備え、ゴム栓80の取付け舌片部87は連結部85より厚肉に形成される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の開口部に押し込まれるゴム栓を備えて前記開口部を覆い、前記ゴム栓と前記ゴム栓が装着されるゴム栓ホルダとこのゴム栓ホルダに重ねた状態で前記機器に固定されるカバーとを備えたゴム栓付きカバーユニットであって、
前記ゴム栓は、前記開口部に嵌合される略円柱状のゴム栓本体部と、このゴム栓本体部の基部から連結部を介して延設され係止孔を有する取付け舌片部とを備えており、
前記ゴム栓ホルダは、前記ゴム栓の取付け舌片部を前記ゴム栓本体部とは反対側に挿通させる挿通孔と、この挿通孔を挿通した前記取付け舌片部の前記係止孔に係合する引掛け突部と、この引掛け突部と同じ側に向かって突出して前記カバーに係合する係合爪とを備えており、
前記ゴム栓の前記取付け舌片部は前記連結部よりも厚肉に形成されているゴム栓付きカバーユニット。
【請求項2】
前記ゴム栓本体部の中心位置に、前記ゴム栓本体部の軸方向に延びる中心穴が設けられており、
前記ゴム栓ホルダには、前記中心穴に挿入される芯部が設けられている請求項1に記載のゴム栓付きカバーユニット。
【請求項3】
前記ゴム栓に、前記取付け舌片部を、前記ゴム栓本体部の軸心を中心とした対称位置に対をなして設け、
前記ゴム栓ホルダには、前記引掛け突部及び前記挿通孔を、前記ゴム栓本体部の軸心を中心とした対称位置に対をなして設ける請求項1又は請求項2に記載のゴム栓付きカバーユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のゴム栓付きカバーユニットと、
電線の端末に接続される端子金具を収容可能なハウジングと、
前記ハウジングの外面に、前記端子金具に接触してその充電状態を検知する器具を挿入可能な検電用開口部と、を備えており、
前記検電用開口部に前記ゴム栓付きカバーユニットの前記ゴム栓本体部が嵌合されつつ、前記検電用開口部を前記カバーが覆うコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、電気機器の開口部を覆うゴム栓付きカバーユニット及び検電用開口部を備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
機器への電源供給を行うために、電源側の電線端末に設けたコネクタを、機器側に配されたコネクタに嵌合することで、電源供給回路を形成する構成が知られている。このようなコネクタをメンテナンス等のために機器から外す場合には、電源側にある回路遮断装置を予め操作して電源供給回路を遮断する手順としているものがある。しかしながら、回路遮断装置において回路を遮断しても、コネクタの端子金具が電気を帯びた充電状態に留まっている場合があり、これを見過ごしたまま作業を行うことは安全上望ましくない。
【0003】
そこで、特開2015−82465号公報(下記特許文献1)のコネクタでは、コネクタハウジングに収容された端子金具が充電状態にあるか否かを容易に検知できるようにするために、コネクタハウジングに、検電器のプローブを挿入可能な検電用開口部が設けられている。そして、このコネクタには、検電用開口部このカバーユニットは、検電用開口部孔が設けられた領域に被着される本体板と、本体板に段差状に膨出形成された取付板と、取付板に取り付けられてコネクタハウジングの検電用開口部孔に嵌合されるゴム製のシール栓体とを備えている。そして、ゴム製のシール栓体には上部に括れ部分を介して径大部が形成されており、その括れ部分を取付板の中心の孔に嵌め込むことでシール栓体が取付板に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−82465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開2015−82465号公報(上記特許文献1)のように、シール栓体を取付板に直接に嵌め込む構造では、シール栓体の引っ張りに対する抵抗力を上げようとすると、取付板の孔を挿通させるシール栓体の径大部の大きさを大きくする必要がある。