特開2016-29027(P2016-29027A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2016-29027プロスタグランジンE2結合タンパク質およびこの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-29027(P2016-29027A)
(43)【公開日】2016年3月3日
(54)【発明の名称】プロスタグランジンE2結合タンパク質およびこの使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/44 20060101AFI20160205BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 47/42 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 47/48 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 49/04 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 51/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 47/34 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 38/27 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 31/436 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 31/56 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20160205BHJP
   A61K 31/137 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 5/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 5/18 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 15/06 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 9/06 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 17/08 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20160205BHJP
   A61P 27/14 20060101ALI20160205BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20160205BHJP
   G01N 33/531 20060101ALI20160205BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20160205BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20160205BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20160205BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20160205BHJP
【FI】
   C07K16/44ZNA
   C12N15/00 A
   A61K47/42
   A61K47/48
   A61K39/395 N
   A61K39/395 V
   A61K49/00 A
   A61K49/04 A
   A61K49/02 C
   A61K49/02 B
   A61K45/00
   A61K37/24
   A61K37/02
   A61K31/704
   A61K47/26
   A61K47/40
   A61K47/36
   A61K47/34
   A61K47/32
   A61K39/39
   A61K37/36
   A61K43/00
   A61K31/519
   A61K31/436
   A61K31/56
   A61K31/573
   A61K31/137
   A61P43/00 111
   A61P37/06
   A61P29/00
   A61P35/00
   A61P29/00 101
   A61P19/02
   A61P31/12
   A61P7/00
   A61P25/00
   A61P7/06
   A61P5/00
   A61P3/10
   A61P5/18
   A61P5/14
   A61P37/02
   A61P15/00
   A61P15/06
   A61P11/00
   A61P1/04
   A61P13/08
   A61P25/04
   A61P27/02
   A61P17/00
   A61P11/06
   A61P37/08
   A61P17/06
   A61P9/10
   A61P7/02
   A61P13/12
   A61P31/04
   A61P1/16
   A61P9/00
   A61P31/18
   A61P25/14
   A61P25/16
   A61P25/28
   A61P9/04
   A61P17/14
   A61P33/00
   A61P43/00 105
   A61P31/00
   A61P13/10
   A61P1/18
   A61P35/02
   A61P11/02
   A61P21/00
   A61P9/10 101
   A61P9/06
   A61P17/02
   A61P25/32
   A61P31/10
   A61P9/12
   A61P21/04
   A61P11/04
   A61P19/10
   A61P17/04
   A61P17/08
   A61P27/16
   A61P19/00
   A61P27/14
   G01N33/53 S
   G01N33/531 A
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/00 102
   C12N5/00 103
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】134
(21)【出願番号】特願2015-117773(P2015-117773)
(22)【出願日】2015年6月10日
(62)【分割の表示】特願2011-517571(P2011-517571)の分割
【原出願日】2009年7月8日
(31)【優先権主張番号】61/134,264
(32)【優先日】2008年7月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/197,258
(32)【優先日】2008年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】512212195
【氏名又は名称】アッヴィ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジージエ・グー
(72)【発明者】
【氏名】チヤールズ・ダブリユ・ハツチンス
(72)【発明者】
【氏名】ロン−ロン・ジユウ
(72)【発明者】
【氏名】ジエンウエイ・シエン
(72)【発明者】
【氏名】マリア・チ・ハリス
(72)【発明者】
【氏名】アイリーン・ベランジヤー
(72)【発明者】
【氏名】アンワー・ムルタザ
(72)【発明者】
【氏名】エデイツト・タークサ
(72)【発明者】
【氏名】ウイリアム・ビー・スタイン
(72)【発明者】
【氏名】チヨン−ミン・シエ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プロスタグランジンE(PGE)結合タンパク質、及び、結合タンパク質を含む抗体構築物、医薬組成物の提供。
【解決手段】野生型、キメラ、CDR移植された及びヒト化された抗体であり、インビトロ及びインビボにおいて、プロスタグランジンEに対して高親和性を有し、プロスタグランジンE活性を中和、並びに、プロスタグランジンE活性が有害である障害に罹っているヒト対象においてプロスタグランジンE活性を抑制するのに有用である抗体又はその抗原結合断片。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗原結合ドメインを含むCDR移植された結合タンパク質またはこの断片であって、前記結合タンパク質がPGEに結合することができ、前記抗原結合ドメインがGYTFTKYWLG(配列番号54)、DIYPGYDYTHYNEKFKD(配列番号55)、SDGSSTY(配列番号56)、TSSQNIVHSNGNTYLE(配列番号57)、KVSNRFSG(配列番号58)、FQVSHVPYT(配列番号59)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDRを含む、結合タンパク質またはこの断片。
【請求項2】
結合タンパク質またはこの断片が、プロスタグランジンEの生物学的機能を調節することが可能である、請求項1の結合タンパク質。
【請求項3】
結合タンパク質またはこの断片が、プロスタグランジンEを中和することが可能である、請求項1の結合タンパク質。
【請求項4】
結合タンパク質またはこの断片が、プロスタグランジンE受容体EP1へのプロスタグランジンEの結合を妨げることが可能である、請求項1の結合タンパク質。
【請求項5】
結合タンパク質またはこの断片が、EP1、EP2、EP3およびEP4からなる群から選択される少なくとも1つのプロスタグランジンE受容体へのプロスタグランジンEの結合を妨げることが可能である、請求項1の結合タンパク質。
【請求項6】
結合タンパク質またはこの断片が、ELISAアッセイを使用して、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11Mおよび約10−11から約10−12Mからなる群から選択されるEC50でプロスタグランジンEに結合する、請求項1の結合タンパク質。
【請求項7】
結合タンパク質またはこの断片が、EP4受容体媒介FLIPRアッセイにおいて、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11Mおよび約10−11から約10−12からなる群から選択されるIC50で、プロスタグランジンE受容体EP4に対して、プロスタグランジンEにより誘導されるカルシウム流入を抑制する、請求項1の結合タンパク質。
【請求項8】
結合タンパク質またはこの断片が親和性成熟されている、請求項1の結合タンパク質。
【請求項9】
結合タンパク質がプロスタグランジンEに結合することができ、抗原結合ドメインが、配列番号6、7、8、10、11、12、14、15、16、18、19、20、22、23、26、27、28、30、31、32、34、35、37、38、39、54、55、56、57、58および59からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDRを含む、抗原結合ドメインを含む結合タンパク質またはこの断片。
【請求項10】
結合タンパク質がプロスタグランジンEに結合することができ、抗原結合ドメインが、配列番号5、13、21、25、33、40、42および44からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのVH領域を含む、抗原結合ドメインを含む結合タンパク質またはこの断片。
【請求項11】
結合タンパク質がプロスタグランジンEに結合することができ、抗原結合ドメインが、配列番号9、17、24、29、36、41、43および45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのVL領域を含む、抗原結合ドメインを含む結合タンパク質またはこの断片。
【請求項12】
結合タンパク質がプロスタグランジンEに結合することができ、抗原結合ドメインが、配列番号54−59からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDR領域を含む、抗原結合ドメインを含むヒト化結合タンパク質またはこの断片。
【請求項13】
少なくとも3つのCDRを含む、請求項9の結合タンパク質。
【請求項14】
少なくとも3つのCDRが、配列番号6、7および8;配列番号14、15および16;配列番号14、22および23;配列番号26、27および28;配列番号26、34および35;ならびに配列番号54、55および56からなる群から選択されるVH CDRセットから選択される、請求項13の結合タンパク質。
【請求項15】
少なくとも3つのCDRが、配列番号10、11および12;配列番号18、19および20;配列番号30、31および32;配列番号37、38および39;配列番号57、58、59からなる群から選択されるVL CDRセットから選択される、請求項13の結合タンパク質。
【請求項16】
少なくとも3つのCDRが、配列番号54、55および56のアミノ酸配列のVH CDRセットならびに/または配列番号57、58および59のアミノ酸配列のVL CDRセットを含む、請求項13の結合タンパク質。
【請求項17】
結合タンパク質が少なくとも2つの可変ドメインCDRセットを含む、請求項9の結合タンパク質。
【請求項18】
少なくとも2つの可変ドメインCDRセットが、配列番号6、7、8および配列番号10、11、12;配列番号14、15、16および配列番号18、19、20;配列番号14、22、23および配列番号10、11、12;配列番号26、27、28および配列番号30、31、32;配列番号26、34、35および配列番号37、38、39;ならびに配列番号54、55、56および配列番号57、58、59からなる群から選択される、請求項17の結合タンパク質。
【請求項19】
プロスタグランジンEに結合するヒト化抗体またはこの断片であって、ヒト化抗体が、配列番号60、62、64、66、68、70、72、74、76、78および80からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのVH領域を含む、ヒト化抗体またはこの断片。
【請求項20】
プロスタグランジンEに結合するヒト化抗体またはこの断片であって、ヒト化抗体が、配列番号61、63、65、67、69、71、73、75、77、79および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのVL領域を含む、ヒト化抗体またはこの断片。
【請求項21】
ヒトアクセプターフレームワークをさらに含む、請求項1に記載の結合タンパク質。
【請求項22】
前記ヒトアクセプターフレームワークが、配列番号46、47、48、49、50、51、52および53からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の結合タンパク質。
【請求項23】
ヒトアクセプターフレームワークが、重鎖可変領域の位置48のM(ヒト)からI(マウス)、位置68のV(ヒト)からA(マウス)、位置70のM(ヒト)からL(マウス)、および位置72のT(ヒト)からV(マウス)、ならびに軽鎖可変領域の位置2のI(ヒト)からV(マウス)および位置3のV(ヒト)からL(マウス)からなる群から選択される少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含む、請求項21または22のヒト化抗体。
【請求項24】
少なくとも1つのVH領域または少なくとも1つのVL領域が、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトアクセプターフレームワーク配列を含み、前記フレームワーク配列のアミノ酸配列がヒトアクセプターフレームワーク配列の配列に少なくとも65%同一である、請求項19または20のヒト化抗体。
【請求項25】
ヒトアクセプターフレームワークが、キーとなる残基に少なくとも1つのフレームワークアミノ酸置換を含み、前記キーとなる残基が、CDRに隣接する残基、グリコシル化部位残基、希少残基、プロスタグランジンEと相互作用をすることが可能である残基、CDRと相互作用をすることが可能である残基、カノニカル残基、重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間の接触残基、バーニアゾーン内の残基、およびChothia定義可変重鎖CDR1とKabat定義第一重鎖フレームワークとの間で重複している領域の残基からなる群から選択される、請求項23のヒト化抗体。
【請求項26】
2つの可変ドメインを含み、前記2つの可変ドメインが、配列番号5および配列番号9;配列番号13および配列番号17;配列番号21および配列番号24;配列番号25および配列番号29;配列番号33および配列番号36;配列番号40および配列番号41;配列番号42および配列番号43;ならびに配列番号44および配列番号45からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1の結合タンパク質。
【請求項27】
2つの可変ドメインを含み、前記2つの可変ドメインが、配列番号60および配列番号61;配列番号62および配列番号63;配列番号64および配列番号65;配列番号66および配列番号67;配列番号68および配列番号69;配列番号70および配列番号71;配列番号72および配列番号73;配列番号74および配列番号75;配列番号76および配列番号77;配列番号78および配列番号79;ならびに配列番号800および配列番号81からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1の結合タンパク質。
【請求項28】
請求項1の結合タンパク質を含み、リンカーポリペプチドまたは免疫グロブリン定常ドメインをさらに含む、抗体構築物。
【請求項29】
免疫グロブリン分子、ジスルフィド連結Fv、モノクローナル抗体、scFv、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、CDR移植された抗体、ダイアボディ、ヒト化抗体、多特異的抗体、Fab、二重特異的抗体、Fab’、二特異的抗体、F(ab’)2およびFvからなる群から選択される、請求項1の結合タンパク質。
【請求項30】
結合タンパク質が、免疫グロブリン分子、ジスルフィド連結Fv、モノクローナル抗体、scFv、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、CDR移植された抗体、ダイアボディ、ヒト化抗体、多特異的抗体、Fab、二重特異的抗体、Fab’、二特異的抗体、F(ab’)2およびFvからなる群から選択される、請求項28の抗体構築物。
【請求項31】
結合タンパク質が、ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgG1定常ドメイン、ヒトIgE定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、およびヒトIgG3定常ドメイン、およびヒトIgA定常ドメインからなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む、請求項28の抗体構築物。
【請求項32】
配列番号1−4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン定常ドメインを含む、請求項28の抗体構築物。
【請求項33】
結合タンパク質がヒトグリコシル化パターンを有する、請求項28の抗体構築物。
【請求項34】
結晶化抗体構築物である、請求項28の抗体構築物。
【請求項35】
前記結晶化抗体構築物が無担体医薬徐放結晶化抗体構築物である、請求項33の抗体構築物。
【請求項36】
請求項34に記載の抗体構築物であって、インビボにおいて、前記抗体構築物の可溶性対応物よりも長い半減期を有する、抗体構築物。
【請求項37】
生物学的活性を保持している、請求項34の抗体構築物。
【請求項38】
請求項28の抗体構築物を含み、免疫接着分子、造影剤、治療剤および細胞毒性剤からなる群から選択される因子をさらに含む、抗体連結体。
【請求項39】
作用物質が、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識およびビオチンからなる群から選択される造影剤である、請求項37の抗体連結体。
【請求項40】
造影剤が、H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoおよび153Smからなる群から選択される放射性標識である、請求項37の抗体連結体。
【請求項41】
作用物質が、代謝抑制剤、アルキル化剤、抗生物質、増殖因子、サイトカイン、抗血管新生剤、抗有糸分裂剤、アントラサイクリン、トキシンおよびアポトーシス剤からなる群から選択される治療剤または細胞毒性剤である、請求項37の抗体連結体。
【請求項42】
結合タンパク質が結晶化された結合タンパク質である、請求項1の結合タンパク質。
【請求項43】
結晶化結合タンパク質が無担体医薬徐放結晶化抗体である、請求項41の結合タンパク質。
【請求項44】
請求項1の結合タンパク質をコードする単離された核酸。
【請求項45】
請求項28の抗体構築物をコードする単離された核酸。
【請求項46】
請求項43または44に記載の単離された核酸を含むベクター。
【請求項47】
ベクターが、pcDNA、pTT、pTT3、pEFBOS、pBV、pJV、pBJおよびpA2からなる群から選択される、請求項45のベクター。
【請求項48】
請求項45のベクターを含む宿主細胞。
【請求項49】
宿主細胞が原核細胞である、請求項47の宿主細胞。
【請求項50】
宿主細胞がE.コリ(E.coli)である、請求項48の宿主細胞。
【請求項51】
宿主細胞が真核細胞である、請求項47の宿主細胞。
【請求項52】
真核細胞が、原生生物細胞、動物細胞、植物細胞および真菌細胞からなる群から選択される、請求項50の宿主細胞。
【請求項53】
真核細胞が、哺乳動物細胞、鳥類細胞および昆虫細胞からなる群から選択される動物細胞である、請求項50の宿主細胞。
【請求項54】
宿主細胞がCHO細胞である、請求項50の宿主細胞。
【請求項55】
宿主細胞がCOSまたはHEK293である、請求項50の宿主細胞。
【請求項56】
宿主細胞が酵母細胞である、請求項50の宿主細胞。
【請求項57】
酵母細胞がサッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)である、請求項55の宿主細胞。
【請求項58】
宿主細胞が昆虫Sf9細胞である、請求項47の宿主細胞。
【請求項59】
プロスタグランジンEに結合することが可能である結合タンパク質を産生するのに十分な条件下で、請求項47に記載の宿主細胞を培地中で培養する工程を含む、プロスタグランジンEに結合することが可能であるタンパク質を作製する方法。
【請求項60】
請求項58の方法に従って生産されたタンパク質。
【請求項61】
(a)請求項41に記載の結晶化された結合タンパク質を含む製剤、
(b)成分、および
(c)少なくとも1つのポリマー担体
を含む、結合タンパク質の放出のための組成物。
【請求項62】
ポリマー担体が、ポリ(アクリル酸)、ポリ(シアノアクリル酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(デプシペプチド)、ポリ(エステル)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸コグリコール酸)またはPLGA、ポリ(b−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ((ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリ[(オルガノ)ホスファゼン]、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、無水マレイン酸−アルキルビニルエーテルコポリマー、プルロニックポリオール、アルブミン、アルギン酸、セルロースおよびセルロース誘導体、コラーゲン、フィブリン、ゼラチン、ヒアルロン酸、オリゴ糖、グリカミノグリカン、硫酸多糖類、ならびにそれらの混合物および/またはコポリマーからなる群から選択されるポリマーである、請求項60の組成物。
【請求項63】
成分が、アルブミン、ショ糖、トレハロース、ラクチトール、ゼラチン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、メトキシポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される、請求項60の組成物。
【請求項64】
有効量の請求項60の組成物を哺乳動物に投与する工程を含む、プロスタグランジンE活性が有害である障害を有する哺乳動物を治療するための方法。
【請求項65】
請求項1の結合タンパク質および医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項66】
医薬として許容される担体が、結合タンパク質の吸収または分散を増加させるのに有用なアジュバンドとして機能する、請求項65の医薬組成物。
【請求項67】
アジュバンドがヒアルロニダーゼである、請求項64の医薬組成物。
【請求項68】
プロスタグランジンE活性が有害である障害を治療するための少なくとも1つの追加の治療剤をさらに含む、請求項64の医薬組成物。
【請求項69】
追加の治療剤が、治療剤、造影剤、細胞毒性剤、血管新生阻害剤、キナーゼ阻害剤、共刺激分子遮断剤、接着分子遮断剤、抗サイトカイン抗体またはその機能的断片、メトトレキサート;シクロスポリン;ラパマイシン;FK506、検出可能な標識またはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗リウマチ薬、筋肉弛緩剤、麻酔薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、鎮痛剤、麻酔、鎮静剤、局所麻酔、神経筋肉遮断剤、抗微生物剤、抗乾癬剤、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、エリスロポエチン、免疫化、イムノグロブリン、免疫抑制剤、成長ホルモン、ホルモン置換薬、放射性医薬、抗うつ剤、抗精神病薬、刺激物質、喘息薬、βアゴニスト、吸入用ステロイド、経口ステロイド、エピネフリンまたはこの類似体、サイトカインおよびサイトカインアンタゴニストからなる群から選択される、請求項67の医薬組成物。
【請求項70】
プロスタグランジンE活性が減少するように、プロスタグランジンEを請求項1の結合タンパク質に接触させる工程を含む、プロスタグランジンE活性を減少させるための方法。
【請求項71】
ヒト対象におけるプロスタグランジンE活性が減少するように、ヒト対象に請求項1の結合タンパク質を投与する工程を含む、プロスタグランジンE活性が有害である障害に罹っているヒト対象においてプロスタグランジンE活性を減少させるための方法。
【請求項72】
治療が達成されるように、対象に請求項1の結合タンパク質を投与する工程を含む、プロスタグランジンE活性が有害である少なくとも1つの疾患または障害について対象を治療するための方法。
【請求項73】
障害が、自己免疫障害、炎症性障害、腫瘍、関節リウマチ、アレルギー性関節炎、ギランバレー症候群、感染性単核球症、ウイルス性リンパ節症、ヘルペスウイルスによる感染症、多発性硬化症、脱髄疾患、血液障害、溶血性貧血、血小板減少症、内分泌学的障害、糖尿病、アジソン病、特発性副甲状腺機能低下症、慢性リンパ性甲状腺炎、コラーゲン障害、全身性エリテマトーデス、生殖障害、無月経、不妊症、反復流産、子癇、頭頸部腫瘍、肺癌、胃癌、前立腺癌、膵癌、胃腸器官疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、疼痛、変形性関節炎に関連する疼痛、視覚障害および加齢性黄斑変性症からなる群から選択される、請求項71の方法。
【請求項74】
疾患が、関節リウマチ、骨関節炎、若年性慢性関節炎、化膿性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性紅斑性狼瘡、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インシュリン依存性糖尿病、甲状腺炎、喘息、アレルギー性疾患、乾癬、皮膚炎、強皮症、移植片対宿主病、臓器移植拒絶、臓器移植に関連する急性または慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、バセドウ病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーライン紫斑症、腎臓の顕微鏡的血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症性ショック、毒素性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染性疾患、寄生性疾患、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、孤発性の、多内分泌腺機能低下症候群I型および多内分泌腺機能低下症候群II型、シュミット症候群、成人(急性)呼吸促迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清反応陰性関節炎、関節炎、ライター病、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸性関節炎、腸疾患性滑膜炎、クラミジア、エルシニアおよびサルモネラ関連関節炎、脊椎関節症、アテローム性疾患/アテローム性動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱性疾患、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫性溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/ロイヤルフリー病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、巨細胞性動脈炎、原発性硬化性肝炎、突発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群、後天性免疫不全関連疾患、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型原発性低γグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊症、卵巣機能不全、早期卵巣機能不全、繊維性肺疾患、突発性間質性肺炎、炎症後間質性肺疾患、間質性肺炎、結合組織疾患関連間質性肺疾患、混合性結合組織疾患関連肺疾患、全身性硬化症関連間質性肺疾患、関節リウマチ関連間質性肺疾患、全身性紅斑性狼瘡関連肺疾患、皮膚筋炎/多発性筋炎関連肺疾患、シェーグレン病関連肺疾患、強直性脊椎炎関連肺疾患、血管炎性びまん性肺疾患(vasculitic diffuse lung disease)、ヘモシデローシス関連肺疾患、薬物によって誘導された間質性肺疾患、繊維症、放射性繊維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間質性肺疾患、通風関節炎、自己免疫性肝炎、1型自己免疫性肝炎(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎)、自己免疫媒介性低血糖症、黒色表皮腫を伴うB型インシュリン抵抗性、副甲状腺機能低下症、臓器移植に関連する急性免疫疾患、臓器移植に関連する慢性免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、1型乾癬、2型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、腎臓病NOS、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的血管炎、ライム病、円板状紅斑性狼瘡、男性不妊症特発性またはNOS、精子自己免疫、多発性硬化症(すべてのサブタイプ)、交感性眼炎、結合組織疾患に続発する肺高血圧症、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スチル病、全身性硬化症、シェーグレン症候群、高安病/動脈炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺機能亢進症、甲状腺腫自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫(primary myxoedema)、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘発性肝障害、胆汁うっ滞(choleosatatis)、特異体質性肝疾患、薬物誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アレルギーおよび喘息、B群連鎖球菌(GBS)感染、精神障害(例えば、うつ病および統合失調症)、Th2型およびTh1型によって媒介される疾病、急性および慢性疼痛(疼痛の様々な形態)、ならびに、肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、大腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および腎臓癌および造血性悪性病変(白血病およびリンパ腫)などの癌、無βリポタンパク質血症、先端チアノーゼ、急性および慢性寄生性または感染性プロセス、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性または慢性細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌、心房(aerial)異所性拍動、AIDS認知症複合、アルコール誘発性肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植拒絶、α−1−アンチトリプシン欠乏症、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗cd3治療、抗リン脂質症候群、抗受容体過敏症反応(anti−receptor hypersensitivity reactions)、大動脈(aordic)および動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、動脈硬化症、動静脈痩、運動失調、心房細動(持続的または発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心不整脈、心機能不全症候群(cardiac stun syndrome)、心臓腫瘍、心筋症、心肺バイパス炎症反応、軟骨移植拒絶、小脳皮質変性、小脳疾患、無秩序なまたは多巣性心房頻脈、化学療法関連疾患、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性アルコール症、慢性炎症性病変、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性サリチル酸中毒、結腸直腸癌、うっ血性心不全、結膜炎、接触性皮膚炎、肺性心、冠動脈疾患、クロイツフェルト−ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性繊維症、サイトカイン療法関連疾患、ボクサー脳、脱髄性疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚科学的症状、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病性動脈硬化疾患、瀰漫性レビー小体病、拡張型うっ血性心筋症、大脳基底核の疾患、中年のダウン症候群、中枢神経ドーパミン受容体を遮断する薬物によって誘発された薬物誘発性運動疾患、薬物感受性、湿疹、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌疾患、喉頭蓋炎、エプスタイン−バーウイルス感染、紅痛症、垂体外路および小脳疾患、家族性血球貪食性リンパ組織球症(familial hematophagocytic lymphohistiocytosis)、致死的胸腺移植組織拒絶、フリードライヒ失調症、機能的末梢動脈疾患、真菌性敗血症、ガス壊疸、胃潰瘍、糸球体腎炎、いずれかの臓器または組織の移植片拒絶、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、細胞内生物に起因する肉芽腫、有毛細胞白血病、ハラーホルデン・スパッツ病、橋本甲状腺炎、枯草熱、心臓移植拒絶、血色素症、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓溶解血小板減少紫斑病、出血、肝炎(A型)、ヒス束不整脈、HIV感染/HIV神経障害、ホジキン病、運動過剰疾患、過敏症反応、過敏性肺炎、高血圧、運動低下疾患、視床下部−下垂体−副腎皮質系評価、特発性アジソン病、特発性肺繊維症、抗体媒介性細胞毒性、無力症、乳児脊髄性筋萎縮症、大動脈の炎症、A型インフルエンザ、電離放射線曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血再灌流障害、虚血性発作、若年性関節リウマチ、若年性脊髄性筋萎縮症、カポジ肉腫、腎移植拒絶、レジオネラ、リーシュマニア症、ハンセン病、皮質脊髄系の病変、脂肪血症(lipedema)、肝臓移植拒絶、リンパ浮腫(lymphederma)、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性黒色腫、髄膜炎、髄膜炎菌血症(meningococcemia)、代謝性/特発性、偏頭痛、ミトコンドリア多系疾患(mitochondrial multi.system disorder)、混合性結合組織病、モノクローナル高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、多系統変性(メンセル・デジェリーヌ−トーマス・シャイ−ドレーガーおよびマシャド−ジョセフ)、重症筋無力症、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、マイコバクテリウム・チュバキュロシス、骨髄形成異常、心筋梗塞、真菌虚血疾患、上咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性疾患、神経原性I筋萎縮、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹部大動脈およびその分枝の閉塞、閉塞性動脈疾患、okt3療法、精巣炎/精巣上体炎、精巣炎/精管復元術処置、臓器肥大、骨粗鬆症、膵臓移植拒絶、膵癌、腫瘍随伴性症候群/悪性腫瘍の高カルシウム血症、副甲状腺移植拒絶、骨盤内炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢アテローム硬化性疾患、末梢血管疾患、腹膜炎、悪性貧血、ニューモシスチス・カリニ肺炎、肺炎、POEMS症候群(多発神経炎、臓器肥大、内分泌疾患、単クローン性γグロブリン血症および皮膚変化症候群(skin changes syndrome))、灌流後症候群(post perfusion syndrome)、ポンプ後症候群(post pump syndrome)、心筋梗塞後開心術症候群、子癇前症、進行性核上性麻痺、原発性肺高血圧、放射線療法、レイノー現象および病、レイノー病、レフサム病、規則的なQRS幅の狭い頻脈症(regular narrow QRS tachycardia)、腎血管性高血圧、再灌流障害、拘束型心筋症、肉腫、強皮症、老年性舞踏病、レビー小体型の老年性認知症、血清反応陰性関節炎、ショック、鎌形赤血球貧血症、皮膚同種異系移植拒絶、皮膚変化症候群、小腸移植拒絶、固形腫瘍、固有不整脈(specific arrythmias)、脊髄性運動失調、脊髄小脳変性、連鎖球菌性筋炎、小脳の構造的病変、亜急性硬化性全脳炎、湿疹、心血管系の梅毒、全身性アナフィラキシー、全身性炎症反応症候群、全身性発症若年性関節リウマチ、T細胞またはFABALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓血管炎、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、III型過敏症反応、IV型過敏症、不安定狭心症、尿毒症、尿路性敗血症、じんましん、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈疾患、静脈血栓症、心室細動、ウイルスおよび真菌感染、ウイルス性脳炎(vital encephalitis)/無菌性髄膜炎、ウイルス関連血球貪食症候群、ウェルニッケ−コルサコフ症候群、ウィルソン病、いずれかの臓器または組織の異種移植拒絶、急性冠症候群、急性特発性多発性神経炎、急性炎症性脱髄性多発神経根神経障害、急性虚血、成人スチル病、円形脱毛症、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、動脈硬化症、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、連鎖球菌感染に伴う自己免疫障害、自己免疫性腸疾患、自己免疫性難聴、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性早期卵巣機能不全、眼瞼炎、気管支拡張症、水疱性類天疱瘡、循環器疾患、劇症型抗リン脂質抗体症候群、セリアック病、頸椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを伴う臨床的孤立性症候群(CIS)、結膜炎、若年発症精神障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、涙嚢炎、皮膚筋炎、糖尿病性網膜症、糖尿病、椎間板ヘルニア、椎間板脱出症、薬物誘発性免疫性溶血性貧血、心内膜炎、子宮内膜症、眼内炎、上強膜炎、多形性紅斑、多形滲出性紅斑、妊娠性類天疱瘡、ギランバレー症候群(GBS)、枯草熱、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE媒介アレルギー、免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼炎症性疾患、炎症性脱髄疾患、炎症性心疾患、炎症性腎疾患、間質性肺線維症/通常型間質性肺炎、紅彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎(Keratojuntivitis sicca)、クスマウル病またはクスマウルマイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞組織球症、網状皮斑、黄斑変性症、顕微鏡的多発血管炎、ベヒテレフ病、運動ニューロン障害、粘膜類天疱瘡、多臓器不全、重症筋無力症、骨髄異形成症候群、心筋炎、神経根障害、神経障害、非A非B型肝炎、視神経炎、骨溶解症、小関節型若年性関節リウマチ、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、末梢血管疾患(PVD)
、末梢動脈疾患(PAD)、静脈炎、結節性多発動脈炎(または結節性動脈周囲症)、多発性軟骨炎、リウマチ性多発筋痛症、白毛症、多関節型若年性関節リウマチ、多内分泌欠乏症候群、多発性筋炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、ポンプ後症候群、一次性パーキンソン症候群、前立腺炎、赤芽球癆、原発性副腎機能不全、再発性視神経脊髄炎、再狭窄、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症および骨炎)、強皮症、続発性アミロイドーシス、ショック肺、強膜炎、坐骨神経痛、続発性副腎機能不全、シリコン関連結合組織病、スネッドンウィルキンソン皮膚症、強直性脊椎炎、スティーブンスジョンソン症候群(SJS)、全身性炎症反応症候群、側頭動脈炎、トキソプラスマ性網膜炎、中毒性表皮壊死症、横断性脊椎炎、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体)、1型アレルギー反応、II型糖尿病、蕁麻疹、通常型間質性肺炎(UIP)、血管炎、春季カタル、ウイルス性網膜炎、フォークト小柳原田症候群(VKH症候群)、滲出型黄斑変性ならびに創傷治癒からなる群から選択される、請求項71の方法。
【請求項75】
請求項1の結合タンパク質を、第二の因子の投与前に、同時に、または後に投与する工程を含み、前記第二の因子が、メトトレキサート、レフルノミド、低用量のコルチコステロイド、プレドニゾン、コルチゾン、抗マラリア薬剤、ヒドロキシクロロキン、金、スルファサラジン、ペニシラミン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ミノサイクリン、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、アバタセプト、リツキシマブ、アナキンラ、生物学的因子ならびにIL−6、IL−6R、IL−17、IL−18、IL−23およびB7.1/B7.2を標的する経口デリバリー薬剤からなる群から選択される関節リウマチまたは若年性関節リウマチ薬;アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ、ステロイド、人工滑液、シンヴィクスおよびヒアルガンからなる群から選択される変形性関節炎薬;アダリムマブ、アザサン(azasan)、アサコール、アザチオプリン、アザルフィジン、ブデソニド、エントコート、フラジール、イムラン、インフリキシマブ、メルカプトプリン、メトロニダゾール、プロトスタット(protostat)、プリネトール(purinethol)、レミケードおよびスルファサラジンからなる群から選択されるクローン病薬;アセトコット(acetocot)、アセチルサリチル酸、アキュプリン(acuprin)81、アダリムマブ、アリーブ(aleve)、アムコート(amcort)、アナプロックス(anaprox)、アリストコート(aristocort)、アスピリン、アスピルタブ(aspirtab)、アズマコート(azmacort)、バファリン、ブフェックス(buffex)、カタフラム、セレブレックス(celebrex)、クリノリル、コルチゾン、ジクロフェナク、ディペンタム(dipentum)、アスピリン(easprin)、エタネルセプト、インドシン(indocin)、インドメタシン、インフリキシマブ、ナプロキセン、レミケード、トリアムシノロンおよびボルタレンからなる群から選択される強直性脊椎炎薬;アボネックス(Avonex)、アザサン(azasan)、アザチオプリン、ベタセロン(Betaseron)、バブリプレッド(Bubbli−Pred)、コパクソン(Copaxone)、コトロン(Cotolone)、グラチラマー、イムラン、インターフェロンベータ−la、インターフェロンベータ−lb溶液、キープレッド(Key−Pred)、キープレッドSP(Key−Pred SP)、ミトキサントロン、ナタリズマブ、ノバトロン(Novatrone)、オラプレッド(Orapred)、オラプレッドODT(Orapred ODT)、ペディアプレッド(Pediapred)、Pred−Ject−50、プレダコート(Predacort)50、プレダロン(Predalone)50、プレデート(Predate)−50、プレドニゾロン、プレロン(Prelone)、レビフ(Rebif)およびタイサブリからなる群から選択される多発性硬化症薬;アブラキサン、アドリアマイシン、アドルシル(Adrucil)、アルダラ(Aldara)、アレムツズマブ、アリムタ、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アプレピタン、アリミデックス、アロマシン、アラノン、亜ヒ酸、アバスチン(ベバシズマブ)、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、キャンパス(アレムツズマブ)、カンプトサール(塩酸イリノテカン)、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、シスプラチン、クラフェン(Clafen)(シクロホスファミド)、クロファラビン、クロファレックス(Clofarex)(クロファラビン)、クロラール(Clolar)(クロファラビン)、シクロホスファミド、シタラビン、サイトサール(Cytosar)−U(シタラビン)、シトキサン(シクロホスファミド)、ダコゲン(Dacogen)(デシタビン)、ダサチニブ、デシタビン、デポサイト(リポソームシタラビン)、デポフォーム(DepoFoam)(リポソームシタラビン)、塩酸デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキシル(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、塩酸ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシンリポソーム、Dox−SL(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、エフデックス(Efudex)(フルオロウラシル)、エレンス(Ellence)(塩酸エピルビシン)、エロキサチン(Eloxatin)(オキサリプラチン)、エメンド(アプレピタント)、塩酸エピルビシン、アービタックス(セツキシマブ)、塩酸エルロチニブ、エバセト(Evacet)(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、エビスタ(塩酸ラロキシフェン)、エキセメスタン、ファスロデックス(フルベストラント)、フェマーラ(レトロゾール)、フルオロプレックス(Fluoroplex)(フルオロウラシル)、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、塩酸ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ジェムザール(塩酸ゲムシタビン)、グリベック(メシル酸イマチニブ)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、ハイカムチン(塩酸トポテカン)、メシル酸イマチニブ、イミキモド、イレッサ(ゲフィニチブ)、塩酸イリノテカン、イクサベピロン、イグゼンプラ(イクサベピロン)、ケオキシフェン(Keoxifene)(塩酸ラロキシフェン)、ケピバンス(パリフェルミン)、ラパチニブトシル酸、レナリドミド、レトロゾール、レブラン(Levulan)(アミノレブリン酸)、リポドックス(LipoDox)(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、リポソームシタラビン、メタゾラストン(Methazolastone)(テモゾロミド)、マイロサール(Mylosar)(アザシチジン)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ナノ粒子パクリタキセル(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ネララビン、ネオサール(Neosar)(シクロホスファミド)、ネクサバール(トシル酸ソラフェニブ)、ニロチニブ、ノルバデックス(クエン酸タモキシフェン)、オンキャスパー(Oncaspar)(ペグアスパルガーゼ)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、パリフェルミン、パニツムマブ、パラプラット(カルボプラチン)、パラプラチン(カルボプラチン)、ペグアスパルガーゼ、ペメトレキセド二ナトリウム、プラチノール(Platinol)−AQ(シスプラチン)、プラチノール(Platinol)(シスプラチン)、塩酸ラロキシフェン、レブリミド(レナリドミド)、リツキサン(リツキシマブ)、リツキシマブ、スクレロゾル胸膜内エアロゾル(タルク)、トシル酸ソラフェニブ、スプリセル(ダサチニブ)、減菌タルクパウダー(タルク)、ステリタルク(Steritalc)(タルク)、リンゴ酸スニチニブ、スーテント(リンゴ酸スニチニブ)、シノビル(Synovir)(サリドマイド)、タルク、クエン酸タモキシフェン、タラビン(Tarabine)PFS(シタラビン)、タルセバ(塩酸エルロニチブ)、ターグレチン(ベキサロテン)、タシグナ(ニロチニブ)、タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)、テモダール(テモゾロミド)、テモゾロミド、テムシロリムス、サロミド(Thalomid)(サリドマイド)、サリドマイド、トテクト(Totect)(塩酸デクスラゾキサン)、塩酸トポテカン、トリセル(Torisel)(テムシロリムス)、トラスツズマブ、トリセノックス(亜ヒ酸)、タイケルブ(トシル酸ラパニチブ)、ベクチビックス(パニツムマブ)、ベルケイド(ボルテゾミブ)、ビダザ(アザシチジン)、ボリノスタット、ゼローダ(カペシタビン)、ザインカード(塩酸デクスラゾキサン)、ゾレドロン酸、ゾリンザ(ボリノスタット)、およびゾメタ(ゾレドロン酸)からなる群から選択される癌または悪性腫瘍薬からなる群から選択される、プロスタグランジンEが有害である障害に罹っている患者の治療方法。
【請求項76】
対象への前記投与が、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内(intracavity)、腔内(intracelial)、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心臓周囲内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、結腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑膜内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、口内、舌下、鼻内および経皮から選択される少なくとも1つの様式による、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
プロスタグランジンEに結合し、細胞表面ベース受容体結合アッセイにおいて、約1×10−6から1×10−7M、1×10−7から1×10−8M、1×10−8から1×10−9M、10−9から10−10M、1×10−10から1×10−11M、および10−11から10−12Mからなる群から選択されるIC50で、またはELISAベース受容体結合アッセイにおいて、約1×10−6から1×10−7M、1×10−7から1×10−8M、1×10−8から1×10−9M、10−9から10−10M、1×10−10から1×10−11M、および10−11から10−12Mからなる群から選択されるIC50でE1、E2、E3およびE4受容体のうちの少なくとも1つへのプロスタグランジンEの結合を阻害する、単離された抗体またはこの抗原結合断片。
【請求項78】
PGEに結合し、カラゲナン誘発足浮腫モデル、カラゲナン誘発痛覚過敏モデル、コラーゲン誘発関節炎モデルおよびアジュバンド誘発関節炎モデルからなる群から選択される疾患モデルにおいて、PGE活性を約50%抑制する、単離された抗体またはこの抗原結合断片。
【請求項79】
カラゲナン誘発足浮腫モデル、カラゲナン誘発痛覚過敏モデル、コラーゲン誘発関節炎モデルおよびアジュバンド誘発関節炎モデルからなる群から選択される疾患モデルにおいて、PGE活性を約70%抑制する、請求項77の抗体。
【請求項80】
PGEに結合し、カラゲナン誘発足浮腫モデル、カラゲナン誘発痛覚過敏モデル、コラーゲン誘発関節炎モデルおよびアジュバンド誘発関節炎モデルからなる群から選択される疾患モデルにおいて、炎症を約90%抑制する、単離された抗体またはこの抗原結合断片。
【請求項81】
2B5である、請求項77の抗体。
【請求項82】
プロスタグランジンEに結合し、細胞表面ベース受容体結合アッセイにおいてまたはELISAベース受容体結合アッセイにおいて、E1、E2、E3およびE4受容体のうちの少なくとも1つへのプロスタグランジンEの結合を約100nMの濃度で約70−100%阻害する、単離された抗体またはこの抗原結合断片。
【請求項83】
19C9、4F10、15F10、K1B、K7H、K3A、L11、L21、2B5−7.0、2B5−8.0および2B5−9.0からなる群から選択される、請求項81の抗体。
【請求項84】
プロスタグランジンEの生物学的機能を調節することが可能である、請求項81の抗体またはこの抗原結合断片。
【請求項85】
プロスタグランジンEを中和することが可能である、請求項81の抗体またはこの抗原結合断片。
【請求項86】
免疫グロブリン分子、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植された抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、多特異的抗体、二重特異的抗体、および二特異的抗体からなる群から選択される、請求項81の抗体またはこの抗原結合断片。
【請求項87】
ヒト化抗体である、請求項81の抗体またはこの抗原結合断片。
【請求項88】
請求項81の抗体またはこの抗原結合断片および医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項89】
プロスタグランジンE活性が有害である障害を治療するための少なくとも1つの追加の治療剤をさらに含む、請求項87の医薬組成物。
【請求項90】
非ヒト動物をプロスタグランジンE−サイログロブリンを用いて免疫し、抗プロスタグランジンE抗体を含む体液または器官を収集し、ならびに前記抗プロスタグランジンE抗体を単離する工程を含む、プロスタグランジンEに結合する抗体またはこの断片を作製する方法。
【請求項91】
プロスタグランジンEに結合することができ、配列番号54−59からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDR領域を含む抗原結合ドメインを含む、ヒト化抗体。
【請求項92】
プロスタグランジンEに結合することができ、配列番号54−59からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%相同であるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDR領域を含む抗原結合ドメインを含む、ヒト化抗体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への参照)
本出願は、2008年7月8日提出の米国特許仮出願第61/134,264号、および2008年10月23日出願の米国特許仮出願第61/197,258号の優先権を主張する非仮出願であり、この2つの仮出願の内容は参照により本明細書に組み込むものとする。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、結合タンパク質およびこの組成物、例えば、プロスタグランジンE(PGE)などの脂質代謝物に特異的な抗体および抗原結合部分、ならびに、疾患の予防、診断および治療における結合タンパク質およびこの組成物の作製、特徴づけおよび使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
プロスタグランジン(PG)、トロンボキサン(TX)、ロイコトリエン(LT)およびスフィンゴシン−1−リン酸などの生理活性脂質は、様々な障害の原因において決定的な生理学的役割を果たしている(Wymann、MP and Schneiter R、Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.9(2):162−76(2008))。炎症中、細胞ホスホリパーゼ、特にホスホリパーゼA2およびCは、活性化されて細胞膜リン脂質をアラキドン酸(AA)まで分解する。AAは、2種類の主要経路、すなわちシクロオキシゲナーゼ(COX)経路およびリポキシゲナーゼ(LO)経路により代謝される。COX経路はプロスタグランジン(PGD、PGE、PGF2α、プロスタサイクリンまたはPGI、およびトロンボキサンA2またはTXA)を産生する。LO経路は2つの分岐を有し、すなわち5−LO経路はロイコトリエン(例えば、LTA4、LTB4、LTC4、LTD4、LTE4およびLTF4)を産生し、15−LO経路はリポキシン(例えば、LXA4、LXB4)を産生する。プロスタグランジン(PG)、トロンボキサン(TX)およびロイコトリエン(LT)などのプロスタノイドは、身体内の局所的恒常性を維持するための様々な生理活性を有する(The Pharmacological Basis of Therapeutics、Gilman、et al.、eds.、7th Ed.、660頁、Macmillan Publishing Co.、New York(1985))。COXの産物、すなわちPG G2/PG H2は、組織特異的イソメラーゼの作用により特異的PGに変換されて、PGI、TXA、PGD、PGEおよびPGF2αをもたらす。PGの生物学的機能は、組織特異的細胞表面ロドプシン様7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体(GPCR)により媒介される。各PGの正確な生理学的/病理学的役割は、細胞状況、受容体発現プロファイル、リガンド親和性およびシグナル伝達経路への差次的共役により決定される(Haluska et al.、Annu.Rev.Pharm.Tox.10:213(1989);Prostanoids and their Receptors.In Comprehensive Medicinal Chemistry、643頁、Pergamon Press、Oxford(1990))。PGは血管運動性の調節、睡眠/覚醒周期、腸内分泌、脂肪分解、糸球体濾過、マスト細胞脱顆粒、神経伝達、血小板凝集、黄体溶解、子宮収縮および分娩、炎症および関節炎、動脈管開存性、細胞増殖および分化ならびに免疫応答全般の制御において広範囲の生理学的役割を果たしている。病態生理学的には、PGは、疼痛および炎症、癌、神経性疾患、心血管性疾患ならびに高血圧を含む様々な疾患に結びつけられてきた。
