特開2016-25835(P2016-25835A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-25835(P2016-25835A)
(43)【公開日】2016年2月8日
(54)【発明の名称】永久磁石回転装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 53/00 20060101AFI20160112BHJP
   H02K 1/27 20060101ALI20160112BHJP
【FI】
   H02K53/00
   H02K1/27 501A
   H02K1/27 501K
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-163103(P2014-163103)
(22)【出願日】2014年7月23日
(71)【出願人】
【識別番号】309026163
【氏名又は名称】有限会社福島設計
(71)【出願人】
【識別番号】397015393
【氏名又は名称】福島 敬一
(72)【発明者】
【氏名】福島 敬一
(72)【発明者】
【氏名】松本 哲宜
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622CA02
5H622CB01
5H622DD02
(57)【要約】
【課題】効率的に動力を発生する永久磁石回転装置を提供する。
【解決手段】回転自在に設けた非磁性体である円板状の回転子体の外径側に回転方向にN極、S極を交互に磁化した永久磁石を等間隔で複数個配した回転子磁石を1群として、円360°に対して、回転子磁石群の数n1=2以上の整数とし、分割数N=2・n1として該回転子磁石群の配列を回転子磁石が無い空白部と該回転子磁石群を交互に配設し、前記回転子体の外側には、非磁性体である円板状の回転固定子体の外径側に、該回転固定子体の中心より放射方向に磁化した永久磁石である回転固定子磁石を等間隔にて、最低2個固着し、前記回転子磁石と回転固定子磁石との間に空隙を設け、回転子体と回転固定子体を歯車等による増速機構にて連結し、回転固定子体を増速回転して連続回転することを特徴とした永久磁石回転装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に設けた非磁性体である円板状の回転子体の外径側に回転方向にN極、S極を交互に磁化した永久磁石を等間隔で複数個配した回転子磁石を1群として、円360°に対して、回転子磁石群の数n1=2以上の整数とし、分割数N=2・n1として該回転子磁石群の配列を回転子磁石が無い空白部と回転子磁石群を交互に配設し、前記回転子体の外側には、非磁性体である円板状の回転固定子体の外径側に、該回転固定子体の中心より放射方向に磁化した永久磁石である回転固定子磁石を等間隔にて、最低2個固着し、前記回転子磁石と回転固定子磁石との間に空隙を設け、回転子体と回転固定子体を歯車等による増速機構にて連結して回転固定子体を増速回転し、該増速比を1.0以上として回転固定子体を増速して連続回転することを特徴とした永久磁石回転装置。
【請求項2】
前記それぞれ1群の回転子磁石の回転方向の前後に該回転子磁石をそれぞれ1個以上前記回転子体に固着したことを特徴とする請求項1記載の永久磁石回転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力を効率的に発生する永久磁石回転装置に関するものである。
【0002】
従来、モータは回転子か固定子へ荷電し磁力を発生させ、それらの斥力と吸引力の連続的な作用でモータの運転はなされており、従って電力消費は不可欠であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述した従来技術に鑑みてなされ、効率的に動力を発生する永久磁石回転装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した目的を達成するために、請求項1の発明は、回転自在に設けた非磁性体である円板状の回転子体の外径側に回転方向にN極、S極を交互に磁化した永久磁石を等間隔で複数個配した回転子磁石を1