【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲイン係数生成装置は、ユーザによって設定され、又は予め設定されたハイパスフィルタのカットオフ周波数fcの値およびスロープの絶対値を示すslpの値に基づいて、基本ゲイン係数yb(n)と暫定重み係数wb(n)とを算出する基本ゲイン係数生成手段と、前記暫定重み係数wb(n)と、前記slpとに基づいて、重み係数w(n)を算出する重み係数生成手段と、前記基本ゲイン係数yb(n)より前記重み係数w(n)を減算することにより、ハイパスフィルタ用のゲイン係数yH(n)を算出するゲイン係数合成手段とを有し、
前記基本ゲイン係数生成手段は、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc未満の場合に、
wb(n)=−log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出すると共に、
yb(n)=slp×wb(n)
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出し、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc以上の場合に、
wb(n)=log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出すると共に、
yb(n)=0
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出し、
前記重み係数生成手段は、
前記slp=0の場合に、w(n)=0 として前記重み係数w(n)を算出し、
前記slp≠0の場合に、前記重み係数w(n)の算出過程において求められる値をw1(n)およびw2(n)とした上で、
w1(n)=10
wb(n)/20
w2(n)=w1(n)
slp×4.5/3 ・・・(1)
w(n)=w2(n)×3 ・・・(2)
に基づいて前記重み係数w(n)を算出し、
前記nは、前記ゲイン係数を用いた音響処理の対象となる音響信号の周波数帯域における0Hz以外のポイント数(1,2,・・・・)を示すことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るゲイン係数生成装置は、ユーザによって設定され、又は予め設定されたローパスフィルタのカットオフ周波数fcの値およびスロープの絶対値を示すslpの値に基づいて、基本ゲイン係数yb(n)と暫定重み係数wb(n)とを算出する基本ゲイン係数生成手段と、前記暫定重み係数wb(n)と、前記slpとに基づいて、重み係数w(n)を算出する重み係数生成手段と、前記基本ゲイン係数yb(n)より前記重み係数w(n)を減算することにより、ローパスフィルタ用のゲイン係数yL(n)を算出するゲイン係数合成手段とを有し、
前記基本ゲイン係数生成手段は、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc未満の場合に、
wb(n)=−log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出すると共に、
yb(n)=0
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出し、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc以上の場合に、
wb(n)=log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出すると共に、
yb(n)=slp×wb(n)
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出し、
前記重み係数生成手段は、
前記slp=0の場合に、w(n)=0 として前記重み係数w(n)を算出し、
前記slp≠0の場合に、前記重み係数w(n)の算出過程において求められる値をw1(n)およびw2(n)とした上で、
w1(n)=10
wb(n)/20
w2(n)=w1(n)
slp×4.5/3 ・・・(1)
w(n)=w2(n)×3 ・・・(2)
に基づいて前記重み係数w(n)を算出し、
前記nは、前記ゲイン係数を用いた音響処理の対象となる音響信号の周波数帯域における0Hz以外のポイント数(1,2,・・・・)を示すことを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明に係るゲイン係数生成方法は、ユーザによって設定され、又は予め設定されたハイパスフィルタのカットオフ周波数fcの値およびスロープの絶対値を示すslpの値に基づいて、基本ゲイン係数生成手段が、基本ゲイン係数yb(n)と暫定重み係数wb(n)とを算出する基本ゲイン係数生成ステップと、前記暫定重み係数wb(n)と、前記slpとに基づいて、重み係数生成手段が、重み係数w(n)を算出する重み係数生成ステップと、前記基本ゲイン係数yb(n)より前記重み係数w(n)を減算することにより、ゲイン係数合成手段が、ハイパスフィルタ用のゲイン係数yH(n)を算出するゲイン係数合成ステップとを有し、
前記基本ゲイン係数生成ステップにおいて、前記基本ゲイン係数生成手段は、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc未満の場合に、
wb(n)=−log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出すると共に、
