特開2016-225192(P2016-225192A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225192(P2016-225192A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】非防水コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/533 20060101AFI20161205BHJP
   H01R 24/76 20110101ALI20161205BHJP
【FI】
   H01R13/533 D
   H01R24/76
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-111904(P2015-111904)
(22)【出願日】2015年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横谷 晃一
(72)【発明者】
【氏名】芝 健史郎
【テーマコード(参考)】
5E087
5E123
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE07
5E087FF03
5E087FF06
5E087FF13
5E087GG15
5E087MM05
5E087QQ04
5E087RR15
5E123AA21
5E123AB20
5E123AB26
5E123AB30
5E123AB41
5E123AC05
5E123BA01
5E123BA06
5E123CA27
5E123CB24
5E123CB26
5E123EA16
5E123EA33
5E123EA36
(57)【要約】
【課題】フローティング状態で保持されるコネクタの微摺動摩耗を抑制する。
【解決手段】本明細書によって開示される非防水コネクタは、ケースに取り付けられるサービスカバー10に設けられたインターロックコネクタ20であって、ケースに設けられた待ち受けコネクタ60の待受側ハウジング61内に嵌合可能に設けられ、径方向に変位可能な状態でサービスカバー10に保持されるハウジング21と、ハウジング21内に収容され、待受側ハウジング61内に保持された雄端子62に接続される雌端子40と、ハウジング21の台座部30に嵌着され、ハウジング21と待受側ハウジング61とが正規嵌合した際に、待受側ハウジング61の内周面に密着するOリング32とを備える構成とされている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器のケースに取り付けられる固定部材に設けられた非防水コネクタであって、
前記ケースに設けられた待ち受けコネクタの相手側ハウジングに嵌合可能に設けられ、嵌合方向と直交する方向に変位可能な状態で前記固定部材に保持されるハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、前記相手側ハウジング内に収容された相手側端子に接続される端子と、
前記ハウジングに装着され、同ハウジングと前記相手側ハウジングとが嵌合した際に、前記相手側ハウジングに密着する弾性または粘弾性部材とを備える非防水コネクタ。
【請求項2】
前記弾性または粘弾性部材は、前記ハウジングにおいて前記端子が収容された部分の外周に配されている請求項1に記載の非防水コネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記相手側ハウジング内に嵌合可能とされ、
前記ハウジングにおいて前記端子が収容された部分の外周には、台座部が設けられており、
前記弾性または粘弾性部材は、前記相手側ハウジングの内周面に全周に亘って密着するように前記台座部の外周面に環状に設けられている請求項1または請求項2に記載の非防水コネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングにおいて前記台座部と隣接する位置には、前記端子を係止する別体の端子係止部材を装着する装着孔が設けられており、
前記台座部の側面は、前記端子係止部材を前記装着孔に案内する案内面とされている請求項3に記載の非防水コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、フローティング状態で保持される非防水コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両の機器のケースに設けられた作業用のサービスホールを塞ぐカバーには、サービスホールへの着脱に伴ってサービスホール内に設けられた待ち受けコネクタと嵌合するインターロックコネクタが設けられている。