【0004】
プロスタグランジンE(PGE)はプロスタノイドファミリーの一員である。PGEは、消化管、胃酸の分泌、平滑筋の弛緩および神経伝達物質の放出に広く関与している。PGEに対しては、EP1、EP2、EP3、およびEP4を含む4サブタイプ受容体が同定されており(Negishi、M.et al.、J.Lipid Mediators Cell Signalling、12:379−391(1995))、このそれぞれが異なるシグナル伝達経路に関与している。
【0005】
PGEは、AA代謝のCOX経路の主産物である。PGEは関節で合成される主要なPGであり、炎症および関節炎の病変形成において重要な役割を果たしている。5つのPGEシンターゼが同定されている。(Smith WL、Am.J.Physiol.263(2Pt2):F181−91頁(1992))。これら5つのうち、膜PGEシンターゼ(mPGES)−1は、PGE産生に関与するキーとなるPGE変換酵素であると思われる。MPGES−1は、他のPGEシンターゼと比べてもっとも高い触媒活性を示しており、COX−1および/またはCOX−2と連動して機能し、PGHをPGEに変換する。mPGES−1 KOマウス(Kamei、D.、et al.、J.Biol.Chem.、279(32):33684−95(2004);Trebino、C.F.、et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 100(15):9044−9(2003))、特異的PGE受容体アイソフォームKOマウス(McCoy、J.M.、et al.、J.Clin.Invest.、110(5):651−8(2002);Majima、M.、et al.Trends Pharmacol.Sci.、24(10):524−9(2003);and Amano、H.、et al.,J.Exp.Med.,197(2)221−32(2003))および抗PGE特異的抗体(Portanova、J.P.、et al.、J.Exp.Med.、184(3):883−91(1996);Zhang、Y.、et al.、J.Pharmacol.Ex.Ther.、283(3):1069−75(1997))を使用する研究によれば、PGEは、関節リウマチ(RA)、疼痛および炎症ならびに癌発生の動物モデルにおいて主要な役割を果たしていることが示唆されている。mPGES−1不在下では、COX−1、COX−2および他のPGEシンターゼのレベルは比較的不変のままである。mPGES−1KOマウスは、野生型マウスと比べても、生存可能であり、繁殖力があり、正常に成長する。しかしながら、mPGES−1KOマウスは、PGE産生の基礎レベルでも、様々な炎症性刺激を用いたチャレンジに続くマクロファージからのPGE産生においても劇的減少を示す。さらに、TXA2産生は増加する。mPGES−1KOマウスは、関節炎発生の頻度および重症度の減少を示し、様々なモデルにおいて疼痛および炎症に対する抵抗性を示している。いくつかの研究室が、独立して様々なEP受容体アイソフォームKOマウスを作製した。これらのマウスは生存可能であり、繁殖力があり、正常に成長する。特異的EPアイソフォームKOマウスを使用する研究によれば、PGEの様々な機能は特異的EPアイソフォームを介して媒介されることが実証されている。例えば、EP4アイソフォームの欠如はマウスにおける関節炎発生の重症度に明らかに影響を与えるが、EP3の欠如は、間質細胞および血管新生によるVEGF産生を調節することによって腫瘍発生および進行に影響を与える。
【0006】
プロスタグランジンの生合成および代謝の欠損は、現在では、自己免疫性および炎症性障害の原因に重要な役割を果たしていると考えられている。例えば、関節リウマチに罹っている患者由来の滑膜組織は、非罹対象由来の滑膜組織と比べて多量のPGEおよびプロスタグランジンF2α(PGF2α)を産生する(Blotman、F.、et al.、Rev.Rhum.Mal.Osteoartic、46(4):243−7(1979))。同様に、食物不耐性に続発する全身性および胃腸症状を示す患者ではPGEおよびPGF2αの合成の増加が起こる。したがって、ある種の食物の摂取に続発する偏頭痛は、2系統のプロスタグランジンの合成が増加した結果であり得る。多発性硬化症も、プロスタグランジンのPGEとPGEの正常レベルの不均衡に関連している。生殖の多くの局面、例えば、受精能、妊娠および分娩は、プロスタグランジンに制御されている可能性がある。プロスタグランジンは生殖生理機能においても主要な役割を果たしている。過剰なプロスタグランジン合成は、月経困難症および出産を引き起こし、これらは、プロスタグランジンを静脈内に投与することにより、またはプロスタグランジンペッサリーの挿入により誘発されることがある。(Wang L.et al.、Occup.Environ.Med.61(12):1021−1026(2004))。PGEの過剰な合成は、不妊症、反復流産、子癇前症および子癇などの生殖の障害においても主要な役割を果たしている。したがって、PGEに特異的でこの生物学的機能を遮断するまたは調節する抗体の必要性が存在し、この抗体は、PGEの過剰産生に伴う疾患を予防し治療する他にも診断目的で使用され得る。
【0007】
高度に特異的で高親和性(Kは約300pM。)抗PGE、mAb、2B5の作製が報告されている。(Mnich SJ、et al.J.Immunol.155(9):4437−44(1995))。COX−1,2阻害薬であるインドメタシンと比べた2B5の有効性が、マウスでの疼痛および炎症のおよびラットでのアジュバンド誘発関節炎の動物モデルにおいて決定された。(Portanova JP et al.、J.Exp.Med.184(3):883−91(1996))。これらの研究により、2B5は、関節炎の疼痛および炎症の他に重症度も軽減するのにインドメタシンと同程度に有効であることが明確に示され、PGEが、これらの動物モデルにおけるAA代謝のCOX−1,2経路でのキーとなる関与物であることを示唆している。
【0008】
COX阻害薬による全PG産生抑制は、数十年間確立した治療方針となっている。COXの2種類のアイソフォーム、COX−1とCOX−2は公知であり、そのそれぞれが別々の遺伝子にコードされている。これら2種類のアイソフォームは、基本的に同じ触媒反応を実行し、類似の三次構造を有する(Garavito RM、et al.、Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.32:183−206(2003))。COX−1はほぼすべての組織で構成的に発現され、主に、胃細胞保護および恒常性などの正常「ハウスキーピング」機能に主として関与していると考えられている。これとは対照的に、COX−2は特定の組織で構成的に発現され、炎症および癌の部位では高度に誘導性である。したがって、COX−2媒介PG産生は、炎症および癌の部位で重要な役割を果たしていると考えられている。従来の非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、例えば、アスピリン、インドメタシン、イブプロフェンは両COXアイソフォームを阻害する。これらの化合物は、疼痛、関節リウマチ(RA)、変形性関節炎(OA)および循環器疾患に対してもっとも広く使用されている薬剤であり、結腸癌およびADの予防に対して現在検討中である。従来のNSAIDの主要なライアビリティーは、高リスク集団における胃と腎臓の有害事象であり、この有害事象はCOX−1が阻害されるせいであると考えられている。したがって、第二世代のNSAIDである、COX−2選択的阻害薬(例えば、セレコキシブ、Celebrex;ロフェコキシブ、Vioxx;バルデコキシブ、Bextra)は、よりすぐれた治療プロファイルを有すると考えられている。この仮定により、選択的阻害薬は、疼痛、RAおよびOAに広く使用されるようになった。1999年の最初のCOX−2阻害薬の承認以降、2004年のCOX−2阻害薬の総売上高はおよそ米ドル50億ドルであった。しかしながら、最近一部のCOX−2選択的阻害薬が市場から回収され、ある種のCOX−2阻害薬に対する高リスク患者での循環器副作用のせいでFDAの再調査中である。COX阻害薬に関連するライアビリティーは、おそらく、すべてのPGを阻害するこの能力のせいで、特に、両方が循環器恒常性を維持するのに重要な役割を果たしているPGIおよびTXA産生を差次的に妨げるこの能力のせいで生じた(Martinez−Gonzalez J.et al.、Curr.Pharm.Des.13(22):2215−2227(2007))。COXが阻害されると、より多くのAAをLO経路が利用可能になり得て、したがって、ロイコトリエンおよびリポキシンの産生を増加させ、これがCOX阻害関連有害作用の一因となり得る。COX−1および/またはCOX−2ノックアウトマウスならびにCOX−1およびCOX−2特異的阻害薬を使用する最近の研究によれば、2種類のCOXアイソフォームの生理学的役割に関する仮定は正しくない可能性があることも示唆されている。(Loftin、C.D.、et al.、Prostaglandins Other Lipid Mediat.68−69:177−85(2002))。これらの研究は、COX−1とCOX−2の両方が、組織恒常性を維持するためのPGを供給するのに重要な役割を果たしており、両アイソフォームは、疼痛、炎症および癌などの疾患発症の一因となり得ることを示唆している。したがって、COX−1およびCOX−2経路の有害なPGE下流を特異的抗体を用いて遮断すれば、ある種のヒト疾患の治療のための魅力的なアプローチになると思われる。
【0009】
重要な生理活性プロスタグランジンのもう1つの例はPGDである。PGDは免疫学的チャレンジをするとマスト細胞から産生されるアラキドン酸の主要なシクロオキシゲナーゼ産物である(Lewis、et al.、J.Immunol.129:1627−1631(1982))。活性化されたマスト細胞、すなわちPGDの主要供給源は、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性皮膚炎および他の疾患などの状態においてアレルギー応答を推進するのにキーとなる役割を果たす物質の1つである(Brightling、et al.、Clin.Exp.Allergy 33:550−556(2003))。最近の研究では、様々なヒト組織で発現されている2つの異なるG−タンパク質共役型受容体(GPCR)、すなわちD−プロスタノイド受容体(DP)とヘルパーT2型細胞上で発現される相同分子である化学誘引物質受容体(CRTH2)を通じて、PGDはこの効果を発揮することが明らかにされている。PGD/CRTH2系は、アレルギー性炎症の誘導に関与している好酸球、好塩基球およびTh2細胞の走化性を媒介する(Ulven T et al.、Curr.Top.Med.Chem.6(13):1427−1444(2006))。PGDの作用の多くが、上皮および平滑筋上で発現されるGタンパク質共役型受容体であるD型プロスタグランジン(「DP」)受容体上でのこの作用を通じて媒介される。喘息では、呼吸上皮が、この疾患の進行を推進する炎症性サイトカインおよびケモカインのキーとなる供給源として長い間認識されてきた(Holgate、et al.、Am.J.Respir.Crit.Care Med.162:113−117(2000))。喘息の実験マウスモデルでは、DP受容体は、抗原チャレンジすると気道上皮上で劇的に上方調節される(Matsuoka、et al.、Science 287:2013−2017(2000))。DP受容体は、くしゃみ、そう痒、鼻漏および鼻閉という症状により特徴づけられる頻発性アレルギー疾患であるヒトアレルギー性鼻炎に関与している。DPアンタゴニストは、複数の種においてアレルギー性鼻炎の症状を軽減するのに効果的であることが明らかにされており、さらに具体的には、アレルギー性鼻炎のもっとも明白な症状である、抗原誘発鼻閉を抑制することが明らかにされている(Jones、et al.、Am.J.Resp.Crit.Care Med.167:A218(2003);Arimura、et al.,S−5751.J.Pharmacol.Exp.Ther.298(2):411−9(2001))。DPアンタゴニストは、アレルギー性結膜炎およびアレルギー性皮膚炎の実験モデルでも効果的である(Arimura et al.、S−5751.J.Pharmacol.Exp.Ther.298(2):411−9(2001);Torisu、et al.、Bioorg.& Med.Chem.12:5361−5378(2004))。したがって、PGDに対して特異的な抗体の必要性も存在しており、したがって、PGDの生物学的機能を遮断するまたは調節することを利用すれば、PGDの過剰産生に伴う疾患を予防し治療し得る。
【0010】
スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)は、血小板凝集、細胞増殖、細胞形態、腫瘍細胞浸潤、内皮細胞走化性および内皮細胞インビトロ血管新生をもたらす細胞効果を含む多くの細胞効果を誘導する生物学的活性脂質のもう1つの例である。したがって、S1P受容体は、創傷治癒および腫瘍増殖阻害などの治療的適用のための良好な標的である。S1Pは、S1P1、S1P2、S1P3、S1P4およびS1P5(以前はそれぞれEDG−1、EDG−5、EDG−3、EDG−6およびEDG−8と呼ばれた)と名付けられた一組のGタンパク質共役型受容体を一部分介して細胞に信号を送る。これらの受容体は、構造的に関係するリゾホスファチジン酸(LPA)に対する3種の他の受容体(LPA1、LPA2およびLPA3(以前はEDG−2、EDG−4およびEDG−7と呼ばれた))と50−55%アミノ酸およびクラスター同一性を共有する。(Ishii、I.et al.、Mol.Pharmacol.58(5):895−902(2000))。リガンドがこの受容体に結合し、GDPが関連Gタンパク質のαサブユニット上でGTPに置き換えられ、続いてGタンパク質が細胞質に放出されると、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)において立体構造変化が誘導される。次に、αサブユニットが、βγ−サブユニットから解離し、それぞれのサブユニットは、次にエフェクタータンパク質に会合することができ、これが細胞応答をもたらす第二のメッセンジャーを活性化する。最終的に、Gタンパク質上のGTPはGDPに加水分解されて、Gタンパク質のサブユニットは互いに再会合し、次に受容体と会合する。増殖は一般GPCR経路において主要な役割を果たしている。1つのリガンドの1つの受容体への結合により、多くのGタンパク質が活性化され、それぞれが多くのエフェクタータンパク質と会合することができて、増幅された細胞応答をもたらす。S1P受容体は、個々の受容体が組織特異的でもあり、応答特異的でもあるために良好な薬物標的になる。S1P受容体の組織特異性は重要である。なぜならば、1つの受容体に対して選択的なアゴニストまたはアンタゴニストが開発されれば、細胞応答をその受容体を含有する組織に限局して、不必要な副作用を制限するからである。S1P受容体の応答特異性も、他の応答に影響を与えずにある種の細胞応答を開始するまたは抑制するアゴニストまたはアンタゴニストの開発を可能にするので重要である。例えば、S1P受容体の応答特異性は、細胞形態に影響を与えずに血小板凝集を開始するS1P模倣薬を可能にすることが可能である。
【0011】
S1Pは、スフィンゴシンキナーゼとのその反応におけるスフィンゴシンの代謝物として形成され、高レベルのスフィンゴシンキナーゼが存在しスフィンゴシンリアーゼが不在である血小板凝集体に豊富に蓄えられている。S1Pは、血小板凝集中に放出され、血清中に蓄積し、悪性腹水にも存在する。S1P生分解は、おそらく、エクトホスホヒドロラーゼ、具体的には、スフィンゴシン−1−リン酸ホスホヒドロラーゼによる加水分解を介して進行する。したがって、自己免疫疾患、炎症性疾患および癌を予防するまたは治療するのに使用するために、受容体とのその相互作用を遮断することにより、またはS1Pを安定化してこの生物学的効果を増強することによりその生物学的機能を調節するためのS1Pに特異的な抗体の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Wymann、MP and Schneiter R、Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.9(2):162−76(2008)
【非特許文献2】The Pharmacological Basis of Therapeutics、Gilman、et al.、eds.、7th Ed.、660頁、Macmillan Publishing Co.、New York(1985)
【非特許文献3】Haluska et al.、Annu.Rev.Pharm.Tox.10:213(1989)
【非特許文献4】Prostanoids and their Receptors.In Comprehensive Medicinal Chemistry、643頁、Pergamon Press、Oxford(1990)
【非特許文献5】Negishi、M.et al.、J.Lipid Mediators Cell Signalling、12:379−391(1995)
【非特許文献6】Smith WL、Am.J.Physiol.263(2 Pt 2):F181−91(1992)
【非特許文献7】Kamei、D.、et al.、J.Biol.Chem.、279(32):33684−95(2004)
【非特許文献8】Trebino、C.F.、et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 100(15):9044−9(2003)
【非特許文献9】McCoy、J.M.、et al.、J.Clin.Invest.、110(5):651−8(2002)
【非特許文献10】Majima、M.、et al.Trends Pharmacol.Sci.、24(10):524−9(2003)
【非特許文献11】Amano、H.、et al.,J.Exp.Med.,197(2)221−32(2003)
【非特許文献12】Portanova、J.P.、et al.、J.Exp.Med.、184(3):883−91(1996)
【非特許文献13】Zhang、Y.、et al.、J.Pharmacol.Ex.Ther.、283(3):1069−75(1997)
【非特許文献14】Blotman、F.、et al.、Rev.Rhum.Mal.Osteoartic、46(4):243−7(1979)
【非特許文献15】Wang L.et al.、Occup.Environ.Med.61(12):1021−1026(2004)
【非特許文献16】Mnich SJ、et al.J.Immunol.155(9):4437−44(1995)
【非特許文献17】Portanova JP et al.、J.Exp.Med.184(3):883−91(1996)
【非特許文献18】Garavito RM、et al.、Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.32:183−206(2003)
【非特許文献19】Martinez−Gonzalez J.et al.、Curr.Pharm.Des.13(22):2215−2227(2007)
【非特許文献20】Loftin、C.D.、et al.、Prostaglandins Other Lipid Mediat.68−69:177−85(2002)
【非特許文献21】Lewis、et al.、J.Immunol.129:1627−1631(1982)
【非特許文献22】Brightling、et al.、Clin.Exp.Allery 33:550−556(2003)
【非特許文献23】Ulven T et al.、Curr.Top.Med.Chem.6(13):1427−1444(2006)
【非特許文献24】Holgate、et al.、Am.J.Respir.Crit.Care Med.162:113−117(2000)
【非特許文献25】Matsuoka、et al.、Science 287:2013−2017(2000)
【非特許文献26】Jones、et al.、Am.J.Resp.Crit.Care Med.167:A218(2003)
【非特許文献27】Arimura、et al.,S−5751.J.Pharmacol.Exp.Ther.298(2):411−9頁(2001)
【非特許文献28】Torisu、et al.、Bioorg.& Med.Chem.12:5361−5378(2004)
【非特許文献29】Ishii、I.et al.、Mol.Pharmacol.58(5):895−902(2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
様々なヒト障害におけるPGEの役割のせいで、PGE活性を抑制するまたは相殺する治療方針が考案されている。特に、ヒトに送達するのに適していて、PGEに結合して中和する治療抗体は、まだ報告されていない。PGEに結合して中和することが可能である改良された抗体の必要性が当技術分野には存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、プロスタグランジンE(PGE)などの脂質代謝物に特異的な結合タンパク質に関する。本発明のPGE結合タンパク質は、PGEに結合することが可能である抗体、抗原結合断片および様々なスキャホールドを有する抗原結合断片を含むが、これらに限定されない。
【0015】
本発明の一態様は、PGEに結合することが可能である結合タンパク質に関する。一実施形態において、本発明の結合タンパク質は、中和、安定化、アンタゴニスト、および/またはアゴニスト活性を有する。別の実施形態において、結合タンパク質はPGEの生物学的機能を調節することが可能である。例えば、結合タンパク質は少なくとも部分的にPGEを中和することが可能である。
【0016】
本発明の一態様において、結合タンパク質は、PGEに結合して1つまたはそれ以上のPGE受容体(例えば、EP1、EP2、EP3およびEP4)へのPGEの結合を妨げることが可能である。本発明の実施形態において、結合タンパク質は、PGEに結合してEP1、EP2、EP3およびEP4受容体へのPGEの結合を妨げることが可能である。
【0017】
本発明は、PGE結合タンパク質を作製し、特徴づけ、単独療法としてまたは他の治療剤との組合せ療法として使用する方法ならびにPGEに媒介される疾患、例えば、関節リウマチ、クローン病、変形性関節炎、AMD、リンパ節腫脹、溶血性貧血、紫斑病、強直性脊椎炎、多発性硬化症、糖尿病、癌、疼痛、骨量減少/回復、動脈硬化性疾患、生殖障害および他の疾患などの、例えば、自己免疫および炎症性疾患の予防および/または治療における方法を提供する。本発明の結合タンパク質は、そのような疾患の診断でも使用することが可能である。
【0018】
本発明の実施形態において、結合タンパク質は、PGEに結合する単離された抗体、またはこの抗原結合断片である。そのような結合は、ビオチン化PGEELISAベースアッセイにおいて、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11Mおよび約10−11から約10−12Mからなる群から選択されるEC50を用いて実証され得る。別の実施形態において、結合タンパク質のPGEへの結合は、H標識PGEベースラジオイムノアッセイにおいて、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11M、および約10−11から約10−12からなる群から選択されるKを用いて実証される。別の実施形態において、結合タンパク質のPGEへの結合は、その受容体EP4を通じて媒介されるPGE誘発カルシウム流入が結合タンパク質のPGEへの結合により抑制されるFLIPRにおいて、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11Mおよび約10−11から約10−12からなる群から選択されるIC50を用いて実証される。
【0019】
一実施形態において、抗体は、FACSベース受容体結合アッセイにおいて細胞表面のEP1、EP2、EP3および/もしくはEP4受容体へのビオチン化PGEの結合を阻害し、または抗体は、ELISAベース受容体結合アッセイにおいて、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11Mおよび約10−11から約10−12のIC50で、受容体発現細胞を使用して作製された膜調製物上のEP1、EP2、EP3および/もしくはEP4受容体へのビオチン化PGEの結合を阻害し、または抗体は、H PGEベースラジオイムノアッセイにおいて、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11Mおよび約10−11から約10−12のIC50で、細胞表面上のもしくは膜調製物上のEP1、EP2、EP3および/もしくはEP4へのH−PGEの結合を阻害し、ならびに/または抗体は、EP4媒介FLIPRアッセイにおいて、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11Mおよび約10−11から約10−12のIC50でPGE誘発カルシウム流入を抑制する。一実施形態において、細胞表面ベース受容体結合アッセイにおいてまたはラジオイムノアッセイベース受容体結合アッセイにおいて、抗体またはこの抗原結合断片はPGEに結合して、100nMの濃度で約70−100%、その受容体のうちの少なくとも1つへのPGEの結合を阻害する。
【0020】
一実施形態において、抗体は19C9、4F10、15F10、K1B、K7H、K3A、L11、L21、2B5−7.0、2B5−8.0もしくは2B5−9.0またはこれらのバリアントである。一実施形態において、バリアントは、Hu2B5.P1またはHu2B5.P2などのヒト化バリアントである。
【0021】
別の態様において、本発明は、カラゲナン誘発齧歯類足浮腫モデルにおいて、PGEに結合して、足浮腫を約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%抑制する単離された抗体、またはこの抗原結合断片を提供する。特定の実施形態において、抗体は、カラゲナン誘発齧歯類足浮腫モデルにおいて、足浮腫を約10%より多く抑制する。
【0022】
別の態様において、本発明は、齧歯類コラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、PGEに結合して、足腫脹または平均関節炎スコアーを約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%抑制する単離された抗体、またはこの抗原結合断片を提供する。特定の実施形態において、抗体は、齧歯類コラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、足腫脹または平均関節炎スコアーを10%より多く抑制する。
【0023】
別の態様において、本発明は、カラゲナン誘発齧歯類足浮腫モデルにおいて、PGEに結合して、足浮腫を約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%抑制する単離された抗体、またはこの抗原結合断片を提供する。特定の実施形態において、抗体は、カラゲナン誘発齧歯類足浮腫モデルにおいて、足浮腫を約10%より多く抑制する。
【0024】
別の態様において、本発明は、齧歯類コラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、PGEに結合して、足腫脹または平均関節炎スコアーを約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%抑制する単離された抗体、またはこの抗原結合断片を提供する。特定の実施形態において、抗体は、齧歯類コラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、足腫脹または平均関節炎スコアーを10%より多く抑制する。
【0025】
別の実施形態において、本発明の結合タンパク質は、PGEに対してラジオイムノアッセイにより測定される最大で約10−3−1、最大で約10−4−1、最大で約10−5−1、または最大で約10−6−1の解離速度定数(Koff)を有する。好ましくは、本発明の結合タンパク質は、PGEに対してラジオイムノアッセイにより測定される約10−3−1から約10−4−1の、約10−4−1から約10−5−1の、または約10−5−1から約10−6−1の解離速度定数(Koff)を有する。
【0026】
別の実施形態において、本発明の結合タンパク質は、ラジオイムノアッセイにより決定される、最大で約10−6M、最大で約10−7M、最大で約10−8M、最大で約10−9M、最大で約10−10M、最大で約10−11M、最大で約10−12M、または最大で約10−13MのPGEに対する解離定数(K)を有する。好ましくは、本発明の結合タンパク質は、約10−7Mから約10−8Mの、約10−8Mから約10−9Mの、約10−9Mから約10−10Mの、約10−10から約10−11Mの、約10−11Mから約10−12Mの、または約10−12Mから約10−13MのPGEに対する解離定数(K)を有する。本発明の一態様は、本発明の少なくとも1つのPGE結合タンパク質に少なくとも1つのPGE抗イディオタイプ抗体を提供する。抗イディオタイプ抗体には、本発明の結合タンパク質中に取り込まれることができる、重鎖もしくは軽鎖またはそのリガンド結合部分の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)、重鎖または軽鎖可変領域、重鎖または軽鎖定常領域、フレームワーク領域またはそのいずれかの一部など(これらに限定されない。)、免疫グロブリン分子の少なくとも一部を含むいずれかのタンパク質またはペプチド含有分子が含まれる。
【0027】
別の態様において、本発明は、プロスタグランジンEに結合し、細胞表面ベース受容体結合アッセイにおいて、約1×10−6から1×10−7M、1×10−7から1×10−8M、1×10−8から1×10−9M、10−9から10−10M、1×10−10から1×10−11Mおよび10−11から10−12Mからなる群から選択されるIC50で、またはELISAベース受容体結合アッセイにおいて、約1×10−6から1×10−7M、1×10−7から1×10−8M、1×10−8から1×10−9M、1×10−9から10−10M、1×10−10から1×10−11Mおよび10−11から10−12Mからなる群から選択されるIC50で、E1、E2、E3およびE4受容体のうちの少なくとも1つへのプロスタグランジンEの結合を阻害する単離された抗体またはこの抗原結合断片を提供する。
【0028】
別の実施形態において、抗体またはこの抗原結合断片は、E1、E2、E3およびE4受容体のうちの少なくとも1つを発現している細胞または発現している細胞膜調製物を使用する細胞表面ベース受容体結合アッセイにおいてまたはH−PGEベースラジオイムノアッセイにおいて、プロスタグランジンEに結合し、E1、E2、E3およびE4受容体のうちの少なくとも1つへのプロスタグランジンEの結合を約100nMの濃度で約70−100%阻害する。一実施形態において、抗体は、19C9、4F10、15F10、K1B、K7H、K3A、L11、L21、2B5−7.0、2B5−8.0および2B5−9.0からなる群から選択される。別の実施形態において、抗体またはこの抗原結合断片は、プロスタグランジンEを中和するなどの、プロスタグランジンEの生物学的機能を調節することが可能である。抗体またはこの抗原結合断片は、免疫グロブリン分子、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植された抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、多重特異的抗体、二重特異的抗体、および二特異的抗体からなる群から選択される。一実施形態では、抗体またはこの抗原結合断片はヒト化抗体である。別の実施形態において、抗体は、Hu2B5.P1およびHu2B5.P2からなる群から選択される。本発明は、抗体またはこの抗原結合断片を含む医薬組成物および医薬として許容できる担体も提供する。一実施形態では、プロスタグランジンE活性が有害である障害を治療するための少なくとも1つの追加の治療剤をさらに含む。
【0029】
別の態様において、本発明は、非ヒト動物をプロスタグランジンE−サイログロブリンで免疫し、抗プロスタグランジンE抗体を含む体液または器官を収集し、抗プロスタグランジンE抗体を単離する工程を含む、プロスタグランジンEに結合する抗体またはこの断片を作製する方法を提供する。
【0030】
別の態様において、本発明は、配列番号54−59からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDR領域を含む、プロスタグランジンEに結合することが可能である抗原結合ドメインを含むヒト化抗体を提供する。別の実施形態において、本発明は、配列番号54−59からなる群から選択されるアミノ酸配列に少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%相同であるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDR領域を含む抗原結合ドメインを含むヒト化抗体を提供する。一実施形態において、ヒト化抗体は、配列番号78、79、80および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0031】
一態様において、本発明は、PGEに結合することが可能である結合タンパク質を提供し、前記抗原結合ドメインは、CDR−H1:GYTFTKYWLG(配列番号54)、CDR−H2:DIYPGYDYTHYNEKFKD(配列番号55)、CDR−H3:SDGSSTY(配列番号56)、CDR−L1:TSSQNIVHSNGNTYLE(配列番号57)、CDR−L2:KVSNRFSG(配列番号58)、CDR−L3:FQVSHVPYT(配列番号59)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDRを含む。
【0032】
別の実施形態において、本発明は、配列番号6、7、8、10、11、12、14、15、16、18、19、20、22、23、26、27、28、30、31、32、34、35、37、38および39からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDRを含む抗原結合ドメインを含む結合タンパク質またはこの断片を提供する。別の実施形態において、結合タンパク質またはこの断片は、配列番号5、13、21、25、33、40、42および44からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのVH領域を含む抗原結合ドメインを含む。さらに別の実施形態において、結合タンパク質またはこの断片は、配列番号9、17、24、29、36、41、43および45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのVL領域を含む抗原結合ドメインを含む。さらに別の実施形態において、結合タンパク質またはこの断片は、配列番号54−59からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのCDR領域を含む抗原結合ドメインを含む。
【0033】
一実施形態において、結合タンパク質は、例えば、配列番号6、7および8;配列番号14、15および16;配列番号14、22および23;配列番号26、27および28および32;配列番号26、34および35;ならびに配列番号54、55および56からなる群から選択されるVH CDRセットから選択される少なくとも3つのCDRを含む。別の実施形態において、上記少なくとも3つのCDRは、配列番号10、11および12;配列番号17、18および19;配列番号30、31および32;配列番号37、38および39;配列番号42、43および44;ならびに配列番号57、58および59からなる群から選択されるVL CDRセットから選択される。さらに別の実施形態において、上記少なくとも3つのCDRは、配列番号54、55および56のアミノ酸配列のVH CDRセット、ならびに/または配列番号57、58および59のアミノ酸配列のVL CDRセットを含む。
【0034】
別の実施形態において、結合タンパク質は、例えば、配列番号6、7、8および配列番号10、11、12;配列番号14、15、16および配列番号18、19、20;配列番号14、22、23および配列番号10、11、12;配列番号26、27、28および配列番号30、31、32;ならびに配列番号26、34、35および配列番号37、38、39からなる群から選択される少なくとも2つの可変ドメインCDRセットを含む。
【0035】
別の実施形態において、本発明の結合タンパク質は、配列番号5および配列番号9;配列番号13および配列番号17;配列番号21および配列番号24;配列番号25および配列番号29;配列番号33および配列番号36;配列番号40および配列番号41;配列番号42および配列番号43;ならびに配列番号44および配列番号45からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する2つの可変ドメインを含む。別の実施形態において、上記2つの可変ドメインは、配列番号60および配列番号61;配列番号62および配列番号63;配列番号64および配列番号65;配列番号66および配列番号67;配列番号68および配列番号69;配列番号70および配列番号71;配列番号72および配列番号73;配列番号74および配列番号75;ならびに配列番号76および配列番号77からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、上記2つの可変ドメインは、配列番号78および配列番号79;ならびに配列番号80および配列番号81からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0036】
別の態様において、本発明は、プロスタグランジンEに結合するヒト化抗体またはこの断片を提供し、上記ヒト化抗体は、配列番号60、62、64、66、68、70、72、74、76、78および80からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのVH領域を含む。別の実施形態において、ヒト化抗体またはこの断片は、配列番号61、63、65、67、69、71、73、75、77、79および81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも1つのVL領域を含む。さらに別の実施形態において、上記少なくとも1つのVH領域または少なくとも1つのVL領域は、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトアクセプターフレームワーク配列を含み、上記フレームワーク配列のアミノ酸配列は、ヒトアクセプターフレームワーク配列の配列に少なくとも65%同一である。例えば、ヒトアクセプターフレームワークは、キーとなる残基に少なくとも1つのフレームワークアミノ酸置換を含んでいてもよく、上記キーとなる残基は、CDRに隣接する残基、グリコシル化部位残基、希少残基、プロスタグランジンEと相互作用をすることが可能である残基、CDRと相互作用をすることが可能である残基、カノニカル残基、重鎖可変領域と軽鎖可変領域間の接触残基、バーニアゾーン内の残基、およびChothia定義可変重鎖CDR1とKabat定義第一重鎖フレームワーク間で重複している領域の残基からなる群から選択される。
【0037】
別の実施形態において、結合タンパク質は、ヒトアクセプターフレームワークをさらに含む。
【0038】
本発明の一実施形態において、ヒト重鎖および軽鎖受容体配列は、表7および表8(実施例4.2.1)に記載の配列から選択される。他のヒト重鎖および軽鎖受容体配列は当技術分野では公知であり、本発明と一緒に使用するのに適している。一実施形態において、結合タンパク質は、PGEに結合することが可能であるCDR移植された抗体またはこの抗原結合部分である。別の実施形態において、結合タンパク質は、PGEに結合することが可能であるヒト化抗体またはこの抗原結合部分である。一実施形態において、CDR移植された抗体またはヒト化抗体、またはこれらの抗原結合部分は、本明細書に開示される1つまたはそれ以上のCDR、例えば、3つまたはそれ以上、4つまたはそれ以上、5つまたはそれ以上または6つまたはそれ以上のCDRを含む。別の実施形態において、CDR移植された抗体またはヒト化抗体、またはこれらの抗原結合部分は、ヒトアクセプターフレームワークを含む。前記ヒトアクセプターフレームワークは、ヒト免疫グロブリンのどんなアクセプターフレームワークでも可能である。特定の実施形態において、ヒトアクセプターフレームワークは、本明細書に開示されるヒトアクセプターフレームワークのうちのいずれか1つである。一実施形態において、CDRは、ヒトアクセプターフレームワークのヒト抗体可変ドメインに組み込まれている。一実施形態では、ヒト抗体可変ドメインは、コンセンサスヒト可変ドメインである。別の実施形態において、ヒトアクセプターフレームワークは、キーとなる残基に少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含み、上記キーとなる残基は、CDRに隣接する残基;グリコシル化部位残基;希少残基;PGEと相互作用をすることが可能である残基;CDRと相互作用をすることが可能である残基;カノニカル残基;重鎖可変領域と軽鎖可変領域間の接触残基;バーニアゾーン内の残基;およびChothia定義可変重鎖CDR1とKabat定義第一重鎖フレームワーク間で重複している領域の残基からなる群から選択される。一実施形態において、ヒトアクセプターフレームワークは、少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含み、フレームワークのアミノ酸配列は、上記ヒトアクセプターフレームワークの配列に少なくとも65%同一であり、前記ヒトアクセプターフレームワークに同一の少なくとも70アミノ酸残基を含む。一実施形態において、キーとなる残基におけるフレームワーク領域アミノ酸置換は、重鎖可変領域の位置48のM(ヒト)からI(マウス)、位置68のV(ヒト)からA(マウス)、位置70のM(ヒト)からL(マウス)および位置72のT(ヒト)からV(マウス)、ならびに軽鎖可変領域の位置2のI(ヒト)からV(マウス)および位置3のV(ヒト)からL(マウス)からなる群から選択される。
【0039】
別の態様において、本発明は、結合タンパク質およびリンカーポリペプチドおよび/または免疫グロブリン定常ドメインのうちのいずれか1つを含む抗体構築物を提供する。一実施形態において、抗体構築物は、免疫グロブリン分子、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植された抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、多重特異的抗体、二重特異的抗体および二特異的抗体からなる群から選択される。一実施形態において、抗体構築物は、ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgG1定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、ヒトIgG3定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgE定常ドメインおよびヒトIgA定常ドメインからなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む。一実施形態において、抗体構築物は、配列番号1;配列番号2;配列番号3;配列番号4;および配列番号5からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン定常ドメインを含む。
【0040】
別の実施形態において、本発明は、抗PGE抗体構築物と、免疫接着分子、造影剤、治療剤および細胞毒性剤からなる群から選択される因子を含む抗PGE抗体連結体を提供する。一実施形態において、上記因子は、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識およびビオチンからなる群から選択される造影剤である。別の実施形態では、造影剤は、例えば、H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoおよび153Smからなる群から選択される放射性標識である。別の実施形態において、因子は、代謝抑制剤、アルキル化剤、抗生物質、成長因子、サイトカイン、抗血管新生剤、抗有糸分裂剤、アントラサイクリン、トキシンおよびアポトーシス剤からなる群から選択される治療剤または細胞毒性剤である。
【0041】
別の実施形態において、結合タンパク質はグリコシル化されている。特定の実施形態において、PGE結合タンパク質はヒトグリコシル化パターンを有する。
【0042】
別の実施形態において、PGE結合タンパク質、抗体構築物または抗体連結体は結晶化されている(例えば、結晶として存在する。)。一実施形態において、上記結晶は無担体医薬徐放結晶である。別の実施形態において、結晶化結合タンパク質、結晶化抗体構築物または結晶化抗体連結体は、これらの可溶性対応物よりも大きなインビボ半減期を有する。別の実施形態において、結晶化結合タンパク質、結晶化抗体構築物または結晶化抗体連結体は、結晶化後も生物学的活性を保持している。
【0043】
本発明の一態様は、PGEが可能である結合タンパク質を含むDVD結合タンパク質に関する。好ましくは、DVD結合タンパク質は、2つのPGE結合部位に結合する、またはPGEと第二の標的に結合することが可能である。第二の標的は、CSF1(MCSF)、CSF2(GM−CSF)、CSF3(GCSF)、FGF2、IFNα1、IFNβ1、IFNγ、ヒスタミンとヒスタミン受容体、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12α、IL−12β、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、KITLG、PDGFB、IL−2Rβ、IL−4R、IL−5Rα、IL−8Rα、IL−8Rβ、IL−12Rβ1、IL−12Rβ2、IL−13Rα1、IL−13Rα2、IL−18R1、TSLP、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL7、CCL8、CCL13、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL22、CCL24、CX3CL1、CXCL1、CXCL2、CXCL3、XCL1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CX3CR1、GPR2、XCR1、FOS、GATA3、JAK1、JAK3、STAT6、TBX21、TGFB1、TNFSF6、YY1、CYSLTR1、FCER1A、FCER2、LTB4R、TB4R2、LTBRおよびキチナーゼからなる群から選択される。一実施形態において、DVD結合タンパク質は、PGEとIL−1β;PGEとIL−9;PGEとIL−4;PGEとIL−5;PGEとIL−25;PGEとTARC;PGEとMDC;PGEとMIF;PGEとTGF−β;PGEとLHRアゴニスト;PGEとCL25;PGEとSPRR2a;PGEとSPRR2b;またはPGEとADAM8を識別することが可能である。一実施形態において、DVD結合タンパク質はPGEとTNFαに結合することが可能である。
【0044】
別の態様において、本発明は、PGE結合タンパク質、抗体構築物または抗体連結体をコードする単離された核酸を提供する。追加の実施形態は、本発明の単離された核酸を含むベクターを提供し、上記ベクターは、pcDNA;pTT(Durocher et al.、Nucleic Acids Research 2002、Vol30、No.2);pTT3(追加の複数のクローニング部位のあるpTT);pEFBOS(Mizushima、S.and Nagata、S.,(1990)Nucleic Acids Research Vol18、No.17);pBV;pJV;pA2およびpBJからなる群から選択される。
【0045】
別の態様において、本発明は、本発明のベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。一実施形態において、宿主細胞は原核細胞(例えば、E.コリ(E.coli))である。別の実施形態において、宿主細胞は真核細胞、例えば、原生細胞、動物細胞、トリ細胞、植物細胞、真菌細胞(例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母細胞)、哺乳動物細胞(例えば、CHO、COSおよびHEK293)、昆虫細胞(例えば、Sf9)である。
【0046】
別の態様において、本発明は、PGEに結合する結合タンパク質を産生するのに十分な条件下で本発明の宿主細胞のいずれか1つを培地中で培養することを含む、PGEに結合するタンパク質を産生する方法を提供する。別の実施形態は、本発明の方法に従って産生される結合タンパク質を提供する。
【0047】
別の態様において、本発明は、結晶化PGE結合タンパク質、結晶化抗体構築物もしくは結晶化抗体連結体、成分、および/または少なくとも1つのポリマー担体を含む製剤を提供する。一実施形態において、ポリマー担体は、ポリ(アクリル酸)、ポリ(シアノアクリル酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(デプシペプチド)、ポリ(エステル)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸コグリコール酸)またはPLGA、ポリ(b−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ((ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリ[(オルガノ)ホスファゼン]、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、無水マレイン酸−アルキルビニルエーテルコポリマー、プルロニックポリオール、アルブミン、アルギン酸、セルロースおよびセルロース誘導体、コラーゲン、フィブリン、ゼラチン、ヒアルロン酸、オリゴ糖、グリカミノグリカン、硫酸多糖類、ならびにその混合物および/またはコポリマーからなる群から選択されるポリマーである。別の実施形態において、成分は、アルブミン、ショ糖、トレハロース、ラクチトール、ゼラチン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、メトキシポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される。
【0048】
別の態様において、本発明は、PGE結合タンパク質、抗体構築物、連結体または組成物の有効量を対象に投与する工程を含む、対象を治療するための方法を提供する。一実施形態において、対象は、炎症性疾患または本明細書に記載される他の障害などに罹っているヒトなどの哺乳動物である。一実施形態において、本発明は、(a)関節リウマチ、アレルギー性関節炎、若年性関節炎、強直性脊椎炎および変形性関節炎;(b)ギランバレー症候群、感染性単核球症、他のウイルス性リンパ節症およびヘルペスウイルスによる感染症などのウイルスにより誘発されるある種の疾患;(c)多発性硬化症および他の脱髄疾患;(d)溶血性貧血および血小板減少症などの血液障害;(e)糖尿病、アジソン病、特発性副甲状腺機能低下症および慢性リンパ性甲状腺炎などの内分泌学的障害;(f)全身性エリテマトーデスなどのコラーゲン障害;ならびに(g)無月経、不妊症、反復流産および子癇などの生殖障害;ならびに(h)頭頸部腫瘍、肺癌、胃癌、前立腺癌、膵癌等などの腫瘍;ならびに(i)クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患;ならびに(j)変形性関節炎および他の障害に伴う疼痛;ならびに(k)加齢性黄斑変性症(AMD)などの視覚障害の症状などのそのような疾患または障害の1つまたはそれ以上の症状を軽減する、寛解するまたは予防する方法を提供する。
【0049】
他の態様において、本発明は、PGE結合タンパク質、抗体、構築物、連結体または組成物および医薬として許容される担体を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、医薬として許容される担体は、結合タンパク質の吸収または分散を増加するのに有用なアジュバンドとして機能する。一実施形態において、アジュバンドはヒアルロニダーゼである。医薬組成物は、PGE活性が有害である障害を診断するまたは治療するための少なくとも1つの追加の因子、例えば、治療剤、造影剤;細胞毒性剤;血管新生抑制剤(例えば、抗VEGF抗体またはVEGFトラップ);キナーゼ阻害剤(例えば、KDRまたはTIE−2阻害剤);共刺激分子遮断剤(例えば、抗B7.1、抗B7.2、CTL4−Igまたは抗CD20);接着分子遮断剤(例えば、抗LFA−1、抗E/Lセレクチンまたは小分子阻害物質);抗サイトカイン抗体またはこの機能的断片(例えば、抗IL−18、抗TNFまたは抗IL−6/サイトカイン受容体抗体);メトトレキサート;シクロスポリン;ラパマイシン;FK506;検出可能標識またはレポーター;TNFアンタゴニスト;抗リウマチ薬;筋肉弛緩剤;麻酔薬;非ステロイド系抗炎症薬(NSAID);鎮痛剤;麻酔;鎮静剤;局所麻酔;神経筋肉遮断剤;抗微生物剤;抗乾癬剤;コルチコステロイド;アナボリックステロイド;エリスロポエチン;免疫化;イムノグロブリン;免疫抑制剤;成長ホルモン;ホルモン置換薬:放射性医薬;抗うつ剤;抗精神病薬;刺激物質;喘息薬;βアゴニスト;吸引用ステロイド;経口ステロイド;エピネフリンまたはこの類似体;サイトカインおよびサイトカインアンタゴニストからなる群から選択される因子をさらに含んでいてよい。
【0050】
別の態様において、本発明は、PGE活性が抑制されるおよび/または減少されるように、PGEをPGE結合タンパク質に接触させることを含む、PGE活性を抑制するおよび/または減少するための方法を提供する。一実施形態において、本発明は、対象におけるPGE活性が抑制されるおよび/または減少されるように、対象に結合タンパク質を投与することを含む、PGE活性が有害である障害に罹っている対象におけるPGE活性を抑制するおよび/または減少するための方法を提供する。別の実施形態において、上記方法は、治療が達成されるように本発明のPGE結合タンパク質を対象に投与することを含む。
【0051】
別の態様において、本発明は、対象におけるPGE関連障害を治療する(例えば、治癒する、抑制する、寛解する、上記障害の発病を遅延させるもしくは予防するもしくは上記障害の再発を予防する)または上記障害を予防する方法を提供する。上記方法は、PGE結合タンパク質(特に、アンタゴニスト)、例えば、抗PGE抗体またはこの断片を、PGE関連障害を治療するまたは予防するのに十分な量、対象に投与することを含む。PGEアンタゴニスト、例えば、抗PGE抗体またはこの断片は、単独でまたは他の治療モダリティと組み合わせて対象に投与することが可能である。
【0052】
一実施形態において、対象は哺乳動物、例えば、1つまたはそれ以上のPGE関連障害(例えば、過剰なPGEレベルまたは生合成により特徴づけられる)に罹っているヒトである。一実施形態において、本発明は、その方法がPGEに特異的な有効量の抗体を対象に投与することを含む、その障害が過剰なPGE生合成により特徴づけられ得る対象における炎症性障害および免疫障害を治療するための方法を提供する。本発明に従った方法により治療され得る障害には、過剰なPGE合成が関係している自己免疫疾患および炎症性疾患および腫瘍が含まれる。そのような障害には、(a)関節リウマチ、アレルギー性関節炎、若年性関節炎、強直性脊椎炎および変形性関節炎;(b)ギランバレー症候群、感染性単核球症、他のウイルス性リンパ節症およびヘルペスウイルスによる感染症などのウイルスにより誘発されるある種の疾患;(c)多発性硬化症および他の脱髄疾患;(d)溶血性貧血および血小板減少症などの血液障害;(e)糖尿病、アジソン病、特発性副甲状腺機能低下症および慢性リンパ性甲状腺炎などの内分泌学的障害;(f)全身性エリテマトーデスなどのコラーゲン障害;ならびに(g)無月経、不妊症、反復流産および子癇などの生殖障害;ならびに(h)頭頸部腫瘍、肺癌、胃癌、前立腺癌、膵癌等などの腫瘍;ならびに(i)クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患;(j)変形性関節炎および他の障害を伴う疼痛;ならびに(k)加齢性黄斑変性症(AMD)などの視覚障害が含まれる。別の態様では、本出願は、インビトロ試料(例えば、血清、血漿、組織、バイオプシーなどの生体試料)におけるPGEの存在を検出するための方法を提供する。本方法を使用して、障害、例えば、免疫細胞関連障害を診断することが可能である。上記方法は、(i)試料または対照試料を本明細書に記載される抗PGE抗体またはこの断片に接触させること、および(ii)抗PGE抗体またはこの断片と試料または対照試料間の複合体の形成を検出し、対照試料と比べて試料における複合体の形成の統計的に有意な変化が試料中のPGEの存在を示していることを含む。
【0053】
さらに別の態様において、本願は、インビボでのPGEの存在を検出するための方法(例えば、対象におけるインビボ画像化)を提供する。本方法を使用して、障害、例えば、PGE関連障害を診断することが可能である。上記方法は、(i)抗体または断片のPGEへの結合を可能にする条件下で、本明細書に記載される抗PGE抗体またはこの断片を対象または対照対象に投与すること、および(ii)抗体または断片とPGE間の複合体の形成を検出し、対照対象と比べて対象における複合体の形成の統計的に有意な変化がPGEの存在を示していることを含む。
【0054】
