特開2016-225083(P2016-225083A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225083(P2016-225083A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】バッテリシステムとその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20161205BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20161205BHJP
   H01M 2/12 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   H01M2/10 S
   H01M2/20 A
   H01M2/10 M
   H01M2/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-108959(P2015-108959)
(22)【出願日】2015年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康司
(72)【発明者】
【氏名】久米 正夫
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012BB02
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT06
5H040DD04
5H043AA19
5H043CA05
5H043FA04
5H043HA13F
5H043HA17F
(57)【要約】
【課題】バスバーホルダーを介して複数のバスバーを電極端子の連結位置に移動して、多数のバスバーを能率よく電池セルの電極端子に接続する。
【解決手段】バッテリシステムは、端子面11を同一平面に配置して電池セル1を積層している電池ブロック16と、隣の電池セル1の電極端子2に固定されて電池セル1を接続しているバスバー3と、バスバー3を定位置に配置しているバスバーホルダー4とを備え、バスバー3はバスバーホルダー4に係止位置から連結位置に移動できるように連結されて、バスバー3を係止位置に配置してバスバーホルダー4が正負の電極端子2の間に配置され、バスバー3を係止位置から連結位置に移動して電極端子2に接続している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子面の両端部に正負の電極端子を設けてなる複数の電池セルを、前記端子面を同一平面に配置する姿勢で積層してなる電池ブロックと、
前記電池ブロックを構成してなる各電池セルの前記電極端子に固定されて、隣接する前記電池セルを接続してなる複数のバスバーと、
複数の前記バスバーを定位置に配置してなるバスバーホルダーとを備えるバッテリシステムであって、
前記バスバーホルダーは、複数の前記バスバーを係止位置から連結位置に移動できるように連結しており、
さらに、前記バスバーホルダーが前記バスバーを連結する前記係止位置は、前記バスバーが前記係止位置にあって、前記バスバーホルダーが正負の前記電極端子の間に配置される位置としており、
前記バスバーホルダーが前記電池ブロックの端子面であって、正負の前記電極端子の間に配置され、前記バスバーホルダーに連結してなる前記バスバーが前記連結位置において前記電極端子に接続されてなるバッテリシステム。
【請求項2】
請求項1に記載されるバッテリシステムであって、
前記バスバーホルダーが、両側部に所定の間隔で複数の前記バスバーを連結しており、前記バスバーが、両側縁に向かって移動されて、前記係止位置から前記連結位置に移動されるようにしてなることを特徴とするバッテリシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されるバッテリシステムであって、
前記バスバーホルダーが、前記バスバーを係止位置に保持する弾性アームを有し、前記弾性アームが前記バスバーを係止する係止凸部を有することを特徴とするバッテリシステム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されるバッテリシステムであって、
前記バスバーホルダーが、前記バスバーを前記係止位置から前記連結位置に案内するバスバーガイドを有することを特徴とするバッテリシステム。
【請求項5】
請求項4に記載されるバッテリシステムであって、
