特開2016-225235(P2016-225235A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2016-225235電池パック及び電池パックの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225235(P2016-225235A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】電池パック及び電池パックの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20161205BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20161205BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20161205BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20161205BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20161205BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M10/613
   H01M10/653
   H01M10/647
   H01M10/6555
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-112998(P2015-112998)
(22)【出願日】2015年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】前田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇行
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK01
5H040AA03
5H040AA28
5H040AS01
5H040AS04
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC20
5H040CC22
5H040DD04
5H040JJ03
(57)【要約】
【課題】電池モジュールを被固定部材から容易に取り外すことができる電池パック及び電池パックを容易に製造することができる電池パックの製造方法を提供する。
【解決手段】電池パック10は、複数の電池セル23を有する電池モジュール21と、電池モジュールが固定される側壁13と、を備えた電池パック10であって、電池モジュールと側壁との間には、電池モジュールに接する第1面51aと、側面に接する第2面51bと、を有する介在物51が設けられ、介在物は、熱伝導性及び絶縁性を有し、第1面における電池モジュールに対する接着力と、第2面における側面に対する接着力とは互いに異なっている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルを有する電池モジュールと、前記電池モジュールが固定される被固定部材と、を備えた電池パックであって、
前記電池モジュールと前記被固定部材との間には、前記電池モジュールに接する第1面と、前記被固定部材に接する第2面と、を有する介在物が設けられ、
前記介在物は、熱伝導性及び絶縁性を有し、
前記第1面における前記電池モジュールに対する接着力と、前記第2面における前記被固定部材に対する接着力とは互いに異なる、電池パック。
【請求項2】
前記介在物は、前記第1面における前記電池モジュールに対する接着力は、前記第2面における前記被固定部材に対する接着力よりも弱い、請求項1記載の電池パック。
【請求項3】
前記介在物は、粘着性及び絶縁性を有する熱伝導部材と、前記熱伝導部材の一方の面に設けられるフィルムとからなり、
前記第1面又は前記第2面のうち、一方の面は、前記フィルムの一面であり、他方の面は、前記熱伝導部材の他方の面である、請求項1又は2記載の電池パック。
【請求項4】
前記介在物は、粘着性及び絶縁性を有する熱伝導部材のみからなる、請求項1又は2記載の電池パック。
【請求項5】
複数の電池セルを有する電池モジュールを、粘着力を有する第1面及び前記第1面より粘着力の強い第2面を有すると共に熱伝導性及び絶縁性を有する介在物を介して被固定部材に固定した電池パックの製造方法であって、
