特開2016-225558(P2016-225558A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-225558(P2016-225558A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】プリント配線板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/40 20060101AFI20161205BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   H05K3/40 E
   H05K1/11 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-112837(P2015-112837)
(22)【出願日】2015年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 勉
【テーマコード(参考)】
5E317
【Fターム(参考)】
5E317AA24
5E317BB02
5E317BB11
5E317CC22
5E317CC31
5E317CC32
5E317CC33
5E317CD27
5E317CD32
5E317GG14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】貫通孔の最大径を小さくすることができ、スルーホール導体を高密度に有するプリント配線板を得る。
【解決手段】コア基板4の第1の樹脂絶縁層2A上に第1のフィルム5Aが積層され、第2の樹脂絶縁層2B上に第2のフィルム5Bが積層される工程と;第1のフィルムにレーザ光が照射されてコア基板の第1面から第2面に向けて第1の開口部6Aが形成され、第2のフィルムにレーザ光が照射されてコア基板の第2面から第1面に向けて第2の開口部6Bが形成されることで、コア基板に第1の開口部と第2の開口部とからなる貫通孔7が形成される工程と;第1の樹脂絶縁層から第1のフィルムが除去され、第2の樹脂絶縁層から第2のフィルムが除去される工程と;コア基板の第1面に第1の導体層8Aが形成され、第2面に第2の導体層8Bが形成され、貫通孔内に第1の導体層と第2の導体層とを接続するスルーホール導体9が形成される工程と;を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア基板の両面の導体層を接続するスルーホール導体を備えるプリント配線板の製造方法であって:
絶縁基板と絶縁基板を挟む第1および第2の樹脂絶縁層とからなり、第1面とこの第1面とは反対側の第2面とを有するコア基板が準備される工程と;
前記コア基板の第1の樹脂絶縁層上に第1のフィルムが積層されるとともに、前記コア基板の第2の樹脂絶縁層上に第2のフィルムが積層される工程と;
前記第1のフィルムにレーザ光が照射されて前記コア基板の第1面から第2面に向けて第1の開口部が形成されるとともに、前記第2のフィルムにレーザ光が照射されて前記コア基板の第2面から第1面に向けて第2の開口部が形成されることにより、前記コア基板に第1の開口部と第2の開口部とからなる貫通孔が形成される工程と;
前記第1の樹脂絶縁層から前記第1のフィルムが除去されるとともに、前記第2の樹脂絶縁層から前記第2のフィルムが除去される工程と;
前記コア基板の第1面に第1の導体層が形成されるとともに、前記コア基板の第2面に第2の導体層が形成され、前記貫通孔に前記第1の導体層と前記第2の導体層とを接続するスルーホール導体が形成される工程と;
を備えている。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線板の製造方法であって、前記第1のフィルムおよび第2のフィルムが、PETフィルム、PENフィルムなどのポリエステルフィルムから構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プリント配線板の製造方法を開示している。そして、特許文献1のプリント配線板の製造方法によれば、先ず、図3(a)に示されるように、絶縁基板51と絶縁基板51を挟む樹脂絶縁層52A、52Bとからなるコア基板53が準備される。次に、図3(b)に示されるように、コア基板53の両面に形成されている樹脂絶縁層52A、52Bのうち樹脂絶縁層52Aにレーザ光Lが直接照射されて開口部54Aが形成され、次に、図3(c)に示されるように、樹脂絶縁層52A、52Bのうち樹脂絶縁層52Bにレーザ光Lが直接照射されて開口部54Bが形成され、これによりコア基板53に、スルーホール導体を設けるための貫通孔54が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−205069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示された製造方法では、樹脂絶縁層52A、52Bにレーザ光Lが直接照射されているので、図3(c)に示されるように、樹脂絶縁層52A、52Bに形成される貫通孔54の開口部54A、54Bの形状がそれぞれ、表面に近いほど径が大きくなる円錐台形状であって側壁の傾斜角が比較的緩いものとなる。そのため、貫通孔54の最大径ひいてはスルーホール導体の最大径が大きくなるので、スルーホール導体を高密度に有するプリント配線板を提供できなかった。
【0005】
