【解決手段】TCP最適化装置100の輻輳判定機能部は、通信品質情報Bに基づいて、移動局200及び基地局300の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する。基地局算出機能部は、輻輳判定機能部により輻輳が生じていると判定されたとき、移動局収容情報Aに基づいて、注目移動局の収容セル及び隣接セルをセル情報として算出する。基地局制御機能部は、注目基地局200及び隣接基地局300に対応する基地局情報Cを収集し、収集した基地局情報Cに基づいて、注目基地局300又は隣接基地局300が移動局200に送信する際の電波強度をオペレーションシステム400により制御するための制御信号を生成する。送信部は、制御信号をオペレーションシステム400に送信する。
移動局と、前記移動局との間で通信を行う基地局と、前記基地局を制御するオペレーションシステムと、前記移動局、前記基地局および前記オペレーションシステムに接続された通信最適化装置とを有する通信システムであって、
前記通信最適化装置は、
前記移動局が収容されているセルである収容セル、および前記収容セルに隣接するセルである隣接セルの情報を含む移動局収容情報とを、前記移動局から受信するとともに、前記移動局および前記基地局の間の通信品質に関する通信品質情報と、前記基地局が前記移動局に送信する際の電波強度に関する情報を含む基地局情報を前記基地局から受信する受信部と、
前記通信品質情報に基づいて、前記移動局および前記基地局の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する輻輳判定機能部と、
前記輻輳判定機能部により輻輳が生じていると判定されたとき、前記移動局収容情報に基づいて、前記輻輳が生じている移動局である注目移動局の前記収容セルおよび前記隣接セルをセル情報として算出する基地局算出機能部と、
前記基地局算出機能部により算出された前記セル情報に含まれる前記収容セルおよび前記隣接セルに配置された基地局である注目基地局および隣接基地局に対応する前記基地局情報を収集し、収集した基地局情報に基づいて、前記注目基地局または前記隣接基地局が前記移動局に送信する際の電波強度を前記オペレーションシステムにより制御するための制御信号を生成する基地局制御機能部と、
前記基地局制御機能部により生成された前記制御信号を前記オペレーションシステムに送信する送信部とを備えた通信システム。
移動局と、前記移動局との間で通信を行う基地局と、前記基地局を制御するオペレーションシステムとに接続された通信最適化装置の通信最適化を制御するプログラムであって、
前記移動局が収容されているセルである収容セル、および前記収容セルに隣接するセルである隣接セルの情報を含む移動局収容情報とを、前記移動局から受信するとともに、前記移動局および前記基地局の間の通信品質に関する通信品質情報と、前記基地局が前記移動局に送信する際の電波強度に関する情報を含む基地局情報を前記基地局から受信する受信ステップと、
前記通信品質情報に基づいて、前記移動局および前記基地局の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する輻輳判定ステップと、
前記輻輳判定ステップで輻輳が生じていると判定されたとき、前記移動局収容情報に基づいて、前記輻輳が生じている移動局である注目移動局の前記収容セルおよび前記隣接セルをセル情報として算出する基地局算出ステップと、
前記基地局算出ステップにより算出された前記セル情報に含まれる前記収容セルおよび前記隣接セルに配置された基地局である注目基地局および隣接基地局に対応する前記基地局情報を収集し、前記基地局情報に基づいて、前記注目基地局または前記隣接基地局が前記移動局に送信する際の電波強度を前記オペレーションシステムにより制御するための制御信号を生成する基地局制御ステップと、
前記基地局制御ステップにより生成された前記制御信号を前記オペレーションシステムに送信する送信ステップとを含む処理をコンピュータに行わせる通信最適化プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態>
本発明の実施の形態におけるTCP最適化装置100の構成について説明する。まず、説明の便宜上、TCP最適化装置100を含む通信システム1000の構成を説明してから、TCP最適化装置100の構成を詳しく説明する。なお、TCP最適化装置100は、本発明の通信最適化装置に対応する。
【0013】
図1は、TCP最適化装置100の構成を示すブロック図である。
図2は、通信システム1000の構成を示すブロック図である。
【0014】
図2に示されるように、通信システム1000は、TCP最適化装置100と、複数の移動局200と、複数の基地局300と、オペレーションシステム400とを備えている。TCP最適化装置100は、Media Optimizerとも呼ばれる。なお、日本全国には、複数のセルが設定されており、複数の基地局300の各々は、各セルに配置されている。複数の移動局200は、基地局300が配置された複数のセルのいずれかに配置され、互いに隣接するセル間を移動することもある。なお、