前記バスバーガイドが、隣接する前記バスバーの間に配置してなるガイド壁としてなるバッテリシステム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載されるバッテリシステムであって、
前記バスバーホルダーが、ホルダー本体と、このホルダー本体に連結されて前記バスバーを前記係止位置から前記連結位置に移動自在であって前記ホルダー本体から外れないように連結するガイドキャップを有し、前記ガイドキャップが前記ホルダー本体に連結されて、前記バスバーが前記バスバーホルダーに連結されてなるバッテリシステム。
【請求項7】
請求項5に記載されるバッテリシステムであって、
前記バスバーホルダーが、ホルダー本体と、このホルダー本体に連結されて前記バスバーを前記係止位置から前記連結位置に移動自在であって前記ホルダー本体から外れないように連結するガイドキャップを有し、前記ガイドキャップが前記ホルダー本体の前記ガイド壁の上面に連結されて、前記バスバーが前記バスバーホルダーに連結されてなるバッテリシステム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載されるバッテリシステムであって、
前記電池セルが端子面の中央部に排出弁の開口部を有し、
前記バスバーホルダーが前記排出弁の開口部に連結してなるガス排出ダクトを有するバッテリシステム。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載されるバッテリシステムであって、
前記バスバーが、前記電極端子を案内する端子ガイドを有するバッテリシステム。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載されるバッテリシステムであって、
前記バスバーが前記電極端子にレーザー溶接、ハンダ付け、ネジ止めの何れかで固定されてなるバッテリシステム。
【請求項11】
端子面の両端部に正負の電極端子を設けてなる複数の電池セルを、前記端子面を同一平面に配置する姿勢で積層してなる電池ブロックと、
前記電池ブロックを構成してなる各電池セルの前記電極端子に接続されて、隣接する前記電池セルを接続してなる複数のバスバーと、
複数の前記バスバーを定位置に配置するバスバーホルダーとを備えるバッテリシステムの製造方法であって、
前記バスバーホルダーに、複数のバスバーを両側に突出させて前記電極端子との連結位置に移動できる係止位置に配置するバスバー連結工程と、
前記バスバー連結工程で複数のバスバーを連結してなる前記バスバーホルダーを、正負の電極端子の間であって前記端子面にセットするバスバーホルダーセット工程と、
前記バスバーホルダーセット工程で前記バスバーホルダーを定位置に配置する状態で、前記バスバーを前記係止位置から前記連結位置に移動して、前記バスバーを電極端子の連結位置に配置するバスバー移動工程と、
前記バスバー移動工程で定位置に配置される前記バスバーと前記電極端子とを固定する接続工程とからなるバッテリシステムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池セルをバスバーを介して直列や並列に接続しているバッテリシステムとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリシステムは、複数の電池セルを直列に接続して出力電圧を高く、また並列に接続して充放電の電流を大きくできる。たとえば、自動車を走行させるモータの電源に使用される大電流、大出力用のバッテリシステムは、複数の電池セルを直列に接続して出力電圧を高くしている。この用途に使用されるバッテリシステムは、複数の電池セルを金属板のバスバーで接続している。バスバーは、バッテリシステムを構成する電池セルの電極端子にレーザー溶接して接続される。この接続構造は、バスバーに切欠部を設けて、ここに電池セルの電極端子を挿入し、挿入された電極端子とバスバーとの境界にレーザービームを照射し、電極端子とバスバーの両方を境界で溶融して接続している。
【0003】