本発明の目的は、貫通孔の最大径を小さくすることができ、スルーホール導体を高密度に有するプリント配線板を得ることができるプリント配線板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプリント配線板の製造方法は、コア基板の両面の導体層を接続するスルーホール導体を備えるプリント配線板の製造方法であって:絶縁基板と絶縁基板を挟む第1および第2の樹脂絶縁層とからなり、第1面とこの第1面とは反対側の第2面とを有するコア基板が準備される工程と;前記コア基板の第1の樹脂絶縁層上に第1のフィルムが積層されるとともに、前記コア基板の第2の樹脂絶縁層上に第2のフィルムが積層される工程と;前記第1のフィルムにレーザ光が照射されて前記コア基板の第1面から第2面に向けて第1の開口部が形成されるとともに、前記第2のフィルムにレーザ光が照射されて前記コア基板の第2面から第1面に向けて第2の開口部が形成されることにより、前記コア基板に第1の開口部と第2の開口部とからなる貫通孔が形成される工程と;前記第1の樹脂絶縁層から前記第1のフィルムが除去されるとともに、前記第2の樹脂絶縁層から前記第2のフィルムが除去される工程と;前記コア基板の第1面に第1の導体層が形成されるとともに、前記コア基板の第2面に第2の導体層が形成され、前記貫通孔に前記第1の導体層と前記第2の導体層とを接続するスルーホール導体が形成される工程と;を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(a)〜(f)は、本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態を工程順に示す図である。
図2】(a)〜(f)は、本発明のプリント配線板の製造方法の他の一実施形態を工程順に示す図である。
図3】(a)〜(c)は、従来のプリント配線板の製造方法の一例を工程順に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のプリント配線板の製造方法の実施形態が図面に基づいて説明される。図1(a)〜(f)は、本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態を工程順に示す図である。
【0009】
本実施形態のプリント配線板の製造方法では、先ず、コア基板準備工程が行われ、このコア基板準備工程では、図1(a)に示されるように、絶縁基板1と、この絶縁基板1を挟む第1の樹脂絶縁層2Aおよび第2の樹脂絶縁層2Bとからなり、第1の樹脂絶縁層2A上の第1面3Aとこの第1面3Aとは反対側の、第2の樹脂絶縁層2B上の第2面3Bとを有するコア基板4が準備される。
【0010】
絶縁基板1と第1の樹脂絶縁層2Aおよび第2の樹脂絶縁層2Bとは、加熱プレスなどの方法で接合されることが好ましい。絶縁基板1は補強剤と樹脂とから構成されることが好ましく、その厚みは例えば0.2〜0.8mmであることが好ましい。補強材としては、例えばガラスクロス、アラミド繊維、ガラス繊維などを用いることができる。樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂などを用いることができる。第1および第2の樹脂絶縁層2A、2Bとしては、例えば商品名:BF−45SH(味の素社製)のフィルムを用いることができる。
【0011】
次に、フィルム積層工程が行われ、このフィルム積層工程では、図1(b)に示されるように、コア基板1の第1の樹脂絶縁層2A上に第1のフィルム5Aが積層されるとともに、コア基板1の第2の樹脂絶縁層2Bの上に第2のフィルム5Bが積層される。第1のフィルム5Aおよび第2のフィルム5Bは、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムなどのポリエステルフィルムから構成されていることが好ましい。
【0012】
次に、貫通孔形成工程が行われ、この貫通孔形成工程では、先ず、図1(c)に示されるように、第1のフィルム5Aの所定の位置にレーザ光Lが照射されることにより、コア基板1の第1面3Aから第2面3Bに向けて第1の開口部6Aが形成される。次いで、図1(d)に示されるように、第1のフィルム5Aの第1の開口部6Aが形成された位置に対応する第2のフィルム5Bの位置にレーザ光Lが照射されることにより、コア基板1の第2面3Bから第1面3Aに向けて第2の開口部6Bが形成される。これによりコア基板1に、第1の開口部6Aと第2の開口部6Bとからなる貫通孔7が形成される。レーザ光Lの光源としては、例えばCOガスレーザを好適に使用することができる。
【0013】
この貫通孔形成工程では、第1のフィルム5Aまたは第2のフィルム5Bを介してレーザ光Lが照射されるため、コア基板1の第1の樹脂絶縁層2Aおよび絶縁基板1を貫通する第1の開口部6Aおよびコア基板1の第2の樹脂絶縁層2Bおよび絶縁基板1を貫通する第2の開口部6Bのそれぞれは、側壁が傾斜せずに実質的に垂直に立ち、略直線状の形状となる。そのため、貫通孔7の最小径を従来と同程度に確保しつつ貫通孔7の最大径を従来よりも小さくすることができる。
【0014】
次に、フィルム除去工程が行われ、このフィルム除去工程では、図1(e)に示されるように、第1の樹脂絶縁層2Aから第1のフィルム5Aが除去されるとともに、第2の樹脂絶縁層2Bから第2のフィルム5Bが除去される。第1のフィルム5Aおよび第2のフィルム5Bの除去の方法としては、例えば手で剥がす他、エッチングなどの従来から公知のいかなる方法をも用いることができる。
【0015】