図2では、便宜上、1つの基地局300と、この基地局200が配置されたセル内に配置された1つの移動局200が示されている。
【0015】
図2に示されるように、TCP最適化装置100は、基地局300に、コア通信網500を介して、有線または無線により、通信接続されている。また、TCP最適化装置100は、移動局200に、コア通信網500および基地局300を介して、有線または無線により、通信接続されている。さらに、TCP最適化装置100は、オペレーションシステム400に、有線または無線により、通信接続されている。また、TCP最適化装置100は、オペレーションシステム400を介して、基地局300に、有線または無線により、通信接続されている。また、TCP最適化装置100は、インターネット600にも有線また無線により通信接続されている。
【0016】
TCP最適化装置100は、移動局収容情報Aを、基地局300およびコア通信網500を介して、移動局200から受信する。この移動局収容情報Aとは、収容セルと、収容セルに隣接するセルである隣接セルの情報を含む情報である。収容セルとは、移動局200が収容されているセルである。
【0017】
TCP最適化装置100は、通信品質情報Bを、コア通信網500を介して、基地局200から受信する。通信品質情報Bは、移動局200および基地局300の間の通信品質に関する情報である。通信品質情報Bは、たとえば、移動局200および基地局300の間の通信のスループットや遅延時間に関する情報である。
【0018】
TCP最適化装置100は、基地局情報Cを、オペレーションシステム40を介して、基地局300から受信する。基地局情報Cとは、基地局300が移動局200に送信する際の電波強度に関する情報を含む情報である。TCP最適化装置100は、全国基地局位置情報Dをオペレーションシステム400から受信する。全国基地局位置情報Dとは、日本全国中の基地局300の位置(たとえば、経度および緯度)に関する情報である。
【0019】
図2に示されるように、移動局200は、基地局300に、有線または無線により通信接続されている。また、移動局200は、基地局300およびコア通信網500を介して、TCP最適化装置100に通信接続されている。移動局200は、基地局300を介して、オペレーションシステム400に通信接続されている。
【0020】
移動局200は、前述の移動局収容情報Aを、基地局300およびコア通信網500を介して、TCP最適化装置100へ送信する。
【0021】
図2に示されるように、基地局300は、移動局200に、有線または無線により通信接続されている。また、基地局300は、コア通信網500を介して、TCP最適化装置100に通信接続されている。さらに、基地局300は、オペレーションシステム400に、有線または無線により通信接続されている。基地局300は、オペレーションシステム400を介して、TCP最適化装置100に通信接続されている。各基地局300は、所定のセルに配置され、移動局200との間で通信を行う。
【0022】
基地局300は、前述の通信品質情報Bを、TCP最適化装置100へ送信する。また、基地局300は、基地局情報Cを、オペレーションシステム400を介して、TCP最適化装置100へ送信する。
【0023】
図2に示されるように、オペレーションシステム400は、基地局300に、有線または無線により通信接続されている。また、オペレーションシステム400は、TCP最適化装置100に、有線または無線により通信接続されている。オペレーションシステム400は、前述の基地局情報C等に基づいて、基地局300を制御する。
【0024】
オペレーションシステム400は、基地局300から基地局情報Cを受信して、この基地局情報CをTCP最適化装置100へ送信する。また、オペレーションシステム400は、前述の全国基地局位置情報DをTCP最適化装置100へ送信する。
【0025】
図2に示されるように、コア通信網500は、基地局300およびTCP最適化装置100の間を、有線または無線により通信接続する。
【0026】
図2に示されるように、インターネット600は、TCP最適化装置100に、有線または無線により通信接続されている。
【0027】
つぎに、TCP最適化装置100の構成について、
図1を用いて詳しく説明する。
【0028】
図1に示されるように、TCP最適化装置100は、OPS(Open Profiling Standard)インターフェイス機能部110と、輻輳判定機能部120と、基地局算出機能部130と、基地局制御機能部140と、基地局情報記憶部150と、全国基地局位置情報記憶部160とを備えている。
【0029】
