特開2016-225440(P2016-225440A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225440(P2016-225440A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】抵抗器
(51)【国際特許分類】
   H01C 13/00 20060101AFI20161205BHJP
   H01H 37/76 20060101ALI20161205BHJP
   H01C 3/00 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   H01C13/00 A
   H01H37/76 F
   H01C3/00 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-109745(P2015-109745)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176811
【氏名又は名称】三菱自動車エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】堀 周一郎
(72)【発明者】
【氏名】種田 良司
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA02
5G502AA17
5G502AA20
5G502BA02
5G502BA03
5G502BB04
5G502BC04
5G502BD03
5G502BD06
5G502BD08
5G502EE01
5G502EE06
(57)【要約】
【課題】抵抗器に関し、コストを抑制し、温度を正確に監視する。
【解決手段】絶縁体で形成され、内部に孔部1cを有する芯材1と、芯材1の外周に設けられ、導体で形成された通電可能な巻線2と、孔部1cに内蔵され、芯材1の内部の温度を検出するセンサ5と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体で形成され、内部に孔部を有する芯材と、
前記芯材の外周に設けられ、導体で形成された通電可能な抵抗体と、
前記孔部に内蔵され、前記芯材の内部の温度を検出するセンサと、
を備えたことを特徴とする、抵抗器。
【請求項2】
前記芯材が、柱状に形成され、且つ、
前記孔部は、前記芯材の軸方向の一端から中央部まで穿設されており、
前記センサが、前記孔部の底部に設置される
ことを特徴とする、請求項1記載の抵抗器。
【請求項3】
前記抵抗体は、前記芯材に巻回された螺旋状の巻線であり、前記巻線のピッチが前記センサに近い部位ほど狭くされる
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の抵抗器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路上に設けられて温度監視される抵抗器に関するものであり、特にその温度に応じて電気回路を流れる電流を制御するシステムに用いられる抵抗器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気回路上に設けられる抵抗器として、コンデンサに大きな突入電流が流れることを防止するための抵抗器(プリチャージ抵抗器)が知られている。抵抗器は通電されると発熱することから、回路設計ではこの発熱量が考慮される。しかし、電気回路のショートや回路部品の故障といった外部要因によって想定以上の電流量が抵抗器に流れた場合、抵抗器が異常発熱して焼損するおそれがある。
【0003】
これに対し、抵抗器の周辺に温度センサを配置して直接的に温度を監視する手法や、抵抗器への通電電流や通電時間から温度を推定することで間接的に温度を監視する手法が知られている。これらの手法によれば、監視している温度が所定値を超えたときに電気回路を遮断するようなスイッチ等を設けることで、抵抗器を保護しうる。また、温度を監視する代わりに温度ヒューズを設け、抵抗器の異常発熱を感知した場合に電気回路を遮断することで、抵抗器を保護するようにした技術も存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2014-501435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のように抵抗器の周辺に温度センサを設ける手法では、温度センサが抵抗器の使用環境(例えば抵抗器周辺の空気の流れや他部材の温度等)の影響を受けやすいという課題がある。そのため、温度センサで検出された測定値と実際の温度とにずれが生じ、抵抗器の温度を適切に監視できないおそれがある。また、抵抗器の温度を推定する手法では、推定精度を高めるために複雑な制御が必要となる。さらに、使用環境ごとのチューニングや電流値をモニタするための高応答センサを設ける必要があるため、コストがかかるという課題もある。一方で、温度を監視する代わりに温度ヒューズを設けた場合は、温度ヒューズが作動する度にその交換が必要となるため、手間がかかるとともにコストが嵩む。