ところが、シール栓体の径大部を大きくすると、今度は、孔を挿通させる際に径大部を大きく圧縮しなくてはならず、シール栓体の装着性が悪くなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示されるゴム栓付きカバーユニットは、機器の開口部に押し込まれるゴム栓を備えて前記開口部を覆い、前記ゴム栓と前記ゴム栓が装着されるゴム栓ホルダとこのゴム栓ホルダに重ねた状態で前記機器に固定されるカバーとを備えたゴム栓付きカバーユニットであって、前記ゴム栓は、前記開口部に嵌合される略円柱状のゴム栓本体部と、このゴム栓本体部の基部から連結部を介して延設され係止孔を有する取付け舌片部とを備えており、前記ゴム栓ホルダは、前記ゴム栓の取付け舌片部を前記ゴム栓本体部とは反対側に挿通させる挿通孔と、この挿通孔を挿通した前記取付け舌片部の前記係止孔に係合する引掛け突部と、この引掛け突部と同じ側に向かって突出して前記カバーに係合する係合爪とを備えており、前記ゴム栓の前記取付け舌片部は前記連結部よりも厚肉に形成されている。
【0007】
ゴム栓は係止孔を有する取付け舌片部をゴム栓本体部に連結部を介して一体に設けた構成で、その係止孔にゴム栓ホルダの引掛け突部を係合させることでゴム栓がゴム栓ホルダに取り付けられる。ここで、ゴム栓の取付け舌片部を連結部よりも相対的に厚肉にすることで、引掛け突部への引掛り強度が高くなるから、ゴム栓ホルダに対するゴム栓の引掛け強度が確保できる。一方、ゴム栓の連結部は取付け舌片部よりも相対的に薄くなることから弾性変形させやすくなっており、そのため、取付け舌片部をゴム栓ホルダの挿通孔に挿通させる際には、連結部で容易に折り曲げることができ、ゴム栓のゴム栓ホルダに対する装着性は確保される。従って、このような構成によると、ゴム栓の引掛け強度を確保しつつ、ゴム栓の装着性も確保できる。
【0008】
本明細書に開示されるゴム栓付きカバーユニットの実施の態様として、以下の構成としても良い。
前記ゴム栓本体部の中心位置に、前記ゴム栓本体部の軸方向に延びる中心穴を設け、前記ゴム栓ホルダに、前記中心穴に挿入される芯部を設ける構成としても良い。
このような構成によると、ゴム栓本体部をゴム栓ホルダに装着する前の段階では、ゴム栓本体部は中心穴を有する中空状をなしているからゴム栓本体部は変形しやすい状態にある。すなわち、ゴム栓本体部をゴム栓ホルダに装着すべく連結部を弾性変形させる際には、ゴム栓本体部の弾性変形を伴いつつ連結部を弾性変形させやすい状態にある。このため、取付け舌片部を挿通孔に挿通させる作業が容易となる。
しかも、ゴム栓本体部をゴム栓ホルダに装着し終えた状態では、ゴム栓本体部の中心穴に芯部が挿入されることになるから、その状態ではゴム栓本体部の剛性が高まり、ゴム栓本体部を機器の開口部へ装着する作業が行いやすくなる。
【0009】
また、前記ゴム栓に、前記取付け舌片部を、前記ゴム栓本体部の軸心を中心とした対称位置に対をなして設け、前記ゴム栓ホルダには、前記引掛け突部及び前記挿通孔を、前記ゴム栓本体部の軸心を中心とした対称位置に対をなして設ける構成としても良い。
このような構成によると、取付け舌片部がゴム栓本体部の軸心を中心とした対称位置で係止されるために、ゴム栓のゴム栓ホルダへの固定が安定する。
【0010】
また、本明細書に開示されるゴム栓付きカバーユニットを用いるコネクタの態様として、以下の構成としても良い。
前記ゴム栓付きカバーユニットと、電線の端末に接続される端子金具を収容可能なハウジングと、前記ハウジングの外面に、前記端子金具に接触してその充電状態を検知する器具を挿入可能な検電用開口部と、を備えており、前記検電用開口部に前記ゴム栓付きカバーユニットの前記ゴム栓本体部が嵌合されつつ、前記検電用開口部を前記カバーが覆う構成としても良い。
【発明の効果】
【0011】
