(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-2394(P2016-2394A)
(43)【公開日】2016年1月12日
(54)【発明の名称】ゴルフボール
(51)【国際特許分類】
A63B 43/04 20060101AFI20151208BHJP
A63B 37/00 20060101ALI20151208BHJP
【FI】
A63B43/04
A63B37/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-125936(P2014-125936)
(22)【出願日】2014年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】512318590
【氏名又は名称】システムセーリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】山田 昌夫
(57)【要約】 (修正有)
【課題】強風が吹いたり、傾斜の大きいグリーン上に乗ったりしたような場合であっても、容易には動くことが無いゴルフボールを提供する。
【解決手段】ゴルフボール1は、通常のゴルフボールよりも密度の低いゴルフボールであって、球状のボール本体2と、ボール本体の内部で、且つ中心部から離れた位置に設けられた重り3とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常のゴルフボールよりも密度の低いゴルフボールであって、
球状のボール本体と、
前記ボール本体の内部で、且つ中心部から離れた位置に設けられた重りと、
を備えることを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
前記重りは、前記ボール本体の外表面から前記中心部に向けて埋め込まれている、
ことを特徴とする請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項3】
前記重りは、前記ボール本体の密度よりも高い密度の物質である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフボール。
【請求項4】
前記重りは、金属製のネジである、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のゴルフボール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボールに関し、特に、狭いゴルフ場でプレーするのに好適に使用できるゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールは、ゴム製の球形の芯材、その芯材の回りに巻き付けられたゴム糸の繊維、及びその表面を覆うゴム製のカバーから構成されている。そして、そのカバーの表面には、直径1乃至3ミリメートル程度の円形の浅いディンプルが略一様に分布するように多数設けられている。このディンプルは、打球時にゴルフボールを高く且つ真っ直ぐに飛ばすために設けられたものである。すなわち、ゴルフは、一般的にはゴルフボールをより遠くへ飛ばす方が望ましいスポーツである。
【0003】
本格的なゴルフゲームを楽しむには郊外の丘陵地等に造成された広大なゴルフコースへ出向く必要があり、また、プレーに要する時間も長くかかり、費用も甚だ多く要する。そのため、ゴルフ愛好家の中には安直にゴルフを楽しめないという不満を抱いている人が多い。そこで、そうしたゴルフ愛好家の要望に応えるために、比較的小規模なゴルフコースやテニスコート或は屋内運動場を利用したゴルフコースが提案され、それらは「OKゴルフ」或は「ミニゴルフ」と呼ばれるゴルフ施設が実用されるようになっている。
【0004】
このようなOKゴルフ等に使用されるゴルフボールは、軟質ゴム、軟質プラスチック、発泡ポリウレタン、その他の材料で球体が形成されている。そのため、通常のゴルフボールよりも密度が低く、その飛距離が抑制される。このようなゴルフボールは、通常のゴルフボールよりも飛距離は延びないが、狭いゴルフ場でプレーしていても広いゴルフ場でプレーしているのと同等な感触が得られる(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平05−005156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようなOKゴルフ等に使用されるゴルフボールは、軟質ゴム、軟質プラスチック、発泡ポリウレタン、その他の材料で球体が形成されており、通常のゴルフボールよりも密度が低い。そのため、例えば、グリーン上で強風が吹いたり、グリーンの傾斜が大きかったりすると、ボールが動いてしまう、という問題点があった。
【0007】
1つの側面において、本発明は、強風が吹いたり、傾斜の大きいグリーン上に乗ったりしたような場合であっても、容易には動くことが無いゴルフボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの案では、ゴルフボールは、通常のゴルフボールよりも密度の低いゴルフボールであって、球状のボール本体と、ボール本体の内部で、且つ中心部から離れた位置に設けられた重りとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施の形態によれば、通常のゴルフボールよりも密度の低いゴルフボールであっても、強風が吹いたり、傾斜の大きいグリーン上に乗ったりしたような場合に、容易には動かない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態のゴルフボールの正面図である。
【
図2】本実施の形態のゴルフボールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態のゴルフボールの正面図である。
図2は、
図1のA−A断面における本実施の形態のゴルフボールの断面図である。
【0012】
これらの図において、本実施の形態のゴルフボール1は、通常のゴルフボールと同様、直径が42.67mm以下の球状である。ゴルフボール1は、重さが約25g乃至28g程度である。通常のゴルフボールの重さが45.93g以下であるので、ゴルフボール1は、通常のゴルフボールよりも軽く、密度が低い。そのため、例えば、グリーン上で強風が吹いたり、グリーンの傾斜が大きかったりすると、通常のゴルフボールよりも動き易い。
【0013】
ゴルフボール1は、ボール本体2と重り3とを備える。
ボール本体2は、全体的に球状であり、軟質ゴム、軟質プラスチック、発泡ポリウレタン、その他の一種類の材料で単層に形成されていても良いし、表層部をプラスチックで形成して芯核部を発泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂とした層状構造に形成することもできる。また、ボール本体2は、直径1乃至3ミリメートル程度の円形の浅いディンプルが表面に略一様に分布するように多数設けられている。
【0014】
重り3は、ボール本体2の内部で、且つ中心部から離れた位置に設けられている。例えば、重り3は、重さ約1.2gの金属製のネジである。重り3は、ボール本体2の外表面から中心部に向けて埋め込まれている。また、重り3は、ボール本体2の密度よりも高い密度の物質である。
【0015】
すなわち、ゴルフボール1は、その重心が中心部から少しずれることになる。これにより、ゴルフボール1は、転がり難くなる。
上述のような本実施の形態のゴルフボール1と通常のゴルフボールを、ガラス板面上に乗せ、ガラス板を徐々に傾斜させる実験を行った。
【0016】
その結果、通常のゴルフボールは、平均約3度で転がり始めた。これに対して、本実施の形態のゴルフボール1は、平均約8度で転がり始めた。
しかしながら、ゴルフボール1の中心部からの重心のずれは僅かである。よって、空中ショットや、パターでの転がりにおいて、本実施の形態のゴルフボール1と通常のゴルフボールの挙動の違いは、競技上全く問題ない範囲である。
【0017】
以上、開示の実施の形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。
【符号の説明】
【0018】
1 ゴルフボール
2 ボール本体
3 重り