【0006】
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、コストを抑制し、温度を正確に監視することができるようにした、抵抗器を提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)ここで開示する抵抗器は、絶縁体で形成され、内部に孔部を有する芯材と、前記芯材の外周に設けられ、導体で形成された通電可能な抵抗体と、前記孔部に内蔵され、前記芯材の内部の温度を検出するセンサと、を備える。
(2)前記芯材が、柱状に形成されることが好ましい。この場合、前記孔部は、前記芯材の軸方向の一端から中央部まで穿設されることが好ましい。またこの場合、前記センサが、前記孔部の底部に設置されることが好ましい。
【0008】
(3)前記抵抗体は、前記芯材に巻回された螺旋状の巻線であり、前記巻線のピッチが前記センサに近い部位ほど狭くされることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
開示の抵抗器によれば、芯材に内蔵されたセンサによって芯材の内部の温度が検出されるため、温度を正確に監視することができる。また、温度ヒューズのような交換が不要であることから、コストを抑制できる。さらに、温度を高精度に推定するための高応答センサや複雑な制御構成も不要であることからも、コストを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る抵抗器が設けられた電気回路及びその制御構成の模式図である。
図2】ケースに収容された図1の抵抗器を示す模式的な上面図である。
図3図1の抵抗器の模式的な斜視図である。
図4】一変形例に係る孔部の底部を示す模式的な断面図(孔部の軸方向の断面を示す図)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照して、実施形態としての抵抗器について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
【0012】
[1.構成]
[1−1.回路構成]
本実施形態に係る抵抗器10は、図1に示す電気回路20に設けられる。この電気回路20には、電動車両(電気自動車やハイブリッド電気自動車)に搭載された電源30とインバータ負荷40とが設けられる。電源30は、例えば高電圧の車載バッテリであり、蓄電された電力をインバータ負荷40に供給する。一方、インバータ負荷40は、電源30から供給される直流電力を交流電力に変換し、車両駆動用のモータ(図示略)に送給するものである。インバータ負荷40は、電源30から出力される電圧,電流の変動を平滑化するためのコンデンサ(図示略)を有する。
【0013】
電源30とインバータ負荷40との間には、これらを電気的に接続,遮断するためのリレー50が介装される。リレー50は、電気回路20上に配設された三つのスイッチ51〜53を有する。各スイッチ51〜53のオン(閉),オフ(開)の切り替えは、車載の制御装置60によって制御される。以下、三つのスイッチ51〜53を区別する場合にはそれぞれ、P側スイッチ51,N側スイッチ52,プリチャージスイッチ53という。
【0014】
P側スイッチ51は、電源30の正極端子とインバータ負荷40とを接続するP側接続線21上に設けられる。また、N側スイッチ52は、電源30の負極端子とインバータ負荷40とを接続するN側接続線22上に設けられる。さらに、プリチャージスイッチ53は、P側スイッチ51を迂回するようにP側接続線21に接続されたプリチャージ接続線23上に設けられる。すなわちプリチャージスイッチ53は、P側スイッチ51と並列に設けられる。
【0015】
本実施形態に係る抵抗器10は、プリチャージ接続線23上においてプリチャージスイッチ53と直列に設けられる。抵抗器10は、プリチャージスイッチ53及びN側スイッチ52が何れもオンとされたときに、インバータ負荷40に大きな突入電流が流れることを防止するためのプリチャージ抵抗器である。すなわち、抵抗器10は電源30からインバータ負荷40へ流れる電流を制限するものである。抵抗器10の詳細な構成は後述する。
【0016】
制御装置60は、マイクロコンピュータで構成された電子制御装置(ECU)であり、例えば周知のマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車載ネットワークの通信ラインに接続される。制御装置60には、車両のメインスイッチのオン,オフ情報や、電源30の充電開始,終了の情報や、アクセル開度,車速といった車両状態に関する情報などが入力される。さらに、制御装置60には、後述するセンサ5で検出された抵抗器10の温度情報が入力される。制御装置60は、これらの情報に基づいてリレー50を制御し、電気回路20の接続,遮断を切り替える。