複数の電池セルをバスバーで接続しているバッテリシステムは、多数のバスバーを定位置にセットしてレーザー溶接する必要がある。このことを実現するために、複数のバスバーをバスバーホルダーで定位置にセットするバッテリシステムが開発されている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−10984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のバッテリシステムは、バスバーホルダーに複数のバスバーを多少は移動できるように連結しているので、バスバーホルダーを介して複数のバスバーを定位置にセットして、電池セルの電極端子に連結できる。しかしながら、このバッテリシステムは、各々のバスバーを電極端子に連結して、バスバーホルダーを電池ブロックの定位置にセットするので、バスバーホルダーを定位置にセットするために、全てのバスバーを電極端子の連結位置に配置する必要がある。したがって、バスバーの貫通孔に電極端子を挿入して連結する構造のバッテリシステムにおいては、全てのバスバーの貫通孔に電極端子を挿入してバスバーホルダーを電池ブロックの定位置にセットする必要がある。すなわち、全てのバスバーを電極端子に連結しながら、バスバーホルダーを電池ブロックの定位置にセットするので、バスバーホルダーを簡単に電池ブロックの定位置にセットできない欠点がある。
【0006】
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、バスバーホルダーを簡単に電池ブロックの定位置にセットでき、さらに、バスバーホルダーを介して複数のバスバーを電極端子の連結位置に移動して多数のバスバーを能率よく電池セルの電極端子に接続できるバッテリシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
本発明のバッテリシステムは、端子面11の両端部に正負の電極端子2を設けている複数の電池セル1を、端子面11を同一平面に配置する姿勢で積層してなる電池ブロック16と、電池ブロック16を構成している各電池セル1の電極端子2に固定されて、隣接する電池セル1を接続してなる複数のバスバー3と、複数のバスバー3を定位置に配置してなるバスバーホルダー4とを備えるバッテリシステム。バスバーホルダー4は、複数のバスバー3を係止位置から連結位置に移動できるように連結している。バスバーホルダー4がバスバー3を連結する係止位置は、バスバー3が係止位置にあって、バスバーホルダー4が正負の電極端子2の間に配置される位置としている。バスバーホルダー4は電池ブロック16の端子面11であって、正負の電極端子2の間に配置され、バスバーホルダー4に連結しているバスバー3を連結位置として電極端子2に接続されている。
【0008】
以上のバッテリシステムは、複数のバスバーを定位置に配置するバスバーホルダーを簡単に電池ブロックの定位置にセットでき、さらに、このバスバーホルダーを介して複数のバスバーを電極端子の連結位置に移動して能率よく電池セルの電極端子に接続できる特徴がある。それは、以上のバッテリシステムのバスバーホルダーが、複数のバスバーを係止位置から連結位置に移動できるように連結すると共に、バスバーを連結する係止位置を、バスバーを係止位置に配置する状態で、バスバーホルダーを正負の電極端子の間に配置できる位置としており、このバスバーホルダーが電池ブロックの端子面であって、正負の電極端子の間に配置されて、バスバーホルダーに連結しているバスバーを係止位置から連結位置に移動して、電極端子に接続しているからである。
【0009】
本発明のバッテリシステムは、バスバーホルダー4が、両側部に所定の間隔で複数のバスバー3を連結して、バスバー3を両側縁に向かって移動させて、係止位置から連結位置に移動させることができる。
以上のバッテリシステムは、1組のバスバーホルダーを電池ブロックの端子面にセットして、このバスバーホルダーからバスバーを両側に突出するように移動して、電池ブロックの両側に配置している電極端子にバスバーを接続できる特徴がある。
【0010】
本発明のバッテリシステムは、バスバーホルダー4が、バスバー3を係止位置に保持する弾性アーム41を有し、弾性アーム41がバスバー3を係止する係止凸部42を有することができる。
以上のバッテリシステムは、弾性アームでもって、バスバーを係止位置に配置するので、バスバーを定位置に確実に係止して、バスバーホルダーを電池ブロックの端子面にセットできる特徴がある。
【0011】
本発明のバッテリシステムは、バスバーホルダー4が、バスバー3を係止位置から連結位置に案内するバスバーガイド43を有することができる。
このバッテリシステムは、バスバーガイドでもってバスバーを係止位置から連結位置に移動できるので、バスバーを正確に係止位置から連結位置に移動して電極端子に接続できる特徴がある。
【0012】