図1に示されるように、OPSインターフェイス機能部110は、基地局制御機能部140に接続されている。OPSインターフェイス機能部110は、移動局200、基地局300、オペレーションシステム400およびインターネット600との間で、情報通信を行う。インターフェイス機能部110は、受信部111と、送信部112とを備えている。
【0030】
受信部111は、前述の移動局収容情報Aを、移動局200から受信する。より具体的には、受信部111は、移動局収容情報Aを、基地局300およびコア通信網500を介して、移動局200から受信する。
【0031】
また、受信部111は、通信品質情報Bおよび基地局情報Cを、基地局300から受信する。より具体的には、受信部111は、通信品質情報Bを、コア通信網500を介して、基地局300から受信する。また、受信部111は、基地局情報Cを、オペレーションシステム400を介して、基地局300から受信する。
【0032】
送信部112は、基地局制御機能部130により生成される後述の制御信号をオペレーションシステム400に送信する。
【0033】
図1に示されるように、輻輳判定機能部120は、基地局算出機能部130に接続されている。輻輳判定機能部120は、前述の通信品質情報Aに基づいて、移動局200および基地局300の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する。
【0034】
図1に示されるように、基地局算出機能部130は、輻輳判定機能部120、基地局制御機能部140、基地局情報記憶部150および全国基地局位置情報記憶部160に、接続されている。輻輳判定機能部120により輻輳が生じている判定されたとき、基地局算出機能部130は、前述の移動局収容情報Aに基づいて、輻輳が生じている移動局200である注目移動局の収容セルおよび隣接セルを、セル情報として算出する。
【0035】
図1に示されるように、基地局制御機能部140は、OPSインターフェイス機能部110、基地局算出機能部130、基地局情報記憶部150および全国基地局位置情報記憶部160に、接続されている。基地局制御機能部140は、注目基地局および隣接基地局に対応する基地局情報Cを収集する。なお、注目基地局は、基地局算出機能部130により算出されたセル情報に含まれる収容セルを有する基地局300である。隣接基地局は、基地局算出機能部130により算出されたセル情報に含まれる隣接セルを有する基地局300である。そして、基地局制御機能部140は、基地局情報Cに基づいて、制御信号を生成する。この制御信号は、注目基地局300または隣接基地局300が移動局200に送信する際の電波強度をオペレーションシステム400により制御するための信号である。より具体的には、制御信号には、注目基地局300が、当該注目基地局300が配置されたセル内に配置された移動局200に送信する際の電波強度を、オペレーションシステム400により制御するための信号、または、隣接基地局300が、当該隣接基地局300が配置されたセル内に配置された移動局200に送信する際の電波強度を、オペレーションシステム400により制御するための信号が、含まれている。
【0036】
図1に示されるように、基地局情報記憶部150は、基地局算出機能部130、基地局制御機能部140および全国基地局位置情報記憶部160に、接続されている。基地局情報記憶部150には、前述の基地局情報Cが記憶されている。たとえば、TCP最適化装置100が起動された時に、受信部111が基地局情報Cを基地局300から受信する。なお、受信部111が基地局情報Cを基地局300から定期的に受信してもよい。OPSインターフェイス機能部110は、受信部111により受信された基地局情報Cを、基地局制御機能部140を介して、基地局情報記憶部150へ入力する。これにより、基地局情報Cが、基地局情報記憶部150に記憶される。
【0037】
図1に示されるように、全国基地局位置情報記憶部160は、基地局算出機能部130、基地局制御機能部140および基地局情報記憶部150に、接続されている。全国基地局位置情報記憶部160には、前述の全国基地局位置情報Dが保存されている。たとえば、TCP最適化装置100を起動された時に、受信部111が全国基地局位置情報Dを基地局300から受信する。なお、受信部111が全国基地局位置情報Dを基地局300から定期的に受信してもよい。OPSインターフェイス機能部110は、受信部111により受信された全国基地局位置情報Dを、基地局制御機能部140を介して、全国基地局位置情報記憶部160へ入力する。これにより、全国基地局位置情報Dが、全国基地局位置情報記憶部160に保存される。
【0038】
以上、TCP最適化装置100および通信システム1000の構成について説明した。
【0039】
次に、通信システム1000の動作について説明する。
図3は、通信システム1000の動作フローを示す図である。
【0040】