【0017】
具体的には、制御装置60は、電気回路20を接続するときにはN側スイッチ52をオンに制御するとともに、P側スイッチ51及びプリチャージスイッチ53の何れか一方をオンに制御する。また、制御装置60は、電気回路20を遮断するときには、N側スイッチ52をオフに制御するか、P側スイッチ51及びプリチャージスイッチ53を何れもオフに制御するか、あるいは三つのスイッチ51〜53の全てをオフに制御する。
【0018】
プリチャージスイッチ53がオンに制御されるのは、プリチャージを実施する場合である。すなわち、電源30からインバータ負荷40に大きな突入電流が流れるのを防止するために、プリチャージスイッチ53をオンに制御して電気回路20を接続し、抵抗器10に通電する。これにより、電源30から流れる電流が抵抗器10によって制限された上でインバータ負荷40に送給される。
【0019】
制御装置60は、プリチャージ中に所定の条件が成立したらプリチャージスイッチ53をオフに制御するとともにP側スイッチ51をオンに制御して、プリチャージ接続線23からP側接続線21に切り替える。これにより、電源30から流れる電流が抵抗器10を通らずに(抵抗器10によって制限されることなく)インバータ負荷40に送給される。なお、上記の所定の条件としては、例えばインバータ負荷40に含まれるコンデンサの充電量が所定量に達することが挙げられる。
【0020】
ところで、電気回路20のショートやインバータ負荷40の故障といった外部要因によって想定以上の電流量が抵抗器10に流れた場合、抵抗器10が異常発熱するおそれがある。そこで、本実施形態の制御装置60は、抵抗器10の温度を直接的に監視して、抵抗器10の温度が所定値以上となったらプリチャージスイッチ53をオフに制御する。すなわち、抵抗器10の発熱量が大きくなった場合にはプリチャージ接続線23を遮断する。これにより、抵抗器10の異常発熱を防止して抵抗器10の保護を図る。
【0021】
[1−2.抵抗器]
図2及び図3に示すように、抵抗器10は、絶縁体(例えばセラミックス)で形成された略円柱状の芯材1と、導体(例えば金属)で形成された巻線2(抵抗体)及びキャップ3,4とを備える。巻線2は芯材1の外周に設けられ、キャップ3,4は芯材1の軸方向の両端1a,1bにそれぞれ取り付けられる。
【0022】
芯材1は、その軸方向に細長い形状とされる。巻線2は、螺旋状に形成され、芯材1の外周に巻回される。巻線2は、その両端2a,2bがキャップ3,4をそれぞれ介して電気回路20に接続され、電源30からの電流が通電可能に設けられる。巻線2は、通電されると電気回路20に電気抵抗を与えるとともに発熱する。
【0023】
キャップ3,4は、巻線2の両端2a,2bと端子12,13とをそれぞれ電気的に接続するものであり、芯材1の両端1a,1bにそれぞれ固定される。以下、これらのキャップ3,4を互いに区別する場合には、芯材1の一端1aに固定される一方を第一キャップ3といい、芯材1の他端1bに固定される他方を第二キャップ4という。なお、端子12,13は、プリチャージ接続線23上におけるターミナル(接続箇所)である。
【0024】
第一キャップ3は、円筒状の筒部3aと、筒部3aの一方の開口を閉鎖する円板状の板部3bとを有する。第二キャップ4も同様に、円筒状の筒部4aと、筒部4aの一方の開口を閉鎖する円板状の板部4bとを有する。ただし、第一キャップ3の板部3bは、後述の貫通孔3cを有する点で第二キャップ4の板部4bと異なる。
キャップ3,4は、それぞれの筒部3a,4aが芯材1に外嵌されることによって芯材1に固定される。また、キャップ3,4の板部3b,4bは、キャップ3,4が芯材1に固定された状態では芯材1の一端1a,他端1bをそれぞれ覆う。
【0025】
また、筒部3a,4aの外周面には、巻線2の一端2a,他端2bがそれぞれ溶接によって接続される。さらに、筒部3a,4aは、端子12,13をそれぞれ介して電気回路20と接続される。なお、巻線2の一端2a,他端2b及び端子12,13の接続先は、筒部3a,4aではなく板部3b,4bであってもよい。
【0026】
本実施形態の抵抗器10は、コストを抑制し、且つ、巻線2の発熱に伴う芯材1の温度上昇を適切に監視するために、芯材1の内部の温度を検出するセンサ5を更に備える。このセンサ5は、芯材1に内蔵される。つまり、センサ5は、芯材1の内部に設置され、芯材1の内部の温度を直接的に検出するものである。センサ5は、検出した温度の情報を、配線14を通じて制御装置60に伝達する。
【0027】
本実施形態の芯材1には、センサ5を適切な位置に内蔵するための孔部1cが穿設されている。また、本実施形態の第一キャップ3には、センサ5を孔部1cに設置しやすくするための貫通孔3cが形成されている。