本発明のバッテリシステムは、バスバーガイド43を、隣接するバスバー3の間に配置してなるガイド壁44とすることができる。
このバッテリシステムは、ガイド壁のバスバーガイドでもって、バスバーを係止位置から連結位置に正確に移動できると共に、バスバーガイドのガイド壁でもって、隣接するバスバーを確実に絶縁できる特徴も実現する。
【0013】
本発明のバッテリシステムは、バスバーホルダー4が、ホルダー本体4Aと、このホルダー本体4Aに連結されてバスバー3を係止位置から連結位置に移動自在であってホルダー本体4Aから外れないように連結するガイドキャップ45を有し、ガイドキャップ45をホルダー本体4Aに連結して、バスバー3をバスバーホルダー4に連結することができる。
このバッテリシステムは、バスバーをバスバーホルダーの係止位置に簡単にセットでき、しかもこの状態で、ガイドキャップをホルダー本体に連結して、バスバーを係止位置に確実に連結できる特徴がある。
【0014】
本発明のバッテリシステムは、バスバーホルダー4が、ホルダー本体4Aと、このホルダー本体4Aに連結されてバスバー3を係止位置から連結位置に移動自在であってホルダー本体4Aから外れないように連結するガイドキャップ45を有し、ガイドキャップ45をホルダー本体4Aのガイド壁44に連結して、バスバー3をバスバーホルダー4に連結することができる。
以上のバッテリシステムは、ガイドキャップをガイド壁に連結してバスバーを定位置に配置して、隣接するバスバーを安定して絶縁できる特徴がある。
【0015】
本発明のバッテリシステムは、電池セル1が端子面11の中央部に排出弁19の開口部を有し、バスバーホルダー4が排出弁19に開口部に連結してなるガス排出ダクト46を有することができる。
以上のバッテリシステムは、バスバーを定位置に配置するバスバーホルダーをガス排出ダクトに併用するので、バスバーホルダーを電池ブロックに連結してガス排出ダクトを電池ブロックに設けることができる。
【0016】
本発明のバッテリシステムは、バスバー3が、電極端子2を案内する端子ガイド36を有することができる。
以上のバッテリシステムは、電極端子を端子ガイドでバスバーの定位置に移動できるので、バスバーを確実に正確な位置に移動して電極端子に接続できる特徴がある。
【0017】
本発明のバッテリシステムは、バスバー3を電極端子2に、レーザー溶接、ハンダ付け、ネジ止めの何れかで固定することができる。
【0018】
本発明のバッテリシステムの製造方法は、端子面11の両端部に正負の電極端子2を設けてなる複数の電池セル1を、端子面11を同一平面に配置する姿勢で積層してなる電池ブロック16と、電池ブロック16を構成してなる各電池セル1の電極端子2に接続されて、隣接する電池セル1を接続してなる複数のバスバー3と、複数のバスバー3を定位置に配置するバスバーホルダー4とを備えるバッテリシステムの製造方法であって、バスバーホルダー4に、複数のバスバー3を両側に突出させて電極端子2との連結位置に移動できる係止位置に配置するバスバー連結工程と、バスバー連結工程で複数のバスバー3を連結してなるバスバーホルダー4を、正負の電極端子2の間であって端子面11にセットするバスバーホルダーセット工程と、バスバーホルダーセット工程でバスバーホルダー4を定位置に配置する状態で、バスバー3を係止位置から連結位置に移動して、バスバー3を電極端子2の連結位置に配置するバスバー移動工程と、バスバー移動工程で定位置に配置されるバスバー3と電極端子2とを固定する接続工程とでバッテリシステムを製造する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例にかかるバッテリシステムの平面図である。
図2図1に示すバッテリシステムの電池ブロックの平面図である。
図3】電池セルの正面図である。
図4図3に示す電池セルの平面図である。
図5図1に示すバッテリシステムのバスバーホルダーの平面図である。
図6図5に示すバスバーホルダーのバスバーであって、隣接する電池セルを接続するバスバーを示す平面図である。
図7図5に示すバスバーホルダーのバスバーであって、出力端子となるバスバーを示す平面図である。
図8】バスバーの他の一例を示す斜視図である。
図9】バスバーの他の一例を示す斜視図である。
図10図8に示すバスバーを電極端子に接続する工程を示す断面図である。
図11図9に示すバスバーを電極端子に接続する状態を示す断面図である。
図12図5に示すバスバーホルダーを電池ブロックにセットした状態を示す平面図である。
