特開2016-225194(P2016-225194A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225194(P2016-225194A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 21/00 20060101AFI20161205BHJP
【FI】
   H01H21/00 330A
   H01H21/00 330F
   H01H21/00 330G
   H01H21/00 330C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-111933(P2015-111933)
(22)【出願日】2015年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】横田 純一郎
【テーマコード(参考)】
5G219
【Fターム(参考)】
5G219FU03
5G219FU13
5G219GS31
5G219HT20
5G219HW14
5G219HW19
5G219KS11
5G219KU41
5G219KW41
(57)【要約】
【課題】操作時の操作荷重が大きなスイッチを提供する。
【解決手段】第1接点部11と第2接点部21とは、非押圧操作時には離間して対向して配置され、上方から押圧操作された第1接点部11が第2接点部21に当接した後、共に下方側に変位可能となっており、第1連結部13は、押圧操作に伴って弾性変形する第1変形部13cを有し、第2連結部23は、押圧操作に伴って弾性変形する第2変形部23cを有し、第1連結部13の第1変形部13cの少なくとも一部と第2連結部23の第2変形部23cの少なくとも一部とは、上下方向での断面視にて上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する板材から形成され、上方から押圧操作可能に設けられた第1接点部と、前記第1接点部の下方に設けられる第1外部接続部と、前記第1接点部と前記第1外部接続部とを連結する第1連結部と、を備える第1導電部材と、
導電性を有する板材から形成され、第2接点部と、前記第2接点部の下方に設けられる第2外部接続部と、前記第2接点部と前記第2外部接続部とを連結する第2連結部と、を備える第2導電部材と、
前記第1導電部材と前記第2導電部材とを電気的に離間して保持する保持部材と、を備え、
前記第1接点部と前記第2接点部とは、非押圧操作時には離間して対向して配置され、上方から押圧操作された前記第1接点部が前記第2接点部に当接した後、共に下方側に変位可能となっており、
前記第1連結部は、押圧操作に伴って弾性変形する第1変形部を有し、
前記第2連結部は、押圧操作に伴って弾性変形する第2変形部を有し、
前記第1連結部の前記第1変形部の少なくとも一部と前記第2連結部の前記第2変形部の少なくとも一部とは、上下方向での断面視にて上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きいことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記第2接点部の下面に対向する位置に、押圧操作時の前記第2接点部の下面が当接可能な当接部を有していることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記第1連結部及び前記第2連結部は、前記第1接点部及び前記第2接点部を上下方向に貫通する仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げ形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記第1連結部と前記第2連結部とは、非押圧操作時に、相互に干渉しないように同一方向で巻回形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記第1接点部と前記第2接点部との少なくとも一方には、対向して配置される面側に向けて突出する突出部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記第1接点部または前記第2接点部は、上方側または下方側に膨出する反転動作可能な膨出部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載のスイッチ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュ型のスイッチ装置に関し、特に、操作時の操作荷重が大きなスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯機器の小型化と電子基板の高密度化とが進み、極小のスペースに搭載可能な超小型のスイッチ装置についての要望が種々出てきている。従来の搭載面積の小さなプッシュ型のスイッチ装置としては、特許文献1に記載のスイッチが知られている。