前記被固定部材に前記介在物の前記第2面を取り付けた後に前記第1面と前記電池モジュールとが接した状態で前記電池モジュールを前記被固定部材に固定させる、電池パックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールを被固定部材に固定した電池パック及び電池パックの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールの熱を被固定部材に放熱する構成として、例えば、特許文献1に記載の冷却構造が知られている。特許文献1に記載の冷却構造では、複数のバッテリセル(電池セル)を積層したバッテリモジュール(電池モジュール)の冷却面と冷却プレート(被固定部材)との間に変形可能な伝熱シートが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−122817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、伝熱シートとして粘着性の伝熱シートが用いられている場合、電池モジュールを冷却プレートから取り外しにくい。電池モジュールに異常が生じた場合や、電池モジュールの点検を行う場合は、冷却プレートから電池モジュールを取り外して作業を行うため、電池モジュールを冷却プレートから容易に取り外すことが望まれている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、電池モジュールを被固定部材から容易に取り外すことができる電池パック及び電池パックを容易に製造することができる電池パックの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電池パックは、複数の電池セルを有する電池モジュールと、電池モジュールが固定される被固定部材と、を備えた電池パックであって、電池モジュールと被固定部材との間には、電池モジュールに接する第1面と、被固定部材に接する第2面と、を有する介在物が設けられ、介在物は、熱伝導性及び絶縁性を有し、第1面における電池モジュールに対する接着力と、第2面における被固定部材に対する接着力とは互いに異なる。
【0007】
この構成の電池パックによれば、介在物は、熱伝導性及び絶縁性を有しているので、電池モジュールの放熱性を確保できると共に、例えば絶縁フィルムのような絶縁部材を設けることなく、電池モジュールと被固定部材との間の絶縁性を確保することができる。また、この構成の電池パックによれば、介在物は、第1面及び第2面の一方の面が他方の面と比べて接着力が弱いので、電池モジュールを被固定部材から取り外すときに、介在物の第1面又は第2面を電池モジュール又は被固定部材から剥離しやすい。このため、電池モジュールの点検時などにおいて、電池モジュールを被固定部材から容易に取り外すことができる。
【0008】
本発明の電池パックでは、第1面における電池モジュールに対する接着力は、第2面における被固定部材に対する接着力よりも弱くてもよい。
【0009】
この構成の電池パックでは、電池モジュールから介在物を取り外しやすく、電池モジュールの点検などを行いやすい。また、介在物の第1面における電池モジュールに対する接着力は、第2面における被固定部材に対する接着力よりも弱いので、被固定部材側に介在物を残した状態で、被固定部材から電池モジュールを取り外しやすくなる。このため、電池モジュールを電池セル単位にばらして点検することが容易になる。
【0010】
本発明の電池パックでは、介在物は、粘着性及び絶縁性を有する熱伝導部材と、熱伝導部材の一方の面に設けられるフィルムとからなり、第1面又は第2面のうち、一方の面は、フィルムの一面であり、他方の面は、熱伝導部材の他方の面であってもよい。
【0011】
この構成の電池パックでは、フィルムの貼付の有無によって第1面と第2面の接着力を異ならせることができる。このため、第1面の接着力と第2面の接着力とを容易に異ならせることができる。
【0012】
本発明の電池パックでは、介在物は、粘着性及び絶縁性を有する熱伝導部材のみからなってもよい。
【0013】
この構成の電池パックでは、第1面における電池モジュールに対する接着力と第2面における被固定部材に対する接着力とを互いに異ならせること、及び、電池モジュールと被固定部材との間の絶縁性を確保することを目的として、フィルム等の部材を設ける必要がないので、部品点数を少なくすることができる。
【0014】
本発明の電池パックの製造方法は、複数の電池セルを有する電池モジュールを、粘着力を有する第1面及び第1面より粘着力の強い第2面を有すると共に熱伝導性及び絶縁性を有する介在物を介して被固定部材に固定した電池パックの製造方法であって、被固定部材に介在物の第2面を取り付けた後に第1面と電池モジュールとが接した状態で電池モジュールを被固定部材に固定させる。
【0015】
この製造方法によれば、粘着力の強い第2面によって介在物が被固定部材に取り付けられた後に、電池モジュールが被固定部材に固定されるため、電池モジュールを取り付ける際に介在物が脱落しにくい。このため、電池パックの製造が容易となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電池モジュールを被固定部材から容易に取り外すことができ、電池パックを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態における電池パックを示す斜視図である。
図2】一実施形態における電池モジュールを示す斜視図である。
図3】一実施形態における電池ホルダ、電池セル及び伝熱プレートを示す分解斜視図である。
図4】一実施形態における電池モジュールの断面図である。
図5】(a)及び(b)は一実施形態における電池パックの製造工程を説明するための図である。