図13図5に示すバスバーホルダーのホルダー本体を示す平面図である。
図14図13に示すホルダー本体にバスバーを連結する状態を示す平面図である。
図15図13に示すホルダー本体のXV−XV線断面図である。
図16】バスバーホルダーにセットされたバスバーを係止位置から連結位置に移動させる状態を示す断面図である。
図17】ガイドキャップの垂直横断面図であって、図18のXVII−XVII線断面に相当する図である。
図18図17に示すガイドキャップの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのバッテリシステムとその製造方法を例示するものであって、本発明はバッテリシステムとその製造方法を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0021】
本発明のバッテリシステムは、ハイブリッドカーや電気自動車などの電動車両に搭載されて走行モータに電力を供給する電源、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの発電電力を蓄電する電源、あるいは深夜電力を蓄電する電源、船舶に搭載されて停泊中に補機に代わって電力を供給する電源など、種々の用途に使用され、とくに大電力、大電流の用途に好適な電源として使用される。
【0022】
図1の平面図に示すバッテリシステムは、複数の電池セル1を積層するように並べて両端のエンドプレート14で固定している電池ブロック16と、電池ブロック16を構成している各電池セル1の電極端子2に固定されて、隣接する電池セル1を接続しているバスバー3と、各々のバスバー3を定位置に配置しているバスバーホルダー4とを備える。
【0023】
図2は電池ブロック16を示し、この電池ブロック16は、図3図4に示す電池セル1を積層している。この電池セル1は、端子面11の両端部に正負の電極端子2を設けてなる角形電池である。電池ブロック16は、電池セル1の間に絶縁スペーサ17を挟んで、絶縁スペーサ17で電池セル1を絶縁して積層状態に固定している。電池セル1は、リチウムイオン電池からなる角形電池である。ただし、本発明のバッテリシステムは、電池セル1を角形電池には特定せず、またリチウムイオン二次電池にも特定しない。電池セル1には、充電できる全ての電池、たとえばリチウムイオン二次電池以外の非水系電解液二次電池やニッケル水電池セルなども使用できる。
【0024】
図3図4の電池セル1は、端子面11に設けている封口板12に、絶縁材(図示せず)を介して正負の電極端子2を両端部に固定している。電極端子2は、バスバー3に接続される突出部2Aを設けている。図の電極端子2は突出部2Aを円柱状としている。ただ、突出部2Aは必ずしも円柱状とする必要はなく、図示しないが、多角柱状又は楕円柱状とすることもできる。
【0025】
積層される複数の電池セル1は、固定部品13で定位置に固定されて直方体の電池ブロック16としている。固定部品13は、積層している電池セル1の両端面に配置される一対のエンドプレート14と、このエンドプレート14に、端部を連結して積層状態の電池セル1を加圧状態に固定しているバインドバー15とからなる。
【0026】
電池ブロック16は、電池セル1の電極端子2を設けている端子面11、図1図2にあっては封口板12を同一平面となるように積層している。電池セル1は、端子面11の両側に正負の電極端子2を設けているので、図1図2のバッテリシステムは、電池ブロック16の端子面11の両側部(図において上側と下側)に沿って正負の電極端子2が配設される。図1の電池ブロック16は、一列に配列される隣の電極端子2をバスバー3で接続して、電池セル1を直列に接続している。ただ、電池ブロックは、複数の電池セルを直列と並列に接続するように配置することもできる。
【0027】
バスバー3は、その両端部を正負の電極端子2に接続して、電池セル1を直列に、あるいは並列に接続する。バッテリシステムは、電池セル1を直列に接続して出力電圧を高くし、電池セル1を直列と並列に接続して、出力電圧と出力電流を大きくできる。
【0028】
図5図7のバスバー3Aは、電極端子2の突出部2Aを挿入する切欠部31を設けている。図6は隣接する電池セル1を直列に接続するバスバー3で、このバスバー3は、隣合う電池セル1の電極端子2に接続される2列の固定片32を後端部に連結している連結片33で連結する形状として、固定片32の先端縁には、電極端子2を案内する半円状の切欠部31を設けている。各々の切欠部31には、電極端子2を案内して接続される。図7は、出力端子となるバスバー3Bで、固定片32に出力片34を連結する形状として平面視をL字状としており、出力片34には出力リード(図示せず)を接続するねじ穴35を設けている。
