特開2016-225200(P2016-225200A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225200(P2016-225200A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】蓄電装置及び蓄電装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/14 20060101AFI20161205BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20161205BHJP
   H01M 10/058 20100101ALN20161205BHJP
【FI】
   H01M2/14
   H01M10/04 Z
   H01M10/058
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-112089(P2015-112089)
(22)【出願日】2015年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】濱口 陽平
【テーマコード(参考)】
5H021
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H021AA02
5H021CC02
5H021EE02
5H021HH10
5H028AA07
5H028BB04
5H029AJ14
5H029AK03
5H029AK05
5H029AK11
5H029AL02
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029AL13
5H029CJ03
5H029CJ06
5H029DJ02
5H029EJ12
5H029HJ12
(57)【要約】
【課題】部材点数を増加させずに取り付け作業性を良好にできる絶縁フィルム包囲体を有する蓄電装置及び蓄電装置の製造方法を提供する。
【解決手段】蓄電装置1では、電極組立体を覆うように設けられた絶縁フィルム包囲体21が、電極組立体3における電極の積層方向の端面を覆う一対の主面部分22,22と、電極組立体3の底面を覆う底面部分23と、電極組立体3の側面を覆う一対の側面部分24,24と、を有し、側面部分24は、少なくとも一部が互いに重なり合う第1の部分25及び第2の部分26を有し、第1の部分25及び第2の部分26の少なくとも一方に切込部25aが形成され、切込部25aに第1の部分27及び第2の部分28の他方が係合することによって側面部分24が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の順序で電極を積層してなる電極組立体と、
前記電極組立体を覆うように設けられた絶縁フィルム包囲体と、を備え、
前記絶縁フィルム包囲体は、
前記電極組立体における前記電極の積層方向の端面を覆う一対の主面部分と、
前記電極組立体の底面を覆う底面部分と、
前記電極組立体の側面を覆う一対の側面部分と、を有し、
前記側面部分は、少なくとも一部が互いに重なり合う第1の部分及び第2の部分を有し、
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも一方に切込部が形成され、前記切込部に前記第1の部分及び前記第2の部分の他方が係合することによって前記側面部分が形成されている蓄電装置。
【請求項2】
前記第1の部分は、前記電極組立体の側面と略同形状をなして前記一対の主面部分間に位置し、
前記第2の部分は、前記底面部分側から前記第1の部分側に張り出し、
前記第2の部分の上端側の角部が前記第1の部分に形成された前記切込部に係合している請求項1記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第1の部分は、前記一方の主面部分側から前記他方の主面部分側に張り出し、
前記第2の部分は、前記他方の主面部分側から前記一方の主面部分の側に張り出し、
前記第1の部分の脇縁部が前記第2の部分に形成された前記切込部に係合し、
前記第2の部分の脇縁部が前記第1の部分に形成された前記切込部に係合している請求項1記載の蓄電装置。
【請求項4】
請求項2に記載の蓄電装置の製造方法であって、
前記主面部分、前記底面部分、前記第1の部分、及び前記第2の部分を有する絶縁フィルムを準備する準備工程と、
前記底面部分に対して前記主面部分を折り曲げると共に、前記第2の部分の上端側の角部を前記第1の部分に形成された前記切込部に係合させることにより前記側面部分を形成し、前記絶縁フィルム包囲体を形成する形成工程と、
前記絶縁フィルム包囲体に対して前記電極組立体を挿入する挿入工程と、を備えた蓄電装置の製造方法。