本明細書に開示されたゴム栓付きカバーユニットによれば、ゴム栓の引掛け強度を確保しつつ、ゴム栓の装着性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係るコネクタの斜視図
図2】同平面図
図3図2のIII−III線での断面図
図4】検電用カバーの正面図
図5】同側面図
図6】同平面図
図7図6のVII−VII線での断面図
図8】カバー本体の平面図
図9】ゴム栓ホルダの正面図
図10】同側面図
図11】同平面図
図12】同断面図
図13】ゴム栓の正面図
図14】同側面図
図15】同平面図
図16】同断面図
図17】ゴム栓組立部材の正面図
図18】同側面図
図19】同平面図
図20】同断面図
図21】ゴム栓をゴム栓ホルダに取り付け始める状態での断面図
図22】ゴム栓の係止部がゴム栓ホルダの挿通孔を通り抜けた状態での断面図
図23】ゴム栓の係止部がゴム栓ホルダの凸部に係止される途中の状態での断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
実施形態について図1から図23を参照して説明する。
本実施形態のコネクタC(「機器」の一例)は、ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載されたインバータ等の車載機器のケースに取り付けられて使用されるものである。具体的には、ケースの内部に機器本体が収容されており、このケースの外面にコネクタCが取り付けられるようになっている。そして、ケース内に待ち受けている相手側コネクタにコネクタCが嵌合接続されることで、ケース内の機器本体に電源が供給される。なお、本実施形態において、コネクタCの嵌合方向を前方とし、上下方向については、図1及び図3を基準とする。
【0014】
コネクタCは、図1から図3に示すように、直流電源側から引き出された2本の電線Wの端末に接続された2個の端子金具10と、この端子金具10を収容するハウジング20と、ハウジング20を覆って装着されるシールドシェル40と、ハウジング20及びシールドシェル40の上面に取り付けられる検電用カバー50(「ゴム栓付きカバーユニット」の一例)を備えて構成されている。
各端子金具10は、図1及び図3に示すように、電線Wの芯線に接続された電線側端子11と、相手コネクタに収容された相手端子と嵌合接続される機器側端子13と、機器側端子13と電線側端子11とを電気的に接続する接続部材とから構成され、全体として略L字形をなすように形成されている。
【0015】
ハウジング20は合成樹脂製であって、図1及び図3に示すように、側面L字形に形成されており、端子金具10のうち電線側端子11が収容される下向きの第1収容部21と、機器側端子13並びに接続部材の一部が収容される前向きの第2収容部23と、第1収容部21と第2収容部23とを繋ぐように形成された後面開放の連通部25とを備えている。
【0016】
第1収容部21内には、円形断面をなす左右一対のキャビティが上下方向に貫通した形態で形成されている。一方、第2収容部23は、ケースに設けられた取付孔に略緊密に嵌合する角に丸みを付けた方形断面をなし、先端部が横長の略長方形に縮径された段付き状に形成されている。そして、第2収容部23内には、左右一対のキャビティが前後方向に貫通した形態で形成されている。
【0017】
連通部25は、図3に示すように、後面に後方開口部27が形成されているとともに、第2収容部23のキャビティの後端側と第1収容部21のキャビティの上端側と連通している。連通部25の後面の後方開口部27には、合成樹脂製の開口カバー29が嵌着可能となっている。また、連通部25内では、電線側端子11が接続部材の一部である接続端子15とネジによって接続されている。
【0018】