【0003】
図10は、スイッチ900の外観斜視図である。図10に示すように、従来のスイッチ900は、固定導電部材901と、可動導電部材902と、押しボタン903と、仮想線で示すケース904と、を備えている。また、外部端子905を有し可動導電部材902に常時接触するように配置される金属製の配線を備えている。固定導電部材901は、角形の渦巻き状に打ち抜き形成された平板状の金属板材からなり、角形の渦巻き状の中心部が上方(Z1方向)に屈曲されることにより形成された中心遊端部901aと、外部端子901bと、を備えている。可動導電部材902は、角形の渦巻き状に打ち抜き形成された平板状の金属板材からなり、渦巻きの中心部に形成された中心遊端部902aを備えている。ケース904は、可動導電部材902の周部を下方から支持固定する座繰り穴を備える角筒状のケース本体904aを備えている。また、押しボタン903をz軸に沿って押し込み変位可能に支持する孔を備えてケース本体904aの上端側に嵌合装着されるカバーケース904bを備えている。可動導電部材902は、ケース904によって周部を下方から支持されながら、固定導電部材901の上方側に離間して配置されている。押しボタン903は、カバーケース904bによってz軸に沿って押し込み変位可能に支持されながら、可動導電部材902の上方側に配置されている。尚、中心遊端部901aと中心遊端部902aと押しボタン903とは、z軸に沿って一直線上に配置されている。押しボタン903が下方へ押し込み変位させられたとき、可動導電部材902は、押しボタン903の下端部に押圧されることにより、中心遊端部902aの周辺部位が下方へ撓む。そして、下方へ変位した中心遊端部902aと中心遊端部901aとが接触したとき、外部端子901bと外部端子905とは電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−30428号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スイッチ900は、導電部材を平板状の金属板に角形の渦巻き状となるように切れ込みを入れて、それを上方または下方に突出変位させる構造としているため、操作時の操作荷重が小さいという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決して、操作時の操作荷重が大きなスイッチ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明のスイッチ装置は、導電性を有する板材から形成され、上方から押圧操作可能に設けられた第1接点部と、前記第1接点部の下方に設けられる第1外部接続部と、前記第1接点部と前記第1外部接続部とを連結する第1連結部と、を備える第1導電部材と、導電性を有する板材から形成され、第2接点部と、前記第2接点部の下方に設けられる第2外部接続部と、前記第2接点部と前記第2外部接続部とを連結する第2連結部と、を備える第2導電部材と、前記第1導電部材と前記第2導電部材とを電気的に離間して保持する保持部材と、を備え、前記第1接点部と前記第2接点部とは、非押圧操作時には離間して対向して配置され、上方から押圧操作された前記第1接点部が前記第2接点部に当接した後、共に下方側に変位可能となっており、前記第1連結部は、押圧操作に伴って弾性変形する第1変形部を有し、前記第2連結部は、押圧操作に伴って弾性変形する第2変形部を有し、前記第1連結部の前記第1変形部の少なくとも一部と前記第2連結部の前記第2変形部の少なくとも一部とは、上下方向での断面視にて上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きいことを特徴としている。
【0008】
これによれば、第1連結部は、第1接点部が押圧操作によって上下方向へ変位するとき、第1接点部と第1外部接続部とに連結されている両端を支点として、上下方向に弾性変形して大きな弾性反発力を発生させる。また、第2連結部は、押圧操作によって下方へ変位した第1接点部が第2接点部に当接したとき、第2接点部と第2外部接続部とに連結されている両端を支点として、上下方向に弾性変形して、大きな弾性反発力を発生させる。第1接点部を押圧操作する操作者には、第1導電部材からの弾性反発力と第2導電部材からの弾性反発力との合成力が伝達されるため、操作荷重は大きくなる。
【0009】
また、本発明のスイッチ装置は、前記保持部材が、前記第2接点部の下面に対向する位置に、押圧操作時の前記第2接点部の下面が当接可能な当接部を有していることを特徴としている。
【0010】
これによれば、第1接点部は、押圧操作されたとき、下方へ変位して第2接点部と当接する。第1接点部と当接した第2接点部は、第1接点部が更に押圧操作されたとき、下方へ変位して当接部と当接する。第2接点部と当接部とが当接し、第2接点部から当接部に作用力が伝達されたとき、反作用力が発生するため、第1接点部を押圧操作する操作者の指に掛かる操作荷重は大きくなる。また、当接部と当接した第2接点部は、下方への変位を制限されるため、第1接点部との間に掛かる接触圧が高くなり、第1接点部と導通し易くなる。
