特開2016-226136(P2016-226136A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2016226136-火力発電プラント 図000003
  • 特開2016226136-火力発電プラント 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-226136(P2016-226136A)
(43)【公開日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】火力発電プラント
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/18 20060101AFI20161205BHJP
   F03B 3/12 20060101ALI20161205BHJP
   F03B 17/06 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   H02K7/18 Z
   F03B3/12
   F03B17/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-109332(P2015-109332)
(22)【出願日】2015年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】那須 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】菅原 信孝
【テーマコード(参考)】
3H072
3H074
5H607
【Fターム(参考)】
3H072AA12
3H072BB02
3H072BB31
3H072CC31
3H072CC71
3H074AA12
3H074BB09
3H074CC11
5H607BB02
5H607CC01
5H607CC07
5H607DD19
5H607FF27
(57)【要約】
【課題】配管を流れる流体を計測する流体計測装置に電源を供給するための電源ケーブルが不要な火力発電プラントを提供する。
【解決手段】内部を流体が流れる配管7と、配管7の内部に設けられた回転部材9と、配管7の外部に設けられ、回転部材9と直接接続した発電機10と、発電機10に接続され、発電機10から電力が供給されて、流体の圧力、温度、及び流量のうち少なくとも1つを計測する計測装置12とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を流体が流れる配管と、
前記配管の内部に設けられた回転部材と、
前記配管の外部に設けられ、前記回転部材と直接接続した発電機と、
前記発電機に接続され、前記発電機から電力が供給されて、前記流体の圧力、温度、及び流量のうち少なくとも1つを計測する計測装置と、
を備えることを特徴とする火力発電プラント。
【請求項2】
前記回転部材と前記発電機とは、回転軸で互いに接続され、
前記回転軸は、前記回転部材が回転すると回転し、
前記発電機は、前記回転軸が回転すると発電する、
請求項1に記載の火力発電プラント。
【請求項3】
前記回転部材は、ダリウス式とサボニウス式とを組み合わせた水車又は風車である、
請求項1に記載の火力発電プラント。
【請求項4】
前記配管の外部に設けられ、前記発電機及び前記計測装置と直接接続したバッテリーをさらに備え、
前記バッテリーは、前記発電機から電力が供給され、
前記計測装置は、前記バッテリーから電力が供給される、
請求項1に記載の火力発電プラント。
【請求項5】
前記回転軸は、前記配管を貫通して前記回転部材と前記発電機とを接続し、
前記配管の前記回転軸の貫通部には、メカニカルシールが設けられている、
請求項2に記載の火力発電プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電プラントに関し、より詳細には、配管の内部を流れる流体を計測する計測装置を備える火力発電プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
配管内を流れる流体のエネルギーを無駄にすることなく電気エネルギーに変える試みが以前からなされている。例えば、特許文献1には、水道管に接続したノズルの内部に渦巻状羽根が取付けられ、ノズルを流れる水道水の圧力を利用する発電機が記載されている。特許文献2には、水の流れる配管内に水流で発電する発電機を組み込んだ配管継手が記載されている。特許文献3には、配管内を流れる流体の運動エネルギーを回転運動に変換する翼車によって駆動される発電機を備える流体計測装置と、配管内を流れる流体の圧力エネルギーによって変位運動する駆動体の変位運動を回転運動に変換するクランク機構で駆動される発電機を備える流体計測装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−037036号公報
