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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225147(P2016-225147A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 1/06 20060101AFI20161205BHJP
   H01H 23/28 20060101ALI20161205BHJP
   H01H 89/00 20060101ALI20161205BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20161205BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   H01H1/06 A
   H01H23/28
   H01H89/00
   B25F5/00 B
   B25B21/00 520C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-110560(P2015-110560)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100103012
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 隆宣
(72)【発明者】
【氏名】保住 昭宏
【テーマコード(参考)】
5G035
5G051
5G052
【Fターム(参考)】
5G035AA12
5G035AA17
5G035CA03
5G035CB05
5G035DA04
5G035DA14
5G051AC23
5G052AA35
5G052BB01
(57)【要約】
【課題】複数の制御回路を片手の指で別々に切替でき、作業性の良いスイッチを提供することにある。
【解決手段】プリント配線基板30と、前記プリント配線基板30の片面に配線された第1,第2配線パターンと、前記プリント配線基板30の片面に回動可能に支持された第1,第2クランク部材40,60と、前記第1クランク部材40と一体に回動し、かつ、前記第1配線パターン上を摺動する切替用第1摺動体50と、前記第2クランク部材60と一体に回動し、かつ、前記第2配線パターン上を摺動する切替用第2摺動体55と、を有する。そして、前記第1クランク部材40と前記第2クランク部材60とを、片手の指で操作できる位置に配置した。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線基板と、
前記プリント配線基板の片面に配線された第1,第2配線パターンと、
前記プリント配線基板の片面に回動可能に支持された第1,第2クランク部材と、
前記第1クランク部材と一体に回動し、かつ、前記第1配線パターン上を摺動する切替用第1摺動体と、
前記第2クランク部材と一体に回動し、かつ、前記第2配線パターン上を摺動する切替用第2摺動体と、を有し、
前記第1クランク部材と前記第2クランク部材とを、片手の指で操作できる位置に配置したことを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
回動可能に支持された操作レバーを介し、前記第1クランク部材を回動させることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
トリガーと、
一端部に取り付けた前記トリガーで軸心方向に押圧されるプランジャと、
前記プランジャに配置され、かつ、前記プリント配線基板の他の片面に摺動する制御用摺動体と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項4】
軸心方向に沿って往復移動可能に支持され、かつ、前記第1クランク部材を回動させる第1切替部材と、
軸心方向に沿って往復移動可能に支持され、かつ、前記第2クランク部材を回動させる第2切替部材と、を備え、
前記第1切替部材と前記第2切替部材とを、片手の指で操作できる位置に配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項5】
本体ハウジングの表面のうち、前記本体ハウジングのグリップを握る片手の指で操作できる位置に、請求項4に記載の前記第1,第2切替部材を配置したことを特徴とする電動工具。
【請求項6】