そして、連通部25の上面における後縁寄りの位置、詳細には、左右の接続端子15の表面の各上方に対応する位置に、円筒形の周壁31を有する左右一対の検電部30(「開口部」の一例)が突出形成されており、各検電部30の底面の中心に、それぞれテスターに備えられたリードが挿入可能とされる検電用孔33が開口されている。各検電用孔33は、接続端子15と電線側端子11との締結部分の直上に対応している。
【0019】
シールドシェル40は、図1から図3に示すように、ハウジング20における第1収容部21を覆う第1シールドシェル41と、ハウジング20における第2収容部23の後端部から連通部25に亘る領域を覆う第2シールドシェル43とから構成されている。第1シールドシェル41は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属板を加工することによって、外形長円形をなす段付きの筒形に形成されている。
【0020】
第2シールドシェル43は、第1シールドシェル41と同様に、図1から図3に示すように、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属板を加工して形成されている。そして、第2シールドシェル43は、ハウジング20における第2収容部23の後端部から連通部25(開口カバー29を含む)に亘る領域の上面、後面及び左右両側面を覆うことができる形状、言い換えると前面並びに下面が開口した箱形に形成されている。また、第2シールドシェル43の上面板43Aの後端よりの位置には、ハウジング20の連通部25の上面に左右一対の検電部30が突出形成されていることに伴い、検電部30を嵌めて逃がす逃がし孔45が開口されている。また、逃がし孔45の周縁部の上面板43Aは、若干下側に凹むことで、後記する検電用カバー50のゴム栓ホルダ60を収容する。
【0021】
第2シールドシェル43の上面板43Aにおける前端部には、取付板47が、上面板43Aから一段上がった形態で前方に向けて突出形成されており、取付板47の両端部にはボルト挿通孔47Aが開口されている。第2シールドシェル43がハウジング20に対して正規に装着された状態において、ハウジング20の第2収容部23がケースの取付孔に正規に嵌合された場合に、取付板47がケースの上面に重ねられ、取付板47のボルト挿通孔47Aがケースの各ネジ孔と整合するようになっている。
【0022】
第2シールドシェル43には、上面板43Aを覆うように検電用カバー50が着脱可能に装着されている。検電用カバー50は、図4から図7に示すように、金属製のカバー51と、カバー51に取り付けられるゴム栓ホルダ60と、ゴム栓ホルダ60に固定されるゴム栓80とを備えている。カバー51は、第2シールドシェル43の上面板43Aと略同じ大きさのカバー本体部53と、シールドシェル40と一緒にケースに固定するためのカバー取付部55とを備えている。
【0023】
カバー本体部53は、略矩形状をしており、取付板47の上面の位置がカバー本体部53の下面の位置と同じになるように、周縁部が折り曲げられることで、前面が開口した浅盆状をしている。また、カバー本体部53の幅方向の略中央位置には、検電用カバー50と第2シールドシェルを固定する雄ネジB(図2参照)を挿通可能なネジ挿通孔53Aが設けられている。ネジ挿通孔53Aの周縁部53Bは、第2シールドシェル43の上面板43Aと接触するように、カバー本体部53の上面位置よりも下側に凹んでいる。
【0024】
カバー取付部55は、カバー本体部53の前端縁から一部が前方に延びることで、取付板47と重なるようになっている。カバー取付部55には、取付板47のボルト挿通孔47Aと重なる位置に、ボルト挿通孔55Aが設けられている。また、カバー取付部55の前端縁には取付板47の縁に係止可能なように係止片55Bが設けられている。
【0025】
カバー本体部53には、2つの検電部30の上部に当たる位置に、各々係合孔57が設けられている。係合孔57は、図8に示すように、略矩形状をしており、カバー本体部53の板厚方向に貫通している。また、係合孔57の周縁部57Aは、略円形状に複数の段差を設けながら下側に凹んでいる。また、係合孔57の周縁部57Aの近傍には、後記する位置決めピン77を挿通可能なピン挿通孔59が設けられている。