【特許文献2】特開2002−266742号公報
【特許文献3】特開8−122109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、火力発電プラントにおける配管には圧力計測装置、温度計測装置、及び流量計測装置等の流体を計測する装置(以下、「流体計測装置」と呼ぶ)が設けられており、流体計測装置により配管の内部を流れる流体の圧力、温度、及び流量等が計測される。従来、流体計測装置は、電源ケーブルが接続され、外部電源装置から電源ケーブルを通して電源が供給されて動作する。このため、従来の火力発電プラントでは、流体計測装置の動作用に電源ケーブルを敷設しなければならず、電源ケーブルを敷設するスペースの確保、電源ケーブルの購入、及び電源ケーブルの敷設工事等が必要であり、流体計測装置の設置に時間とコストがかかるという課題がある。また、高所と狭隘部には電源ケーブルの敷設が容易でないため、電源ケーブルの敷設を考慮すると、従来の火力発電プラントでは流体計測装置の配置に空間的な制約が生じるという課題もある。
【0005】
本発明の目的は、配管を流れる流体を計測する流体計測装置に電源を供給するための電源ケーブルが不要な火力発電プラントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による火力発電プラントは、内部を流体が流れる配管と、前記配管の内部に設けられた回転部材と、前記配管の外部に設けられ、前記回転部材と直接接続した発電機と、前記発電機に接続され、前記発電機から電力が供給されて、前記流体の圧力、温度、及び流量のうち少なくとも1つを計測する計測装置とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配管を流れる流体を計測する流体計測装置に電源を供給するための電源ケーブルが不要な火力発電プラントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例による火力発電プラントの概略構成を示した模式図。
図2】配管に設けられた水車と発電機を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明による火力発電プラントは、内部を流体が流れる配管と、配管を流れる流体を計測する流体計測装置(流体の圧力、温度、及び流量のうち少なくとも1つを計測する装置)と、配管の内部に設けられた回転部材と、回転部材に接続された発電機を備える。回転部材と発電機は、配管の内部を流れる流体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。流体計測装置は、電源ケーブルを使用することなく発電機に接続され、発電機から動作用の電源が供給される。
【0010】
本発明による火力発電プラントは、配管に設けられた流体計測装置に電源を供給する電源ケーブルを敷設する必要がなく、電源ケーブルの敷設スペース、電源ケーブルの購入、及び電源ケーブルの敷設工事が不要なので、流体計測装置の設置にかかる時間とコストを低減することができる。また、本発明による火力発電プラントは、電源ケーブルの敷設を考慮せずに流体計測装置を配置できるので、電源ケーブルの敷設が容易でない高所と狭隘部にも流体計測装置を設置することができ、このような場所に設置された流体計測装置にも容易に電源を供給できる。
【0011】
以下に、本発明の実施例による火力発電プラントについて、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施例による火力発電プラントの概略構成を示した模式図である。図1には、一例として汽力発電プラントを示している。
【0013】
汽力発電プラントは、ボイラ1、タービン2、発電機3、及び復水器4を備える。ボイラ1は、水を熱して気化させ、蒸気を発生させる。ボイラ1で発生した蒸気は、配管6を通ってタービン2に達する。タービン2は、蒸気によって回転する。発電機3は、タービン2と同軸に連結され、タービン2の回転力が伝播されて発電する。復水器4は、タービン2を通った蒸気を水に凝縮する。復水器4で凝縮された水は、配管7からポンプ5、配管8を経由して、再びボイラ1に戻り、循環する。
【0014】
配管6は、ボイラ1とタービン2を接続し、配管7は、復水器4とポンプ5を接続し、配管8は、ポンプ5とボイラ1を接続する。配管6は、内部を蒸気が流れる気体配管であり、配管7、8は、内部を水が流れる水系配管である。
【0015】
配管7の内部には、回転部材として水車9が設けられ、配管7の外部には、発電機10、バッテリー11、及び流体計測装置12が設けられる。水車9には、発電機10が直接接続される。発電機10には、バッテリー11が直接接続される。バッテリー11には、流体計測装置12が直接接続される。水車9、発電機10、バッテリー11、及び流体計測装置12の接続には電源ケーブルを用いず、水車9は発電機10と、発電機10はバッテリー11と、バッテリー11は流体計測装置12と、それぞれ互いに直結される。これらの装置の直結方法(装置間の電気の授受方法)は、任意である。