【請求項5】
請求項3に記載の蓄電装置の製造方法であって、
前記主面部分、前記底面部分、前記第1の部分、及び前記第2の部分を有する絶縁フィルムを準備する準備工程と、
前記底面部分に対して前記電極組立体を載置する載置工程と、
前記底面部分に対して前記主面部分を折り曲げ、前記第1の部分の脇縁部を前記第2の部分に形成された前記切込部に係合させると共に、前記第2の部分の脇縁部を前記第1の部分に形成された前記切込部に係合させて前記側面部分を形成し、前記絶縁フィルム包囲体を形成する形成工程と、を備えた蓄電装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置及び蓄電装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の分野の技術として、例えばセパレータを介して正極と負極とを積層してなる電極組立体をケース内に収容してなる蓄電装置がある。特に、非水系二次電池などでは、電解液の成分の関係上、金属製ケースが採用される場合が多い。このような蓄電装置において、ケースの内面と電極組立体との間の絶縁性を確保するため、電極組立体に対して絶縁フィルムを配置する構成が採られる場合がある。例えば特許文献1に記載の蓄電装置では、アラミド繊維を含んで構成された絶縁フィルムが少なくとも電極組立体における電極の配列方向の端面に対応して配置されている。
【0003】
また、特許文献2に記載の電池の製造方法では、電極組立体の周囲に絶縁フィルム包囲体を配置する構成が開示されている。この従来の電池の製造方法では、長尺絶縁フィルムの長辺側に切欠き等で位置決め部を形成し、位置決め部に基づいて長尺絶縁フィルムを所望の長さで切断する。その後、切断した絶縁フィルムを有底の箱状に折り、所定部位を溶着して絶縁フィルム包囲体を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−028865号公報
【特許文献2】特開2010−198946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2では、絶縁フィルムを所定の形状に折り曲げた後、所定部位を溶着し、まず絶縁フィルム包囲体を形成する。その後、電極体(電極組立体)を絶縁フィルム包囲体に収容し、電極体等を収容した絶縁フィルム包囲体をケース内に挿入している。ここで、ケース内部にて電極組立体にガタを生じさせないためには、ケースと電極組立体との間の隙間は小さい方が好ましい。このため、ケースと電極組立体との間に介在する絶縁フィルム包囲体についても、電極組立体に対するサイズの違いは僅かとなる。したがって、一旦形成された絶縁フィルム包囲体に対し、絶縁フィルムに傷を付けることなく電極組立体を挿入する作業には、高い精度が要求されることとなる。
【0006】
一方、特許文献2とは異なり、絶縁フィルム包囲体を予め電極組立体に取り付ける場合、シート状の絶縁フィルムを折り曲げつつ電極組立体を覆い、電極組立体を覆った状態で絶縁フィルムの所定部位をテープなどにより固定する。この作業では、前述の問題は生じないが、テープなどで固定をする工程が必要となると共に部材点数も増加する。また、絶縁フィルム包囲体を形成する前の絶縁フィルムは保形性がないため、絶縁フィルムで電極組立体を覆うには、絶縁フィルムの複数個所を保持しながらテープの貼り付けを行う必要があり、作業性の確保が課題となる。
【0007】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、部材点数を増加させずに取り付け作業性を良好にできる絶縁フィルム包囲体を有する蓄電装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決のため、本発明の一側面に係る蓄電装置は、所定の順序で電極を積層してなる電極組立体と、電極組立体を覆うように設けられた絶縁フィルム包囲体と、を備え、絶縁フィルム包囲体は、電極組立体における電極の積層方向の端面を覆う一対の主面部分と、電極組立体の底面を覆う底面部分と、電極組立体の側面を覆う一対の側面部分と、を有し、側面部分は、少なくとも一部が互いに重なり合う第1の部分及び第2の部分を有し、第1の部分及び第2の部分の少なくとも一方に切込部が形成され、切込部に第1の部分及び第2の部分の他方が係合することによって側面部分が形成されている。
【0009】
この蓄電装置では、電極組立体を覆う絶縁フィルム包囲体の側面部分に少なくとも一部が互いに重なり合う第1の部分及び第2の部分が設けられている。また、第1の部分及び第2の部分の少なくとも一方に切込部が形成されており、切込部に第1の部分及び第2の部分の他方が係合することによって絶縁フィルム包囲体の側面部分が形成されている。このような構成により、テープなどの部材を用いずに絶縁フィルム包囲体を造形できる。したがって、部材点数を増加させずに、電極組立体への絶縁フィルム包囲体の取り付け作業性を良好なものとすることができる。