【0003】
このインターロックコネクタは、嵌合方向と直交する方向に変位可能なフローティング状態でカバーに保持されており、サービスホールにカバーを装着する際に、インターロックコネクタが嵌合方向と直交する方向に移動して位置ずれが修正されることで、両コネクタが正規に嵌合される。このような技術としては、特開2012−238422号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−238422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のインターロックコネクタによると、フローティング状態でカバーに保持されているから、待ち受けコネクタとの位置ずれは修正できるものの、待ち受けコネクタと正規嵌合した後においても、待ち受けコネクタとのクリアランス間において嵌合方向と直交する方向に変位可能な状態となっている。このため、車両の振動がインターロックコネクタに伝わると、インターロックコネクタが待ち受けコネクタ内において嵌合方向と直交する方向に変位することで、端子同士が相対的に摺動する、いわゆる微摺動摩耗が生じる虞があり、微摺動摩耗が生じると、端子間の接続信頼性が低下してしまう。
【0006】
本明細書では、フローティング状態で保持されるコネクタの微摺動摩耗を抑制する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される技術は、機器のケースに取り付けられる固定部材に設けられた非防水コネクタであって、前記ケースに設けられた待ち受けコネクタの相手側ハウジングに嵌合可能に設けられ、嵌合方向と直交する方向に変位可能な状態で前記固定部材に保持されるハウジングと、前記ハウジング内に収容され、前記相手側ハウジング内に収容された相手側端子に接続される端子と、前記ハウジングに装着され、同ハウジングと前記相手側ハウジングとが嵌合した際に、前記相手側ハウジングに密着する弾性または粘弾性部材とを備える構成とした。
【0008】
このような構成によると、相手側ハウジングに弾性または粘弾性部材が密着することで、嵌合方向と直交する方向に変位可能なフローティング状態のハウジングと相手側ハウジングとが一体に固定され、相手側ハウジングに対してハウジングががたつくことを防ぐことができる。これにより、両ハウジング間のがたつきに起因して両端子が微摺動することを防ぎ、両端子間の接続信頼性の低下を防ぐことができる。
【0009】
本明細書によって開示される非防水コネクタは、以下の構成としてもよい。
前記弾性または粘弾性部材は、前記ハウジングにおいて前記端子が収容された部分の外周部分に配されている構成としてもよい。
このような構成によると、弾性または粘弾性部材がハウジングにおいて端子が収容された部分、すなわち、端子同士の接触点に近い部分においてハウジング間のがたつきを防ぐことができるから、例えば、弾性または粘弾性部材が端子の外周部分に配されていない場合に比べて、両端子の微摺動摩耗をより効果的に防ぐことができる。
【0010】
前記ハウジングは、前記相手側ハウジング内に嵌合可能とされ、前記ハウジングにおいて前記端子が収容された部分の外周には、台座部が設けられており、前記弾性または粘弾性部材は、前記相手側ハウジングの内周面に全周に亘って密着可能なように前記台座部の外周面に環状に設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、弾性または粘弾性部材が相手側ハウジングの内周面に対して全周に亘って密着した状態となるから、ハウジングが嵌合方向と直交する何れの方向にもがたつくことが抑制され、両端子の微摺動摩耗をさらに抑制することができる。
【0011】
前記ハウジングにおいて前記台座部と隣接する位置には、前記端子を係止する別体の端子係止部材を装着する装着孔が設けられており、前記台座部の側面は、前記端子係止部材を前記装着孔に案内する案内面とされている構成としてもよい。
このような構成によると、弾性または粘弾性部材が設けられた台座部の側面を、端子係止部材を装着するための案内面として共用することができるから、台座部が装着孔から離れて設けられることで台座部の側面を案内面として利用できないものに比べて、リテーナの装着作業を効率化することができる。
【発明の効果】
【0012】
本明細書によって開示される技術によれば、フローティング状態で保持されるコネクタの微摺動摩耗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】インターロックコネクタが装着されたサービスカバーの側面図