【0011】
また、本発明のスイッチ装置は、前記第1連結部及び前記第2連結部が、前記第1接点部及び前記第2接点部を上下方向に貫通する仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げ形成されていることを特徴としている。
【0012】
これによれば、第1導電部材と第2導電板部材とは折曲加工により容易に構成することができるため、生産コストが小さくなる。
【0013】
また、本発明のスイッチ装置は、前記第1連結部と前記第2連結部とが、非押圧操作時に、相互に干渉しないように同一方向で巻回形成されていることを特徴としている。
【0014】
これによれば、第1連結部と第2連結部とは、押圧操作によって変形したとき、上下方向に交差しなくなるため、スイッチ装置ストロークを大きくすることが可能となる。
【0015】
また、本発明のスイッチ装置は、前記第1接点部と前記第2接点部との少なくとも一方に、対向して配置される面側に向けて突出する突出部が設けられていることを特徴としている。
【0016】
これによれば、第1接点部と第2接点部とが当接したとき、第1接点部と第2接点部との間に発生する接触圧は、突出部に集中する。突出部に集中した力の力密度は大きくなるので、接触部分に形成されている酸化皮膜は破壊され易くなって、第1接点部と第2接点部とは導通し易くなる。
【0017】
また、本発明のスイッチ装置は、前記第1接点部または前記第2接点部が、上方側または下方側に膨出する反転動作可能な膨出部を備えることを特徴としている。
【0018】
これによれば、押圧操作時に当接部と第2接点部が当接し、更に押し込まれることで膨出部の中央部が弾性変形して反転することにより、クリック感触が発生する。
【発明の効果】
【0019】
本発明のスイッチ装置は、第1連結部が押圧操作に伴って弾性変形する第1変形部を有し、第2連結部が押圧操作に伴って弾性変形する第2変形部を有している。第1変形部の少なくとも一部と第2変形部の少なくとも一部とは、上下方向での断面視にて上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きいので、第1連結部は、第1接点部が押圧操作によって上下方向へ変位するとき、大きな弾性反発力を発生させる。第2連結部は、押圧操作によって下方へ変位した第1接点部が第2接点部に当接したとき、上下方向に弾性変形して、大きな弾性反発力を発生させる。第1接点部を押圧操作する操作者には、第1連結部からの弾性反発力と第2連結部からの弾性反発力と合成力が伝達されるため、操作荷重は大きくなる。以上のようにして、操作時の操作荷重が大きなスイッチ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態のスイッチ装置を示す斜視図である。
図2図1に示すスイッチ装置を上方から見た上面図である。
図3図1に示すスイッチ装置を下方から見た下面図である。
図4図1に示すスイッチ装置をY2方向から見た側面図である。
図5図4に示すJ−J線にて第1連結部を切断したスイッチ装置をZ1方向から見た模式断面図である。
図6図2に示すI−I線にて切断したスイッチ装置について、非押圧操作時にY2方向から見た模式断面図である。
図7図2に示すI−I線にて切断したスイッチ装置について、押圧操作された第1接点部が第2接点部に当接したときの模式断面図である。
図8図2に示すI−I線にて切断したスイッチ装置について、第2接点部が当接部に当接したときの模式断面図である。
図9】本発明の変形例を説明する模式断面図である。
図10】従来のスイッチの構成を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施形態のスイッチ装置1の構成について図1から図6を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態のスイッチ装置1を示す斜視図である。図2は、図1に示すスイッチ装置1を上方から見た上面図である。図3は、図1に示すスイッチ装置1を下方から見た下面図である。図4は、図1に示すスイッチ装置1をY2方向から見た側面図である。図5は、図4に示すJ−J線にて第1連結部13を切断したスイッチ装置1をZ1方向から見た模式断面図である。図6は、図2に示すI−I線にて切断したスイッチ装置1について、非押圧操作時にY2方向から見た模式断面図である。
【0022】
尚、本実施形態を分かり易く説明するために、図1に示すZ1方向を上方と呼び、Z2方向を下方と呼ぶ。
【0023】