【0010】
また、第1の部分は、電極組立体の側面と略同形状をなして一対の主面部分間に位置し、第2の部分は、底面部分側から第1の部分側に張り出し、第2の部分の上端側の角部が第1の部分に形成された切込部に係合していてもよい。この場合、電極組立体の側面と略同形状の第1の部分に対し、底面部分側から張り出す第2の部分が重なることで、絶縁フィルム包囲体の底面部分側の強度が高められる。したがって、絶縁フィルム包囲体の保形性を確保できる。
【0011】
また、第1の部分は、一方の主面部分側から他方の主面部分側に張り出し、第2の部分は、他方の主面部分側から一方の主面部分側に張り出し、第1の部分の脇縁部が第2の部分に形成された切込部に係合し、第2の部分の脇縁部が第1の部分に形成された切込部に係合していてもよい。この場合、第1の部分及び第2の部分がいずれも主面部分から張り出すので、切込部を介した第1の部分と第2の部分との係合を簡単に実施できる。
【0012】
また、本発明の一側面に係る蓄電装置の製造方法は、上記蓄電装置の製造方法であって、主面部分、底面部分、第1の部分、及び第2の部分を有する絶縁フィルムを準備する準備工程と、底面部分に対して主面部分を折り曲げると共に、第2の部分の上端側の角部を第1の部分に形成された切込部に係合させることにより側面部分を形成し、絶縁フィルム包囲体を形成する形成工程と、絶縁フィルム包囲体に対して電極組立体を挿入する挿入工程と、を備える。
【0013】
この蓄電装置の製造方法では、形成工程で絶縁フィルム包囲体を先に形成した後、挿入工程で絶縁フィルム包囲体に対して電極組立体を挿入する。形成工程では、電極組立体の側面と略同形状の第1の部分に対し、底面部分側から張り出す第2の部分を重ねることで、絶縁フィルム包囲体の底面部分側の強度が高められる。したがって、絶縁フィルム包囲体を電極組立体に取り付ける際の作業性を十分に確保できる。
【0014】
また、本発明の一側面に係る蓄電装置の製造方法は、上記蓄電装置の製造方法であって、主面部分、底面部分、第1の部分、及び第2の部分を有する絶縁フィルムを準備する準備工程と、底面部分に対して電極組立体を載置する載置工程と、底面部分に対して主面部分を折り曲げ、第1の部分の脇縁部を第2の部分に形成された切込部に係合させると共に、第2の部分の脇縁部を第1の部分に形成された切込部に係合させて側面部分を形成し、絶縁フィルム包囲体を形成する形成工程と、を備える。
【0015】
この蓄電装置の製造方法では、載置工程で絶縁フィルムの底面部分に電極組立体を載置した後、形成工程で電極組立体を絶縁フィルムで包んで絶縁フィルム包囲体を形成する。形成工程では、主面部分から互いに張り出す第1の部分及び第2の部分を切込部を介して係合させるので、絶縁フィルム包囲体が取り付けられた電極組立体を簡単に形成できる。したがって、絶縁フィルム包囲体を電極組立体に取り付ける際の作業性を十分に確保できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、部材点数を増加させずに絶縁フィルム包囲体の取り付け作業性を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係る蓄電装置を示す断面図である。
図2図1に示した蓄電装置において、絶縁フィルム包囲体が取り付けられた電極組立体を示す斜視図である。
図3図2に示した絶縁フィルム包囲体を構成する絶縁フィルムを示す平面図である。
図4】第1実施形態に係る蓄電装置の製造工程を示す斜視図である。
図5図4の後続の工程を示す斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る蓄電装置において、絶縁フィルム包囲体が取り付けられた電極組立体を示す斜視図である。
図7図6に示した絶縁フィルム包囲体を構成する絶縁フィルムを示す平面図である。
図8】第2実施形態に係る蓄電装置の製造工程を示す斜視図である。
図9】絶縁フィルム包囲体の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係る蓄電装置及び蓄電装置の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態に係る蓄電装置を示す断面図である。同図に示す蓄電装置1は、例えば車両等のバッテリーとして用いられるリチウムイオン二次電池である。蓄電装置1は、略直方体形状をなす中空のケース2と、ケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。