図6】変形例に係る電池モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して一実施形態に係る電池パック10について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0019】
図1に示されるように、電池パック10は、筐体11を有している。筐体11には複数の電池モジュール21が収容されている。筐体11は、四角箱状をなしており、矩形平板状の底板12と、底板12の周縁から立設する矩形平板状の側壁(被固定部材)13と、側壁13によって囲まれる開口部を閉塞する矩形平板状の天板14と、を有している。
【0020】
図2に示されるように、電池モジュール21は、複数の電池セル23(例えば、リチウムイオン二次電池及びニッケル水素蓄電池などの二次電池)を有している。電池セル23は、電池ホルダ22に保持された状態で並設されている。電池モジュール21における電池セル23の並設方向両端には、エンドプレート25が設けられている。両エンドプレート25には、ボルトBが挿通されている。ボルトBは、一方のエンドプレート25から、他方のエンドプレート25に向けて挿通されると共に、他方のエンドプレート25を挿通した位置でナットNに螺合されている。エンドプレート25には、ブラケット24が設けられている。電池モジュール21は、ブラケット24が側壁13に固定されることによって、側壁13に固定されている。
【0021】
図3に示されるように、電池ホルダ22は、第1被覆部31と、第2被覆部32と、第3被覆部33と、第4被覆部34と、一対の脚部36,36と、を有している。
【0022】
第1被覆部31は、矩形平板状に形成され、電池セル23の底部を覆う部分である。第2被覆部32及び第3被覆部33は、第1被覆部31の長手方向両端から立設する部分である。第2被覆部32及び第3被覆部33は、矩形平板状に形成され、電池セル23の側面を覆う。第4被覆部34は、矩形平板状に形成され、電池セル23の一方の主面(厚み方向に直交する面)の一部を覆う部分である。第4被覆部34は、第2被覆部32の長手方向における第1端部32a(第1被覆部31が設けられる端部とは反対側の端部)と、第3被覆部33の長手方向における第1端部33a(第1被覆部31が設けられる端部とは反対側の端部)とに接続されている。第4被覆部34は、その厚み方向が電池セル23の並設方向と一致し、長手方向が第2被覆部32及び第3被覆部33の対向方向と一致するように配置されている。第1被覆部31、第2被覆部32、第3被覆部33に囲まれる領域は、電池セル23が収容される収容部Sとなる。
【0023】
第2被覆部32及び第3被覆部33の長手方向における第1端部32a,33aには、各被覆部32,33と連設され、各被覆部32,33の長手方向に延びる矩形平板状の突出部35が設けられている。また、第2被覆部32及び第3被覆部33の長手方向における第2端部32c、33cには、四角柱状の脚部36が設けられている。
【0024】
伝熱プレート41は、金属製の板材をL字状に屈曲させることで形成されており、矩形平板状の本体42と、本体42の長手方向一端から直角に屈曲する矩形平板状の屈曲部43とを有している。本体42は、電池セル23の厚み方向に電池セル23と隣り合った状態で収容部Sに設けられる。屈曲部43は、第3被覆部33の外面(第3被覆部33の厚み方向の面において収容部Sとは反対側の面)を覆っている。
【0025】
図4に示されるように、電池モジュール21は、屈曲部43が被固定部材としての側壁13と対向するように固定されている。電池モジュール21(屈曲部43)と側壁13との間には、介在物51が設けられている。介在物51は、熱伝導部材52(TIM:Thermal Interface Material)と、フィルム53と、を有している。
【0026】
熱伝導部材52は、両面が粘着性を有するシート状の部材である。本実施形態では、両面が同じ粘着力を有している。また、この熱伝導部材52は、絶縁性を有している。このような絶縁性を有する熱伝導部材として、金属フィラーを含まない熱伝導シートを用いることができる。また、このような熱伝導部材52には、シリコーン系の熱伝導シートと、アクリル系の熱伝導シートとがある。シリコーン系の熱伝導シートを用いる場合には、耐寒性及び耐熱性に優れているため使用温度の範囲を広くすることができる。また、金属フィラーを使用していないシリコーン系の熱伝導シートは、温度及び周波数による電気特性の変化が小さいため絶縁材料に適する。一方、アクリル系のシートは、シロキサンガスの発生がないため、密閉空間における機械接点の接点障害、及び磨耗が発生しない。また、アクリル系のシートは、一般的にシリコーンより安価である。
【0027】
フィルム53は、粘着性を有さず、熱伝導部材52の一方の面に設けられている。なお、フィルム53の絶縁性の有無は問わないが、本実施形態では、絶縁性のないフィルムが採用される。電池モジュール21を組み付ける時には、伝熱プレート41の位置にばらつきが生じ、側壁13に対し許容範囲内の凹凸が生じることがある。フィルム53の厚みを、0.1mm以下とすることにより、上記凹凸を埋める熱伝導部材52の平坦性能を高く維持できる。すなわち、熱伝導部材52の凹凸に対する追従性能を高く維持できるので、熱伝導性を高めることができる。