【0028】
孔部1cは、センサ5が設置される中空状の部位であり、芯材1の内部に設けられる。本実施形態の孔部1cは、芯材1の軸方向の一端1aから中央部(芯材1の一端1aと他端1bとの中間部)まで穿設されている。すなわち芯材1は貫通されておらず、芯材1の中央部の内部には孔部1cの底部(端部)に相当する壁面1dが設けられる。
【0029】
この壁面1dは、平坦であり、センサ5の位置を規定する機能を有する。つまり、センサ5を芯材1の一端1aから孔部1cに挿入し、壁面1dと当接するところまで進入させることでセンサ5の位置決めを行うことができる。これにより、センサ5の位置が芯材1の軸方向の中央部に規定され、センサ5が芯材1の軸方向の中央部(孔部1c)に内蔵される。このとき、センサ5は、孔部1cの壁面1dに接触していることが好ましい。これによれば、芯材1の中央部においてセンサ5の精度の良い位置決めが容易となる。ひいては、芯材1の最大温度をより正確に監視することができるようになる。
【0030】
孔部1cは、芯材1の軸中心上に形成され、芯材1の一端1aで円形に開口する。孔部1cの孔径は、センサ5を孔部1cに設置しうる大きさに設定される。なお、芯材1は、円柱状に形成されてから部分的にくり貫かれることによって孔部1cを有する形状とされてもよいし、予め孔部1cを有する形状に形成されてもよい。
【0031】
貫通孔3cは、孔部1cと同軸上で同形状に開口するように、第一キャップ3の板部3bに貫設される。貫通孔3cは、第一キャップ3が芯材1に取り付けられた状態では、芯材1の孔部1cと連通する。センサ5は、貫通孔3cを通じて芯材1の孔部1cに挿入される。また、センサ5の配線14は、貫通孔3cを通じて抵抗器10の外部に引き出される。
【0032】
さらに、本実施形態の抵抗器10は、抵抗器10の温度をより正確に監視するために、巻線2の螺旋のピッチが一定ではなく、軸方向に異なって設けられる。ピッチとは、巻線2に沿って芯材1の外周を一回転したときに、芯材1の軸方向に進む距離(すなわち、抵抗器10を径方向外側から見たときに、隣り合う巻線2の間隔)を意味する。具体的には、巻線2は、軸方向(芯材1の軸方向)の中央部におけるピッチが、両端部におけるピッチよりも狭くされている。すなわち、巻線2のピッチは、センサ5に近い部位ほど狭くなるように形成されている。なお、図2及び図3では、抵抗器10の構成をわかりやすくするために、巻線2の巻き数を少なくしてピッチを大きく示している。
【0033】
図2に示すように、抵抗器10は、横長なケース11に収容された状態で電気回路20上に設けられる。抵抗器10は、ケース11の内部に設置された後、図示しない絶縁材(例えば不燃性絶縁塗料)がケース11に流し込まれて固化することにより、ケース11の内部に固定される。また、センサ5は、ケース11に流し込まれた絶縁材が第一キャップ3の貫通孔3cを通じて芯材1の孔部1cに流れ込んで固化することにより、芯材1の内部に固定される。
【0034】
[2.作用,効果]
(1)上述の抵抗器10は、センサ5が芯材1の孔部1cに内蔵されるため、抵抗器10の周辺環境の影響を受けることなくセンサ5によって芯材1の内部の温度をダイレクトに検出することができる。つまり、抵抗器10の周辺にセンサを設けて温度を監視する場合と比べて、センサ5が抵抗器10の使用環境の影響を受けなくなることから、抵抗器10の温度を精度よく検出することができる。したがって、上述の抵抗器10によれば、温度を正確に監視することができる。これにより、例えば上述のように、抵抗器10の温度が所定値以上となったらプリチャージスイッチ53をオフに制御するように構成することで、抵抗器10の異常発熱を防止して抵抗器10を保護することができる。
【0035】
また、上述の抵抗器10は、センサ5によって芯材1の内部の温度を直接的に検出するため、抵抗器10の温度を推定するための制御構成や、高応答センサが不要となる。このため、上述の抵抗器10によればコストを抑制することができる。さらに、上述の抵抗器10は、センサ5で温度を正確に監視することができるため、温度ヒューズが不要となる。また、温度ヒューズのような交換も不要となるため、これによってもコストを抑制することができる。また、芯材1に穿設された孔部1cにセンサ5を設置することによって、センサ5を芯材1に容易に内蔵させることができる。
【0036】
(2)上述の抵抗器10では、センサ5が芯材1の軸方向の中央部に内蔵される。芯材1の軸方向の中央部は、巻線2の通電中、他部に比べて温度が高くなりやすい部位である。つまり、上述のセンサ5は、芯材1において温度が最も高くなりやすい部位に内蔵される。そのため、上述の抵抗器10によれば、芯材1における最大温度をセンサ5で監視することができる。これにより、例えば上述のように、センサ5で検出された温度が所定値以上となったらプリチャージスイッチ53をオフに制御するように構成することで、抵抗器10の異常発熱をより確実に防止し、抵抗器10を保護することができる。