別の態様において、本発明の結合タンパク質は、関節炎、骨関節炎、若年性慢性関節炎、化膿性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性紅斑性狼瘡、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インシュリン依存性糖尿病、甲状腺炎、喘息、アレルギー性疾患、乾癬、皮膚炎、強皮症、移植片対宿主病、臓器移植拒絶、臓器移植に関連する急性または慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、バセドウ病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーライン紫斑症、腎臓の顕微鏡的血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症性ショック、毒素性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染性疾患、寄生性疾患、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、孤発性の、多内分泌腺機能低下症候群I型および多内分泌腺機能低下症候群II型、シュミット症候群、成人(急性)呼吸促迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清反応陰性関節炎、関節炎、ライター病、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸性関節炎、腸疾患性滑膜炎、クラミジア、エルシニアおよびサルモネラ関連関節炎、脊椎関節症、アテローム性疾患/アテローム性動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱性疾患、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫性溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/ロイヤルフリー病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、巨細胞性動脈炎、原発性硬化性肝炎、突発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群、後天性免疫不全関連疾患、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型原発性低γグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊症、卵巣機能不全、早期卵巣機能不全、繊維性肺疾患、突発性間質性肺炎、炎症後間質性肺疾患、間質性肺炎、結合組織疾患関連間質性肺疾患、混合性結合組織疾患関連肺疾患、全身性硬化症関連間質性肺疾患、関節リウマチ関連間質性肺疾患、全身性紅斑性狼瘡関連肺疾患、皮膚筋炎/多発性筋炎関連肺疾患、シェーグレン病関連肺疾患、強直性脊椎炎関連肺疾患、血管炎性びまん性肺疾患(vasculitic diffuse lung disease)、ヘモシデローシス関連肺疾患、薬物によって誘導された間質性肺疾患、繊維症、放射性繊維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間質性肺疾患、通風関節炎、自己免疫性肝炎、1型自己免疫性肝炎(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎)、自己免疫媒介性低血糖症、黒色表皮腫を伴うB型インシュリン抵抗性、副甲状腺機能低下症、臓器移植に関連する急性免疫疾患、臓器移植に関連する慢性免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、1型乾癬、2型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、腎臓病NOS、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的血管炎、ライム病、円板状紅斑性狼瘡、男性不妊症特発性またはNOS、精子自己免疫、多発性硬化症(すべてのサブタイプ)、交感性眼炎、結合組織疾患に続発する肺高血圧症、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スチル病、全身性硬化症、シェーグレン症候群、高安病/動脈炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺機能亢進症、甲状腺腫自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫(primary myxoedema)、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘発性肝障害、胆汁うっ滞(choleosatatis)、特異体質性肝疾患、薬物誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アレルギーおよび喘息、B群連鎖球菌(GBS)感染、精神障害(例えば、うつ病および統合失調症)、Th2型およびTh1型によって媒介される疾病、急性および慢性疼痛(疼痛の様々な形態)、ならびに、肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、大腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および腎臓癌および造血性悪性病変(白血病およびリンパ腫)などの癌、無βリポタンパク質血症、先端チアノーゼ、急性および慢性寄生性または感染性プロセス、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性または慢性細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌、心房(aerial)異所性拍動、AIDS認知症複合、アルコール誘発性肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植拒絶、α−1−アンチトリプシン欠乏症、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗cd3治療、抗リン脂質症候群、抗受容体過敏症反応(anti−receptor hypersensitivity reactions)、大動脈および動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、動脈硬化症、動静脈痩、運動失調、心房細動(持続的または発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心不整脈、心機能不全症候群(cardiac stun syndrome)、心臓腫瘍、心筋症、心肺バイパス炎症反応、軟骨移植拒絶、小脳皮質変性、小脳疾患、無秩序なまたは多巣性心房頻脈、化学療法関連疾患、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性アルコール症、慢性炎症性病変、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性サリチル酸中毒、結腸直腸癌、うっ血性心不全、結膜炎、接触性皮膚炎、肺性心、冠動脈疾患、クロイツフェルト−ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性繊維症、サイトカイン療法関連疾患、ボクサー脳、脱髄性疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚科学的症状、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病性動脈硬化疾患、瀰漫性レビー小体病、拡張型うっ血性心筋症、大脳基底核の疾患、中年のダウン症候群、中枢神経ドーパミン受容体を遮断する薬物によって誘発された薬物誘発性運動疾患、薬物感受性、湿疹、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌疾患、喉頭蓋炎、エプスタイン−バーウイルス感染、紅痛症、垂体外路および小脳疾患、家族性血球貪食性リンパ組織球症(familial hematophagocytic lymphohistiocytosis)、致死的胸腺移植組織拒絶、フリードライヒ失調症、機能的末梢動脈疾患、真菌性敗血症、ガス壊疸、胃潰瘍、糸球体腎炎、いずれかの臓器または組織の移植片拒絶、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、細胞内生物に起因する肉芽腫、有毛細胞白血病、ハラーホルデン・スパッツ病、橋本甲状腺炎、枯草熱、心臓移植拒絶、血色素症、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓溶解血小板減少紫斑病、出血、肝炎(A型)、ヒス束不整脈、HIV感染/HIV神経障害、ホジキン病、運動過剰疾患、過敏症反応、過敏性肺炎、高血圧、運動低下疾患、視床下部−下垂体−副腎皮質系評価、特発性アジソン病、特発性肺繊維症、抗体媒介性細胞毒性、無力症、乳児脊髄性筋萎縮症、大動脈の炎症、A型インフルエンザ、電離放射線曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血再灌流障害、虚血性発作、若年性関節リウマチ、若年性脊髄性筋萎縮症、カポジ肉腫、腎移植拒絶、レジオネラ、リーシュマニア症、ハンセン病、皮質脊髄系の病変、脂肪血症(lipedema)、肝臓移植拒絶、リンパ浮腫(lymphederma)、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性黒色腫、髄膜炎、髄膜炎菌血症(meningococcemia)、代謝性/特発性疾患、偏頭痛、ミトコンドリア多系疾患(mitochondrial multi.system disorder)、混合性結合組織病、モノクローナル高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、多系統変性(メンセル・デジェリーヌ−トーマス・シャイ−ドレーガーおよびマシャド−ジョセフ)、重症筋無力症、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、マイコバクテリウム・チュバキュロシス、骨髄形成異常、心筋梗塞、真菌虚血疾患、上咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性疾患、神経原性I筋萎縮、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹部大動脈およびその分枝の閉塞、閉塞性動脈疾患、okt3療法、精巣炎/精巣上体炎、精巣炎/精管復元術処置、臓器肥大、骨粗鬆症、膵臓移植拒絶、膵癌、腫瘍随伴性症候群/悪性腫瘍の高カルシウム血症、副甲状腺移植拒絶、骨盤内炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢アテローム硬化性疾患、末梢血管疾患、腹膜炎、悪性貧血、ニューモシスチス・カリニ肺炎、肺炎、POEMS症候群(多発神経炎、臓器肥大、内分泌疾患、単クローン性γグロブリン血症および皮膚変化症候群(skin changes syndrome))、灌流後症候群(post perfusion syndrome)、ポンプ後症候群(post pump syndrome)、心筋梗塞後開心術症候群、子癇前症、進行性核上性麻痺、原発性肺高血圧、放射線療法、レイノー現象および病、レイノー病、レフサム病、規則的なQRS幅の狭い頻脈症(regular narrow QRS tachycardia)、腎血管性高血圧、再灌流障害、拘束型心筋症、肉腫、強皮症、老年性舞踏病、レビー小体型の老年性認知症、血清反応陰性関節炎、ショック、鎌形赤血球貧血症、皮膚同種異系移植拒絶、皮膚変化症候群、小腸移植拒絶、固形腫瘍、固有不整脈(specific arrythmias)、脊髄性運動失調、脊髄小脳変性、連鎖球菌性筋炎、小脳の構造的病変、亜急性硬化性全脳炎、湿疹、心血管系の梅毒、全身性アナフィラキシー、全身性炎症反応症候群、全身性発症若年性関節リウマチ、T細胞またはFABALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓血管炎、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、III型過敏症反応、IV型過敏症、不安定狭心症、尿毒症、尿路性敗血症、じんましん、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈疾患、静脈血栓症、心室細動、ウイルスおよび真菌感染、ウイルス性脳炎(vital encephalitis)/無菌性髄膜炎、ウイルス関連血球貪食症候群、ウェルニッケ−コルサコフ症候群、ウィルソン病、いずれかの臓器または組織の異種移植拒絶、急性冠症候群、急性特発性多発性神経炎、急性炎症性脱髄性多発神経根神経障害、急性虚血、成人スチル病、円形脱毛症、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、アテローム性動脈硬化症、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、連鎖球菌感染に伴う自己免疫異常、自己免疫性腸症、自己免疫性難聴、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性早期卵巣不全、眼瞼炎、気管支拡張症、水疱性類天疱瘡、心血管疾患、劇症型抗リン脂質症候群、セリアック病、頚部脊椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを有する臨床的孤発症候群(CIS)、結膜炎、小児発症精神障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、涙嚢炎、皮膚筋炎、糖尿病性網膜症、真性糖尿病、椎間板ヘルニア、椎間板脱出、薬物誘発免疫性溶血性貧血、心内膜炎、子宮内膜症、眼内炎、上強膜炎、多形性紅斑、重症型多形性紅斑、妊娠性類天疱瘡、ギランバレー症候群(GBS)、枯草熱、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE媒介性アレルギー、免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼炎症疾患、炎症性脱髄疾患、炎症性心疾患、炎症性腎疾患、IPF/UIP、虹彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎(keratojuntivitis sicca)、クスマウル病またはクスマウル−マイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞性組織球症、網状皮斑、黄斑変性、顕微鏡的多発性血管炎、モルブス・ベヒテレフ(morbus bechterev)、運動ニューロン疾患、粘膜性類天疱瘡、多臓器不全、重症筋無力症、骨髄異形成症候群、心筋炎、神経根障害、神経障害、非A非B型肝炎、視神経炎、骨溶解、小関節性JRA、末梢動脈閉
塞疾患(PAOD)、末梢血管疾患(PVD)、末梢動脈疾患(PAD)、静脈炎、結節性多発性動脈炎(または結節性動脈周囲炎)、多発性軟骨炎、リウマチ性多発性筋痛、白毛症、多関節性JRA、多内分泌欠損症候群、多発性筋炎、リウマチ性多発性筋痛(PMR)、ポンプ後症候群、原発性パーキンソニズム、前立腺炎、赤芽球癆、原発性副腎不全、再発性視神経脊髄炎、再狭窄、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、アクネ、膿疱症、骨過形成および骨髄炎)、強皮症、続発性アミロイドーシス、ショック肺、強膜炎、坐骨神経痛、坐骨神経痛、シリコーン関連結合組織病、スネドン−ウィルキンソン皮膚症、強直性脊椎炎、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、全身性炎症反応症候群、側頭動脈炎、トキソプラスマ性網膜炎、中毒性表皮剥離症、横断性脊髄炎、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体)、1型アレルギー反応、II型糖尿病、じんましん、通常型間質性肺炎(UIP)、血管炎、春季結膜炎、ウイルス性網膜炎、フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群)、滲出型黄斑変性、および創傷治癒からなる群から選択される疾患を治療するのに有用である。
【0055】
一実施形態において、本発明の組成物および方法を用いて治療するまたは診断することが可能である。疾患には、乳癌、結腸癌、直腸癌、肺癌、中咽頭癌、下咽頭癌、食道癌、胃癌、膵癌、肝癌、胆嚢癌および胆管癌、小腸癌、尿路(腎臓、膀胱および尿路上皮を含む)癌、雌生殖器癌(子宮頸部癌、子宮癌および卵巣癌の他に絨毛癌および妊婦性トロボブラスト疾患を含む)、雄生殖器癌(前立腺癌、精嚢癌、精巣癌および胚細胞腫瘍を含む)、内分泌腺癌(甲状腺癌、副腎癌および脳下垂体癌を含む)、ならびに皮膚癌の他にも血管腫、メラノーマ、肉腫(骨および軟組織から生じる肉腫の他にもカポジ肉腫を含む)、脳、神経、目および髄膜の腫瘍(星状細胞腫、神経膠腫、神経膠芽腫、網膜芽細胞腫、神経腫、神経芽細胞腫、シュワン腫および髄膜腫を含む)、白血病およびリンパ腫(ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の両方)などの造血器腫瘍から生じる固形腫瘍を含む原発性癌および転移性癌が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
上記方法は、PGEアンタゴニスト、例えば、PGE抗体またはこの断片を、1つまたはそれ以上の症状を治療する(例えば、軽減する、寛解する)または予防するのに十分な量、対象に投与することを含む。PGE抗体は、治療的に、または予防的に、または両方で投与することが可能である。PGEアンタゴニスト、例えば、抗PGE抗体またはこの断片は、単独で、または本明細書に記載される他の治療モダリティと一緒に対象に投与することが可能である。好ましくは、対象は、哺乳動物、例えば、本明細書に記載されるPGE関連障害に罹っているヒトである。
【0057】
別の態様において、本発明の結合タンパク質は、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、肛門癌、虫垂癌、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、肝外、膀胱癌、骨癌、骨肉腫/悪性線維性組織球腫脳幹神経膠腫、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、神経路および視床下部膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、カルチノイド腫瘍、原発不明の胃腸癌、中枢神経系リンパ腫、原発小脳星状細胞腫、子宮頸癌、慢性リンパ腫白血病、慢性骨髄性白血病慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、腫瘍のユーイングファミリー、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、眼内メラノーマ網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胃癌、胃腸カルチノイド腫瘍、胃腸間質性腫瘍(GIST)、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性トホロブラスト腫瘍、神経膠腫、脳幹神経膠腫、大脳星状細胞腫神経膠腫、小児神経路および視床下部膠腫、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫、膵島細胞腫(膵内分泌部)、カポジ肉腫、腎(腎細胞)癌、喉頭癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ腫白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリー細胞白血病、唇および口腔癌、肝癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、AIDS関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発中枢神経系リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、髄芽腫、メラノーマ、眼内メラノーマ、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄性白血病、慢性骨髄球性白血病、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、鼻腔および副鼻腔癌、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌、口腔癌、唇および中咽頭癌、骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵癌、膵島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞(腎)癌、腎孟および尿管、移行細胞癌、網膜芽細胞腫、唾液腺癌、肉腫、腫瘍のユーイングファミリー、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群、皮膚癌(非メラノーマ性の)、皮膚癌(メラノーマ性の)、メルケル細胞皮膚癌、小腸癌、扁平上皮癌、原発不明の転移性頸部扁平上皮癌、胃癌、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、皮膚T細胞リンパ腫、精巣癌、咽頭癌、胸腺腫、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎孟および尿管の移行細胞癌、妊娠性トロホブラスト腫瘍、尿管および腎芋、移行細胞癌、尿道癌、子宮癌、子宮内膜子宮癌肉腫、膣癌、視覚路および視床下部神経膠腫、外陰腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍からなる群から選択される障害の治療のために有用である。
【0058】
別の態様において、本発明は、上記に論述されているような第二の作用物質の投与前、投与と同時または投与後に、本明細書に開示されている結合タンパク質のいずれか1つを投与する工程を含む、PGE2が有害である疾患に罹患している患者を治療する方法を提供する。実施形態において、1つまたはそれ以上のPGEアンタゴニスト(例えば、抗PGE抗体またはこの断片)と一緒に同時投与するおよび/または同時処方することが可能である、第二の治療剤には、吸入用ステロイド、経口ステロイド;βアゴニスト、例えば、短時間作用または長時間作用βアゴニスト;ロイコトリエンまたはロイコトリエン受容体のアンタゴニスト;ADVAIRなどの合剤;IgE阻害剤、例えば、抗IgE抗体(例えば、XOLAIR);ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、PDE4阻害剤);キサンチン;抗コリン剤;クロモリンなどのマスト細胞安定化剤;IL−4阻害剤;IL−5阻害剤;エオタキシン/CCR3阻害剤;ヒスタミンまたはH1、H2、H3およびH4を含むこの受容体のアンタゴニストならびにプロスタグランジンDまたはこの受容体(DP1およびCRTH2)のアンタゴニストのうちの1つまたはそれ以上が含まれるが、これらに限定されない。そのような組合せを使用して、喘息および他の呼吸障害を治療することが可能である。1つまたはそれ以上の抗PGE抗体またはこの断片と一緒に同時投与するおよび/または同時処方することが可能である、治療剤の追加の例は、とりわけ、TNFアンタゴニスト(例えば、TNF受容体の可溶性断片、例えば、p55またはp75ヒトTNF受容体またはこれらの誘導体、例えば、75kD TNFR−IgG(75kD TNF受容体−IgG融合タンパク質、ENBREL));TNF酵素アンタゴニスト、例えば、TNF変換酵素(TACE)阻害剤;ムスカリン受容体アンタゴニスト;TGFβアンタゴニスト;インターフェロンγ;パーフェニドン;化学療法剤、例えば、メトトレキサート、レフルノミドまたはシロリムス(ラパマイシン)またはこの類似体、例えば、CCI−779;COX2およびcPLA2阻害剤;NSAID;免疫調節剤;p38阻害剤、TPL−2、MK−2およびNFkB阻害剤のうちの1つまたはそれ以上を含む。追加の第二の作用物質は、ブデノシド、上皮増殖因子、コルチコステロイド、シクロスポリン、スルファサラジン、アミノサリチラート、6−メルカプトプリン、アザチオプリン、メトロニダゾール、リポキシゲナーゼ阻害剤、メサラミン、オルサラジン、バルサラジド、抗酸化剤、トロンボキサン阻害剤、IL−1受容体アンタゴニスト、抗IL−1β、モノクローナル抗体、抗IL−6モノクローナル抗体、増殖因子、エラスターゼ阻害剤、ピリジニル−イミダゾール化合物、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、EMAP−II、GM−CSF、FGFおよびPDGFの抗体またはアゴニスト、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD90またはこれらのリガンドの抗体、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノラート・モフェチル、レフルノミド、NSAID、イブプロフェン、コルチコステロイド、プレドニゾロン、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤、補体阻害剤、アドレナリン作動薬、IRAK、NIK、IKK、p38、MAPキナーゼ阻害剤、IL−1β変換酵素阻害剤、TNFα変換酵素阻害剤、T細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体、可溶性p55TNF受容体、可溶性p75TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R、抗炎症性サイトカイン、IL−4、IL−10、IL−11、およびTGFβからなる群から選択される。
【0059】
特定の実施形態において、本発明は、方法が本発明の結合タンパク質を第二の因子の投与の前に、同時に、または投与後に投与する工程を含む、第二の因子が様々なヒト疾患および障害の治療のために現在使用されている薬物のからなる群から選択される、プロスタグランジンEが有害である障害に罹っている患者を治療する方法を提供する。そのような薬物の一覧表は、インターネットのwww.drugs.comから入手可能である。この一覧表は、様々なヒト疾患の治療の最新技術を反映するため頻繁に更新されている。そのような薬物の一覧表は最新の薬物ガイドからも入手可能である(Complete Guide to Prescription & Nonprescription Drugs 2008.by H.Winter Griffith、Stephen Moore、ISBN−13:978−0399533723)。抗PGE結合タンパク質は、特定の疾患状態のための上記一覧表中の治療法のいずれとも組み合わせることが可能である。例えば、抗PGE結合タンパク質は、関節リウマチおよび若年性関節リウマチの治療のための1つまたはそれ以上の薬剤と組み合わせることが可能である。これらの薬剤の例は、メトトレキサート、レフルノミド、プレドニゾンまたはコルチゾンなどの低用量の副腎皮質ステロイド、ヒドロキシクロロキンなどの抗マラリア薬物、金、スルファサラジン、ペニシラミン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ミノサイクリン、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、アバタセプト、リツキシマブ、アナキンラならびに他の新しい生物剤およびIL−6、IL−6R、IL−17、IL−18、IL−23、B7.1/B7.2を標的する経口デリバリー薬剤を含むが、これらに限定されない。抗PGE結合タンパク質は、変形性関節炎の治療のための1つまたはそれ以上の薬剤と組み合わせることが可能である。これらの薬剤の例は、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ、ステロイド剤、シンヴィクスなどの人工滑液およびヒアルガンを含むが、これらに限定されない。抗PGE結合タンパク質は、クローン病の治療のための1つまたはそれ以上の薬剤と組み合わせることが可能である。これらの薬剤の例は、アダリムマブ、アザサン(azasan)、アサコール、アザチオプリン、アザルフィジン、ブデソニド、エントコート、フラジール、イムラン、インフリキシマブ、メルカプトプリン、メトロニダゾール、プロトスタット(protostat)、プリネトール(purinethol)、レミケードおよびスルファサラジンを含むが、これらに限定されない。抗PGE結合タンパク質は、強直性脊椎炎の治療のための1つまたはそれ以上の薬剤と組み合わせることが可能である。これらの薬剤の例は、アセトコット(acetocot)、アセチルサリチル酸、アキュプリン(acuprin)81、アダリムマブ、アリーブ(aleve)、アムコート(amcort)、アナプロックス(anaprox)、アリストコート(aristocort)、アスピリン、アスピルタブ(aspirtab)、アズマコート(azmacort)、バファリン、ブフェックス(buffex)、カタフラム、セレブレックス(celebrex)、クリノリル、コルチゾン、ジクロフェナク、ディペンタム(dipentum)、アスピリン(easprin)、エタネルセプト、インドシン(indocin)、インドメタシン、インフリキシマブ、ナプロキセン、レミケード、トリアムシノロンおよびボルタレンを含むが、これらに限定されない。抗PGE結合タンパク質は、多発性硬化症の治療のための1つまたはそれ以上の薬剤と組み合わせることが可能である。これらの薬剤の例は、アボネックス(Avonex)、アザサン(azasan)、アザチオプリン、ベタセロン(Betaseron)、バブリプレッド(Bubbli−Pred)、コパクソン(Copaxone)、コトロン(Cotolone)、グラチラマー、イムラン、インターフェロンベータ−la、インターフェロンベータ−lb溶液、キープレッド(Key−Pred)、キープレッドSP(Key−Pred SP)、ミトキサントロン、ナタリズマブ、ノバトロン(Novatrone)、オラプレッド(Orapred)、オラプレッドODT(Orapred ODT)、ペディアプレッド(Pediapred)、Pred−Ject−50、プレダコート(Predacort)50、プレダロン(Predalone)50、プレデート(Predate)−50、プレドニゾロン、プレロン(Prelone)、レビフ(Rebif)およびタイサブリを含むが、これらに限定されない。抗PGE結合タンパク質は、様々なヒト癌および悪性腫瘍の治療のための1つもしくはそれ以上の薬剤または治療法と組み合わせることが可能である。インターネットウェブサイトのwww.drugs.comからおよび最新の薬物ガイド(Complete Guide to Prescription & Nonprescription Drugs 2008.by H.Winter Griffith、Stephen Moore、ISBN−13:978−0399533723)から入手可能である一覧表に加えて、NCIも、癌または癌に関連する状態の治療のために米国食品医薬品局(FDA)により承認されるある種の薬物に関しての薬物情報を維持している。これらの因子の例は、アブラキサン、アドリアマイシン、アドルシル(Adrucil)、アルダラ(Aldara)、アレムツズマブ、アリムタ、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アプレピタン、アリミデックス、アロマシン、アラノン、亜ヒ酸、アバスチン(ベバシズマブ)、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、キャンパス(アレムツズマブ)、カンプトサール(塩酸イリノテカン)、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、シスプラチン、クラフェン(Clafen)(シクロホスファミド)、クロファラビン、クロファレックス(Clofarex)(クロファラビン)、クロラール(Clolar)(クロファラビン)、シクロホスファミド、シタラビン、サイトサール(Cytosar)−U(シタラビン)、シトキサン(シクロホスファミド)、ダコゲン(Dacogen)(デシタビン)、ダサチニブ、デシタビン、デポサイト(リポソームシタラビン)、デポフォーム(DepoFoam)(リポソームシタラビン)、塩酸デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキシル(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、塩酸ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシンリポソーム、Dox−SL(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、エフデックス(Efudex)(フルオロウラシル)、エレンス(Ellence)(塩酸エピルビシン)、エロキサチン(Eloxatin)(オキサリプラチン)、エメンド(アプレピタント)、塩酸エピルビシン、アービタックス(セツキシマブ)、塩酸エルロチニブ、エバセト(Evacet)(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、エビスタ(塩酸ラロキシフェン)、エキセメスタン、ファスロデックス(フルベストラント)、フェマーラ(レトロゾール)、フルオロプレックス(Fluoroplex)(フルオロウラシル)、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、塩酸ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ジェムザール(塩酸ゲムシタビン)、グリベック(メシル酸イマチニブ)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、ハイカムチン(塩酸トポテカン)、メシル酸イマチニブ、イミキモド、イレッサ(ゲフィニチブ)、塩酸イリノテカン、イクサベピロン、イグゼンプラ(イクサベピロン)、ケオキシフェン(Keoxifene)(塩酸ラロキシフェン)、ケピバンス(パリフェルミン)、ラパチニブトシル酸、レナリドミド、レトロゾール、レブラン(Levulan)(アミノレブリン酸)、リポドックス(LipoDox)(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、リポソームシタラビン、メタゾラストン(Methazolastone)(テモゾロミド)、マイローサル(Mylosar)(アザシチジン)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ナノ粒子パクリタキセル(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ネララビン、ネオサール(Neosar)(シクロホスファミド)、ネクサバール(トシル酸ソラフェニブ)、ニロチニブ、ノルバデックス(クエン酸タモキシフェン)、オンキャスパー(Oncaspar)(ペグアスパルガーゼ)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、パリフェルミン、パニツムマブ、パラプラット(カルボプラチン)、パラプラチン(カルボプラチン)、ペグアスパルガーゼ、ペメトレキセド二ナトリウム、プラチノール(Platinol)−AQ(シスプラチン)、プラチノール(Platinol)(シスプラチン)、塩酸ラロキシフェン、レブリミド(レナリドミド)、リツキサン(リツキシマブ)、リツキシマブ、スクレロゾル胸膜内エアロゾル(タルク)、トシル酸ソラフェニブ、スプリセル(ダサチニブ)、減菌タルクパウダー(タルク)、ステリタルク(Steritalc)(タルク)、リンゴ酸スニチニブ、スーテント(リンゴ酸スニチニブ)、シノビル(Synovir)(サリドマイド)、タルク、クエン酸タモキシフェン、タラビン(Tarabine)PFS(シタラビン)、タルセバ(塩酸エルロニチブ)、ターグレチン(ベキサロテン)、タシグナ(ニロチニブ)、タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)、テモダール(テモゾロミド)、テモゾロミド、テムシロリムス、サロミド(Thalomid)(サリドマイド)、サリドマイド、トテクト(Totect)(塩酸デクスラゾキサン)、塩酸トポテカン、トリセル(Torisel)(テムシロリムス)、トラスツズマブ、トリセノックス(亜ヒ酸)、タイケルブ(トシル酸ラパニチブ)、ベクチビックス(パニツムマブ)、ベルケイド(ボルテゾミブ)、ビダザ(アザシチジン)、ボリノスタット、ゼローダ(カペシタビン)、ザインカード(塩酸デクスラゾキサン)、ゾレドロン酸、ゾリンザ(ボリノスタット)およびゾメタ(ゾレドロン酸)を含むが、これらに限定されない。
【0060】
好ましい実施形態において、上記に開示されているPGE2結合タンパク質医薬組成物は、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内(intracavity)、腔内(intracelial)、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心臓周囲内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、結腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑膜内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、口内、舌下、鼻内および経皮から選択される少なくとも1つの様式によって、対象に投与される。
【0061】
本発明の上記および他の目的、特徴および利点ならびに本発明自体は、添付している図面と一緒に読む場合、好ましい実施形態の以下の説明からより完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】実施例1.1.Aに記載されるELISAにおける2つのハイブリドーマ由来mAb、すなわち15F10.3C9と1F7.1D5のビオチン−PGEへの結合の測定を示すグラフである。
図2】実施例1.1.Aに記載されるELISAにおける2つのハイブリドーマ由来mAb、すなわち19C9.4B10と4F10.3B9のビオチン−PGEへの結合の測定を示すグラフである。
図3】実施例1.1.Aに記載されるELISAにおけるPROfusion(商標)由来mAb、すなわちK1B、K7H、K3A、L11およびL21のビオチン−PGEへの結合の測定を示すグラフである。
図4】実施例1.1.Aに記載されるELISAにおける組み換え抗PGEmAb、すなわち2B5−7.0、2B5−8.0および2B5−9.0のビオチン−PGEへの結合を示すグラフである。ハイブリドーマ由来抗体2B5は、このアッセイにおいては正の対照である。
図5】実施例1.1.C1に記載されるFLIPRにより測定されるEP4形質移入されたHEK293 Gα16安定細胞系統における、抗PGEmAbの2B5−8.0によるPGE誘導Ca++流入の中和を示すグラフである。ハイブリドーマ由来抗体2B5は、このアッセイにおいては正の対照である。
図6】実施例1.1.C1に記載されるFLIPRにより測定されるEP4形質移入されたHEK293 Gα16安定細胞系統における、ヒト化抗PGEmAbの2B5.5、2B5.6、2B5.7および2B5.8によるPGE誘導Ca++流入の中和を示すグラフである。
図7】実施例1.1.C1に記載されるFLIPRにより測定されるEP4形質移入されたHEK293 Gα16安定細胞系統における、ヒト化抗PGEmAbの2B5.1、2B5.2、2B5.3および2B5.4によるPGE誘導Ca++流入の中和を示すグラフである。
図8】実施例3に記載される、抗PGE抗体の2B5.7、2B5.8および2B5.9のVH領域およびVL領域のアライメントを示す図である。
図9】MAS(平均関節炎スコアー)により測定される、コラーゲン誘発関節炎における、抗PGE抗体、抗マウスTNF抗体およびこれらの組合せの有効性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
(発明の詳細な記述)
本発明は、プロスタグランジンE(PGE)結合タンパク質、特に、PGEに結合する抗PGE抗体またはこの抗原結合断片に関する。本発明の様々な態様は、抗体および抗体断片、ならびにこの医薬組成物の他にも、そのような抗体および断片を作製するための核酸、組み換え発現ベクターおよび宿主細胞に関する。インビトロまたはインビボにおいて、PGEを検出し、1つまたはそれ以上のPGE活性を抑制し、遺伝子発現を調節するための本発明の抗体を使用する方法も本発明により包含されている。
【0064】
本明細書に別段の定義がなければ、本発明に関連して使用される科学および技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。しかしながら、何らかの曖昧さが伏在している場合には、用語の意味および範囲は明確であるべきであり、本明細書中に付与されている定義は、すべての辞書または本明細書外の定義に優越する。さらに、文脈上別段の必要がなければ、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数を含むものとする。本願において、「または」の使用は、別段の記載がなければ、「および/または」を意味する。さらに、「含んでいる」という用語ならびに「含む」および「含まれた」などのその他の形式の使用は、限定的なものではない。また、「要素」または「成分」などの用語は、別段の記載がなければ、1つのユニットを含む要素および成分ならびに1より多いサブユニットを含む要素および成分をともに包含する。
【0065】
一般的に、本明細書に記載されている細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学ならびにタンパク質および核酸化学およびハイブリッド形成に関連して使用される命名法およびこれらの技術は、周知のものであり、本分野において一般的に使用されている。一般に、本発明の方法および技術は、別段の記載がなければ、本分野において周知の慣用方法に従い、ならびに本明細書を通じて引用および論述されている様々な一般的参考文献およびより具体的な参考文献中に記載されているように、実施することができる。酵素反応および精製技術は、製造業者の説明書に従って、本分野で一般的に遂行されているように、または本明細書に記載されているように、実施される。本明細書に記載されている分析化学、合成有機化学および医薬品化学および薬化学に関して使用される命名法、ならびに本明細書に記載されている分析化学、合成有機化学および医薬品化学および薬化学の実験室操作および技術は、周知のものであり、本分野で一般的に使用されているものである。化学合成、化学分析、医薬の調製、調合、および送達、および患者の治療に対しては、標準的な技術を使用し得る。
【0066】
本発明をさらに容易に理解し得るように、いくつかの用語を以下に定義する。
【0067】
本明細書において使用される「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸のあらゆるポリマー鎖を表す。「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、ポリペプチドという用語と互換的に使用され、同じく、アミノ酸のポリマー鎖を表す。「ポリペプチド」という用語は、固有または人工のタンパク質、タンパク質断片およびタンパク質配列のポリペプチド類似体を包含する。ポリペプチドは、単量体または多量体であり得る。
【0068】
「単離されたタンパク質」または「単離されたポリペプチド」という用語は、その由来起源または由来源のために、その固有の状態において当該タンパク質またはポリペプチドとともに存在する天然に随伴される成分を伴わないタンパク質またはポリペプチドであり、同じ種に由来する他のタンパク質を実質的に含まず、異なる種から得られた細胞によって発現され、または天然には存在しない。したがって、化学的に合成されたポリペプチド、またはポリペプチドが本来由来する細胞とは異なる細胞系の中で合成されたポリペプチドは、それに本来付随している成分から「単離」されている。タンパク質は、本分野で周知のタンパク質精製技術を使用し、単離によって、本来付随している成分が実質的に存在しないようにすることもできる。
【0069】
本明細書において使用される「回収する」という用語は、例えば、本分野で周知のタンパク質精製技術を使用して、単離によって、ポリペプチドなどの化学種を、本来付随する成分を実質的に含まないようにする方法を表す。
【0070】
「プロスタグランジンE」(本明細書ではPGEと略記される)という用語は、本明細書において、一部のまたはすべてのPGE活性を保持する以下の構造またはこの変異体を有するプロスタグランジンを表す。
【0071】
【化1】
【0072】
本明細書において使用される「生物学的活性」とは、サイトカインの固有の生物学的特性を表す。PGEの生物学的特性には、PGE受容体に結合することが含まれるが、これに限定されない。
【0073】
第二の化学種との抗体、タンパク質またはペプチドの相互作用に関して、本明細書において使用される「特異的結合」または「特異的に結合する」という用語は、相互作用が、化学種、例えば、抗体上の特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存し、例えば、抗体がタンパク質一般ではなく、特異的なタンパク質構造を認識し、結合することを意味する。抗体がエピトープ「A」に対して特異的であれば、標識された「A」および抗体を含有する反応中での、エピトープAを含有する分子(すなわち、標識されていない遊離のA)の存在は、抗体に結合した、標識されたAの量を減少させる。
【0074】
本明細書において使用される「抗体」という用語は、4つのポリペプチド鎖(2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖)から構成されるあらゆる免疫グロブリン(Ig)分子またはIg分子の本質的なエピトープ結合特性を保持したすべての機能的断片、変異体、バリアントまたはこれらの誘導体を広く表すものとする。このような変異体、バリアントまたは誘導体抗体のフォーマットは、本分野において公知である。これらの非限定的な実施形態は、以下に論述されている。
【0075】
完全長の抗体において、各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書において、HCVRまたはVHと略称される。)および重鎖定常領域から構成される。重鎖定常領域は、3つのドメインCH1、CH2およびCH3から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書において、LCVRまたはVLと略称される。)および軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメインCLから構成される。VHおよびVL領域は、より保存された領域(フレームワーク領域(FR)と称される。)が散在された超可変領域(相補性決定領域(CDR)と称される。)へ、さらに細分割することが可能である。各VHおよびVLは、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順で、アミノ末端からカルボキシ末端に配置された3つのCDRおよび4つのFRから構成される。免疫グロブリン分子は、あらゆる種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであり得る。
【0076】
本明細書において使用される抗体の「抗原結合部分」または「抗原結合断片」(または単に「抗体部分」)という用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する、抗体の1つ以上の断片を表す(例えば、PGE)。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体の断片によって実行可能である。このような抗体の実施形態は、二特異的、二重特異的または多重特異的フォーマットを有することもでき、2つまたはそれ以上の異なる抗原に特異的に結合する。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例には、(i)Fab断片(VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片)、(ii)F(ab’)断片(ヒンジ領域において、ジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片)、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)単一の可変ドメインを含むdAb断片(Ward et al.(1989)Nature 341:544−546、Winter et al.,PCT公開WO90/05144A1)および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。さらに、Fv断片の2つのドメインであるVLおよびVHは別個の遺伝子によってコードされているが、これらは、VLおよびVH領域が対合して一価分子を形成している単一のタンパク質鎖として、これらの作製を可能とする合成リンカーによって、組み換え法を用いて連結することが可能である(一本鎖Fv(scFv)として知られている。例えば、Bird et al.(1988)Science 242:423−426;およびHuston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:5879−5883を参照)。このような一本鎖抗体も、抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される。ダイアボディなどの一本鎖抗体の他の形態も包含される。ダイアボディは、VHおよびVLドメインが一本鎖ポリペプチド鎖上に発現されているが、同一鎖上にある2つのドメイン間での対合を可能とするには短すぎるリンカーを使用することにより、両ドメインを別の鎖の相補的ドメインと対合するように強制し、2つの抗原結合部位を作出する二価の二特異的抗体である(例えば、Holliger,P.,et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6444−6448;Poljak,R.J.,et al.(1994)Structure2:1121−1123を参照)。このような抗体結合部分は、本分野において公知である(Kontermann and Dubel eds.,Antibody Engineering(2001)Springer−Verlag.New York.790 pp.(ISBN3−540−41354−5)。
【0077】
本明細書で使用される「抗体構築物」という用語は、リンカーポリペプチドまたは免疫グロブリン定常ドメインに連結された本発明の1つまたはそれ以上の抗原結合部分を含むポリペプチドを表す。リンカーポリペプチドは、ペプチド結合により結合された2つまたはそれ以上のアミノ酸残基を含み、1つまたはそれ以上の抗原結合部分を連結するのに使用される。このようなリンカーポリペプチドは、本分野において周知である(例えば、Holliger,P.,et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448;Poljak,RJ.,et al.(1994)Structure 2:1121−1123参照)。免疫グロブリン定常ドメインは、重鎖または軽鎖定常ドメインを表す。ヒトIgG重鎖および軽鎖定常ドメインアミノ酸配列は当技術分野では公知であり、表1に示されている。
【0078】
【表1】
【0079】
さらに、抗体またはこの抗原結合部分は、抗体または抗体部分と1つまたはそれ以上の他のタンパク質またはペプチドとの共有結合または非共有結合により形成されるより大きな免疫接着分子の一部であってよい。そのような免疫接着分子の例は、四量体scFv分子を作製するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov、S.M.、et al.(1995)Human Antibodies and Hybridomas 6:93−101)ならびに二価およびビオチン化scFv分子を作製するためのシステイン残基、マーカーペプチドおよびC末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov、S.M.、et al.(1994)Mol.Immunol.31:1047−1058)を含む。FabおよびF(ab’)断片などの抗体部分は、抗体全体の、それぞれパパイン消化またはペプシン消化などの従来の技術を使用して、抗体全体から調製することが可能である。さらに、抗体、抗体部分および免疫接着分子は、本明細書に記載される標準組み換えDNA技術を使用して得ることが可能である。
【0080】
「単離された抗体」は、本明細書において、異なる抗原特異性を有する他の抗体が実質的にない抗体(例えば、PGEに特異的に結合する単離された抗体に、PGE以外の抗原に特異的に結合する抗体が実質的にない。)を表すことを意図されている。しかし、PGEに特異的に結合する単離された抗体は、プロスタグランジンE1(PGE)分子などの他の抗原に対して交差反応性を有していてもよい。さらに、単離された抗体には、他の細胞物質および/または化学物質が実質的になくてもよい。
【0081】
本明細書において使用される「ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含むものとする。本発明のヒト抗体は、例えば、CDR、特にCDE3中に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダムな突然変異導入もしくは部位特異的突然変異導入によって、またはインビボでの体細胞変異によって導入された変異)を含み得る。しかしながら、本明細書において使用される「ヒト抗体」という用語は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上に移植された抗体を含まないものとする。
【0082】
本明細書において使用される「組み換えヒト抗体」という用語は、宿主細胞中に形質移入された組み換え発現ベクターを用いて発現された抗体(以下のII節Cでさらに記載されている。)、組み換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体(Hoogenboom H.R.,(1997)TIB Tech.15:62−70;Azzazy H.,and Highsmith W.E.,(2002)Clin.Biochem.35:425−445;Gavilondo J.V.,and Larrick J.W.(2002)BioTechniques 29:128−145;Hoogenboom H.,and Chames P.(2000)Immunology Today 21:371−378)、ヒト免疫グロブリン遺伝子に対して遺伝子導入されている動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylor,L.D.,et al.(1992)Nucl.Acids Res.20:6287−6295;Kellermann S−A.,and Green L.L.(2002)Current Opinion in Biotechnology 13:593−597;Little M.et al(2000)Immunology Today 21:364−370参照)またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の、他のDNA配列へのスプライシングを含む他のいずれかの手段によって調製され、発現され、作製され、もしくは単離された抗体など、組み換え手段によって調製され、発現され、作製され、もしくは単離されたすべてのヒト抗体を含むものとする。このような組み換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する。しかしながら、ある種の実施形態において、このような組み換えヒト抗体は、インビトロ突然変異導入(または、ヒトIg配列に対して遺伝子導入された動物が使用される場合には、インビボ体細胞突然変異導入)に供され、したがって、組み換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来し、これらの配列に関連しつつも、インビボで、ヒト抗体生殖系列レパートリー内には、天然に存在しない場合があり得る配列である。一実施形態は、PGEに結合することができ、Jermutus et al.、PCT公開番号WO 2005/007699 A2に開示されているファージライブラリーなどのヒトIgファージライブラリーを使用するなどの、しかしこれに限定されない、当技術分野では周知の技術を使用して作製することが可能である完全ヒト抗体を提供する。
【0083】
「キメラ抗体」という用語は、ヒト定常領域に連結されたマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体など、ある種に由来する重鎖および/または軽鎖可変領域配列ならびに別の種に由来する定常領域配列を含む抗体を表す。
【0084】
「CDR移植された抗体」という用語は、マウスCDRの1つ以上(例えば、CDR3)がヒトCDR配列で置換されているマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体など、ある種に由来する重鎖および/または軽鎖可変領域配列を含むが、VHおよび/またはVLのCDR領域の1つ以上の配列が、別の種のCDR配列と置換されている抗体を表す。
【0085】
「ヒト化抗体」という用語は、ヒト以外の種(例えば、マウス)由来の重鎖および軽鎖可変領域配列を含むが、VHおよび/またはVL配列の少なくとも一部が、より「ヒト類似に」、すなわち、ヒト生殖系列可変配列により類似するように改変された抗体を表す。ヒト化抗体の1つの種類は、ヒトCDR配列がヒト以外のVHおよびVL配列中に導入されて、対応する非ヒトCDR配列が置換されているCDR移植された抗体である。一実施形態において、ヒト化抗PGE抗体および抗原結合部分が提供される。そのような抗体は、従来のハイブリドーマ技術を使用してマウス抗PGEモノクローナル抗体を得て、続いて、Kasaian et al PCT公開番号WO 2005/123126 A2に開示されている遺伝子工学などのインビトロ遺伝子工学を使用するヒト化により作製された。
【0086】
「Kabat番号」、「Kabat定義」および「Kabat標識」という用語は、本明細書において、互換的に使用される。本分野において認められているこれらの用語は、抗体またはその抗原結合部分の重鎖および軽鎖可変領域中の他のアミノ酸残基に比べて、より可変的な(すなわち、超可変的な)アミノ酸残基に付番するシステムを表す(Kabat et al.(1971)Ann.NY Acad,Sci.190:382−391およびKabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication NO.91−3242)。重鎖可変領域の場合、超可変領域は、CDR1に対するアミノ酸位置31から35、CDR2に対するアミノ酸位置50から65およびCDR3に対するアミノ酸位置95から102にわたる。軽鎖可変領域の場合、超可変領域は、CDR1に対するアミノ酸位置24から34、CDR2に対するアミノ酸位置50から56およびCDR3に対するアミノ酸位置89から97にわたる。
【0087】
本明細書において、「アクセプター」および「アクセプター抗体」という用語は、フレームワーク領域のうちの1つまたはそれ以上のアミノ酸配列の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または100%を提供するまたはコードする抗体または核酸配列を表す。一部の実施形態において、「アクセプター」という用語は、定常領域(複数可)を提供するまたはコードする抗体アミノ酸または核酸配列を表す。さらに別の実施形態において、「アクセプター」という用語は、フレームワーク領域および定常領域(複数可)のうちの1つまたはそれ以上を提供するまたはコードする抗体アミノ酸または核酸配列を表す。特定の実施形態において、「アクセプター」という用語は、フレームワーク領域のうちの1つまたはそれ以上のアミノ酸配列の少なくとも80%、好ましくは、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または100%を提供するまたはコードするヒト抗体アミノ酸または核酸配列を表す。本実施形態に従って、アクセプターは、ヒト抗体の1つまたはそれ以上の特定の位置に存在しない少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも10のアミノ酸残基を含有していてよい。アクセプターフレームワーク領域および/またはアクセプター定常領域(複数可)は、例えば、生殖系列抗体遺伝子、成熟抗体遺伝子、機能的抗体(例えば、当技術分野で周知の抗体、開発中の抗体または市販されている抗体)に由来していても、から得られてもよい。
【0088】