本体ハウジングの表面のうち、前記本体ハウジングのグリップを握る片手の指で操作できる位置に、第1,第2切替部材を配置したことを特徴とする電動工具。
【請求項7】
前記第1切替部材が、モータの回転方向を切替えできることを特徴とする請求項5または6に記載の電動工具。
【請求項8】
前記第2切替部材が、モータの回転出力を切替えできることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ、例えば、電動工具に設けた複数の制御回路を片手の指で別々に切替できるトリガースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の制御回路を別々に切替できるトリガースイッチを有する電動工具としては、自動車タイヤ交換用のホイールナットの締付け工具がある。
前記締付け工具は、胴体ハウジング50のうち、把持部の基部に、アンビル13の回転方向を切り替える正逆切替レバー15を配置してある。また、前記締付け工具は、前記把持部の下端部に設けた操作パネルハウジング部52の側面部に、強弱切替スイッチ59を配置してある(特許文献1の図1および図3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−67910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記締付け工具の前記強弱切替スイッチ59と前記正逆切替レバー15とは離れた位置に配置されている。このため、操作者は前記正逆切替レバー15と前記強弱切替スイッチ59とを片手の指で操作できず、両手を使う必要がある。この結果、前記締付け工具は作業性が悪いという問題点がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、複数の制御回路を片手の指で別々に切替でき、作業性の良いスイッチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るスイッチは、前記課題を解決すべく、プリント配線基板と、
前記プリント配線基板の片面に配線された第1,第2配線パターンと、
前記プリント配線基板の片面に回動可能に支持された第1,第2クランク部材と、
前記第1クランク部材と一体に回動し、かつ、前記第1配線パターン上を摺動する切替用第1摺動体と、
前記第2クランク部材と一体に回動し、かつ、前記第2配線パターン上を摺動する切替用第2摺動体と、を有し、
前記第1クランク部材と前記第2クランク部材とを、片手の指で操作できる位置に配置した構成としてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、片手の指で第1,第2クランク部材を操作することにより、複数の制御回路を別々に操作でき、作業性の良いスイッチが得られる。
【0007】
本発明の実施形態としては、回動可能に支持された操作レバーを介し、前記第1クランク部材を回動させてもよい。
本実施形態によれば、前記操作レバーを利用することにより、てこの原理で第1クランク部材を小さい操作力で操作でき、操作性が向上する。
【0008】
本発明の他の実施形態としては、トリガーと、
一端部に取り付けた前記トリガーで軸心方向に押圧されるプランジャと、
前記プランジャに配置され、かつ、前記プリント配線基板の他の片面に摺動する制御用摺動体と、を有していてもよい。
本実施形態によれば、トリガースイッチにも適用でき、汎用性の高いスイッチが得られる。
【0009】
本発明の異なる実施形態としては、軸心方向に沿って往復移動可能に支持され、かつ、前記第1クランク部材を回動させる第1切替部材と、
軸心方向に沿って往復移動可能に支持され、かつ、前記第2クランク部材を回動させる第2切替部材と、を備え、
前記第1切替部材と前記第2切替部材とを、片手の指で操作できる位置に配置してもよい。
本発明の実施形態によれば、片手の指で第1,第2切替部材を操作することにより、複数の制御回路を別々に操作でき、作業性の良いスイッチが得られる。
【0010】
本発明に係る電動工具は、前記課題を解決すべく、本体ハウジングの表面のうち、前記本体ハウジングのグリップを握る片手の指で操作できる位置に、前述の前記第1,第2切替部材を配置した構成としてある。
特に、本発明に係る電動工具は、前記課題を解決すべく、前述の内部構造を有するスイッチに限らず、本体ハウジングの表面のうち、前記本体ハウジングのグリップを握る片手の指で操作できる位置に、第1,第2切替部材を配置したものであればよい。