群として、円360°に対して、回転子磁石群の数n1=2以上の整数とし、分割数N=2・n1として該回転子磁石群の配列を回転子磁石が無い空白部と回転子磁石群を交互に配設し、前記回転子体の外側には、非磁性体である円板状の回転固定子体の外径側に、該回転固定子体の中心より放射方向に磁化した永久磁石である回転固定子磁石を等間隔にて、最低2個固着し、前記回転子磁石と回転固定子磁石との間に空隙を設け、回転子体と回転固定子体を歯車等による増速機構にて連結して回転固定子体を増速回転し、該増速比を1.0以上として回転固定子体を増速して連続回転することを特徴とした永久磁石回転装置。
【0005】
前記それぞれ1群の回転子磁石の回転方向の前後に該回転子磁石をそれぞれ1個以上前記回転子体に固着したことを特徴とする請求項1記載の永久磁石回転装置。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】 本発明を実施するための形態−1を示す永久磁石回転装置の全体を一部破断した平面図である。
図2図1におけるA−A線断面図である。
図3】 本発明に係る永久磁石回転装置の原理作用を示す説明図である。
図4】 本発明を実施するための形態−1に係る回転子磁石と回転固定子磁石の関係を示す説明図である。
図5図3のB−B線にて一部破断した正面図である。
図6】 本発明を実施するための形態−1に係る回転子磁石と回転固定子磁石の関係を示し、回転子体の回転角が0°の状態を示す説明図である。
図7図6における回転子体が10°左回転した状態を示す説明図である。
図8図6における回転子体が45°左回転した状態を示す説明図である。
図9図6における回転子体が70°左回転した状態を示す説明図である。
図10図6における回転子体が90°左回転した状態を示す説明図である。
図11図6における回転子体が100°左回転した状態を示す説明図である。
図12図6における回転子体が135°左回転した状態を示す説明図である。
図13図6における回転子体が150°左回転した状態を示す説明図である。
図14図6における回転子体が165°左回転した状態を示す説明図である。
図15図6における回転子体が180°左回転した状態を示す説明図である。
図16】 本発明を実施するための形態−2に係る回転子磁石と回転固定子磁石の関係を示す一部破断した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の形態−1に係る永久磁石回転装置100について適宜、図面を参照しながら説明する。
【0008】
図1図2に示すように、本実施形態に係る永久磁石回転装置100はシャフト21に固着された非磁性体である円板状の回転子体1の外径部に回転方向にN極、S極を交互に磁化した複数個の永久磁石である回転子磁石11を1群として、該回転子磁石11は回転子磁石取付ピッチθpにて固着して構成される。
【0009】
本実施例では回転子磁石群設定角θ1は90°であり回転子磁石群取付角θaはθa>θ1とし、1群の内に設定回転子磁石11は7個であり、該群の回転方向の前後に、回転子磁石11をそれぞれ1個ずつ配し、計9個を固着している。ここで、円360°に対して回転子磁石群の数n1≧2以上の整数とし、分割数N=2・n1となり、回転子磁石群の配列は回転子磁石11が無い空白部と回転子磁石群を交互に配設する。
【0010】
前記シャフト21はフレーム100の両側に配した軸受22にて回転自在に支持している。又、非磁性体である円板状の回転固定子体3をシャフト41に固着し、フレーム10の両側に配した軸受42にて回転自在に支持している。
【0011】
次に、本実施例では回転固定子体3に、該回転固定子体3の中心より放射方向に磁化したN極を外側にした等間隔で2個の回転固定子磁石31を固着し、回転固定子磁石取付角θ2=180°である。
【0012】
ここで、図1に示すように、回転子体1の片側に大歯車25をシャフト21に固着し、該大歯車25と噛合う小歯車45を回転固定子体3の片側に配し、シャフト42に固着している。
【0013】
前記回転子磁石11及び回転固定子磁石31は希土類永久磁石のうちネオジム(Nd)が磁力が強く好適に使用されるが、フェライト、サマコバ磁石でも可能である。