【0028】
介在物51のフィルム53における熱伝導部材52が配置される側とは反対側の第1面51aは、電池モジュール21(屈曲部43)に接している。介在物51において、第1面51aとは反対側の第2面51b(熱伝導部材52においてフィルム53が設けられていない面)は、側壁13に接している。フィルム53は、粘着性を有さないため、介在物51における第1面51aには電池モジュール21に対する接着力がない。したがって、介在物51において、第1面51aの粘着力は、第2面51bの粘着力に比べて弱い。すなわち、「第1面51aの電池モジュール21に対する接着力は、第2面51bの側壁13に対する接着力に比べて弱い」とは、第1面51aの粘着力がない(粘着力が0)場合も含む。
【0029】
ここで、介在物51と、介在物51が接着される接合部材(電池モジュール21、側壁13)との接着力は、介在物51の粘着力、接合部材における介在物51が接着される面の面積、接合部材における介在物51が接着される面の表面粗さ、等のパラメータから求められる。
【0030】
したがって、介在物51と、介在物51が接着される接合部材との接着力を決めるパラメータのうち、例えば、一つのパタメータ以外のパタメータが全て同じ値でも、一つのパラメータが異なれば、介在物51と接合部材との接着力は変わることとなる。
【0031】
本実施形態では、介在物51の第1面51aの粘着力と、介在物51の第2面51bの粘着力とが異なるが、接着力を決めるそれ以外のパラメータ(例えば、接合部材における介在物51が接着される面の面積、接合部材における介在物51が接着される面の表面粗さ)は全て同じとなっている。
【0032】
したがって、電池モジュール21(屈曲部43)と介在物51の第1面51aとの接着力は、側壁13と介在物51の第2面51bとの接着力に比べて弱くなる。なお、本実施形態における「接着力」は、接着力0のものも含む。
【0033】
次に、本実施形態の電池パック10の製造方法の一工程である電池モジュール21の側壁13への取付工程について説明する。図5(a)に示されるように、まず、介在物51を側壁13に取り付ける。取り付け前の介在物51は、熱伝導部材52の両面にフィルム53が設けられている。そして、熱伝導部材52の両面に設けられたフィルム53のうち、一方を熱伝導部材52から剥離し、熱伝導部材52におけるフィルム53が剥離された面(第2面51b)を側壁13に取り付ける。熱伝導部材52(第2面51b)は、粘着性を有しているため、粘着力によって熱伝導部材52は側壁13に取り付けられる。したがって、介在物51の両面の粘着力は、熱伝導部材52の両面に設けられた一方のフィルム53が剥離され、他方のフィルム53は剥離されないため、異なることとなる。そして、粘着力の強い第2面51bが側壁13に取り付けられている。
【0034】
次に、図5(b)に示されるように、側壁13における介在物51が取り付けられた位置においてブラケット24を側壁13に固定することによって、電池モジュール21を側壁13に固定する。これにより、側壁13と電池モジュール21との間に介在物51が設けられた電池パック10が製造される。電池モジュール21は、介在物51における粘着力の弱い第1面51aと接触するように側壁13に固定される。
【0035】
次に、本実施形態の電池パック10の作用効果について説明する。電池モジュール21(電池セル23)に異常が生じた場合や、電池モジュール21の点検を行う場合、電池モジュール21を側壁13から取り外して作業を行う。上記実施形態の電池パック10では、電池モジュール21は、介在物51において粘着性のないフィルム53の一面(第1面51a)に接触するように配置されている。すなわち、電池モジュール21は、介在物51と接着されていないため、ブラケット24を側壁13から取り外すだけで、容易に電池モジュール21を取り外すことができる。このとき、介在物51は、熱伝導部材52の粘着力によって側壁13に取り付けられた状態で維持されている。
【0036】
また、上記実施形態の電池パック10によれば、介在物51(熱伝導部材52)は、熱伝導性及び絶縁性を有しているので、電池モジュール21の放熱性を確保できると共に、例えば絶縁フィルムのような絶縁部材を設けなくても、電池モジュール21と側壁13との間の絶縁性を確保することができる。この場合、熱伝導部材52と側壁13との間に絶縁フィルムを配置する構成と比べて、電池モジュール21により近い位置で絶縁を図ることができる。これにより、(例えば、電池セル23と伝熱プレート41とを接着する絶縁テープなどが破れた場合に)電池セル23からブラケット24に電流が漏れ出すことを防止できるなど、電池モジュール21から電流が漏れ出す範囲をより狭くして、絶縁性をより高めることができる。
【0037】
なお、上記実施形態の電池パック10では、介在物51における第1面51aと第2面51bとで互いに粘着力を異ならせるためにフィルムが配置されているが、熱伝導部材52自身が絶縁性を有しているため、当該フィルムには絶縁効果を期待しなくてもよい。このため、絶縁効果を高めるため(確実にするため)にフィルムを厚くする必要がなく、相対的にフィルムの厚みを薄くできる。これにより、介在物51の熱伝導性を高めることができる。