本明細書で使用される「CDR」という用語は、抗体可変配列内の相補性決定領域を表す。重鎖および軽鎖の各可変領域中には3つのCDRが存在し、これらは、各可変領域に対して、CDR1、CDR2およびCDR3と表記される。本明細書において使用される「CDRセット」という用語は、抗原に結合することが可能な単一の可変領域中に存在する3つのCDRの群を表す。これらのCDRの正確な境界は、異なる系に従って、異なって定義されてきた。Kabatによって記載された系(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987)and(1991))は、抗体のいずれの可変領域に対しても適用可能な明瞭な残基付番系を提供するのみならず、3つのCDRを定義する正確な残基境界を提供する。これらのCDRは、KabatCDRと称され得る。Chothiaおよび共同研究者(Chothia&Lesk,J.Mol.Biol.196:901−917(1987)およびChothia et al.,Nature 342:877−883(1989))は、KabatCDR内のある種の亜部分が、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性を有するにも関わらず、ほぼ同一のペプチド骨格立体構造を採ることを見出した。これらの亜部分は、L1、L2およびL3またはH1、H2およびH3(「L」および「H」は、それぞれ、軽鎖および重鎖領域を表記する。)と表記される。これらの領域は、ChothiaCDRと称される場合があり、これは、KabatCDRと重複する境界を有する。KabatCDRと重複するCDRを定義する他の境界が、Padlan(FASEB J.9:133−139(1995))およびMacCallum(J Mol Biol 262(5):732−45(1996))によって記載されている。さらに別のCDR境界定義が、上記系の1つに厳格に従わない場合があり得るが、それにも関わらず、KabatCDRと重複するが、これらは、特定の残基または残基の群またはさらにはCDR全体が、抗原結合に著しい影響を与えないという予測または実験的な発見に照らして、短縮または延長され得る。本明細書に使用されている方法は、これらの系のいずれかに従って定義されたCDRを使用し得るが、好ましい実施形態は、KabatまたはChothiaによって定義されたCDRを使用する。
【0089】
本明細書において、「カノニカル」残基という用語は、Chothia et al.、J.Mol.Biol.196:901−907(1987);Chothia et al.、J.Mol.Biol.227:799(1992)により定義されている特定のカノニカルCDR構造を定義するCDRまたはフレームワーク中の残基を表す。Chothia et al.、によれば、多くの抗体のCDRの極めて重要な部分は、アミノ酸配列のレベルには大きな多様性があるが、ほぼ同一のペプチド骨格構造を有する。カノニカル構造はそれぞれ、ループを形成するアミノ酸残基の近接するセグメントに対する一組のペプチド骨格ねじれ角を主に特定している。
【0090】
本明細書において、「ドナー」および「ドナー抗体」という用語は、1つまたはそれ以上のCDRを提供する抗体を表す。好ましい実施形態において、ドナー抗体は、フレームワーク領域が得られるまたは由来する元の抗体とは異なる種由来の抗体である。ヒト化抗体という状況では、「ドナー抗体」という用語は、1つまたはそれ以上のCDRを提供する非ヒト抗体を表す。
【0091】
本明細書で使用される「フレームワーク」または「フレームワーク配列」という用語は、CDRを差し引いた可変領域の残りの配列を表す。CDR配列の正確な定義は、異なる系によって決定され得るので、フレームワーク配列の意義は、これに対応して、異なる解釈に供せられる。6つのCDR(軽鎖のCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびに重鎖のCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3)は、軽鎖および重鎖上のフレームワーク領域も、各鎖上の4つの亜領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)に分割し、CDR1はFR1とFR2の間に位置し、CDR2はFR2とFR3の間に、CDR3はFR3とFR4の間に位置する。他者によって表記されるように、FR1、FR2、FR3またはFR4として特定の亜領域を特定せずに、フレームワーク領域は、天然に存在する単一の免疫グロブリン鎖の可変領域内の組み合わされたFRを表す。本明細書において使用される、1つのFRは、4つの亜領域の1つを表し、複数のFRは、フレームワーク領域を構成する4つの亜領域の2つまたはそれ以上を表す。典型的なFR配列については表5および6を参照されたい。
【0092】
本明細書において使用される「生殖系列抗体遺伝子」または「生殖系列抗体遺伝子断片」という用語は、特定の免疫グロブリンの発現のために遺伝的再編成および変異をもたらす成熟プロセスを経ていない非リンパ系細胞によってコードされる免疫グロブリン配列を表す。(例えば、Shapiro et al.,Crit.Rev.Immunol.22(3):183−200(2002);Marchalonis et al.,Adv Exp Med Biol.484:13−30(2001)参照)。本発明の様々な実施形態によって提供される利点の1つは、生殖系列抗体遺伝子は、成熟した抗体遺伝子より、種内の個体に特徴的な必須のアミノ酸配列構造を保存する傾向がより大きく、このため、その種において治療的に使用された場合に、外来源に由来するものと認識される可能性がより低いという認識から生じる。
【0093】
本明細書において、「キーとなる」残基という用語は、抗体、特にヒト化抗体の結合特異性および/または親和性により大きな影響を与える可変領域内のある種の残基を表す。キーとなる残基は、以下の、CDRに隣接する残基、潜在的グリコシル化部位(N−グリコシル化部位でもO−グリコシル化部位でも可能である)、希少残基、抗原と相互作用をすることが可能である残基、CDRと相互作用をすることが可能である残基、カノニカル残基、重鎖可変領域と軽鎖可変領域間の接触残基、バーニアゾーン内の残基および可変重鎖CDR1のChothia定義と第一の重鎖フレームワークのKabat定義間で重複する領域内の残基のうちの1つまたはそれ以上を含むがこれらに限定されない。
【0094】
本明細書において、「ヒト化抗体」という用語は、目的の抗原に免疫特異的に結合し、ヒト抗体のアミノ酸配列を実質的に有するフレームワーク(FR)領域および非ヒト抗体のアミノ酸配列を実質的に有する相補性決定領域(CDR)を含む、抗体もしくは変異体、誘導体、類似体またはこれらの断片を表す。本明細書において、CDRという状況での「実質的に」という用語は、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、好ましくは、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するCDRを表す。ヒト化抗体は、すべてのまたは実質的にすべてのCDR領域が非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のCDR領域に一致し、すべてのまたは実質的にすべてのフレームワーク領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のフレームワーク領域である少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメイン(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、FabC、Fv)の実質的にすべてを含む。好ましくは、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的には、ヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部分も含む。一部の実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖の他にも少なくとも重鎖の可変ドメインの両方を含有している。上記抗体は重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3およびCH4領域も含んでいてよい。一部の実施形態において、ヒト化抗体はヒト化軽鎖のみを含有する。一部の実施形態において、ヒト化抗体はヒト化重鎖のみを含有する。特定の実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖のヒト化可変ドメインおよび/またはヒト化重鎖のみを含有する。
【0095】
ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含む任意のクラスの免疫グロブリン、ならびに、限定されることなくIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む任意のアイソタイプから選択することが可能である。ヒト化抗体は、1つを超えるクラスまたはアイソタイプ由来の配列を含んでいてよく、当技術分野で周知の技術を使用して目的のエフェクター機能を最適化する特定の定常ドメインを選択してもよい。
【0096】
ヒト化抗体のフレームワークおよびCDR領域は、親配列、例えば、ドナー抗体CDRに正確に一致する必要はなく、またはコンセンサスフレームワークは、その部位のCDRまたはフレームワーク残基がドナー抗体ともコンセンサスフレームワークとも一致しないように、少なくとも1つのアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失により変異誘発されてもよい。しかしながら、好ましい実施形態において、そのような変異体は広範囲には及ばない。ヒト化抗体残基の、通常少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、もっとも好ましくは少なくとも95%が、親FRおよびCDR配列の残基に一致する。本明細書において、「コンセンサスフレームワーク」という用語は、コンセンサス免疫グロブリン配列におけるフレームワーク領域を表す。本明細書において、「コンセンサス免疫グロブリン配列」という用語は、関連する免疫グロブリン配列のファミリーにおいてもっとも多く存在するアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を表す(例えば、Winnaker、From Genes to Clones(Verlagsgesellschaft、Weinheim、Germany、1987)参照)。免疫グロブリンファミリーでは、コンセンサス配列における各位置は、ファミリーにおいてその位置にもっとも多く存在するアミノ酸により占められている。2種類のアミノ酸が等しく頻繁に存在する場合には、どちらでもコンセンサス配列に含むことが可能である。
【0097】
本明細書において、「バーニア」ゾーンは、Foote and Winter(1992)J.Mol.Biol.224:487−499により記載されている通りに、CDR構造を調製し抗原への適合を微調整する可能性があるフレームワーク残基のサブセットを表す。バーニアゾーン残基は、CDRの基礎にある層を形成し、CDRの構造および抗体の親和性に影響を与える可能性がある。
【0098】
「多価結合タンパク質」という用語は、2つまたはそれ以上の抗原結合部位を含む結合タンパク質を意味するために本明細書では使用されている。多価結合タンパク質は、好ましくは3つまたはそれ以上の抗原結合部位を有するように工学的に操作されており、一般には天然に存在する抗体ではない。「多特異的結合タンパク質」という用語は、2つまたはそれ以上の関連するまたは無関係の標的に結合することが可能である結合タンパク質を表す。本明細書で使用される二重可変ドメイン(DVD)結合タンパク質は、2つまたはそれ以上の抗原結合部位を含む結合タンパク質であり、四価または多価結合タンパク質である。そのようなDVD結合タンパク質は、単一特異的である、すなわち、1つの抗原に結合することができても、または多特異的である、すなわち、2つまたはそれ以上の抗原に結合することができてもよい。2つの重鎖DVDポリペプチドおよび2つの軽鎖DVDポリペプチドを含むDVD結合タンパク質は、DVD−Ig(商標)と呼ばれている。DVD−Igの各半分は、重鎖DVDポリペプチドおよび軽鎖DVDポリペプチドおよび2つの抗原結合部位を含む。各結合部位は、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含み、抗原結合部位あたり合計で6つのCDRが抗原結合に関与している。
【0099】
本明細書において、「中和すること」という用語は、結合タンパク質がサイトカインまたは脂質代謝物に特異的に結合すると、サイトカインまたは脂質代謝物の生物学的活性を中和することを表す。好ましくは、中和結合タンパク質は、PGEへのその結合により、PGEの生物学的活性が抑制される中和抗体である。好ましくは、中和結合タンパク質は、PGEに結合し、PGEの生物学的活性を少なくとも約10%、20%、40%、60%、80%、85%またはそれ以上減少させる。中和結合タンパク質によるPGEの生物学的活性の抑制は、当技術分野で周知のPGE生物学的活性の1つまたはそれ以上の指標を測定することにより評価することが可能である。例えば、EP4受容体を過剰発現しているHEK293細胞を使用するEP4アッセイによるPGE誘導カルシウム流入の抑制である(実施例1.1.C1参照)。
【0100】
「活性」という用語は、抗原に対する抗体、例えば、PGE抗原に結合する抗PGE抗体の結合特異性/親和性、および/または抗体、例えば、PGEへのその結合がPGEの生物学的活性を抑制する、例えば、EP4受容体を過剰発現しているHEK293細胞を使用するEP4アッセイによるPGE誘導カルシウム流入の抑制(実施例1.1.C1参照)のような抗PGE抗体の中和効力などの活性を含む。
【0101】
「エピトープ」という用語には、免疫グロブリンまたはT細胞受容体に特異的に結合することができる、あらゆるポリペプチド決定基が含まれる。ある種の実施形態において、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリルまたはスルホリルなどの分子の化学的に活性な表面基を含み、ある種の実施形態において、特異的な三次元構造的特徴および/または特異的な電荷特徴を有し得る。エピトープとは、抗体によって結合される抗原の領域である。ある種の実施形態において、抗体が、タンパク質および/または高分子の複雑な混合物中で、その標的抗原を優先的に認識する場合に、抗体は抗原を特異的に結合する。
【0102】
本明細書において使用される「表面プラズモン共鳴」という用語は、例えば、BIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB、Uppsala、SwedenおよびPiscataway、NJ)を用いて、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化を検出することによって、リアルタイムな生物特異的相互作用の分析を可能とする光学現象を表す。さらなる記載については、Jonsson,U.,et al.(1993)Ann.Biol.Clin.51:19−26;Jonsson,U.,et al.(1991)Biotechniques 11:620−627;Johnsson,B.,et al.(1995)J.Mol.Recognit.8:125−131;およびJohnnson,B.,et al.(1991)Anal.Biochem.198:268−277を参照されたい。
【0103】
本明細書において使用される「Kon」という用語は、本分野で知られている抗体/抗原複合体を形成するための、抗体の抗原への結合についての結合速度(on rate)定数を表すものとする。
【0104】
本明細書において使用される「Koff」という用語は、本分野で知られている抗体/抗原複合体からの、抗体の解離についての解離速度(off rate)定数を表すものとする。
【0105】
本明細書において使用される「K」という用語は、本分野で知られている特定の抗体−抗原相互作用の解離定数を表すものとする。
【0106】
本明細書において使用される「標識された結合タンパク質」という用語は、結合タンパク質の同定を与える標識が取り込まれたタンパク質を表す。好ましくは、標識は、検出可能なマーカーであり、例えば、放射性標識されたアミノ酸の取り込み、または印を付けたアビジン(例えば、光学的方法または比色分析法によって検出することができる、蛍光マーカーまたは酵素活性を含有するストレプトアビジン)によって検出することができるビオチン部分のポリペプチドへの付着である。ポリペプチド用の標識の例には、以下の放射性同位体または放射性核種(例えば、H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoまたは153Sm);蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニドリン光体);酵素的標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ);化学発光マーカー;ビオチニル基、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体に対する結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ);およびガドリニウムキレートなどの磁気作用物質が含まれるが、これらに限定されない。
【0107】
「抗体連結体」という用語は、第二の化学部分(治療剤または細胞毒性剤など)に化学的に連結された抗体などの結合タンパク質を表す。本明細書において、「作用物質」という用語は、化学的化合物、化学的化合物の混合物、生物学的高分子または生物由来物質から作製された抽出物を表記するために使用される。好ましくは、治療剤または細胞毒性剤には、百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロールおよびピューロマイシンならびにこれらの類似体または相同体が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0108】
本明細書において使用される「結晶」および「結晶化された」という用語は、結晶の形態で存在する抗体またはその抗原結合部分を表す。結晶は、物質の固体状態の一形態であり、これは、非晶質の固体状態または液体の結晶状態などの他の形態とは異なる。結晶は、原子、イオン、分子(例えば、抗体などのタンパク質)または分子集合体(例えば、抗原/抗体複合体)の規則的な反復する三次元配列から構成される。これらの三次元配列は、特異的な数学的関係に従って整列されている。結晶中で反復されている基礎的単位または構築ブロックは、非対称単位と呼ばれる。所定の十分に整えられた結晶的対称性に合致する配置での非対称単位の反復は、結晶の「単位格子」を与える。すべての三次元中での規則的な転換による単位格子の反復は、結晶を与える。Giege,R.and Ducruix,A.Barrett,Crystallization of Nucleic Acids and Proteins,a Practical Approach,2nd ea.,pp.20 1−16,Oxford University Press,New York,New York,(1999)を参照されたい。
【0109】
一実施形態は、結合タンパク質の放出のための組成物を提供し、上記組成物は、順次に上に開示される結晶化結合タンパク質、結晶化抗体構築物または結晶化抗体連結体および成分を含む製剤、ならびに少なくとも1つのポリマー担体を含む製剤を含む。好ましくは、ポリマー担体は、ポリ(アクリル酸)、ポリ(シアノアクリル酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(デプシペプチド)、ポリ(エステル)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸コグリコール酸)またはPLGA、ポリ(b−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ((ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリ[(オルガノ)ホスファゼン]、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、無水マレイン酸−アルキルビニルエーテルコポリマー、プルロニックポリオール、アルブミン、アルギン酸、セルロースおよびセルロース誘導体、コラーゲン、フィブリン、ゼラチン、ヒアルロン酸、オリゴ糖、グリカミノグリカン、硫酸多糖類、ならびにその混合物およびコポリマーからなる群のうちの1つまたはそれ以上から選択されるポリマーである。好ましくは、上記成分は、アルブミン、ショ糖、トレハロース、ラクチトール、ゼラチン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、メトキシポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される。別の実施形態は、上に開示される組成物の有効量を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物を治療するための方法を提供する。
【0110】
本明細書において称される「ポリヌクレオチド」という用語は、2つまたはそれ以上のヌクレオチド(リボヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチドのいずれかまたはヌクレオチドのいずれかのタイプの修飾された形態)のポリマー形態を意味する。本用語は、DNAの一本鎖および二本鎖形態を含むが、二本鎖DNAが好ましい。
【0111】
本明細書において使用される「単離されたポリペプチド」という用語は、(例えば、ゲノム、cDNAもしくは合成起源またはこれらのいくつかの組合せの)ポリヌクレオチドを意味するものとし、その起源のために、「単離されたポリヌクレオチド」は、「単離されたポリヌクレオチド」が本来その中でともに見出されるポリヌクレオチドの全部または一部と会合していない、本来連結されていないポリヌクレオチドに作用可能に連結されている、またはより大きな配列の一部として本来存在しない、ことを意味する。
【0112】
本明細書において使用される「ベクター」という用語は、核酸分子に連結されている別の核酸を輸送することができる該核酸分子を表すものとする。ベクターの1つの種類は「プラスミド」であり、これは、その中にさらなるDNAセグメントを連結し得る環状二本鎖DNAループを表す。ベクターの別の種類はウイルスベクターであり、ここで、追加のDNAセグメントはウイルスゲノム中に連結され得る。ある種のベクターは、当該ベクターがその中に導入された宿主細胞中で自律的複製を行うことができる(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞中へ導入されて、宿主細胞のゲノム中に組み込まれることが可能であり、これにより、宿主ゲノムとともに複製される。さらに、ある種のベクターは、それらが作用可能に連結されている遺伝子の発現を誘導することが可能である。このようなベクターは、本明細書において、「組み換え発現ベクター」(または単に、「発現ベクター」)と称される。一般に、組み換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしば、プラスミドの形態である。プラスミドは、もっとも一般的に使用されるベクターの形態であるので、本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は互換的に使用され得る。しかしながら、本発明は、均等な機能を果たす、ウイルスベクターなどの(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)発現ベクターのような他の形態を含むものとする。
【0113】
「作用可能に連結された」という用語は、記載された成分をそれらを所期の様式で機能させることができる関係にある併置状態を表す。コード配列に対して「作用可能に連結された」制御配列は、制御配列と適合的な条件下で、コード配列の発現が達成されるように連結されている。「作用可能に連結された」配列は、目的の遺伝子と連続する発現調節配列および目的の遺伝子を調節するように、トランスにてまたは離れて作用する発現調節配列の両方を含む。本明細書において使用される「発現調節配列」という用語は、連結されているコード配列の発現およびプロセッシングに影響を与えるために必要であるポリヌクレオチド配列を表す。発現調節配列には、適切な転写開始、終結、プロモーターおよびエンハンサー配列;スプライシングおよびポリアデニル化シグナルなどの効率的なRNAプロセッシングシグナル;細胞質mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を増強する配列(すなわち、Kozakコンセンサス配列);タンパク質の安定性を増強する配列;および所望であれば、タンパク質分泌を増強させる配列が含まれる。このような調節配列の性質は、宿主生物に応じて異なる。原核生物では、このような調節配列は、一般に、プロモーター、リボソーム結合部位および転写終結配列を含む。真核生物では、一般に、このような調節配列には、プロモーターおよび転写終結配列が含まれ得る。「調節配列」という用語は、その存在が発現およびプロセッシングに不可欠である成分を含むものとし、その存在が有利である追加の成分、例えば、リーダー配列および融合対配列も含むことが可能である。発現カセット、ベクター、組み換え宿主細胞ならびに単一オープンリーディングフレームからの組み換えポリタンパク質とタンパク質前駆体の組み換え発現およびタンパク質プロセシングのための方法を含む、当技術分野で公知の発現ベクターおよび宿主細胞を使用して、本発明のタンパク質構築物を発現させ精製することが可能である(例えば、WO 2007/014162)。
【0114】
本明細書で定義される「形質転換」とは、外来DNAが宿主細胞に入るすべてのプロセスを表す。形質転換は、本分野で周知の様々な方法を用いて、自然の条件または人工の条件下で起こり得る。形質転換は、原核または真核宿主細胞中へ外来核酸配列を挿入するためのいずれかの公知の方法に依拠し得る。本方法は、形質転換されている宿主細胞に基づいて選択され、ウイルス感染、電気穿孔、リポフェションおよび粒子照射を含み得るが、これらに限定されない。このような「形質転換された」細胞には、挿入されたDNAが、自律的に複製するプラスミドとして、または宿主染色体の一部として、その中で複製することできる安定に形質転換された細胞が含まれる。これらには、挿入されたDNAまたはRNAを、限られた時間にわたって一過性に発現する細胞も含まれる。
【0115】
本明細書において使用される「組み換え宿主細胞」(または単に、「宿主細胞」)という用語は、外来DNAがその中に導入されている細胞を表すものとする。このような用語は、当該細胞を表すのみならず、このような細胞の子孫も表すことを理解すべきである。突然変異または環境的な影響のために、後続の世代中にある種の修飾が生じ得るので、このような子孫は、実際には親細胞と同一でないことがあり得るが、本明細書において使用される「宿主細胞」という用語の範囲になお含まれる。好ましくは、宿主細胞には、原核細胞および真核細胞、昆虫細胞または生物のいずれかの界から選択される細胞が含まれる。好ましい真核細胞には、原生生物、真菌、植物および動物細胞が含まれる。もっとも好ましい宿主細胞には、原核細胞株E.コリ;哺乳動物細胞株CHO、HEK293およびCOS;昆虫細胞株Sf9および真菌細胞S.セレビシアエが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0116】
組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成および組織培養および形質転換(例えば、電気穿孔、リポフェクション)に対しては標準的な技術が使用され得る。酵素反応および精製技術は、製造業者の説明書に従って、または本分野で一般的に遂行されているように、または本明細書に記載されているように、実施され得る。一般に、先述の技術および手順は、本分野で周知の慣用的な方法に従い、ならびに本明細書を通じて引用および論述されている様々な一般的参考文献およびより具体的な参考文献中に記載されているように、実施し得る。例えば、Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989))を参照されたい。
【0117】
本分野において公知であり、本明細書において使用される「トランスジェニック生物」とは、導入遺伝子を含有する細胞を有する生物を表し、生物中に導入された導入遺伝子(または生物の子孫)は、生物中に自然に発現されていないポリペプチドを発現する。「導入遺伝子」とは、細胞のゲノム中に安定におよび作用可能に組み込まれているDNA構築物であり、この細胞からトランスジェニック生物が発達し、トランスジェニック生物の1つ以上の細胞種または組織中で、コードされた遺伝子産物の発現を誘導する。
【0118】
「制御する」または「調節する」という用語は互換的に使用され、本明細書において使用される場合、目的の分子の活性(例えば、PGEの生物学的活性)の変化または変更を表す。調節は、目的の分子の一定の活性または機能の規模の増加または減少であり得る。分子の典型的な活性および機能には、結合特性、酵素活性、細胞受容体活性化およびシグナル伝達が含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
これに対応して、本明細書において使用される「調節物質」という用語は、目的の分子の活性または機能(例えば、PGEの生物学的活性)を変化または変更させることが可能な化合物である。例えば、調節物質は、調節物質の不存在下で観察される活性または機能の規模と比べて、分子のある種の活性または機能の規模の増加または減少を引き起こし得る。ある種の実施形態において、調節物質は、分子の少なくとも1つの活性または機能の規模を減少させる阻害剤である。典型的な阻害剤には、タンパク質、ペプチド、抗体、ペプチバディ、炭水化物または小有機分子が含まれるが、これらに限定されるものではない。ペプチバディは、例えば、WO01/83525に記載されている。
【0120】
本明細書において使用される「アゴニスト」という用語は、目的分子と接触したときに、アゴニストの不存在下で観察される活性または機能の規模と比べて、分子のある種の活性または機能の規模の増加を引き起こす調節物質を表す。興味深い特定のアゴニストには、PGEまたはポリペプチド、核酸、炭水化物またはPGEに結合する他のすべての分子が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0121】
本明細書において使用される「アンタゴニスト」または「阻害剤」という用語は、目的分子と接触したときに、アンタゴニストの不存在下で観察される活性または機能の規模と比べて、分子のある種の活性または機能の規模の減少を引き起こす調節物質を表す。興味深い具体的なアンタゴニストには、PGEの生物学的または免疫学的活性を遮断または調節するアンタゴニストが含まれる。PGEのアンタゴニストおよび阻害剤には、タンパク質、核酸、炭水化物またはPGEに結合する他のすべての分子が含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
【0122】
「受容体への結合を阻害する」という用語は、その受容体のうちの1つまたはそれ以上へのPGEの結合を妨げる結合タンパク質の能力を表す。受容体への結合をそのように阻害すれば、その受容体または複数の受容体へのPGEの結合により媒介される生物学的活性が減少するまたは消滅すると考えられる。
【0123】
本明細書において使用される「有効量」という用語は、疾患もしくはその1つもしくはそれ以上の症候の重度および/または持続時間を低下もしくは軽減し、疾患の進行を抑制し、疾患の退行を引き起こし、疾患に伴う1つもしくはそれ以上の症候の再発、発達、発症もしくは進行を予防し、疾患を検出し、または別の療法(例えば、予防的または治療的剤)の予防的または治療的効果を増強もしくは改善するのに十分である療法の量を表す。
【0124】
本明細書で使用される「試料」という用語は、もっとも広義で使用される。本明細書において使用される「生物学的試料」は、生物または生物であったものから得られた物質のいずれかの量を含むが、これらに限定されない。このような生物には、ヒト、マウス、ラット、サル、イヌ、ウサギおよびその他の動物が含まれるが、これらに限定されない。このような物質には、血液、血清、尿、滑液、細胞、臓器、組織、骨髄、リンパ節および脾臓が含まれるが、これらに限定されない。
【0125】
好ましい実施形態において、結合タンパク質は、PGEに結合することが可能であるCDR移植された抗体またはこの抗原結合部分である。好ましくは、CDR移植された抗体またはこの抗原結合部分は、上で開示される2B5−7.0、または2B5−8.0、または2B5−9.0由来の1つまたはそれ以上のCDRを含む。好ましくは、CDR移植された抗体またはこの抗原結合部分は、ヒトアクセプターフレームワークを含む。さらに好ましくは、ヒトアクセプターフレームワークは、2B5−7.0、または2B5−8.0、または2B5−9.0のマウス抗体フレームワークに60%を超える相同性を有するヒトアクセプターフレームワークのうちのいずれか1つである。
【0126】
好ましい実施形態において、結合タンパク質は、PGEに結合することが可能であるヒト化抗体またはこの抗原結合部分である。好ましくは、ヒト化抗体またはこの抗原結合部分は、ヒトアクセプターフレームワークのヒト抗体可変ドメインに組み込まれている上で開示されている1つまたはそれ以上のCDRを含む。好ましくは、ヒト抗体可変ドメインはコンセンサスヒト可変ドメインである。さらに好ましくは、ヒトアクセプターフレームワークは、キーとなる残基に少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含み、上記キーとなる残基はCDRに隣接する残基、グリコシル化部位残基、希少残基、PGEと相互作用をすることが可能である残基、CDRと相互作用をすることが可能である残基、カノニカル残基、重鎖可変領域と軽鎖可変領域間の接触残基、バーニアゾーン内の残基およびChothia定義可変重鎖CDR1とKabat定義第一重鎖フレームワーク間で重複する領域の残基からなる群から選択される。好ましくは、ヒトアクセプターフレームワークは、少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含み、上記フレームワークのアミノ酸配列が、ヒトアクセプターフレームワークの配列に対して少なくとも65%同一であり、ヒトアクセプターフレームワークに同一の少なくとも70アミノ酸残基を含む。
【0127】
一実施形態において、ヒト化抗体またはこの抗原結合部分は、上に開示されている3つまたはそれ以上のCDRを含む。ある種の実施形態において、ヒト化抗体またはこの抗原結合部分は、上に開示されている6つのCDRを含む。
【0128】
本発明の一実施形態は、上に開示されている結合タンパク質のうちのいずれか1つおよびリンカーポリペプチドまたは免疫グロブリンを含む抗体構築物を提供する。好ましい実施形態において、抗体構築物は、免疫グロブリン分子、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植された抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、多重特異的抗体、二重特異的抗体、DVD−Ig(商標)および二特異的抗体からなる群から選択される。好ましい実施形態において、抗体構築物は、ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgG1定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、ヒトIgG3定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgE定常ドメインおよびヒトIgA定常ドメインからなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む。別の実施形態において、本発明は、上に開示されている抗体構築物ならびに免疫接着分子、造影剤、治療剤および細胞毒性剤からなる群から選択される因子を含む抗体連結体を提供する。好ましい実施形態において、造影剤は、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、化学発光標識、磁気標識およびビオチンからなる群から選択される。さらに好ましくは、造影剤は、H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoおよび153Smからなる群から選択される放射性標識である。好ましい実施形態において、治療または細胞毒性剤は、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗生物質、成長因子、サイトカイン、抗血管新生剤、有糸分裂阻害剤、アントラサイクリン、毒素およびアポトーシス剤からなる群から選択される。
【0129】
別の実施形態において、抗体構築物はグリコシル化されている。好ましくは、グリコシル化はヒトグリコシル化パターンである。
【0130】
別の実施形態において、上に開示されている結合タンパク質、抗体構築物または抗体連結体は結晶である。好ましくは、上記結晶は無担体医薬徐放結晶である。好ましい実施形態において、結晶化結合タンパク質、結晶化抗体構築物または結晶化抗体連結体は、これらの可溶性対応物よりも大きなインビボ半減期を有する。別の好ましい実施形態において、結晶化結合タンパク質、結晶化抗体構築物または結晶化抗体連結体は、結晶化後でも生物学的活性を保持している。
【0131】
本発明の一態様は、上に開示されている結合タンパク質、抗体構築物または抗体連結体のうちのいずれか1つをコードしている単離された核酸に関する。追加の実施形態は、上に開示されている単離された核酸を含むベクターを提供し、上記ベクターはpcDNA;pTT(Durocher et al.、Nucleic Acids Research 2002、Vol 30、No.2);pTT3(追加の複数のクローニングサイトを有するpTT);pEEBOS(Mizushima、S.and Nagata、S.(1990)Nucleic acids Research Vol 18、No.17);pBV;pJV;pA2およびpBJからなる群から選択される。
【0132】
別の態様において、宿主細胞は上に開示されているベクターで形質転換されている。好ましくは、宿主細胞は原核細胞である。さらに好ましくは、宿主細胞はイー・コリである。別の実施形態において、宿主細胞は真核細胞である。好ましくは、真核細胞は、原生細胞、動物細胞、植物細胞および真菌細胞からなる群から選択される。さらに好ましくは、宿主細胞は、CHO、HEK293およびCOSを含むがこれらに限定されない哺乳動物細胞;またはサッカロマイセス・セレビシエなどの真菌細胞;またはSf9などの昆虫細胞である。
【0133】
本発明の別の態様は、PGEに結合する結合タンパク質を産生するのに十分な条件下で、上に開示されている宿主細胞のうちのいずれか1つを培地中で培養することを含む、PGEに結合する結合タンパク質を産生する方法を提供する。別の実施形態は、上に開示されている方法に従って産生される結合タンパク質を提供する。
【0134】
本発明は、上に開示されている結合タンパク質、抗体構築物または抗体連結体および医薬として許容しうる担体を含む医薬組成物も提供する。追加の実施形態では、医薬組成物は、PGE活性が有害である障害を治療するための少なくとも1つの追加の治療剤を含む。好ましくは、追加の因子は、治療剤、造影剤、細胞毒性剤、血管新生阻害剤(抗VEGF抗体またはVEGFトラップを含むが、これらに限定されない);キナーゼ阻害剤(KDRおよびTIE−2阻害剤を含むが、これらに限定されない);共刺激分子遮断剤(抗B7.1、抗B7.2、CTLA4−Ig、抗CD20を含むが、これらに限定されない);接着分子遮断剤(抗LFA−1 Ab、抗E/LセレクチンAb、小分子阻害剤を含むが、これらに限定されない);抗サイトカイン抗体またはこの機能的断片(抗IL−18、抗TNF、抗IL−6/サイトカイン受容体抗体を含むが、これらに限定されない);メトトレキサート;シクロスポリン;ラパマイシン;FK506;検出可能な標識またはレポーター;TNFアンタゴニスト;抗リウマチ剤;筋肉弛緩剤、麻酔、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、鎮痛剤、麻酔剤、鎮静剤、局所麻酔、神経筋肉遮断薬、抗微生物剤、抗乾癬剤、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、エリスロポエチン、免疫化、イムノグロブリン、免疫抑制剤、成長ホルモン、ホルモン置換剤、放射性薬剤、抗うつ剤、抗精神病薬、刺激物質、喘息薬、βアゴニスト、吸引用ステロイド、エピネフリンまたはその類似体、サイトカインおよびサイトカインアンタゴニストからなる群から選択される。
【0135】
別の態様において、本発明は、PGE活性が抑制されるように、PGEを上に開示されている結合タンパク質に接触させることを含む、PGE活性を抑制するための方法を提供する。関連する態様において、本発明は、ヒト対象におけるPGE活性が抑制され治療が達成されるように、ヒト対象に上に開示されている結合タンパク質を投与することを含む、PGE活性が有害である障害に罹っているヒト対象におけるPGE活性を抑制するための方法を提供する。
【0136】
別の態様において、本発明は、対象においてPGE関連障害を治療する(例えば、治癒する、抑制する、寛解する、上記障害の発病を遅延させるもしくは予防するもしくは上記障害の再発を予防する)または上記障害を予防する方法を提供する。上記方法は、PGE結合剤(特に、アンタゴニスト)、例えば、本明細書に記載されている抗PGE抗体またはこの断片を、PGE関連障害を治療するまたは予防するのに十分な量、対象に投与することを含む。PGEアンタゴニスト、例えば、抗PGE抗体またはこの断片は、単独でまたは本明細書に記載されている他の治療モダリティと組み合わせて対象に投与することが可能である。
【0137】
一実施形態において、本発明は、哺乳動物対象、例えば、過剰なPGE合成が関与している自己免疫疾患、炎症性疾患および腫瘍を含む1つまたはそれ以上のPGE関連障害に罹っているヒトにおける1つまたはそれ以上の症状を治療する(例えば、軽減する、寛解する)または予防するための方法および組成物を提供する。そのような障害は、(a)関節リウマチおよびアレルギー性関節炎;(b)ギランバレー症候群、感染性単核球症、他のウイルス性リンパ節症およびヘルペスウイルスによる感染症などのウイルスにより誘発されるある種の疾患;(c)多発性硬化症および他の脱髄疾患;(d)溶血性貧血および血小板減少症などの血液障害;(e)糖尿病、アジソン病、特発性副甲状腺機能低下症および慢性リンパ性甲状腺炎などの内分泌学的障害;(f)全身性エリテマトーデスなどのコラーゲン障害;ならびに(g)無月経、不妊症、反復流産および子癇などの生殖障害;ならびに(h)頭頸部腫瘍、肺癌、胃癌、前立腺癌、膵癌等などの腫瘍;ならびに(i)胃腸器官障害(例えば、潰瘍性大腸炎および/またはクローン病などの炎症性腸疾患(IBD));ならびに(j)変形性関節炎および他の障害に伴う疼痛などの疼痛障害;ならびに(k)加齢性黄斑変性症(AMD)などの視覚障害を含む。したがって、本開示は、治療のためのPGE結合剤(例えば、抗PGE抗体またはこの断片)の使用および治療のための薬物を調製するためのPGE結合剤(例えば、抗PGE抗体またはこの断片)の使用を含む。
【0138】
上記方法は、PGEアンタゴニスト、例えば、PGE抗体またはこの断片を、1つまたはそれ以上の症状を治療する(例えば、軽減する、寛解する)または予防するのに十分な量、対象に投与することを含む。PGE抗体は、治療的にもしくは予防的に、またはその両方で投与することが可能である。PGEアンタゴニスト、例えば、抗PGE抗体またはこの断片は、単独でまたは本明細書に記載されている他の治療モダリティと組み合わせて対象に投与することが可能である。好ましくは、対象は哺乳動物、例えば、本明細書に記載されているPGE関連障害に罹っているヒトである。
【0139】
別の態様において、本願は、試料(例えば、血清、血漿、組織、バイオプシーなどの生体試料)中のPGEの存在をインビトロで検出するための方法を提供する。本方法を使用して、障害、例えば、免疫細胞関連障害を診断することが可能である。上記方法は、(i)試料または対照試料を、本明細書に記載されている抗PGE抗体またはこの断片に接触させること、および(ii)抗PGE抗体またはこの断片と試料または対照試料間の複合体の形成を検出し、対照試料と比べて試料中の複合体の形成における統計的に有意な変化が試料中のPGEの存在を示していることを含む。
【0140】
別の態様において、本発明は、上記のように第二の因子の投与前に、同時に、または投与後に上に開示されている結合タンパク質のうちのいずれか1つを投与する工程を含む、PGEが有害である障害に罹っている患者を治療する方法を提供する。好ましい実施形態において、1つまたはそれ以上のPGEアンタゴニスト(例えば、抗PGE抗体またはこの断片)と同時投与するおよび/または同時処方することが可能である、追加の治療剤は、MTX;経口ステロイド;メタロプロテアーゼ阻害剤;スルファサラジン;アザチオプリン;6−メルカプトプリン;アンギオテンシン変換酵素阻害剤;可溶性サイトカイン受容体;可溶性p55 TNF受容体;可溶性p75 TNF受容体;sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R、抗炎症性サイトカイン、IL−4、IL−10、IL−11およびTGFβを含むが、これらに限定されない。
【0141】
好ましい実施形態において、上に開示されている医薬組成物は、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内(intracavitary)、腔内(intracelial)、小脳内、脳室内、結腸内、頸部内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑膜内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻腔内および経皮的から選択される少なくとも1つの様式によって、対象に投与される。
【0142】
本発明の一態様は、少なくとも1つのPGE抗イディオタイプ抗体を本発明の少なくとも1つのPGE結合タンパク質に提供する。抗イディオタイプ抗体は、本発明の結合タンパク質に組み込むことが可能である、重鎖もしくは軽鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)またはこのリガンド結合部分、重鎖もしくは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、またはこれらの任意の部分などの、しかしこれらに限定されない、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含む任意のタンパク質またはペプチド含有分子を含む。
【0143】
I.プロスタグランジンEに結合する抗体
本発明は、高親和性、緩慢な解離速度および高中和能でPGEに結合するマウスモノクローナル抗体またはこの抗原結合部分を提供する。本発明は、PGEに結合するキメラ抗体も提供する。本発明は、PGEに結合するヒト化抗体またはこの抗原結合部分も提供する。好ましくは、抗体またはこの部分は単離された抗体である。好ましくは、本発明の抗体は、中和ヒト抗PGEおよび/またはヒト抗PGE抗体である。
【0144】
A.抗プロスタグランジンE抗体の作製方法
本発明の抗体および抗体断片は、例えば、ハイブリドーマ、微生物(例えば、ファージ、細菌、酵母)、組み換え体、リボソーム、mRNAおよびDNAディスプレイ、またはこれらの組合せなどの任意の当技術分野で公知の方法により作製し得る。多くの方法を使用して、抗体を操作して、当技術分野で周知のヒト化、親和性成熟、抗体アイソタイプ転換、生理化学的性質および薬物動態プロファイル改良などを含む抗体特性を改変することが可能である。
【0145】
1.ハイブリドーマ技術を使用する抗プロスタグランジンEモノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組み換え、ファージ、および酵母ディスプレイ技術またはこれらの組合せの使用など、本分野で公知の多様な技術を用いて調製することが可能である。例えば、モノクローナル抗体は、本分野において公知であり、例えば、Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988);Hammerling,et al.,in:Monoclonal Antibodies and T−CeIl Hybridomas 563−681(Elsevier,N.Y.,1981)に教示されているものなど、ハイブリドーマ技術を用いて作製することが可能である。本明細書において使用される「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術を通じて産生された抗体に限定されない。「モノクローナル抗体」という用語は、あらゆる真核、原核またはファージクローンなど、単一のクローンに由来する抗体を表し、それが産生される方法によらない。
【0146】
ハイブリドーマ技術を使用して特定の抗体を作製しスクリーニングするための方法は、当技術分野では常用であり周知である。一実施形態において、本発明はモノクローナル抗体の他にも、本発明の抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養することを含む方法により産生される抗体を作製する方法を提供し、好ましくは、ハイブリドーマは、本発明の抗原で免疫されたマウスから単離される脾細胞を骨髄腫細胞と融合させ、次に本発明のポリペプチドに結合することが可能である抗体を分泌するハイブリドーマクローンを求めて上記融合から生じるハイブリドーマをスクリーニングすることにより作製される(実施例1.2参照)。手短に言えば、マウスは、ハプテン担体タンパク質連結体として知られる担体タンパク質連結体PGEで免疫することが可能である。ここで、ハプテンはPGEであり、担体タンパク質は、ウシサイログロブリン、キーホールリンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、卵白アルブミンなどのいずれであっても可能である。好ましい実施形態において、PGE−サイログロブリン連結体は、免疫応答を刺激するアジュバンドと一緒に投与される。そのようなアジュバンドには、完全または不完全フロイントアジュバンド、RIBI(ムラミルジペプチド)またはISCOM(免疫賦活性複合体)が含まれる。そのようなアジュバンドは、ポリペプチチドを限局性沈着に隔離することにより急速な分散から保護してよい、または宿主を刺激してマクロファージおよび免疫系の他の成分に対して走化性である因子を分泌させる物質を含有していてもよい。好ましくは、ポリペプチドが投与中であれば、免疫スケジュールは、数週間にわたって広がっているポリペプチドの2回またはそれ以上の投与を伴う。
【0147】
PGE−サイログロブリン連結体での動物の免疫化後に、抗体および/または抗体産生細胞をその動物から得てもよい。抗PGE抗体含有血清は、上記動物を出血させるまたは屠殺することにより上記動物から入手される。血清は上記動物から入手されると同時に使用してもよく、免疫グロブリン画分を血清から得てもよく、または抗PGE抗体を上記血清から精製してもよい。このような形で得られる血清または免疫グロブリンはポリクローナルであり、したがって、不均一な配列の特性を有する。
【0148】
免疫応答が検出されると、例えば、抗原のPGEに特異的な抗体がマウス血清中で検出されると、マウス脾臓は回収され脾細胞は単離される。次に、脾細胞は周知の技術により任意の適切な骨髄腫細胞、例えば、ATCCから入手可能な細胞系統SP20由来の細胞に融合される。ハイブリドーマは限界希釈により選択されクローン化される。次に、ハイブリドーマクローンは、PGEに結合することが可能である抗体を分泌する細胞を求めて当技術分野では公知の方法によりアッセイされる。腹水液は、通常、高レベルの抗体を含有しているが、マウスを陽性ハイブリドーマクローンで免疫することにより作製することが可能である。
【0149】
別の実施形態において、抗体産生不死化ハイブリドーマは、免疫化動物から調製され得る。免疫化後、動物は屠殺され、脾臓B細胞は、当技術分野で周知の不死化骨髄腫細胞に融合される。例えば、Harlow and Lane、上記を参照されたい。好ましい実施形態において、骨髄腫細胞は免疫グロブリンポリペプチドを分泌しない(非分泌性細胞系統)。融合および抗生物質選択後、ハイブリドーマは、PGEまたはこの一部分、またはPGEを発現している細胞を使用してスクリーニングされる。好ましい実施形態において、最初のスクリーニングは、酵素連結免疫アッセイ(ELISA)またはラジオイムノアッセイ(RIA)、好ましくはELISAを使用して実施される。ELISAスクリーニングの例は、WO 00/37504に提供されている。
【0150】
抗PGE抗体産生ハイブリドーマは、以下にさらに記載されているように、選択され、クローニングされ、頑強なハイブリドーマ増殖、高い抗体産生および所望の抗体特性など、所望の特性についてさらにスクリーニングされる。ハイブリドーマは、培養され、同系の動物中で、免疫系を欠く動物(例えば、ヌードマウス)中で、インビボで、または細胞培養中で、インビトロで増殖され得る。ハイブリドーマを選択し、クローニングし、増殖させる方法は、当業者に周知である。
【0151】
好ましい実施形態において、上記に記載されたように、ハイブリドーマはマウスハイブリドーマである。別の好ましい実施形態において、ハイブリドーマは、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシまたはウマなど、非ヒト非マウス種の中で産生される。別の実施形態において、ハイブリドーマは、ヒト非分泌性骨髄腫が、抗PGE抗体を発現するヒト細胞と融合されているヒトハイブリドーマである。
【0152】
特定のエピトープを認識する抗体断片は、公知の技術により作製してよい。例えば、本発明のFabおよびF(ab’)2断片は、パパイン(Fab断片を作製するため)またはペプシン(F(ab’)2断片を作製するため)などの酵素を使用して、免疫グロブリン分子のタンパク質切断により作製してもよい。F(ab’)2断片は、可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCH1ドメインを含有している。
【0153】
2.SLAMを使用する抗プロスタグランジンEモノクローナル抗体
本発明の別の態様において、組み換え抗体は、米国特許第5,627,052号、PCT公開WO92/02551およびBabcock,J.S.et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843−7848に記載されているように、選択リンパ球抗体法(SLAM;selected lymphocyte antibody method)として本分野で呼ばれている手法を用いて、単一の単離されたリンパ球から作製される。本方法では、目的の抗体を分泌している単一細胞、例えば、セクション1に記載されている免疫化動物のいずれか1つ由来のリンパ球は、抗原PGE、PGEのサブユニットまたはこれらの断片がビオチンなどのリンカーを使用してヒツジ赤血球に連結され、これを使用してPGEに特異性を有する抗体を分泌する単一細胞を同定する抗原特異的溶血プラークアッセイを使用してスクリーニングされる。目的の抗体分泌細胞の同定に続いて、重鎖および軽鎖可変領域cDNAは、逆転写酵素−PCRにより細胞から救出され、次に、これらの可変領域は、COS、HEK293またはCHO細胞などの哺乳動物宿主細胞中で適切な免疫グロブリン定常領域(例えば、ヒト定常領域)との関連で発現されることが可能である。増幅された免疫グロブリン配列で形質移入され、インビボで選択されたリンパ球に由来する宿主細胞は、次いで、例えば、PGEに対する抗体を発現する細胞を単離するために、形質移入された細胞をパニングすることによって、インビトロで、さらに分析および選択を行うことが可能である。増幅された免疫グロブリン配列は、さらに、PCT公開WO97/29131およびPCT公開WO00/56772に記載されているものなど、インビトロでのアフィニティー成熟方法によるなど、インビトロで操作することが可能である。
【0154】
3.トランスジェニック動物を使用する抗プロスタグランジンEモノクローナル抗体
本発明の別の実施形態において、抗体は、PGE担体タンパク質連結体を有するヒト免疫グロブリン遺伝子座のいくつかまたはすべてを含む非ヒト動物を免疫することによって産生される。好ましい実施形態において、非ヒト動物は、XENOMOUSEトランスジェニックマウス(ヒト免疫グロブリン遺伝子座の巨大断片を含み、マウス抗体産生を欠失している改変されたマウス系統)である。例えば、Green et al.Nature Genetics 7:13−21(1994)ならびに米国特許第5,916,771号、第5,939,598号、第5,985,615号、第5,998,209号、第6,075,181号、第6,091,001号、第6,114,598号および第6,130,364号を参照されたい。1991年7月25日に公開されたWO91/10741、1994年2月3日に公開されたWO94/02602、ともに1996年10月31日に公開されたWO96/34096およびWO96/33735、1998年4月23日に公開されたWO98/16654、1998年6月11日に公開されたWO98/24893、1998年11月12日に公開されたWO98/50433、1999年9月10日に公開されたWO99/45031、1999年10月21日に公開されたWO99/53049、2000年2月24日に公開されたWO 00 09560および2000年6月29日に公開されたWO00/037504も参照されたい。XENOMOUSEトランスジェニックマウスは、完全なヒト抗体の成人様ヒトレパートリーを産生し、抗原特異的ヒトMabを生成する。XENOMOUSEトランスジェニックマウスは、ヒト重鎖遺伝子座およびx軽鎖遺伝子座のメガ塩基サイズの生殖系列配置YAC断片の導入を通じて、ヒト抗体レパートリーの約80%を含有する。Mendez et al.,Nature Genetics 15:146−156(1997)、Green and Jakobovits J.Exp.Med.188:483−495(1998)を参照されたい。
【0155】
4.組み換え抗体ライブラリーを使用する抗プロスタグランジンEモノクローナル抗体
本発明の抗体を作製するために、インビトロ法も使用することが可能であり、抗体ライブラリーは、所望の結合特異性を有する抗体を同定するためにスクリーニングされる。組み換え抗体ライブラリーのこのようなスクリーニングの方法は、本分野において周知であり、例えば、Ladner et al.米国特許第5,223,409号;Kang et al.PCT公開WO92/18619;Dower et al.PCT公開WO91/17271;Winter et al.PCT公開WO92/20791;Markland et al.PCT公開WO92/15679;Breitling et al.PCT公開WO93/01288;McCafferty et al.PCT公開WO92/01047;Garrard et al.PCT公開WO92/09690;Fuchs et al.(1991)Bio/Technology 9:1370−1372;Hay et al.(1992)Hum Antibod Hybridomas 3:81−85;Huse et al.(1989)Science 246:1275−1281;McCafferty et al.,Nature(1990)348:552−554;Griffiths et al.(1993)EMBO J 12:725−734;Hawkins et al.(1992)J Mol Biol 226:889−896;Clackson et al.(1991)Nature 352:624−628;Gram et al.(1992)PNAS 89:3576−3580;Garrad et al.(1991)Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboom et al.(1991)Nuc Acid Res 19:4133−4137;およびBarbas et al(1991)PNAS 88:7978−7982、米国特許出願公開第20030186374号およびPCT公開WO97/29131に記載されている方法が含まれる。
【0156】
組み換え抗体ライブラリーは、PGE−担体タンパク質連結体で免疫された対象由来でもよい。代わりに、組み換え抗体ライブラリーは、未処置対象、すなわち、PGE−担体タンパク質連結体で免疫されたことがないヒト対象由来のヒト抗体ライブラリーなどの、PGE−担体タンパク質連結体で免疫されたことがない対象由来でもよい。PGEを含む因子を用いて組み換え抗体ライブラリーをスクリーニングし、それによりPGEを認識する抗体を選択することにより、本発明の抗体は選択される。前段落の参考文献に記載されているなどの、そのようなスクリーニングおよび選択を行うための方法は当技術分野では周知である。特定の解離速度定数(koff)でPGEから解離する抗体などの、PGEに対して特定の結合親和性を有する本発明の抗体を選択するためには、表面プラズモン共鳴という当技術分野で公知の方法を使用して、目的の解離速度定数(koff)を有する抗体を選択することが可能である。特定のIC50を有する抗体などの、PGEに対して特定の中和活性を有する本発明の抗体を選択するためには、PGE活性の抑制を評価するための当技術分野で公知の標準法を使用してよい。
【0157】