【0011】
本発明によれば、グリップを握る片手の指で第1,第2切替部材を操作することにより、複数の制御回路を別々に切替えでき、作業性の良い電動工具が得られる。
【0012】
本発明の実施形態としては、前記第1切替部材で、モータの回転方向を切替えてもよい。
本実施形態によれば、片手の指でモータの回転方向を任意に切り替えられるので、使い勝手の良い電動工具が得られる。
【0013】
本発明の他の実施形態としては、前記第2切替部材で、モータの回転出力を切替えてもよい。
本実施形態によれば、片手の指でモータの回転出力を任意に切替できるので、使い勝手の良い電動工具が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るスイッチの第1実施形態を組み込んだ電動ドライバーの斜視図である。
図2図1に図示した電動ドライバーを異なる視点から見た斜視図である。
図3図1で示したスイッチ単体の斜視図である。
図4図3で示したスイッチから第1カバーおよび第1,第2切替部材を消去した場合を示す斜視図である。
図5図3の分解斜視図である。
図6図5の分解斜視図と異なる視点から見た分解斜視図である。
図7】プリント配線基板と第1,第2摺動体との接触状態を示す斜視図である。
図8図7に示したプリント配線基板の上面に設けた正・逆転切替用配線パターンを示す平面図である。
図9図7に示したプリント配線基板の上面に設けた強・中・弱出力切替用配線パターンを示す平面図である。
図10図3で示したスイッチの第1,第2切替部材の斜視図である。
図11図10の斜視図と異なる視点から見た第1,第2切替部材の斜視図である。
図12図3で示したスイッチの中央縦断面図である。
図13図12の要部を拡大した部分拡大断面図である。
図14図3で示したスイッチの縦断面図である。
図15図3で示したスイッチの横断面図である。
図16図15で示した横断面図と異なる高さで切断した場合を示す横断面図である。
図17図1で示したスイッチの電気回路図である。
図18】本発明に係るスイッチの第2実施形態を組み込んだ電動ドライバーの部分拡大斜視図である。
図19】本発明に係るスイッチの第3実施形態を組み込んだ電動ドライバーの部分拡大斜視図である。
図20】本発明に係るスイッチの第4実施形態を組み込んだ電動ドライバーの部分拡大斜視図である。
図21】本発明に係るスイッチの第5実施形態を組み込んだ電動ドライバーの部分拡大斜視図である。
図22】本発明に係るスイッチの第6実施形態を組み込んだ電動ドライバーの部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るスイッチの実施形態を図1ないし図22の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係るスイッチは、図1および図17に示すように、電動ドライバー10の本体ハウジング11に組み込まれたトリガースイッチ20に適用した場合である。
なお、以下の説明では、図面に表された構成を説明するうえで、「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す用語、及びそれらを含む別の用語を使用するが、それらの用語を使用する目的は図面を通じて実施形態の理解を容易にするためである。したがって、それらの用語は本発明の実施形態が実際に使用されるときの方向を示すものとは限らないし、それらの用語によって特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲が限定的に解釈されるべきでない。
【0016】
前記電動ドライバー10は、図1および図2に示すように、本体ハウジング11の握り部12の基部にトリガースイッチ20を組み込んである。また、前記電動ドライバー10は、前記握り部12の下端部に図示しない充電バッテリーを脱着可能に接続できる接続台13を設けてある。
そして、前記電動ドライバー10は、前記トリガースイッチ20から出力された制御信号で、電界効果トランジスタ(FET)を備えた制御回路(図示せず)を制御する。そして、前記電動ドライバー10は、モータ(図示せず)に前記制御回路を介して前記充電バッテリーの電力を供給することにより、アンビル14を所望の回転方向および所望の回転力で回動する。
【0017】
前記トリガースイッチ20は、図3に示すように、トリガースイッチ本体21と、第1,第2切替部材90,95とで構成されている。
【0018】