【0038】
電池モジュール21の点検などが終わった後には、元の位置に電池モジュール21を再度固定する。また、電池モジュール21と側壁13との間に介在物51を設けなければ、電池モジュール21の取り外しは容易であるが、この場合、電池セル23において発生した熱を側壁13に伝導させにくくなり、電池セル23の放熱性が低下する。
【0039】
したがって、介在物51は、第1面51aの粘着力が、第2面51bの粘着力よりも弱いため、電池モジュール21と第1面51aとの接着力が、側壁13と第2面51bとの接着力よりも弱くなっている。したがって、電池モジュール21を側壁13から取り外すときに、電池モジュール21から介在物51が剥離しやすく、電池モジュール21を側壁13から容易に取り外すことができる。このため、電池モジュール21の点検などを行いやすい。
【0040】
また、電池モジュール21と接する第1面51aの粘着力を、側壁13と接する第2面51bの粘着力よりも弱くしているため、電池モジュール21を取り外したときに、電池モジュール21から介在物51が容易に剥離される。このため、電池モジュール21の点検時や、電池モジュール21の電池セル23同士を分離するときに介在物51を電池モジュール21から剥離する必要がない。すなわち、電池セル23単位での取り外しが容易となる。
【0041】
また、介在物51は、両面に粘着力を有する熱伝導部材52と、熱伝導部材52の一面に設けられたた粘着力を有さないフィルム53とからなる。したがって、熱伝導部材52の両面の粘着力を異ならせることなく、介在物51の両面の粘着力を互いに異ならせることができる。
【0042】
また、第2面51bを側壁13に取り付けた後に、電池モジュール21を側壁13に固定している。すなわち、粘着力の強い面によって介在物51を側壁13に取り付けることによって、電池モジュール21を取り付ける際に介在物51が脱落することを抑制することができる。このため、電池パック10を容易に製造することができる。
【0043】
また、介在物51は、熱伝導部材52を有しているため、電池セル23において発生した熱を側壁13に伝導させやすい。したがって、電池モジュール21の放熱性を高めることができる。
【0044】
また、介在物51は、ブラケット24と側壁13との間にも配置されているため、電池セル23から伝熱プレート41及びブラケット24を介して側壁13に流れる電流を遮断することができる。
【0045】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0046】
上記実施形態では、介在物51の第1面51aにおける粘着力と第2面51bにおける粘着力を互いに異ならせることで、第1面51aにおける電池モジュール21に対する接着力と、第2面51bにおける側壁13に対する接着力とを互いに異ならせる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、介在物51が接合される接合部材における介在物51との接着面積、及び/又は、接合部材における介在物51との接着面の表面粗さなどを異ならせるなど、介在物51の第1面51a及び第2面51bにおける粘着力以外のパラメータを異ならせることによって、第1面51aにおける電池モジュール21に対する接着力と、第2面51bにおける側壁13に対する接着力とを互いに異ならせてもよい。
【0047】
上記実施形態又は変形例では、介在物51の第1面51aは、フィルム53が配置されることにより、電池モジュール21との接着力を有しない例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。介在物51は、第1面51a及び第2面51bの両面の粘着力が互いに異なればよく、第1面51aも粘着力を有していてもよい。また、介在物51において側壁13に接する面がフィルム53の一面であってもよい。すなわち、介在物51において側壁13に接する第2面51bが、フィルム53の一面により形成されていてもよい。また、側壁13側にフィルム53を配置することによって、絶縁性を有する熱伝導部材52が電池モジュール21側に位置することとなる。すなわち、電池モジュール21側にフィルム53を配置することに比べて、電池モジュール21に近い位置で絶縁を図ることができる。このため、電池モジュール21から電流が漏れ出す範囲をより狭くして、絶縁性をより高めることができる。
【0048】
上記実施形態又は変形例では、第1面51aにおける電池モジュール21に対する接着力は、第2面51bにおける側壁13に対する接着力よりも弱い例を挙げて説明したが、第2面51bにおける側壁13に対する接着力が、第1面51aにおける電池モジュール21に対する接着力よりも弱くしてもよい。
【0049】
上記実施形態又は変形例では、熱伝導部材52の両面が粘着性を有している例を挙げて説明したが、一方の面のみが粘着性を有していてもよい。この場合、他方の面には、フィルム53を設けなくてもよい。また、熱伝導部材52の両面が粘着性を有していなくてもよい。この場合には、一方の面に両面テープ(両面に粘着性のあるフィルム)を貼付したり、又は、熱伝導部材52の両面に粘着力が互いに異なる両面テープを貼付したりしてもよい。