例えば、本発明の抗体は、本分野で公知の様々なファージディスプレイ法を用いて作製することも可能である。ファージディスプレイ法では、機能的抗体ドメインは、これらをコードしているポリヌクレオチド配列を担持するファージ粒子の表面上にディスプレイされる。特に、このようなファージは、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインをディスプレイするために使用することが可能である。目的の抗原に結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原を用いて、例えば、標識された抗原または固体表面もしくはビーズに結合もしくは捕捉された抗原を用いて、選択または同定することが可能である。これらの方法で使用されるファージは、典型的には、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIタンパク質のいずれかに組み換え的に融合されたFab、Fvまたはジスルフィドで安定化されたFv抗体ドメインとともにファージから発現されたfdおよびM13結合ドメインを含む糸状ファージである。本発明の抗体を作製するために使用することが可能なファージディスプレイ法の例には、Brinkman et al.,J.Immunol.Methods182:41−50(1995);Ames et al.,J.Immunol.Methods 184:177−186(1995);Kettleborough et al.,Eur.J.Immunol.24:952−958(1994);Persic et al.,Gene 187 9−18(1997);Burton et al.,Advances in Immunology 57:191−280(1994);PCT出願PCT/GB91/01134;PCT公開WO90/02809;WO91/10737;WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;ならびに米国特許第5,698,426号;第5,223,409号;第5,403,484号;第5,580,717号;第5,427,908号;第5,750,753号;第5,821,047号;第5,571,698号;第5,427,908号;第5,516,637号;第5,780,225号;第5,658,727号;第5,733,743号および第5,969,108号に開示されているものが含まれる。
【0158】
上の参考文献に記載されているように、ファージ選択後、ヒト抗体または他の所望されるすべての抗原結合断片を含む完全な抗体を作製するために、ファージから得た抗体コード領域を単離および使用し、例えば、以下に詳述されているように、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌など、あらゆる所望の宿主中で発現させることが可能である。例えば、PCT公開WO92/22324;Mullinax et al.,BioTechniques 12(6):864−869(1992);およびSawai et al.,AJRI 34:26−34(1995);およびBetter et al.,Science 240:1041−1043(1988)に開示されている方法などの本分野で公知の方法を用いて、Fab、Fab’およびF(ab’)2断片を組み換え的に産生するための技術も使用することが可能である。一本鎖Fvおよび抗体を作製するために使用することが可能な技術の例には、米国特許第4,946,778号および第5,258,498号;Huston et al.,Methods in Enzymology 203:46−88(1991);Shu et al.,PNAS 90:7995−7999(1993);ならびにSkerra et al.,Science 240:1038−1040(1988)に記載されているものが含まれる。
【0159】
ファージディスプレイによる組み換え抗体ライブラリーのスクリーニングに代えて、巨大なコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングするための本分野で公知の他の方法を、本発明の二重特異性抗体の同定のために適用することが可能である。代替的発現系の1つの種類は、SzostakおよびRobertsによるPCT公開WO98/31700ならびにRoberts,R.W.and Szostak,J.W.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94,12297−12302に記載されているような、組み換え抗体ライブラリーがRNA−タンパク質融合物として発現されるものである。この系において、ピューロマイシン、ペプチジルアクセプター抗生物質をそれらの3’末端に担持する合成mRNAのインビトロ翻訳によって、mRNAおよびこれがコードするペプチドまたはタンパク質の間に共有結合的融合物が作製される。したがって、特異的なmRNAは、コードされているペプチドまたはタンパク質、例えば抗体またはその一部の特性(抗体またはその一部の、二重特異性抗原への結合など)に基づいて、mRNAの複雑な混合物(例えば、コンビナトリアルライブラリー)から濃縮することが可能である。このようなライブラリーのスクリーニングから回収された、抗体またはその一部をコードする核酸配列は、本明細書に記載されているような組み換え手段によって(例えば、哺乳動物宿主細胞中で)発現されることが可能であり、さらに、最初に選択された配列中に変異が導入されているmRNA−ペプチド融合物のスクリーニングのさらなるラウンドによって、または本明細書に記載されているように、組み換え抗体のインビトロでの親和性成熟のためのその他の方法によって、さらなる親和性成熟に供することが可能である。
【0160】
別のアプローチにおいて、本発明の抗体は、本分野で公知の酵母ディスプレイ法を用いて作製することも可能である。酵母ディスプレイ法では、抗体ドメインを酵母細胞壁に繋留し、これらを酵母の表面上にディスプレイするために、遺伝学的な方法が使用される。特に、このような酵母は、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインをディスプレイするために使用することが可能である。本発明の抗体を作製するために使用することが可能な酵母ディスプレイ法の例には、Wittrup,et al.米国特許第6,699,658号に開示されているものが含まれる。
【0161】
5.PROfusion mRNAディスプレイを使用する抗プロスタグランジンEモノクローナル抗体
PROfusion(商標)技術は、上記のmRNAディスプレイ技術のうちの1つである。PROfusion(商標)技術を使用すれば、様々な抗原に対して選択するため、それをコードするDNA配列と連結しているヒト抗体断片(VHまたはVLまたはscFv)をディスプレイすることが可能である。本発明の抗体を作製するために使用することが可能であるmRNAディスプレイ法の例は、Szostak、et al.米国特許第6,207,446号;米国特許第6,214,553号;およびGold、et al.米国特許第6,194,550号およびRoberts、R.W.and Szostak、J.W.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:12297−12302に開示されている方法を含む。このシステムでは、その3’末端にペプチジル受容体抗生物質であるピューロマイシンを担っている合成mRNAのインビトロ翻訳により、mRNAとそのmRNAがコードしているペプチドまたはタンパク質の間で共有結合融合体が作り出される。したがって、二重特異性抗原への抗体またはこの部分の結合などの、コードされているペプチドまたはタンパク質、例えば、抗体またはこの部分の特性に基づいて、mRNAの複合混合物(例えば、コンビナトリアルライブラリー)から特定のmRNAを濃縮することが可能である。そのようなライブラリーのスクリーニングから回収される、抗体またはこの部分をコードする核酸配列は、上記の組み換え手段により(例えば、哺乳動物宿主細胞において)発現させることができ、さらに、変異体が最初に選択された配列(複数可)に導入されているmRNA−ペプチド融合体のスクリーニングの追加のラウンドにより、または上記の組み換え抗体のインビトロ親和性成熟のための他の方法により、さらに親和性成熟に供することが可能である。
【0162】
6.抗プロスタグランジンEモノクローナル抗体の親和性成熟
エラープローンPCRまたは合成コンビナトリアルオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド定方向突然変異誘発を使用して、1つの最初の抗体のCDRおよび/またはフレームワークに点突然変異(複数可)を導入することにより変異誘発抗体ライブラリーが作製される、本発明の抗体の親和性成熟のためのインビトロ法も使用することが可能である。次に、変異誘発ライブラリーをスクリーニングして、改良された結合特異性を有する抗体を同定することが可能である。組み換え抗体ライブラリーのそのようなスクリーニングのための方法は、当技術分野では周知であり、例えば、Ladner et al.米国特許第5,223,409号;Kang et al.PCT公開番号WO 92/18619;Dower et al.PCT公開番号WO 91/17271;Winter et al.PCT公開番号WO 92/20791;Markland et al.PCT公開番号WO 92/15679;Breitling et al.PCT公開番号WO 93/01288;McCafferty et al.PCT公開番号WO 92/01047;Garrard et al.PCT公開番号WO 92/09690;Fuchs et al.(1991) Bio/Technology 9:1370−1372;Hay et al.(1992)Hum Antibod Hybridomas 3:81−85;Huse et al.(1989)Science 246:1275−1281;McCafferty et al.、Nature(1990)348:552−554;Griffiths et al.(1993)EMBO J 12:725−734;Hawkins et al.(1992)J Mol Biol 226:889−896;Clackson et al.(1991)Nature 352:624−628;Gram et al.(1992)PNAS 89:3576−3580;Garrad et al.(1991)Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboom et al.(1991)Nuc Acid Res 19:4133−4137;およびBarbas et al.(1991)PNAS 88:7978−7982;米国特許出願公開第20030186374号およびPCT公開番号WO 97/29131に記載されている方法を含む。
【0163】
前段落の参考文献に記載されているなどの、そのようなスクリーニングおよび選択を行うための方法は当技術分野では周知である。特定の解離速度定数(koff)でPGEから解離する抗体などの、PGEに対して特定の結合親和性を有する本発明の抗体を選択するために、表面プラズモン共鳴という当技術分野では公知の方法を使用して、目的の解離速度定数(koff)を有する抗体を選択することが可能である。特定のIC50を有する抗体などの、PGEに対する特定の中和活性を有する本発明の抗体を選択するために、PGE活性の抑制を評価するための当技術分野で公知の標準法を使用してよい。
【0164】
例えば、本発明の抗体は、当技術分野で公知の様々なディスプレイ法を使用して親和性成熟させることも可能である。ファージディスプレイ法では、機能的抗体ドメインが、これをコードするポリヌクレオチド配列を担うファージ粒子の表面上にディスプレイされる。特に、そのようなファージを利用して、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインをディスプレイすることが可能である。目的の抗原に結合する抗原結合ドメインを発現しているファージは、抗原を用いて、例えば、標識抗原または固体表面もしくはビーズに結合しているもしくは捕捉されている抗原を使用して、選択するまたは同定することが可能である。これらの方法で使用されるファージは、典型的には、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIタンパク質のいずれかに組み換え的に融合しているFab、Fvまたはジスルフィド安定化Fv抗体ドメインを有するファージから発現されるfdおよびM13結合ドメインを含む糸状ファージである。本発明の抗体を作製するために使用することが可能であるファージディスプレイ法の例は、Brinkman et al.、J.Immunol.Methods 182:41−50(1995);Ames et al.、J.Immunol.Methods 184:177−186(1995);Kettleborough et al.、Eur.J.Immunol.24:952−958(1994);Persic et al.、Gene 187 9−18(1997);Burton et al.、Advances in Immunology 57:191−280(1994);PCT出願番号PCT/GB91/01134;PCT Publication WO 90/02809;WO 91/10737;WO 92/01047;WO 92/18619;WO 93/11236;WO 95/15982;WO 95/20401;および米国特許第5,698,426号、米国特許第5,223,409号、米国特許第5,403,484号、米国特許第5,580,717号、米国特許第5,427,908号、米国特許第5,750,753号、米国特許第5,821,047号、米国特許第5,571,698号、米国特許第5,427,908号、米国特許第5,516,637号、米国特許第5,780,225号、米国特許第5,658,727号、米国特許第5,733,743号および米国特許第5,969,108号に開示されている方法を含む。
【0165】
上の参考文献に記載されているように、ファージ選択後、ファージ由来の抗体コード領域を単離して、これを使用して、ヒト抗体または他のどんな目的の抗原結合断片でも含む抗体全体を作製し、例えば、下に詳細に記載されている哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含むどんな目的の宿主においても発現させることが可能である。例えば、PCT公開WO 92/22324;Mullinax et al.、Bio Techniques 12(6):864−869(1992);およびSawai et al.、AJRI 34:26−34(1995);およびBetter et al.、Science 240:1041−1043(1988)に開示されている方法などの当技術分野で公知の方法を使用して、Fab、Fab’およびF(ab’)2断片を組み換え的に作製する技術も用いることが可能である。一本鎖Fvおよび抗体を作製するのに使用することが可能である技術の例は、米国特許第4,946,778号および米国特許第5,258,498号;Huston et al.、Methods in Enzymology 203:46−88頁(1991);Shu et al.、PNAS 90:7995−7999(1993);およびSkerra et al.、Science 240:1038−1040(1988)に記載されている技術を含む。
【0166】
ファージディスプレイによる組み換え抗体ライブラリーのスクリーニングに代えて、大型コンビナトリアルライブラリーをスクリーニングするための当技術分野で公知の他の方法を、本発明の二重特異性抗体の同定に適用することが可能である。代替的発現系の1つの種類は、PCT公開番号WO 98/31700 by Szostak and RobertsおよびRoberts、R.W.and Szostak、J.W.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:12297−12302に記載されているRNA−タンパク質融合体として組み換え抗体ライブラリーが発現される発現系である。この系では、その3’末端にペプチジル受容体抗生物質であるピューロマイシンを担っている合成mRNAのインビトロ翻訳により、mRNAとそのmRNAがコードしているペプチドまたはタンパク質の間で共有結合融合体が作製される。したがって、二重特異性抗原への抗体またはこの部分の結合などの、コードされているペプチドまたはタンパク質、例えば、抗体またはこの部分の特性に基づいて、mRNAの複合混合物(例えば、コンビナトリアルライブラリー)から特定のmRNAを濃縮することが可能である。そのようなライブラリーのスクリーニングから回収される、抗体またはこの部分をコードする核酸配列は、上記の組み換え手段により(例えば、哺乳動物宿主細胞において)発現することができ、さらに、変異体が最初に選択された配列(複数可)に導入されているmRNA−ペプチド融合体のスクリーニングの追加のラウンドにより、または上記の組み換え抗体のインビトロ親和性成熟のための他の方法により、さらに親和性成熟に供することが可能である。
【0167】
別のアプローチでは、本発明の抗体は、当技術分野で公知の酵母ディスプレイ法を使用して作製することが可能である。酵母ディスプレイ法では、遺伝学的手法を使用して、抗体ドメインを酵母細胞壁に繋ぎ止め、抗体ドメインを酵母の表面にディスプレイする。特に、そのような酵母を利用すれば、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインをディスプレイすることが可能である。本発明の抗体を作製するために使用することの可能である酵母ディスプレイ法の例は、Wittrup、et al.米国特許第6,699,658号に開示されている方法を含む。
【0168】
B.組み換えプロスタグランジンE抗体の作製
本発明の抗体は、本分野で公知の多数のいずれかによって作製され得る。例えば、宿主細胞からの発現において、重鎖および軽鎖をコードする発現ベクターは、標準的な技術によって、宿主細胞中に形質移入される。「形質移入」という用語の様々な形態は、原核または真核宿主細胞中への外来DNAの導入のために一般に使用される多様な技術、例えば、電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラン形質移入などを包含するものとする。原核または真核宿主細胞のいずれの中でも、本発明の抗体を発現することは可能であるが、真核細胞(特に、哺乳動物細胞)は、原核細胞に比べて、適切に折り畳まれ、免疫学的に活性な抗体を集合および分泌する傾向がより大きいので、真核細胞中での抗体の発現が好ましく、哺乳動物宿主細胞中での発現がもっとも好ましい。
【0169】
本発明の組み換え抗体を発現するための好ましい哺乳動物宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(Urlaub and Chasin,(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216−4220に記載されており、例えばR.A.Kaufman and P.A.Sharp(1982)Mol.Biol.159:601−621に記載されているようにDHFR選択可能マーカーとともに使用されるdhfr−CHO細胞を含む。)、NS0骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞が含まれる。抗体遺伝子をコードする組み換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞中に導入されると、宿主細胞中で抗体の発現を可能とするのに十分な期間にわたってまたは、より好ましくは、宿主細胞がその中で増殖されている培地中への抗体の分泌を可能とするのに十分な期間にわたって宿主細胞を培養することによって、抗体が産生される。抗体は、標準的なタンパク質精製方法を用いて、培地から回収することが可能である。
【0170】
宿主細胞を使用して、Fab断片またはscFv分子などの機能的抗体断片を産生することも可能である。上記手順の変形は本発明の範囲内であることは理解される。例えば、本発明の抗体の軽鎖および/または重鎖のいずれかの機能的断片をコードしているDNAを用いて宿主細胞をトランスフェクトすることは望ましい可能性がある。組み換えDNA技術を使用して、目的の抗原に結合するのに必要ではない軽鎖および重鎖のいずれかまたは両方をコードしているDNAの一部、または全部を取り除いてもよい。そのような切断されたDNA分子から発現される分子も本発明の抗体に包含されている。さらに、1つの重鎖および1つの軽鎖が本発明の抗体であり、もう1つの重鎖および軽鎖が目的の抗原以外の抗原に特異的である二機能性抗体を、標準化学的架橋法により本発明の抗体を第二の抗体に架橋することによって作製し得る。
【0171】
本発明の抗体またはこの抗原結合部分の組み換え発現用の好ましいシステムにおいて、リン酸カルシウムによって媒介された形質移入によって、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組み換え発現ベクターが、dhfr−CHO細胞中に導入される。組み換え発現ベクター内で、抗体重鎖および軽鎖遺伝子は、遺伝子の転写の高いレベルを誘導するために、各々、CMVエンハンサー/AdMPLプロモーター制御要素へ作用可能に連結されている。組み換え発現ベクターは、メトトレキサート選択/増幅を用いて、ベクターで形質移入されたCHO細胞の選択を可能とするDHFR遺伝子も担持する。選択された形質転換体宿主細胞は、抗体重鎖および軽鎖の発現を可能とするために培養され、完全な状態の抗体が培地から回収される。組み換え発現ベクターを調製し、宿主細胞を形質移入し、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培地から抗体を回収するために、標準的な分子生物学的技術が使用される。さらに、本発明は、本発明の組み換え抗体が合成されるまで、適切な培地中で、本発明の宿主細胞を培養することによって、本発明の組み換え抗体を合成する方法を提供する。本方法は、培地から組み換え抗体を単離することをさらに含むことが可能である。
【0172】
抗プロスタグランジンEキメラ抗体の作製
キメラ抗体は、マウスモノクローナル抗体由来の可変領域とヒト免疫グロブリン定常領域を有する抗体などの、抗体の異なる部分が異なる動物種由来である分子である。キメラ抗体を作製するための方法は当技術分野では公知であり、実施例2.1において詳細に考察されている。例えば、Morrison、Science 229:1202(1985);Oi et al.、Bio Techniques 4:214(1986);Gillies et al.、(1989)J.Immunol.Methods 125:191−202;米国特許第5,807,715号;米国特許第4,816,567号;および米国特許第4,816,397号を参照されたい。さらに、適切な抗原特異性のマウス抗体分子由来の遺伝子を適切な生物学的活性のヒト抗体分子由来の遺伝子とスプライスすることによる「キメラ抗体」の作製のために開発された技術(Morrison et al.、1984、Proc.Natl.Acad.Sci.81:851−855;Neuberger et al.1984、Nature 312:604−608;Takeda et al.、1985、Nature 314:452−454)を使用することが可能である。
【0173】
一実施形態において、本発明のキメラ抗体は、セクション1に記載されるマウスモノクローナル抗PGE抗体の重鎖定常領域をヒトIgG1定常領域で置き換えることにより作製される。特定の実施形態において、本発明のキメラ抗体は、配列番号60、62、64、66、68、70、72、74、76、78および80のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(V)と配列番号61、63、65、67、69、71、73、75、77、79および81の軽鎖可変領域(V)を含む。
【0174】
抗プロスタグランジンEヒト化抗体
ヒト化抗体は、非ヒト種由来の1つまたはそれ以上の相補性決定領域(CDR)とヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有し、目的の抗原に結合する非ヒト種抗体由来の抗体分子である。公知のヒトIg配列は、例えば、www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez−/query.fcgi;www.atcc.org/phage/hdb.html;www.sciquest.com/;www.abcam.com/;www.antibodyresource.com/onlinecomp.html;www.public.iastate.edu/.about.pedro/research_tools.html;www.mgen.uniheidelberg.de/SD/IT/IT.html;www.whfreeman.com/immunology/CH−05/kuby05.htm;www.library.thinkquest.org/12429/Immune/Antibody.html;www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab/;www.path.cam.ac.uk/.about.mrc7/mikeimages.html;www.antibodyresource.com/;mcb.harvard.edu/Bio Links/Immunology.html.www.immunologylink.com/;pathbox.wustl.edu/.about.hcenter/index.−html;www.biotech.ufl.edu/.about.hcl/;www.pebio.com/pa/340913/340913.html−;www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody/;www.m.ehime−u.acjp/.about.yasuhito−/Elisa.html;www.biodesign.com/table.asp;www.icnet.uk/axp/facs/davies/lin−ks.html;www.biotech.ufl.edu/.about.fccl/protocol.html;www.isac−net.org/sites_geo.html;aximtl.imt.uni−marburg.de/.about.rek/AEP−Start.html;baserv.uci.kun.nl/.about.jraats/linksl.html;www.recab.uni−hd.de/immuno.bme.nwu.edu/;www.mrc−cpe.cam.ac.uk/imt−doc/pu−blic/INTRO.html;www.ibt.unam.mx/vir/V_mice.html;imgt,cnusc.fr:8104/;www.biochem.ucl.ac.uk/.about.martin/abs/index.html;antibody.bath.ac.uk/;abgen.cvm.tamu.edu/lab/wwwabgen.html;www.unizh.ch/.about.honegger/AHOseminar/Slide01.html;www.cryst.bbk.ac.uk/.about.ubcg07s/;www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.htm;www.path.cam.ac.uk/.about.mrc7/humanisation/TAHHP.html;www.ibt.unam.mx/vir/structure/stat_aim.html;www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html;www.cryst.bioc.cam.ac.uk/.about.fmolina/Web−pages/Pept/spottech.html;www.jerini.de/fr roducts.htm;www.patents.ibm.com/ibm.html.Kabat et al.、Sequences of Proteins of Immunological Interest、U.S.Dept.Health(1983)に開示されている。そのような移入された配列を使用して、当技術分野で公知のように、免疫原性を減少させるまたは結合、親和性、結合速度、解離速度、結合活性、特異性、半減期、もしくは他の任意の適切な特徴を減少する、増強するもしくは改変することが可能である。
【0175】
ヒトフレームワーク領域におけるフレームワーク残基を、CDRドナー抗体由来の対応する残基で置き換えて、抗原結合を改変する、好ましくは改良してもよい。当技術分野では周知の方法により、例えば、抗原結合にとり重要なフレームワーク残基を同定するためのCDRとフレームワーク残基の相互作用のモデル化および特定の位置で異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較により、これらのフレームワーク置換体は同定される。(例えば、Queen et al.,米国特許第5,585,089号;Riechmann et al.、Nature 332:323(1988)参照)。三次元免疫グロブリンモデルは一般に利用可能であり、当業者には周知である。選択された候補免疫グロブリン配列の有望な三次元立体構造を模式化し表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらのディスプレイを調査すれば、候補免疫グロブリン配列の機能化に残基が果たす見込みのある役割の解析、すなわち、その抗原に結合する候補免疫グロブリンの能力に影響を与える残基の解析が可能になる。このような方法で、標的抗原(複数可)に対する増加した親和性などの目的の抗体特徴が得られるように、コンセンサスおよび移入配列からFR残基を選択し組み合わせることが可能である。一般に、CDR残基は抗原結合に影響を与えることに直接、もっとも実質的に関与している。Jones et al.、Nature 321:522(1986);Verhoeyen et al.、Science 239:1534(1988);Sims et al.、J.Immunol.151:2296(1993);Chothia and Lesk、J.Mol.Biol.196:901(1987);Carter et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992);Presta et al.、J.Immunol.151:2623(1993)、Padlan、Molecular Immunology 28(4/5):489−498(1991);Studnicka et al.、Protein Engineering 7(6):805−814(1994);Roguska.et al.、PNAS 91:969−973(1994);PCT公開WO 91/09967、PCT/:US98/16280、US96/18978、US91/09630、US91/05939、US94/01234、GB89/01334、GB91/01134、GB92/01755;WO90/14443、WO90/14424、WO90/14430、EP 229246、EP 592,106;EP 519,596、EP 239,400、米国特許第5,565,332号、第5,723,323号、第5,976,862号、第5,824,514号、第5,817,483号、第5814476号、第5763192号、第5723323号、第5,766,886号、第5,714,352号、第6,204,023号、第6,180,370号、第5,693,762号、第5,530,101号、第5,585,089号、第5,225,539号および第4,816,567号に記載されている技術などの、しかしこれらに限定されない、当技術分野で公知の様々な技術を使用して抗体をヒト化することが可能である。
【0176】
C.抗体および抗体産生細胞系統の作製
好ましくは、本発明の抗PGE抗体は、例えば、当技術分野で公知のいくつかのインビトロおよびインビボアッセイ法のいずれか1つにより評価されるように、PGE活性を減少するまたは中和する高能力を示す(例えば、実施例1.1.C参照)。例えば、これらの抗体は、EP4アッセイにおいてPGE誘導カルシウム流入を、少なくとも約10−6M、約10−7M、約10−8M、約10−9M、約10−10M、約10−11Mまたは約10−12Mの範囲のIC50値で中和する。
【0177】
好ましい実施形態において、単離された抗体またはこの抗原結合部分はPGEに結合し、抗体またはその抗原結合部分は、ラジオイムノアッセイにより決定されるように、約0.1s−1またはそれ以下の解離速度定数(koff)でPGEから解離するまたは約1×10−6Mまたはそれ以下のIC50でPGE活性を抑制する。代わりに、抗体またはこの抗原結合部分は、ラジオイムノアッセイにより決定されるように、約1×10−2−1またはそれ以下の解離速度定数(koff)でPGEから解離してもよく、または約1×10−7Mまたはそれ以下のIC50でPGE活性を抑制してもよい。代わりに、抗体またはこの抗原結合部分は、ラジオイムノアッセイにより決定されるように、約1×10−3−1またはそれ以下の解離速度定数(koff)でPGEから解離してもよく、または約1×10−8Mまたはそれ以下のIC50でPGE活性を抑制してもよい。代わりに、抗体またはこの抗原結合部分は、ラジオイムノアッセイにより決定されるように、約1×10−4−1またはそれ以下の解離速度定数(koff)でPGEから解離してもよく、または約1×10−9Mまたはそれ以下のIC50でPGE活性を抑制してもよい。代わりに、抗体またはこの抗原結合部分は、ラジオイムノアッセイにより決定されるように、約1×10−5−1またはそれ以下のkoff速度定数でPGEから解離してもよく、または約1×10−10Mまたはそれ以下のIC50でPGE活性を抑制してもよい。代わりに、抗体またはこの抗原結合部分は、ラジオイムノアッセイにより決定されるように、約1×10−6−1またはそれ以下のkoff速度定数でPGEから解離してもよく、または約1×10−11Mまたはそれ以下のIC50でPGE活性を抑制してもよい。
【0178】
本発明のモノクローナル抗体は、EP1、EP2、EP3およびEP4受容体のうちの少なくとも1つへのPGE結合を遮断する。細胞表面上でのFACSベース受容体結合アッセイもH標識PGE結合アッセイも、マウス型とヒト型抗PGEの両方が、その受容体へのPGE結合を効果的に遮断することが可能であることを実証している。PGEとヒト化抗PGE抗体Hu2B5.7のFab部分との複合体の結晶構造は、本発明により描かれている。
【0179】
ある種の実施形態において、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgMまたはIgD定常領域などの重鎖定常領域を含む。好ましくは、重鎖定常領域は、IgG1重鎖定常領域またはIgG4重鎖定常領域である。さらに、抗体は、κ軽鎖定常領域またはλ軽鎖定常領域のどちらかである、軽鎖定常領域を含むことが可能である。好ましくは、抗体はκ軽鎖定常領域を含む。代わりに、抗体部分は、例えば、Fab断片または一本鎖Fv断片であることが可能である。
【0180】
抗体エフェクター機能を改変するFc部分のアミノ酸残基の置換は当技術分野では公知である(Winter、et al.米国特許第5,648,260号;第5624821号)。抗体のFc部分は、いくつかの重要なエフェクター機能、例えば、サイトカイン誘導、ADCC、食作用、補体依存性細胞毒性(CDC)および抗体と抗原抗体複合体の半減期/排除速度を媒介する。いくつかの場合、これらのエフェクター機能は治療抗体には望ましいが、他の場合には治療対象に応じて不必要または有害にさえなることもある。ある種のヒトIgGアイソタイプ、特に、IgG1およびIgG3は、それぞれFcγRおよび補体C1qへの結合を介してADCCおよびCDCを媒介する。新生児Fc受容体(FcRn)は、抗体の循環半減期を決定する極めて重要な成分である。さらに別の実施形態において、少なくとも1つのアミノ酸残基が、抗体のエフェクター機能が改変されるように、抗体の定常領域、例えば、抗体のFc領域において置き換えられる。別の実施形態において、Fc部分のN−連結グリカンのシアリル化により、Fc断片の活性を大いに増強することが可能である(例えば、免疫グロブリン(IgG)の位置297のAsnに存在する複合二分岐グリカン上の最後から2番目のガラクトースへの2,6結合を用いて)(Anthony、RM(2008)Science 320:373−376)。
【0181】
一実施形態は、標識された結合タンパク質を提供し、ここで、本発明の抗体または抗体部分は、別の機能的分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)へ誘導体化され、または連結される。例えば、本発明の標識された結合タンパク質は、別の抗体(例えば、二特異的抗体またはダイアボティ)、検出可能作用物質、細胞毒性剤、薬剤および/または別の分子(例えば、ストレプトアビジンコア領域またはポリヒスチジンタグなど)との、抗体または抗体部分の会合を媒介可能なタンパク質もしくはペプチドなどの1つ以上の他の分子実体へ、(例えば、化学的カップリング、遺伝的融合、非共有会合またはその他によって)本発明の抗体または抗体部分を機能的に連結することによって誘導することが可能である。
【0182】
本発明の抗体または抗体部分を誘導体化し得る有用な検出可能作用物質には、蛍光化合物が含まれる。典型的な蛍光検出可能作用物質には、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート、ローダミン、5−ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリンなどが含まれる。抗体は、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどの検出可能な酵素でも誘導体化され得る。抗体が検出可能な酵素で誘導体化される場合には、検出可能な反応産物を生成させるために、本酵素が使用するさらなる試薬を添加することによって抗体が検出される。例えば、検出可能作用物質西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合には、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加は、検出可能な発色した反応産物をもたらす。抗体は、ビオチンを用いて誘導体化し、アビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的な測定を通じても検出され得る。
【0183】
本発明の別の実施形態は、結晶化された結合タンパク質を提供する。好ましくは、本発明は、本明細書に開示される抗PGE抗体全体およびこの断片の結晶、ならびにこのような結晶を含む製剤および組成物に関する。一実施形態において、結晶化された結合タンパク質は、結合タンパク質の可溶性対応物より大きなインビボ半減期を有する。別の実施形態において、結合タンパク質は、結晶化後の生物活性を保持する。
【0184】
本発明の結晶化された結合タンパク質は、本分野で公知の方法に従って、およびWO02072636に開示されているように産生され得る。
【0185】
本発明の別の実施形態は、抗体またはその抗原結合部分が1つ以上の炭水化物残基を含む、グリコシル化された結合タンパク質を提供する。新生インビボタンパク質産生は、翻訳後修飾として知られるさらなるプロセッシングを経ることがあり得る。特に、糖(グリコシル)残基は、酵素的に付加され得る(グリコシル化として知られる方法)。共有結合されたオリゴ糖側鎖を有する得られたタンパク質は、グリコシル化されたタンパク質または糖タンパク質として知られる。抗体は、Fcドメイン中、および可変ドメイン中に1つ以上の炭水化物残基を有する糖タンパク質である。Fcドメイン中の炭水化物残基は、抗体の抗原結合または半減期に対する効果を最小限に抑えながら、Fcドメインのエフェクター機能に対して重要な効果を有する(R.Jefferis,Biotechnol.Prog.21(2005),pp.11−16)。これに対して、可変ドメインのグリコシル化は、抗体の抗原結合活性に対して影響を及ぼし得る。可変ドメイン中のグリコシル化は、おそらくは、立体的な妨害のために、抗体結合親和性に対して負の影響を有し得(Co,M.S.,et al.,MoI.Immunol.(1993)30:1361−1367)または抗原に対する増加した親和性をもたらし得る(Wallick,S.C.,et al.,Exp.Med.(1988)168:1099−1109;Wright,A.,et al.,EMBO J.(1991)10:2717 2723)。
【0186】
本発明の一態様は、結合タンパク質のO結合型またはN結合型グリコシル化部位が変異されているグリコシル化部位変異体を作製することに関する。当業者は、標準的な周知の技術を用いて、このような変異体を作製することが可能である。生物学的活性を保持するが、増加または減少した結合活性を有するグリコシル化部位変異体が、本発明の別の目的である。
【0187】
さらに別の実施形態において、本発明の抗体または抗原結合部分のグリコシル化は修飾される。例えば、無グリコシル化抗体を作製することが可能である(すなわち、抗体は、グリコシル化を欠如する。)。グリコシル化は、例えば、抗原に対する抗体の親和性を増加させるために改変することが可能である。このような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内のグリコシル化の1つ以上の部位を変化させることによって達成することが可能である。例えば、それによって、当該部位のグリコシル化を除去するために、1つ以上の可変領域グリコシル化部位の除去をもたらす1つ以上のアミノ酸置換を施すことが可能である。このような無グリコシル化は、抗原に対する抗体の親和性を増加させ得る。このようなアプローチは、PCT公開WO2003016466A2ならびに米国特許第5,714,350号および第6,350,861号に、さらに詳しく記載されている。
【0188】
これに加えてまたはこれに代えて、フコシル残基の減少した量を有する低フコシル化抗体または増加した二分岐GlcNAc構造を有する抗体など、グリコシル化の変化した種類を有する本発明の修飾された抗体を作製することが可能である。このような変化されたグリコシル化パターンは、抗体のADCC能力を増加させることが示されている。このような炭水化物修飾は、例えば、変化したグリコシル化機構を有する宿主細胞中で抗体を発現させることによって達成することが可能である。変化したグリコシル化機構を有する細胞は本分野において記載されており、その中で、本発明の組み換え抗体を発現させることによって、変化したグリコシル化を有する抗体を産生するための宿主細胞として使用することができる。例えば、Shields,R.L.et al.(2002)J.Biol.Chem.277:26733−26740;Umana et al.(1999)Nat.Biotech.17:176−1および欧州特許EP1,176,195;PCT公開WO03/035835;WO99/5434280を参照されたい。
【0189】
タンパク質グリコシル化は、対象のタンパク質のアミノ酸配列およびその中でタンパク質が発現される宿主細胞に依存する。異なる生物は、異なるグリコシル化酵素(例えば、グリコシル転移酵素およびグリコシダーゼ)を産生し得、利用可能な異なる基質(ヌクレオチド糖)を有し得る。このような要因のために、タンパク質グリコシル化パターンおよびグリコシル残基の組成は、タンパク質がその中で発現されている宿主系に応じて異なり得る。本発明において有用なグリコシル残基には、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、n−アセチルグルコサミンおよびシアル酸が含まれ得るが、これらに限定されない。好ましくは、グリコシル化された結合タンパク質は、グリコシル化パターンがヒトであるように、グリコシル残基を含む。
【0190】
異なるタンパク質グリコシル化は異なるタンパク質特性をもたらし得ることが、当業者に公知である。例えば、酵母などの微生物宿主中で産生され、酵母内在経路を用いてグリコシル化された治療用タンパク質の効力は、CHO細胞株などの哺乳動物細胞中で発現された同じタンパク質の効力と比べて低下され得る。また、このような糖タンパク質は、ヒトにおいて免疫原性であり得、投与後に、減少したインビボ半減期を示し得る。ヒトおよび他の動物中の特異的な受容体は、特異的なグリコシル残基を認識し得、血流からのタンパク質の迅速な除去を促進し得る。他の有害な効果は、タンパク質の折り畳み、溶解度、プロテアーゼに対する感受性、運搬、輸送、区画化、分泌、他のタンパク質または因子による認識、抗原性またはアレルゲン性の変化が含まれ得る。したがって、当業者は、グリコシル化の特異的な組成およびパターン、例えば、ヒト細胞中または意図される対象動物の種特異的細胞中で産生されるものと同一または少なくとも類似のグリコシル化組成およびパターンを有する治療タンパク質を選択し得る。
【0191】
宿主細胞のものとは異なるグリコシル化されたタンパク質を発現することは、異種グリコシル化酵素を発現するために宿主細胞を遺伝的に修飾することによって達成され得る。本分野で公知の技術を使用して、当業者は、ヒトタンパク質グリコシル化を呈する抗体またはその抗原結合部分を作製し得る。例えば、酵母株中で産生されたグリコシル化されたタンパク質(すなわち、糖タンパク質)が、動物細胞、特にヒト細胞のものと同一のタンパク質グリコシル化を呈するように(米国特許出願第20040018590号および第20020137134号ならびにPCT公開WO2005100584A2)、酵母株は、天然に存在しないグリコシル化酵素を発現するように遺伝的に修飾されている。
【0192】
結合タンパク質に加えて、本発明は、本発明のこのような結合タンパク質に対して特異的な抗イディオタイプ(抗Id)抗体にも関する。抗Id抗体は、別の抗体の抗原結合領域と一般的に付随する固有の決定基を認識する抗体である。抗Idは、結合タンパク質またはそのCDR含有領域で動物を免疫化することによって調製することが可能である。免疫された動物は、免疫抗体のイディオタイプ決定基を認識し、これに応答し、抗Id抗体を産生する。抗Id抗体は、さらに別の動物における免疫応答を誘導して、いわゆる抗抗Id抗体を産生する「免疫原」として使用することも可能である。
【0193】
さらに、ライブラリーのメンバー宿主細胞がバリアントグリコシル化パターンを有する目的のタンパク質を産生するように、様々なグリコシル化酵素を発現するように遺伝学的に改変された宿主細胞のライブラリーを用いて、目的のタンパク質を発現させ得ることが、当業者によって理解されている。次いで、当業者は、特定の新規グリコシル化パターンを有する目的のタンパク質を選択および単離し得る。好ましくは、特に選択された新規グリコシル化パターンを有するタンパク質は、改善または改変された生物学的特性を示す。
【0194】
D.抗プロスタグランジンE抗体の使用
本発明のPGEは、抗PGE抗体またはこれらの部分に結合することができるので、本発明のPGEは、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)ラジオイムノアッセイ(RIA)または組織免疫組織化学など慣用のイムノアッセイを用いて、(例えば、血清または血漿などの生物学的試料中で)PGEを検出するために使用することが可能である。本発明は、生体試料を本発明の抗体または抗体部分に接触させ、PGEに結合している抗体(もしくは抗体部分)または未結合抗体(もしくは抗体部分)のどちらかを検出し、それによって生体試料中のPGEを検出することを含む、生体試料中のPGEを検出するための方法を提供する。抗体は、結合したまたは結合していない抗体の検出を促進するために、検出可能な物質で直接または間接的に標識される。適切な検出可能な物質には、様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質および放射性物質が含まれる。適切な酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが含まれる。適切な補欠分子族複合体の例には、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが含まれる。適切な蛍光物質の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが含まれる。発光物質の例には、ルミノールが含まれる;および適切な放射性材料の例には、H、1435S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoまたは153Smが含まれる。
【0195】
抗体を標識する代わりに、検出可能物質で標識されたPGE標準と非標識抗PGE抗体を利用する競合免疫アッセイにより体液中でPGEをアッセイすることが可能である。このアッセイにおいて、生体試料、標識PGE標準および抗PGE抗体を組み合わせて、非標識抗体に結合している標識PGE標準の量が決定される。生体試料中のPGEの量は、抗PGE抗体に結合している標識PGE標準の量に逆比例している。同様に、検出可能物質で標識されたPGE標準と非標識抗PGE抗体を利用する競合免疫アッセイにより体液中でPGEをアッセイすることも可能である。
【0196】
本発明の抗体および抗体部分は、好ましくは、インビトロでもインビボでもPGE活性を中和することが可能である。したがって、本発明のそのような抗体および抗体部分を使用すれば、例えば、PGEを含有する細胞培養物において、ヒト対象において、または本発明の抗体が交差反応するPGEを有する他の哺乳動物対象において、PGE活性を抑制することが可能である。一実施形態において、本発明は、PGE活性が抑制されるように、PGEを本発明の抗体または抗体部分に接触させることを含む、PGE活性を抑制するための方法を提供する。例えば、PGEを含有するまたは含有すると疑われる細胞培養物において、本発明の抗体または抗体部分を培地に添加して、培養物中のPGE活性を抑制することが可能である。
【0197】
別の実施形態において、本発明は、PGE活性が有害である疾患または障害に罹っている対象において、有利に対象からPGE活性を減少させるための方法を提供する。本発明は、対象におけるPGE活性を減少させるように、その方法が本発明の抗体または抗体部分を対象に投与することを含む、そのような疾患または障害に罹っている対象においてPGE活性を減少させるための方法を提供する。好ましくは、対象はヒト対象である。代わりに、対象は、本発明の抗体が結合することが可能であるPGEを発現している哺乳動物であることが可能である。さらに、対象は、(例えば、PGEの投与によりまたはPGE合成酵素導入遺伝子の発現により)PGEが導入されている哺乳動物であることも可能である。本発明の抗体は、治療目的でヒト対象に投与することが可能である。さらに、本発明の抗体は、獣医学的目的のためにまたはヒト疾患の動物モデルとして、抗体が結合することが可能であるPGEを発現している非ヒト哺乳動物に投与することが可能である。後者に関しては、そのような動物モデルは、本発明の抗体の治療効果を評価する(例えば、投与量の試験および投与の時間的経過)のに有用であり得る。
【0198】
本明細書において使用される「抗原活性が有害である疾患」という用語は、本疾患に罹患している対象中でのPGEの存在が、疾患の病態生理の原因であることがまたは疾患の悪化に寄与している因子であることが示されており、または疑われている疾病およびその他の疾患を含むものとする。したがって、PGE活性が有害である疾患は、PGE活性の低下が疾患の症候および/または進行を緩和することが予測される疾患である。このような疾患は、例えば、上記の抗PGE抗体を使用して検出できる、例えば、本疾患に罹患している患者の生物学的液体中のPGE濃度の増加(例えば、対象の血清、血漿、滑液中などのPGEの濃度の増加)によって明らかとされ得る。本発明の抗体で治療することが可能な疾患の非限定的な例には、本発明の抗体の医薬組成物に関する以下のセクションに論述されている疾患が含まれる。
【0199】
PGEは、関節リウマチに伴う病理学的応答を引き起こすのに中心的役割を有するとして意味づけられてきた。しかしながら、差次的免疫学経路の他のメディエータも、関節炎に関与しており、PGEに加えてこれらのメディエータを遮断すれば、追加の治療効果を提供し得る。したがって、本発明の結合タンパク質は、DVD−Ig(商標)が、PGEおよび腫瘍壊死因子α(TNF−α)などの炎症促進性サイトカインを含むがこれらに限定されない標的対に結合することが可能であるDVD−Ig(商標)タンパク質に組み込まれていてよい。PGEとTNF−αの両方を遮断すれば、TNF−αのDMARD効果とPGEを遮断することからの疼痛軽減を組み合わせる有益な効果がある可能性がある。好ましい実施形態において、本発明のDVD−Ig(商標)は標的のPGEとTNF−αに結合し、関節リウマチを治療するのに使用される。
【0200】
本発明の一態様において、PGEに結合することが可能である結合タンパク質を含むDVD−Ig(商標)結合タンパク質に関する。好ましくは、DVD−Ig(商標)結合タンパク質は、PGEと第二の標的に結合することが可能である。第二の標的は、TNF、EGF、EGFR、IGF1、IGF2、IGF1/2、IGFR、Erb2、Erb3、VEGF、VEGFR、Muc−1、CSF1(MCSF)、CSF2(GM−CSF)、CSF3(GCSF)、FGF2、IFNγ1、IFNγ1、IFNγ、ヒスタミンとヒスタミン受容体、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12α、IL−12β、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、KITLG、PDGFB、IL−2Rα、IL−4R、IL−5Rα、IL−8Rα、IL−8Rβ、IL−12Rβ,1、IL−12Rβ,2、IL−18R1、TSLP、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL7、CCL8、CCL13、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL22、CCL24、CX3CL1、CXCL1、CXCL2、CXCL3、XCL1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CX3CR1、GPR2、XCR1、FOS、GATA3、JAK1、JAK3、STAT6、TBX21、TGFB1、TNFSF6、YY1、CYSLTR1、FCER1A、FCER2、LTB4R、TB4R2、LTBRおよびキチナーゼからなる群から選択される。さらに好ましくは、DVD結合タンパク質は、PGEとTNFα、PGEとIL−6、PGEとIL−1β、PGEとIL−6R、PGEとCTLA−4、PGEとEGF;PGEとIGF−1/2、PGEとErb2、PGEとErb3、PGEとVEGFを識別することが可能である。もっとも好ましくは、DVD結合タンパク質は、PGEとTNFαに結合することが可能である。自己免疫疾患を治療するために好ましいDVD−Igは、抗PGE抗体およびTNFα、IL−1α、IL−1β、IL−6もしくはIL−6R、CTLA−4Ig、BAFF、TACI、RANKLもしくはDKK1またはSOCT、MMP13、もしくはMMP1もしくはMMP4からなる群から選択される標的を含有するDVD−Igを含むが、これらに限定されない。好ましくは癌治療のための標的対は、PGE+EGFまたはEGFR、PGE+IGF1またはIGF1R、PGE+IGF2またはIGF2R、PGE+IGF1/2、PGE+VEGFまたはVEGFR、PGE+Erb2、PGE+Erb3およびPGE+S1Pを含む。
【0201】
PGEは、関節リウマチまたは癌に伴う病理学的応答を引き起こすのに中心的役割を有するとして意味づけられてきた。しかしながら、差次的免疫学経路の他のメディエータも、関節炎または癌に関与しており、PGEに加えてこれらのメディエータを遮断すれば、追加の治療効果を提供し得る。現在様々なヒト疾患および障害の治療に使用されている薬物の一覧表は、インターネットのwww.drugs.comで入手可能である。この一覧表は、様々なヒト疾患の治療の最新技術を反映するため頻繁に更新されている。抗PGEは、特定の病状に対するその一覧表中の治療法のどれとでも組み合わせることが可能である。数例が下に提供されている。抗PGEは、関節リウマチおよび若年性関節リウマチの治療のための1つまたはそれ以上の因子と組み合わせることが可能である。これらの因子の例は、下に収載されている因子、例えば、疼痛および炎症を減少させる一方で異常な滑膜組織(関節の内側を覆う組織)の成長を減少させる薬物を含むが、これに限定されない。これらの薬物は、メトトレキサートおよび低用量のコルチコステロイド(例えば、プレドニゾンまたはコルチゾン)を含む。一部のヒトでは、これらの薬物は関節破壊も減少させる。関節リウマチを治療するために使用される他の薬物は、抗マラリア薬(例えば、ヒドロキシクロロキン)、金、スルファサラジン、ペニシラミン、シクロホスファミド、シクロスポリンおよびミノサイクリンを含む。さらに、2種類以上の薬物が処方されてもよい。特定の炎症性因子(サイトカイン)の効果を遮断するさらに新しい生物学的因子が現在では利用可能である。インフリキシマブ、エタネルセプトおよびアダリムマブはサイトカインのTNFαを遮断し、アバタセプトはT細胞共刺激を遮断し、リツキシマブはB細胞を枯渇させ、アナキンラはサイトカインのインターロイキン−1を遮断し、他の新しい生物学的因子はIL−6、IL−6R、IL−17、IL−18、IL−23、B7.1/B7.2を標的する。抗PGEは、強直性脊椎炎の治療のための1つまたはそれ以上の因子と組み合わせることが可能である。これらの因子の例は、コルチコステロイド、細胞毒性剤およびごく最近では抗TNFα剤を含むが、これらに限定されない。抗PGEは、多発性硬化症の治療のための1つまたはそれ以上の因子と組み合わせることが可能である。これらの因子の例は、アボネックス(Avonex)、アザサン(Azasan)、アザチオプリン、ベタセロン(Betaseron)、バブリプレッド(Bubbli−Pred)、コパクソン(Copaxone)、コトロン(Cotolone)、グラチラマー、イムラン、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b溶液、キープレッド(Key−Pred)、キープレッドSP(Key−Pred SP)、ミトキサントロン、ナタリズマブ、ノバントロン(Novantrone)、オラプレッド(Orapred)、オラプレッドODT(Orapred ODT)、ペディアプレッド(Pediapred)、プレッドジェクト−50(Pred−Ject−50)、プレダコート50(Predacort 50)、プレダロン50(Predalone 50)、プレデート50(Predate 50)、プレドニゾロン、プレロン(Prelone)、レビフ(Rebif)およびタイサブリを含むが、これらに限定されない。抗PGEは、疼痛の治療のためのwww.drugs.comに収載されている1つもしくはそれ以上の因子または治療手順と組み合わせることが可能である。抗PGEは、クローン病の治療のためのwww.drugs.comに収載されている1つもしくはそれ以上の因子または治療手順と組み合わせることが可能である。抗PGEは、様々なヒト癌および悪性腫瘍の治療のためのwww.drugs.comに収載されている1つもしくはそれ以上の因子または治療手順と組み合わせることが可能である。
【0202】
E.医薬組成物
本発明は、本発明の抗体またはこの抗原結合部分および医薬として許容される担体を含む医薬組成物も提供する。本発明の抗体を含む医薬組成物は、疾患を診断し、検出し、もしくはモニタリングし、疾患または1つもしくはそれ以上のその症候を予防し、治療し、管理し、もしくは軽減する上で、および/または研究において使用されるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の本発明の抗体を含む。別の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の本発明の抗体、およびPGE活性が有害である疾患を治療するための、本発明の抗体以外の1つ以上の予防または治療剤を含む。好ましくは、予防剤または治療剤は、疾患または1つもしくはそれ以上のその症候の予防、治療、管理または軽減に有用であることが知られており、または疾患または1つもしくはそれ以上のその症候の予防、治療、管理または軽減においてこれまで使用されており、もしくは現在使用されている。これらの実施形態に従えば、組成物は、担体、希釈剤または賦形剤をさらに含み得る。
【0203】
本発明の抗体または抗体部分は、対象に投与するのに適した医薬組成物中に取り込ませることが可能である。典型的には、医薬組成物は、本発明の抗体または抗体部分および医薬として許容される担体を含む。本明細書において使用される「医薬として許容される担体」には、生理的に適合性がある、あらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。医薬として許容される担体の例には、水、生理的食塩水、リン酸緩衝化された生理的食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどの1つ以上およびこれらの組合せが含まれる。多くの場合において、等張剤、例えば、糖、マニトール、ソルビトールなどの多価アルコールまたは塩化ナトリウムが組成物中に含まれることが好ましい。医薬として許容される担体は、抗体または抗体部分の保存期間または有効性を増強する、湿潤剤または乳化剤、防腐剤または緩衝剤などの補助物質の微量をさらに含み得る。