前記トリガースイッチ本体21は、図5,6に示すように、第1,第2カバー22,25を組み付けて形成されるハウジング内に、プリント配線基板30、第1,第2クランク部材40,60、プランジャ70等の内部構成部材を組み込んである。さらに、前記トリガースイッチ本体21は、トリガー80、操作レバー85を備えている。
【0019】
第1カバー22は、図5図6に示すように、箱形状の樹脂成形品である。そして、前記第1カバー22は、対向する内側面に一対のリブ23,23を突設してある(図6)。前記リブ23,23には後述するプリント配線基板30が位置決めされる。また、前記第1カバー22は、その上面縁部に一対の半円形の切欠き部24a,24bを形成してある。さらに、前記第1カバーは、その側壁の縁部に、後述するプランジャ70の操作軸72を挿入するための半円形の切欠き部24cを設けてある。そして、前記第1カバー22は、図15に示すように、後述する第2カバー25に対向する内側面に位置決め凹部22a,22b,22cおよび位置決め凹部22d,22e,22fを設けてある。これらの位置決め凹部22aないし22fは、後述する第1,第2クランク部材40,60を操作した際に、操作者にクリック感を感じさせるためのものである。
【0020】
第2カバー25は、図5に示すように、前記第1カバー22と同一開口面積を有する箱形状の樹脂成形品である。そして、前記第2カバー25は、対向する内側面に一対のリブ26,26を突設してある。前記リブ26,26には後述するプリント配線基板30が位置決めされる。また、前記第2カバー25は、その上面の縁部に、一対の半円形の切欠き部27a,27bを形成してあるとともに、軸部28を突設してある。さらに、前記第2カバー25は、その側壁縁部に、後述するプランジャ70の操作軸72を挿入するための半円形の切欠き部27cを設けてある。そして、前記第2カバー25は、前記第1カバー22に対向する側壁にスリット29を設けてある(図6)。なお、添付図面において軸部28は、説明の便宜上、その上端部を熱カシメした後の状態で図示されている。
【0021】
プリント配線基板30は、図7に示すように、その一辺に切出し片31を形成してある。また、前記プリント配線基板30は、その上面に、異なる2点を中心する2組の円弧状の配線パターンを形成してある。
1組の配線パターンは、アンビル14の回転方向を切り替えるためのものであり(図8)、第1摺動体50の摺動片51,52が摺動する。前記配線パターンは、共通配線パターン34と、前記共通配線パターン34と同心円状に配置した正・逆転切替用配線パターン35a,35bとで形成されている。そして、前記正転切替用配線パターン35aと前記逆転切替用配線パターン35bとは、中立位置を間にして不連続、かつ、対称に配置されている。
【0022】
残る他の1組の配線パターンは、アンビル14の回転出力を切り替えるためのものであり(図9)、第2摺動体55の摺動片56,57が摺動する。前記配線パターンは、共通配線パターン36と、前記共通配線パターン36と同心円状に配置された強・中・弱出力切替用配線パターン37b,37a,37cとで形成されている。そして、前記強・中・弱出力切替用配線パターン37b,37a,37cは所定のピッチで同一円周上に配置されている。
【0023】
また、前記プリント配線基板30は、その下面に、オンオフ用配線パターンと、摺動抵抗用配線パターンとを平行に並設してある。前記オンオフ用配線パターンは、1組の導電体を同一直線上、かつ、不連続にプリント配線して形成してある。同様に、前記摺動抵抗用配線パターンは、導電体および摺動抵抗を同一直線上、かつ、不連続にプリント配線してある。なお、前記摺動抵抗用配線パターンの前記摺動抵抗は、その両端部に導電部を配置している。
なお、前記プリント配線基板30の切出し片31は、複数本の端子32を所定のピッチで並設したコネクタ33を介し、外部回路に接続される。
【0024】
第1クランク部材40は、図5,6に示すように、前記アンビル14の回転方向を切り替えるためのものである。
前記第1クランク部材40は、図5に示すように、その上面に第1回動軸41を突設するとともに、前記第1回動軸41の上端部から第1切替突部42を延在してある。
また、第1クランク部材40は、その外周面に第1収納孔43を設けてある。前記第1収納孔43は第1コイルバネ44を介して第1小玉45を出し入れ可能に収納する。前記第1小玉45は操作者にクリック感を付与するためのものである。