【0029】
図8図9のバスバー3C、3Dは、2列の固定片32の後端部を連結片33で連結する形状とすると共に、固定片32の先端部に設けられて電極端子2の突出部2Aを接続する切欠部31を貫通孔31Aとしている。これらのバスバー3C、3Dは、図10に示すように、貫通孔31Aに電極端子2の突出部2Aを案内して電極端子2に接続される。貫通孔31Aは、電極端子2の突出部2Aを案内できる内形としている。図9図11のバスバー3Dは、貫通孔31Aをテーパー状のフレア部31aとしている。フレア部31aは、上方開口部に向かって内形を大きくするテーパー面である。このバスバー3Dは、フレア部31aと電極端子2との境界に沿ってレーザービームを照射して、バスバー3を電極端子2に確実に接続できる。
【0030】
さらに、これ等の図に示すバスバー3C、3Dは、電極端子2を貫通孔31Aに案内するための端子ガイド36を設けている。バスバー3C、3Dは、金属板のバスバー3C、3Dを上面に突出させて、下面に段差凹部36Aを設けるようにプレス加工して、段差凹部36Aで端子ガイド36を設けている。端子ガイド36の段差凹部36Aは、固定片32の先端に向かって横幅を広くするU字溝形として、半楕円形となるU字溝形の中央部に、電極端子2を案内する貫通孔31Aを設けている。
【0031】
バスバー3は、バスバーホルダー4で定位置に配置されて、電極端子2の突出部2Aを切欠部31に案内する。バスバーホルダー4は、プラスチック等の絶縁材で成形されて、バスバー3を嵌合構造で定位置に配置する。バスバーホルダー4は、電池ブロック16に連結されて、バスバー3を定位置に配置する。バスバーホルダー4は、電池セル1の間に積層している絶縁セパレータ17に連結されて定位置に配置され、あるいは電池セル1に連結されて、電池ブロック16の定位置に連結される。
【0032】
バスバー3はバスバーホルダー4で定位置に配置されて、電極端子2に接続される。バスバーホルダー4は、各バスバー3を絶縁状態で配置する。したがって、バスバーホルダー4はプラスチック等の絶縁材で製作される。プラスチック製のバスバーホルダー4は、熱可塑性樹脂を成形して製作される。バスバーホルダー4は、バスバー3を係止位置から連結位置に移動できるように連結している。図12は、バスバー3を係止位置に配置するバスバーホルダー4を示している。図1図12に示すように、バスバーホルダー4は、電池ブロック16の端子面11であって、正負の電極端子2の間に配置される。バスバーホルダー4は、図12に示すように、バスバー3を係止位置に配置して、正負の電極端子2の間にセットされる。したがって、バスバーホルダー4がバスバー3を連結する係止位置は、バスバー3を係止位置に配置して、バスバーホルダー4を正負の電極端子2の間に配置できる位置とする。このバスバーホルダー4は、バスバー3を係止位置に配置する状態で、その横幅(W)を正負の電極端子2の間隔よりも狭くする。バスバーホルダー4は、各バスバー3を係止位置に配置して、電池ブロック16の端子面11にセットされ、この位置にセットされて、バスバー3を係止位置から連結位置に移動して、すなわち、バスバー3をバスバーホルダー4の両側に突出させて、電極端子2に接続される。
【0033】
図13図14はバスバーホルダー4の平面図を示しており、図14は、一部のバスバー3を係止位置にセットしている状態を示している。これ等のバスバーホルダー4は、両側に沿って2列に複数のバスバー3を配置する。両側に配置されるバスバー3は、隣のバスバー3と絶縁されて、一定の間隔で直線状に並べて配置される。このバスバーホルダー4は、両側に2列に配置しているバスバー3を、図12図1に示すように、係止位置から連結位置に移動して、各々のバスバー3をバスバーホルダー4の両側縁から突出させて、両側に配置している正負の電極端子2に接続される。したがって、電池ブロック16の端子面11にひとつのバスバーホルダー4をセットして、電池ブロック16の端子面11の両側に配置している電極端子2にバスバー3を接続できる。このバッテリシステムは、ひとつのバスバーホルダー4を電池ブロック16にセットして、電池ブロック16の端子面11の両側に配置している電極端子2にバスバー3を接続できる。ただ、本発明のバッテリシステムは、図示しないが、正負の電極端子の間に2列にバスバーホルダーを配置することもできる。このバスバーホルダーは、1列にバスバーを配置して、片側にバスバーを突出させる。