最後に、導体層形成工程が行われ、この導体層形成工程では、図1(f)に示されるように、コア基板1の第1面3Aに配線パターンを含む第1の導体層8Aが形成されるとともに、コア基板1の第2面3Bに配線パターンを含む第2の導体層8Bが形成され、貫通孔7内に、第1の導体層8Aと第2の導体層8Bとを接続するスルーホール導体9が形成される。
【0016】
第1の導体層8A、第2の導体層8Bおよびスルーホール導体9の形成には、例えば無電解めっき膜上への電解めっきの他、無電解めっきや導電性樹脂の充填などの従来から公知のいかなる方法をも用いることができる。
【0017】
この実施形態のプリント配線板の製造方法によれば、貫通孔7の最大径を従来よりも小さくすることができるので、第1および第2の導体層8A,8Bに接続するスルーホール導体9の最大径を小さくでき、スルーホール導体を高密度に有するプリント配線板を得ることができる。
【0018】
図2(a)〜(f)は、本発明のプリント配線板の製造方法の他の一実施形態を工程順に示す図である。
【0019】
本実施形態のプリント配線板の製造方法でも、先ず、コア基板準備工程が行われ、このコア基板準備工程では、図2(a)に示されるように、絶縁基板1と、この絶縁基板1を挟む第1の樹脂絶縁層2Aおよび第2の樹脂絶縁層2Bとからなり、第1の樹脂絶縁層2A上の第1面3Aとこの第1面3Aとは反対側の、第2の樹脂絶縁層2B上の第2面3Bとを有するコア基板4が準備される。
【0020】
絶縁基板1と第1の樹脂絶縁層2Aおよび第2の樹脂絶縁層2Bとは、加熱プレスなどの方法で接合されることが好ましい。絶縁基板1は補強剤と樹脂とから構成されることが好ましく、その厚みは例えば0.2〜0.8mmであることが好ましい。補強材としては、例えばガラスクロス、アラミド繊維、ガラス繊維などを用いることができる。樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂などを用いることができる。第1および第2の樹脂絶縁層2A、2Bとしては、例えば商品名:BF−45SH(味の素社製)のフィルムを用いることができる。
【0021】
次に、フィルム積層工程が行われ、このフィルム積層工程では、図2(b)に示されるように、コア基板1の第1の樹脂絶縁層2A上に第1のフィルム5Aが積層されるとともに、コア基板1の第2の樹脂絶縁層2Bの上に第2のフィルム5Bが積層される。第1のフィルム5Aおよび第2のフィルム5Bは、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムなどのポリエステルフィルムから構成されていることが好ましい。
【0022】
次に、貫通孔形成工程が行われ、この貫通孔形成工程では、先ず、図2(c)に示されるように、第1のフィルム5Aの所定の位置にレーザ光Lが照射されることにより、コア基板1の第1面3Aから第2面3Bに向けて第1の開口部6Aが形成される。次いで、図2(d)に示されるように、第1のフィルム5Aの第1の開口部6Aが形成された位置に対応する第2のフィルム5Bの位置にレーザ光Lが照射されることにより、コア基板1の第2面3Bから第1面3Aに向けて第2の開口部6Bが形成される。これによりコア基板1に、第1の開口部6Aと第2の開口部6Bとからなる貫通孔7が形成される。レーザ光Lの光源としては、例えばCOガスレーザを好適に使用することができる。
【0023】
この貫通孔形成工程では、第1のフィルム5Aまたは第2のフィルム5Bを介してレーザ光Lが照射されるため、コア基板1の第1の樹脂絶縁層2Aおよび絶縁基板1を貫通する第1の開口部6Aおよびコア基板1の第2の樹脂絶縁層2Bおよび絶縁基板1を貫通する第2の開口部6Bのそれぞれは、側壁の傾斜角が図3に示される開口部54A,54Bより急になり、細い円錐状の形状となる。そのため、貫通孔7は図3に示される従来のものより細い鼓状となり、貫通孔7の最小径を従来と同程度に確保しつつ貫通孔7の最大径を従来よりも小さくすることができる。
【0024】
次に、フィルム除去工程が行われ、このフィルム除去工程では、図2(e)に示されるように、第1の樹脂絶縁層2Aから第1のフィルム5Aが除去されるとともに、第2の樹脂絶縁層2Bから第2のフィルム5Bが除去される。第1のフィルム5Aおよび第2のフィルム5Bの除去の方法としては、例えば手で剥がす他、エッチングなどの従来から公知のいかなる方法をも用いることができる。
【0025】
最後に、導体層形成工程が行われ、この導体層形成工程では、図2(f)に示されるように、コア基板1の第1面3Aに配線パターンを含む第1の導体層8Aが形成されるとともに、コア基板1の第2面3Bに配線パターンを含む第2の導体層8Bが形成され、貫通孔7内に、第1の導体層8Aと第2の導体層8Bとを接続するスルーホール導体9が形成される。
【0026】
第1の導体層8A、第2の導体層8Bおよびスルーホール導体9の形成には、例えば無電解めっき膜上への電解めっきの他、無電解めっきや導電性樹脂の充填などの従来から公知のいかなる方法をも用いることができる。
【0027】
この実施形態のプリント配線板の製造方法によっても、貫通孔7の最大径を従来よりも小さくすることができるので、第1および第2の導体層8A,8Bに接続するスルーホール導体9の最大径を小さくでき、スルーホール導体を高密度に有するプリント配線板を得ることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 絶縁基板
2A 第1の樹脂絶縁層
2B 第2の樹脂絶縁層
3A 第1面
3B 第2面
4 コア基板
5A 第1のフィルム
5B 第2のフィルム
6A 第1の開口部
6B 第2の開口部
7 貫通孔
8A 第1の導体層
8B 第2の導体層
9 スルーホール導体
L レーザ光
図1
図2
図3