yb(n)=slp×wb(n)
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出し、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc以上の場合に、
wb(n)=log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出すると共に、
yb(n)=0
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出し、
前記重み係数生成ステップにおいて、前記重み係数生成手段は、
前記slp=0の場合に、w(n)=0 として前記重み係数w(n)を算出し、
前記slp≠0の場合に、前記重み係数w(n)の算出過程において求められる値をw1(n)およびw2(n)とした上で、
w1(n)=10
wb(n)/20
w2(n)=w1(n)
slp×4.5/3 ・・・(1)
w(n)=w2(n)×3 ・・・(2)
に基づいて前記重み係数w(n)を算出し、
前記nは、前記ゲイン係数を用いた音響処理の対象となる音響信号の周波数帯域における0Hz以外のポイント数(1.2.・・・・)を示すことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るゲイン係数生成方法は、ユーザによって設定され、又は予め設定されたローパスフィルタのカットオフ周波数fcの値およびスロープの絶対値を示すslpの値に基づいて、基本ゲイン係数生成手段が、基本ゲイン係数yb(n)と暫定重み係数wb(n)とを算出する基本ゲイン係数生成ステップと、前記暫定重み係数wb(n)と、前記slpとに基づいて、重み係数生成手段が、重み係数w(n)を算出する重み係数生成ステップと、前記基本ゲイン係数yb(n)より前記重み係数w(n)を減算することにより、ゲイン係数合成手段が、ローパスフィルタ用のゲイン係数yL(n)を算出するゲイン係数合成ステップとを有し、
前記基本ゲイン係数生成ステップにおいて、前記基本ゲイン係数生成手段は、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc未満の場合に、
wb(n)=−log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出すると共に、
yb(n)=0
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出し、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc以上の場合に、
wb(n)=log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出すると共に、
yb(n)=slp×wb(n)
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出し、
前記重み係数生成ステップにおいて、前記重み係数生成手段は、
前記slp=0の場合に、w(n)=0 として前記重み係数w(n)を算出し、
前記slp≠0の場合に、前記重み係数w(n)の算出過程において求められる値をw1(n)およびw2(n)とした上で、
w1(n)=10
wb(n)/20
w2(n)=w1(n)
slp×4.5/3 ・・・(1)
w(n)=w2(n)×3 ・・・(2)
に基づいて前記重み係数w(n)を算出し、
前記nは、前記ゲイン係数を用いた音響処理の対象となる音響信号の周波数帯域における0Hz以外のポイント数(1,2,・・・・)を示すことを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係るゲイン係数生成プログラムは、周波数領域において音響信号に対して乗算処理を行うことにより、前記音響信号に音響処理を行うためのゲイン係数を算出するゲイン係数生成装置の制御部に、ユーザによって設定され、又は予め設定されたハイパスフィルタのカットオフ周波数fcの値およびスロープの絶対値を示すslpの値に基づいて、基本ゲイン係数yb(n)と暫定重み係数wb(n)とを算出させる基本ゲイン係数生成機能と、前記暫定重み係数wb(n)と、前記slpとに基づいて、重み係数w(n)を算出させる重み係数生成機能と、前記基本ゲイン係数yb(n)より前記重み係数w(n)を減算することにより、ハイパスフィルタ用のゲイン係数yH(n)を算出させるゲイン係数合成機能とを実現させるためのゲイン係数生成プログラムであって、
前記基本ゲイン係数生成機能において、前記制御部に対し、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc未満の場合に、
wb(n)=−log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出させると共に、
yb(n)=slp×wb(n)
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出させ、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc以上の場合に、
wb(n)=log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出させると共に、
yb(n)=0
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出させ、
前記重み係数生成機能において、前記制御部に対し、