【0014】
又、本実施例では回転子磁石11は角型磁石としているが、磁化方向が同じならば円柱型磁石でも可能である。同様に回転固定子磁石31を円柱型磁石としているが、磁化方向が同じならば角型磁石でも構成でき、磁化方向が同じならば他の形状でも構成可能である。
【0015】
図3は本発明に係る永久磁石回転装置の原理作用を示す。固定体81に固着した磁石82と移動体71に固着した複数個の磁石72は空隙Sを保って相対しているとき、磁石82のN極と磁石72との磁力作用により、移動体71は磁石72のN極側へ移動、つまり左移動することは実験により確認している。移動距離は移動体71が右端にある磁石72と磁石82が相対した地点で停止する。ここで、磁石82を旋回し、S極を磁石72と相対すれば移動体71はS極側へ移動、つまり右移動する。
【0016】
次に、磁石72の磁石厚さをaとすると磁石間隙Cs=(0.5〜0.8)aが好ましく、磁石82の長さd’は、d‘≧a〜a+Csが望ましい。
【0017】
図4図5は回転子磁石11と回転固定子磁石31の関係を示し、回転子磁石11と回転固定子磁石31間は近接時に空隙Sを有している。磁石厚さをaとすると磁石間隙Cs=(0.5〜0.8)aが好ましく、回転固定子磁石径d≧a〜a+Csが望ましく、bは磁石巾であり、θpは回転子磁石取付ピッチである。ここで、回転子磁石11と相対する回転固定子磁石31の磁力作用により、図1に示すように回転子体1側の大歯車25と回転固定子体3側の小歯車45の噛合わせにより、回転子体1は左回転し、回転固定子体3は右回転する。
【0018】
ここで、図5において、回転固定子磁石31のN極をS極とすれば、回転体1の回転方向は右回転となる。
【0019】
図6は本発明を実施するための形態−1に係る回転子磁石11と回転固定子磁石31の関係を示す説明図であり、説明の都合上、回転子磁石11a〜11iの9個と11j〜11rの2群を回転子体1に配している。回転子体1の回転角は0°の状態を示し、0°の位置に回転子磁石11bを配した地点にある。ここで、回転子磁石11a〜11i及び11j〜11rは回転子磁石取付ピッチθpにて等間隔で配している。又、回転固定子磁石31a、31bの2個を回転固定子体3に配し、回転固定子磁石31aと回転子磁石11bは正対している地点から説明する。
【0020】
図6において、回転固定子磁石31aと回転子磁石11a〜11cとの磁力作用により回転子体1は回転子磁石11aのN極側、即ち左回転し、前述した大歯車25と小歯車45の歯車機構により増速して回転固定子体3は右回転する。回転力を大、小、微少で表現すれば、回転力は“大”である。
【0021】
ここで、図6に示すように、本実施例では回転子体1側の回転子磁石11の回転子磁石群設定角θ1=90°、回転固定子体3側に配した2個の回転固定子磁石31の回転固定子磁石取付角θ2=180°であるので、歯車増速比i=180/90=2となる。即ち、回転子体1が180°左回転するとき回転固定子体3は360°右回転する。
【0022】
又、回転固定子磁石の個数n2=2個が好ましいが、回転子磁石取付径D1と回転固定子磁石取付径D2の関係にもよるが、n2=3個又は4個及び歯車増速比i≦1以上であれば構成可能であろう。
【0023】
ここで、回転子磁石群設定角θ1=60°、回転固定子磁石の個数n2=2個、回転固定子磁石取付角θ2=180°の場合は歯車増速比i=180/60=3とすれば良い。
【0024】
又、回転子磁石群設定角θ1=60°、回転固定子磁石の個数n2=3個、回転固定子磁石取付角θ2=120°の場合は歯車増速比i=120/60=2とすれば良い。
【0025】
図7は回転子磁石11bの回転角が反時計方向に10°回転した状態を示し、回転固定子磁石31aと回転子磁石のおよそ11a〜11cとの磁力作用により回転子体1は左回転し、回転固定子体3は増速・右回転し、その回転力は“大”である。
【0026】
図8は回転子磁石11bの回転角が反時計方向に45°回転した状態を示し、回転固定子磁石31a、31bは図8において直立状態であり、回転力は“微少”又はほぼ無い状態であるが、図6図7による回転子体1等の慣性力により回転子体1は左回転し、回転固定子体3は右回転を続ける。