【0020】
ケース2は、上面側が開口する有底の本体部2aと、本体部2aの開口を塞ぐように設けられた蓋部2bとによって構成されている。ケース2は、アルミニウム等の金属によって形成されている。ケース2の内部には、有機溶媒系或いは非水系の電解液が注液されている。蓋部2bには、図1に示すように、正極端子5と負極端子6とが互いに離間して設けられている。正極端子5は、絶縁部材7を介して蓋部2bに固定され、負極端子6は、絶縁部材8を介して蓋部2bに固定されている。
【0021】
電極組立体3は、正極11と、負極12と、正極11と負極12との間に配置されたセパレータ(不図示)とによって構成されている。電極組立体3では、袋状のセパレータ内に正極11が収容されており、この状態で正極11と負極12とがセパレータを介して交互に積層された状態となっている。
【0022】
正極11は、例えばアルミニウム箔からなる金属箔と、金属箔の両面に形成された正極活物質層とを有している。正極活物質層は、正極活物質とバインダとを含んで形成されている。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウム、硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとが含まれる。また、正極11の上縁部には、正極端子5の位置に対応してタブ11cが形成されている。タブ11cは、正極11の上縁部から上方に延び、導電部材14を介して正極端子5に接続されている。
【0023】
一方、負極12は、例えば銅箔からなる金属箔と、金属箔の両面に形成された負極活物質層とを有している。負極活物質層は、負極活物質とバインダとを含んで形成されている。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、ホウ素添加炭素等が挙げられる。また、負極12の上縁部には、負極端子6の位置に対応してタブ12cが形成されている。タブ12cは、負極12の上縁部から上方に延び、導電部材15を介して負極端子6に接続されている。
【0024】
セパレータ13は、例えば袋状に形成され、内部に正極11のみを収容している。セパレータ13の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。なお、セパレータ13は、袋状に限られず、シート状のものを用いてもよい。
【0025】
また、電極組立体3には、絶縁フィルム包囲体21が取り付けられている。絶縁フィルム包囲体21は、金属製であるケース2の内面に電極組立体3が接触することによる短絡を防止する部材である。絶縁フィルム包囲体21を構成する絶縁フィルム31(図3参照)の材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ナイロンが挙げられる。
【0026】
続いて、上述した絶縁フィルム包囲体21の構成について更に詳細に説明する。
【0027】
図2は、絶縁フィルム包囲体が取り付けられた電極組立体を示す斜視図である。同図に示すように、絶縁フィルム包囲体21は、電極組立体3の上面部分以外の部分を隙間なく覆うように略直方体の箱状(若しくは袋状)をなしている。より具体的には、絶縁フィルム包囲体21は、図2に示すように、電極組立体3における正極11及び負極12の積層方向の端面を覆う一対の主面部分22,22と、電極組立体3の底面を覆う底面部分23と、電極組立体3の側面を覆う一対の側面部分24,24と、を有している。
【0028】
側面部分24は、少なくとも一部が互いに重なり合う第1の部分25及び第2の部分26を有している。第1の部分25は、電極組立体3の側面と略同形状をなし、一対の主面部分22,22間に位置している。また、第2の部分26は、第1の部分25と略等幅の矩形状をなし、第1の部分25の高さ以下となる高さで底面部分23側から第1の部分25側に張り出している。本実施形態では、第1の部分25の高さは、後述する第1の部分27の幅及び第2の部分28の幅と同程度となっている(図3参照)。
【0029】
第1の部分25には、第2の部分26の上端側の角部26a,26aに対応して切込部25a,25aが形成されている。切込部25a,25aは、上方に向かって裾狭まりとなるように、第1の部分25の幅方向の縁部から中央側に向かって斜めに直線状に形成されている。第2の部分26は、第1の部分25の表側(電極組立体3の側面と反対側)に重ねられている。
【0030】
第2の部分26の上端側の角部26a,26aは、第1の部分25の切込部25a,25aを通して第1の部分25の裏側(電極組立体3の側面側)に差し込まれ、第1の部分25と第2の部分26とが係合した状態となっている。第1の部分25と第2の部分26との係合によって側面部分24が形成され、箱状の絶縁フィルム包囲体21の造形及び保形が実現されている。