図2図1の要部拡大底面図
図3】インターロックコネクタの正面図
図4】同側面図
図5図3のA−A線断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
実施形態について図1から図5を参照して説明する。
本実施形態は、車両の機器のケースに設けられた作業用のサービスホール(図示せず)を塞ぐサービスカバー(「固定部材」の一例)10を例示している。なお、以下の説明において、上下方向とは図1および図3における上下方向を基準とする。また、前後方向とは図1および図4における左右方向を基準とし、図1および図4における図示左方を前方、図示右方を後方として説明する。
【0015】
サービスカバー10は、図1に示すように、合成樹脂製のカバー本体11と、カバー本体11に後方から組み付けられるシールドシェル12と、カバー本体11にフローティング状態で保持されるインターロックコネクタ(「非防水コネクタ」の一例)20とを備えて構成されている。
【0016】
カバー本体11は合成樹脂性であって、幅方向に横長な形態をなしており、図1に示すように、カバー本体11の後部には、シールドシェル12がねじ固定されている。シールドシェル12は金属板材をプレスなどによって加工することでカバー本体11よりも一回り大きく形成されており、カバー本体11の後面および側面のほぼ全体を外側から覆う形態とされている。
【0017】
また、カバー本体11の前部は、サービスホールに嵌合されるケース用嵌合部13とされており、ケース用嵌合部13の外周面には、ゴムリング14が外嵌されている。ゴムリング14は、ケース用嵌合部13がサービスホールに嵌合されると、サービスホールの内周面とケース用嵌合部13の外周面とに密着し、サービスホール内に水などが浸入することを防ぐようになっている。
【0018】
ケース用嵌合部13の前面には、略方形のブロック状をなす取付座15が設けられている。この取付座15には、防水機能を有さない非防水のインターロックコネクタ20が前後方向と直交する方向である径方向に変位可能なフローティング状態で保持されている。
【0019】
インターロックコネクタ20は、図5に示すように、ケース内に設けられた待ち受けコネクタ60と嵌合可能とされており、一対の雌端子(「端子」の一例)40と、一対の雌端子40間を繋ぐ被覆電線Wと、待ち受けコネクタ60に設けられたフード状の待受側ハウジング(「相手側ハウジング」の一例)61内に嵌合される合成樹脂製のハウジング21とを備えて構成されている。
【0020】
被覆電線Wは、図5に示すように、芯線W1を絶縁被覆W2によって覆った構成であり、被覆電線Wの両端末では、絶縁被覆W2が皮剥ぎされて芯線W1が露出している。
各雌端子40は、図5に示すように、待受側ハウジング61内に保持された雄端子(「相手側端子」の一例)62に接続可能な接続筒部41と、接続筒部41の後方に接続筒部41と一体に形成された圧着部42とを備えて構成されている。
【0021】
接続筒部41は、前後に開口する角筒状をなしている。接続筒部41内には、図5に示すように、待受側ハウジング61の雄端子62が接続筒部41の前端開口から進入可能とされており、接続筒部41内に雄端子62が進入すると接続筒部41内に設けられた弾性接触片43が雄端子62に弾性的に接触することで、雄端子62と雌端子40とが電気的に接続されるようになっている。
【0022】
圧着部42は、被覆電線Wの端末において露出された芯線W1に圧着可能とされており、1本の被覆電線Wの両端末に一対の雌端子40の圧着部42がそれぞれ圧着されることで一対の雌端子40が1本の被覆電線Wによって繋がれた構成とされている。
【0023】
ハウジング21は、図1から図4に示すように、前後に長く幅狭な形態に形成されている。ハウジング21の前半分は、図5に示すように、雌端子40を収容して待ち受けコネクタ60の待受側ハウジング61内に嵌合される嵌合部22とされ、ハウジング21の後半分は、雌端子40に接続された被覆電線Wを収容する電線収容部23とされている。
【0024】
嵌合部22内には前後に貫通するキャビティ24が横並びに一対並んで形成されている。一対のキャビティ24内には、図5に示すように、後方から一対の雌端子40がそれぞれ収容されており、待受側ハウジング61内に嵌合部22が嵌合されると、待受側ハウジング61の雄端子62が嵌合部22の前端に設けられた端子挿入孔25を通して雌端子40の接続筒部41内に進入するようになっている。
【0025】