【0204】
様々な送達系が公知であり、例えば、リポソーム、微粒子、ミクロカプセル、抗体または抗体断片を発現することができる組み換え細胞、受容体によって媒介されるエンドサイトーシス(例えば、Wu and Wu,J.Biol.Chem.262:4429−4432(1987)参照)、レトロウイルスまたは他のベクターの一部としての核酸の構築物などに封入して、本発明の1つもしくはそれ以上の抗体または本発明の1つもしくはそれ以上の抗体および疾患または1つもしくはそれ以上のその症候を予防し、管理し、治療し、もしくは軽減するのに有用な予防剤または治療剤の組合せを投与するために使用することが可能である。本発明の予防剤または治療剤を投与する方法には、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内および皮下)、硬膜外投与、腫瘍内投与および粘膜投与(例えば、鼻内および経口経路)が含まれるが、これらに限定されない。さらに、例えば、吸入装置または噴霧器およびエアロゾル化剤を加えた製剤の使用によって、経肺投与を使用することが可能である。例えば、米国特許第6,019,968号;第5,985,320号;第5,985,309号;第5,934,272号;第5,874,064号;第5,855,913号;第5,290,540号;および第4,880,078号;ならびにPCT公開WO92/19244;WO97/32572;WO97/44013;WO98/31346;およびWO99/66903を参照されたい。一実施形態において、本発明の抗体、組合せ療法または本発明の組成物は、AlkermesAIR(登録商標)経肺薬物送達技術(Alkermes,Inc.,Cambridge,Mass.)を用いて投与される。特定の実施形態において、本発明の予防剤または治療剤は、筋肉内、静脈内、腫瘍内、経口、鼻内、経肺または皮下投与される。予防剤または治療剤は、あらゆる都合のよい経路によって、例えば、注入もしくはボーラス注射によって、上皮または粘膜皮下の裏打ち(例えば、口粘膜、直腸および腸粘膜など)を通じた吸収によって投与され得、生物学的に活性な他の作用物質と一緒に投与され得る。投与は、全身または局所であり得る。
【0205】
特定の実施形態において、治療を必要としている部位へ局所的に、本発明の予防剤または治療剤を投与することが望ましい場合があり得る。これは、例えば、局所的注入によって、注射によって、またはインプラントの手段によって達成され得るが、このようなインプラントは、シアラスチック(sialastic)膜、ポリマー、繊維性マトリックス(例えば、Tissuel(登録商標))またはコラーゲンマトリックスなどの、膜およびマトリックスを含む多孔性または非多孔性材料である。一実施形態において、本発明の1つ以上の抗体の有効量は、疾患またはその症候を予防し、治療し、管理し、および/または軽減するために、対象の罹患した部位へ局所的に投与される。別の実施形態において、本発明の1つ以上の抗体の有効量は、疾患または1つもしくはそれ以上のその症候を予防し、治療し、管理し、および/または軽減するために、本発明の抗体以外の1つ以上の治療薬(例えば、1つ以上の予防剤または治療剤)の有効量と組み合わせて、対象の罹患した部位へ局所的に投与される。
【0206】
別の実施形態において、本発明の予防剤または治療剤は、調節された放出系または徐放系に入れて送達することが可能である。一実施形態において、調節された放出または徐放を達成するためにポンプを使用し得る(Langer,上記;Sefton,1987,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:20;Buchwald et al,1980,Surgery 88:507;Saudek et al.,1989,N.Engl.J.Med.321:574参照)。別の実施形態において、本発明の治療薬の調節された放出または徐放を達成するために、ポリマー材料を使用することが可能である。(例えば、Medical Applications of Controlled Release,Langer and Wise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Fla.(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,Smolen and Ball(eds.),Wiley,New York(1984);Ranger and Peppas,1983,J.,Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61を参照されたい。Levy et al.,1985,Science 228:190;During et al.,1989,Ann.Neurol.25:351;Howard et al.,1989,J.Neurosurg.7 1:105);米国特許第5,679,377号;米国特許第5,916,597号;米国特許第5,912,015号;米国特許第5,989,463号;米国特許第5,128,326号;PCT公開WO99/15154;およびPCT公開WO99/20253も参照されたい。徐放製剤中で使用されるポリマーの例には、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン−コビニルアセタート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)およびポリオルトエステルが含まれるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施形態において、徐放製剤中で使用されるポリマーは、不活性であり、溶脱可能な不純物を含まず、保存時に安定であり、無菌であり、生物分解性である。さらに別の実施形態において、調節された放出系または徐放系は、予防剤または治療剤の近くに配置されて、全身投薬量の一部のみを必要とするようにすることができる(例えば、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release,supra,vol.2,pp.115−138(1984)参照)。
【0207】
徐放系は、Langer(1990,Science 249:1527−1533)による概説中に論述されている。本発明の1つ以上の治療剤を含む徐放製剤を作製するために、当業者に公知のあらゆる技術を使用することが可能である。例えば、米国特許第4,526,938号、PCT公開WO91/05548、PCT公開WO96/20698、Ning et al.,1996,“Intratumoral Radioimmunotheraphy of a Human Colon Cancer Xenograft Using a Sustained−Release Gel,”Radiotherapy&Oncology 39:179−189,Song et al.,1995,“Antibody Mediated Lung Targeting of Long−Circulating Emulsions,”PDA Journal of Pharmaceutical Science&Technology 50:372−397,Cleek et al.,1997,“Biodegradable Polymeric Carriers for a bFGF Antibody for Cardiovascular Application,”Pro.Lnt’l.Symp.Control.Rel.Bioact.Mater.24:853−854およびLam et al.,1997,“Microencapsulation of Recombinant Humanized Monoclonal Antibody for Local Delivery,”Proc.lnt’l.Symp.Control Rel.Bioact.Mater.24:759−760を参照されたい。
【0208】
本発明の組成物が予防剤または治療剤をコードする核酸である特定の実施形態において、適切な核酸発現ベクターの一部として、核酸を構築し、例えば、レトロウイルスベクター(米国特許第4,980,286号)の使用によって、または直接の注射によって、または微粒子照射(例えば、遺伝子銃;Biolistic,Dupon)の使用によって、核酸が細胞内となるように核酸を投与し、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくは形質移入剤でコーティングし、または核内に入ることが知られているホメオボックス様ペプチドに連結して核酸を投与することによって(例えば、Joliot et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1864−1868参照)、核酸がコードしている予防剤または治療剤の発現を促進するために、核酸をインビボで投与することが可能である。あるいは、相同的組み換えによる発現のために、核酸を細胞内に導入し、宿主細胞DNA内に取り込むことが可能である。
【0209】
本発明の医薬組成物は、その予定された投与経路と適合的であるように製剤化される。投与の経路の例には、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口、鼻内(例えば、吸入)、経皮(例えば、局所)、経粘膜および直腸投与が含まれるが、これらに限定されない。特異的な実施形態において、組成物は、ヒトへの静脈内、皮下、筋肉内、経口、鼻内または局所投与に適合された医薬組成物として、定型的な手法に従って製剤化される。典型的には、静脈内投与のための組成物は、無菌の等張水性緩衝液中の溶液である。必要な場合には、組成物は、可溶化剤および注射の部位における痛みを和らげるための局所麻酔剤(リグノカムンlignocamne)なども含み得る。
【0210】
本発明の組成物が局所的に投与されるべき場合には、組成物は、軟膏、クリーム、経皮パッチ、ローション、ゲル、シャンプー、スプレー、エアロゾル、溶液、エマルジョンの形態でまたは当業者に知られている他の形態で製剤化することが可能である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,19th ed.,Mack Pub.Co.,Easton,Pa.(1995)を参照されたい。噴霧不能な局所剤形の場合には、局所適用に適合性のある担体または1つもしくはそれ以上の賦形剤を含み、好ましくは水より大きな動粘性係数を有する粘性ないし半固体または固体の形態が典型的には使用される。適切な製剤は、所望であれば、滅菌され、または、例えば、浸透圧などの様々な特性に影響を及ぼすための補助剤(例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、緩衝剤または塩)と混合された、溶液、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏(ointment)、粉末、リニメント剤、軟膏(salve)など(これらに限定されない)を含む。他の適切な局所剤形には、好ましくは、固体または液体不活性担体と組み合わされた活性成分が、加圧された揮発性物質(例えば、フレオンなどの気体状噴射剤)との混合物中または搾り出し瓶中に梱包されている噴霧可能なエアロゾル調製物が含まれる。所望であれば、医薬組成物および剤形に、加湿剤または湿潤剤も添加することが可能である。このような追加の成分の例は、本分野において周知である。
【0211】
本発明の方法が組成物の鼻内投与を含む場合には、組成物は、エアロゾル形態、スプレー、ミスト中に、または点鼻薬の形態で製剤化することが可能である。特に、本発明に従って使用するための予防剤または治療剤は、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適切な気体)を用いて、加圧されたパックまたは噴霧器からエアロゾルスプレー提示の形態で都合よく送達することが可能である。加圧されたエアロゾルの場合には、投薬単位は、定量された量を送達するためのバルブを付与することによって決定され得る。化合物とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含有する、吸入装置またはガス注入装置で使用するためのカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンから構成される。)を製剤化し得る。
【0212】
本発明の方法が経口投与を含む場合、錠剤、カプセル、カシェ剤、ゲルキャップ、溶液、懸濁液などの形態で、組成物を製剤化することが可能である。錠剤またはカプセルは、従来の手段によって、結合剤(例えば、予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、イモデンプンまたはグリコール酸デンプンナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの、医薬として許容される賦形剤とともに調製することが可能である。錠剤は、本分野において周知な方法によって被覆され得る。経口投与用の液体調製物は、溶液、シロップもしくは懸濁液の形態(これらに限定されない。)を採り得、または、使用前に、水もしくは他の適切なビヒクルを用いて構成するための乾燥製品として与えられ得る。このような液体調製物は、慣用の手段によって、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または硬化食用脂肪);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油状エステル、エチルアルコールまたは分画された植物油);および防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸)などの医薬として許容される添加物とともに調製され得る。調製物は、適宜、緩衝液塩、着香剤、着色剤および甘味剤も含有し得る。経口投与用調製物は、予防剤または治療剤の遅い放出、調節された放出または徐放のために、適切に製剤化され得る。
【0213】
本発明の方法は、例えば、吸入装置または噴霧器の使用、エアロゾル化剤とともに製剤化された組成物の使用によって、経肺投与を含み得る。例えば、米国特許第6,019,968号;第5,985,320号;第5,985,309号;第5,934,272号;第5,874,064号;第5,855,913号;第5,290,540号;および第4,880,078号;ならびにPCT公開WO92/19244;WO97/32572;WO97/44013;WO98/31346;およびWO99/66903を参照されたい。特定の実施形態において、本発明の抗体、組合せ療法および/または本発明の組成物は、AlkermesAIR(登録商標)経肺薬物送達技術(Alkermes,Inc.Cambridge,Mas.)を用いて投与される。
【0214】
本発明の方法は、注射による(例えば、ボーラス注射または連続的注入による)非経口投与のために製剤化された組成物の投与を含み得る。注射用製剤は、添加された防腐剤とともに、単位剤形で(例えば、アンプルまたは複数投薬容器に入れて)与え得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態を採り得、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの処方剤を含有し得る。あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば、発熱物質を含まない無菌水)で構成するための粉末形態であり得る。
【0215】
本発明の方法は、さらに、デポ調製物として製剤化された組成物の投与を含み得る。このような長期作用製剤は、(例えば、皮下または筋肉内への)植え込みによって、または筋肉内注射によって投与され得る。したがって、例えば、組成物は、適切なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂とともに、または難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)調合され得る。
【0216】
本発明の方法は、中性または塩形態として製剤化された組成物の投与を包含する。医薬として許容される塩には、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するものなどの陰イオンとともに形成された塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものなど、陽イオンとともに形成された塩が含まれる。
【0217】
一般的には、組成物の成分は、別個に、または単位剤形中に(例えば、活性剤の量を示した注射器またはにおい袋など、密閉された容器中の凍結乾燥された乾燥粉末または無水濃縮物として)一緒に混合されて供給される。投与の様式が注入である場合には、組成物は、医薬等級の無菌水または生理的食塩水を含有する注入瓶を用いて分配することが可能である。投与の様式が注射による場合には、注射用の無菌水または生理的食塩水の注射器は、投与前に成分が混合され得るように提供することが可能である。
【0218】
特に、本発明は、本発明の予防剤もしくは治療剤の1つもしくはそれ以上または本発明の医薬組成物が、薬剤の量を示した注射器またはにおい袋など、密閉された容器中に梱包されることも提供する。一実施形態において、本発明の予防剤もしくは治療剤の1つもしくはそれ以上または医薬組成物は、密閉された容器中の凍結乾燥された乾燥無菌粉末または無水濃縮物として供給され、対象に投与するための適切な濃度になるように(例えば、水または生理的食塩水で)再構成することができる。好ましくは、本発明の予防剤もしくは治療剤の1つもしくはそれ以上または医薬組成物は、少なくとも5mg、より好ましくは少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mgまたは少なくとも100mgの単位投薬量で、密封された容器中の凍結乾燥された乾燥無菌粉末として供給される。本発明の凍結乾燥された予防もしくは治療剤または医薬組成物は、その元の容器中で、2℃と8℃の間で保存されるべきであり、本発明の予防剤もしくは治療剤または医薬組成物は、再構成後、1週以内、好ましくは5日以内、72時間以内、48時間以内に、24時間以内に、12時間以内に、6時間以内に、5時間以内に、3時間以内に、または1時間以内に投与されるべきである。別の実施形態において、本発明の予防剤もしくは治療剤の1つもしくはそれ以上または本発明の医薬組成物は、薬剤の量および濃度を示す密閉された容器中に、液体形態で供給される。好ましくは、投与された組成物の液体形態は、少なくとも0.25mg/ml、より好ましくは少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/kg、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/mlまたは少なくとも100mg/mlで、密封された容器中に供給される。液体形態は、その元の容器中で、2℃と8℃の間で保存されるべきである。
【0219】
本発明の抗体または抗体部分は、非経口投与に適した医薬組成物中に取り込ませることが可能である。好ましくは、抗体または抗体部分は、0.1−250mg/mLの抗体を含有する注射可能溶液として調製される。注射可能溶液は、フリント容器または琥珀色の容器、注射器または予め充填されたシリンジ中の液体または凍結乾燥された剤形から構成され得る。緩衝液は、pH5.0から7.0(最適にはpH6.0)のL−ヒスチジン(1−50mM)、最適には5−10mMであり得る。他の適切な緩衝液には、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムが含まれるが、これらに限定されない。0−300mMの濃度に(最適には、液体剤形に対して150mM)の溶液の毒性を修飾するために、塩化ナトリウムを使用することが可能である。凍結乾燥された剤形に対して、凍結保護剤、主に、0−10%のスクロース(最適には、0.5−1.0%)を含めることが可能である。他の適切な凍結保護剤には、トレハロースおよびラクトースが含まれる。凍結乾燥された剤形に対して、充填剤、主に、1−10%のマニトール(最適には、2−4%)を含めることが可能である。液体および凍結乾燥された両剤形において、安定化剤、主に1−50mMのL−メチオニン(最適には、5−10mM)を使用することが可能である。他の適切な充填剤には、グリシン、アルギニンが含まれ、0−0.05%のポリソルベート−80(最適には、0.005−0.01%)として含めることが可能である。さらなる界面活性剤には、ポリソルベート20およびBRIJ界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。非経口投与用の注射可能な溶液として調製された本発明の抗体または抗体部分を含む医薬組成物は、治療用タンパク質(例えば、抗体)の吸収または分散を増加させるために使用されるものなど、アジュバントとして有用な作用物質をさらに含むことが可能である。特に有用なアジュバントは、Hylenex(登録商標)(組み換えヒトヒアルロニダーゼ)などのヒアルロニダーゼである。注射可能な溶液中へのヒアルロニダーゼの添加は、非経口投与、特に皮下投与後に、ヒト生物学的利用可能性を改善する。痛みおよび不快感がより小さく、注射部位反応の発生を最小限に抑えながら、より大きな注射部位容量(すなわち、1mLより大きい)も可能である(WO2004078140およびUS2006104968を参照)。
【0220】
本発明の組成物は、様々な形態であり得る。これらには、例えば、液体溶液(例えば、注射可能な溶液および注入可能な溶液)など、分散液または懸濁液、錠剤、丸薬、粉末、リポソームおよび坐薬などの、液体、半固体および固体剤形が含まれる。好ましい形態は、予定される投与の様式および治療用途に依存する。典型的な好ましい組成物は、他の抗体を用いたヒトの受動免疫に対して使用される組成物と同様の組成物など、注射可能溶液または注入可能溶液の形態である。投与の好ましい様式は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。好ましい実施形態において、抗体は、静脈内注入または注射によって投与される。別の好ましい実施形態において、抗体は、筋肉内注入または皮下注射によって投与される。
【0221】
治療組成物は、典型的には、製造および保存の条件下で、無菌および安定でなければならない。組成物は、溶液、ミクロエマルジョン、分散液、リポソームまたは高薬物濃度に適したその他の秩序化された構造として製剤化することが可能である。無菌注射可能溶液は、本明細書に列記されている成分の1つまたは組合せを加えた適切な溶媒中に、必要な量で活性な化合物(すなわち、抗体、抗体部分)を取り込ませた後、必要に応じて、濾過滅菌を行うことによって調製することが可能である。一般的に、分散液は、塩基性分散溶媒および上記に列記されたものから得られる必要なその他の成分を含有する無菌ビヒクル中に活性化合物を取り込ませることによって調製される。無菌注射可能溶液の調製のための凍結乾燥された無菌粉末の場合には、好ましい調製の方法は、予め滅菌濾過されたその溶液から、あらゆる追加の所望される成分を加えた活性成分の粉末を与える真空乾燥および粉末乾燥である。溶液の適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料を使用することによって、分散液の場合に必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持することができる。注射可能組成物の延長された吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを組成物中に含めることによって実現することができる。
【0222】
本発明の抗体または抗体部分は、本分野で公知の様々な方法によって投与することが可能であるが、多くの治療用途において、好ましい投与経路/様式は皮下注射、静脈内注射または注入である。当業者によって理解されるように、投与の経路および/または様式は、所望される結果に応じて変動する。ある種の実施形態において、活性化合物は、インプラント、経皮パッチおよび微小封入された送達系を含む徐放製剤など、迅速な放出に対して化合物を保護する担体とともに調製され得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸など、生物分解可能な生物適合性ポリマーを使用することが可能である。このような製剤の多くの調製方法は、特許が付与されているまたは一般的に当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978を参照されたい。
【0223】
ある種の実施形態において、本発明の抗体または抗体部分は、例えば、不活性希釈剤または同化可能な食用担体とともに経口投与され得る。また、化合物(および、所望であれば、その他の成分)は、硬いもしくは軟い殻のゼラチンカプセル中に封入され、錠剤へと圧縮され、または患者の食事中に直接取り込ませ得る。経口治療投与の場合、化合物は、賦形剤とともに取り込まれ、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェハースなどの形態で使用され得る。非経口投与以外によって本発明の化合物を投与するために、その不活化を妨げるための物質で化合物を被覆し、またはその不活化を妨げるための物質とともに化合物を同時投与することが必要であり得る。
【0224】
補助的活性化合物も、組成物中に取り込ませることが可能である。ある種の実施形態において、本発明の抗体または抗体部分は、PGE活性が有害である疾患を治療するのに有用である、1つ以上のさらなる治療剤とともに共製剤化され、および/または同時投与される。例えば、本発明の抗PGE抗体または抗体部分は、他の錠剤に結合する1つ以上のさらなる抗体(例えば、他のサイトカインに結合する抗体または細胞表面分子に結合する抗体)とともに共製剤化され、および/または同時投与され得る。さらに、本発明の1つ以上の抗体は、先述の治療剤の2つまたはそれ以上と組み合わせて使用され得る。このような組合せ療法は、投与される治療剤のより低い投薬量を有利に使用し得るので、様々な単独療法に伴って生じ得る毒性または合併症が回避される。
【0225】
ある種の実施形態において、PGEへの抗体またはこの断片は、本分野で公知の半減期延長ビヒクルに連結される。このようなビヒクルには、Fcドメイン、ポリエチレングリコールおよびデキストランが含まれるが、これらに限定されない。このようなビヒクルは、例えば、米国出願第09/428,082号および公開されたPCT出願WO99/25044に記載されている。
【0226】
特定の実施形態において、本発明の抗体または本発明の別の予防剤もしくは治療剤をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列は、遺伝子治療によって、疾患または1つもしくはそれ以上のその症候を治療し、予防し、管理し、または軽減するために投与される。遺伝子治療は、発現された核酸または発現可能な核酸の、対象への投与によって実行される治療を表す。本発明の本実施形態において、核酸は、予防的効果または治療的効果を媒介する、本発明のコードされたそれらの抗体または予防剤もしくは治療剤を産生する。
【0227】
本発明に従って、本分野で利用可能な遺伝子治療のためのあらゆる方法を使用することが可能である。遺伝子治療の方法の一般的な概説については、Goldspiel et al.,1993,Clinical Pharmacy 12:488−505;Wu and Wu,1991,Biotherapy 3:87−95;Tolstoshev,1993,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573−596;Mulligan,Science 260:926−932(1993);およびMorgan and Anderson,1993,Ann.Rev.Biochem.62:191−217;May,1993,TIBTECH 11(5):155−215を参照されたい。使用可能な組み換えDNA技術の分野で一般的に知られた方法は、Ausubel et al.(eds.),Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,NY(1993);およびKriegler,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,Stockton Press,NY(1990)に記載されている。遺伝子治療の様々な方法の詳細な記述は、US20050042664A1に開示されている。
【0228】
別の態様において、本出願は、対象においてPGE関連障害を治療する(例えば、治癒する、抑制する、寛解する、上記障害の発病を遅延させるもしくは予防するもしくは上記障害の再発を予防する)または上記障害を予防する方法を特色とする。上記方法は、PGE結合剤(特に、アンタゴニスト)、例えば、本明細書に記載されている抗PGE抗体またはこの断片を、PGE関連障害を治療するまたは予防するのに十分な量、対象に投与することを含む。PGEアンタゴニスト、例えば、抗PGE抗体またはこの断片は、単独でまたは本明細書に記載される他の治療モダリティと組み合わせて対象に投与することが可能である。
【0229】
本発明は、その方法がPGEに特異的な抗体の有効量を対象に投与することを含む、その障害が過剰なPGE生合成により特徴づけられる対象における炎症性障害および免疫障害を治療するための方法を提供する。本発明に従った方法により治療し得る障害は、過剰なPGE合成が関係している自己免疫障害および炎症性障害および腫瘍を含む。そのような障害は、(a)関節リウマチおよびアレルギー性関節炎;(b)ギランバレー症候群、感染性単核球症、他のウイルス性リンパ節症およびヘルペスウイルスによる感染症などのウイルスにより誘発されるある種の疾患;(c)多発性硬化症および他の脱髄疾患;(d)溶血性貧血および血小板減少症などの血液障害;(e)糖尿病、アジソン病、特発性副甲状腺機能低下症および慢性リンパ性甲状腺炎などの内分泌学的障害;(f)全身性エリテマトーデスなどのコラーゲン障害;ならびに(g)無月経、不妊症、反復流産および子癇などの生殖障害;ならびに(h)頭頸部腫瘍、肺癌、胃癌、前立腺癌、膵癌等などの腫瘍;ならびに(i)皮膚および胃腸器官の炎症性および/または自己免疫状態(例えば、潰瘍性大腸炎および/またはクローン病などの炎症性腸疾患(IBD));ならびに(j)変形性関節炎および他の障害に伴う疼痛;ならびに(k)加齢性黄斑変性症(AMD)などの視覚障害を含む。したがって、本開示は、本明細書に記載される治療のためのPGE結合剤(例えば、本明細書に記載される抗PGE抗体またはこの断片)の使用および本明細書に記載される治療のための薬物を調製するためのPGE結合剤(例えば、本明細書に記載される抗PGE抗体またはこの断片)の使用を含む。
【0230】
PGE関連障害の例には、関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、若年性慢性関節炎、化膿性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性紅斑性狼瘡、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インシュリン依存性糖尿病、甲状腺炎、喘息、アレルギー性疾患、乾癬、皮膚炎、強皮症、アトピー性皮膚炎、移植片対宿主病、臓器移植拒絶、臓器移植に関連する急性または慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、バセドウ病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーライン紫斑症、腎臓の顕微鏡的血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症性ショック、毒素性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染性疾患、寄生性疾患、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、孤発性の、多内分泌腺機能低下症候群I型および多内分泌腺機能低下症候群II型、シュミット症候群、成人(急性)呼吸促迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清反応陰性関節炎、関節炎、ライター病、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸性関節炎、腸疾患性滑膜炎、クラミジア、エルシニアおよびサルモネラ関連関節炎、脊椎関節症、アテローム性疾患/アテローム性動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱性疾患、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫性溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/ロイヤルフリー病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、巨細胞性動脈炎、原発性硬化性肝炎、突発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群、後天性免疫不全関連疾患、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型原発性低γグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊症、卵巣機能不全、早期卵巣機能不全、繊維性肺疾患、突発性間質性肺炎、炎症後間質性肺疾患、間質性肺炎、結合組織疾患関連間質性肺疾患、混合性結合組織疾患関連肺疾患、全身性硬化症関連間質性肺疾患、関節リウマチ関連間質性肺疾患、全身性紅斑性狼瘡関連肺疾患、皮膚筋炎/多発性筋炎関連肺疾患、シェーグレン病関連肺疾患、強直性脊椎炎関連肺疾患、血管炎性びまん性肺疾患(vasculitic diffuse lung disease)、ヘモシデローシス関連肺疾患、薬物によって誘導された間質性肺疾患、繊維症、放射性繊維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間質性肺疾患、通風関節炎、自己免疫性肝炎、1型自己免疫性肝炎(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎)、自己免疫媒介性低血糖症、黒色表皮腫を伴うB型インシュリン抵抗性、副甲状腺機能低下症、臓器移植に関連する急性免疫疾患、臓器移植に関連する慢性免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、1型乾癬、2型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、腎臓病NOS、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的血管炎、ライム病、円板状紅斑性狼瘡、男性不妊症特発性またはNOS、精子自己免疫、多発性硬化症(すべてのサブタイプ)、交感性眼炎、結合組織疾患に続発する肺高血圧症、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スチル病、全身性硬化症、シェーグレン症候群、高安病/動脈炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺機能亢進症、甲状腺腫自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫(primary myxoedema)、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘発性肝障害、胆汁うっ滞(choleosatatis)、特異体質性肝疾患、薬物誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アレルギーおよび喘息、B群連鎖球菌(GBS)感染、精神障害(例えば、うつ病および統合失調症)、Th2型およびTh1型によって媒介される疾病、急性および慢性疼痛(疼痛の様々な形態)、ならびに、肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、大腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および腎臓癌および造血性悪性病変(白血病およびリンパ腫)などの癌、無βリポタンパク質血症、先端チアノーゼ、急性および慢性寄生性または感染性プロセス、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性または慢性細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌、心房(aerial)異所性拍動、AIDS認知症複合、アルコール誘発性肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植拒絶、α−1−アンチトリプシン欠乏症、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗cd3治療、抗リン脂質症候群、抗受容体過敏症反応(anti−receptor hypersensitivity reactions)、大動脈(aordic)および動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、動脈硬化症、動静脈痩、運動失調、心房細動(持続的または発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心不整脈、心機能不全症候群(cardiac stun syndrome)、心臓腫瘍、心筋症、心肺バイパス炎症反応、軟骨移植拒絶、小脳皮質変性、小脳疾患、無秩序なまたは多巣性心房頻脈、化学療法関連疾患、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性アルコール症、慢性炎症性病変、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性サリチル酸中毒、結腸直腸癌、うっ血性心不全、結膜炎、接触性皮膚炎、肺性心、冠動脈疾患、クロイツフェルト−ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性繊維症、サイトカイン療法関連疾患、ボクサー脳、脱髄性疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚科学的症状、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病性動脈硬化疾患、瀰漫性レビー小体病、拡張型うっ血性心筋症、大脳基底核の疾患、中年のダウン症候群、中枢神経ドーパミン受容体を遮断する薬物によって誘発された薬物誘発性運動疾患、薬物感受性、湿疹、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌疾患、喉頭蓋炎、エプスタイン−バーウイルス感染、紅痛症、垂体外路および小脳疾患、家族性血球貪食性リンパ組織球症(familial hematophagocytic lymphohistiocytosis)、致死的胸腺移植組織拒絶、フリードライヒ失調症、機能的末梢動脈疾患、真菌性敗血症、ガス壊疸、胃潰瘍、糸球体腎炎、いずれかの臓器または組織の移植片拒絶、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、細胞内生物に起因する肉芽腫、有毛細胞白血病、ハラーホルデン・スパッツ病、橋本甲状腺炎、枯草熱、心臓移植拒絶、血色素症、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓溶解血小板減少紫斑病、出血、肝炎(A型)、ヒス束不整脈、HIV感染/HIV神経障害、ホジキン病、運動過剰疾患、過敏症反応、過敏性肺炎、高血圧、運動低下疾患、視床下部−下垂体−副腎皮質系評価、特発性アジソン病、特発性肺繊維症、抗体媒介性細胞毒性、無力症、乳児脊髄性筋萎縮症、大動脈の炎症、A型インフルエンザ、電離放射線曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血再灌流障害、虚血性発作、若年性関節リウマチ、若年性脊髄性筋萎縮症、カポジ肉腫、腎移植拒絶、レジオネラ、リーシュマニア症、ハンセン病、皮質脊髄系の病変、脂肪血症(lipedema)、肝臓移植拒絶、リンパ浮腫(lymphederma)、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性黒色腫、髄膜炎、髄膜炎菌血症(meningococcemia)、代謝性/特発性、偏頭痛、ミトコンドリア多系疾患(mitochondrial multi.system disorder)、混合性結合組織病、モノクローナル高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、多系統変性(メンセル・デジェリーヌ−トーマス・シャイ−ドレーガーおよびマシャド−ジョセフ)、重症筋無力症、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、マイコバクテリウム・チュバキュロシス、骨髄形成異常、心筋梗塞、真菌虚血疾患、上咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性疾患、神経原性I筋萎縮、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹部大動脈およびその分枝の閉塞、閉塞性動脈疾患、okt3療法、精巣炎/精巣上体炎、精巣炎/精管復元術処置、臓器肥大、骨粗鬆症、膵臓移植拒絶、膵癌、腫瘍随伴性症候群/悪性腫瘍の高カルシウム血症、副甲状腺移植拒絶、骨盤内炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢アテローム硬化性疾患、末梢血管疾患、腹膜炎、悪性貧血、ニューモシスチス・カリニ肺炎、肺炎、POEMS症候群(多発神経炎、臓器肥大、内分泌疾患、単クローン性γグロブリン血症および皮膚変化症候群(skin changes syndrome))、灌流後症候群(post perfusion syndrome)、ポンプ後症候群(post pump syndrome)、心筋梗塞後開心術症候群、子癇前症、進行性核上性麻痺、原発性肺高血圧、放射線療法、レイノー現象および病、レイノー病、レフサム病、規則的なQRS幅の狭い頻脈症(regular narrow QRS tachycardia)、腎血管性高血圧、再灌流障害、拘束型心筋症、肉腫、強皮症、老年性舞踏病、レビー小体型の老年性認知症、血清反応陰性関節炎、ショック、鎌形赤血球貧血症、皮膚同種異系移植拒絶、皮膚変化症候群、小腸移植拒絶、固形腫瘍、固有不整脈(specific arrythmias)、脊髄性運動失調、脊髄小脳変性、連鎖球菌性筋炎、小脳の構造的病変、亜急性硬化性全脳炎、湿疹、心血管系の梅毒、全身性アナフィラキシー、全身性炎症反応症候群、全身性発症若年性関節リウマチ、T細胞またはFABALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓血管炎、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、III型過敏症反応、IV型過敏症、不安定狭心症、尿毒症、尿路性敗血症、じんましん、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈疾患、静脈血栓症、心室細動、ウイルスおよび真菌感染、ウイルス性脳炎(vital encephalitis)/無菌性髄膜炎、ウイルス関連血球貪食症候群、ウェルニッケ−コルサコフ症候群、ウィルソン病、いずれかの臓器または組織の異種移植拒絶、急性冠症候群、急性特発性多発性神経炎、急性炎症性脱髄性多発神経根神経障害、急性虚血、成人スチル病、円形脱毛症、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、アテローム性動脈硬化症、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、連鎖球菌感染に伴う自己免疫異常、自己免疫性腸疾患、自己免疫性難聴、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性早期卵巣機能不全、眼瞼炎、気管支拡張症、水疱性類天疱瘡、心血管疾患、劇症型抗リン脂質症候群、セリアック病、頚部脊椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを有する臨床的孤発症候群(CIS)、結膜炎、小児発症精神障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、涙嚢炎、皮膚筋炎、糖尿病性網膜症、真性糖尿病、椎間板ヘルニア、椎間板脱出、薬物誘発免疫性溶血性貧血、心内膜炎、子宮内膜症、眼内炎、上強膜炎、多形性紅斑、重症型多形性紅斑、妊娠性類天疱瘡、ギランバレー症候群(GBS)、枯草熱、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE媒介性アレルギー、免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼炎症疾患、炎症性脱髄疾患、炎症性心疾患、炎症性腎疾患、IPF/UIP、虹彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎(keratojuntivitis sicca)、クスマウル病またはクスマウル−マイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞性組織球症、網状皮斑、黄斑変性、顕微鏡的多発性血管炎、モルブス・ベヒテレフ(morbus bechterev)、運動ニューロン疾患、粘膜性類天疱瘡、多臓器不全、重症筋無力症、骨髄異形成症候群、心筋炎、神経根障害、神経障害、非A非B型肝炎、
視神経炎、骨溶解、小関節性JRA、末梢動脈閉塞疾患(PAOD)、末梢血管疾患(PVD)、末梢動脈疾患(PAD)、静脈炎、結節性多発性動脈炎(または結節性動脈周囲炎)、多発性軟骨炎、リウマチ性多発性筋痛、白毛症、多関節性JRA、多内分泌欠損症候群、多発性筋炎、リウマチ性多発性筋痛(PMR)、ポンプ後症候群、原発性パーキンソニズム、前立腺炎、赤芽球癆、原発性副腎不全、再発性視神経脊髄炎、再狭窄、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、アクネ、膿疱症、骨過形成および骨髄炎)、強皮症、続発性アミロイドーシス、ショック肺、強膜炎、坐骨神経痛、二次性副腎不全、シリコーン関連結合組織病、スネドン−ウィルキンソン皮膚症、強直性脊椎炎、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、全身性炎症反応症候群、側頭動脈炎、トキソプラスマ性網膜炎、中毒性表皮剥離症、横断性脊髄炎、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体)、1型アレルギー反応、II型糖尿病、じんましん、通常型間質性肺炎(UIP)、血管炎、春季結膜炎、ウイルス性網膜炎、フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群)、滲出型黄斑変性、ならびに創傷治癒の1つ以上をからなる群から選択される障害が含まれるが、これらに限定されない。
【0231】
別の態様において、本発明の結合タンパク質は、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、肛門癌、虫垂癌、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、肝外、膀胱癌、骨癌、骨肉腫/悪性線維性組織球腫脳幹神経膠腫、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、神経路および視床下部膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、カルチノイド腫瘍、原発不明の胃腸癌、中枢神経系リンパ腫、原発小脳星状細胞腫、子宮頸癌、慢性リンパ腫白血病、慢性骨髄性白血病慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、腫瘍のユーイングファミリー、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、眼内メラノーマ網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胃癌、胃腸カルチノイド腫瘍、胃腸間質性腫瘍(GIST)、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性トホロブラスト腫瘍、神経膠腫、脳幹神経膠腫、大脳星状細胞腫神経膠腫、小児神経路および視床下部膠腫、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫、膵島細胞腫(膵内分泌部)、カポジ肉腫、腎(腎細胞)癌、喉頭癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ腫白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリー細胞白血病、唇および口腔癌、肝癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、AIDS関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発中枢神経系リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、髄芽腫、メラノーマ、眼内メラノーマ、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄性白血病、慢性骨髄球性白血病、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、鼻腔および副鼻腔癌、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌、口腔癌、唇および中咽頭癌、骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵癌、膵島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞(腎)癌、腎孟および尿管、移行細胞癌、網膜芽細胞腫、唾液腺癌、肉腫、腫瘍のユーイングファミリー、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群、皮膚癌(非メラノーマ性の)、皮膚癌(メラノーマ性の)、メルケル細胞皮膚癌、小腸癌、扁平上皮癌、原発不明の転移性頸部扁平上皮癌、胃癌、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、皮膚T細胞リンパ腫、精巣癌、咽頭癌、胸腺腫、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎孟および尿管の移行細胞癌、妊娠性トロホブラスト腫瘍、尿管および腎芋、移行細胞癌、尿道癌、子宮癌、子宮内膜子宮癌肉腫、膣癌、視覚路および視床下部神経膠腫、外陰腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍からなる群から選択される障害の治療のために有用である。
【0232】
別の態様において、本発明は、試料(例えば、血清、血漿、組織、バイオプシーなどの生体試料)中のPGEの存在をインビトロで検出するための方法を提供する。本方法を使用して、障害、例えば、免疫細胞関連障害を診断することが可能である。上記方法は、(i)試料または対照試料を本明細書に記載されている抗PGE抗体またはこの断片に接触させること、および(ii)抗PGE抗体またはこの断片と試料または対照試料間の複合体の形成を検出し、対照試料と比べて試料における複合体の形成における統計的に有意な変化が試料中のPGEの存在を示していることを含む。
【0233】
さらに別の態様において、本願は、PGEの存在をインビボで検出するための方法(例えば、対象におけるインビボ画像化)を提供する。本方法を使用して、障害、例えば、PGE関連障害を診断することが可能である。上記方法は、(i)抗体または断片のPGEへの結合を可能にする条件下で、本明細書に記載されている抗PGE抗体またはこの断片を対象または対照対象に投与すること、および(ii)抗体または断片とPGE間の複合体の形成を検出し、対照対象と比べて対象における複合体の形成における統計的に有意な変化がPGEの存在を示していることを含む。
【0234】
本発明の抗体、またはこの抗原結合部分は、そのような疾患を治療するために単独でまたは組み合わせて使用することが可能である。本発明の抗体またはこの抗原結合部分は、単独で、または追加の作用物質、例えば治療剤と組み合わせて使用することが可能であり、前記追加の作用物質は、その意図される目的に対して、当業者によって選択されることを理解すべきである。例えば、追加の作用物質は、本発明の抗体によって治療されている疾病または症状を治療するのに有用であると本分野で認識されている治療剤とすることが可能である。追加の作用物質は、治療組成物に有益な属性を付与する作用物質、例えば、組成物の粘性に影響を与える作用物質とすることも可能である。
【0235】
本発明に含まれるべき組合せは、それらの意図される目的に対して有用な組合せであることをさらに理解すべきである。以下に記されている作用物質は、例示を目的とするものであって、限定を意図するものではない。本発明の一部である組合せは、本発明の抗体および以下のリストから選択される少なくとも1つの追加の作用物質であり得る。当該組合せにおいて、形成された組成物がその意図される機能を実行することが可能であれば、組合せは、2以上の追加の作用物質、例えば、2または3個の追加の作用物質を含むこともできる。
【0236】
組合せ療法は、1つまたはそれ以上のPGEアンタゴニスト、例えば、1つまたはそれ以上の追加の治療剤、例えば、本明細書にはさらに多く記載されているように、1つまたはそれ以上のサイトカインおよび成長因子阻害剤、免疫抑制剤、抗炎症剤(例えば、全身性抗炎症剤)、抗線維化剤、代謝阻害剤、酵素阻害剤および/または細胞毒性もしくは細胞増殖抑制剤と一緒に同時処方されるおよび/またはと一緒に同時投与される抗PGE抗体またはこの断片を含むことが可能である。1つまたはそれ以上のPGEアンタゴニスト、例えば、抗PGE抗体またはこの断片と一緒に同時投与するおよび/または同時処方することが可能である好ましい追加の治療剤の例は、吸入用ステロイド;βアゴニスト、例えば、短時間作用または長時間作用βアゴニスト;ロイコトリエンまたはロイコトリエン受容体のアンタゴニスト;ADVAIRなどの合剤;IgE阻害剤、例えば、抗IgE抗体(例えば、XOLAIR);ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、PDE4阻害剤);キサンチン;抗コリン剤;クロモリンなどのマスト細胞安定化剤;IL−4阻害剤;IL−5阻害剤;エオタキシン/CCR3阻害剤;H1、H2、H3およびH4を含むヒスタミンまたはこの受容体のアンタゴニストならびにプロスタグランジンDまたはこの受容体(DP1およびCRTH2)のアンタゴニストのうちの1つまたはそれ以上を含むが、これらに限定されない。そのような組合せを使用して、喘息および他の呼吸障害を治療することが可能である。1つまたはそれ以上の抗PGE抗体またはこの断片と一緒に同時投与するおよび/または同時処方することが可能である治療剤の追加の例は、とりわけ、TNFアンタゴニスト(例えば、TNF受容体の可溶性断片、例えば、p55またはp75ヒトTNF受容体またはこの誘導体、例えば、75kD TNFR−IgG(75kD TNF受容体−IgG融合タンパク質、ENBREL));TNF酵素アンタゴニスト、例えば、TNF変換酵素(TACE)阻害剤;ムスカリン受容体アンタゴニスト;TGFβアンタゴニスト;インターフェロンγ;パーフェニドン;化学療法剤、例えば、メトトレキサート、レフルノミドまたはシロリムス(ラパマイシン)またはこの類似体、例えば、CCI−779;COX2およびcPLA2阻害剤;NSAID;免疫調節剤;p38阻害剤、TPL−2、MK−2およびNFkB阻害剤のうちの1つまたはそれ以上を含む。他の組合せは、サイトカイン抑制性抗炎症薬(CSAID);その他のヒトサイトカインまたは成長因子(例えば、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、IL−21、IL−31、インターフェロン、EMAP−II、GM−CSF、FGF、EGF、PDGF)およびエドセリン−1、ならびにこれらのサイトカインの受容体および増殖因子である。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD90、CTLAまたはCD154を含むこれらのリガンド(gp39またはCD40L)などの細胞表面分子に対する抗体と組み合わせることが可能である。
【0237】
好ましい治療剤の組合せは、異なる点で、炎症カスケードを干渉し得る。好ましい例には、キメラ、ヒト化またはヒトTNF抗体、D2E7(PCT公開WO97/29131)、CA2(Remicade(商標))、CDP571、および可溶性p55またはp75TNF受容体、これらの誘導体、(p75TNFRIgG(Enbrel(商標))またはp55TNFR1gG(Lenercept)およびTNFα変換酵素(TACE)阻害剤などのようなTNFアンタゴニストが含まれる。同様にIL−1阻害剤(インターロイキン−1変換酵素阻害剤、IL−1RAなど)は、同じ理由のために有効であり得る。
【0238】
本発明の医薬組成物は、本発明の抗体または抗体部分の「治療的有効量」または「予防的有効量」を含み得る。「治療的有効量」は、所望の治療的結果を達成するための投薬量で、および所望の治療的結果を達成するために必要な期間にわたって有効な量を表す。抗体または抗体部分の治療的有効量は、当業者によって決定され得、病状、年齢、性別および個体の体重ならびに抗体または抗体部分が個体内で所望の応答を惹起する能力などの因子に従って変動し得る。治療的有効量は、抗体または抗体部分のあらゆる毒性効果または有害効果が、治療的に有益な効果によって凌駕される量でもある。「予防的有効量」は、所望の予防的結果を達成するために必要な投薬量で、および所望の予防的結果を達成するために必要な期間にわたって有効な量を表す。典型的には、疾病のより初期段階の前にまたは疾病のより初期段階において、予防的投薬が患者に使用されるので、予防的有効量は、治療的有効量より少ない。
【0239】
投薬計画は、最適な所望の応答(例えば、治療的応答または予防的応答)を与えるように調整され得る。例えば、単一のボーラスを投与することができ、複数の分割された用量を経時的に投与することができ、または、治療状況の緊急性によって示されるように、用量を比例的に減少もしくは増加させ得る。投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で非経口組成物を製剤化することが特に有利である。本明細書において使用される投薬単位形態は、治療されるべき哺乳動物患者に対する統一された投薬として適した、物理的に分離された単位を表し、各単位は、必要とされる医薬担体とともに、所望される治療効果を生じるように計算された活性化合物の所定量を含有する。本発明の投薬単位形態に対する規格は、(a)活性化合物の特有の特徴および達成されるべき具体的な治療効果または予防効果ならびに(b)個体における過敏症の治療用のこのような活性化合物を配合する分野に固有の制約によって規定され、これらに直接依存する。
【0240】
本発明の抗体または抗体部分の治療的または予防的有効量に対する典型的な非限定的範囲は、0.1−20mg/kg、例えば1−10mg/kgである。緩和されるべき症状の種類および重度に応じて、投薬量の値が変化し得ることに注意すべきである。いずれかの具体的な患者に対して、個体の要求に従って、組成物の投与を行いまたは監督している者の専門的判断に従って、特異的投薬計画を経時的に調整すべきこと、および、本明細書に記載されている投薬量の範囲は典型的なものに過ぎず、特許請求の範囲に記載されている組成物の範囲または実施に限定することを意図したものではないことをさらに理解すべきである。
【0241】