スイッチ装置1は、図1から図6に示すように、第1導電部材10と、第2導電部材20と、保持部材30と、を備えている。スイッチ装置1は、上方から押圧操作可能なプッシュ型のスイッチであり、押圧操作されたとき、上下方向に弾性変形して、第1導電部材10と第2導電部材20とが導通するスイッチである。第1導電部材10と第2導電部材20とは、それぞれ一部が保持部材30に埋設されて配置を規制され、非押圧操作時には電気的に離間して保持されている。
【0024】
第1導電部材10は、打抜加工した導電性を有する板材を折曲加工することによって形成されている。第1導電部材10は、図1に示すように、上方から押圧操作可能に設けられた第1接点部11と、第1接点部11の下方に対向して設けられる第1外部接続部12と、第1接点部11と第1外部接続部12とを連結する第1連結部13とを備えている。第1接点部11は、角を丸面取りした四角形状を有している。第1接点部11は、スイッチ装置1の最上部にほぼ水平に設けられている。第1外部接続部12は、第1接点部11及び第2導電部材20の一部(第2接点部21)を上下方向に貫通する仮想中心線A側の端部が保持部材30に埋設されている。第1外部接続部12は、下方から半田付けし易くなるように、下面の一部がほぼ水平に露出して設けられている。
【0025】
第1連結部13は、第1接点部11のX2方向側の端部から下方へ垂下するように突出して形成されている。第1連結部13は、第1巻回加工部13aと、第1折曲加工部13bと、第1変形部13cと、を有している。第1巻回加工部13aは、図2及び図5に示すように、第1連結部13を折り曲げて設けた部位である。第1連結部13は、第1巻回加工部13aが設けられていることによって、上方から見たとき、仮想中心線Aの周囲を第1接点部11の端部から時計回りに巻回するように折り曲げて形成されている。第1折曲加工部13bは、第1連結部13を第1外部接続部12に対して立設するように折り曲げた部位である。第1変形部13cは、押圧操作に伴って弾性変形する部位である。第1変形部13cは、図6に示すように、上下方向での断面視にて上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きく設けられている。第1導電部材10は、上方から押圧操作されたとき、第1連結部13が弾性的に歪んで全体的に下方側に変位する構成になっている。これに対して、上下方向の寸法が小さな平板状であると、上下方向に容易に弾性変形するため、大きな弾性反発力を発生させることができない。本実施形態では、上下方向の寸法が大きく設けられているので、より大きな弾性反発力を発生させることができる。
【0026】
第2導電部材20は、打抜加工した導電性を有する板材を折曲加工することによって形成されている。第2導電部材20は、図1に示すように、第2接点部21と、第2接点部21の下方に対向して設けられる第2外部接続部22と、第2接点部21と第2外部接続部22とを連結する第2連結部23とを備えている。第2接点部21は、角を丸面取りした四角形状を有している。第2接点部21は、第2導電部材20の最上部に水平に設けられている。第2接点部21は、仮想中心線Aに沿って、第1接点部11の下方に離間して対向して配置されている。第2接点部21の上面の中央には、対向して配置される第1接点部11の下面側に向けて突出する突出部21aが設けられている。第2外部接続部22は、第1外部接続部12に対して、仮想中心線Aの反対側の側方に配置されている。第2外部接続部22は、仮想中心線A側の端部が保持部材30に埋設されている。第2外部接続部22は、下方から半田付けし易くなるように、下面の一部がほぼ水平に露出して設けられている。
【0027】
第2連結部23は、第2接点部21のX1方向側の端部から下方へ垂下するように突出して形成されている。第2連結部23は、第2巻回加工部23aと、第2折曲加工部23bと、第2変形部23cと、を有している。第2巻回加工部23aは、図2及び図5に示すように、第2連結部23を折り曲げて設けた部位である。第2連結部23は、第2巻回加工部23aが設けられていることによって、上方から見たとき、仮想中心線Aの周囲を第2接点部21の端部から時計回りに巻回するように折り曲げて形成されている。なお、第2連結部23は、第1連結部13と同一方向で巻回形成され、相互に干渉しないように配置されている。第2折曲加工部23bは、第2連結部23を第2外部接続部22に対して立設するように折り曲げた部位である。第2変形部23cは、押圧操作に伴って弾性変形する部位である。第2変形部23cは、図6に示すように、少なくとも一部が上下方向での断面視にて上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きく設けられている。第2導電部材20は、上方から押圧操作された第1接点部11が第2接点部21に当接した後、第1接点部11が更に押圧操作されることによって、第2連結部23が弾性的に歪んで全体的に下方側に変位する構成になっている。
【0028】