【0027】
図9は回転子磁石11bの回転角が反時計方向に70°回転した状態を示し、回転固定子磁石31bと回転子磁石のおよそ11g、11hとの磁力作用により回転子体1は左回転子し、回転固定子体3は増速・右回転し、その回転力は“小”である。
【0028】
図10は回転子磁石11bの回転角が反時計方向に90°回転した状態を示し、回転固定子磁石31bと回転子磁石のおよそ11g〜11iとの磁力作用により回転子体1は左回転し、回転固定子体3は増速・右回転し、その回転力は“大”である。
【0029】
図11は回転子磁石11bの回転角が反時計方向に100°回転した状態を示し、回転固定子磁石31bと回転子磁石のおよそ11g〜11iとの磁力作用により回転子体1は左回転し、回転固定子体3は増速・右回転し、その回転力は“大”である。
【0030】
図12は回転子磁石11bの回転角が反時計方向に135°回転した状態を示し、回転固定子磁石31a、31bは図12において直立状態であり、回転力は“微少”又はほぼ無い状態であるが、図10図11による回転子体1等の慣性力により回転子体1は左回転し、回転固定子体3は右回転を続ける。
【0031】
図13は回転子磁石11bの回転角が反時計方向に150°回転した状態を示し、回転固定子磁石31aと回転子磁石のおよそ11j、11kとの磁力作用により回転子体1は左回転し、回転固定子体3は増速・右回転し、その回転力は“小”である。
【0032】
図14は回転子磁石11bの回転角が反時計方向に165°回転した状態を示し、回転固定子磁石31aと回転子磁石のおよそ11j〜11lとの磁力作用により回転子体1は左回転し、回転固定子体3は増速・右回転し、その回転力は“大”である。
【0033】
図15は回転子磁石11bの回転角が反時計方向に180°回転した状態を示し、回転固定子磁石31aと回転子磁石のおよそ11j〜11lとの磁力作用により回転子体1は左回転し、回転固定子体3は増速・右回転し、その回転力は“大”である。
【0034】
以上述べたように、180°〜360°においても図6図15と同様の繰返しとなり、左回転し、それ以降も回転子体1及び回転固定子体3は連続回転するものである。
【0035】
図16図2における回転固定子体3等を4組配設したものであり、図1に示した小歯車45も各回転固定子体3の片側に計4個配し、回転子体1の片側にある大歯車25と噛合う。それ故、回転トルクはおよそ4倍となり回転子体1の回転数も増加し、出力容量が増大するものである。
【0036】
次に、このように構成した永久磁石回転装置100の動作について説明する。
【0037】
図1における回転子体1を起動するには、図示はしないが、自動車で利用するセルモータを付設し、シャフト21又はシャフト41を起動・回転すれば良い。また、停止するにはブレーキ装置を併設することも容易であろう。本実施例では単列形であるが複列形も構成可能であり、また、垂直型でも構成できる。
【0038】
その他、本発明は前記実施例等に限られるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更しても構わない。
【0039】
以上のように構成した本発明によると、発電機と組合わせれば発電装置となり、その他の機械動力源にも応用できる。何れも磁力による永久磁石回転装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0040】
100 永久磁石回転装置
1 回転子体
3 回転固定子体
10 フレーム
11、11a〜11r 回転子磁石
21 シャフト
22 軸受
25 大歯車
31、31a、31b 回転固定子磁石
41 シャフト
42 軸受
45 小歯車
71 移動体
72 磁石
81 固定体
82 磁石
a 磁石厚さ
b 磁石巾
d 回転固定子磁石径
S 空隙
Cs 磁石間隙
n1 回転子磁石群の数
N 分割数
D1 回転子磁石取付径
D2 回転固定子磁石取付径
θ 回転子体回転角
θa 回転子磁石群取付角
θ1 回転子磁石群設定角
θ2 回転固定子磁石取付角
θp 回転子磁石取付ピッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16