キャビティ24の底壁24Aには、図5に示すように、ランス26が形成されており、キャビティ24内に雌端子40が正規の位置まで挿入されると、雌端子40がランス26によって後方から係止され雌端子40の後方への抜け止めが図られるようになっている。
【0026】
嵌合部22におけるランス26の後方には、別体のリテーナ(「端子係止部材」の一例)27が装着される装着孔28が設けられている。
装着孔28は、雌端子40の挿入方向と直交する下方に開口して形成されており、嵌合部22の下面からキャビティ24まで上下方向に延びて形成されている。
【0027】
一方、リテーナ27は、図1および図2に示すように、略方形のブロック状をなしており、装着孔28に対して下方から適合して嵌合されるようになっている。リテーナ27は、雌端子40がランス26によって抜け止めされた後、装着孔28に対して下方から嵌合される。リテーナ27が装着孔28の正規の位置まで嵌合されると、リテーナ27に設けられた一対の係止部27Aがキャビティ24内に収容された2つの雌端子40の接続筒部41を後方から一括して係止し、2つの雌端子40がランス26とリテーナ27とよって二重に係止される。
【0028】
電線収容部23は、図1および図4に示すように、後方に向かうほど斜め下方向に張り出した形態をなしており、電線収容部23内には、図5に示すように、嵌合部22の一対のキャビティ24に連通する内部空間23Aがキャビティ24よりも上下方向に広い形態で形成されている。
【0029】
また、電線収容部23の内部空間23Aには、図5に示すように、一対の雌端子40を繋ぐループ状の被覆電線Wが収容されており、被覆電線Wは電線収容部23に設けられた後端開口から後方にはみ出さないように前方に折り返された状態で収容されている。
【0030】
電線収容部23の後端部における幅方向両側縁には、図2および図3に示すように、一対の係合片29が形成されている。一対の係合片29は、カバー本体11の取付座15に設けられた上下に延びる一対の係合溝16に下方から嵌合可能とされている。各係合片29は、図2に示すように、係合溝16との間において幅方向に僅かなクリアランスC1を有した状態で係合溝16内にそれぞれ嵌合されるようになっており、電線収容部23は、幅方向のクリアランスC1の幅寸法内において幅方向に変位可能とされている。
【0031】
一方、取付座15の下端部には、インターロックコネクタ20が取付座15に組み付けられた際に、電線収容部23の図示しない被係止部を下方から係止する図示しない弾性係止片が設けられている。インターロックコネクタ20は、電線収容部23の係合片29が係合溝16内の正規の位置まで嵌合されると、電線収容部23の被係止部が弾性係止片によって下方から係止されることで、取付座15から脱落しないように保持されるようになっている。
【0032】
また、取付座15の上端部には、図1に示すように、係合溝16内に係合片29を下方から挿入して取付座15にインターロックコネクタ20を組み付ける際に前止まりを行う前止まり部17が設けられている。インターロックコネクタ20は、取付座15から下方に脱落しない最下端の位置に配された状態では、取付座15の前止まり部17と電線収容部23の上面23Bとの間に上下方向に僅かなクリアランスC2を有した状態で取付座15に保持されており、電線収容部23は、上下方向のクリアランスC2の高さ寸法内において上下方向に変位可能とされている。
【0033】
つまり、インターロックコネクタ20は、幅方向のクリアランスC1および上下方向のクリアランスC2との間において嵌合方向と直交する径方向に変位可能なフローティング状態で取付座15に保持されている。
【0034】
さて、嵌合部22には、待受側ハウジング61内に嵌合可能な台座部30が設けられている。
台座部30は、図1から図3に示すように、正面視円形状をなす円柱状に形成されており、図1および図5に示すように、台座部30の前後方向の厚み寸法はリテーナ27の前後方向の厚み寸法よりも大きく設定されている。
【0035】
台座部30の外周面には、図5に示すように、内側に向かって凹状に凹んだゴムリング装着溝31が周設されており、ゴムリング装着溝31内には、ゴムリング装着溝31から外側に僅かに突出した態様で環状のOリング32が嵌着されている。Oリング32は弾性または粘弾性を有するゴム材等の樹脂によって形成されており、待受側ハウジング61内に嵌合部22が嵌合されると、待受側ハウジング61の内周面に全周に亘って径方向に密着するようになっている。したがって、待受側ハウジング61内に嵌合部22が嵌合されると、雌端子40の接点である弾性接触片43に近接した嵌合部22の外周に装着されたOリング32が待受側ハウジング61の内周面に密着し、待受側ハウジング61と嵌合部22とが一体に固定された状態となる。