そして、第1クランク部材40は、図6に示すように、その下面に後述する第1摺動体50を配置するための第1段部46を設けてある。前記第1段部46は、その隅部に、後述する第1摺動体50の圧入部50aを圧入するための第1圧入溝47を形成してある。
【0025】
前記第1摺動体50は、その一端部を曲げ起こして形成した圧入部50aから2本の摺動片51,52を平行に並設してある(図7)。前記摺動片51,52は接触信頼性を高めるためにツイン接点構造となっている。
なお、後述する第2摺動体55も同様に、その一端部を曲げ起こして形成した圧入部55aから2本の摺動片56,57を平行に並設してある。前記摺動片56,57は接触信頼性を高めるためにツイン接点構造となっている。
【0026】
第2クランク部材60は、図5に示すように、前記アンビル14の回転力を強・中・弱の3段階に切り替えるためのものである。
第2クランク部材60は、その上面に第2回動軸61を突設するとともに、前記第2回動軸61の上端部から第2切替突部62を延在してある。
また、第2クランク部材60は、その外周面に第2収納孔63を設けてある。前記第2収納孔63は第2コイルバネ64を介して第2小玉65を出し入れ可能に収納する。前記第2小玉65は操作者にクリック感を付与するためのものである。
そして、第2クランク部材60は、図6に示すように、その下面に後述する第2摺動体55を配置するための第2段部66を設けてある。前記第2段部66は、その隅部に前記第2摺動体55の圧入部55aを圧入するための第2圧入溝67を形成してある。
【0027】
プランジャ70は、図5に示すように、操作台71の対向する側面のうち、一方の側面に操作軸72を突設する一方、他方の側面に嵌合孔73を前記操作軸72と同一軸心上に設けてある。前記操作軸72は、その先端側に係合リブ72aを設けてある。また、前記嵌合孔73には、復帰コイルバネ74が挿入される。そして、前記操作台71は、その上面に2本の挿入溝75,76を並設してある。前記挿入溝75,76は前記操作軸72と平行になるように形成されている。前記挿入溝75,76は、後述するオンオフ用摺動体77,摺動抵抗用摺動体78をそれぞれ配置するためのものである。そして、前記挿入溝75,76は、その対向する内側面の中央部に圧入用切り欠き部75a,76aをそれぞれ形成してある。
【0028】
オンオフ用摺動体77は、図5に示すように、その両端が2分割されたツイン接点構造を有し、その中央部の両側縁部を曲げ起こして弾性爪部77aを形成してある。
そして、前記オンオフ用摺動体77は、前記プランジャ70の挿入溝75に設けた圧入用切り欠き部75aに、前記オンオフ用摺動体77の弾性爪部77aを圧入することにより、抜け止めされる。
【0029】
摺動抵抗用摺動体78は、図5に示すように、その両端が2分割されたツイン接点構造であり、その中央部の両側縁部を曲げ起こして弾性爪部78aを形成してある。
そして、前記摺動抵抗用摺動体78は、前記プランジャ70の挿入溝76に設けた圧入用切り欠き部76aに、前記摺動抵抗用摺動体78の弾性爪部78aを圧入することにより、抜け止めされる。
【0030】
トリガー80は、断面コ字形状の成形品であり、その対向する内側面に補強リブ81を架け渡してある。前記補強リブ81は、その中央上面に位置規制突部82を突設してある。
そして、前記トリガー80は、図12に示すように、突き当りの内側面に設けた係合受け部83に、前記プランジャ70の操作軸72の先端側に設けた係合リブ72aを係合することにより、前記プランジャ70に一体化される。
【0031】
操作レバー85は、図5,6に示すように、その中央に軸孔86を設けてある。そして、前記操作レバー85は、その一端部に切替突部87を突設するとともに、その他端部に係合溝88を設けてある。
そして、前記操作レバー85は、その軸孔86に前記第2カバー25に突設した前記軸部28を挿通することにより、回動可能に支持される。
【0032】
第1切替部材90は、図10,11に示すように、断面楕円形の棒形状を有し、前記本体ハウジング11の操作孔15(図1,2)にスライド可能に挿入される。また、前記第1切替部材90は、その片側側面から突出した切替用突部91の先端面に係合溝92を形成してある。前記係合溝92は、第1クランク部材40の第1切替突部42に係合する。
【0033】
第2切替部材95は、図10,11に示すように、断面楕円形の棒形状を有し、前記本体ハウジング11の操作孔16にスライド可能に挿入される。また、前記第2切替部材95は、その底面から突出した切替用突部96の下端面に嵌合孔97を形成してある。前記嵌合孔97は、第2クランク部材60の第2切替突部62に係合する。