【0034】
バスバーホルダー4は、図15の断面図に示すように、バスバー3を係止位置に保持する弾性アーム41を設けている。この断面図は、図13のXV−XV線の断面図である。弾性アーム41はプラスチックでもってバスバーホルダー4に一体的に成形して設けられる。弾性アーム41は、係止位置から連結位置に移動されるバスバー3の移動方向に延び、後端をバスバーホルダー4に連結して、先端部には、バスバー3を係止して係止位置に係止する係止凸部42を設けている。弾性アーム41は、バスバー3の両側に設けている固定片32の間に設けられて、先端の係止凸部42でバスバー3の連結片33を引っ掛けて係止位置に配置する。図13図15に示すバスバーホルダー4は、弾性アーム41をバスバー3の下側に配置するので、係止凸部42を上方に突出するように設けている。弾性アーム41は、図16に示すように、バスバー3を係止位置から連結位置に移動するときに押し下げられて、バスバー3の係止状態を解除する。
【0035】
図13図14のバスバーホルダー4は、隣接するバスバー3の間に、バスバー3を係止位置から連結位置に案内するバスバーガイド43を設けている。バスバーガイド43は、バスバー3の間に設けているガイド壁44で、このガイド壁44のバスバーガイド43に沿ってバスバー3を移動させて、係止位置から連結位置に移動させる。また、ガイド壁44のバスバーガイド43は、隣接するバスバー3の間にあってバスバー3を絶縁する働きもする。バスバーガイド43のガイド壁44は、バスバーホルダー4の中央部から両側に延びる凸条で、バスバー3を中央部から両側に移動させて、係止位置から連結位置に移動させる。
【0036】
さらに、図13図14のバスバーホルダー4は、バスバー3を簡単に抜け落ちないように、係止位置にセットするために、プラスチック製のホルダー本体4Aと、このホルダー本体4Aに連結されてバスバー3を外れないように連結しているプラスチック製のガイドキャップ45とで構成する。ガイドキャップ45は、バスバー3を係止位置から連結位置に移動できる状態で、しかもホルダー本体4Aから外れないように配置する。ガイドキャップ45は、ホルダー本体4Aの係止位置にバスバー3をセットして、ホルダー本体4Aに固定される。
【0037】
図13図16のバスバーホルダー4は、ホルダー本体4Aに設けているガイド壁44の上面にガイドキャップ45を固定している。ガイドキャップ45を固定するために、ガイド壁44の上面には嵌着凸部44aを設けている。ガイドキャップ45は、図17の横断面図と図18の底面図に示すように、ガイド壁44の上面に設けている嵌着凸部44aを挿入する嵌合孔45aを設けている。ガイドキャップ45は、嵌合孔45aに嵌着凸部44aを挿入して、ホルダー本体4Aに連結される。この構造は、ガイドキャップ45を簡単に、しかも正確な位置でホルダー本体4Aに固定できる。
【0038】
ガイドキャップ45は、バスバー3を摺動させて係止位置から連結位置に移動させるために、図17の断面図と図18の底面図に示すように、下面の両側に2列の凸条45bを設けている。凸条45b、平行に設けられて、下端面をバスバー3の表面に接近させて、バスバー3をガイド壁44に沿って、係止位置から連結位置に移動させる。
【0039】
さらに、図13図15のバスバーホルダー4は、電池セル1の排出弁19が開いた状態で噴出するガスを外部に排出するガス排出ダクト46を中央部に設けている。ガス排出ダクト46は、バスバーホルダー4の中央部に沿って長手方向に延びるように設けている一対の対向壁47と、この対向壁47の上面を閉塞する蓋部(図示せず)とで構成されて、下方を開口する溝形としている。このガス排出ダクト46は、下方の開口部48を排出弁19の開口部18に連結して、電池セル1の排出弁19から排出されるガスを外部に排気する。
【0040】
バスバーホルダー4にセットされたバスバー3はリード線5を接続して、リード線5の先端にコネクタ6を接続している。リード線5はコネクタ6を介してバッテリシステムに設けている保護回路(図示せず)に接続される。保護回路は、リード線5を介してバスバー3を接続している各々の電池セル1の電圧を検出して、電池セル1の過充電や過放電を防止するように、充放電電流をコントロールする。リード線5はハンダ付けやカシメ構造でバスバー3に接続される。電池セル1の電圧を検出するために、バスバー3にリード線5を接続するバッテリシステムは、高電圧がかかった状態でのリード線5の配線のための作業は安全確保のために多くの工数が必要となって、製造コストが高くなるが、以上のバッテリシステムは、バスバーホルダー4にセットしている各バスバー3にリード線5を接続しているので、バスバー3にリード線5を接続する配線作業を極めて能率よく、しかも安全にできる特徴がある。