【0036】
また、台座部30は、図5に示すように、嵌合部22の装着孔28の直後であって、装着孔28の後側内面28Aと台座部30の前面30Aとが上下に揃うように装着孔28に後方に隣接して配されている。つまり、装着孔28における後側内面28Aと台座部30の前面30Aが面一となっており、台座部30の前面30Aは、リテーナ27を装着孔28に挿入する際に、リテーナ27を沿わせて装着孔28に組み付けるための案内面33とされている。したがって、本実施形態によると、案内面33によってリテーナ27の装着作業を円滑に行うことができるから、例えば、台座部が装着孔から前後にずれて設けられたものに比べて、リテーナ27の装着作業を容易に実施することができる。
【0037】
本実施形態は、以上のような構成であって、続いて、インターロックコネクタ20の作用および効果について説明する。
最初に、インターロックコネクタ20の組み立て手順とインターロックコネクタ20のサービスカバー10への取り付けについて説明する。
インターロックコネクタ20の組み立ての際には、まず、1本の被覆電線Wによって繋がれた一対の雌端子40を、ハウジング21の後方から各キャビティ24に挿入する。それぞれの雌端子40が正規の位置まで挿入されると、雌端子40がランス26によって後方から係止される。
【0038】
全ての雌端子40がランス26によって後方から係止された後、下方からリテーナ27を装着孔28に組み付ける。ここで、リテーナ27の装着の際には、
Oリング32が装着される台座部30の前面30A(案内面33)に、リテーナ27を沿わせて装着孔28に装着できるから、例えば、台座部30が装着孔28から前後にずれて設けられたものに比べて、リテーナ27の装着作業を容易に実施することができる。
また、雌端子40がハウジング21の嵌合部22内に収容されたところで、雌端子40から後方に引き出された被覆電線Wをハウジング21の電線収容部23内に収容する。これにより、図5に示すように、インターロックコネクタ20が完成する。
【0039】
インターロックコネクタ20が完成したところで、インターロックコネクタ20の一対の係合片29をサービスカバー10の取付座15における係合溝16に嵌合させ、インターロックコネクタ20を取付座15に組み付ける。係合片29が係合溝16内の正規の位置まで挿入されると、電線収容部23の被係止部が弾性係止片によって下方から係止されインターロックコネクタ20が取付座15から脱落しないように抜け止めされる。これにより、図1および図2に示すように、インターロックコネクタ20がサービスカバー10に対してフローティング状態で保持される。
【0040】
次に、サービスカバー10を機器のケースのサービスホールに組み付ける際の手順を説明する。
サービスホールにサービスカバー10を装着する際には、インターロックコネクタ20と待ち受けコネクタ60とを向かい合わせに配置し、両コネクタ20,60を嵌合させるようにしてサービスホールをサービスカバー10によって塞ぐように装着する。
【0041】
ここで、仮に各コネクタ20,60の取付位置等の公差の関係でインターロックコネクタ20と待ち受けコネクタ60との軸心が僅かにずれていたとしても、インターロックコネクタ20が各クリアランスC1,C2の分だけ径方向に変位可能なフローティング状態となっているので、図5に示すように、インターロックコネクタ20の嵌合部22が芯出しされて待ち受けコネクタ60の待受側ハウジング61内に確実に嵌合される。また、嵌合部22と待受側ハウジング61との嵌合に伴って嵌合部22の台座部30が待受側ハウジング61内に嵌合し、台座部30のOリング32が待受側ハウジング61の内周面に全周に亘って径方向に密着する。
【0042】
また、嵌合部22と待受側ハウジング61とが嵌合されると、待受側ハウジング61の雄端子62が嵌合部22の端子挿入孔25を通して雌端子40の接続筒部41内に進入し、接続筒部41の弾性接触片43が雄端子62と弾性的に接触することで、雄端子62と雌端子40とが電気的に接続される。
【0043】
ところで、本実施形態のインターロックコネクタ20は、フローティング状態で取付座15に保持されているため、待ち受けコネクタ60に対する位置ずれが修正できるものの、待ち受けコネクタ60と正規嵌合した後においても、車両の振動がインターロックコネクタ20に伝わった場合には、インターロックコネクタ20が、インターロックコネクタ20と待ち受けコネクタ60との間のクリアランスにおいてがたつき、雄端子62と雌端子40との接点が摺動して摩耗してしまうことが懸念される。