図3に示されるように、まず、TCP最適化装置100が起動されると、TCP最適化装置100は、オペレーションシステム400から、全国基地局位置情報Dを取得する(ステップ(STEP:以下、STとする)1)。より具体的には、TCP最適化装置100が起動されると、TCP最適化装置100の受信部111が、オペレーションシステム400から、全国基地局位置情報Dを受信する。そして、OPSインターフェイス機能部110は、受信部111により受信された全国基地局位置情報Dを、基地局制御機能部140を介して、全国基地局位置情報記憶部160へ入力する。これにより、全国基地局位置情報Dが、全国基地局位置情報記憶部160に保存される。
【0041】
次に、移動局200は、インターネット通信を実施する(ST2)。より具体的には、移動局200は、基地局200、コア通信網500およびTCP最適化装置100を介して、インターネット600に接続する。これにより、移動局200は、インターネット通信を行える。
【0042】
次に、TCP最適化装置100は、通信品質情報Bを取得する(ST3)。より具体的には、受信部111が、通信品質情報Bを、基地局300から受信する。すなわち、受信部111は、通信品質情報Bを、コア通信網500を介して、基地局300から受信する。なお、前述の通り、通信品質情報Bは、たとえば、移動局200および基地局300の間の通信のスループットや遅延時間に関する情報である。
【0043】
TCP最適化装置100は、移動局200および基地局300の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する(ST4)。より具体的には、TCP最適化装置100の輻輳判定機能部120が、前述の通信品質情報Bに基づいて、移動局200および基地局300の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する。これにより、移動局200および基地局300の間の通信品質が劣化しているか否かを判断できる。
【0044】
移動局200および基地局300の間の通信に輻輳が生じていると、輻輳判定機能部120により、判定された場合(ST4、YES)、TCP最適化装置100はST5の処理を行う。
【0045】
一方、移動局200および基地局300の間の通信に輻輳が生じていると、輻輳判定機能部120により、判定された場合(ST4、NO)、TCP最適化装置100はST3の処理を再び行う。
【0046】
次に、基地局制御部100は、注目移動局(輻輳が生じている移動局)の収容セル、およびこの収容セルに隣接する隣接セルをセル情報として算出する(ST5)。より具体的には、輻輳判定機能部120により輻輳が生じていると判定されたとき、基地局制御部100の基地局算出機能部140が、移動局収容情報Aに基づいて、輻輳が生じている移動局である注目移動局の収容セルおよび隣接セルをセル情報として算出する。なお、前述の通り、移動局収容情報Aとは、収容セルと、収容セルに隣接するセルである隣接セルの情報を含む情報である。収容セルとは、基地局300の複数のセルの中で移動局200が収容されているセルである。
【0047】
TCP最適化装置100は、注目基地局200に対応する基地局情報Cを収集する(ST6)。注目基地局200は、前述の通り、基地局算出機能部140により算出されたセル情報に含まれる収容セルを有する基地局200である。より具体的には、受信部111が、注目基地局200に対応する基地局情報Cを、オペレーションシステム400を介して、基地局300から受信する。OPSインターフェイス機能部110は、注目基地局200に対応する基地局情報Cを、基地局制御機能部140に入力する。これにより、基地局制御機能部140は、注目基地局200に対応する基地局情報Cを収集することができる。
【0048】
次に、TCP最適化装置100は、隣接基地局200に対応する基地局情報Cを収集する(ST6)。隣接基地局200は、前述の通り、基地局算出機能部140により算出されたセル情報に含まれる隣接セルを有する基地局200である。より具体的には、受信部111が、隣接基地局200に対応する基地局情報Cを、オペレーションシステム400を介して、基地局300から受信する。OPSインターフェイス機能部110は、隣接基地局200に対応する基地局情報Cを、基地局制御機能部140に入力する。これにより、基地局制御機能部140は、隣接基地局300に対応する基地局情報Cを収集することができる。
【0049】
次に、TCP最適化装置100は、注目基地局300および隣接基地局300に対応する基地局情報Cに基づいて、制御信号を生成する(ST8)。より具体的には、TCP最適化装置100の基地局制御機能部140が、注目基地局300および隣接基地局300に対応する基地局情報Cに基づいて、制御信号を生成する。この制御信号は、前述の通り、注目基地局200または隣接基地局200が移動局300に送信する際の電波強度をオペレーションシステム400により制御するための信号である。制御信号は、たとえば、注目基地局200または隣接基地局200が移動局300に送信する際の電波強度を大きくするように、オペレーションシステム400により制御するための信号である。なお、この制御信号は、注目基地局200および隣接基地局200の双方が移動局300に送信する際の電波強度をオペレーションシステム400により制御するための信号であってもよい。