【0016】
流体計測装置12は、配管7の内部を流れる流体を計測する装置であり、例えば、圧力計測装置、温度計測装置、又は流量計測装置である。圧力計測装置は流体の圧力を計測し、温度計測装置は流体の温度を計測し、流量計測装置は流体の流量を計測する。流体計測装置12は、流体の圧力、温度、及び流量のうちいずれか1つを計測する装置でもよいが、これらのうち少なくとも1つを計測する装置でもよい。
【0017】
水車9は、配管7の内部を流れる水の運動エネルギーによって回転する。発電機10は、水車9の回転による運動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電し、発電した電力をバッテリー11へ供給する。バッテリー11は、発電機10から供給された電力を蓄え、直結する流体計測装置12に蓄えた電力を供給する。流体計測装置12は、バッテリー11から供給された電力で動作し、配管7の内部を流れる水の圧力、温度、及び流量のうち少なくとも1つを計測する。バッテリー11を設けることにより、発電機10が発電した電力を流体計測装置12に安定して供給することができる。
【0018】
このようにして、流体計測装置12は、動作用電源を水車9の運動エネルギーから得ることができる。流体計測装置12に動作用電源を供給するのに外部電源装置(流体計測装置12から離れた場所に設置された電源装置)を使わないため、流体計測装置12は、外部電源装置と接続するための電源ケーブルが不要である。従って、本発明による火力発電プラントでは、電源ケーブルの敷設が不要であり、電源ケーブルの敷設スペース、電源ケーブルの購入、及び電源ケーブルの敷設工事も全て不要である。また、本発明による火力発電プラントでは、電源ケーブルが不要であるため、電源ケーブルの敷設が容易でない高所と狭隘部にも流体計測装置12を設置することができ、従来の火力発電プラントでは電源の供給が容易でなかったこのような場所に設置された流体計測装置12にも、容易に電源を供給できる。
【0019】
図2は、配管7に設けられた水車9と発電機10を示す図である。図2では、バッテリー11と流体計測装置12を省略している。本実施例では、水車9は、ダリウス式の水車とサボニウス式の水車とを組み合わせたダリウス・サボニウス式の水車である。水車9と発電機10は、回転軸23で互いに接続されている。回転軸23は、配管7を貫通して水車9と発電機10とを直接接続する。配管7の回転軸23の貫通部には、メカニカルシール24が設けられており、この貫通部から配管7の外部へ水が漏洩するのを防止する。
【0020】
ダリウス・サボニウス式の水車には、次のような利点がある。1つは、低速(小さい運動エネルギー)で回転することができる点である。もう1つは、流体の流れに対して垂直に回転軸を設置できるため、装置を簡素化できる点である。流体の流れに対して平行に回転軸を設置するタイプの水車では、配管7の内部に発電機を設置する必要があり、発電機のシール性や発電機とバッテリーとの接続方法等、検討事項が増えることが懸念される。
【0021】
水車9が配管7の内部の水流によって回転すると、回転軸23が回転する。回転軸23が回転すると、水車9の回転力が発電機10に伝播する。発電機10は、回転軸23によって伝播した水車9の回転力により発電する。
【0022】
図1を用いて説明したように、発電機10は、発電した電力を直結するバッテリー11へ供給し、バッテリー11は、直結する流体計測装置12に電力を供給する。流体計測装置12は、バッテリー11から供給された電力で動作する。このようにして、流体計測装置12は、電源ケーブルを使用せずに接続された発電機10から、動作用の電源が供給される。
【0023】
本実施例では、回転部材(水車9)が設けられた配管7として水系配管を例に挙げた。本発明は、回転部材が設けられた配管が水系配管の場合だけでなく、蒸気又は空気が流れる気体配管の場合にも適用可能である。この場合には、配管の内部に設けられた回転部材として、水車9の代わりに風車を用いる。なお、本実施例では、水車9としてダリウス・サボニウス式の水車を例に挙げたが、回転部材として用いる水車と風車は、ダリウス・サボニウス式に限らず、他の形式のものを用いてもよい。
【0024】
また、本実施例では火力発電プラントとして汽力発電プラントを例に挙げたが、本発明は、ガスタービン発電とコンバインドサイクル発電にも適用できる。さらに、本発明は、原子力発電等にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0025】
1…ボイラ、2…タービン、3…発電機、4…復水器、5…ポンプ、6、7、8…配管、9…水車、10…発電機、11…バッテリー、12…流体計測装置、23…回転軸、24…メカニカルシール。
図1
図2