本明細書に記載されている本発明の方法の他の適切な改変および適合が明白であり、本発明の範囲または本明細書に開示されている実施形態から逸脱することなく、適切な均等物を用いてこれらを行い得ることが当業者に自明である。ここに、本発明を詳しく記載してきたが、例示のみを目的とし、本発明を限定することを意図したものではない以下の実施例を参照することによって、本発明がより明確に理解される。
【実施例】
【0242】
実施例1
抗プロスタグランジンEモノクローナル抗体の産生および単離
実施例1.1:抗ヒトプロスタグランジンE抗体を特定するアッセイ
以下のアッセイは、別段の記載がない限り、抗プロスタグランジンE抗体を特定し、特徴付けるために使用された。
【0243】
実施例1.1.A:ELISA
プロスタグランジンEに結合する抗体をスクリーニングするための酵素結合免疫吸着検定法を以下の2つの方法のうちの少なくとも1つに従って行った:
方法1
ELISAプレート(Costar 3369,Corning,NY)は、PBS(Invitrogen Carlsbad,CA)中、2μg/mlの抗宿主Fc IgG(Sigma,St.Louis,MO)の50μlを用いて被覆された。4℃で一晩温置後、PBSで洗浄し、200μlのSuperblook(Pierce #37535,Rockford,IL)を用いてプレートをブロックした。IgGを含む試料は、アッセイ緩衝液(0.05%Surfactamps(Pierce #37535,Rockford,IL)を含むPBS中の10%Superblook)中で1μg/mlに希釈され、各ウェルに50μl/ウェルを添加され、1時間室温で温置された。Tween−Tris緩衝溶液(TTBS)を用いてプレートを4回洗浄した。PGE2結合について、PGE2−ビオチンアミド(Cayman Chemicals,Ann Arbor,MI)を30nMに希釈し、アッセイ緩衝液中に連続して1:3に希釈した。滴定曲線試料は、50μl/ウェルにて各IgG試料に添加され、1時間室温にて温置された。プレートを前述したように洗浄し、50μlの1:5000に希釈したアッセイ緩衝液中のストレプトアビジンpolyhrp40(Fitzgerald Industries,Concord,MA)を各ウェルに添加し、45分間室温にて温置した。最終洗浄工程を行い、一工程のTMBシステム(Sigma #T8665,St.Louis,MO)および100μl/ウェル2NのHSOを用いて発色させた。Molecular Devices社のSpectramaxプレートリーダー(Sunnyvale,CA)上で450nmにてプレートを読んだ。GraphPad Prism 5(GraphPad Software,La Jolla,CA)を用いてEC50を測定した。
【0244】
方法2
あるいは、プロスタグランジン結合は、H−PGE ELISAを用いて測定された。PBS中の5μg/mlのヤギ抗ヒトIgG(Fc)(Thermo Scientific #31170,Hudson,NH)またはヤギ抗マウスIgG(Fc)(Thermo Scientific #31125,Hudson,NH)を用いて50ul/ウェルにてプレートを被覆し、一晩4℃で温置した。翌日、プレートを軽く振って、吸い取って乾燥させた。200μL/ウェルのSuperblook(Thermo Scientific #37515,Hudson,NH)を用いて、1時間室温にてプレートをブロックした。プレートを軽く振って、吸い取って乾燥させた。モノクローナル抗体をリン酸緩衝液Tween20(PBST)(Abbott Bioresearch Center,Worcester,MA)および10%Superblookで0.04μg/mlに希釈し、50μLの各抗体は、予めブロックされたELISAプレートの各ウェルに2ng/ウェルにて添加され、1時間室温にて温置された。PBS+0.1%Tween−20を用いてウェルを3回洗浄した。H−PGE(Perkin Elmer #NET−428,Waltham,MA)の連続的な3倍滴定がPBST/10%Superblook中に調製された。50μlのH−PGE2溶液をプレートの各ウェルに添加し、1時間室温にて温置した。PBST/10%Superblookでウェルを手動で6回洗浄し、50μLのシンチレーション液(Perkin Elmer #6013621,Waltham,MA)を各ウェルに添加した。5分のカウント遅延でプレートをTopCountリーダー(Perkin Elmer,Waltham,MA)を用いて読んだ。EC50値は、GraphPad Prisme 5(GraphPad Software,La Jolla,CA)を用いて測定された。
【0245】
実施例1.1.B:PGE競合ELISA
プロスタグランジンEに結合する抗体に対するプロスタグランジン結合特異性を決定するための競合酵素結合免疫吸着検定法を以下の2つの方法のうちの少なくとも1つに従って行った。
方法1
ELISAプレート(Costar 3369,Corning,NY)は、PBS(Invitrogen,Carlsbad,CA)中の2μg/mlの抗宿主Fc IgG(Sigma,St.Louis,MO)の50μl/ウェルを用いて被覆された。4℃にて一晩温置後、200μlのSuperblook(Pierce #37535,Rockford,IL)を用いてプレートをブロックした。IgG試料は、アッセイ緩衝液(0.05%Surfactamps(Pierce #37535,Rockford,IL)を含むPBS中の10%Superblook)中で6μg/mlに希釈された。PGE−ビオチンアミドをアッセイ緩衝液において3nMに希釈した。アッセイ緩衝液における滴定曲線は、300nMで開始し、1:10の連続希釈することによってプロスタグランジンPGA(Cayman Chemicals,Ann Arbor,MI)、PGD(Cayman Chemicals,Ann Arbor,MI)およびPGE(Cayman Chemicals,Ann Arbor,MI)について調製された。ウェルあたり各々50μlの体積にて試薬を管に添加し、1時間室温にてプレ温置した。プレ温置後、ブロックされたプレートにその混合物を移し、1時間室温にて温置させた。次に、Tween 20−Tris緩衝溶液(TTBS)を用いてプレートを4回洗浄した。次に、1:5000に希釈したアッセイ緩衝液(Fitzgerald Industries,Concord,MA)中のストレプトアビジンpolyhrp40をウェルに添加し、45分間室温にて温置した。最終洗浄工程を行い、1回工程のTMBシステム(Sigma #T8665,Sigma,St.Louis,MO)および100μl/ウェル2NのHSOを用いてプレートを発色させた。Molecular Devices社のSpectramaxプレートリーダー(Sunnyvale,CA)上で450nmにてプレートを読んだ。未標識のプロスタグランジンが結合についてPGE−ビオチンアミドと競合したウェルは、シグナルの減少をもたらした。IC50値は、GraphPad Prisme 5(GraphPad Software,La Jolla,CA)を用いて測定された。次に、交差反応性指数をPGEのIC50/他の(複数の)プロスタグランジンのIC50によって計算した。
方法2
あるいは、H−PGE競合ELISAを用いてプロスタグランジン選択性を決定した。PBS中のuL/mlのヤギ抗ヒトIgG(Fc)(Thermo Scientific #31170,Hudson,NH)またはヤギ抗マウスIgG(Fc)(Thermo Scientific #31125,Hudson,NH)の50μL/ウェルを用いてプレートを被覆し、一晩4℃で温置した。翌日、プレートを軽く振って、吸い取って乾燥させた。200μL/ウェルのSuperblook(Thermo Scientific #37515,Hudson,NH)を用いて、1時間室温にてプレートをブロックした。プレートを軽く振って、吸い取って乾燥させた。モノクローナル抗体をPBST(Abbott Bioresearch Center,Worcester,MA)/10%Superblook中に0.04μg/mlに希釈し、各々の50μLは、予めブロックされたELISAプレートの各ウェル(2ng/ウェル)に添加され、1時間室温にて温置された。PBS/0.1%Tween−20を用いてウェルを3回洗浄した。H−PGE(Perkin Elmer #NET−428,Waltham,MA)は、PBST/10%Superblook中に6nMに希釈された(2×ストック)。各プロスタグランジン(Cayman Chemicals,Ann Arbor,MI)は、2000μM(2×ストック)−0.00004μM(2×)の範囲の様々な濃度でPBST+10%Superblook中に調製された。H−PGE容積および各プロスタグランジン希釈液の等体積を混合した。次に、この混合物の50μlをプレートの各ウェルに添加し、1時間室温にて温置した。PBST/10%Superblookを用いてウェルを手動で6回洗浄し、50μLのシンチレーション液(Perkin Elmer #6013621,Waltham,MA)を各ウェルに添加した。5分のカウント遅延でプレートをTopCountリーダー(Perkin Elmer,Waltham,MA)を用いて読んだ。IC50値は、GraphPad Prism 5(GraphPad Software,La Jolla,CA)を用いて測定された。次に、PGEのIC50/他の(複数の)プロスタグランジンのIC50によって交差反応性指数を計算した。
【0246】
実施例1.1.C:抗プロスタグランジンE抗体の機能活性の測定
本発明の抗PGE抗体の機能活性を調べるため、PGE活性を抑制する抗体の能力を測定する以下のインビトロおよびインビボアッセイにおいて上記抗体は使用された。
【0247】
実施例1.1.C.1:EP4バイオアッセイ
インビトロでPGEの細胞応答を抑制する抗PGE抗体の能力は、ヒトEP4受容体を用いて安定にトランスフェクトされているHEK293 Gα16細胞(Abbot Bioresearch Center、Worcester、MA)におけるCa++流入アッセイで決定された。手短に言えば、4種のヒトPGE受容体のうちの1つであるEP4をコードする発現プラスミドおよびGα16をコードする発現プラスミドは、ヒト胚性腎細胞系統293細胞(ATCC受託番号CRL1573、Manassas、Virginia)に同時トランスフェクトされた。ヒトEP4とGα16タンパク質の両方を同時発現している安定なクローンは、標準法を使用して選択され(Joseph Sambrook and David W.Russell.Molecular Cloning:A Laboratory Manual Publisher.published by Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001)、EP4バイオアッセイに使用された。
【0248】
ブラック/透明ポリ−D−リジンプレート(Corning #3667,Corning,NY)にHEK293Gα16細胞を播種し、Ca++感受性色素(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)とともに90分間温置した。ストックPGE(200標準エタノール中)をFLIPR緩衝液[1×HBSS(Invitrogen,Carlsbad,CA)、20mMのHEPES(Invitrogen,Carlsbad,CA)、0.1%BSA(Sigma,St.Louis,MO)および2.5mMのProbenecid(Sigma,St.Louis,MOを含む]を用いて希釈した。また、抗PGE抗体またはアイソタイプ適合対照抗体をFLIPR緩衝液に予め希釈した。25μlのPGEまたは予め温置されたPGE/抗体混合物は、細胞を予め播種したウェルに添加された。PGEの用量反応は、PGEの連続滴定によって決定され、FLIPR1またはTetra(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)を用いて、EC50は、GraphPad Prisme 5(グラフトパッド・ソフトウェア(GraftPad Software,La Jolla,CA)を用いて決定された。抗体を試験するために、EC50濃度のPGEは、種々の濃度の被検抗体またはアイソタイプ適合抗体(負の対照)(ABC)とともに20分間温置され、HEK293 Gα16細胞の色素を有するヒトEP4に添加された。FLIPR1を用いてCa++流出をモニタリングし、GraphPad Prisme 5(グラフトパッド・ソフトウェア(GraftPad Software,La Jolla,CA)を用いてデータ分析した。
【0249】
実施例1.1.C.2:H−PGEを用いた抗プロスタグランジンE抗体によるPGE受容体へのPGE結合の競合阻害
抗PGE抗体によるPGE受容体、例えば、EP4またはEP3へのPGE結合の競合阻害は、H−PGE(プロスタグランジンE2、[5,6,8,11,12,14,15−3H(N)]、Perkin Elmer,Waltham,MA、カタログ#NET428250UC)を用いた、細胞系または膜系の受容体結合アッセイを使用して決定される。
【0250】
EP4受容体を内因的に発現しているまたは安定に過剰発現している細胞(すなわち、EP4バイオアッセイに使用されるHEK293−EP4細胞またはHEK−293−EP4−Gα16細胞)(10個の細胞/mL)は、24ウェルプレートにおいてDMEM培地(Invitrogen,Carlsbad,CA)/10%FCS(Sigma #T8665,Sigma,St.Louis,MO)中で一晩増殖される。培地を取り除き、100μlの結合緩衝液(FCSを含まない培地)を添加する。プレートを氷上に10分間置く。非放射性PGE(0−1μM)を100μl体積のトレーサー(40pMのH−PGE)とともに添加する。90分間4℃にて平衡受容体結合を行う。培地を取り除き、200μlの冷却培地を用いて細胞を4回洗浄する。20μlの0.5M NaOHの添加によって細胞を回収する。溶解物を液体シンチレーションプレートに移す。100μlのAquasafe 500(Zinsser Analytic,Frankfurt,Germany)+LSCカクテル(Lumac LSC,Groningen,The Netherlands)を各ウェルに添加し、混合する。その細胞結合の放射活性は、液体シンチレーションカウントによって決定される。大部分のアゴニスト−受容体相互作用について、アゴニスト(PGE)による受容体結合阻害は1サイトモデルに従うことが想定される。EC50、KおよびK値は、GraphPad Prisme 5(GraphPad Software,La Jolla,CA)を用いて計算される。
【0251】
EP3受容体へのH−PGE(プロスタグランジンE2、[5,6,8,11,12,14,15−3H(N)]、Perkin Elmer,Watham,MA、カタログ#NET428250UC)の結合に対する抗PGE抗体の阻害は、EP3受容体を過剰発現する細胞由来の膜調製物(Millipore,Billerica,MA)を用いて行われた。結合アッセイ前に、50μl/ウェルの0.3%ポリエチレンイミン(PEI)(Sigma,St.Louis,MO)をUnifilter−96GF/Bフィルタープレート(Perkin Elmer,Watham,MA)に添加し、使用直前の1時間、4℃に置いた。1:3に希釈した抗体は、結合緩衝液(50mMのHEPES pH7.0、10mMのMgCl、1mMのEDTA、0.2%BSA)中に2×濃度で調製された。H−PGEは、結合緩衝液中に2×濃度で調製された。次に、50μlの連続3倍希釈した抗体は、50μlの200pMのH−PGEを含む各ウェルに添加され、よく混合され室温にて10分間放置された。凍結膜を解凍し、結合緩衝液に再懸濁した。5μgの膜を各ウェルに添加した。Packard社の96ウェルハーベスターを用いて、調製されたGF/B濾過プレートに濾過する前に室温にて60分間、混合物を温置した。次に、Microscint(商標)20(Perkin Elmer,Watham,MA)を添加する前に、プレートを1時間乾燥した。その後、プレートを密閉し、TopCountリーダー(Perkin Elmer,Waltham,MA)上でカウントした。非特異的な結合は、100μMのコールドPGEの存在下で決定された。測定された放射活性(cpm)を用いて、Graphpad Prism(GraphPad Software、La Jolla,CA)を用いてIC50値を決定した。
【0252】
実施例1.1.C.3:細胞ベースFACSアッセイを使用する抗プロスタグランジンE抗体によるPGE受容体へのPGE結合の競合阻害
抗PGE抗体によるPGE受容体、例えばEP4へのPGE結合の競合阻害は、PGEビオチンイミド(Cayman Chemical、Ann Arbor、Michigan、カタログ番号10006987)およびストレプトアビジン−R−フィコエリトリン(SA−RPE;Invitrogen、Carlsbad、CA、カタログ番号15−4301)を使用する細胞ベースFACSアッセイを使用して決定することが可能である。EP4を内因的に発現しているまたはEP4を安定して過剰発現している細胞(1×10)(すなわち、EP4バイオアッセイのために使用されるHEK293−EP4細胞またはHEK293−EP4−Gα16細胞)はDMEM培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)/10%FCS(Sigma#T8665、Sigma、St.Louis、MO)中で培養される。細胞は回収され、500μl洗浄緩衝液(PBS/1%BSA)を用いて数回洗浄される。細胞は、500μlFACS結合緩衝液(FCSのない培養液)中に再懸濁される。20μlのPGE−ビオチンイミドが細胞懸濁液に添加され、4℃で1時間温置される。細胞は洗浄緩衝液で3回洗浄される。上記細胞は500μlFACS結合緩衝液中に再懸濁され、20μlのSA−RPEが細胞に添加されて、4℃で30分間温置される。次に、細胞は500μlFACS結合緩衝液中に再懸濁され、細胞表面上のPGEの結合は、フローサイトメトリーにより解析される。抗PGE抗体の阻害は、PGE−ビオチンイミドとSA−RPEと一緒の温置前に抗PGE抗体の滴定を用いて細胞をプレ温置することにより決定することが可能である。
【0253】
実施例1.2:ハイブリドーマアプローチによる抗プロスタグランジンEモノクローナル抗体の作製
抗プロスタグランジンEマウスモノクローナル抗体は以下の通りに得られた。
【0254】
実施例1.2.A:プロスタグランジンE−サイログロブリン連結体を用いたマウスの免疫化
完全フロイントアジュバント(Pierce,Rockford,IL)またはImmunoeasyアジュバント(Qiagen,Valencia,CA)と混合されたPGE/チログロブリン連結体の20μgを5匹の6−8週齢のBalb/Cマウス、5匹のC57B/6マウス、および5匹のAJマウスに1日目に皮下注射した。24日目、38日目、および49日目に、不完全フロイントアジュバントまたはImmunoeasyアジュバントと混合されたPGE/チログロブリン連結体の25μgを同じマウスに皮下注射した。84日目または112日目または144日目に、PGE/チログロブリン連結体の1μgをマウスに静脈内注射した。
【0255】
実施例1.2.B:ハイブリドーマの生成
実施例1.2.Aに記載された免疫されたマウスから得た脾細胞は、ハイブリドーマを生成するために、Kohler,G.and Milstein,Nature,256:495(1975)に記載の確立された方法に従って、SP2/O−Ag−14細胞と5:1の比で融合された。融合生成物は、ウェルあたり2.5×10個の脾細胞の密度で96ウェルプレート内のアザセリン(Pierce,Rockford,IL)およびヒポキサンチン(Pierce,Rockford,IL)を含む選択培地に置かれた。融合の7−10日後、肉眼で見られるハイブリドーマのコロニーを観察した。ハイブリドーマコロニーを含有する各ウェル由来の上清は、PGEに対する抗体の存在についてELISA(実施例1.1.Aに記載されている)により試験された。
【0256】
PGEは、ウシサイログロブリン、キーホールリンペットヘモシアニス、ウシ血清アルブミンおよび卵白アルブミンを含むいくつかの異なる担体タンパク質に連結された。(Amiram、et al.Eur.J.Biochem.53:145−150(1975))。マウスは、実施例1.2.Aに記載されているこれらの連結されたPGE−タンパク質複合体で免疫された。次に、免疫されたマウス由来の脾細胞を融合させて、実施例1.2.Bに記載されているハイブリドーマを作製した。PGEに特異的な抗体を産生しているハイブリドーマを単離し、実施例1.1.Aに記載されているビオチン化されたPGE ELISAを使用して抗体は特徴づけられた。
【0257】
実施例1.2.C:抗プロスタグランジンEモノクローナル抗体の同定と特徴づけ
PGEに結合する抗体を産生し、実施例1.2.Bに従って作製されたハイブリドーマは、限界希釈によりスケールアップされクローンされた。
【0258】
PGEに特異的な19C9、4F10および15F10と命名されたいくつかの抗体が単離された。これらの抗体の親和性は実施例1.1.Aに記載されているビオチン化されたPGEを使用するELISAにより決定された(図1および2)。これらの抗体のPGEに対する特異性は、実施例1.1.Bに記載されている様々なプロスタグランジンを用いた競合ELISAによりさらに決定された(表2)。
【0259】
【表2】
【0260】
実施例2
インビトロディスプレイ技術によるヒト抗プロスタグランジンE抗体
実施例2.1:インビトロディスプレイ技術により非免疫ヒト抗体ライブラリーから選択されるヒト抗プロスタグランジンE抗体
PROfusion(商標)mRNAディスプレイを使用して、ヒト抗PGE抗体は、インビトロディスプレイ技術により単一鎖Fv(scFv)フォーマットで非免疫ヒト抗体ライブラリーから選択された。ビオチン化PGE結合scFvタンパク質をコードする抗体アミノ酸配列は、ストレプトアビジンまたはニュートラアビジン磁気ビーズを使用して収集され、複数ラウンドの選択によりライブラリーからさらに濃縮された。バルクアウトプットscFv核酸配列は細菌増殖に適したプラスミドDNAにサブクローンされ、個々の細菌コロニーは、scFv配列解析およびライブラリー選択において使用されたのと同じ抗原結合アッセイによるそのPGE結合の確認のために採取された。次に、PGE結合scFvクローンのVHおよびVL DNAは、それぞれヒトIgG発現重鎖および軽鎖ベクターに別々にサブクローンされ、IgG発現のためにCOS7細胞にトランスフェクトされた。次に、ヒトIgG含有COS7媒体を使用して、実施例1.1.Aに記載されているELISAによりPGE結合を確認した(表3)。
【0261】
【表3】
【0262】
表4は、PROfusion(商標)mRNAディスプレイライブラリー由来ヒト抗PGE抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列の一覧表を提供している。
【0263】
【表4】
【0264】
実施例3
エドマン分解法、質量スペクトル分析およびBLASTの組合せによる溶解タンパク質配列に従った組み換え抗プロスタグランジンE抗体の作製および特徴づけ
PGEに特異的なハイブリドーマ由来マウス抗体のタンパク質配列は、上記のようにエドマン分解、質量スペクトル分析およびBLAST(Basic Local Alignment Search Tool、NCBI、NIH、Bethesda、MD)の組合せを使用してアミノ酸配列を解析することにより作製された(Pham、V.et al.Analyt.Biochem.352:77−86(2006))。0.45mgの抗PGE抗体は、100mMのDTT(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて、軽鎖および重鎖まで還元された。抗PGE抗体の軽鎖および重鎖は、Vydac C−18逆相カラム(H−P Separations Group、Hesperia、CA)を用いてShimadzu HPLC system(Shimadzu Scientific Instruments、Columbia、MD)で、逆相HPLCにより分離された。軽鎖と重鎖の分子量は、Applied Biosystems API QSTAR Pulsar i 質量分析計(Applied Biosystems、Foster City、CA)およびAgilent Q−TOF質量分析計(Agilent、Palo Alto、CA)で測定された。軽鎖のN末端配列決定は、PE Applied Biosystems494/785A/140C/610Aタンパク質ペプチド配列決定装置(Applied Biosystems、Foster City、CA)で、溶液中で実施された。抗PGE2B5抗体の45μLの軽鎖はフィルターの中心に充填され、42サイクルが実施された。抗PGE抗体の重鎖のN末端はピログルタミン酸を用いて遮断され、エドマン分解によっては直接配列決定をすることはできなかった。重鎖のN末端エドマン分解法に先立って、重鎖N末端はピログルタミン酸アミノペプチダーゼ(Sigma、St.Louis、MO)を使用して遮断解除された。80μgの抗PGE抗体は、50mMのDTTを用いて37℃で30分間還元された。0.42μlの0.5M EDTA、pH7.5(Invitrogen、Carlsbad、CA)が還元された試料に最終EDTA濃度1mMまで添加された。50μlの再構成組み換えパイロコッカス・フリオサス(pyrococcus furiosus)ピログルタミン酸アミノペプチダーゼ(Sigma、St.Louis、MO)が試料に添加された。試料溶液を40℃で15時間温置した後、温度はさらに2時間60℃に上げられた。追加の10μlの再構成パイロコッカス・フリオサスピログルタミン酸アミノペプチダーゼが添加され、試料は60℃でさらに1時間温置された。4μlの試料が、15時間、17時間および18時間時点でのLC/MS解析のために使用されて、遮断解除プロセスの程度をモニターした。遮断解除反応が完了すると、溶液はspeed−vacuum(Eppendorf、Westbury、NY)により、約100μlまで濃縮された。遮断解除された重鎖はSDS−PAGEにより軽鎖から分離され、次に、エドマン分解法のためにPVDF膜(Invitrogen、Carlsbad、CA)に移された(Niall、HD、Methods Enzymol.27:942−1010(1973))。
【0265】
抗PGE抗体の内部ペプチド配列を得るために、抗体は、アルキル化処理をしてまたはせずに、複数のプロテアーゼを用いて消化された。先ず、試料はDTTで還元された。還元された試料は、プロテアーゼで直接消化された、または消化する前にヨードアセトアミド(Sigma、St.Louis、MO)を用いてアルキル化された。この実験で使用されたプロテアーゼは、トリプシン、gul−C、asp−Nおよびキモトリプシン(Sigma、St.Louis、MO)を含む。プロテアーゼ消化ペプチドの画分はHPLCで分離され、各画分は、MSまたはエドマン分解法のために分離エッペンドルフチューブに収集された。LC/MS/MS解析のため、LCQ−deca、API QStar Pulsar(Applied Biosystems、Foster City、CA)とAgilent Q−TOF(Agilent、Palo Alto、CA)のいずれかを用いるMALDI−MS(Applied Biosystems、Foster City、CA)、ナノLC/ESI−MS/MS(Applied Biosystems、Foster City、CA)が使用された。HPLC条件は移動相A=0.1%ギ酸;移動相B=80%ACN/20% 0.1%ギ酸であった。1−3時間勾配(5−50%B)が用いられた。エドマン分解法では、プロテアーゼ消化から生じるペプチドを含有する画分は、ProSorbカートリッジ(Applied Biosystems、Foster City、CA)によりPVDF膜に移された。各画分は100μlの0.1%TFA溶液(Sigma、St.Louis、MO)に希釈された。PVDF膜(Invitrogen、Carlsbad、CA)を10μlメタノール(Sigma、St.Louis、MO)を用いてリザーバー中で湿らせた後、試料をリザーバー中に添加した。試料をリザーバーから取り除いて、PVDF膜は空気乾燥させた。PVDF膜は打ち出され、5μlの10%希釈バイオブレーン溶液(Sigma、St.Louis、MO)を添加し、膜は完全に乾燥させた。PVDF膜を15μlの0.1%TFAを用いて15秒間洗浄した後、表面を濾紙でふき取った。4μlのメタノールをPVDF膜に添加し、完全に乾燥させた。乾燥されたPVDF膜はエドマン分解法に使用された。
【0266】
抗PGE抗体のVHおよびVLの生殖系列配列は、マウス生殖系列配列のVHおよびVLデータベース(Ig−BLAST、NCBI、NIH、Bethesda、MD)を用いた上記方法に従って、重鎖および軽鎖の溶解された可変領域のアライメントにより決定された。MSおよびエドマン分解法で未解明の領域は、もっとも近い生殖系列配列が割り当てられた。考えうるホットスポット突然変異は、それぞれMSにより決定される抗PGE抗体の重鎖および軽鎖の実験分子量に適合するように手作業で同定された。抗PGE抗体のタンパク質配列は上記の方法を用いて解明された。
【0267】
いくつかの型の組み換え抗PGE抗体(2B5−7.0、2B5−8.0および2B5−9.0)が、この解明されたタンパク質配列に基づいて構築され、それぞれが少数の未解明位置に異なる残基を有していた(表5)。これらの組み換え抗体の試験は実施例4に記載されている。抗体CDRのアミノ酸配列は抗体の結合特異性、効力および親和性にとり極めて重要であるが、フレームワークにおいておよびCDRにおいてさえ少数の残基の置換、改変、欠失または付加があっても、それでも抗体の結合特異性、効力および親和性は大部分維持され得る。少なくとも1つまたは少数のそのような置換(複数可)、改変、欠失または付加のある型の抗体は、それでも本発明の範囲内にある。抗PGE抗体(2B5−7.0、2B5−8.0および2B5−9.0)のVHおよびVL領域のアライメントは図8に示されている。
【0268】
【表5】
【0269】
実施例4
組み換え抗プロスタグランジンE抗体
実施例4.1:組み換え抗プロスタグランジンE抗体の構築および発現
マウス抗PGE抗体の2B5−7.0、2B5−8.0または2B5−9.0の重鎖可変領域をコードするDNAは、細菌中での相同組み換えにより、ヒトIgG1定常領域、マウスIgG1定常またはマウスIgG2a定常領域のいずれかをコードするcDNA断片に融合された(Zhang、Y et al.Nature Biotechnol.18(12):1314−7(2000))。2B5−7.0、2B5−8.0または2B5−9.0の軽鎖可変領域をコードするDNAは、ヒトκ定常領域またはマウスκ定常領域に融合された。全長の抗体は、pTT3発現プラスミドに重鎖および軽鎖のcDNAリガンドの同時の形質移入によって293細胞において一時的に発現された(Durocher,Y et al.Nucleic Acids Res.30(2):E9(2002))。組み換えキメラ抗体を含む細胞上清は、プロテインAセファロースクロマトグラフィーによって精製され、結合した抗体は酸性緩衝液の添加によって溶出された。抗体は中和され、PBS中で透析された。(Making and Using Antibodies:A Practical Handbook,Edited by Gary C.Howard and Matthew R.Kaser.Published by CRC(2006))。
【0270】
次に、精製されたキメラ抗PGEモノクローナル抗体の2B5−7.0、2B5−8.0および2B5−9.0は、実施例1.1.Aに記載されているELISAアッセイにおいてPGEへのその結合能力について(表6)、および実施例1.1.B(表6)に記載されている競合ELISAにおいてその選択性について(表6)試験された。3種の組み換え抗PGEモノクローナル抗体の2B5−7.0、2B5−8.0および2B5−9.0はすべて、PGEに対する類似の特異性でPGEに強力に結合した。2B5−8.0が、PGEに対するもっとも高い結合能力を実証し、PGE生理活性を中和するその能力を特徴づけるためのEP4バイオアッセイにおいて、およびプロスタグランジンの完全パネルを使用してそのプロスタグランジン選択性を特徴づけるためのH−PGE競合ELISAにおいて追加の特徴づけのために選択された。2B5−8.0は、実施例1.1.Cに記載されているEP4バイオアッセイにおいて、PGE誘導カルシウム流入を強力に抑制した(表6)。
【0271】
【表6】
【0272】
実施例4.2:ヒト化抗プロスタグランジンE抗体の構築および発現
実施例4.2.1:ヒト抗体フレームワークの選択
ヒト化は、アミノ酸配列ホモロジー、CDRクラスター分析、発現されたヒト抗体のうちの使用頻度、およびヒト抗体の結晶構造に関する入手可能な情報に基づいていた。抗体結合、VH−VL対、および他の因子に対する可能な効果を考慮すると、マウス残基はヒト残基に変異され、この場合、若干の例外はあるが、マウスおよびヒトのフレームワーク残基は異なっていた。さらなるヒト化戦略は、ヒト生殖細胞系列の抗体配列またはそれらのサブグループの分析に基づいて設計され、それは、マウス抗体の可変領域の実際のアミノ酸配列に対して高い程度のホモロジー、すなわち、配列類似性を有していた。
【0273】
ホモロジーモデリングは、抗体の構造CDRに不可欠であることが予測されるマウス抗体の配列に特有の残基を特定するために用いられた。目的の標的タンパク質と同様であり、三次元座標が知られている基準タンパク質共有配列は、初期座標およびそれらのさらなる修正のための誘導を得るために用いられた。基準タンパク質および標的タンパク質の一次配列は、2つのタンパク質の初期部分の座標とともに整列されるように整列される。例えば、残基変異、挿入または欠失に基づく、2つのタンパク質のミスマッチ部分についての座標は、すでに整列されたモデル座標との一貫性を確かめるために精緻化された包括的構造の鋳型およびエネルギーから構築される。この計算されたタンパク質構造は、さらに精緻化されてもよくまたはモデリング研究に直接使用されてもよい。
【0274】
2B5−8.0のマウス可変重鎖および可変軽鎖遺伝子配列は、Vector NTIソフトウェアを使用して、44ヒト免疫グロブリン生殖系列可変重鎖または46生殖系列可変軽鎖配列(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/retrieveig.html.のNCBI Ig BLASTウェブサイトから得られる)に対して別々に整列された。BLAST検索および目視検査の組合せを用いて、適切な基準構造を特定した。基準と標的アミノ酸配列との間の25%の配列同一性は、ホモロジーモデリング実行を試みるために必要最小限であると考えられる。配列アラインメントは手動で構築され、モデル座標はジャッカル(Jackal)プログラムを用いて作り出された(Petrey,D.et al.Proteins 53(Suppl.6):430−435(2003))。2B5−8.0ヒト化では、ヒトVおよびJセグメント配列に対する相同性検索に基づいて、2B5−8.0のヒト化重鎖可変領域にフレームワークを提供するためにVHセグメントのVH1−18およびJセグメントのJH4が選択された。2B5−8.0軽鎖可変領域には、VLセグメントの01およびJセグメントのJK4が使用された(表7および8参照)。2B5−8.0VHとアクセプターヒトVH1−18およびJH4セグメント間のフレームワークアミノ酸の同一性は80.2%であり、2B5−8.0VLとアクセプターヒト01およびJK4セグメント間の同一性は90.3%であった。好ましいヒトフレームワークアクセプターVH/JHおよびVL/JKの特定の対が2B5−8.0のヒト化のためのアクセプターとして選択されたが、マウスフレームワークに対して最低25%の配列同一性を有する他のヒトフレームワークアクセプターも2B5−8.0のヒト化のために使用することができ、したがって、本発明の範囲内であることは当技術分野では公知である。
【0275】
【表7】
【0276】
【表8】
【0277】
選択された抗体のマウスおよびヒトフレームワーク領域の一次配列は、有意な同一性を有する。異なっている残基位置は、マウス抗体の観察された結合有効性を保持するために、ヒト化配列におけるマウス残基を包含する候補対象である。キーとなる残基でのそのようなフレームワーク領域アミノ酸置換(マウス残基に逆突然変異しているヒト残基)はフレームワーク逆突然変異と呼ばれ、キーとなる残基は、CDRに隣接する残基;グルコシル化部位残基;希少残基;PGEと相互作用することが可能である残基;CDRと相互作用することが可能である残基;カノニカル残基;重鎖可変領域と軽鎖可変領域間の接触残基;バーニアゾーン内の残基、およびChothia定義可変重鎖CDR1とKabat定義第一重鎖フレームワーク間で重複している領域の残基からなる群から選択される。一実施形態において、ヒトアクセプターフレームワークは、少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含み、上記フレームワークのアミノ酸配列は、上記ヒトアクセプターフレームワークの配列に少なくとも65%同一であり、上記ヒトアクセプターフレームワークに同一の少なくとも70アミノ酸残基を含む。2B5−8.0のヒト化では、キーとなる残基でのフレームワーク領域アミノ酸置換は、重鎖可変領域の位置48のM(ヒト)からI(マウス)、位置68のV(ヒト)からA(マウス)、位置70のM(ヒト)からL(マウス)、および位置72のT(ヒト)からV(マウス)、ならびに軽鎖可変領域の位置2のI(ヒト)からV(マウス)および位置3のV(ヒト)からL(マウス)からなる群から選択される。
【0278】
所定のフレームワーク残基が抗体の結合特性に影響を及ぼす可能性は、CDR残基へのその残基の近接に依存する。したがって、モデル構造を用いると、マウス配列とヒト配列との間で異なる残基は、PGEと接触する傾向があるCDR中の任意の原子からのそれらの残基の距離に従って位置付けられた。任意のCDR原子の4.5Åの範囲に入るそれらの残基が最重要なものとして特定され、ヒト化抗体へのマウス残基の保持(すなわち、フレームワーク復帰突然変異)についての候補対象にみなされた。
【0279】
2B5−8.0抗体可変領域のヒト化では、本発明において提供される一般的アプローチは以下の通りであった。先ず、2B5−8.0抗体可変領域の分子モデルが、コンピュータプログラムABMODおよびENCADの助けを借りて構築された(Levitt、M.、J.Mol.Biol.168:595−620(1983))。次に、ヒトVおよびJセグメント配列に対する相同性検索に基づいて、2B5−8.0のヒト化重鎖可変領域にフレームワークを提供するためにVHセグメントVH1−18(The Immunoglobulin Facts Book.2001、Marie−Paule Lefranc and Gerald Lefranc著、Academic Pressから出版)およびJセグメントのJH4(同上)が選択された。2B5−8.0軽鎖可変領域には、VLセグメントの01(同上)およびJセグメントのLK4(同上)が使用された。2B5−8.0VHとアクセプターヒトVH1−18およびJH4セグメント間のフレームワークアミノ酸の同一性は80.2%であり、2B5−8.0VLとアクセプターヒト01およびJK4セグメント間の同一性は90.3%であった。コンピュータモデルは、逆突然変異させる必要のあるCDRとの意味ある接触残基を同定しなかった。それ以上の置換は行われなかった。
【0280】
HU2B5.1、HU2B5.2、HU2B5.3、HU2B5.4、HU2B5.5、HU2B5.6、HU2B5.7、HU2B5.8およびHU2B5.9と命名された9種の異なる型のヒト化2B5−8.0が設計された。9種の抗体は、上記の重鎖可変領域の位置48、68、70および72ならびに軽鎖可変領域の位置2および3でフレームワーク逆突然変異が異なっていた。
【0281】
【表9】
【0282】
【表10】
【0283】
実施例4.2.2:ヒト化抗体の構築
実施例4.2.1に記載されたインシリコで設計されたヒト化抗体は、オリゴヌクレオチドを用いてデノボに構築された。各可変領域のcDNAについて、各々60−80ヌクレオチドのうちの6オリゴヌクレオチドは、各オリゴヌクレオチドの5’末端および/または3’末端で20ヌクレオチドまで互いに重複するように設計された。アニーリング反応では、すべての6オリゴを組合せ、ボイルし、dNTPの存在下でアニーリングした。DNAポリメラーゼI、ラージ(クレノウ)断片(New England Biolabs #M0210,Beverley,MA)を添加して、重複しているオリゴヌクレオチド間の約40bpギャップを埋めた。次に、修飾されたpTT3ベクターのマルチクローニングサイトに相補的な突出している配列を含む2つの最外部プライマーを用いて、完全な可変領域遺伝子を増幅するためにPCRを行った。各cDNAアセンブリ由来のPCR産物をアガロースゲル上で分離し、予測される可変領域cDNAサイズに対応するバンドを切り出し、精製した。可変重領域は、細菌において相同組み換えによって、野生型のヒトIgG1定常領域または2つのヒンジ領域のアミノ酸変異を含むヒトIgG1定常領域をコードするcDNA断片にフレームを合わせて挿入された(Zhang,Y et al.Nature Biotechnol.18(12):1314−7(2000))。この変異は、234位(EU番号付け)のロイシンからアラニンへの変更、235位のロイシンからアラニンへの変更であった(Lund et al.J.Immunol.147:2657(1991))。可変軽鎖領域は、相同組み換えによってヒトκ定常領域にフレームを合わせて挿入された。細菌コロニーを単離し、プラスミドDNAを抽出し、cDNA挿入物を全体として配列決定した。各抗体に対応する正しいヒト化重鎖および軽鎖を含むpTT3ベクターをHEK293細胞に同時に形質移入し、全長ヒト化抗PEG抗体を一時的に生成した。組み換えキメラ抗体を含む細胞上清をプロテインAセファロースクロマトグラフィーによって精製し、結合した抗体を0.1Nの酢酸/0.15M NaCL(pH3.0)の添加によって溶出した。抗体を中和し、PBS中で透析した。
【0284】
実施例4.2.3:ヒト化抗PGE抗体の別の構築
本実施例は抗PGE抗体のヒト化を記載している。マウスモノクローナル抗体2B5−8.0のヒト化は、基本的にQueen、C.、et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:10029−10033(1989)の手法に従って実施された。先ず、2B5−8.0VHまたはVLアミノ酸配列に高い相同性のあるヒトVセグメントが同定された。次に、相補性決定領域(CDR)配列が、CDRの構造を維持するのに重要なフレームワークアミノ酸と一緒に、選択されたヒトフレームワーク配列に移植された。さらに、対応するV領域サブグループ中では稀であることが見出されたヒトフレームワークアミノ酸が、潜在的免疫原性を減少させるためにコンセンサスアミノ酸で置換された。
【0285】
2B5−8.0可変領域のヒト化では、本発明において提供される一般的アプローチに従った。先ず、2B5−8.0可変領域の分子モデルが、コンピュータプログラムABMODおよびENCADの助けを借りて構築された(Levitt、M.、J.Mol.Biol.168:595−620(1983))。次に、ヒトVおよびJセグメント配列に対する相同性検索に基づいて、Hu2B5−8.0重鎖可変領域にフレームワークを提供するために、VHセグメントMUC1−1’CL(Griffiths、A.D.、et al.、EMBO J.12:725−734(1993))およびJセグメントのJH4(Ravetch、J.V.、et al.、Cell 27:583−591(1981))が選択された。Hu2B5−8.0軽鎖可変領域では、VLセグメントTR1.37’CL(Portolano、S.、et al.、J.Immunol.151:2839−2851(1993))およびJセグメントJK2(Hieter、P.A.、et al.、J.Biol.Chem.257:1516−1522(1982))が使用された。2B5−8.0VHとアクセプターヒトMUC1−1’CLおよびJH4セグメント間のフレームワークアミノ酸の同一性は76%であり、2B5−8.0VLとアクセプターヒトTR1.37’CLおよびJK2セグメント間の同一性は84%であった。
【0286】
コンピュータモデルがCDRとの意味ある接触を示唆したフレームワーク位置で、マウスV領域由来のアミノ酸が元のヒトフレームワークアミノ酸の代わりに使われた。2B5−8.0のヒト化では、キーとなる残基でのフレームワーク領域アミノ酸置換は、重鎖可変領域の位置48のM(ヒト)からI(マウス)、位置67のR(ヒト)からK(マウス)、位置68のV(ヒト)からA(マウス)、位置70のI(ヒト)からL(マウス)、および位置72のR(ヒト)からV(マウス)、ならびに軽鎖可変領域の位置75のD(ヒト)からV(マウス)からなる群から選択される。さらに、潜在的免疫原性を除去するために、少数のアミノ酸が同一のヒト可変ドメインサブグループにおけるコンセンサスアミノ酸に変わっていて、その変化は重鎖可変領域における位置76でのAからT置換ならびに軽鎖可変領域における位置1でのEからD置換および位置2でのLからI置換を含む。
【0287】
CDR移植された可変ドメイン(Hu2B5.P1のVHおよびVL)ならびにこのヒト化解析に基づくすべての逆突然変異およびコンセンサス置換(Hu2B5.P2のVHおよびVL)を組み込んだ可変ドメインのタンパク質配列は下に提供されている。1つまたは少数のそのような逆突然変異およびコンセンサス置換を有するどんなヒト化型も本発明の範囲内に収まることは一般に理解されている。抗体EはVH Hu2B5.P2およびVL Hu2B5.P2を含み;抗体FはVH Hu2B5.P2およびVL Hu2B5.P1を含み;抗体GはVH Hu2B5.P1およびVL Hu2B5.P2を含み;ならびに抗体IはVH Hu2B5.P1およびVL Hu2B5.P1を含んでいた。
【0288】
【表11】
【0289】
実施例4.2.4:ヒト化抗PGE抗体の特徴づけ
PGEに結合する精製されたヒト化抗PGE抗体の能力は、実施例1.1.Aに記載されているビオチン−PGEELISまたはH−PGEラジオイムノアッセイにより決定された。ヒト化抗PGE抗体の交差反応性は、実施例1.1.Bに記載されている競合ビオチン−PGEELISまたはH−PGEラジオイムノアッセイにより決定された。ヒト化抗PGE抗体によるPGE活性の抑制は、実施例1.1.Cに記載されているEP4バイオアッセイを使用して決定された。
【0290】
ヒト化抗PGE抗体はすべて、ビオチン−PGEELISAにおいてPGEに結合することができた(図6および7;表12)。ヒト化抗PGE抗体は、EP4 FLIPRアッセイにおいてPGE媒介カルシウム流入を中和し遮断することができた。代わりに設計されたヒト化抗PGE抗体のE、F、GおよびIも、H−PGEELISAにおいてPGEに結合することができた(表13)。Hu2B5.7は、H−PGE競合ELISAにおいてプロスタグランジン結合特異性の追加の特徴づけのために選択され、PGEに対する特異性を実証した(表13)。
【0291】
【表12】
【0292】
【表13】
【0293】
【表14】
【0294】
実施例4.2.4.A:ヒト化抗PGE抗体はPGE受容体へのPGEの結合を遮断する
抗PGE抗体による、PGE受容体、例えば、EP4に結合するPGEの競合阻害は、実施例1.1.Dに記載されているH−PGEを使用する細胞ベースまたは膜ベース受容体結合アッセイおよび実施例1.1.Eに記載されている細胞ベースFACSアッセイにより決定することが可能である。
【0295】
ヒトで10から20日間の血清半減期を有する治療mAbでは、血清濃度は通常、1週または2週IVまたはSC 3mpkもしくはそれ以下投与計画で5−15μg/mlの間である。この計算に基づけば、hu2B5.1−Hu2B5.9は、モノクローナル抗体の従来の投与計画下、100nM(または15μg/ml)の血清濃度で、治療mAbとしてインビボにおけるPGEのEP4への結合を完全に(100%)遮断する可能性がある。
【0296】
実施例4.2.5:ヒト化抗PGE抗体の生物物理化学的特徴づけ
試験された基準は、内因的安定性を示すパラメーターなどの一般的薬物様特性パラメーター(示差走査熱量測定またはDSC)から一般的物理的化学的安定性(例えば、SECによる断片化および集合モニタリングを含む純度)の範囲であった。
【0297】
生物物理化学的特徴づけのために使用された解析方法:
実施例4.2.5.1:サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
サイズ排除クロマトグラフィーを用いて、サイズに基づいてタンパク質を分離した。タンパク質は、水系移動相中で、カラムに装填された多孔性固定相樹脂を通して運ばれる。カラム中の保持時間は、タンパク質の流体力学的サイズ、および装填された樹脂床の微細孔のサイズの関数である。小さな分子は、樹脂の小さな微細孔に侵入し、大きな分子よりも長く保持され得る。カラムからの溶出により、タンパク質はUV吸収によって検出される。SEC法はTSKゲルガード(TOSOH Biosciences,Montgomeryville,PA、カタログ番号08543)、およびTSKゲルG3000SWxL(TOSOH Biosciences,Montgomeryville,PA、カタログ番号08541)を使用した。移動相は、100mMのNa2HPO4、200mMのNa2SO4、pH7.0であった。流速は0.3mL/分であった。注入体積は、1mg/mL試料の20μLであった。カラム温度は室温であった。オートサンプラー温度は2−8℃であった。全実行時間は50分であった。検出は、バンド幅を8nmに設定した214nm波長でのUV吸収に基づき、バンド幅を100nmにした360nmの基準波長を用いた。
【0298】
実施例4.2.5.1:示差走査熱量測定(DSC)
DSC装置を用いて抗PEG抗体の熱安定性を評価した。使用されたDSC装置は、Capillary Cell(Microcal,GE Healthcare Ltd./Microcal,Buckinghamshire,UK)を備えた自動化VP−DSC設備であった。分子のアンフォールディングは、1mg/mLの試料について25℃−95℃の温度範囲の全体で、1℃/分のスキャン速度を適用して研究された。適用した追加の測定パラメーターは、フィッティング時間16秒、プレスキャンウェイト時間10分であり、測定は非フィードバックモードで行った。個々の測定ごとに、420μLの試料/ブランクをDSC測定試料ホルダーに満たし、以下に示されるようにプレート充填スキームを用いた。得られるサーモグラムは、異なる遷移の中間点温度およびエンタルピーを得るために、非2状態モデルにフィットさせた。
【0299】
成功する生物製剤開発候補に求められる追加の要件は、タンパク質がその天然の状態と立体構造のままであることである。水溶液中のタンパク質は、天然の(折り畳まれた)立体構造とその変性した(折り畳まれていない)立体構造の間で平衡状態にある。天然状態の安定性は、系のギブズ自由エネルギー(DG)の大きさおよびエンタルピー(DH)とエントロピー(DS)変化との間の熱力学的関係に基づいている。正のDGは、天然状態の方が変性状態より安定であることを示しており、DGが正であるほど、安定性も大きくなる。タンパク質が解けるためには、安定化力は壊される必要がある。立体構造エントロピーは、エントロピーが優勢になる温度では安定化力を圧倒し、タンパク質を解かせる。DSCは、熱変性によるタンパク質アンフォールディングのDHを測定する。通則として、遷移中間点(Tm)が高いほど、低いほうの温度でもタンパク質は安定であると言える。同一実験中に、DSCはタンパク質変性のための熱容量(DCp)の変化も測定する。タンパク質アンフォールディングに伴う熱容量変化は、主に、天然状態では埋もれていたが変性状態では溶媒曝露される側鎖の水和の変化のせいである。DSCは、タンパク質および他の生物学的巨大分子に対する液剤安定性の貴重な予測因子であることが明らかにされている(Remmele、R.L.Jr.、Gombotz、W.R.、BioPharm 13、36−46、2000;およびRemmele、R.L.Jr.、Nightlinger、N.S.、Srinivasen、S.、Gombotz、W.R.、Pharm.Res.15、200−208、1998)。
【0300】
実施例4.2.6:クローン選択過程中のヒト化抗PGE抗体Hu2B5.7の安定性
実施例4.2.6.A:DSCおよびSECを使用するヒト化抗PGE抗体Hu2B5.7の安定性
親抗PGE抗体の一連のクローン(例えば、抗PGE抗体)の安定性は、DSCを使用する内在性熱力学的クローン安定性決定(0.79mg/mLクローン濃度、10mMクエン酸、10mMリン酸緩衝液中pH6で処方される)を使用することにより、およびクローン安定性がSECを用いてモニターされる加速安定性スクリーニング(0.79mg/mLクローン濃度、10mMクエン酸、10mMリン酸緩衝液中pH6で処方される、50℃で7日間)により評価された(表15)。
【0301】
【表15】
【0302】
【表16】
【0303】
表15および16は、加速安定性スクリーニングの開始時と終了時のモノマーレベルを示す、最長7日間貯蔵のヒト化抗PGE抗体に対するSEC試験の結果を提供している。Hu2B5.7とHu2B5.9が、7日間加速安定性スクリーニング後の最高のモノマーレベルを明らかにした。表17に示される結果は、hu2B5.7は、パネルの他のクローン(例えば、Hu2B5.4)と比べて非常に好ましい内在性安定性プロファイル(DSCデータ)も有していることを実証した。
【0304】
IgG抗体は、典型的に、3つのアンフォールディング遷移(Tm)を示しており;無傷の抗体のアンフォールディングは、Fc断片におけるCH2ドメインの融解、Fc断片におけるCH3ドメインの融解およびFab断片の融解に関連している。望ましい薬物様特性を有する抗PGE抗体を選択するために、Hu2B5.7などの高Tm値および高内在性安定性を有するクローンが選択された(表17)。
【0305】
【表17】
【0306】
実施例4.2.6.B:Hu2B5.1−Hu2B5.9のキャピラリーゾーン電気泳動
キャピラリーゾーン電気泳動は、キャピラリーが緩衝液で充填され、分離機構が緩衝液を通る分析物の電気泳動移動性の差に基づいているキャピラリー電気泳動法である。分子の電気泳動移動性は電荷対サイズ比に関係している。Beckman−Coulter ProteomeLab PA800(Beckman Coulter、Fullerton、CA)がCZE解析に使用された。中性キャピラリー(eCAP中性、全長56cm、50μm I.D.Beckman−Coulter、P/N477441、Fullerton、CA)が使用された。上記方法は、検出窓が試料導入口から20.2cmに付いた30.2cmのキャピラリーを使用した。泳動緩衝液は0.1%のMC(1%メチルセルロース溶液より、Convergent Bioscience、カタログ番号101876、Toronto、ON、Canada)を含む100mMのEACA(6−アミノカプロン酸、Sigma A7824−100 G、St.Louis、MO)、pH5.5であった。
【0307】
上記結果は、Hu2B5.1、Hu2B5.3、Hu2B5.5、Hu2B5.7、Hu2B5.9は、Hu2B5.2、Hu2B5.4、Hu2B5.6、Hu2B5.8よりも塩基性で移動すること(例えば、移動時間が短かった。)を明らかにした。これは、Hu2B5.1、Hu2B5.3、Hu2B5.5、Hu2B5.7、Hu2B5.9はすべて重鎖84番目アミノ酸にRを有し、他の4試料は同位置にSを有するという事実のせいである可能性がある。9試料はすべて主要ピークおよびマイナーな酸性および塩基性種を示したが、異なる種の分布間にはそれほど差はなかった。
【0308】
実施例4.3:PGEに複合体化したHu2B5.7の結晶化
Hu2B5.7のFab部分はPGEと複合体を形成し、上記複合体の結晶は以下の通りに作製される。
【0309】
実施例4.3.1:Hu2B5.7Fab断片の調製および精製
Hu2B5.7Fab断片を調製するため、先ず、0.15M PBS緩衝液中のHu2B5.7 IgGは、Ultrafree−15 Biomax 10kDa分子量カットオフ(MWCO)遠心分離濾過装置(Millipore)を使用して、2mg/mlまで濃縮される。パパインゲルスラリー(Pierce)は、緩衝液A(20mM NaHPO、10mM EDTA、20mM システイン)を用いて予洗され、1対1の容積比で2−3×にチャージされる。次に、濃縮された抗体は50%パパインゲルスラリーと混合され、激しく振盪させながら37℃で24時間温置される。抗体/スラリー混合物は遠心分離され(Beckman 6KR)、上清は予め平衡化されたSuperdex75上に充填される。主ピークを溶出させ、タンパク質がプールされる。25mL Protein A Sepharose 4 Fast Flowアフィニティーカラム(Amersham Pharmacia)は、100mLのPBSを用いて洗浄することにより準備される。プールされた抗体断片はアフィニティーカラムに適用される(流速2mL/分)。Hu2B5.7Fab断片を含有する画分(280nmでUV吸光度によりモニターされる)はフロースルーに収集される。0.3mg/mLよりも大きいHu2B5.7Fab断片濃度を含有する画分(280nmでUV吸光度により決定される)がプールされ、−80℃で凍結される。試料純度はSDS−PAGEを用いて評価される。
【0310】
実施例4.3.2:PGE/Hu2B5.7Fab複合体調製
PGEとHu2B5.7Fabタンパク質を1対1のモル比で混合され、4℃で1時間温置される。複合体試料は、予め平衡化させた(20mM Tris pH7.5、150mM NaCl)Superdex200カラムに0.5ml/分で充填される。複合体がプールされ、Ultrafree−15 Biomax 10kDa分子量カットオフ(MWCO)遠心分離濾過装置(Millipore)を使用して、24mg/mLまで濃縮され、−80℃で凍結される。試料純度はSDS−PAGEを用いて評価される。
【0311】
実施例4.3.3:PGE/Hu2B5.7Fab複合体の結晶化
凍結されたPGE/Hu2B5.7複合体ストック(24mg/mL同等)は氷上で解凍される。上記複合体(1.0μL)は、1.0μLの貯蔵液(1.75M 硫酸アンモニウム、100mM MES pH6.5、10mM CaCl)と混合される。こうして得られる液滴は、約18℃、貯蔵所上でシッティングドロップウェル(CrysChem sitting−drop plate)で混合される。一般に1週間以内にダイアモンド様結晶が現れた。
【0312】
実施例4.3.4:PGE/Hu2B5.7Fab複合体結晶の凍結保護および瞬間冷却
PGE/Hu2B5.7Fab複合体の結晶は、母液+20%グリセロール中ファイバーループを使用して回収される。続いて、結晶は、液体窒素中に投入することにより瞬間冷却される。
【0313】
実施例4.3.5:PGE/Hu2B5.7Fab複合体のX線回折データ収集
PGE/Hu2B5.7Fab結晶からのX線回折データは、Advanced Photon Source in Argonne、ILのIMCAビームラインで収集される。結晶は、データ収集中は、Oxford Cryosystems Cryostream冷却機を用いて温度100Kに維持される。合計で180フレームが、振幅幅1.0°で収集される。データは、HKL2000スイートのプログラム(Otwinowski and Minor、1997)を用いて処理される。結晶方位を決定した後、データはDENZOを用いて積分され、SCALEPACKを用いてスケール変更されてマージされ、絶対尺度上に置かれて、TRUNCATEを用いて構造因子振幅に変えられる(French and Wilson、1978)。固有反射数の5%が、フリーR−因子(Rfree)の計算のために、無作為な形で、「フリー」セットに割り当てられ(Brunger、1992)、反射数の残り95%は、R−因子(R)の計算のための「作業」セットをなす。
【0314】
実施例4.3.6:PGE/Hu2B5.7Fab複合体結晶構造の分子置換法および精密化
最尤分子置換法は、プログラムPHASERを使用して決定される(Read、2001)。合計で6PGE/Hu2B5.7モノマーは、解像度3.0Åで適切な空間群に解析される。検索モデルは、すでに報告されているFabの結晶構造である(Protein Data Bank entry 1BJ1;Muller et al.1998)。座標は、分子置換法に基づいて作製される。
【0315】
PGE/Hu2B5.7Fab複合体結晶構造の精密化は、適切な空間群において上記の分子置換法座標を用いて始まる。精密化は、CCP4スイートのプログラムにおいて利用可能であるプログラムREFMACによる剛体精密化を使用して始まる(Murshudov et al.、1997、Collaborative Computational Project、1994)。新規のPGE電子密度が観測される。6PGEモノマーの手動構築は、分子グラフィックスプログラムO(Jones et al.、1991)ならびに2Fo−FcおよびFo−Fc電子密度地図の試験を使用する周知のPGENMR構造1IJZ(Moy et al.,2001)により導かれる。精密化プログラムREFMAC(Murshudov et al.、1997)は、控えめな精密化の反復ラウンドのために使用され、以下の統計値:25.8%のR(Rfree30.5%)となる。