【0041】
以上のバッテリシステムは、以下の工程で電極端子2をバスバー3に接続する。
(1)バスバー連結工程
ガイドキャップ45を外して、ホルダー本体4Aにバスバー3をセットし、その後、ガイドキャップ45をホルダー本体4Aに固定して、バスバー3をバスバーホルダー4の係止位置に配置する。この状態で、バスバー3は弾性アーム41で係止位置に配置される。
【0042】
(2)バスバーホルダーセット工程
バスバー3を係止位置に配置しているバスバーホルダー4を電池ブロック16の端子面11であって正負の電極端子2の間の配置する。バスバーホルダー4はエンドプレートに固定されて、電池ブロック16の定位置に配置される。電池ブロック16は、電池セル1の間に絶縁スペーサ17を挟んで電池セル1を積層して、両端面にエンドプレート14を配置し、エンドプレート14をバインドバー15で連結して組み立られる。
【0043】
(3)バスバー移動工程
バスバーホルダー4の係止位置にあるバスバー3を連結位置に移動して、バスバー3の切欠部31に、電極端子2の突出部2Aを案内する。バスバー3は、バスバーホルダー4の両側に突出するように移動されて、連結位置に移動される。このとき、弾性アーム41を押圧して、弾性アーム41の係止状態を解除して、バスバー3を係止位置から連結位置に移動させる。全ての弾性アーム41が一緒に押圧されて、全てのバスバー3の係止状態を解除して、バスバー3を連結位置に移動する。弾性アーム41は、たとえば櫛形の押圧具(図示せず)で付け根部を押圧し、あるいは先端部を一緒に押圧して、係止状態を解除できる。また、全てのバスバー3は同じ方向に移動させて、連結位置に配置できるので、櫛形の押し出し具(図示せず)で係止位置から連結位置に押し出すことができる。
【0044】
図8図9のバスバー3C、3Dは、端子ガイド36を設けているので、図10(a)の矢印で示すように、バスバー3C、3Dを押し下げ、電極端子2の上端部を端子ガイド36に案内する状態として、図10(b)の矢印で示す方向に移動させて、係止位置から連結位置に移動して、図10(c)及び図11で示す連結位置に配置する。
【0045】
(4)接続工程
バスバー3と電極端子2との境界にレーザービームを照射して、バスバー3を電極端子2にレーザー溶接して固定する。バスバー3を電極端子2に溶接する工程で、バスバー3を電極端子2に押し付けて、より確実に溶接できる。
【0046】
以上のバッテリシステムは、バスバー3に電極端子2をレーザー溶接して固定するが、本発明のバッテリシステムは、必ずしもバスバー3を電極端子2に溶接して固定する必要はない。たとえば、電極端子に雄ねじを設けてバスバーに挿入し、電極端子の雄ネジにナットをねじ込んで固定でき、また、バスバーを貫通する止ネジを電極端子にねじ込んで止ネジで固定でき、また、バスバーと電極端子とをハンダ付けして固定することもできるからである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のバッテリシステムは、電池セルの電極端子とバスバーとを能率よく安定に接続して、電動車両の電源や、自然エネルギーを蓄電し、あるいは深夜電力を蓄電する電源として好適に使用できる。
【符号の説明】
【0048】
1…電池セル
2…電極端子
2A…突出部
3…バスバー
3A、3B、3C、3D…バスバー
4…バスバーホルダー
4A…ホルダー本体
5…リード線
6…コネクタ
11…端子面
12…封口板
13…固定部品
14…エンドプレート
15…バインドバー
16…電池ブロック
17…絶縁スペーサ
18…開口部
19…排出弁
31…切欠部
31A…貫通孔
31a…フレア部
32…固定片
33…連結片
34…出力片
35…ねじ穴
36…端子ガイド
36A…段差凹部
41…弾性アーム
42…係止凸部
43…バスバーガイド
44…ガイド壁
44a…嵌着凸部
45…ガイドキャップ
45a…嵌合孔
45b…凸条
46…ガス排出ダクト
47…対向壁
48…開口部
図1
図2
図3
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