【0050】
TCP最適化装置100は、基地局制御機能部により生成された制御信号をオペレーションシステム400に送信する(ST9)。より具体的には、TCP最適化装置100の送信部が、基地局制御機能部により生成された制御信号をオペレーションシステム400に送信する。そして、オペレーションシステム400は、制御信号に基づいて、基地局を制御する。
【0051】
なお、TCP最適化装置100が起動し、移動局200がインターネット通信を実施している限り、ST3〜ST9の処理を繰り返す。
【0052】
以上の通り、本発明の実施の形態におけるTCP最適化装置100(通信最適化装置)は、移動局200と、移動局200との間で通信を行う基地局300と、基地局300を制御するオペレーションシステム400とに接続された装置である。
【0053】
TCP最適化装置100は、受信部111と、輻輳判定機能部120と、基地局算出機能部130と、基地局制御機能部140と、送信部112とを備えている。
【0054】
受信部111は、移動局収容情報Aを前記移動局から受信するとともに、通信品質情報Bと基地局情報Cを基地局から受信する。移動局収容情報Aは、移動局200が収容されているセルである収容セル、および収容セルに隣接するセルである隣接セルの情報を含む。通信品質情報Bは、移動局200および基地局300の間の通信品質に関する情報である。基地局情報Cは、基地局300が移動局200に送信する際の電波強度に関する情報である。
【0055】
輻輳判定機能部120は、通信品質情報Bに基づいて、移動局200および基地局300の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する。
【0056】
基地局算出機能部130は、輻輳判定機能部120により輻輳が生じていると判定されたとき、移動局収容情報Aに基づいて、輻輳が生じている移動局である注目移動局の収容セルおよび隣接セルをセル情報として算出する。
【0057】
基地局制御機能部140は、注目基地局200および隣接基地局300に対応する基地局情報Cを収集し、収集した基地局情報Cに基づいて、制御信号を生成する。注目基地局200は、基地局算出機能部130により算出されたセル情報に含まれる収容セルに配置された基地局である。隣接基地局300は、基地局算出機能部130により算出されたセル情報に含まれる隣接セルに配置された基地局である。制御信号は、注目基地局300または隣接基地局300が移動局200に送信する際の電波強度をオペレーションシステム400により制御するための信号である。
【0058】
送信部112は、基地局制御機能部140により生成された制御信号をオペレーションシステム400に送信する。
【0059】
このように、輻輳判定機能部120は、通信品質情報Bに基づいて、移動局200および基地局300の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する。また、基地局算出機能部130は、輻輳判定機能部120により輻輳が生じていると判定されたとき、移動局収容情報Aに基づいて、輻輳が生じている移動局である注目移動局の収容セルおよび隣接セルをセル情報として算出する。また、基地局制御機能部140は、注目基地局200および隣接基地局300に対応する基地局情報Cを収集し、収集した基地局情報Cに基づいて、制御信号を生成する。そして、送信部112は、基地局制御機能部140により生成された制御信号をオペレーションシステム400に送信する。したがって、TCP最適化装置100は、通信品質情報B、移動局収容情報Aおよび基地局情報Cを常時取得し、これらの情報に従って、注目基地局300または隣接基地局300が移動局200に送信する際の電波強度をオペレーションシステム400により制御するための制御信号を生成し、オペレーションシステム400に送信する。この結果、TCP最適化装置100によれば、移動局200および基地局300の間の通信品質の変化に応じて、リアルタイムに基地局300を制御することができる。
【0060】
これに対して、背景技術で説明した通信システムでは、電波強度の改善を定期的に行っていた。TCP最適化装置100では、通信品質情報B、移動局収容情報Aおよび基地局情報Cを常時取得しているので、背景技術で説明した通信システムと比較して、より精度よく、リアルタイムに基地局300を制御することができる。
【0061】
また、本発明の実施の形態における通信システム1000は、移動局200と、基地局300と、オペレーションシステム400と、TCP最適化装置(通信最適化装置)100とを有する。基地局300は、移動局200との間で通信を行う。オペレーションシステム400は、基地局300を制御する。TCP最適化装置100は、移動局200、基地局300およびオペレーションシステム400に接続されている。