【0031】
上述した第1の部分25は、電極組立体3の側面と略同形状をなしている。すなわち、第1の部分25の形状と側面部分24の形状とは、絶縁フィルム包囲体21の側面視において同等となっており、第1の部分25を絶縁フィルム包囲体21の側面部分24と捉えることも可能である。本実施形態では、第1の部分25は、少なくとも一部が互いに重なり合う第1の部分27及び第2の部分28を有している。
【0032】
より具体的には、第1の部分27は、側面部分24の幅よりも小さい幅の長方形状をなし、一方の主面部分22側から他方の主面部分22側に張り出している。第1の部分27の脇縁部27aには、下方に向かって凸となるように緩やかに湾曲した形状の切込部29が形成されている。また、第2の部分28は、第1の部分27と略等幅の長方形状をなし、他方の主面部分22側から一方の主面部分22側に張り出している。第2の部分28の脇縁部28aには、第1の部分27の切込部29の形成位置に対応して、上方に向かって凸となるように緩やかに湾曲した形状の切込部30が形成されている。
【0033】
第1の部分27の脇縁部27aは、第2の部分28の脇縁部28aに形成された切込部30に差し込まれ、第2の部分28の脇縁部28aは、第1の部分27の脇縁部27aに形成された切込部29に差し込まれている。これにより、第1の部分27と第2の部分28との係合が実現されている。第1の部分27と第2の部分28との係合によって、上述した第1の部分25が形成され、箱状の絶縁フィルム包囲体21の造形及び保形が一層確実に保たれている。
【0034】
なお、切込部29,30の形成位置は、底面部分23側から第1の部分25側に張り出している第2の部分26に重ならない位置であれば任意の位置であってよい。また、第1の部分27の脇縁部27aと第2の部分28の脇縁部28aとの重なり幅は、任意の幅であってよい。本実施形態では、第1の部分25に形成された切込部25aと、第1の部分27の脇縁部27aと第2の部分28の脇縁部28aとの重なり部分とが重ならないように、第1の部分27の脇縁部27aと第2の部分28の脇縁部28aとの重なり幅が調整されている。
【0035】
上述した蓄電装置1を製造する場合、まず、図3に示すように、絶縁フィルム31を準備する(準備工程)。絶縁フィルム31は、例えば長尺の絶縁フィルムを所定の長さで切断することによって得られ、一対の主面部分22,22、底面部分23、第1の部分25(第1の部分27及び第2の部分28)、及び第2の部分26を有している。図3における一点鎖線は、折り目を示している。また、第2の部分26と第1の部分27との間、及び第2の部分26と第2の部分28との間には、それぞれ切れ目32が形成されている。
【0036】
次に、絶縁フィルム31を折り目に従って折り曲げ、絶縁フィルム包囲体21を形成する(第1の形成工程)。この工程では、図4に示すように、まず、底面部分23に対して主面部分22,22を折り目に沿って略直角に折り曲げる。また、第2の部分26の上端側の角部26a,26aを第1の部分25の切込部25a,25aにそれぞれ差し込み、第1の部分25と第2の部分26とを係合させる。これにより、第1の部分25及び第2の部分26の下方側が第2の部分26によって固定される一方、第1の部分25及び第2の部分26の上方側が未固定状態の絶縁フィルム包囲体21が得られる。
【0037】
絶縁フィルム包囲体21を形成した後、図5に示すように、絶縁フィルム包囲体21の上側の開口から電極組立体3を挿入する(挿入工程)。電極組立体3の挿入の後、第1の部分27の脇縁部27aを第2の部分28の脇縁部28aの切込部30に差し込むと共に、第2の部分28の脇縁部28aを第1の部分27の脇縁部27aの切込部29に差し込み、第1の部分27と第2の部分28とを係合させる。これにより、第1の部分25が形成されるとともに、絶縁フィルム包囲体21が電極組立体に密着した状態となる(第2の形成工程)。その後、絶縁フィルム包囲体21が取り付けられた電極組立体3を電解液と共にケース2内に収容し、本体部2aと蓋部2bとを溶接等によって接合することにより、蓄電装置1が得られる。
【0038】
以上説明したように、蓄電装置1では、電極組立体3を覆う絶縁フィルム包囲体21の側面部分24に少なくとも一部が互いに重なり合う第1の部分25及び第2の部分26が設けられている。また、第1の部分25及び第2の部分26の少なくとも一方に切込部が形成されており、切込部に第1の部分25及び第2の部分26の他方が係合することによって絶縁フィルム包囲体の側面部分24が形成されている。このような構成により、テープなどの部材を用いずに絶縁フィルム包囲体21を造形でき、部材点数を増加させずに絶縁フィルム包囲体21の取り付け作業性を良好なものとすることができる。また、部材点数が増加せず、テープ等を貼り付ける貼付工程やフィルムの溶着を行う溶着工程などの工程を排除できるので、蓄電装置1の低コスト化が図られる。