【0034】
前述の構成部品からなるトリガースイッチ20の組立方法について説明する。
先ず、プランジャ70の挿入溝75に設けた圧入用切り欠き部75aに、オンオフ用摺動体77の弾性爪部77aを組み付ける。同様に、プランジャ70の挿入溝76に設けた圧入用切り欠き部76aに、摺動抵抗用摺動体78の弾性爪部78aを組み付ける。さらに、前記プランジャ70の嵌合孔73に復帰コイルバネ74を挿入しておく。
また、第1クランク部材40の第1収納孔43に、第1コイルバネ44および第1小玉45を組み付ける。同様に、第2クランク部材60の第2収納孔63に、第2コイルバネ64および第2小玉65を組み付ける。
そして、第1クランク部材40の第1圧入溝47に第1摺動体50の圧入部50aを圧入して組み付ける。同様に、第2クランク部材60の第2圧入溝67に第2摺動体55の圧入部55aをそれぞれ圧入して組み付ける。
【0035】
そして、第2カバー25のリブ26,26にプリント配線基板30を位置決めし、スリット29から前記プリント配線基板30の切出し片31を突出させる。ついで、第2カバー25の半円形の切欠き部27a,27bに第1,第2クランク部材40,60の第1,第2回動軸41,61をそれぞれ嵌合する。また、前記第2カバー25の半円形の切欠き部27cに前記プランジャ70の操作軸72を嵌合する。さらに、前記第2カバー25に第1カバー22を組み付けて一体化する。これにより、図17に示す電気回路が形成される。また、前記第1,2カバー22,25から第1,第2クランク部材40,60の第1,第2切替突部42,62がそれぞれ突出する。
さらに、前記プリント配線基板30の切出し片31にコネクタ33を組み付ける。そして、前記操作レバー85の係合溝88に第1クランク部材40の第1切替突部42を係合する。さらに、前記操作レバー85の軸孔86に前記第2カバー25の軸部28を挿通し、突出する前記軸部28の上端部を熱カシメする。ついで、前記プランジャ70の操作軸72の先端側に設けた係合リブ72aに、トリガー80の係合受け部83を係合することにより、前記トリガー80が前記プランジャ70に一体化される。
【0036】
また、第1クランク部材40の第1切替突部42に第1切替部材90の係合溝92を係合する。さらに、第2クランク部材60の第2切替突部62に第2切替部材95の嵌合孔97を嵌合する。ついで、電動ドライバー10の操作孔15,16にトリガースイッチ20の第1,第2切替部材90,95を組み付けることにより、組立作業が完了する。
【0037】
次に、前記トリガースイッチ20の操作方法について説明する。
先ず、図12に示すように、第1切替部材90が中立位置に位置する場合について説明する。
第1切替部材90が中立位置に位置するとき、第1切替部材90の係合溝92に切替突部87を係合する前記操作レバー85も中立位置に位置決めされている。このとき、操作レバー85の軸心上にトリガー80の位置規制突部82が位置している。そして、前記第1クランク部材40に組み付けた第1摺動体50も中立位置に位置している。このため、図8に示すように、第1摺動体50の摺動片51は共通配線パターン34に接触しているが、摺動片52は配線パターンに接触していない。
そして、前記トリガー80を引いても、前記トリガー80に設けた位置規制突部82に操作レバー85の先端部が当接し、前記トリガー80を引き込めない。したがって、プランジャ70が軸心方向にスライド移動できず、操作台71に配置したオンオフ用摺動体77および摺動抵抗用摺動体78はプリント配線基板30の下面を摺動しない。
【0038】
ついで、図12に示す第1切替部材90を紙面の奥側から手前側に押し出すと、第1切替部材90の係合溝92に係合する操作レバー85の切替突部87が紙面の手前側に押圧される。このため、前記操作レバー85は第2カバー25の軸部28を中心として反時計回り方向に回動する。この結果、前記操作レバー85の軸心が前記トリガー80の位置規制突部82から外れる。そして、前記操作レバー85の係合溝88に第1切替突部42を係合する第1クランク部材40が、その第1回動軸41を中心として反時計回り方向に回動する。このため、前記第1クランク部材40に設けた第1摺動体50がプリント配線基板30の上面を摺動する。この結果、図8に示すように、摺動片51が共通配線パターン34に接触しつつ、摺動片52が正転切替用配線パターン35aに接触する。このとき、第1クランク部材40の第1小玉45が第1カバー22の位置決め凹部22b(図15)を抜け出した後、位置決め凹部22cに落ち込むことにより、操作者がクリック感を感じる。