【0026】
カバー51には、ゴム栓ホルダ60が取り付けられる。ゴム栓ホルダ60は、合成樹脂製であって、図9から図12に示すように、平板状のホルダ本体部61と、後記するゴム栓80の係止孔89に係合する引掛け突部67と、カバー本体部53の係合孔57に係合する係合爪71と、ホルダ本体部61から下方に突出する芯部73と、ホルダ本体部61に設けられた挿通孔75と、位置決めピン77とを備えている。
【0027】
ホルダ本体部61は、図11及び図12に示すように、略円形の外周形状をした中央部63と、中央部63の両側に配された略矩形状の側方部65とを備えている。中央部63は、その外周縁部63Aが側方部65の下端位置よりも下方に突出しつつ、側方部65側は開口するようになっている。側方部65は、中央部63の上面よりもその上面位置が下方にあり、その両縁部65Aの上面が中央部63の上面と面一となっている。
【0028】
また、ホルダ本体部61の中央部63の略中心位置には、上方に突出する形態をなす一対の係合爪71と、下方に突出する芯部73とが設けられている。各係合爪71は、弾性変形可能とされ、互いに接近および離間する方向に移動可能とされている。一対の係合爪71の先端部には、それぞれ爪部71Aが反対方向を向いて一対設けられている。
【0029】
側方部65と各係合爪71の間には、図11及び図12に示すように、後記するゴム栓80の各取付け舌片部87を挿通させる一対の挿通孔75が設けられている。この挿通孔75は、取付け舌片部87の幅と板厚より大きくなるようになっている。また、各側方部65の中央部には、一対の引掛け突部67が設けられている。この引掛け突部67は、挿通孔75側が低くなるような傾斜面67Aを有している。また、各側方部65における各引掛け突部67の側方には、一対の位置決めピン77が設けられている。各位置決めピン77は、各引掛け突部67を結ぶ線に関してオフセットした位置で、かつ、一対の係合爪71に関して点対称をなす位置に配されている。
【0030】
ゴム栓ホルダ60に装着されるゴム栓80は、図13から図16に示すように、ゴム栓本体部81と、連結部85と、取付け舌片部87とを備えている。ゴム栓本体部81は、図13及び図16に示すように、略円柱状をなしており、その外周面にリップ部81Aを有している。また、ゴム栓本体部81の上端部は、その径が大きくなった拡径部81Bとなっている。ゴム栓本体部81の略中心位置には、ゴム栓本体部81の軸方向に延び、拡径部81Bの上面側に開口する有底の中心穴83が設けられている。なお、ゴム栓80をゴム栓ホルダ60に組み付けると、図20に示すように、芯部73が中心穴83に嵌合する。芯部73は、中心穴83に対してやや圧入気味に嵌合している。
【0031】
図15に示すように、ゴム栓本体部81の基部(拡径部81B)から連結部85を介して取付け舌片部87が延設されている。連結部85及び取付け舌片部87は、ゴム栓本体部81の径方向外側に向かって突出しており、ゴム栓本体部81の軸心を中心とした対象位置に一対設けられている。取付け舌片部87には、ゴム栓本体部81の径方向に長い長円形の係止孔89が設けられている。係止孔89が設けられることで、取付け舌片部87は、係止孔89の径方向外側に位置する平面視U字状の厚肉部分となっている。そして、係止孔89の径方向内側は、ゴム栓本体部81から連なり、取付け舌片部87よりも薄肉な連結部85となっている。なお、連結部85のゴム栓本体部81側の上面は、下側に向かって薄くなるテーパ面85Aとなっている。
【0032】
ゴム栓80をゴム栓ホルダ60に組み付けるには、図21に示すように、ゴム栓80を両側から指で挟んで各連結部85を弾性変形させることで一対の連結部85及び取付け舌片部87が軸方向に延びる姿勢とし、この姿勢のまま各取付け舌片部87を各挿通孔75に対して下方から挿通させる。この際に、連結部85が薄肉とされていることから、弾性変形をさせやすくなっている。また、ゴム栓本体部81にも中心穴83が設けられていることにより、ゴム栓本体部81が若干潰れるように弾性変形することで、さらに弾性変形が行いやすくなっている。