前記slp=0の場合に、w(n)=0 として前記重み係数w(n)を算出させ、
前記slp≠0の場合に、前記重み係数w(n)の算出過程において求められる値をw1(n)およびw2(n)とした上で、
w1(n)=10
wb(n)/20
w2(n)=w1(n)
slp×4.5/3 ・・・(1)
w(n)=w2(n)×3 ・・・(2)
に基づいて前記重み係数w(n)を算出させ、
前記nは、前記ゲイン係数を用いた音響処理の対象となる音響信号の周波数帯域における0Hz以外のポイント数(1.2.・・・・)を示すことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係るゲイン係数生成プログラムは、周波数領域において音響信号に対して乗算処理を行うことにより、前記音響信号に音響処理を行うためのゲイン係数を算出するゲイン係数生成装置の制御部に、ユーザによって設定され、又は予め設定されたローパスフィルタのカットオフ周波数fcの値およびスロープの絶対値を示すslpの値に基づいて、基本ゲイン係数yb(n)と暫定重み係数wb(n)とを算出させる基本ゲイン係数生成機能と、前記暫定重み係数wb(n)と、前記slpとに基づいて、重み係数w(n)を算出させる重み係数生成機能と、前記基本ゲイン係数yb(n)より前記重み係数w(n)を減算することにより、ローパスフィルタ用のゲイン係数yL(n)を算出させるゲイン係数合成機能とを実現させるためのゲイン係数生成プログラムであって、
前記基本ゲイン係数生成機能において、前記制御部に対し、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc未満の場合に、
wb(n)=−log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出させると共に、
yb(n)=0
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出させ、
周波数f(n)が前記カットオフ周波数fc以上の場合に、
wb(n)=log
2(f(n)/fc)
に基づいて前記暫定重み係数wb(n)を算出させると共に、
yb(n)=slp×wb(n)
に基づいて前記基本ゲイン係数yb(n)を算出させ、
前記重み係数生成機能において、前記制御部に対し、
前記slp=0の場合に、w(n)=0 として前記重み係数w(n)を算出させ、
前記slp≠0の場合に、前記重み係数w(n)の算出過程において求められる値をw1(n)およびw2(n)とした上で、
w1(n)=10
wb(n)/20
w2(n)=w1(n)
slp×4.5/3 ・・・(1)
w(n)=w2(n)×3 ・・・(2)
に基づいて前記重み係数w(n)を算出させ、
前記nは、前記ゲイン係数を用いた音響処理の対象となる音響信号の周波数帯域における0Hz以外のポイント数(1,2,・・・・)を示すことを特徴とする。
【0020】
本発明に係るゲイン係数生成装置、ゲイン係数生成方法およびゲイン係数生成プログラムでは、ユーザによって予め設定等されたカットオフ周波数fcの値およびスロープの絶対値を示すslpの値に基づいて、ゲイン係数を算出することができる。より詳細には、基本ゲイン係数生成手段、重み係数生成手段およびゲイン係数合成手段が、ユーザにより予め設定等されたカットオフ周波数fcとスロープの絶対値slpとに則したフィルタと等価な周波数特性を備えたゲイン係数を、四則演算および指数・対数演算により生成することが可能となる。
【0021】
このため、従来のフィルタ処理のように、予め複数のフィルタ係数をメモリ等に記憶する必要がなくなり、大容量のメモリ等を用意する必要がなくなる。また、IIRフィルタのフィルタ係数からFIRフィルタのフィルタ係数へと変換する処理など、種々の処理を行う必要がなくなるため、各処理における様々なライブラリ等が必要なくなると共に、処理の簡素化と処理負担の軽減を図ることが可能になる。
【0022】
上述したゲイン係数生成装置は、前記ゲイン係数合成手段により算出されたハイパスフィルタ用の前記ゲイン係数yH(n)に基づいて、ローパスフィルタ用のゲイン係数yL(n)を算出するゲイン係数算出手段を有し、該ゲイン係数算出手段は、前記ゲイン係数yL(n)の算出過程において求められる値をyL_linear(n)とした上で、
yL_linear(n)=1−10
yH(n)/20
yL(n)=20×log
10(yL_linear(n))
に基づいてローパスフィルタ用の前記ゲイン係数yL(n)を算出するものであってもよい。
【0023】
また、上述したゲイン係数生成装置は、前記ゲイン係数合成手段により算出されたローパスフィルタ用の前記ゲイン係数yL(n)に基づいて、ハイパスフィルタ用のゲイン係数yH(n)を算出するゲイン係数算出手段を有し、該ゲイン係数算出手段は、前記ゲイン係数yH(n)の算出過程において求められる値をyH_linear(n)とした上で、
yH_linear(n)=1−10
yL(n)/20
yH(n)=20×log
10(yH_linear(n))
に基づいてハイパスフィルタ用の前記ゲイン係数yH(n)を算出するものであってもよい。
【0024】
さらに、上述したゲイン係数生成方法は、前記ゲイン係数合成ステップにおいて算出されたハイパスフィルタ用の前記ゲイン係数yH(n)に基づいて、ゲイン係数算出手段が、ローパスフィルタ用のゲイン係数yL(n)を算出するゲイン係数算出ステップを有し、該ゲイン係数算出ステップにおいて、前記ゲイン係数算出手段は、前記ゲイン係数yL(n)の算出過程において求められる値をyL_linear(n)とした上で、