【0039】
本実施形態では、側面部分24において、第1の部分25が電極組立体3の側面と略同形状をなして一対の主面部分22,22間に位置し、第2の部分26が底面部分23側から第1の部分25側に略矩形状に張り出している。そして、第2の部分26の上端側の角部26a,26aが第1の部分25に形成された切込部25a,25aにそれぞれ係合することによって側面部分24が形成されている。これにより、電極組立体3の側面と略同形状の第1の部分25に対し、底面部分23側から張り出す第2の部分26が重なることで、絶縁フィルム包囲体21の底面部分23側の角部近傍の強度が高められる。したがって、絶縁フィルム包囲体21の保形性を確保できる。
【0040】
絶縁フィルム包囲体21の底面部分23側の角部近傍の強度が高められることで、蓄電装置1の使用時に電極組立体3に衝撃などが加わり、絶縁フィルム包囲体21の底面部分23付近がケース2の内面に当たった場合でも、絶縁フィルム包囲体21の変形や破損が抑制される。
【0041】
また、本実施形態では、上記第1の部分25が更に第1の部分27及び第2の部分28によって構成されている。第1の部分27は、一方の主面部分22側から他方の主面部分22側に張り出し、第2の部分28は、他方の主面部分22側から一方の主面部分22側に張り出している。そして、第1の部分27の脇縁部27aが第2の部分28の脇縁部28aに形成された切込部30に係合し、第2の部分28の脇縁部28aが第1の部分27の脇縁部27aに形成された切込部29に係合することによって側面部分24が形成されている。このような構成では、第1の部分27及び第2の部分28が主面部分22から互いに張り出すので、絶縁フィルム31を折り曲げる際に切込部29,30を介した第1の部分27と第2の部分28との係合を簡単に実施できる。
【0042】
また、本実施形態では、第1の形成工程において、電極組立体3の側面と略同形状の第1の部分25に対し、底面部分23側から張り出す第2の部分26を重ねることで、絶縁フィルム包囲体21が自立可能な程度に絶縁フィルム包囲体21の底面部分23側の強度が高められる。一方、第1の形成工程においては、絶縁フィルム包囲体21の第1の部分25及び第2の部分26の上方側が未固定状態とされている。このため、挿入工程において絶縁フィルム包囲体21の上側の開口から電極組立体3を挿入する際に開口部分を広げることが可能となり、絶縁フィルム包囲体21が電極組立体3によって傷付くことが防止され、絶縁フィルム包囲体21を電極組立体3に取り付ける際の作業性も十分に確保できる。
[第2実施形態]
【0043】
続いて、本発明の第2実施形態に係る蓄電装置について説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る蓄電装置において、絶縁フィルム包囲体が取り付けられた電極組立体を示す斜視図である。同図に示すように、第2実施形態に係る蓄電装置41は、絶縁フィルム包囲体21の側面部分24の構成が第1実施形態と異なっている。
【0044】
より具体的には、第2実施形態の絶縁フィルム包囲体21では、底面部分23側から張り出す第2の部分26が設けられておらず、第1の部分27及び第2の部分28のみによって側面部分24が形成されている。本実施形態では、第1の部分27及び第2の部分28の形状は、絶縁フィルム包囲体21の側面視において、いずれも側面部分24の形状と同等となっている。第1の部分27の脇縁部27aは、第2の部分28の脇縁部28aに形成された切込部30に差し込まれ、第2の部分28の脇縁部28aは、第1の部分27の脇縁部27aに形成された切込部29に差し込まれている。これにより、第1の部分27と第2の部分28とが係合して側面部分24が形成され、箱状の絶縁フィルム包囲体21の造形及び保形が実現されている。
【0045】
なお、本実施形態では、切込部29,30の長さ(第1の部分27及び第2の部分28の幅方向に対する長さ)は、第1の部分27の幅及び第2の部分28の幅の略半分となっている。これにより、第1の部分27の幅方向の略半分部分が第2の部分28の切込部30に係合し、第2の部分28の幅方向の略半分部分が第1の部分27の切込部29に係合する。したがって、側面部分24においては、第1の部分27の略全面と第2の部分28の略全面とが重なり合った状態となっている。
【0046】
上述した蓄電装置41を製造する場合、まず、図7に示すように、絶縁フィルム51を準備する(準備工程)。絶縁フィルム51は、例えば長尺の絶縁フィルムを所定の長さで切断することによって得られ、一対の主面部分22,22、底面部分23、第1の部分27、及び第2の部分28を有している。図7における一点鎖線は、折り目を示している。絶縁フィルム31では、第2の部分26に相当する部分は無く、当該部分は矩形に切り欠かれた状態となっている。