【0033】
そして、図22に示すように、取付け舌片部87が引掛け突部67の傾斜面67Aに差しかかると、取付け舌片部87が傾斜面67Aの下端部に接触した状態となる。この状態では、芯部73の一部が中心穴83に嵌合している。この状態から、ゴム栓80から指を離すと、ゴム栓80の反力(自然状態に戻ろうとする力)のみによって各取付け舌片部87が図8の矢線方向(径方向外側)に開こうとする。これにより、各取付け舌片部87は、傾斜面67Aの下端部を支点として連結部85およびゴム栓本体部81を引き上げるように作用する。この際に、取付け舌片部87がゴム栓本体部81の軸心を中心とした対称位置に配されているために、ゴム栓本体部81を取付け舌片部87の両側から引っ張り上げることができ、芯部73の中心穴83への嵌合が進みやすくなる。
【0034】
そして、図23に示すように、芯部73の中心穴83への嵌合がさらに進行し、取付け舌片部87が傾斜面67Aに乗り上げた状態となる。引き続き、各取付け舌片部87は、図23の矢線方向に開くことで、傾斜面67Aの上端部を支点として連結部85およびゴム栓本体部81を引き上げるように作用する。このとき、取付け舌片部87及び連結部85がほぼ開いた状態となっているため、ゴム栓80の反力が、引掛け突部67に係止孔89を嵌合させ、その反射的な作用として芯部73に中心穴83を嵌合させる。
【0035】
次に、取付け舌片部87の先端が引掛け突部67を通過することで連結部85の復帰動作が阻害されることなく円滑に行われ、図20に示すように、芯部73が中心穴83に正規嵌合すると同時に、引掛け突部67が取付け舌片部87の係止孔89に下方から嵌合する。このように、ゴム栓80から指を離した後、ゴム栓80の組み付けが完了するまでの間、取付け舌片部87を指で引っ張ったり、取付け舌片部87を変形させて係止孔89に引掛け突部67を押し込んだりする必要はなくゴム栓80の反力のみによって一連の動作が自動的に行われる。
【0036】
芯部73が中心穴83に正規嵌合した状態では、ゴム栓本体部81の剛性が芯部73によって高くなっており、検電部30に対するシール性も高いものとされている。また、拡径部81Bが中央部63の外周縁部63A内に収容され、連結部85が挿通孔75内に収容されることで、ゴム栓80が引っ張られても変形等によってゴム栓ホルダ60から外れたりしにくくなっている。さらに、各引掛け突部67は、ゴム栓本体部81の軸心から対称となる位置で各係止孔89に嵌合しており、各引掛け突部67の上端と各取付け舌片部87の上端とは同じ高さに配されている。これにより、ゴム栓80がゴム栓ホルダ60に安定して位置決めされ、ゴム栓本体部81が下方に引っ張られても、取付け舌片部87が十分に引張に対する強度を有していることから、取付け舌片部87と引掛け突部67との係止によって抜け止めされた状態でゴム栓ホルダ60に保持される。
【0037】
このようにゴム栓80をゴム栓ホルダ60に組み付けて、これをカバー51に組み付けると、図7に示すように、一対の係合爪71が係合孔57に嵌まり込んで各爪部71Aが係合孔57の孔縁部に係止することで、ゴム栓ホルダ60がカバー51に固定され、検電用カバー50が構成される。カバー本体部53のうち係合孔57が形成された周縁部57Aは、凹んだ形状をなしている。このため、係合孔57に嵌まり込んだ一対の係合爪71の上端とカバー本体部53の上面とはほぼ同じ高さに配されている。また、ゴム栓80の連結部85は、係合孔57の周縁部57Aに当接している。
【0038】