【0050】
また、熱伝導部材52における一方の面と他方の面とで、粘着力が異なっていてもよい。すなわち、介在物51は、粘着性及び絶縁性を有する熱伝導部材のみから構成してもよい。例えば、一方の面にガラスビーズ等を塗布することにより、塗布面の粘着力を弱めることができる。この場合には、第1面51aにおける電池モジュール21に対する接着力と第2面51bにおける側壁13に対する接着力とを互いに異ならせること、及び、電池モジュール21と側壁13との間の絶縁性を確保することを目的として、フィルム53等の部材を設ける必要がないので、部品点数を少なくすることができる。
【0051】
上記実施形態又は変形例では、介在物51が、熱伝導部材52とフィルム53とからなる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、液状の介在物を側壁13に塗布し、硬化させた後に電池モジュール21を側壁13に固定してもよい。硬化させた後に電池モジュール21を側壁13に固定するため、介在物51における電池モジュール21側の面は、側壁13側の面と比べて粘着力が低くなる。なお、電池モジュール21に液状の介在物を塗布して硬化させた後に電池モジュール21を側壁13に固定してもよい。
【0052】
上記実施形態又は変形例では、シート状のTIMを配置することにより熱伝導部材52を構成する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、液状のTIMを塗布した後、フィルム53を挟んだ状体で電池モジュール21を側壁13に締結してもよい。この場合、液状のTIMが硬化することにより熱伝導部材52が構成される。
【0053】
上記実施形態又は変形例では、ブラケット24とエンドプレート25とが別部材により構成される例を挙げて説明したが、例えば、図6に示されるように、ブラケットが一体的に形成されたエンドプレート125を用いてもよい。
【0054】
上記実施形態又は変形例では、ブラケット24と側壁13との間に介在物51が配置された例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ブラケット24と側壁13との間には介在物51を配置しない構成としてもよい。また、図6に示されるように、ブラケットが一体的に形成されたエンドプレート125を用いる場合においても、エンドプレート125と側壁13との間には介在物51を配置しない構成としてもよい。
【0055】
このような構成では、例えば、電池セル23と伝熱プレート41とを接着する絶縁テープなどが破れた場合であっても、伝熱プレート41(又は電池セル23)とブラケット24(エンドプレート125)との間には絶縁性の介在物51が介在するので、電池セル23から伝熱プレート41及びブラケット24を介して側壁13に電流が漏れ出すことを防止できる。
【0056】
また、エンドプレート25(125)と電池セル23との間に、絶縁性の弾性部材(図示せず)が配置されてもよい。この構成によれば、電池セル23の厚み方向への膨張を吸収して、電池モジュール21における配列方向へのサイズ変化を抑制できると共に、電池セル23とエンドプレート25(125)との間の絶縁性を確保することができる。これにより、ブラケット24と側壁13との間、又は、エンドプレート125と側壁13との間に絶縁部材(介在物51)を配置しなくても、電池モジュール21と側壁13との間の絶縁性が確保される。この構成によれば、絶縁部材を貫通して締結する作業、又は、締結強度を維持するための設計を省くことができるので、側壁13に対しエンドプレート125又はブラケット24を締結する作業が容易となる。
【0057】
上記実施形態又は変形例では、電池ホルダ22に保持された状態の電池セル23が並設された電池モジュール21を例に挙げて説明したが、電池ホルダ22には保持されず、電池セル23のみからなる電池モジュール21を用いてもよい。
【0058】
上記実施形態又は変形例では、被固定部材の例として電池パック10における筐体11の側壁13を例に挙げて説明したが、産業車両に搭載されるカウンタウェイトなどを用いてもよい。
【0059】
上記実施形態又は変形例では、複数の電池モジュール21を全て同一の構成とする例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、異なる種類の電池セル23を有する電池モジュール21を複数有する電池パックでもよい。
【0060】
以上説明した種々の実施形態及び変形例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々、組み合わせられてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…電池パック、11…筐体、13…側壁(被固定部材)、21…電池モジュール、22…電池ホルダ、23…電池セル、24…ブラケット、41…伝熱プレート、51…介在物、51a…第1面、51b…第2面、52…熱伝導部材、53…フィルム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6