【0047】
次に、図8に示すように、絶縁フィルム51の底面部分23に対して電極組立体3を載置する(載置工程)。底面部分23に電極組立体3を載置した後、絶縁フィルム51を折り目に従って折り曲げ、絶縁フィルム包囲体21を形成する(形成工程)。この工程では、図8に示すように、電極組立体3を底面部分23に載置させたままの状態で、底面部分23に対して主面部分22,22を折り目に沿って略直角に折り曲げる。次に、主面部分22,22に対して第1の部分27と第2の部分28とを折り目に沿って略直角に折り曲げる。
【0048】
そして、第1の部分27の脇縁部27aを第2の部分28の脇縁部28aの切込部30に差し込むと共に、第2の部分28の脇縁部28aを第1の部分27の脇縁部27aの切込部29に差し込み、第1の部分27と第2の部分28とを係合させる。これにより、側面部分24が形成され、絶縁フィルム包囲体21が取り付けられた電極組立体3が得られる(図6参照)。その後、絶縁フィルム包囲体21が取り付けられた電極組立体3を電解液と共にケース2内に収容し、本体部2aと蓋部2bとを溶接等によって接合することにより、蓄電装置41が得られる。
【0049】
このような蓄電装置41においても、テープなどの部材を用いずに絶縁フィルム包囲体21を造形でき、部材点数を増加させずに絶縁フィルム包囲体21の取り付け作業性を良好なものとすることができる。また、部材点数が増加せず、テープ等を貼り付ける貼付工程やフィルムの溶着を行う溶着工程などの工程を排除できるので、蓄電装置41の低コスト化が図られる。
【0050】
また、本実施形態では、側面部分24が第1の部分27及び第2の部分28のみによって構成されている。第1の部分27は、一方の主面部分22側から他方の主面部分22側に張り出し、第2の部分28は、他方の主面部分22側から一方の主面部分22側に張り出している。そして、第1の部分27の脇縁部27aが第2の部分28に形成された切込部30に係合し、第2の部分28の脇縁部28aが第1の部分27に形成された切込部29に係合することによって側面部分24が形成されている。このような構成では、第1の部分27及び第2の部分28が主面部分22から互いに張り出すので、絶縁フィルム51を折り曲げる際に切込部29,30を介した第1の部分27と第2の部分28との係合を簡単に実施できる。
【0051】
また、本実施形態では、底面部分23側から張り出す第2の部分26が設けられておらず、載置工程で絶縁フィルム51の底面部分23に電極組立体3を載置した後、載置工程に続く形成工程で絶縁フィルム51を折り曲げることで、絶縁フィルム包囲体21が取り付けられた電極組立体3を形成できる。形成工程では、主面部分22,22から互いに張り出す第1の部分27及び第2の部分28を切込部29,30を介して係合させるので、絶縁フィルム包囲体21が取り付けられた電極組立体3を簡単に形成できる。したがって、絶縁フィルム包囲体21を電極組立体3に取り付ける際の作業性を一層十分に確保できる。
【0052】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した各実施形態では、上方又は下方に向かって凸となるように緩やかに湾曲した形状の切込部29,30を例示したが、切込部29,30の形状はこれに限定されるものではない。例えば図9に示すように、第1の部分27の幅方向に直線状に延びる部分及び第1の部分27の高さ方向に下向きに直線状に延びる部分を有するL字状の切込部59と、第2の部分28の幅方向に直線状に延びる部分及び第2の部分28の高さ方向に上向きに直線状に延びる部分を有するL字状の切込部60とを組み合わせて用いてもよい。
【0053】
また、切込部29,30の対、或いは切込部59,60の対を第1の部分27及び第2の部分28の高さ方向に沿って複数対形成してもよい。この場合、第1の部分27と第2の部分28との係合がより強固なものとなり、絶縁フィルム包囲体21の造形性・保形性の一層の向上が図られる。
【符号の説明】
【0054】
1,41…蓄電装置、3…電極組立体、11…正極(電極)、12…負極(電極)、21…絶縁フィルム包囲体、22…主面部分、23…底面部分、24…側面部分、25…第1の部分(側面部分)、25a,29,30,59,60…切込部、26…第2の部分、26a…角部、27…第1の部分、27a…脇縁部、28…第2の部分、28a…脇縁部、31…絶縁フィルム、51…絶縁フィルム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9