yL_linear(n)=1−10
yH(n)/20
yL(n)=20×log
10(yL_linear(n))
に基づいてローパスフィルタ用の前記ゲイン係数yL(n)を算出するものであってもよい。
【0025】
また、上述したゲイン係数生成方法は、前記ゲイン係数合成ステップにおいて算出されたローパスフィルタ用の前記ゲイン係数yL(n)に基づいて、ゲイン係数算出手段が、ハイパスフィルタ用のゲイン係数yH(n)を算出するゲイン係数算出ステップを有し、該ゲイン係数算出ステップにおいて前記ゲイン係数算出手段は、前記ゲイン係数yH(n)の算出過程において求められる値をyH_linear(n)とした上で、
yH_linear(n)=1−10
yL(n)/20
yH(n)=20×log
10(yH_linear(n))
に基づいてハイパスフィルタ用の前記ゲイン係数yH(n)を算出するものであってもよい。
【0026】
さらに、上述したゲイン係数生成プログラムは、前記ゲイン係数合成機能において算出されたハイパスフィルタ用の前記ゲイン係数yH(n)に基づいて、前記制御部に、ローパスフィルタ用のゲイン係数yL(n)を算出させるゲイン係数算出機能を有し、該ゲイン係数算出機能において、前記制御部に、前記ゲイン係数yL(n)の算出過程において求められる値をyL_linear(n)とした上で、
yL_linear(n)=1−10
yH(n)/20
yL(n)=20×log
10(yL_linear(n))
に基づいてローパスフィルタ用の前記ゲイン係数yL(n)を算出させるものであってもよい。
【0027】
また、上述したゲイン係数生成プログラムは、前記ゲイン係数合成機能において算出されたローパスフィルタ用の前記ゲイン係数yL(n)に基づいて、前記制御部に、ハイパスフィルタ用のゲイン係数yH(n)を算出させるゲイン係数算出機能を有し、該ゲイン係数算出機能において、前記制御部に、前記ゲイン係数yH(n)の算出過程において求められる値をyH_linear(n)とした上で、
yH_linear(n)=1−10
yL(n)/20
yH(n)=20×log
10(yH_linear(n))
に基づいてハイパスフィルタ用の前記ゲイン係数yH(n)を算出させるものであってもよい。
【0028】
また、本発明に係るゲイン係数生成装置、ゲイン係数生成方法およびゲイン係数生成プログラムでは、ハイパスフィルタに係るゲイン係数あるいはローパスフィルタに係るゲイン係数の一方を四則演算等により算出した後に、周波数領域において信号レベルがフラットな信号の周波数特性からゲイン係数における周波数特性を減算することにより、他方(ローパスフィルタあるいはハイパスフィルタ)のゲイン係数を求めることを特徴としている。このため、四則演算等により算出されたゲイン係数と、求められた他方のゲイン係数とを用いてクロスオーバー処理を行っても、クロスオーバー処理が行われた周波数におけるピークの発生を抑制することができる。
【0029】
さらに、上述したゲイン係数生成装置において、前記重み係数生成手段は、前記slp≠0の場合に、ユーザによって設定され、又は予め設定された減衰量の絶対値を示すattを用い、前記w2(n)および前記重み係数w(n)を求めるための式(1)および式(2)に換えて、
w2(n)=w1(n)
slp×4.5/att
w(n)=w2(n)×att
に基づいて前記重み係数w(n)を算出するものであってもよい。
【0030】
また、上述したゲイン係数生成方法は、前記重み係数生成ステップにおいて、前記重み係数生成手段が、前記slp≠0の場合に、ユーザによって設定され、又は予め設定された減衰量の絶対値を示すattを用い、前記w2(n)および前記重み係数w(n)を求めるための式(1)および式(2)に換えて、
w2(n)=w1(n)
slp×4.5/att
w(n)=w2(n)×att
に基づいて前記重み係数w(n)を算出するものであってもよい。
【0031】
さらに、上述したゲイン係数生成プログラムは、前記重み係数生成機能において、前記制御部に対し、前記slp≠0の場合に、ユーザによって設定され、又は予め設定された減衰量の絶対値を示すattを用い、前記w2(n)および前記重み係数w(n)を求めるための式(1)および式(2)に換えて、
w2(n)=w1(n)
slp×4.5/att
w(n)=w2(n)×att
に基づいて前記重み係数w(n)を算出させるものであってもよい。
【0032】
また、本発明に係るゲイン係数生成装置、ゲイン係数生成方法およびゲイン係数生成プログラムでは、バタワースフィルタにおいて通常|−3|[dB]である減衰量を、減衰量の絶対値を示すattを用いて、|−3|[dB]以外の値を設定することによって、通常の減衰量である|−3|[dB]以外の値からなる減衰量を備えたフィルタと等価な周波数特性を備えたゲイン係数を生成することが可能となる。
【0033】
例えば、リンクウィッツ・ライリーフィルタ(Linkwitz-Riley filter)のように、減衰量が|−6|[dB]となる場合には、フィルタの段数を2段にする必要が生ずるが、attを|−6|dBに設定することにより、段数を1段のままで減衰量を|−6|[dB]とするフィルタと等価な周波数特性を備えたゲイン係数を生成することが可能となる。
【0034】
このように、本発明に係るゲイン係数生成装置、ゲイン係数生成方法およびゲイン係数生成プログラムでは、ユーザが予め設定等したカットオフ周波数fcの値とスロープの絶対値slpとを特性として備えるフィルタと等価であって、さらにattとして設定された減衰量を特性として有するフィルタと等価な周波数特性のゲイン係数を、容易に算出することが可能になる。