保持部材30は、スイッチ装置1の基部である。保持部材30は、インサート成形によって、第1導電部材10及び第2導電部材20と一体に成形加工された合成樹脂の成形体である。保持部材30は、第1外部接続部12の仮想中心線A側の端部と第2外部接続部22の仮想中心線A側の端部とを電気的に離間して保持している。保持部材30は、スイッチ装置1の下部に配置されている。保持部材30は、第2接点部21の下面に対向する位置に、押圧操作時の第2接点部21の下面が当接可能な当接部31を有している。非押圧時において、当接部31は、上面が仮想中心線Aに沿って第2接点部21の下面の下方に離間して対向して配置されていると共に、第1連結部13と第2連結部23とのなす巻回するように形成された構造の内側に挿通可能な寸法を有して設けられている。そのため、押圧操作時において、第1導電部材10と第2導電部材20とが下方側に変位したとき、当接部31は、第1連結部13と第2連結部23とに当たることなく、下方側に変位した第2接点部21と当接可能になっている。
【0029】
次に、図1から図6を参照しながら、第1導電部材10と第2導電部材20と保持部材30との、作成方法及び組み立て方法について説明する。第1導電部材10は、打抜加工によって、導電性を有する板材から打ち抜かれ、第1接点部11を平板状に成形されてから、第1接点部11の端部より先の第1連結部13となる部位を、図4及び図6に示すように、第1接点部11に対して垂直に折曲加工される。第1連結部13は、第1接点部11に対して垂直に折曲加工された後、折曲加工によって、図2及び図5に示す第1巻回加工部13aが形成され、巻回するように、折り曲げ形成されている。尚、第1導電部材10は、第1巻回加工部13aが折り曲げ形成された後、第1折曲加工部13bが折曲加工されていない状態で、インサート成形の金型に導入される。
【0030】
第2導電部材20は、打抜加工によって、導電性を有する板材から打ち抜かれ、第2接点部21を平板状に成形される。また、図4及び図6に示すように、突出部21aが第2接点部21の中央に成形される。第2導電部材20は、第2接点部21と突出部21aが成形された後、第2接点部21の端部を第2接点部21に対して垂直に折曲加工されることによって、第2連結部23が形成される。第2連結部23は、第2接点部21に対して垂直に折曲加工された後、折曲加工によって、図2及び図5に示す第2巻回加工部23aが形成され、巻回するように、折り曲げ形成されている。尚、第2導電部材20は、第2巻回加工部23aが折り曲げ形成された後、第2折曲加工部23bが折曲加工されていない状態で、インサート成形の金型に導入される。
【0031】
第1巻回加工部13aが形成された第1導電部材10と第2巻回加工部23aが形成された第2導電部材20とは、インサート成形によって保持部材30と一体に成形される。インサート成形時に、第1外部接続部12と第2外部接続部22とは、電気的に離間して配置された状態で、端部が保持部材30に埋設され、保持される。このとき、第1折曲加工部13bと第2折曲加工部23bとが折曲加工されていないことによって、第1導電部材10と第2導電部材20とは保持部材30の側方に配置されている。第1外部接続部12と第2外部接続部22とは、図3に示すように、保持部材30に保持された端部周辺の下方側の面が、ほぼ水平に露出した状態で保持部材30に埋設され、保持される。当接部31は、インサート成形時に同時に形成される。第2導電部材20は、保持部材30に保持された後、第2連結部23の端部を垂直に折曲加工して図1に示す第2折曲加工部23bを形成することによって、第2外部接続部22が形成される。第1導電部材10は、保持部材30に保持された後、第1連結部13の端部を垂直に折曲加工して図1に示す第1折曲加工部13bを形成することによって、第1外部接続部12が形成される。以上のようにして、第1導電部材10と第2導電部材20と保持部材30とは、作成されると共に、組み立てられる。インサート成形する時、第1導電部材10と第2導電部材20とが保持部材30の側方に配置されることによって金型の動作を妨げなくなるので、保持部材30は簡単に成形加工できる。第1外部接続部12と第2外部接続部22とは、保持部材30に保持された端部周辺の下方側の面が、ほぼ水平に露出しているので、下方から半田付けし易い構成になっている。
【0032】
スイッチ装置1は、非押圧操作時には、図6に示すように、第2接点部21が、第1接点部11の下方に離間して対向して配置されると共に、押圧操作に伴って下方へ変位する第1接点部11の変位可能な範囲内に配置される。また、当接部31が、第2接点部21の下方に離間して対向して配置されると共に、押圧操作に伴って下方へ変位する第2接点部21の変位可能な範囲内に配置される。第1連結部13と第2連結部23とは、図2及び図5に示すように、非押圧操作時に、相互に干渉しないように、第1接点部11及び第2接点部21を上下方向に貫通する仮想中心線Aの周囲を時計回りに同一方向で巻回形成させると共に、配置させる。平面視で間隔を空けて配置されているため、第1連結部13と第2連結部23とは、押圧操作によって変形したとき、上下方向に交差しない構成となっている。