【0044】
ところが、本実施形態によると、嵌合部22と待受側ハウジング61との嵌合に伴って、台座部30のOリング32が待受側ハウジング61の内周面に全周に亘って径方向に密着し、待受側ハウジング61に対して嵌合部22が一体に固定された状態になるから、インターロックコネクタ20と待ち受けコネクタ60との嵌合後に、嵌合部22が待受側ハウジング61内において径方向にがたつくことを防止できる。これにより、インターロックコネクタ20が待受側ハウジング61内においてがたつくことに起因して両端子40,62が微摺動摩耗してしまうことを防止でき、ひいては、両端子40,62間において接続信頼性が低下することを防ぐことができる。
【0045】
また、本実施形態によると、雌端子40が収容された嵌合部22におけるリテーナ27の装着孔28の直後の位置にOリング32が装着され、そのOリング32が待受側ハウジング61に密着するから、例えば、Oリングが雌端子の接点位置から前後方向に離れた位置に装着される場合に比べて、雌端子40への振動の伝わりを低減させることができ、両端子40,62の微摺動摩耗をより効果的に防ぐことができる。
【0046】
以上のように、本実施形態によると、インターロックコネクタ20と待ち受けコネクタ60とが正規の嵌合状態に至ると、嵌合部22の台座部30に嵌着されたOリング32が待受側ハウジング61の内周面に径方向に密着し、インターロックコネクタ20と待ち受けコネクタ60とが一体に固定されるから、待受側ハウジング61内において嵌合部22ががたつくことを防ぐことができ、両端子40,62が摺動することを防ぐことができる。ひいては、両端子40,62間の接続信頼性の低下を防ぐことができる。
【0047】
また、本実施形態によると、Oリング32が待受側ハウジング61内に全周に亘って径方向に密着するから、例えば、弾性または粘弾性を有する弾性または粘弾性部材が嵌合部の外面の一部にだけ設けられている場合に比べて、嵌合部22が待受側ハウジング61内においてがたつくことを防止でき、両端子40,62が摺動することをより効果的に防ぐことができる。
【0048】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、台座部30の外周面に周設されたゴムリング装着溝31に環状のOリング32を嵌着した構成とした。しかしながら、これに限らず、台座部の外周面に弾性または粘弾性を有する板状の弾性または粘弾性部材を貼り付けた構成にしてもよく、台座部の外周面に部分的に弾性または粘弾性部材を部分的に固定する構成にしてもよい。
(2)上記実施形態では、台座部30を円柱状に構成した。しかしながら、これに限らず、台座部を、角部が丸みを帯びた略角柱状に構成してもよい。
(3)上記実施形態では、Oリング32を待受側ハウジング61の内周面に全周に亘って径方向に密着させる構成とした。しかしながら、これに限らず、台座部の前面に弾性または粘弾性部材を固定し、弾性または粘弾性部材を待受側ハウジングに対して前後方向に密着させる構成にしてもよい。
【0049】
(4)上記実施形態では、台座部30をリテーナ27の装着孔28の直後に配した構成とした。しかしながら、これに限らず、台座部をリテーナの装着孔よりも前方に配する構成にしてもよい。
(5)上記実施形態では、インターロックコネクタ20の台座部30に嵌着されたOリング32が待ち受けコネクタ60の待受側ハウジング61の内周面に密着する構成とした。しかしながら、これに限らず、待受側コネクタが嵌合可能なフード部をインターロックコネクタに形成し、フード部の内面に装着された弾性または粘弾性部材がフード部内に嵌合された待ち受けコネクタの外面に密着する構成にしてもよい。
(6)上記実施形態では、サービスホールを塞ぐサービスカバー10に保持されたインターロックコネクタ20を一例として示した。しかしながら、これに限らず、コネクタをフローティング状態で保持可能であれば、ケースに固定されるシールドシェルやブラケットなどに本明細書で開示した技術を適用してもよい。
【符号の説明】
【0050】
10:固定部材(サービスカバー)
20:非防水コネクタ(インターロックコネクタ)
21:ハウジング
27:リテーナ(端子係止部材)
28:装着孔
30:台座部
32:Oリング(弾性または粘弾性部材)
33:案内面
40:雌端子(端子)
60:待ち受けコネクタ
61:待受側ハウジング(相手側ハウジング)
62:雄端子(相手側端子)
図1
図2
図3
図4
図5