そして、このように組み立てられた検電用カバー50を検電部30が覆われるようにコネクタCに装着すると、図3に示すように、ゴム栓本体部81のリップ部81Aが潰されながらゴム栓本体部81が周壁31の内面に水密に嵌合される。そして、図1に示すように、雄ネジBによって、検電用カバー50が第2シールドシェル43に固定される。また、図1に示すように、各位置決めピン77は各ピン挿通孔59を貫通した状態で挿通されている。そのため、仮に検電用カバー50を第2シールドシェル43から外す際にカバー51が傾いても、各位置決めピン77が各ピン挿通孔59の周壁に干渉することでカバー51の傾きが大幅に抑制される。
【0039】
以上のように本実施形態においては、ゴム栓80の取付け舌片部87を連結部85よりも相対的に厚肉にすることで、引掛け突部67への引掛り強度が高くなるから、ゴム栓ホルダ60に対するゴム栓80の引掛け強度が確保できる。一方、ゴム栓80の連結部85は取付け舌片部87よりも相対的に薄くなることから弾性変形させやすくなっており、取付け舌片部87をゴム栓ホルダ60の挿通孔75に挿通させる際には、連結部85で容易に折り曲げることができ、ゴム栓80のゴム栓ホルダ60に対する装着性は確保される。
【0040】
また、ゴム栓本体部81の中心位置に、ゴム栓本体部81の軸方向に延びる中心穴83が設けられており、ゴム栓ホルダ60には、中心穴83に挿入される芯部73が設けられている。そのため、ゴム栓本体部81をゴム栓ホルダ60に装着する前の段階では、ゴム栓本体部81は中心穴83を有する中空状をなしているからゴム栓本体部81は変形しやすい状態にある。すなわち、ゴム栓80をゴム栓ホルダ60に装着すべく連結部85を弾性変形させる際には、ゴム栓本体部81の弾性変形を伴いつつ連結部85を弾性変形させやすい状態にある。このため、取付け舌片部87を挿通孔75に挿通させる作業が容易となる。
しかも、ゴム栓本体部81をゴム栓ホルダ60に装着し終えた状態では、ゴム栓本体部81の中心穴83に芯部73が挿入されることになるから、その状態ではゴム栓本体部81の剛性が高まり、ゴム栓本体部81を検電部30への装着する作業が行いやすくなる。
【0041】
さらに、ゴム栓80に、取付け舌片部87を、ゴム栓本体部81の軸心を中心とした対称位置に対をなして設け、ゴム栓ホルダ60には、引掛け突部7及び挿通孔75を、ゴム栓本体部81の軸心を中心とした対称位置に対をなして設ける。そのため、取付け舌片部87がゴム栓本体部81の軸心を中心とした対称位置で係止されるために、ゴム栓80のゴム栓ホルダ60への固定が安定する。
【0042】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、コネクタCに設けられた検電部30に装着される検電用カバー50であったが、コネクタではなくてインバータ等の機器の開口部等に取り付けられるカバーであっても良い。
【0043】
(2)上記実施形態では、取付け舌片部87、連結部85、挿通孔75、及び引掛け突部67がゴム栓本体部81の軸心を中心とした対称位置に対をなして設けられていたが、これらは各々一つだけでも良いし、3つ以上が均等間隔に設けられていても良い。さらに、不均等な位置に設けられていても良い。
【0044】
(3)上記実施形態では、係合爪71が中央部63の中心位置に一対設けられていたが、他の位置に設けられていても良い。
【0045】
(4)上記実施形態では、ゴム栓本体部81に中心穴83が設けられ、芯部73が挿入されるようになっていたが、中心穴83及び芯部73がなくても良い。
【符号の説明】
【0046】
20…ハウジング
30…検電部(検電用開口部)
40…シールドシェル
43…第2シールドシェル
50…検電用カバー(ゴム栓付きカバーユニット)
51…カバー
53…カバー本体部
57…係合孔
57A…周縁部
59…ピン挿通孔
60…ゴム栓ホルダ
61…ホルダ本体部
67…引掛け突部
67A…傾斜面
71…係合爪
73…芯部
75…挿通孔
77…位置決めピン
80…ゴム栓
81…ゴム栓本体部
83…中心穴
85…連結部
87…取付け舌片部
89…係止孔
C…コネクタ(機器)
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