【0039】
一方、第2切替部材95が中出力位置(図9)で位置決めされている場合、第2切替部材95の嵌合孔97に第2切替突部62を嵌合する第2クランク部材60も中立位置にある。このため、前記第2クランク部材60に組み付けられた第2摺動体55の摺動片56は、共通配線パターン36に接触しているとともに、摺動片57は中出力切替用配線パターン37aに接触している。このため、第2摺動体55は、回転力が強・中・弱出力のうち、中出力を出力するための制御回路に電気接続される。
【0040】
そして、前記トリガー80を引き込むと、プランジャ70が押し込まれる。このため、復帰コイルバネ74のバネ力に抗し、前記プランジャ70が軸心方向に沿ってスライド移動する。このため、プランジャ70の操作台71の上面に設けたオンオフ用摺動体77および摺動抵抗用摺動体78が、プリント配線基板30の下面を摺動する。そして、最初に、摺動抵抗用摺動体78の両端部が摺動抵抗用配線パターンに接触して短絡する。しかし、このとき、オンオフ用摺動体77の両端はオンオフ用配線パターンに接触していない。このため、モータを制御するための制御回路に制御信号は出力されず、モータは回転しない。
【0041】
さらに、トリガー80を引き込むと、オンオフ用摺動体77がオンオフ用配線パターンに接触して短絡し、制御回路に電流を供給する。そして、トリガー80を引き込むにつれて、摺動抵抗用摺動体78が摺動抵抗用配線パターン上を摺動し、電気抵抗が変化する。このため、電気抵抗の変化に伴って制御信号が制御回路に出力される。この制御信号に基づいて制御回路の電界効果トランジスタを介してモータに電力を供給し、モータが回転する。よって、アンビル14は中出力の回転力で正転方向に回転し始める。さらに、トリガー80を引き込むと、前記トリガー80の引き込み量に応じて電気抵抗が増大する。このため、制御信号が増大してモータの回転数が増大し、最高回転数に達する。
【0042】
ついで、前記トリガー80の引き込みを解除すると、復帰コイルバネ74のバネ力でプランジャ70が押し戻される。このため、オンオフ用摺動体77および摺動抵抗用摺動体78が前述と逆方向に摺動し、摺動抵抗が減少するにつれてモータの回転数が低下する。そして、モータの回転が停止した後、トリガー80が元の位置に完全復帰する。
【0043】
次に、図12に示す第1切替部材90を紙面手前側から奥側に中立位置を超えて押し込むと、前記操作レバー85が軸部28を中心として時計回り方向に回動する。このため、前記操作レバー85の係合溝88に第1切替突部42を係合する第1クランク部材40が時計回りに回動する。これにより、第1クランク部材40が第1回動軸41を中心として時計回り方向に回動する。このため、前記第1クランク部材40に設けた第1摺動体50がプリント配線基板30の上面を摺動する。この結果、図8に摺動片51が共通配線パターン34に接触しつつ、摺動片52が逆転切替用配線パターン35bに接触する。このとき、第1クランク部材40の第1小玉45が第1カバー22の位置決め凹部22c(図15)から位置決め凹部22bを通過する。ついで、前記第1小玉45が位置決め凹部22aに落ち込むことにより、操作者は2回のクリック感を感じる。
【0044】
同様に、図12に示す第2切替部材95を紙面の手前側から奥側に押し込むと、第2クランク部材60が第2回動軸61を中心として反時計回り方向に回動する。そして、前記第2クランク部材60に組み付けた第2摺動体55が、中出力切替用配線パターン37aから強出力切替用配線パターン37bに切り替わり、強出力を制御する制御回路に電気接続される。このとき、第2クランク部材60の第2小玉65は、第1カバー22の位置決め凹部22eから抜け出した後、位置決め凹部22fに落ち込むことにより、操作者がクリック感を感じる。
【0045】
そして、前述と同様に、トリガー80を引き込むと、プランジャ70が軸心方向にスライドすることにより、オンオフ用摺動体77および摺動抵抗用摺動体78がプリント配線基板30の下面を摺動し、前述と同様に制御信号を出力する。このため、アンビル14は強出力の回転力で逆回転する。
【0046】
また、必要に応じ、第2切替部材95を紙面の奥側から手前側に最後まで押し出すことにより、弱出力の回転力でアンビル14を回転させることもできる。
【0047】