【0316】
実施例5.0:薬物動態解析
実施例5.1:組み換えマウス抗PGE抗体の薬物動態解析
マウスmAb 2B5.8.0を用いる薬物動態実験は、スプラークドーリーラットおよびBalb/Cマウスにおいて実施された。雄と雌のラットおよびマウスは、単回投与の4mg/kg 2B5.8.0を用いて、静脈内にまたは腹腔内に(マウスのみ)投与され、血清試料は抗原捕捉ベース化学発光MSD(メソスケールディスカバリー)法(Meso Scale Discovery、Gaithersburg、Maryland)を使用して解析された。薬物動態パラメーターは、WinNonlinを使用する非区画解析により計算された。
【0317】
実施例5.1.1:PK血清試料中の2B5.8.0を定量化するために使用されるアッセイ
以下のMSDアッセイを使用して、ラットおよびマウス血清中の抗体濃度を測定した。MSDストレプトアビジンプレート(Meso Scale Discovery、Gaithersburg、MD)は、0.05% Tween−20を含有するリン酸緩衝生理食塩水(Sigma、St.Louis、MO)を用いて洗浄された。プレートは、室温で振盪(600rpm)しながら覆いをかけて1時間、250μL/ウェル ブロッキング溶液(MSD Block、Meso Scale Discovery、PBS中3%最終濃度まで希釈)を用いて遮断された。洗浄後、70μLのビオチン化PGE(プロスタグランジンE−ビオチンアミド、Cayman Chemical、Ann Arbor、Michigan、カタログ番号10006987、ロット番号190831−191028、アッセイ緩衝液中0.01μg/mL)を各ウェルに添加した。プレートは覆いをされ、室温で1時間、振盪(600rpm)しながら温置された。
【0318】
解析に先立って、ラットとマウスの血清試料は氷上で解凍され、ゆっくりと混合され、エッペンドルフ遠心分離機において4℃で3分間、14000rpmで遠心分離された。検量線および対照試料はラットとマウス血清で調製された。Tecan Evo自動化リキッドハンドリングステーションを使用して、検量線、高、中および低対照、ならびに血清試料をアッセイ緩衝液中に希釈し、1%最終血清濃度を一定に保った。MSDプレートは再度洗浄され、実験試料、検量線試料およびブランクの他に高、中および低対照が添加された(70μL/ウェル)。プレートは覆いをされ、室温で振盪(600rpm)しながら1時間温置された。
【0319】
温置後、MSDプレートは洗浄され、70μLのスルフォタグ付きヤギ抗マウスIgG(Meso Scale Discovery;アッセイ緩衝液で1μg/mLまで希釈)が各ウェルに添加された。MSDプレートは覆いをされ、室温で1時間、振盪(600rpm)しながら温置され、次に、プレートは洗浄されて、2×Read Buffer(Meso Scale Discovery)を用いて展開された。化学発光は、MSD Sector Imager 6000上で10分以内に測定された。
【0320】
検量線は、4パラメーターロジスティックフィットを使用して解析され、試料濃度は、XLfit4ソフトウェア2.2.1版Build16(Microsoft Corporation、Redmond、WA)により計算された。薬物動態パラメーターは、非区画解析により、Winonlinソフトウェア5.0.1版(Pharsight Corporation、Mountain View、CA)を使用して動物ごとに計算された。
【0321】
実施例5.1.2:SDラットおよびBalb/Cマウスにおいて実施される2B5.8.0の薬物動態実験
外科的に改変された(頸静脈カニューレ処置された、JVC)通常の雄と雌のスプラークドーリーラット(生後ほぼ7週間、体重240−390グラム)は、Charles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入された。動物は、12時間明/暗周期下、一定温度と湿度に維持された部屋に収容され、通常の齧歯類固形飼料で飼われ、適宜、餌と水を与えられた。動物の水和および臨床状態は毎日モニターされた。
【0322】
雄と雌のBalb/Cマウス(体重ほぼ0.025kg)は、Charles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入された。動物は、適宜、餌と水を与えられた。血液試料は様々な時点で(各時点で5マウス)収集され(ラットからは尾静脈を介して、マウスからは心穿刺により0.2mL)、室温で30分間、凝固させ、13200rpmで3分間遠心分離され、血清はエッペンドルフチューブに移され、−80℃で凍結保存された。
【0323】
ラットでの静脈内投与に続いて、2B5.8.0は、抗体に典型的な二相指数関数的減衰を示した。2B5.8.0排除および分布容積は低く(表18)、半減期は長くT1/2:9.1と8.9日(それぞれ、雄と雌で)であった。大きな動物間可変性は雌ラット間で見られたが、雄では見られなかった。
【0324】
Balb/CマウスにおけるIV投与に続いて、2B5.8.0は非常に長い半減期(雄と雌でそれぞれ26.3日と16.2日)を示し、排除と分布容積は低かった(表18)。マウスにおける腹腔内投与に続いて、初期の時点では、雌で大きな動物間可変性が観察された。吸収は遅く、高Cmaxの37−49μg/mlは1−2日間までに到達された。半減期は長く(13.8−16.1日)、バイオアベイラビリティは良好であった(65.8−72.0%)。
【0325】
【表18】
【0326】
実施例5.1.3:組み換えヒト化抗PGE hu2B5.7およびhu2B5.4の薬物動態解析
hu2B5.7およびhu2B5.4を用いる薬物動態実験がスプラークドーリーラットにおいて実施された。雄のラットは、単回投与の4mg/kgのhu2B5.7およびhu2B5.4を静脈内投与され、血清試料は抗原捕捉ベース化学発光MSD(Meso Scale Discovery)法を使用して解析された。薬物動態パラメーターは、WinNonlinを使用する非区画解析により計算された。
【0327】
実施例5.1.3.1:PK血清試料中のHu2b5.7を定量化するために使用されるアッセイ
以下のMSDアッセイを使用して、ラット血清中のhu2B5.7およびhu2B5.4濃度を測定した。
【0328】
MSDストレプトアビジンプレート(Meso Scale Discovery)は、0.05%Tween−20を含有するリン酸緩衝生理食塩水(10×PBS、Abbott Bioresearch Center、Media Room、Worcester、MAおよびTween−20、Sigma、St.Louis、MOから希釈)を用いて洗浄された。プレートは、室温で振盪(600rpm)しながら覆いをかけて1時間、250μL/ウェル ブロッキング溶液(MSD Block、Meso Scale Discovery、PBS中3%最終濃度まで希釈)を用いて遮断された。洗浄後、70μLのビオチン化PGE(プロスタグランジンE−ビオチンアミド、Cayman Chemical、Ann Arbor、Michigan、カタログ番号10006987、ロット番号190831−191028、アッセイ緩衝液中0.01μg/mL)を各ウェルに添加した。プレートは覆いをされ、室温で1時間、振盪(600rpm)しながら温置された。
【0329】
解析に先立って、ラット血清試料は氷上で解凍され、ゆっくりと混合され、エッペンドルフ遠心分離機において4℃で3分間、14000rpmで遠心分離された。検量線および対照試料はラット血清で調製された。Tecan Evo自動化リキッドハンドリングステーションを使用して、検量線、高、中および低対照、ならびに血清試料をアッセイ緩衝液中に希釈し、1%最終血清濃度を一定に保った。MSDプレートは再度洗浄され、実験試料、検量線試料およびブランクの他に高、中および低対照が添加された(70μL/ウェル)。プレートは覆いをされ、室温で振盪(600rpm)しながら1時間温置された。
【0330】
温置後、MSDプレートは洗浄され、70μLのスルフォタグ付きヤギ抗ヒトIgG(Meso Scale Discovery;アッセイ緩衝液で1μg/mLまで希釈)が各ウェルに添加された。MSDプレートは覆いをされ、室温で1時間、振盪(600rpm)しながら温置され、次に、プレートは洗浄されて、2×Read Buffer(Meso Scale Discovery)を用いて展開された。化学発光は、MSD Sector Imager 6000上で10分以内に測定された。
【0331】
検量線は、4パラメーターロジスティックフィットを使用して解析され、試料濃度は、XLfit4ソフトウェア2.2.1版Build16(Microsoft Corporation、Redmond、WA)により計算された。薬物動態パラメーターは、非区画解析により、Winonlinソフトウェア5.0.1版(Pharsight Corporation、Mountain View、CA)を使用して動物ごとに計算された。
【0332】
実施例5.1.3.2:スプラークドーリーラットにおいて実施される薬物動態実験
外科的に改変された(頸静脈カニューレ処置された、JVC)雄のスプラークドーリーラット(生後ほぼ7週間、体重240−390グラム)は、Charles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入された。動物は、12時間明/暗周期下、一定温度と湿度に維持された部屋に収容され、通常の齧歯類固形飼料で飼われ、適宜、餌と水を与えられた。動物の水和および臨床状態は毎日モニターされた。
【0333】
0.2mLの血液試料は様々な時点でラットから収集され、室温で30分間、凝固させ、13200rpmで3分間遠心分離され、血清はエッペンドルフチューブに移され、−80℃で凍結保存された。
【0334】
静脈内投与に続いて、hu2B5.7およびhu2B5.4血清濃度は、抗体に典型的な二相指数関数的に低下した。Hu2B5.7およびhu2B5.4排除および分布容積は低く、半減期は長くT1/2:両方の抗体で12.4日であった(表19)。約10−14日後、数匹の動物は血清hu2B5.7濃度の思いがけない低下を示した。これらの突然の低下は、抗薬物抗体(ADA)の発生のせいであった可能性があるが、これは確証されなかった。考えられるADA応答を起こした動物は、最終薬物動態計算から取り除かれた。
【0335】
【表19】
【0336】
実施例4.4:組み換えマウスおよびヒト化PGE抗体のインビボ効力
抗PGE抗体のインビボ効力は以下の通りに評価される。
【0337】
実施例4.4.1:カラゲニン誘導足蹠浮腫モデルにおけるマウスおよびヒト化抗PGE抗体のインビボ効力
カラゲニン誘導足蹠浮腫は、生得的免疫機能の急性型齧歯類モデルである。マウス抗PGE抗体2B5−8.0のインビボ効力は、カラゲニン誘導足浮腫モデルにおいて評価される。カラゲニンを用いた足炎症の誘導はすでに記載されているのと同様に実施される(Joseph P.Portanova、et al.J.Exp.Med.184:883−891(1996))。炎症性物質の内皮(ID)注射により、好中球と流動性浮腫が急速に流入し、これはほぼ4時間でピークに達し、続いてマクロファージと単球が流入し、これはほぼ48時間でピークに達する。C57.BL/6マウス(生後8−10週間、Jackson Laboratories、Bar Harbor、ME)は、30μLのPBS(左)またはPBS中のλカラゲニン(Sigma Aldrich、St.Louis、MO)(右)を濃度5.0mg/mL(150μg/マウス)で、後ろ足蹠に内皮注射された。後ろ足蹠の厚みは、基線(時間=0)とカラゲニンチャレンジ4時間後に、Dyperバネ測径器モデル番号310−119により測定された。足蹠の厚みの有意差は、スチューデント両側t検定で、処置群ごとの平均足膨脹を媒体と比較することにより決定された。マウスは、カラゲニンチャレンジの18時間前に腹腔内(IP)に用量漸増法の抗PGE抗体(2B5−8.0)を、またはチャレンジの2時間前にインドメタシンを経口で与えられた。測定されたエンドポイントは、処置4時間後の右足と左足間の足膨脹(浮腫)の差であった。抗PGE抗体は、足浮腫を用量依存的に抑制し、インドメタシンにより達成される最大抑制に匹敵する、10mg/kgで足膨脹の最大40−50%抑制を提供した(表20)。
【0338】
【表20】
【0339】
実施例4.4.2:カラゲニン誘導痛覚過敏モデルにおけるマウスおよびヒト化抗PGE抗体のインビボ効力
マウス抗PGE抗体2B5−8.0およびヒト化抗PGE抗体Hu2B5.7のインビボ効力は、カラゲニン誘導痛覚過敏を決定することにより評価される。カラゲニンを用いる足炎症の誘導は、すでに記載されている通りに実施される(Joseph P.Portanova、et al.J.Exp.Med.184:883−891(1996))。痛覚過敏は、無菌食塩水中0.1%カラゲニン溶液(FMC Corp.、Rockland、ME)を0.1ml、200g雄スプラークドーリーラット(Charles River Laboratories、Portage、ME)の後の足蹠に注射することにより誘導される。熱刺激に対する痛覚過敏応答は、Hargreaves et al.Pain.32:77−88頁(1988)の方法により同一動物において決定される。後足は、注射後の選択された時間に高強度の映写用電球から放射される放射熱に曝露される。各後足が熱源に接触したままでいる時間は最近の0.1秒まで測定される。痛覚過敏応答は、各動物のカラゲニンおよび食塩水を注射された足間の潜時離脱期間の差として表される。ある種の実験では、ラットは、カラゲニン投与の1時間前に、0.5%メチルセルロース/0.025%Tween80(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)中のインドメタシンを強制経口投与により投与される。他のラットは、カラゲニン注射18時間前に、マウス抗PGEmAbである2B5−8.9、またはヒト化抗PGE抗体であるHu2B5.7、またはアイソタイプ対応抗体を腹腔内に注射される。
【0340】
実施例4.4.2:コラーゲン誘発関節炎におけるマウス抗PGE抗体のインビボ効力
II型ウシコラーゲン(凍結乾燥された)は、ユタ大学(Salt Lake City、UT)から入手された。雄のDBA/Jマウス(生後8−10週間、Jackson Laboratories、Bar Harbor、ME)は、0.1Nの酢酸に溶解された100μgのII型ウシコラーゲンと100μgの熱不活性化されたマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)H37Ra(Complete Freund’s Adjuvant、Difco、Laurence、KS)を含有する100μLの乳濁液を尾部の基部の皮内に免疫された。コラーゲンを用いた免疫化の21日後、マウスは、1mgのザイモサンA(Sigma、St.Louis、MO)を用いて腹腔内に追加免疫された。追加免疫に続いて、マウスは関節炎について毎日モニターされた。各足は、以下の基準:すなわち、0=正常;1=一部位、足または足首の膨脹;2=足と足首の膨脹、および3=強直症により点数化された。点数は動物ごとに合計され、各群中のすべての動物の総平均はMASとして表された。臨床点数に加えて、マウスは、Dyperバネ測径器モデル番号310−119を使用して、足浮腫についても評価された。24日目から28日目の間に疾患の最初の臨床的徴候があったマウスが実験用に登録された。実験終了時に、各群から6足が回収され、マイクロCTおよび組織学的検査のために10%中性緩衝ホルマリン中に保存された。
【0341】
マイクロコンピュータ断層撮影法は、Scanco μCT−40装置(Scanco Medical AG)上、60kVpで160μAで実施された。後足(70%エタノールに保存された)は、イメージングチューブにしっかり留められ、足根骨容積は脛骨の根元から足骨/中足骨関節までのマウス足首の1.8mm切片について18μmの解像度で測定された。次に、生のマイクロコンピュータ断層撮影画像は、Scanco AG μCT評価プログラムを使用して解析された。
【0342】
病理組織学解析では、ホルマリン固定足は切開され、Gills 3ヘマトキシリン(Richard−Allan Scientific、Kalamazoo、MI)およびフロキシンを有するエオシン(Newcomer Supply、Middleton、MI)を用いて染色された。疾患の重症度は、以下の基準:すなわち、0=正常;1=最小変化;2=軽度変化;3=中程度変化;および4=重症変化を使用して、組織学的に評価された。点数は動物ごとに合計され、総計は各群のすべての動物の平均として表された。
【0343】
抗PGE単独の治療効果は、ヒト関節リウマチの標準前臨床モデルであるマウス(雄のDBA/1J)コラーゲン誘導関節炎において評価された。薬物処置は、ウシII型コラーゲンを用いる免疫化後マウスが関節炎疾患の徴候を現した後に開始された。マウスは関節炎の臨床的徴候について視覚的に点数化され、結果は、平均関節炎点数(MAS)として記録された。時間をかけてモニターされた足膨脹およびMASは、曲線下面積(AUC)としても表された(表21)。疾患発症後、抗PGEmAb 2B5を用いた処置により、MASを表すAUCは22%減少した。
【0344】
【表21】
【0345】
実施例4.4.2:アジュバンド誘発関節炎におけるマウス抗PGE抗体のインビボ効力
マウス抗PGE抗体2B5−8.0のインビボ効力は、アジュバンド誘発関節炎モデルにおいて評価される。関節炎は、すでに記載されているミネラルオイル中のマイコバクテリア・ブチリクム(Mycobacterium butyricum)(Difco Laboratories、Detroit、MI)の足蹠注射により雄のルイスラット(Harlan、Indianapolis、IN)に誘導される。デキサメタゾンおよびインドメタシン(Sigma Chemical Co.)はメチルセルロース/Tween中に懸濁され、投与量それぞれ0.1および2mg/kgで強制投与により1日2回投与される。2B5−8.0およびアイソタイプ対照は、用量10mg/kgで腹腔内注射により毎日投与される。処置は、アジュバンド注射の15日後に開始され、21日目の未注射対側足の足容積の最終評価まで続けられる。マウスは、末梢関節における関節炎の外観について週2回慎重に検査され、疾患活動性を表す点数が決定される。
【0346】
参照による組み込み
本出願を通して引用されてもよい、すべての引用される参考資料(参考文献、特許、特許出願およびウェブサイトを含む)の内容は、これによって、これらの参考資料がそこに記載されているかのように、参考資料の全体を参照することにより明確に組み込まれる。本発明の実施は、別段の記載がない限り、当該技術分野において周知である免疫学、分子生物学および細胞生物学の従来技術を使用する。
【0347】
均等
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱せずに他の具体的な形態において体現されもよい。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載されている本発明を限定するというよりはむしろ、すべての点において例示していると考えるべきである。よって、本発明の範囲は、前述の記載によるというよりはむしろ、添付される特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の意味および均等の範囲内にあるすべての変更は本明細書に包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
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【手続補正書】
【提出日】2015年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体またはその抗原結合断片であって、前記抗体又は抗原結合断片がプロスタグランジンE(PGE)に結合することができ、前記抗体又は抗原結合断片は配列番号44の相補性決定領域(CDR)(GYTFTKYWLG、DIYPYGDYTHYNEKFKD及びSDGSSTY)及び配列番号45のCDR(TSSQNIVHSNGNTYLE、KVSNRFSG及びFQVSHVPYTF)を含む、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項2】
抗体又はその抗原結合断片が、プロスタグランジンEに結合することができ、前記抗体又はその抗原結合断片が、下記の(a)及び(b)からなる群から選択される可変ドメイン配列を含む前記抗体又はその抗原結合断片、
(a)配列番号44及び配列番号45及び
(b)配列番号40及び配列番号41。
【請求項3】
抗体又はその抗原断片が、
(a)プロスタグランジンEの生物学的機能を調節することが可能である、
(b)プロスタグランジンEを中和することが可能である、
(c)EP1、EP2、EP3およびEP4からなる群から選択される1以上のプロスタグランジンE受容体へのプロスタグランジンEの結合を妨げることが可能である、
(d)プロスタグランジンE受容体であるEP1、EP2、EP3およびEP4へのプロスタグランジンEの結合を妨げることが可能である、
(e)ELISAアッセイを使用して、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11Mおよび約1×10−11から約1×10−12Mからなる群から選択されるEC50でプロスタグランジンEに結合することが可能である、及び/又は
(f)EP4受容体媒介FLIPRアッセイにおいて、約1×10−6から約1×10−7M、約1×10−7から約1×10−8M、約1×10−8から約1×10−9M、約1×10−9から約1×10−10M、約1×10−10から約1×10−11Mおよび約1×10−11から約1×10−12からなる群から選択されるIC50で、プロスタグランジンE受容体EP4に対して、プロスタグランジンEにより誘導されるカルシウム流入を抑制することが可能である、
請求項1又は2に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項4】
親和性成熟されている、請求項1−3のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項5】
さらにリンカーポリペプチドを含む、請求項1−4のいずれか一項に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項6】
ヒトアクセプターフレームワーク配列をさらに含む、請求項1に記載の抗体又は抗原結合断片。
【請求項7】
免疫グロブリン分子、ジスルフィド連結Fv、モノクローナル抗体、scFv、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、CDR移植された抗体、ダイアボディ、ヒト化抗体、多特異的抗体、Fab、二重特異的抗体、Fab’、二特異的抗体、F(ab’)2およびFvからなる群から選択される、請求項1−6のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項8】
ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgG1定常ドメイン、ヒトIgE定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、およびヒトIgG3定常ドメイン、およびヒトIgA定常ドメインからなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインをさらに含む、請求項1−7のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項9】
免疫グロブリン定常ドメインが、配列番号1−4からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項8に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項10】
請求項1−9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含む抗体連結体であって、さらに免疫接着分子、造影剤、治療剤又は細胞毒性剤をさらに含む、抗体連結体。
【請求項11】
造影剤が、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識およびビオチンからなる群から選択される造影剤である、請求項10に記載の抗体連結体。
【請求項12】
放射性標識が、H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoおよび153Smからなる群から選択される放射性標識である、請求項11に記載の抗体連結体。
【請求項13】
治療剤又は細胞毒性剤が、代謝抑制剤、アルキル化剤、抗生物質、増殖因子、サイトカイン、抗血管新生剤、抗有糸分裂剤、アントラサイクリン、トキシン又はアポトーシス剤である、請求項10に記載の抗体連結体。
【請求項14】
請求項1−9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片であって、
(a)抗体又はその抗原結合断片がヒトグリコシル化パターンを有する、
(b)抗体又はその抗原結合断片が結晶化されている、
(c)抗体又はその抗原結合断片が無担体医薬徐放結晶である、
(d)インビボにおいて、可溶性対応物よりも長い半減期を有する、(a)〜(c)の抗体又はその抗原結合断片、及び/又は
(e)結晶化の後、生物学的活性を保持している、(a)〜(d)の抗体又はその抗原結合断片である、
抗体又はその抗原結合断片。
【請求項15】
請求項1−9のいずれか一項に記載の抗体又は抗原結合断片をコードする単離された核酸。
【請求項16】
pcDNA、pTT、pTT3、pEFBOS、pBV、pJV、pBJ又はpA2を含んでもよい、請求項15に記載の単離された核酸を含むベクター。
【請求項17】
宿主細胞が原核細胞、E.コリ(E.coli)細胞、真核細胞、原生生物細胞、動物細胞、植物細胞、真菌細胞、哺乳動物細胞、鳥類細胞、昆虫細胞、CHO細胞、COS細胞、HEK293細胞、酵母細胞、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)細胞および昆虫Sf9細胞からなる群から選択されてもよい請求項16に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項18】
プロスタグランジンEに結合することが可能である抗体又はその抗原結合断片を産生するのに十分な条件下で、請求項17に記載の宿主細胞を培養する工程を含む、プロスタグランジンEに結合することが可能である抗体又はその抗原結合断片を作製する方法。
【請求項19】
(a)請求項14に記載の結晶化された抗体又はその抗原結合断片、
(b)アルブミン、ショ糖、トレハロース、ラクチトール、ゼラチン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、メトキシポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される成分、および
(c)ポリ(アクリル酸)、ポリ(シアノアクリル酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(デプシペプチド)、ポリ(エステル)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸コグリコール酸)またはPLGA、ポリ(b−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ((ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリ[(オルガノ)ホスファゼン]、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、無水マレイン酸−アルキルビニルエーテルコポリマー、プルロニックポリオール、アルブミン、アルギン酸、セルロースおよびセルロース誘導体、コラーゲン、フィブリン、ゼラチン、ヒアルロン酸、オリゴ糖、グリカミノグリカン、硫酸多糖類、ならびにそれらの混合物および/またはコポリマーからなる群から選択されてもよい、少なくとも1つのポリマー担体、
を含む、抗体又はその抗原結合断片の放出のための組成物。
【請求項20】
請求項1−9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片および医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項21】
医薬として許容される担体が、抗体又はその抗原結合断片の吸収または分散を増加させるのに有用なアジュバンドとして機能し、該アジュバンドがヒアルロニダーゼであってもよい、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
治療剤、造影剤、細胞毒性剤、血管新生阻害剤、キナーゼ阻害剤、共刺激分子遮断剤、接着分子遮断剤、抗サイトカイン抗体またはその機能的断片、メトトレキサート、シクロスポリン、ラパマイシン、FK506、検出可能な標識またはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗リウマチ薬、筋肉弛緩剤、麻酔薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、鎮痛剤、麻酔、鎮静剤、局所麻酔、神経筋肉遮断剤、抗微生物剤、抗乾癬剤、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、エリスロポエチン、免疫化、イムノグロブリン、免疫抑制剤、成長ホルモン、ホルモン置換薬、放射性医薬、抗うつ剤、抗精神病薬、刺激物質、喘息薬、βアゴニスト、吸入用ステロイド、経口ステロイド、エピネフリンまたはこの類似体、サイトカインおよびサイトカインアンタゴニストからなる群から選択される追加の治療剤をさらに含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
ヒト対象においてプロスタグランジンE活性を減少させるための請求項1−9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含む組成物。
【請求項24】
ヒト対象が、自己免疫障害、炎症性障害、腫瘍、関節リウマチ、アレルギー性関節炎、ギランバレー症候群、感染性単核球症、ウイルス性リンパ節症、ヘルペスウイルスによる感染症、多発性硬化症、脱髄疾患、血液障害、溶血性貧血、血小板減少症、内分泌学的障害、糖尿病、アジソン病、特発性副甲状腺機能低下症、慢性リンパ性甲状腺炎、コラーゲン障害、全身性エリテマトーデス、生殖障害、無月経、不妊症、反復流産、子癇、頭頸部腫瘍、肺癌、胃癌、前立腺癌、膵癌、胃腸器官疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、疼痛、変形性関節炎に関連する疼痛、視覚障害、加齢性黄斑変性症、関節リウマチ、骨関節炎、若年性慢性関節炎、化膿性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性紅斑性狼瘡、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インシュリン依存性糖尿病、甲状腺炎、喘息、アレルギー性疾患、乾癬、皮膚炎、強皮症、移植片対宿主病、臓器移植拒絶、臓器移植に関連する急性または慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、バセドウ病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーライン紫斑症、腎臓の顕微鏡的血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症性ショック、毒素性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染性疾患、寄生性疾患、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、孤発性の、多内分泌腺機能低下症候群I型および多内分泌腺機能低下症候群II型、シュミット症候群、成人(急性)呼吸促迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清反応陰性関節炎、関節炎、ライター病、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸性関節炎、腸疾患性滑膜炎、クラミジア、エルシニアおよびサルモネラ関連関節炎、脊椎関節症、アテローム性疾患/アテローム性動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱性疾患、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫性溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/ロイヤルフリー病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、巨細胞性動脈炎、原発性硬化性肝炎、突発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群、後天性免疫不全関連疾患、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型原発性低γグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊症、卵巣機能不全、早期卵巣機能不全、繊維性肺疾患、突発性間質性肺炎、炎症後間質性肺疾患、間質性肺炎、結合組織疾患関連間質性肺疾患、混合性結合組織疾患関連肺疾患、全身性硬化症関連間質性肺疾患、関節リウマチ関連間質性肺疾患、全身性紅斑性狼瘡関連肺疾患、皮膚筋炎/多発性筋炎関連肺疾患、シェーグレン病関連肺疾患、強直性脊椎炎関連肺疾患、血管炎性びまん性肺疾患(vasculitic diffuse lung disease)、ヘモシデローシス関連肺疾患、薬物によって誘導された間質性肺疾患、繊維症、放射性繊維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間質性肺疾患、通風関節炎、自己免疫性肝炎、1型自己免疫性肝炎(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎)、自己免疫媒介性低血糖症、黒色表皮腫を伴うB型インシュリン抵抗性、副甲状腺機能低下症、臓器移植に関連する急性免疫疾患、臓器移植に関連する慢性免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、1型乾癬、2型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、腎臓病NOS、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的血管炎、ライム病、円板状紅斑性狼瘡、男性不妊症特発性またはNOS、精子自己免疫、多発性硬化症(すべてのサブタイプ)、交感性眼炎、結合組織疾患に続発する肺高血圧症、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スチル病、全身性硬化症、シェーグレン症候群、高安病/動脈炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺機能亢進症、甲状腺腫自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫(primary myxoedema)、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘発性肝障害、胆汁うっ滞(choleosatatis)、特異体質性肝疾患、薬物誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アレルギーおよび喘息、B群連鎖球菌(GBS)感染、精神障害(例えば、うつ病および統合失調症)、Th2型およびTh1型によって媒介される疾病、急性および慢性疼痛(疼痛の様々な形態)、ならびに、肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、大腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および腎臓癌および造血性悪性病変(白血病およびリンパ腫)などの癌、無βリポタンパク質血症、先端チアノーゼ、急性および慢性寄生性または感染性プロセス、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性または慢性細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌、心房(aerial)異所性拍動、AIDS認知症複合、アルコール誘発性肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植拒絶、α−1−アンチトリプシン欠乏症、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗cd3治療、抗リン脂質症候群、抗受容体過敏症反応(anti−receptor hypersensitivity reactions)、大動脈(aordic)および動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、動脈硬化症、動静脈痩、運動失調、心房細動(持続的または発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心不整脈、心機能不全症候群(cardiac stun syndrome)、心臓腫瘍、心筋症、心肺バイパス炎症反応、軟骨移植拒絶、小脳皮質変性、小脳疾患、無秩序なまたは多巣性心房頻脈、化学療法関連疾患、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性アルコール症、慢性炎症性病変、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性サリチル酸中毒、結腸直腸癌、うっ血性心不全、結膜炎、接触性皮膚炎、肺性心、冠動脈疾患、クロイツフェルト−ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性繊維症、サイトカイン療法関連疾患、ボクサー脳、脱髄性疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚科学的症状、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病性動脈硬化疾患、瀰漫性レビー小体病、拡張型うっ血性心筋症、大脳基底核の疾患、中年のダウン症候群、中枢神経ドーパミン受容体を遮断する薬物によって誘発された薬物誘発性運動疾患、薬物感受性、湿疹、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌疾患、喉頭蓋炎、エプスタイン−バーウイルス感染、紅痛症、垂体外路および小脳疾患、家族性血球貪食性リンパ組織球症(familial hematophagocytic lymphohistiocytosis)、致死的胸腺移植組織拒絶、フリードライヒ失調症、機能的末梢動脈疾患、真菌性敗血症、ガス壊疸、胃潰瘍、糸球体腎炎、いずれかの臓器または組織の移植片拒絶、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、細胞内生物に起因する肉芽腫、有毛細胞白血病、ハラーホルデン・スパッツ病、橋本甲状腺炎、枯草熱、心臓移植拒絶、血色素症、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓溶解血小板減少紫斑病、出血、肝炎(A型)、ヒス束不整脈、HIV感染/HIV神経障害、ホジキン病、運動過剰疾患、過敏症反応、過敏性肺炎、高血圧、運動低下疾患、視床下部−下垂体−副腎皮質系評価、特発性アジソン病、特発性肺繊維症、抗体媒介性細胞毒性、無力症、乳児脊髄性筋萎縮症、大動脈の炎症、A型インフルエンザ、電離放射線曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血再灌流障害、虚血性発作、若年性関節リウマチ、若年性脊髄性筋萎縮症、カポジ肉腫、腎移植拒絶、レジオネラ、リーシュマニア症、ハンセン病、皮質脊髄系の病変、脂肪血症(lipedema)、肝臓移植拒絶、リンパ浮腫(lymphederma)、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性黒色腫、髄膜炎、髄膜炎菌血症(meningococcemia)、代謝性/特発性、偏頭痛、ミトコンドリア多系疾患(mitochondrial multi.system disorder)、混合性結合組織病、モノクローナル高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、多系統変性(メンセル・デジェリーヌ−トーマス・シャイ−ドレーガーおよびマシャド−ジョセフ)、重症筋無力症、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、マイコバクテリウム・チュバキュロシス、骨髄形成異常、心筋梗塞、真菌虚血疾患、上咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性疾患、神経原性I筋萎縮、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹部大動脈およびその分枝の閉塞、閉塞性動脈疾患、okt3療法、精巣炎/精巣上体炎、精巣炎/精管復元術処置、臓器肥大、骨粗鬆症、膵臓移植拒絶、膵癌、腫瘍随伴性症候群/悪性腫瘍の高カルシウム血症、副甲状腺移植拒絶、骨盤内炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢アテローム硬化性疾患、末梢血管疾患、腹膜炎、悪性貧血、ニューモシスチス・カリニ肺炎、肺炎、POEMS症候群(多発神経炎、臓器肥大、内分泌疾患、単クローン性γグロブリン血症および皮膚変化症候群(skin changes syndrome))、灌流後症候群(post perfusion syndrome)、ポンプ後症候群(post pump syndrome)、心筋梗塞後開心術症候群、子癇前症、進行性核上性麻痺、原発性肺高血圧、放射線療法、レイノー現象および病、レイノー病、レフサム病、規則的なQRS幅の狭い頻脈症(regular narrow QRS tachycardia)、腎血管性高血圧、再灌流障害、拘束型心筋症、肉腫、強皮症、老年性舞踏病、レビー小体型の老年性認知症、血清反応陰性関節炎、ショック、鎌形赤血球貧血症、皮膚同種異系移植拒絶、皮膚変化症候群、小腸移植拒絶、固形腫瘍、固有不整脈(specific arrythmias)、脊髄性運動失調、脊髄小脳変性、連鎖球菌性筋炎、小脳の構造的病変、亜急性硬化性全脳炎、湿疹、心血管系の梅毒、全身性アナフィラキシー、全身性炎症反応症候群、全身性発症若年性関節リウマチ、T細胞またはFABALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓血管炎、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、III型過敏症反応、IV型過敏症、不安定狭心症、尿毒症、尿路性敗血症、じんましん、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈疾患、静脈血栓症、心室細動、ウイルスおよび真菌感染、ウイルス性脳炎(vital encephalitis)/無菌性髄膜炎、ウイルス関連血球貪食症候群、ウェルニッケ−コルサコフ症候群、ウィルソン病、いずれかの臓器または組織の異種移植拒絶、急性冠症候群、急性特発性多発性神経炎、急性炎症性脱髄性多発神経根神経障害、急性虚血、成人スチル病、円形脱毛症、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、動脈硬化症、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、連鎖球菌感染に伴う自己免疫障害、自己免疫性腸疾患、自己免疫性難聴、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性早期卵巣機能不全、眼瞼炎、気管支拡張症、水疱性類天疱瘡、循環器疾患、劇症型抗リン脂質抗体症候群、セリアック病、頸椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを伴う臨床的孤立性症候群(CIS)、結膜炎、若年発症精神障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、涙嚢炎、皮膚筋炎、糖尿病性網膜症、糖尿病、椎間板ヘルニア、椎間板脱出症、薬物誘発性免疫性溶血性貧血、心内膜炎、子宮内膜症、眼内炎、上強膜炎、多形性紅斑、多形滲出性紅斑、妊娠性類天疱瘡、ギランバレー症候群(GBS)、枯草熱、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE媒介アレルギー、免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感
染性眼炎症性疾患、炎症性脱髄疾患、炎症性心疾患、炎症性腎疾患、間質性肺線維症/通常型間質性肺炎、紅彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎(Keratojuntivitis sicca)、クスマウル病またはクスマウルマイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞組織球症、網状皮斑、黄斑変性症、顕微鏡的多発血管炎、ベヒテレフ病、運動ニューロン障害、粘膜類天疱瘡、多臓器不全、重症筋無力症、骨髄異形成症候群、心筋炎、神経根障害、神経障害、非A非B型肝炎、視神経炎、骨溶解症、小関節型若年性関節リウマチ、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、末梢血管疾患(PVD)、末梢動脈疾患(PAD)、静脈炎、結節性多発動脈炎(または結節性動脈周囲症)、多発性軟骨炎、リウマチ性多発筋痛症、白毛症、多関節型若年性関節リウマチ、多内分泌欠乏症候群、多発性筋炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、ポンプ後症候群、一次性パーキンソン症候群、前立腺炎、赤芽球癆、原発性副腎機能不全、再発性視神経脊髄炎、再狭窄、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症および骨炎)、強皮症、続発性アミロイドーシス、ショック肺、強膜炎、坐骨神経痛、続発性副腎機能不全、シリコン関連結合組織病、スネッドンウィルキンソン皮膚症、強直性脊椎炎、スティーブンスジョンソン症候群(SJS)、全身性炎症反応症候群、側頭動脈炎、トキソプラスマ性網膜炎、中毒性表皮壊死症、横断性脊椎炎、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体)、1型アレルギー反応、II型糖尿病、蕁麻疹、通常型間質性肺炎(UIP)、血管炎、春季カタル、ウイルス性網膜炎、フォークト小柳原田症候群(VKH症候群)、滲出型黄斑変性ならびに創傷治癒からなる群から選択される疾患に罹患している、請求項23の組成物。
【請求項25】
ヒト対象が、以下から選択される疾患に罹患している請求項23に記載の組成物、
(a)関節リウマチ、アレルギー性関節炎、若年性関節炎、強直性脊椎炎および変形性関節炎;
(b)ウイルスにより誘発されるある種の疾患であって、ギランバレー症候群、感染性単核球症、他のウイルス性リンパ節症およびヘルペスウイルスによる感染症から選択されてもよい疾患;
(c)多発性硬化症および他の脱髄疾患;
(d)血液障害であって、溶血性貧血および血小板減少症から選択されてもよい障害;
(e)内分泌学的障害であって、糖尿病、アジソン病、特発性副甲状腺機能低下症および慢性リンパ性甲状腺炎から選択されてもよい障害;
(f)コラーゲン障害及び/又は全身性エリテマトーデス;
(g)生殖障害であって、無月経、不妊症、反復流産および子癇から選択されてもよい障害;
(h)腫瘍であって、頭頸部腫瘍、肺癌、胃癌、前立腺癌および膵癌から選択されてもよい腫瘍;
(i)炎症性腸疾患であって、クローン病および潰瘍性大腸炎から選択されてもよい疾患;
(j)変形性関節炎および他の障害を伴う疼痛;又は
(k)視覚障害及び/又は加齢性黄斑変性症(AMD)。
【請求項26】
抗体又はその抗原結合断片が、第二の因子の投与前に、同時に、または後に投与される請求項23に記載の組成物であって、前記第二の因子が、メトトレキサート、レフルノミド、低用量のコルチコステロイド、プレドニゾン、コルチゾン、抗マラリア薬剤、ヒドロキシクロロキン、金、スルファサラジン、ペニシラミン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ミノサイクリン、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、アバタセプト、リツキシマブ、アナキンラ、生物学的因子ならびにIL−6、IL−6R、IL−17、IL−18、IL−23およびB7.1/B7.2を標的する経口デリバリー薬剤からなる群から選択される関節リウマチまたは若年性関節リウマチ薬;アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ、ステロイド、人工滑液、シンヴィクス(商標)およびヒアルガン(商標)、アダリムマブ、アザサン(azasan)(商標)、アサコール(商標)、アザチオプリン、アザルフィジン(商標)、ブデソニド、エントコート(商標)、フラジール(商標)、イムラン(商標)、インフリキシマブ、メルカプトプリン、メトロニダゾール、プロトスタット(protostat)、プリネトール(purinethol)(商標)、レミケード(商標)、スルファサラジン;アセトコット(acetocot)、アセチルサリチル酸、アキュプリン(acuprin)81、アダリムマブ、アリーブ(aleve)(商標)、アムコート(amcort)、アナプロックス(anaprox)(商標)、アリストコート(aristocort)(商標)、アスピリン、アスピルタブ(aspirtab)、アズマコート(azmacort)(商標)、バファリン(商標)、ブフェックス(buffex)、カタフラム(商標)、セレブレックス(celebrex)(商標)、クリノリル(商標)、コルチゾン、ジクロフェナク、ディペンタム(dipentum)(商標)、アスピリン(easprin)(商標)、エタネルセプト、インドシン(indocin)(商標)、インドメタシン、インフリキシマブ、ナプロキセン、レミケード、トリアムシノロンおよびボルタレン(商標)、アボネックス(Avonex)(商標)、アザサン(azasan)(商標)、アザチオプリン、ベタセロン(Betaseron)(商標)、バブリプレッド(Bubbli−Pred)(商標)、コパクソン(Copaxone)(商標)、コトロン(Cotolone)、グラチラマー、イムラン(商標)、インターフェロンベータ−la、インターフェロンベータ−lb溶液、キープレッド(Key−Pred)、キープレッドSP(Key−Pred SP)、ミトキサントロン、ナタリズマブ、ノバントロン(Novantrone)(商標)、オラプレッド(Orapred)(商標)、オラプレッドODT(Orapred ODT)(商標)、ペディアプレッド(Pediapred)(商標)、Pred−Ject−50、プレダコート(Predacort)50、プレダロン(Predalone)50、プレデート(Predate)−50、プレドニゾロン、プレロン(Prelone)(商標)、レビフ(Rebif)(商標)およびタイサブリ(商標)、アブラキサン(商標)、アドリアマイシン、アドルシル(Adrucil)(商標)、アルダラ(Aldara)(商標)、アレムツズマブ、アリムタ(商標)、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アプレピタン、アリミデックス(商標)、アロマシン(商標)、アラノン(商標)、亜ヒ酸、アバスチン(商標)(ベバシズマブ)、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、キャンパス(商標)(アレムツズマブ)、カンプトサール(商標)(塩酸イリノテカン)、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、シスプラチン、クラフェン(Clafen)(シクロホスファミド)、クロファラビン、クロファレックス(Clofarex)(クロファラビン)、クロラール(Clolar)(商標)(クロファラビン)、シクロホスファミド、シタラビン、サイトサール(Cytosar)−U(シタラビン)、シトキサン(シクロホスファミド)、ダコゲン(Dacogen)(商標)(デシタビン)、ダサチニブ、デシタビン、デポサイト(商標)(リポソームシタラビン)、デポフォーム(商標)(DepoFoam)(リポソームシタラビン)、塩酸デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキシル(商標)(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、塩酸ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシンリポソーム、Dox−SL(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、エフデックス(Efudex)(商標)(フルオロウラシル)、エレンス(Ellence)(商標)(塩酸エピルビシン)、エロキサチン(Eloxatin)(商標)(オキサリプラチン)、エメンド(商標)(アプレピタント)、塩酸エピルビシン、アービタックス(商標)(セツキシマブ)、塩酸エルロチニブ、エバセト(Evacet)(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、エビスタ(商標)(塩酸ラロキシフェン)、エキセメスタン、ファスロデックス(商標)(フルベストラント)、フェマーラ(商標)(レトロゾール)、フルオロプレックス(Fluoroplex)(商標)(フルオロウラシル)、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、塩酸ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ジェムザール(商標)(塩酸ゲムシタビン)、グリベック(商標)(メシル酸イマチニブ)、ハーセプチン(商標)(トラスツズマブ)、ハイカムチン(商標)(塩酸トポテカン)、メシル酸イマチニブ、イミキモド、イレッサ(商標)(ゲフィニチブ)、塩酸イリノテカン、イクサベピロン、イグゼンプラ(商標)(イクサベピロン)、ケオキシフェン(Keoxifene)(塩酸ラロキシフェン)、ケピバンス(商標)(パリフェルミン)、ラパチニブトシル酸、レナリドミド、レトロゾール、レブラン(Levulan)(商標)(アミノレブリン酸)、リポドックス(LipoDox)(商標)(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、リポソームシタラビン、メタゾラストン(Methazolastone)(テモゾロミド)、マイロサール(Mylosar)(アザシチジン)、マイロターグ(商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ナノ粒子パクリタキセル(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ネララビン、ネオサール(Neosar)(商標)(シクロホスファミド)、ネクサバール(商標)(トシル酸ソラフェニブ)、ニロチニブ、ノルバデックス(クエン酸タモキシフェン)、オンキャスパー(商標)(Oncaspar)(ペグアスパルガーゼ)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、パリフェルミン、パニツムマブ、パラプラット(カルボプラチン)、パラプラチン(商標)(カルボプラチン)、ペグアスパルガーゼ、ペメトレキセド二ナトリウム、プラチノール(Platinol)−AQ(シスプラチン)、プラチノール(Platinol)(商標)(シスプラチン)、塩酸ラロキシフェン、レブリミド(レナリドミド)、リツキサン(商標)(リツキシマブ)、リツキシマブ、スクレロゾル胸膜内エアロゾル(タルク)、トシル酸ソラフェニブ、スプリセル(商標)(ダサチニブ)、減菌タルクパウダー(タルク)、ステリタルク(Steritalc)(商標)(タルク)、リンゴ酸スニチニブ、スーテント(商標)(リンゴ酸スニチニブ)、シノビル(Synovir)(サリドマイド)、タルク、クエン酸タモキシフェン、タラビン(Tarabine)PFS(シタラビン)、タルセバ(商標)(塩酸エルロニチブ)、ターグレチン(商標)(ベキサロテン)、タシグナ(商標)(ニロチニブ)、タキソール(商標)(パクリタキセル)、タキソテール(商標)(ドセタキセル)、テモダール(商標)(テモゾロミド)、テモゾロミド、テムシロリムス、サロミド(Thalomid)(商標)(サリドマイド)、サリドマイド、トテクト(Totect)(商標)(塩酸デクスラゾキサン)、塩酸トポテカン、トリセル(Torisel)(商標)(テムシロリムス)、トラスツズマブ、トリセノックス(商標)(亜ヒ酸)、タイケルブ(商標)(トシル酸ラパニチブ)、ベクチビックス(商標)(パニツムマブ)、ベルケイド(商標)(ボルテゾミブ)、ビダザ(商標)(アザシチジン)、ボリノスタット、ゼローダ(商標)(カペシタビン)、ザインカード(商標)(塩酸デクスラゾキサン)、ゾレドロン酸、ゾリンザ(商標)(ボリノスタット)、およびゾメタ(商標)(ゾレドロン酸)からなる群から選択される、組成物。
【請求項27】
抗体又はその抗原結合断片が、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内(intracavity)、腔内(intracelial)、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心臓周囲内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、結腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑膜内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、口内、舌下、鼻内または経皮から投与される、請求項23に記載の組成物。
【請求項28】
イムノアッセイにより、試料中のプロスタグランジンE又はその断片の存在を決定する方法であって、該イムノアッセイが試料を、少なくとも1つの請求項1−9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片と少なくとも1つの検出可能なラベルと接触させることを含む方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、さらに
(a)試料を少なくとも1つの抗体又はその抗原結合断片と接触させ、該抗体又はその抗原結合断片はプロスタグランジンEまたはその断片のエピトープに結合し、第一の複合体を形成するステップ、
(b)該複合体を少なくとも1つの検出可能なラベルに接触させ、該検出可能なラベルは抗体若しくはその抗原結合断片又は、抗体若しくはその抗原結合断片が結合していないプロスタグランジンE若しくはその断片に結合し、第二の複合体を形成するステップ、及び
(c)第二の複合体における検出可能なラベルによって生成されたシグナルに基づき、試料中のプロスタグランジンEまたはその断片の存在を検出するステップであって、プロスタグランジンEまたはその断片は、直接的に検出可能なラベルによって生成されたシグナルと相関するステップ、
を含む方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法であって、さらに
(a)試料を少なくとも1つの抗体又はその抗原結合断片と接触させ、該抗体又はその抗原結合断片はプロスタグランジンEまたはその断片のエピトープに結合し、第一の複合体を形成するステップ、
(b)該複合体を少なくとも1つの検出可能なラベルに接触させ、該検出可能なラベルはプロスタグランジンEまたはその断片と競合して、抗体又はその抗原結合断片と結合し、第二の複合体を形成するステップ、及び
(c)第二の複合体における検出可能なラベルによって生成されたシグナルに基づき、試料中のプロスタグランジンEまたはその断片の存在を検出するステップであって、プロスタグランジンEまたはその断片は、間接的に検出可能なラベルによって生成されたシグナルと相関するステップ、
を含む方法。
【外国語明細書】
2016029027000001.pdf