【0033】
次に、図6から図8を用いて、第1連結部13と第2連結部23とが、押圧操作に伴って上方向きの大きな弾性反発力を発生させる作用について説明する。図7は、図2に示すI−I線にて切断したスイッチ装置1について、押圧操作された第1接点部11が第2接点部21に当接したときの模式断面図である。図8は、図2に示すI−I線にて切断したスイッチ装置1について、第2接点部21が当接部31に当接したときの模式断面図である。
【0034】
スイッチ装置1は、図6に示すように、非押圧操作時には第1接点部11と第2接点部21とが離間している。スイッチ装置1を操作する操作者は、仮想中心線Aに沿って、上方から第1接点部11を押圧操作する。スイッチ装置1は、上方から第1接点部11を押圧操作されたとき、第1導電部材10が歪んで全体的に下方側に変位する。第1導電部材10は、第1変形部13cの少なくとも一部が上下方向での断面視にて上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きく設けられている。そのため、第1導電部材10は、第1接点部11が押圧操作によって上下方向へ変位するとき、第1接点部11と第1外部接続部12とに結合している両端を支点として、第1連結部13が捩じれるように歪んで上下方向に弾性変形するため、上方向きの大きな弾性反発力を発生させる。このとき、上方から第1接点部11を押圧操作する操作者には、第1導電部材10からの弾性反発力が操作荷重として伝達される。
【0035】
スイッチ装置1は、更に押圧操作されたとき、図7に示すように、上方から押圧操作された第1接点部11が第2接点部21に当接する。また、上方から押圧操作された第1接点部11が第2接点部21に当接した後、第1接点部11が更に押圧操作されたとき、第1導電部材10と第2導電部材20とは共に下方側に変位する。第1接点部11と第2接点部21との間に発生する接触圧は、第1接点部11と第2接点部21とが当接したとき、突出部21aに集中するので、接触部分に形成されている酸化皮膜を破壊する。第2導電部材20は、第2変形部23cの少なくとも一部は上下方向での断面視にて上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きく設けられている。そのため、第2導電部材20は、第1導電部材10と第2導電部材20とが共に下方側に変位するとき、第2接点部21と第2外部接続部22とに結合している両端を支点として、第2連結部23が捩じれるように歪んで上下方向に弾性変形するため、上方向きの大きな弾性反発力を発生させる。このとき、上方から第1接点部11を押圧操作する操作者には、第1導電部材10からの弾性反発力と第2導電部材20からの弾性反発力との合成力が操作荷重として伝達される。このため、操作荷重が大きくなる。
【0036】
スイッチ装置1は、第1導電部材10と第2導電部材20とが共に下方側に変位した後、第1接点部11が更に押圧操作されることによって、図8に示すように、第2接点部21が当接部31に当接する。第2接点部21が当接部31に及ぼす作用力に起因して、当接部31から半作用力が発生する。このとき、上方から第1接点部11を押圧操作する操作者には、第1導電部材10からの弾性反発力と第2導電部材20からの弾性反発力と当接部31からの反作用力との合成力が操作荷重として伝達される。このため、操作荷重がより大きくなる。以上のようにして、スイッチ装置1は、操作者に対して、操作時に大きな操作荷重を伝達する。
【0037】
このように、本発明の第1実施形態のスイッチ装置1は、導電性を有する板材から形成され、上方から押圧操作可能に設けられた第1接点部11と、第1接点部11の下方に設けられる第1外部接続部12と、第1接点部11と第1外部接続部12とを連結する第1連結部13と、を備える第1導電部材10と、導電性を有する板材から形成され、第2接点部21と、第2接点部21の下方に設けられる第2外部接続部22と、第2接点部21と第2外部接続部22とを連結する第2連結部23と、を備える第2導電部材20と、第1導電部材10と第2導電部材20とを電気的に離間して保持する保持部材30と、を備え、第1接点部11と第2接点部21とは、非押圧操作時には離間して対向して配置され、上方から押圧操作された第1接点部11が第2接点部21に当接した後、共に下方側に変位可能となっており、第1連結部13は、押圧操作に伴って弾性変形する第1変形部13cを有し、第2連結部23は、押圧操作に伴って弾性変形する第2変形部23cを有し、第1連結部13の第1変形部13cの少なくとも一部と第2連結部23の第2変形部23cの少なくとも一部とは、上下方向での断面視にて上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きい。これによれば、第1連結部13は、第1接点部11が押圧操作によって上下方向へ変位するとき、第1接点部11と第1外部接続部12とに結合している両端部を支点として、上下方向に弾性変形して大きな弾性反発力を発生させる。また、更に第2連結部23は、押圧操作によって下方へ変位した第1接点部11が第2接点部21に当接したとき、第2接点部21と第2外部接続部22とに結合している両端部を支点として、上下方向に弾性変形して、大きな弾性反発力を発生させる。第1接点部11を押圧操作する操作者には、第1導電部材10からの弾性反発力と第2導電部材20からの弾性反発力との合成力が伝達されるため、操作荷重は大きくなる。