【0037】
また、上述の抵抗器10では、孔部1cが芯材1の軸方向の一端1aから中央部まで穿設される。このように孔部1cの底部(壁面1d)が芯材1の軸方向の中央部に設けられることにより、センサ5を孔部1cの壁面1dに当接させることで、センサ5を芯材1の軸方向の中央部に精度よく位置決めすることができる。そのため、芯材1の最大温度をより正確に監視することができる。
【0038】
(3)上述の抵抗器10では、巻線2が、センサ5に近い部位ほどその螺旋のピッチが狭くされるため、芯材1はセンサ5に近い部位ほど発熱量が大きくなる。これにより、センサ5は芯材1の温度上昇をより敏感に検出することができる。そのため、例えば上述のように、センサ5で検出された抵抗器10の温度が所定値以上となったらプリチャージスイッチ53をオフに制御するように構成することで、抵抗器10の異常発熱をより確実に、且つ、いち早く防止して抵抗器10を保護することができる。
【0039】
(4)上述の抵抗器10では、芯材1の一端1aを覆う第一キャップ3に、芯材1の孔部1cと連通する貫通孔3cが設けられる。そのため、第一キャップ3が芯材1に取り付けられた状態でも、貫通孔3cを通じてセンサ5を孔部1cに容易に挿入することができる。また、例えば上述のように絶縁材を用いて抵抗器10を固定する場合に、この絶縁材が貫通孔3cを通じて孔部1cに流入するため、抵抗器10を固定するのと同時にセンサ5をも固定することができる。さらに、貫通孔3cを利用してセンサ5の配線14を抵抗器10の外部に容易に引き出すことができる。
【0040】
[3.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
【0041】
上述の実施形態では、抵抗器10が車両に設けられたプリチャージ抵抗器である場合を例示したが、抵抗器10の用途はこれに限定されない。抵抗器10は、例えば、家電製品やIT通信機器などに設けられるものであってもよいし、プリチャージ以外の用途で使用されるものであってもよい。何れの用途であっても、上述の抵抗器10によれば上述と同様の作用,効果を得ることができる。
【0042】
また、上述の実施形態で示した巻線2は、抵抗器10に設けられる抵抗体の一例である。抵抗器10に設けられる抵抗体は、少なくとも導体で形成されて芯材1の外周に設けられ、通電可能なものであればよく、例えば金属皮膜であってもよい。すなわち、上述のセンサ5を芯材1に内蔵する構造は、巻線2を備えた巻線抵抗器に限らず、芯材1の両端部に電極を設けてこれら一対の電極間に金属皮膜が設けられてなる金属皮膜抵抗器にも適用可能である。
【0043】
また、上述の実施形態では、センサ5が芯材1の軸方向の中央部であって、軸中心上に内蔵される場合を例示したが、センサ5の位置はこれに限定されない。センサ5は、少なくとも芯材1に内蔵されていれば上述のように芯材1の内部の温度を直接的に検出することができる。したがって、抵抗器10の温度を正確に監視することができる。
【0044】
また、上述の実施形態で示したキャップ3,4を省略し、巻線2の両端2a,2bと端子12,13とを直接的に接続してもよい。すなわち上述のキャップ3,4は抵抗器10に必須の構成ではない。
また、上述の実施形態で示した巻線2の形状は一例であり、そのピッチや巻き数は、適宜設定されうる。なお、図2及び図3では、芯材1の軸方向の中央部においても、隣接する巻線2(抵抗器10を径方向外側から見たときに、隣り合う巻線2)が離間する(接触しない)場合を示したが、巻線2の形状はこれに限定されるものではなく、隣接する巻線同士を接触させてもよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、孔部1cが芯材1の軸方向の一端1aから中央部まで穿設される場合を例示したが、孔部1cは少なくともセンサ5を内蔵することができる形状であればよく、上述の形状のものに限定されない。また、上述の実施形態では、芯材1に設けられた孔部1cの底部(壁面1d)を平坦としたが、これを図4に示すような形状に変更してもよい。すなわち、孔部1cの底部に窪みKを設けて、その窪みKの内部に図中二点鎖線で示すセンサ5の一部が収容されるように変更してもよい。窪みKの位置によってセンサ5の位置を設定することができる。また、窪みKの大きさや深さによって窪みKに収容されるセンサ5の割合を変更することができる。このように窪みKを設けることで、センサ5を芯材1の軸方向の中央部により一層精度よく位置決めすることが可能となり、ひいては、芯材1の最大温度をより正確に監視することが容易となる。
【符号の説明】
【0046】
1 芯材
1a 一端
1c 孔部
1d 壁面(底部)
2 巻線(抵抗体)
5 センサ
10 抵抗器
図1
図2
図3
図4