第2実施形態は、図18に示すように、前述の第1実施形態と同様であり、異なる点は前記本体ハウジング11に第2切替部材95を傾けて取り付けた点である。これにより、操作性を高めるとともに、誤操作を防止できるという利点がある。また、前記第2切替部材95は、その両端面に突起98をそれぞれ突設してある。これにより、誤操作をより一層、確実に防止できる。
他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を付して説明を省略する。
【0048】
第3実施形態は、図19に示すように、前述の第1実施形態と同様であり、異なる点は、第2切替部材95の両端部における断面形状を台形とした点である。
本実施形態によれば、誤操作をより一層、確実に防止できるという利点がある。
他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を付して説明を省略する。
【0049】
第4実施形態は、図20に示すように、前述の第1実施形態と同様であり、異なる点は第2切替部材95の両端部の断面形状を台形にし、かつ、前記本体ハウジング11に傾けて取り付けた点である。
本実施形態によれば、操作者の操作性を高めるとともに、誤操作を防止できる。
また、前記第2切替部材95の両端面に突起98をそれぞれ突設してある。これにより、誤操作をより一層、確実に防止できるという利点がある。
【0050】
第5実施形態は、図21に示すように、前述の第1実施形態と同様であり、異なる点は第1,第2切替部材90,95を隣接するように配置した点である。
本実施形態によれば、操作者が指を大きく移動させて操作する必要がなく、操作しやすいトリガースイッチが得られる。
また、第1,第2切替部材90,95の隣接する先端面の間には段差を設けてある。誤操作を防止するためである。
【0051】
第6実施形態は、図22に示すように、前述の第5実施形態と同様であり、異なる点は第2切替部材95の両端面に突起98をそれぞれ設けた点である。
本実施形態によれば、前記突起98を設けることにより、より一層、誤操作しにくくなるという利点がある。
【0052】
なお、前述の実施形態では、回転力を強・中・弱の3段階に切り替える実施形態について説明したが、強・弱のように2段階に切り替えるようにしてもよい。また、回転力は3段階に限らず、4段階あるいは5段階に切り替えるようにしてもよい。さらに、本発明に係るスイッチは、電動工具の回転方向,回転力だけでなく、他の動作状態に切り替える用途に使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、トリガースイッチに適用する場合について説明したが、他の制御回路を切り替えるスイッチに適用してもよい。
また、前記スイッチは電動ドライバーに適用する場合について説明したが、他の電動工具、例えば、インパクトドライバー、電動ノコギリに適用してもよい。
さらに、本発明に係る電動工具は、前述の内部構造を有するスイッチに限らず、本体ハウジングの表面のうち、前記本体ハウジングのグリップを握る片手の指で操作できる位置に、第1,第2切替部材を配置したものであればよい。なお、切替部材は3つ以上あってもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 電動ドライバー
11 本体ハウジング
12 握り部
14 アンビル
15 操作孔
16 操作孔
20 トリガースイッチ
21 トリガースイッチ本体
22 第1カバー
23 リブ
25 第2カバー
26 リブ
28 軸部
30 プリント配線基板
31 切出し片
32 端子
33 コネクタ
40 第1クランク部材
41 第1回動軸
42 第1切替突部
44 第1コイルバネ
45 第1小玉
50 第1摺動体
51 摺動片
52 摺動片
55 第2摺動体
56 摺動片
57 摺動片
60 第2クランク部材
61 第2回動軸
62 第2切替突部
64 第2コイルバネ
65 第2小玉
70 プランジャ
71 操作台
72 操作軸
73 嵌合孔
74 復帰コイルバネ
75 挿入溝
76 挿入溝
77 オンオフ用摺動体
78 摺動抵抗用摺動体
80 トリガー
81 補強リブ
82 位置規制突部
85 操作レバー
86 軸孔
87 切替突部
88 係合溝
90 第1切替部材
91 切替用突部
92 係合溝
95 第2切替部材
96 切替用突部
97 嵌合孔
98 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22