【0062】
TCP最適化装置100は、受信部111と、輻輳判定機能部120と、基地局算出機能部130と、基地局制御機能部140と、送信部112とを備えている。
【0063】
受信部111は、移動局収容情報Aを前記移動局から受信するとともに、通信品質情報Bと基地局情報Cを基地局から受信する。移動局収容情報Aは、移動局200が収容されているセルである収容セル、および収容セルに隣接するセルである隣接セルの情報を含む。通信品質情報Bは、移動局200および基地局300の間の通信品質に関する情報である。基地局情報Cは、基地局300が移動局200に送信する際の電波強度に関する情報である。
【0064】
輻輳判定機能部120は、通信品質情報Bに基づいて、移動局200および基地局300の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する。
【0065】
基地局算出機能部130は、輻輳判定機能部120により輻輳が生じていると判定されたとき、移動局収容情報Aに基づいて、輻輳が生じている移動局である注目移動局の収容セルおよび隣接セルをセル情報として算出する。
【0066】
基地局制御機能部140は、注目基地局200および隣接基地局300に対応する前記基地局情報を収集し、収集した基地局情報Cに基づいて、制御信号を生成する。注目基地局200は、基地局算出機能部130により算出されたセル情報に含まれる収容セルに配置された基地局である。隣接基地局300は、基地局算出機能部130により算出されたセル情報に含まれる隣接セルに配置された基地局である。制御信号は、注目基地局300または隣接基地局300が移動局200に送信する際の電波強度をオペレーションシステム400により制御するための信号である。
【0067】
送信部112は、基地局制御機能部140により生成された制御信号をオペレーションシステム400に送信する。
【0068】
このような通信システム1000であっても、前述したTCP最適化装置100の効果と同様の効果を奏する。
【0069】
また、本発明の実施の形態における通信最適化制御方法は、移動局200と、移動局200との間で通信を行う基地局300と、基地局300を制御するオペレーションシステム400とに接続されたTCP最低化装置(通信最適化装置)100の通信最適化制御方法である。通信最適化制御方法は、受信ステップと、輻輳判定ステップと、基地局算出ステップと、基地局制御ステップと、送信ステップとを含んでいる。
【0070】
受信ステップでは、移動局収容情報Aを前記移動局から受信するとともに、通信品質情報Bと基地局情報Cを基地局から受信する。移動局収容情報A、通信品質情報Bおよび基地局情報Cは、前述の通りである。
【0071】
輻輳判定ステップでは、通信品質情報Bに基づいて、移動局200および基地局300の間の通信に輻輳が生じているか否かを判定する。
【0072】
基地局算出ステップでは、輻輳判定ステップで輻輳が生じていると判定されたとき、移動局収容情報Aに基づいて、輻輳が生じている移動局である注目移動局の収容セルおよび隣接セルをセル情報として算出する。
【0073】
基地局制御ステップでは、注目基地局200および隣接基地局300に対応する前記基地局情報を収集し、収集した基地局情報Cに基づいて、制御信号を生成する。注目基地局200は、基地局算出ステップにより算出されたセル情報に含まれる収容セルに配置された基地局である。隣接基地局300は、基地局算出ステップにより算出されたセル情報に含まれる隣接セルに配置された基地局である。制御信号は、注目基地局300または隣接基地局300が移動局200に送信する際の電波強度をオペレーションシステム400により制御するための信号である。
【0074】
送信ステップでは、基地局制御ステップにより生成された制御信号をオペレーションシステム400に送信する。
【0075】
このような通信最適化制御方法であっても、前述したTCP最適化装置100の効果と同様の効果を奏する。
【0076】
また、本発明の実施の形態における通信最適化プログラムは、移動局200と、移動局200との間で通信を行う基地局300と、基地局300を制御するオペレーションシステム400とに接続されたTCP最低化装置(通信最適化装置)100の通信最適化を制御するプログラムである。通信最適化プログラムは、上述の受信ステップと、輻輳判定ステップと、基地局算出ステップと、基地局制御ステップと、送信ステップとを含む処理をコンピュータに行わせる。
【0077】
このような通信最適化プログラムであっても、前述したTCP最適化装置100の効果と同様の効果を奏する。
【0078】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述各実施の形態に対して、さまざまな変更、増減、組合せを加えてもよい。これらの変更、増減、組合せが加えられた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。