【0038】
また、本発明の第1実施形態のスイッチ装置1は、保持部材30は、第2接点部21の下面に対向する位置に、押圧操作時の第2接点部21の下面が当接可能な当接部31を有している。これによれば、第1接点部11は、押圧操作されたとき、下方へ変位して第2接点部21と当接する。第1接点部11と当接した第2接点部21は、第1接点部11が更に押圧操作されたとき、下方へ変位して当接部31と当接する。第2接点部21と当接部31とが当接し、第2接点部21から当接部31に作用力が伝達されたとき、反作用力が発生するため、第1接点部11を押圧操作する操作者の指に掛かる操作荷重は大きくなる。また、当接部31と当接した第2接点部21は、下方への変位を制限されるため、第1接点部11との間に掛かる接触圧が高くなり、第1接点部11と導通し易くなる。
【0039】
また、本発明の第1実施形態のスイッチ装置1は、第1連結部13及び第2連結部23が、第1接点部11及び第2接点部21を上下方向に貫通する仮想中心線Aの周囲を巻回するように折り曲げ形成されている。これによれば、第1導電部材10と第2導電板部材とは折曲加工により容易に構成することができるため、生産コストが小さくなる。
【0040】
また、本発明の第1実施形態のスイッチ装置1は、第1連結部13と第2連結部23とが、非押圧操作時に、相互に干渉しないように同一方向で巻回形成されている。これによれば、第1連結部13と第2連結部23とは、押圧操作によって変形したとき、上下方向に交差しなくなるため、スイッチストロークを大きくすることが可能となる。また、更に、スイッチ動作の信頼性は高くなる。
【0041】
また、本発明の第1実施形態のスイッチ装置1は、第1接点部11と第2接点部21との少なくとも一方には、対向して配置される面側に向けて突出する突出部21aが設けられている。これによれば、第1接点部11と第2接点部21とが当接したとき、第1接点部11と第2接点部21との間に発生する接触圧は、突出部21aに集中する。突出部21aに集中した力の力密度は大きくなるので、接触部分に形成されている酸化皮膜は破壊され易くなって、第1接点部11と第2接点部21とは導通し易くなる。
【0042】
尚、本発明は上記第1実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。例えば次のように変形して実施することができ、これらも本発明の技術的範囲に属する。
【0043】
本発明の上記第1実施形態では、突出部21aは、第2接点部21の上面の中央から、対向して配置される第1接点部11の下面側に向けて突出して設けられていたが、第1接点部11の下面から、対向して配置される第2接点部21の上面側に向けて突出して設けられていてもよい。
【0044】
また、上記第1実施形態では、突出部21aは、第2接点部21にのみ設けられていたが、第1接点部11と第2接点部21との両方に設けられていても良い。その場合、突出部21aは、それぞれ対向して配置される面側に向けて突出して設けられる。
【0045】
また、上記第1実施形態では、第1外部接続部12は、第1接点部11に対向して設けられていたが、スイッチ装置1が取り付けられる外部装置の実装面に対して平行に設けられていれば良く、第1接点部11に対向していなくてもよい。
【0046】
また、上記第1実施形態では、第1接点部11と第2接点部21との少なくとも一方には突出部が設けられていたが、第1接点部11または第2接点部21には、図9に示すように、上方側または下方側に膨出する反転動作可能な膨出部40を備えていても良い。図9は、本発明の変形例を説明する模式断面図である。膨出部40は、対向して配置される面側に向けて膨出して設けられている。これによれば、押圧操作時に当接部31と第2接点部21とが当接し、更に押し込まれることで膨出部40の中央部が弾性変形して反転することにより、クリック感触が発生する。
【符号の説明】
【0047】
1 スイッチ装置
10 第1導電部材
11 第1接点部
12 第1外部接続部
13 第1連結部
13a 第1巻回加工部
13b 第1折曲加工部
13c 第1変形部
20 第2導電部材
21 第2接点部
21a 突出部
22 第2外部接続部
23 第2連結部
23a 第2巻回加工部
23b 第2折曲加工部
23c 第2変形部
30 保持部材
31 当接部
40 膨出部
A 仮想中心線

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10